JP2009175650A - 光学補償フィルムの製造方法、光学補償フィルム、偏光板及び液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】支持体上に棒状ネマチック液晶を垂直配向させた液晶層を有する光学補償フィルムの製造方法において、該支持体上に直接又は他の層を介して少なくとも前記棒状ネマチック液晶と溶媒を含有する液晶組成物を塗布して液晶層を形成した後、該液晶層中の残留溶媒量を液晶組成物の固形分に対し0.01〜5質量%になるように加熱処理しながら液晶を等方相の状態とし、次いで上記の範囲内の溶媒量を維持しながら前記液晶を等方相の状態から過冷却の状態まで冷却して配向させた後、該液晶層に活性線を照射して硬化することを特徴とする光学補償フィルムの製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明の製造方法に係る光学補償フィルムは、支持体として透明フィルムの上に棒状ネマチック液晶を垂直に配向させて配向を固定した液晶層を設けた光学補償フィルムである。
本発明の液晶層は、下記リターデーション特性を有することが好ましい。
−500nm≦Rt≦−100nm
ここでRoは、面内の屈折率nxとny(nx≧ny)、厚さ方向の屈折率nz、及び厚さd(nm)を用いて、Ro=(nx−ny)×dで定義され、RtはRt={(nx+ny)/2−nz}×dで定義される。
本発明の棒状ネマチック液晶層に用いられる重合性液晶材料としては、重合性液晶モノマー、重合性液晶オリゴマー、もしくは重合性液晶ポリマーのいずれかを用いることができ、相互に混合して用いることもできる。
本発明の棒状ネマチック液晶層を作製するためには、
第一工程:少なくとも液晶と溶媒を含む液晶組成物塗布液を支持体上に塗布乾燥し液晶層を塗設する工程、
第二工程:該液晶層を、液晶層を形成する液晶の(等方相−液晶相相転移温度B)以上の温度に加熱処理し、該液晶層中の残留溶媒量を液晶組成物の固形分に対して0.01〜5質量%にするとともに、該液晶を等方相の状態にする工程、好ましくは(等方相−液晶相相転移温度B)〜(B+30℃)の温度範囲に加熱処理する、
第三工程:該液晶層を、液晶層を形成する液晶の(液晶相−固体相相転移温度A)以下に冷却する工程、好ましくは(液晶相−固体相相転移温度A)〜(A−15℃)の温度範囲まで冷却処理する、また液晶層を過冷却の状態まで冷却処理させるに要する時間が好ましくは20秒以内、より好ましくは0.1〜10秒以内とする、
第四工程:好ましくは冷却された状態のまま紫外線等の活性線により液晶の配向状態を固定化する工程、
とを有する工程により配向ムラや配向欠陥の発生を抑制した液晶層が製造される。
支持体フィルムに液晶塗布液を塗布したサンプルを、不活性ガスで大気圧に満たされた閉鎖系に置き所定の加熱処理を行う。次いで揮発した気体をガスクロマトグラフィー(島津製作所社製 GC−MS)で定性、定量を行って揮発した溶媒量からサンプルの残留溶媒を算出する。
4)垂直配向型棒状ネマチックの液晶相状態・・・屈折率nx,ny,nzがnx=ny<nzを屈折率を持つ液晶性物質。nx=nyの許容範囲は、0≦|nx−ny|≦0.007である。但し、nxは面内の遅相軸方向の屈折率、nyは該遅相軸方向に直交する方向、nzは厚み方向の屈折率である。
本発明の液晶層を塗設するための支持体は透明フィルムであることが好ましく、透明フィルムとしては、光学用途として使用することができる20〜300μm全ての透明フィルムを使用することができる。特に、セルロースエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム及びポリアクリレートフィルム、ポリシクロオレフィンフィルムから選ばれる透明フィルムが好ましい。
本発明の支持体としては前述の通りセルロースエステルフィルムであることが好ましい。
式(II) 0≦X≦2.5
この内特にセルロースアセテートプロピオネートが好ましく用いられ、中でも1.9≦X≦2.5、0.1≦Y≦0.9であることが好ましい。アシル基で置換されていない部分は通常水酸基として存在しているものである。これらは公知の方法で合成することができる。アシル基の置換度の測定方法はASTM−D817−96に準じて測定することができる。
カラム: Shodex K806,K805,K803G(昭和電工(株)製を3本接続して使用した)
カラム温度:25℃
試料濃度: 0.1質量%
検出器: RI Model 504(GLサイエンス社製)
ポンプ: L6000(日立製作所(株)製)
流量: 1.0ml/min
校正曲線: 標準ポリスチレンSTK standard ポリスチレン(東ソー(株)製)Mw=1,000,000〜500迄の13サンプルによる校正曲線を使用した。13サンプルは、ほぼ等間隔に用いることが好ましい。
本発明では、アクリル系重合体をセルロースエステルフィルムに添加することが好ましい。なお、ここでアクリル系重合体にはメタクリル系重合体も含まれる。
本発明ではセルロースエステルフィルムには、ピラノース構造またはフラノース構造の少なくとも1種を1個以上12個以下有しその構造のOH基のすべてもしくは一部をエステル化したエステル化合物を含むことも好ましい。
(可塑剤)
本発明に用いられるセルロースエステルフィルムは、本発明の効果を得る上で必要に応じて可塑剤を含有することができる。
本発明に用いられるセルロースエステルフィルムは、紫外線吸収剤を含有することもできる。
酸化防止剤は劣化防止剤ともいわれる。高湿高温の状態に液晶画像表示装置などがおかれた場合には、セルロースエステルフィルムの劣化が起こる場合がある。
本発明に用いられるセルロースエステルフィルムは、微粒子を含有することが好ましい。
本発明においては、支持体と液晶層の間に液晶の垂直配向を補助したり、支持体からの溶出物をブロックするような中間層を設けることが好ましい。
中間層はグラビアコーター、ディップコーター、リバースコーター、ワイヤーバーコーター、ダイコーター、インクジェット法等公知の方法を用いて、中間層を形成する塗布組成物を塗布し、支持体上に塗布後、加熱乾燥し、UV硬化処理することが好ましい。
本発明の光学補償フィルムは、偏光膜と偏光膜を挟む2枚の偏光板保護フィルムとからなる偏光板において、該偏光板保護フィルムの少なくとも一枚とすることができる。
(リターデーションの測定)
実施例では、アッベ屈折計(4T)を用いてフィルムの平均屈折率を測定した。
(ii):Rt=((nx+ny)/2−nz)×d
(式中、フィルム面内の遅相軸方向の屈折率をnx、面内で遅相軸に直行する方向の屈折率ny、フィルム厚み方向の屈折率をnz、dはフィルムの厚み(nm)を表す。)
(液晶性材料の液晶相−固体相相転移温度A)
液晶性物質に対し、市販の示差走査熱量計(示差走査熱量計DSC−20(セイコー電子工業社製))を用いて、示差走査熱量測定法により求め、固体相から加熱して吸熱反応を示す温度とする。
未硬化液晶層を支持体上に設けた光学補償フィルムを、方位、傾斜角度を問わずに測定して得たリターデーション値から、支持体のリターデーション値を差し引いた時、|Ro|が0.5nm以下、|Rt|が10nm以下の状態になる温度を言う。リターデーション値の測定には、自動複屈折計KOBRA−21ADH(王子計測機器(株)製)を用い23℃、55%RHの環境下で測定する。
ヘッドスペース法を用いる。支持体フィルム上に液晶塗布溶液を塗布したサンプルを、不活性ガスで大気圧に満たされた閉鎖系に置き、所定の加熱処理を行う。加熱処理後、揮発した気体をガスクロマトグラフィーで定性、定量を行って揮発した溶媒量から、サンプルの残留溶媒量を算出し、液晶組成物の固形分に対する比率(質量%)を求める。
《光学補償フィルム1の作製:本発明》
《透明フィルムの作製》
〈透明フィルムA−1の作製〉
(二酸化珪素分散液)
アエロジル972V(日本アエロジル(株)製) 12質量部
(1次粒子の平均径16nm、見かけ比重90g/リットル)
エタノール 88質量部
以上をディゾルバーで30分間撹拌混合し、二酸化珪素分散希釈液を作製した。
反応容器に、フタル酸820部(5モル)、1,2−プロピレングリコール608部(8モル)、安息香酸610部(5モル)及び触媒としてテトライソプロピルチタネート0.30部を一括して仕込み窒素気流中で撹拌の下、還流凝縮器を付して過剰の1価アルコールを還流させながら、酸価が2以下になるまで130〜250℃で加熱を続け生成する水を連続的に除去した。次いで200〜230℃で6.65×103Pa〜最終的に4×102Pa以下の減圧下、留出分を除去し、この後濾過して次の性状を有する芳香族末端エステル1を得た。
酸価 ;0.4
なお、酸価とは、試料1g中に含まれる酸(分子末端に存在するカルボキシル基)を中和するために必要な水酸化カリウムのミリグラム数を言う。酸価及び水酸基価はJIS K0070に準拠して測定したものである。
セルロースエステル(アセチル基置換度1.80、プロピオニル基置換度0.70、総アシル基置換度2.50) 100質量部
トリメチロールプロパントリベンゾエート 5質量部
上記芳香族末端エステル1 5質量部
二酸化珪素分散液 10質量部
メチレンクロライド 430質量部
エタノール 40質量部
上記ドープ組成物を密封容器に投入し、70℃まで加熱し、撹拌しながら、セルロースエステルを完全に溶解しドープ液を得た。次に、ドープ液を濾過した後、33℃に温度調整したドープ液を、ダイに送液して、ダイスリットからステンレスベルト上に幅2.5mで均一に流延した。ステンレスベルトの流延部は裏面から37℃の温水で加熱した。流延後、金属支持体上のドープ膜(ステンレスベルトに流延以降はウェブという)に44℃の温風を当てて乾燥させ、残留溶媒量が120質量%で剥離し、剥離の際の張力を掛けて1.01倍の縦延伸倍率となるようにロールの周速差を利用して延伸し、次いで、残留溶媒量24質量%、温度135℃にてテンターでウェブ端部を把持し、幅手方向に1.30倍の延伸倍率となるように延伸した。延伸後、その幅を維持したまま数秒間保持した後、幅方向の張力を緩和させ、幅保持を開放した後に120℃で乾燥させた。以上のようにして作製した膜厚60μm、幅2.5m、長さ5000mのセルロースエステルフィルムである透明フィルムA−1をコアに巻き取った。
ここで、Mはウェブの任意時点での質量で、下記のガスクロマトグラフィーにより測定した質量であり、Nは該Mを110℃で3時間乾燥させた時の質量である。測定は、ヒューレット・パッカード社製ガスクロマトグラフィー5890型SERISIIとヘッドスペースサンプラーHP7694型を使用し、以下の測定条件で行った。
GC導入温度:150℃
昇温:40℃、5分保持→100℃(8℃/分)
カラム:J&W社製DB−WAX(内径0.32mm、長さ30m)
《中間層の塗設》
透明フィルムと液晶層との間に、下記中間層を設けた。
紫光 UV−7605B(日本合成化学製) 25質量部
光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン)(イルガキュア184、チバ・ジャパン(株)製) 1.25質量部
溶剤(PGME/イソプロピルアルコール混合溶媒(質量比20/80))
75質量部
〈中間層の塗設〉
上記作製した透明フィルムA−1上に中間層組成物をスリットダイで塗布し、熱風の温度80℃、乾燥時間30秒で乾燥した。続いて酸素濃度1.5%雰囲気中で高圧水銀灯により50mJ/cm2の照射強度で紫外線照射し、乾燥膜厚で1μmの中間層を設けた。塗設された中間層のゲル分率は約50質量%であり、半硬化層であった。
半硬化中間層を約0.1gをとり、これを秤量して質量(W1)を測定した。次いで、これを微孔性テトラフルオロエチレン膜(膜質量W2)に包んで、約50mlの酢酸エチルに7日間浸漬したのち、可溶分を抽出した。これを乾燥し、全体の質量(W3)を測定した。これらの測定値から、下記式により半硬化中間層のゲル分率(質量%)を求めた。
《液晶層の塗設》
次いで、得られた中間層上に下記重合性液晶組成物を用いて、液晶層を設けた。
UCL−018(大日本インキ化学工業製) 25質量部
溶媒(PGMEA/プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
75質量部
からなる重合性液晶組成物を調製した。この重合性液晶材料の(液晶性材料の液晶相−固体相相転移温度A)は前記測定法により測定したところ23℃であった。また、(液晶性材料の等方相−液晶相相転移温度B)は同様に70℃であった。
光学補償フィルム1と同様にして、透明フィルム1の上に中間層を塗設し、上記重合性液晶組成物を用いて、ダイコーターにより中間層上に5μmの厚みで液晶層を塗布した。
残留溶媒量、加熱処理温度、冷却温度、冷却時間を変えた以外は光学補償フィルム1、2と同様にして、表1に示す光学補償フィルム3〜31を作製した。尚表中、液晶組成物の状態(液晶相、等方相、または過冷却の状態)については、前記測定により判断した。
(配向ムラ)
光学補償フィルム試料を、ヱトー(株)製複屈折位相差測定装置 AD−175SIを用いて、測定スポット0.5mmで0.5mmピッチでのリターデーションRo測定を行った。測定は、フィルムの面内遅相軸を傾斜軸として40°傾斜させて行った。
0.1mm 0.100nm未満 ◎
0.1mm 0.100以上0.150nm未満 ○
0.1mm 0.150以上0.200nm未満 △
0.1mm 0.200nm以上 ×
(配向欠陥)
作製した光学補償フィルムを偏光顕微鏡下でクロスニコル下で観察し、配向状態及び配向欠陥の評価を行い、液晶層中に生じた配向欠陥の数を光学顕微鏡で観察して調べた結果、点欠陥の個数(1.0mm2範囲の平均値)を数えた。
△:4〜10個
×:11個以上
以上の評価結果を表1に示す。
《偏光板の作製》
上記作製した光学補償フィルム1〜31を、40℃の2.5mol/L水酸化ナトリウム水溶液で60秒間アルカリ処理し、3分間水洗して鹸化処理し、アルカリ処理フィルムを得た。
《液晶表示装置の作製》
視野角測定を行う液晶パネルを以下のようにして作製し、液晶表示装置としての特性を評価した。
《液晶表示装置の評価》
(視野角)
視野角特性の評価にはELDIM社製EZ−contrastを用い黒表示及び白表示時の透過光量を測定した。視野角の評価はコントラスト=(白表示時の透過光量)/(黒表示時の透過光量)を算出し10以上を示すパネル面に対する法線方向からの傾き角が左右60°以上のものを「○」とし、実用上問題ないとの評価を行った。
○:視野角が広い
△:視野角がやや狭い
×:視野角が狭い
(色味)
黒表示時の色味測定を、Topcon製SR−3Aにて行った。
△:0.03以上0.07未満
×:0.07以上
(色ムラ)
目視により色ムラを評価した。
○:色ムラがほんの部分的に観察される
△:色ムラが、全面的に弱いものが観察される
×:色ムラがはっきりと全体に観察される
得られた結果を表2に示す。
〈透明フィルムA−2の作製〉
(メタ)アクリル系重合体:攪拌機、2個の滴下ロート、ガス導入管及び温度計の付いたガラスフラスコに、MMA90モル%/HEA10モル%のモノマー混合液40g、連鎖移動剤のメルカプトプロピオン酸3.0g及びトルエン30gを仕込み、90℃に昇温した。その後、一方の滴下ロートから、MMA90モル%/HEA10モル%のモノマー混合液60gを3時間かけて滴下すると共に、同時にもう一方のロートからトルエン14gに溶解したアゾビスイソブチロニトリル0.6gを3時間かけて滴下した。その後更に、トルエン56gに溶解したアゾビスイソブチロニトリル0.6gを2時間かけて滴下した後、更に2時間反応を継続させ、(メタ)アクリル系重合体を得た。
HEA:β−ヒドロキシエチルアクリレート
該(メタ)アクリル系重合体の重量平均分子量は下記測定により4000であった。
重量平均分子量の測定は、高速液体クロマトグラフィーを用いて測定した。
カラム: Shodex K806,K805,K803G(昭和電工(株)製を3本接続して使用した)
カラム温度:25℃
試料濃度: 0.1質量%
検出器: RI Model 504(GLサイエンス社製)
ポンプ: L6000(日立製作所(株)製)
流量: 1.0ml/min
校正曲線: 標準ポリスチレンSTK standard ポリスチレン(東ソー(株)製)Mw=1000000〜500迄の13サンプルによる校正曲線を使用した。13サンプルは、ほぼ等間隔に用いる。
微粒子(アエロジル R972V 日本アエロジル(株)製) 11質量部
エタノール 89質量部
以上をディゾルバーで50分間攪拌混合した後、マントンゴーリンで分散を行った。
メチレンクロライドを入れた溶解タンクにセルロースエステルBを添加し、加熱して完全に溶解させた後、これを安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244を使用して濾過した。
セルロースエステル(アセチル基置換度1.60、プロピオニル基置換度0.90、総アシル基置換度2.50) 4質量部
微粒子分散液 11質量部
下記組成の主ドープ液を調製した。まず加圧溶解タンクにメチレンクロライドとエタノールを添加した。溶剤の入った加圧溶解タンクにセルロースエステルを攪拌しながら投入した。これを加熱し、攪拌しながら、完全に溶解し。これを安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244を使用して濾過し、主ドープ液を調製した。
メチレンクロライド 380質量部
エタノール 70質量部
セルロースエステル(アセチル基置換度1.60、プロピオニル基置換度0.90、総アシル基置換度2.50) 100質量部
(メタ)アクリル系重合体 5.5質量部
下記糖エステル化合物 5.5質量部
窒素雰囲気下、脱水したシクロヘキサン500部に、1−ヘキセン1.2部、ジブチルエーテル0.15部、トリイソブチルアルミニウム0.30部を室温で反応器に入れ混合した後、45℃に保ちながら、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3,7−ジエン(ジシクロペンタジエン、以下、DCPと略記)20部、1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン(以下、MTFと略記)140部、及び8−メチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エン(以下、MTDと略記)40部からなるノルボルネン系モノマー混合物と、六塩化タングステン(0.7%トルエン溶液)40部とを、2時間かけて連続的に添加し重合した。重合溶液にブチルグリシジルエーテル1.06部とイソプロピルアルコール0.52部を加えて重合触媒を不活性化し重合反応を停止させた。
実施例2で用いた日立製液晶テレビWooo W17−LC50の替わりに、VAモード型液晶表示装置であるAQ−32AD5(シャープ(株)製)を用いて、実施例2で用いた光学補償フィルム、偏光板を組み込んだ液晶表示装置を作製し、実施例2と同様な評価を実施したところ、本発明の光学補償フィルムを用いた液晶表示装置は、視野角、色味、色ムラが比較に対して優れていた。
Claims (8)
- 支持体上に棒状ネマチック液晶を垂直配向させた液晶層を有する光学補償フィルムの製造方法において、該支持体上に直接又は他の層を介して少なくとも前記棒状ネマチック液晶と溶媒を含有する液晶組成物を塗布して液晶層を形成した後、該液晶層中の残留溶媒量を液晶組成物の固形分に対し0.01〜5質量%になるように加熱処理しながら液晶を等方相の状態とし、次いで上記の範囲内の溶媒量を維持しながら前記液晶を等方相の状態から過冷却の状態まで冷却処理して配向させた後、該液晶層に活性線を照射して硬化することを特徴とする光学補償フィルムの製造方法。
- 前記液晶を等方相の状態から過冷却の状態まで冷却処理するのに要する時間が0.1〜10秒以内であることを特徴とする請求項1に記載の光学補償フィルムの製造方法。
- 前記液晶を過冷却の状態にする温度が、(液晶相−固体相相転移温度A)〜(A−15℃)の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の光学補償フィルムの製造方法。
- 前記液晶を等方相の状態にする温度が、(等方相−液晶相相転移温度B)〜(B+30℃)の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の光学補償フィルムの製造方法。
- 前記加熱処理及び冷却処理による液晶層中の残留溶媒量が、液晶組成物の固形分に対して0.01〜2質量%であることを特徴とする請求項1に記載の光学補償フィルムの製造方法。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学補償フィルムの製造方法によって得られたことを特徴とする光学補償フィルム。
- 請求項6に記載の光学補償フィルムを少なくとも一方の面に用いたことを特徴とする偏光板。
- 請求項7に記載の偏光板を液晶セルの少なくとも一方の面に用いたことを特徴とする液晶表示装置。
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