JP2010128270A - 光学補償フィルムの製造方法、光学補償フィルム、偏光板及び液晶表示装置 - Google Patents

光学補償フィルムの製造方法、光学補償フィルム、偏光板及び液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】重合性液晶化合物を有する位相差層を有し、広視野角化、コントラストの変化が少ない光学補償フィルムの製造方法、光学補償フィルム、光学補償フィルムを使用した偏光板及びこの偏光板を用いた液晶表示装置の提供。
【解決手段】樹脂フィルムの上に重合性液晶化合物を有機溶媒に溶解させた塗布液を塗布する塗布工程と、昇温乾燥工程と、配向工程と、硬化工程とを有する光学補償フィルムの製造方法において、有機溶媒が混合溶剤であり、混合溶剤の内最も沸点の低い溶媒の沸点をT3、最も沸点の高い溶媒の沸点をT4とした時、T4はT3+30℃より高く、重合性液晶化合物の液晶相から等方相へ相転移する温度をT2とした時、T2は、T3、T4より低く、昇温乾燥工程の温度をT1とした時、T1はT3−50℃より高く、T3より低く、且つ、T2よりも高いことを特徴とする光学補償フィルムの製造方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、光学補償フィルムの製造方法、光学補償フィルム、偏光板及び液晶表示装置に関し、より詳しくは、配向欠陥、配向ムラが抑制され、視野角、色味、色ムラに優れた重合性液晶化合物を配向、固定化した液晶層を有する光学補償フィルムを高い配向速度で高効率に製造する方法、光学補償フィルム、偏光板及び液晶表示装置に関する。
横電界スイッチングモード型液晶表示装置は、他の液晶表示装置の液晶モード、例えばTNモードに対しては色味、コントラスト、視野角等に優れ、又垂直配向モード(VA、MVA,PVA等)に対しては視野角等の表示性能に優れ、更に視角による輝度変化の少なさ、中間調での応答速度の落ち込みの少なさといった優れた効果から、いわゆるIPS(In Plane Switching)モード型液晶表示装置として市場に活発に提供される様になった。IPSモード型液晶表示装置としては、いわゆるIPSモード以外に、FFS(フリンジフィールドスイッチング)モード、FLC(強誘電性液晶)モードが挙げられる。従来、IPS方式は、例えば特開2000−131700号公報に記載されている様に、液晶セル自体は補償する必要がなく、補償フィルムなしでも広い視野角が得られると言うことが知られている。
ところが、液晶表示装置に用いる偏光板自体が、クロスニコル状態で吸収軸と45°方向に視角を変化させた場合に光モレが発生し、それによって液晶表示装置の周辺コントラストが低下してしまう現象が起こっている。そこで、例えば、特開2006−126770号公報、特開2005−31626号公報には、光学フィルムを偏光板に積層させて、偏光板の光モレを抑える形が開示されている。しかし、これらの方法は、ロールトゥーロールでの偏光板化が難しく、又粘着層や接着層を介して複数のフィルムを貼合するため、手間とコストが掛かり、更に透過率の低下や偏光板の厚膜化と言う問題が起こってしまう。
又、液晶ディスプレイが大型化するに従い、広視野角化への要求が大きくなっており、その対応として液晶セルの形式に種々の手法が提案されている。例えば、特開2005−292781号公報、特開2006−330522号公報に重合性液晶化合物を使用し黒表示状態の液晶層を、より高い精度で光学的に補償し、幅広い視野角において光漏れを防止すると共に、光学異方性層及びその製造方法と、光学異方性層からなる光学補償素子を用いることにより高視野角、高コントラストで高画質な長寿命の液晶表示装置が開示されている。
更に、液晶表示装置の高視野角、高コントラストで高画質な長寿命化に対し、重合性液晶化合物の配向の安定性により光モレ、広視野角化に対する効果が影響するため、重合性液晶化合物を安定に配向させる技術が検討されてきた。
例えば、重合性液晶化合物が液晶規則性を発現する温度以上に加熱した後、重合性液晶化合物の液晶転移点以下の温度になるまで水冷方式等で冷却した冷却板、冷却ローラの接触による冷却、冷風の吹き付けによる方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
支持体上に、液晶性化合物の配向を制御するための配向膜を形成する配向膜形成工程と、配向膜上に、液晶性化合物を含む重合性液晶化合物を積層する光学異方性層積層工程と、光学異方性層に、加熱処理を施す加熱処理工程と、光学異方性層に、紫外線を照射する紫外線照射工程とを含み、紫外線照射工程における紫外線の照射が、加熱処理工程における加熱と同時及び加熱後1秒以内の何れかで開始されることを特徴とする光学補償素子の製造方法が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
支持体上に重合性液晶化合物を含む塗布液を塗布し、液晶化合物層を形成した後、液晶化合物層を乾燥した後に、液晶転移温度以上の温度で前記液晶化合物を加熱し配向させ、紫外線を照射して配向を固定した後、更に前記光学異方性層を加熱する方法が知られている(例えば、特許文献3参照。)。
しかしながら、特許文献1、特許文献2、特許文献3に記載の技術は、重合性液晶化合物を配向させるには有効な方法であるが、重合性液晶化合物の配列が等方相から液晶相に移る迄に時間が掛かり、未だ配向が不均質な箇所が出来、局所的に配向が不十分な液晶群いわゆる配向欠陥のあるものとなり、広視野角化、コントラストに対して十分な機能発現が出来ない光学補償フィルムとなる場合があることが判った。この様なことから重合性液晶化合物を有する位相差層を有し広視野角化、高いコントラストの変化が少ない光学補償フィルムの製造方法、光学補償フィルム、光学補償フィルムを使用した偏光板及びこの偏光板を用いた液晶表示装置の開発が望まれている。
特開2005−55486号公報 特開2007−133167号公報 特開2007−57607号公報
本発明は上記状況に鑑みなされたものであり、その目的は、重合性液晶化合物を有する位相差層を有し、広視野角化、コントラストの変化が少ない光学補償フィルムの製造方法、光学補償フィルム、光学補償フィルムを使用した偏光板及びこの偏光板を用いた液晶表示装置を提供することである。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成された。
1.樹脂フィルムの上に重合性液晶化合物を有機溶媒に溶解させた塗布液を塗布する塗布工程と、前記塗布液が塗布された前記樹脂フィルムの上に形成された塗膜を昇温乾燥する昇温乾燥工程と、前記昇温乾燥工程の後に配向工程と、前記配向工程の後に前記重合性液晶化合物を重合して硬化する硬化工程とを有する光学補償フィルムの製造方法において、前記有機溶媒が少なくとも2種の有機溶媒からなる混合溶剤であり、前記混合溶剤の内最も沸点の低い溶媒の沸点をT3、最も沸点の高い溶媒の沸点をT4とした時、T4はT3+30℃より高く、重合性液晶化合物の液晶相から等方相へ相転移する温度をT2とした時、T2は、T3、T4より低く、前記昇温乾燥工程の温度をT1とした時、T1はT3−50℃より高く、T3より低く、且つ、T2よりも高いことを特徴とする光学補償フィルムの製造方法。
2.前記重合性液晶化合物が棒状ネマティック液晶であることを特徴とする前記1に記載の光学補償フィルムの製造方法。
3.前記有機溶媒が2種で、塗布時の塗布液中の相対的に沸点が低い溶媒と、沸点が高い溶媒との質量比が50/50から95/5であることを特徴とする前記1又は2に記載の光学補償フィルムの製造方法。
4.前記昇温乾燥工程を終えた塗膜中の残留溶媒量が0.00010g/mから0.20g/mであることを特徴とする前記1から3の何れか1項に記載の光学補償フィルムの製造方法。
5.前記1から4の何れか1項に記載の光学補償フィルムの製造方法により作製されたことを特徴とする光学補償フィルム。
6.前記5に記載の光学補償フィルムを少なくとも一方の面に用いたことを特徴とする偏光板。
7.前記6に記載の偏光板を液晶セルの少なくとも一方の面に用いたことを特徴とする液晶表示装置。
本発明者は、重合性液晶化合物を塗布し配向工程で配向を固定化させる時、重合性液晶化合物の配列が等方相から液晶相に移る迄に時間が掛かり、配向が不均質な箇所の発生、配向のムラが発生し、重合性液晶化合物の配向が安定しない原因に付き検討した結果、次のことが判った。
重合性液晶化合物を液晶相(ネマティック相)から等方相(イソトロピック相)に相変化させるためには重合性液晶化合物の相転移温度より高い温度で等方性を発現させる必要があるが、重合性液晶化合物を溶液とする時の溶媒はこの乾燥温度で適度な速度で除去されることが好ましい。沸点の低過ぎる溶媒を使用した場合、昇温乾燥工程での溶媒の乾燥が早く、蒸発した溶媒ガスを均一に除去することが難しくなりムラ状の不均一な塗膜となり好ましくない。又、配向工程での塗膜中の残留溶剤量が少なくなり、重合性液晶化合物を等方相から液晶相に相転移するのに多大な時間を要し、部分的に十分な配向状態が得られず視野角拡大性能が劣る。これを補うためには配向工程の処理時間を長くすることが上げられるが、生産性が劣る上に配向を最適な状態まで進めることは難しい。
一方重合性液晶化合物を溶液とする時に沸点の高い溶媒を使用した場合、昇温乾燥工程での溶媒除去に時間が掛かるため、樹脂フィルムから塗膜面へ配向阻害物質が出て来て配向が不均質な箇所が発生する。又硬化後の塗膜へも残留溶剤が多く残り、塗膜の硬度が低くなり傷つき易くなる。
これらのことから、配向工程で配向させる時、重合性液晶化合物の分子の移動が規制される原因として、重合性液晶化合物層中の重合性液晶化合物の周囲に移動出来る空間がなくなっていると推定した。
これらの重合性液晶化合物の乾燥工程及び配向工程の挙動に対して更に検討した結果、重合性液晶化合物の等方相(イソトロピック相)から液晶相(ネマティック相)への相転移温度以上の温度で溶媒は出来るだけ早く除去し、且つ配向工程で重合性液晶化合物の分子の移動を容易にするためには、重合性液晶化合物層中に重合性液晶化合物層の物性に影響を与えない程度に有機溶媒を存在させることが効果的であることが判明し本発明に至った次第である。
重合性液晶化合物を有する位相差層を有し、広視野角化、コントラストの変化が少ない光学補償フィルムの製造方法、光学補償フィルム、光学補償フィルムを使用した偏光板及びこの偏光板を用いた液晶表示装置を提供することが出来た。
本発明の実施の形態を以下、図1、図2を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1は液晶表示装置の構成を示す概略図である。図1(a)は視認側偏光板に位相差層を有する液晶表示装置の構成を示す概略図である。図1(b)はバックライト側偏光板に位相差層を有する液晶表示装置の構成を示す概略図である。
図1(a)に示される液晶表示装置に付き説明する。図中、1aは液晶表示装置を示す。液晶表示装置1aは、視認側偏光板102と、バックライト側偏光板103との間に挟持された液晶セル101とを有する構成となっている。液晶セル101は、ガラス基板101aとガラス基板101bとの間に挟持された液晶層101cとを有する構成となっている。
視認側偏光板102は視認側(本図の上部を示す)より第1の保護フィルム102aと液晶セル101側に重合性液晶化合物の配向を固定化した位相差層102cを有する第2の保護フィルム102bとに挟持された第1の偏光膜102dとを有する構成となっている。尚、位相差層102cを有する第2の保護フィルム102bを光学補償フィルムと言う。
バックライト側偏光板103は第3の保護フィルム103aと第4の保護フィルム103bとに挟持された第2の偏光膜103cとを有する構成となっている。尚、位相差層102cは第1の偏光膜102dと第2の保護フィルム102bとの間に配置されてもよい。第2の保護フィルム102bの面内遅相軸b(図中の矢印方向)と液晶層101cの配向方向c(図中の矢印方向)は平行である。偏光膜の偏光透過軸a(図中の矢印方向)、ガラス基板のラビング軸d(図中の矢印方向)は図で示す方向にある。
図1(b)に示される液晶表示装置に付き説明する。図中、1bは液晶表示装置を示す。液晶表示装置1bは、視認側偏光板102′と、バックライト側偏光板103′との間に挟持された液晶セル101′とを有する構成となっている。液晶セル101′は、ガラス基板101′aとガラス基板101′bとの間に挟持された液晶層101′cとを有する構成となっている。
視認側偏光板102′は視認側(本図の上部側を示す)より第4の保護フィルム102′aと第3の保護フィルム102′bとに挟持された第2の偏光膜102′cとを有する構成となっている。バックライト側偏光板103′は液晶セル101′側に重合性液晶化合物の配向を固定化した位相差層103′cを有する第2の保護フィルム103′aと第1の保護フィルム103′bとに挟持された第1の偏光膜103′dとを有する構成となっている。位相差層103′cを有する第2の保護フィルム103′aを光学補償フィルムと言う。尚、位相差層103′cは第1の偏光膜103′dと第2の保護フィルム103′aの間に配置されてもよい。
第2の保護フィルム103′aの面内遅相軸b(図中の矢印方向)と液晶層101′cの配向方向c(図中の矢印方向)は直交である。偏光膜の偏光透過軸a(図中の矢印方向)、ガラス基板のラビング軸d(図中の矢印方向)は図で示す方向にある。本発明は本図に示される光学補償フィルムの製造方法、光学補償フィルム、光学補償フィルムを使用した偏光板及びこの偏光板を用いた液晶表示装置に関するものである。
本発明の光学補償フィルムの製造方法により製造された光学補償フィルムは、重合性液晶化合物の溶液を樹脂フィルムの上に塗布し、乾燥と熱量付与処理と配向工程を経て、重合性液晶化合物の配向を活性放射線硬化もしくは熱重合などで固定化を行い、所定の配列で配向した重合性液晶化合物による位相差層を有することが特徴である。本発明で使用出来る重合性液晶化合物の配向方式は特定されるものではないが、棒状液晶を垂直配向させることで位相差層を形成することが出来る。尚、垂直配向とは、得られた位相差層の光学位相差を評価するために、偏光顕微鏡を用いて評価する時、位相差層をクロスニコル偏光膜の間に挟んだ場合に黒色に見え、クロスニコル偏光膜の間で位相差層を傾けた場合に白色に見えるものを垂直配向しているものと定義する。位相差層を形成する際には、いわゆる垂直配向膜を用いてもよく、垂直配向膜として特に制限はないが、液晶材料自身が空気界面で垂直配向する場合で、その配向規制力が空気界面と反対の界面まで及ぶ場合には該配向膜は特に必要ではなく、構成が簡素化出来る観点からもその方が好ましい。垂直配向膜を使用する場合は、特開2005−148473号公報などに記載されている(メタ)アクリル系ブロックポリマーを含有するブロックポリマー組成物の架橋体からなる配向膜等を用いることも好ましい。
本発明の光学補償フィルムの位相差層は、Roが0nmから10nm、Rtが−100nmから−400nmの範囲にある垂直配向した重合性液晶化合物による位相差層である。更に、Roは0nmから5nmの範囲がより好ましい。該位相差層を上記範囲とするためには、位相差層の膜厚制御、活性放射線照射、硬化時の温度、チルト角制御、及び支持体と空気界面でのプレチルト角の制御を行うことが好ましい。
尚、Roとは面内リターデーションを示し、Rtとは厚み方向リターデーションを示す。リターデーションRo、Rtは下記式により求められる。
式(i) Ro=(nx−ny)×d
式(ii) Rt=((nx+ny)/2−nz)×d
(式中、nxは位相差層面内の遅相軸方向の屈折率、nyは位相差層面内の進相軸方向の屈折率、nzは位相差層の厚み方向の屈折率(屈折率は23℃、55%RHの環境下、波長590nmで測定)、dは位相差層の厚さ(nm)を表す。)
測定には自動複屈折計KOBURA・21ADH(王子計測器(株)製)を用いて、23℃、55%RHの環境下で、波長が590nmにおいて測定した。
次に、本発明の光学補償フィルムの製造方法に付き説明する。
図2は光学補償フィルムの製造装置の模式図である。
図中、2は製造装置を示す。製造装置2は樹脂フィルム供給工程201と、塗布工程202と、昇温乾燥工程203と、配向工程204と、硬化工程205と、回収工程206とを順番に有している。
樹脂フィルム供給工程201はロール状に巻かれた樹脂フィルム3の繰り出し装置(不図示)を有し、塗布工程202に樹脂フィルム3を供給する様になっている。
塗布工程202は樹脂フィルム3を保持するバックロール202aと、塗布装置202bとを有している。塗布装置202bにより、重合性液晶化合物を有機溶媒に溶解した重合性液晶化合物層形成用塗布液を樹脂フィルム3の上に塗布し、重合性液晶化合物塗膜(以下、単に塗膜とも言う)が形成される。
塗布装置202bとしては特に限定はなく、例えば、ロールコート法、プリント法、浸漬引き上げ法、ダイコート法、キャスティング法、バーコート法、ブレードコート法、スプレーコート法、グラビアコート法、リバースコート法、スライド法、カーテン法等が挙げられるが、公知の塗布方法であれば使用可能である。
重合性液晶化合物は低温から高温に温度を変化することにより、重合性液晶化合物の分子は液晶相(ネマティック相)、等方相(イソトロピック相)に相変化することが知られている。昇温乾燥工程203で熱量が付与されることで、重合性液晶化合物の分子は等方相(イソトロピック相)状態となる。
重合性液晶化合物層形成用塗布液を調製するために使用する有機溶媒としては、少なくとも2種類の有機溶媒からなる混合溶剤であり、混合溶剤の内最も沸点の低い溶媒の沸点をT3、最も沸点の高い溶媒の沸点をT4とした時、T4がT3より30℃以上高くなっている。T4の上限はT3より+60℃で、絶対値としては180℃である。
T4がT3+30℃より低い場合は、配向工程での残留溶剤量が少なく、配向が十分に進行せずに不均一な配向状態となり好ましくない。
T4がT3+60℃より高い場合は、配向工程での残留溶剤量が多く、重合性液晶化合物は局所的に十分な等方状態になれないため、後工程の配向工程を経ても液晶化合物は配向しきれなくなり(配向が不均質)好ましくない。又硬化後の塗膜は硬度が低くなり傷つき易く好ましくない。
重合性液晶化合物の液晶相から等方相へ相転移する温度をT2とした時、T2は、T3、T4より低くなっている。
T2がT3より高い場合は、重合性液晶化合物を昇温乾燥工程で等方相へ転移させるべく昇温した過程での塗膜中の溶媒の乾燥が早く、蒸発した溶媒ガスを均一に除去することが難しくなりムラ状の不均一な塗膜となり好ましくない。
T2がT4より高い場合も同様に重合性液晶化合物を昇温乾燥工程で等方相へ転移させるべく昇温した過程での塗膜中の溶媒の乾燥が早く、蒸発した溶媒ガスを均一に除去することが難しくなりムラ状の不均一な塗膜となり好ましくない。更には重合性液晶化合物が等方相へ相転移した時点での塗膜中の残留溶剤量が少なくなり、この後の配向工程での液晶相への相転移に時間が掛かり、且つ十分な配向状態が得られなくなる。
重合性液晶化合物層形成用塗布液を調製するために使用する有機溶媒が2種である場合、塗布時の重合性液晶化合物層形成用塗布液中の相対的に沸点が低い溶媒と、沸点が高い溶媒との質量比は、配向性、配向時の相対的に沸点が高い溶媒量の塗膜中の残量、仕上がった塗膜の物性、乾燥温度、昇温乾燥工程の長さ等を考慮し、50/50から95/5であることが好ましい。
重合性液晶化合物層形成用塗布液の濃度は、重合性液晶化合物等の溶解性や製造しようとする重合性液晶化合物層の膜厚に依存するため一概には規定出来ないが、通常は1%から60%が好ましく、より好ましくは3%から40%の範囲で調整される。
昇温乾燥工程203では塗布工程202から送られて来る樹脂フィルム3の上に形成された塗膜の溶媒を蒸発させ重合性液晶化合物層を形成すると共に重合性液晶化合物層を加熱し等方相に相変化させる工程である。
溶媒を除去する方法としては、例えば、風乾、加熱除去、更には減圧除去を組み合わせる方法等により行われる。
昇温乾燥工程の温度をT1とした場合、T1はT3−50℃より高く、T3より低く、且つ、T2よりも高くなっている。
T1がT3−50℃より低い場合、昇温乾燥工程での溶媒の乾燥が遅く、溶媒除去に時間が掛かるため、樹脂フィルムから塗膜面へ配向阻害物質が出てきて配向が不均一な箇所が発生し、好ましくない。又、長大な昇温乾燥工程が必要となってしまう。
T1がT3より高い場合、昇温乾燥工程での溶媒の乾燥が早く、蒸発した溶媒ガスを均一に除去することが難しくなりムラ状の不均一な塗膜となり好ましくない。
昇温乾燥工程の温度T1が重合性液晶化合物の液晶相から等方相へ相転移する温度T2より低い場合、重合性液晶化合物は等方相へ転移出来ないため、後工程の配向工程を経ても液晶化合物は配向しきれなくなり(配向が不均質)好ましくない。
昇温工程の温度T1が重合性液晶化合物の液晶相から等方相へ相転移する温度T2と同じの場合、重合性液晶化合物は局所的に十分な等方相状態になれないため、後工程の配向工程を経ても液晶化合物は配向しきれなくなり(配向が不均質)好ましくない。
昇温乾燥工程203では適度な溶媒除去乾燥速度が求められる。溶媒除去速度が速過ぎると蒸発した溶媒ガスを均一に除去することが難しくなりムラ状の不均一な塗膜となる。又、蒸発速度が非常に速い場合は、蒸発時に塗膜が潜熱を奪われることにより乾燥雰囲気下の水分が結露する温度まで低下し、塗膜を白濁させるブラッシング現象を生じることがある。
溶媒除去速度が遅過ぎると乾燥に掛かる時間が長くなり、結果として乾燥工程を大きく取る必要から生産効率が悪化する他、塗膜と樹脂フィルムの接触時間が長くなり、溶媒の選択によっては樹脂フィルムから配向を阻害する物質を溶出する機会が多くなり、仕上がった塗膜にはスポット的な配向不良、いわゆる配向欠陥を生じることがある。
昇温乾燥工程203での処理を終えた塗膜中の残留溶媒量は、重合性液晶化合物の配向速度、配向性等を考慮し、0.00010g/mから0.20g/mであることが好ましい。
塗膜中の残留溶媒量の測定は次の方法で行った。
残留溶媒量は、重合性液晶化合物を含む塗膜を形成した樹脂フィルムを10cm角に切り出し質量を測定し、その後オーブンにて110℃30分加熱し再度質量を測定した。この質量差より算出した1m当たりの溶媒量を残留溶媒量とした。
昇温乾燥工程203が終了した時の塗膜面温度は、重合性液晶化合物の液晶分子の動きの自由度、塗膜の残留溶剤量、配向するのに要する時間等を考慮し、45℃から130℃以下とすることが好ましい。
尚、塗膜面温度の測定は放射温度計により非接触で測定することが好ましく、例えば、EXERGEN社製赤外線熱電対IRt/cを用いることが出来る。
昇温乾燥工程203で昇温する方法は特に限定はなく、例えばノズルから温風を当てる風乾式、ロールや無端ベルトを使用し接触部をヒーター、液体等を使用し温調して接触させる方式が挙げられる。温風を当てる方式では塗膜面に当てることも可能であるが風速が速い場合は熱ムラが生じ重合性液晶化合物の等方性にムラの発生が懸念されるため裏面からの方が好ましい。
昇温乾燥工程203が終了し、形成された重合性液晶化合物層の厚さは、光学異方性、ヘイズ、コントラスト等を考慮し、0.1μmから20μmが好ましい。より好ましくは0.2μmから10μmの範囲内である。
塗布工程202で樹脂フィルム3の上に重合性液晶化合物層形成用塗布液を塗布してから樹脂フィルム3が昇温乾燥工程203に入るまでの塗膜の溶媒の乾燥速度は、溶媒蒸気ムラ、乾燥速度ムラ等を考慮し、10g/m・min以下にすることが好ましい。
塗布工程202で樹脂フィルム3の上に重合性液晶化合物層形成用塗布液を塗布してから樹脂フィルム3の昇温乾燥工程203に入るまでの時間は、溶媒蒸気ムラ、外力の影響等を考慮し、0.5secから15.0secであることが好ましい。
昇温乾燥工程203の終了後は速やかに配向工程204に移行することが好ましく、具体的には昇温乾燥工程203の終了後、10秒以内に配向工程204による降温過程に移行することが好ましい。昇温乾燥工程203の終了後、温度が高い状態を長く維持していると等方相から液晶相になる温度に移動しても重合性液晶化合物層中の液晶分子の動きが遅くなり配向するのに要する時間が長くなってしまうことがある。
重合性液晶化合物は、光学異方性の面から液晶相(ネマティック相)状態で固定化することが好ましいことが知られている。配向工程204は、昇温乾燥工程203から搬送されてくる重合性液晶化合物層を形成した樹脂フィルムの温度を下げることで重合性液晶化合物を等方相(イソトロピック相)から液晶相(ネマティック相)状態へ配向させる工程である。重合性液晶化合物層を形成した樹脂フィルムの温度を下げる手段としては特に限定はなく、例えば冷風の吹き付けによる冷却ゾーンが挙げられる。
配向工程204により降温し、重合性液晶化合物を配向した状態で硬化工程205で固定化するに当たり、配向工程204から硬化工程205までの温度履歴により重合性液晶化合物の配向状態が異なる。このため、昇温乾燥工程203以降から硬化工程205までの環境は、重合性液晶化合物の配向状態を考慮し、15℃から40℃とすることが好ましい。
硬化工程205は配向した重合性液晶化合物層を硬化し重合性液晶化合物の配向を固定化することで、位相差層としての機能を付与する工程である。205aは紫外線照射装置を示す。硬化工程205では、重合性液晶化合物を硬化させるためのエネルギーが与えられ、熱エネルギーでもよいが、通常は、重合を起こさせる能力がある電離放射線の照射によって行う。必要であれば重合性液晶化合物内に重合開始剤が含まれていてもよい。電離放射線としては、重合性液晶化合物を重合させることが可能な放射線であれば特に限定されるものではないが、通常は装置の容易性等の観点から紫外光又は可視光線が使用され、波長が150nmから500nmの光が好ましく、より好ましくは250nmから450nmであり、もっと好ましくは300nmから400nmの波長の紫外線である。
本発明においては、紫外線(UV)を活性放射線として照射し、紫外線で重合開始剤からラジカルを発生させ、ラジカル重合を行わせる方法が好ましい。活性放射線としてUVを用いる方法は、既に確立された技術であることから、用いる重合開始剤を含めて、本発明への応用が容易であるからである。
この紫外線を照射するための光源としては、低圧水銀ランプ(殺菌ランプ、蛍光ケミカルランプ、ブラックライト)、高圧放電ランプ(高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ)、もしくはショートアーク放電ランプ(超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、水銀キセノンランプ)等を挙げることが出来る。中でもメタルハライドランプ、キセノンランプ、高圧水銀ランプ灯等の使用が推奨される。照射強度は、液晶層を形成している重合性液晶化合物の組成や光重合開始剤の多寡によって適宜に調整すればよい。
活性放射線の照射による硬化工程は、上述した重合性液晶化合物層を形成する工程における処理温度、即ち重合性液晶化合物が液晶相(ネマティック相)となる温度条件で行ってもよく、又液晶相(ネマティック相)となる温度より低い温度で行ってもよい。一旦、液晶相(ネマティック相)となった重合性液晶化合物は、その後温度を低下させても、配向状態が急に乱れることはない。但し、液晶が結晶化する温度まで下げてはならない。
図2に示す様に重合性液晶化合物を有機溶媒に溶解した塗布液を樹脂フィルムの上に塗布し、昇温乾燥工程で昇温し塗膜中の重合性液晶化合物を配向させる時、昇温乾燥工程の温度T1を、重合性液晶化合物が液晶相から等方相へ相転移する温度T2よりも高くし、有機溶媒が少なくとも2種の相対的に沸点の低い有機溶媒と、沸点の高い有機溶媒からなる混合溶剤を使用し昇温乾燥工程を終了し後、配向工程を経て、硬化工程で紫外線照射することで、重合性液晶化合物の配向を固定化する方法で位相差層としての機能を有する光学補償フィルムを製造することで次の効果が得られる。
1.昇温乾燥工程での溶媒除去時間を短くすることが出来るため、配向阻害物質の塗膜面への溶出を抑制し安定した配向及び配向促進が可能となった。
2.重合性液晶化合物の相転移温度より高い温度に昇温乾燥工程で乾燥が出来るため、安定した配向、乾燥工程の短縮化が可能となった。
3.昇温乾燥工程後の配向工程では塗膜中にある程度の溶剤が残留しているため、配向が安定し、且つ完了するまでの時間を短縮することが出来る。
4.重合性液晶化合物の配向を安定化することで広視野角化、高いコントラストの変化を少なくし、光学補償フィルムの性能を向上することが可能となった。
5.重合性液晶化合物の配向を安定化することで安定した位相差層としての機能を有する光学補償フィルムを使用することで液晶表示装置の性能を向上することが可能となった。
次に本発明の光学補償フィルムの製造方法に用いる材料に付き説明する。
(重合性液晶化合物)
重合性液晶化合物は、所定の活性放射線を照射することにより重合させて用いることが出来、重合させた状態では配向状態は固定化されるようになっている。重合性液晶化合物としては、重合性液晶モノマー、重合性液晶オリゴマー、もしくは重合性液晶ポリマーの何れかを用いることが出来、相互に混合して用いることも出来る。
重合性液晶材料としては、配向に際しての感度が高い棒状液晶化合物が好適に用いられる。
具体的な重合性液晶モノマーとしては、下記の一般式(1)で表される棒状液晶性化合物(I)、及び下記の一般式(2)で表される棒状液晶性化合物(II)を挙げることが出来る。化合物(I)としては、一般式(1)に包含される化合物の2種以上を混合して使用することも出来、同様に、化合物(II)としては、一般式(2)に包含される化合物の2種以上を混合して使用することも出来る。又、化合物(I)を1種以上と化合物(II)を1種以上を混合して使用することも出来る。
Figure 2010128270
Figure 2010128270
化合物(I)を表す一般式(1)において、R及びRはそれぞれ水素又はメチル基を示すが、液晶相を示す温度範囲の広さからR及びRは共に水素であることが好ましい。
Xは水素、塩素、臭素、ヨウ素、炭素数1から4のアルキル基、メトキシ基、シアノ基、もしくはニトロ基の何れであっても差し支えないが、塩素又はメチル基であることが好ましい。
又、化合物(I)の分子鎖両端の(メタ)アクリロイロキシ基と、芳香環とのスペーサであるアルキレン基の鎖長を示すa及びbは、それぞれ個別に2から12の範囲で任意の整数を取り得るが、4から10の範囲であることが好ましく、6から9の範囲であることが更に好ましい。
以上の他、本発明においては、重合性液晶オリゴマーや重合性液晶ポリマーとして、従来提案されている公知の材料を適宜選択して用いることが可能である。
例えば、重合性棒状液晶性化合物としては、Makromol.Chem.,190巻、2255頁(1989年)、Advanced Materials 5巻、107頁(1993年)、米国特許第4683327号明細書、同5622648号明細書、同5770107号明細書、国際公開WO95/22586号公報、同95/24455号公報、同97/00600号公報、同98/23580号公報、同98/52905号公報、特開平1−272551号公報、同6−16616号公報、同7−110469号公報、同11−80081号公報、特開2001−328973号公報、特開2004−240188号公報、特開2005−99236号公報、特開2005−99237号公報、特開2005−121827号公報、特開2002−30042号公報、特開2005−55486号公報、特開2005−309379号公報、特開2005−265889号公報、特開2006−227630号等に記載の化合物を用いることが出来る。
(光重合開始剤)
重合性液晶化合物に加え、必要に応じて光重合開始剤を用いてもよい。電子線照射により重合性液晶化合物を重合させる際には、光重合開始剤が不要な場合があるが、一般的に用いられている。例えば紫外線(UV)照射による硬化の場合においては、通常光重合開始剤が重合促進のために用いられるからである。
光重合開始剤としては、ベンジル(ビベンゾイルとも言う)、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4′−メチルジフェニルサルファイド、ベンジルメチルケタール、ジメチルアミノメチルベンゾエート、2−n−ブトキシエチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、3,3′−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、メチロベンゾイルフォーメート、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、もしくは1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン等を挙げることが出来る。
光重合開始剤の添加量としては、一般的には0.01%から20%が好ましく、より好ましくは0.1%から10%であり、更に好ましくは0.5%から5%の範囲で、重合性液晶化合物に添加することが出来る。尚、光重合開始剤の他に、本発明の目的が損なわれない範囲で増感剤を添加することも可能である。
(重合性液晶化合物層形成用塗布液に使用する溶媒)
溶媒としては、重合性液晶化合物等を溶解することが可能な溶媒であり、且つ透明樹脂フィルムの性状を低下させない溶媒であれば特に限定されるものではなく以下の溶媒が挙げられる。具体的には、ベンゼン、トルエン、等の炭化水素類;メトキシベンゼン、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートもしくはγ−ブチロラクトン等のエステル類;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒;ジクロロメタン、四塩化炭素、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、トリトリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等のハロゲン系溶媒;t−ブチルアルコール、ジアセトンアルコール、グリセリン、モノアセチン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチルセルソルブ等のアルコール類;フェノール、パラクロロフェノール等のフェノール類等の1種又は2種以上が使用可能である。
上記した溶媒の中にあって、混合溶媒として好ましいのは、エーテル類又はケトン類と、グリコール類との混合系である。
(その他添加物)
本発明に係わる光学補償フィルムの重合性液晶化合物層には、本発明の目的を損なわない範囲内で、以下に示す化合物を添加することが出来る。添加出来る化合物としては、例えば、多価アルコールと1塩基酸又は多塩基酸を縮合して得られるポリエステルプレポリマーに、(メタ)アクリル酸を反応させて得られるポリエステル(メタ)アクリレート;ポリオール基と2個のイソシアネート基を持つ化合物を互いに反応させた後、その反応生成物に(メタ)アクリル酸を反応させて得られるポリウレタン(メタ)アクリレート;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ポリカルボン酸ポリグリシジルエステル、ポリオールポリグリシジルエーテル、脂肪族もしくは脂環式エポキシ樹脂、アミンエポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、ジヒドロキシベンゼン型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂と、(メタ)アクリル酸を反応させて得られるエポキシ(メタ)アクリレート等の光重合性化合物、又はアクリル基もしくはメタクリル基を有する光重合性の液晶性化合物、特開2007−45993号公報に記載のオニウム塩、フッ化アクリレートポリマー等が挙げられる。重合性液晶化合物層に対するこれら化合物の添加量は、本発明の目的が損なわれない範囲で選択され、一般的には、重合性液晶化合物層の組成物の40%以下であることが好ましく、より好ましくは20%以下である。これらの化合物の添加により、本発明における重合性液晶化合物の硬化性が向上し、得られる液晶層の機械強度が増大し、又その安定性が改善される。
(重合性液晶化合物層形成用塗布液に使用する界面活性剤)
重合性液晶化合物層形成用塗布液には、塗布を容易にするために界面活性剤等を加えることが出来る。添加可能な界面活性剤を例示すると、イミダゾリン、第四級アンモニウム塩、アルキルアミンオキサイド、ポリアミン誘導体等の陽イオン系界面活性剤;ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物、第一級或いは第二級アルコールエトキシレート、アルキルフェノールエトキシレート、ポリエチレングリコール及びそのエステル、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸アミン類、アルキル置換芳香族スルホン酸塩、アルキルリン酸塩、脂肪族或いは芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物等の陰イオン系界面活性剤;ラウリルアミドプロピルベタイン、ラウリルアミノ酢酸ベタイン等の両性系界面活性剤;ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンアルキルアミン等の非イオン系界面活性剤;パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル基・親水性基含有オリゴマー、パーフルオロアルキル・親油基含有オリゴマーパーフルオロアルキル基含有ウレタン等のフッ素系界面活性剤などが挙げられる。界面活性剤の添加量は、界面活性剤の種類、液晶材料の種類、溶媒の種類、更には溶液を塗布する配向膜の種類にもよるが、通常は溶液に含まれる重合性液晶化合物の10ppmから10%が好ましく、より好ましくは100ppmから5%であり、更に好ましくは0.1%から1%の範囲である。
(樹脂フィルム)
本発明の光学補償フィルムの製造方法に用いられる樹脂フィルムとしては、製造が容易であること、光学的に透明であること等が好ましく、特に透明樹脂フィルムであることが好ましい。これらのフィルムは、溶融流延製膜で製造されたフィルムであっても、溶液流延製膜で製造されたフィルムであってもよい。本発明で言う透明とは、可視光の透過率60%以上であることを指し、好ましくは80%以上であり、特に好ましくは90%以上である。厚さは20μmから300μmが好ましい。
上記の性質を有していれば特に限定はないが、例えば、セルロースジアセテートフィルム、セルローストリアセテートフィルム、セルロースアセテートプロピオネートフィルム、セルロースアセテートブチレートフィルム等のセルロースエステル系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリアリレート系フィルム、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンも含む)系フィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコールフィルム、シンジオタクティックポリスチレン系フィルム,ポリカーボネートフィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリエーテルケトンイミドフィルム、ポリアミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、アクリルフィルム又はガラス板等を挙げることが出来る。中でもノルボルネン系樹脂フィルム、及びセルロースエステル系フィルムが好ましい。
ノルボルネン系樹脂フィルムとは、ノルボルネン構造を有する非晶性ポリオレフィンフィルムで、例えば三井石油化学(株)製のAPOや日本ゼオン(株)製のゼオネックス、JSR(株)製のARTON等がある。
本発明に係わる光学補償フィルムにおいては、これらの中でもセルロースエステル系フィルムを用いることが好ましく、特に第2の保護膜の樹脂フィルムは、後述する特定のセルロースエステルを主成分とするセルロースエステル系フィルムである。セルロースエステルとしては、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートフタレートが好ましく、中でもセルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネートが好ましく用いられる。市販のセルロースエステル系フィルムとしては、例えば、コニカミノルタタック KC8UX、KC4UX、KC5UX、KC8UCR3、KC8UCR4、KC8UCR5、KC8UY、KC4UY、KC12UR、KC4FR−1、KC4FR−2、KC4FR−3、KC4FR−4、KC4HR−1、KC4UE、KC8UE、KC8UY−HA、KC8UX−RHA、KC8UXW−RHA−C、KC8UXW−RHA−NC、KC4UXW−RHA−NC、(以上コニカミノルタオプト(株)製)等が挙げられる。
市販のポリシクロオレフィンフィルムとしては、日本ゼオン社製の商品名「ゼオネックス」、「ゼオノア」、JSR社製の商品名「アートン」、TICONA社製の商品名「トーパス」、三井化学社製の商品名「APEL」等が挙げられる。
市販のポリカーボネートフィルムとしては、ピュアエース(帝人化成(株)製)、エルメック(カネカ(株))等が挙げられる。
上記樹脂フィルムの中では、特に、光学補償フィルムを用いて偏光板を作製する際、鹸化処理のし易さからセルロースエステルフィルムを用いることが好ましい。
これらの樹脂フィルムは、重合性液晶化合物層形成用塗布液を塗設する前に、表面処理することが好ましい。
表面処理としては、通常の方法を採用することが出来、例えば、グロー放電処理、コロナ放電処理、紫外線処理、火炎処理等を挙げることが出来る。
〈セルロースエステル系フィルム〉
本発明の支持体としては前述の通りセルロースエステル系フィルムであることが好ましい。セルロースエステルは、セルロースの低級脂肪酸エステルであることが好ましい。セルロースの低級脂肪酸エステルにおける低級脂肪酸とは炭素原子数が6以下の脂肪酸を意味し、例えば、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート等や、特開平10−45804号、同08−231761号、米国特許第2,319,052号等に記載されているようなセルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート等の混合脂肪酸エステルを用いることが出来る。上記記載の中でも、特に好ましく用いられるセルロースの低級脂肪酸エステルはセルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネートである。これらのセルロースエステルは単独或いは混合して用いることが出来る。
セルロースエステルの分子量が小さ過ぎると引裂強度が低下するが、分子量を上げ過ぎるとセルロースエステルの溶解液の粘度が高くなり過ぎるため生産性が低下する。セルロースエステルの分子量は数平均分子量(Mn)で70000〜200000のものが好ましく、100000〜200000のものが更に好ましい。
セルローストリアセテートの場合には、平均酢化度(結合酢酸量)54.0〜62.5%のものが好ましく用いられ、更に好ましいのは、平均酢化度が58.0〜62.5%のセルローストリアセテートである。平均酢化度が小さいと寸法変化が大きく、又偏光板の偏光度が低下する。平均酢化度が大きいと溶剤に対する溶解度が低下し生産性が下がる。
セルローストリアセテート以外で好ましいセルロースエステルは炭素原子数2〜4のアシル基を置換基として有し、アセチル基の置換度をXとし、プロピオニル基又はブチリル基の置換度をYとした時、下記式(I)及び(II)を同時に満たすセルロースエステルを含むセルロースエステルである。
式(I) 2.6≦X+Y≦3.0
式(II) 0≦X≦2.5
この内特にセルロースアセテートプロピオネートが好ましく用いられ、中でも1.9≦X≦2.5、0.1≦Y≦0.9であることが好ましい。アシル基で置換されていない部分は通常水酸基として存在しているものである。これらは公知の方法で合成することが出来る。アシル基の置換度の測定方法はASTM−D817−96に準じて測定することが出来る。
セルロースエステルの分子量は数平均分子量(Mn)で60000〜300000のものが好ましく、70000〜200000のものが更に好ましい。本発明で用いられるセルロースエステルは重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)比が4.0以下であることが好ましく、更に好ましくは1.4〜2.3である。
セルロースエステルの平均分子量及び分子量分布は、高速液体クロマトグラフィーを用い測定出来るので、これを用いて数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)を算出し、その比を計算することが出来る。
測定条件は以下の通りである。
溶媒: メチレンクロライド
カラム: Shodex K806,K805,K803G(昭和電工(株)製を3本接続して使用した)
カラム温度:25℃
試料濃度: 0.1質量%
検出器: RI Model 504(GLサイエンス社製)
ポンプ: L6000(日立製作所(株)製)
流量: 1.0ml/min
校正曲線: 標準ポリスチレンSTK standard ポリスチレン(東ソー(株)製)Mw=1,000,000〜500迄の13サンプルによる校正曲線を使用した。13サンプルは、ほぼ等間隔に用いることが好ましい。
セルロースエステルは綿花リンター、木材パルプ、ケナフ等を原料として合成されたセルロースエステルを単独或いは混合して用いることが出来る。特に綿花リンター(以下、単にリンターとすることがある)から合成されたセルロースエステルを単独或いは混合して用いることが好ましい。
本発明で用いられるセルロースエステル系フィルムは、溶液流延法で製造されたものでも、溶融流延法で製造されたものでもよいが、少なくとも幅手方向に延伸されたものが好ましく、特に溶液流延工程で剥離残溶量が3〜40質量%である時に幅手方向に1.01〜1.5倍に延伸されたものであることが好ましい。より好ましくは幅手方向と長手方向に2軸延伸することであり、剥離残溶量が3〜40質量%である時に幅手方向及び長手方向に、各々1.01〜1.5倍に延伸されることが望ましい。
本発明においては、長尺フィルムを用いることが好ましく、具体的には、100m〜5000m程度のものを示す。又、基材フィルムの幅は1.4m以上が好ましく、1.4〜4mであることがより好ましい。
セルロースエステル系フィルムは、光透過率が90%以上、より好ましくは93%以上の透明支持体であることが好ましい。
又、セルロースエステルは、セルロースエステル中の微量金属成分によっても影響を受ける。これらは製造工程で使われる水に関係していると考えられるが、不溶性の核となり得るような成分は少ない方が好ましく、鉄、カルシウム、マグネシウム等の金属イオンは、有機の酸性基を含んでいる可能性のあるポリマー分解物等と塩形成することにより不溶物を形成する場合があり、少ないことが好ましい。鉄(Fe)成分については、1ppm以下であることが好ましい。カルシウム(Ca)成分については、地下水や河川の水等に多く含まれ、これが多いと硬水となり、飲料水としても不適当であるが、カルボン酸や、スルホン酸等の酸性成分と、又多くの配位子と配位化合物即ち、錯体を形成し易く、多くの不溶なカルシウムに由来するスカム(不溶性の澱、濁り)を形成する。
カルシウム(Ca)成分は60ppm以下、好ましくは0ppmから30ppmである。マグネシウム(Mg)成分については、やはり多過ぎると不溶分を生ずるため、0ppmから70ppmであることが好ましく、特に0ppmから20ppmであることが好ましい。鉄(Fe)分の含量、カルシウム(Ca)分含量、マグネシウム(Mg)分含量等の金属成分は、絶乾したセルロースエステルをマイクロダイジェスト湿式分解装置(硫硝酸分解)、アルカリ溶融で前処理を行った後、ICP−AES(誘導結合プラズマ発光分光分析装置)を用いて分析を行うことによって求めることが出来る。
本発明に係わる光学補償フィルムに用いられるセルロースエステル系フィルムの屈折率は550nmで1.45から1.60であるものが好ましく用いられる。フィルムの屈折率の測定方法は、アッベ屈折率計を使用し、日本工業規格JIS K 7105に基づき測定する。
〈添加剤〉
セルロースエステル系フィルムには可塑剤や紫外線吸収剤、酸化防止剤、マット剤等の添加剤を含有させることが出来る。
前述のように本発明の光学補償フィルムに用いられるセルロースエステル系フィルムは、リターデーションがRoは0nmから5nm、Rtは−10nmから10nmの範囲にあることが好ましい。上記数値範囲とするためには、第3の保護膜がセルロースエステルであれば、溶融製膜にて製造するか、或いは溶液製膜にて、途中でガラス転移点以上の温度で15秒以上保持するか、或いはセルロースエステルと反対の複屈折発現性を持つ添加剤を加えることが好ましい。中でも、リターデーションを上記範囲内に調整するためには、下記アクリルポリマーを含有することが好ましい。
〈アクリル系ポリマー〉
本発明では、アクリル系ポリマーをセルロースエステルフィルムに添加することが好ましい。尚、ここでアクリル系ポリマーにはメタクリル系ポリマーも含まれる。
本発明に用いられるアクリル系ポリマーとしては、セルロースエステルフィルムに含有させた場合、機能として延伸方向に対して負の複屈折性を示すことが好ましく、特に構造が限定されるものではないが、エチレン性不飽和モノマーを重合して得られた重量平均分子量が500以上30000以下であるポリマーであることが好ましい。
アクリル系ポリマーセルロースエステルフィルム中での含有量は、セルロースエステル全質量に対し、総量として5質量%以上であれば、リターデーション値Rtの調整に十分な作用をする。
アクリル系ポリマーは、後述するドープ液を構成する素材として直接添加、溶解するか、もしくはセルロースエステルを溶解する有機溶媒に予め溶解した後ドープ液に添加することが出来る。
〈ピラノース構造又はフラノース構造の少なくとも1種を1個以上12個以下有しその構造のOH基の全てもしくは一部をエステル化したエステル化合物〉
本発明ではセルロースエステルフィルムには、ピラノース構造又はフラノース構造の少なくとも1種を1個以上12個以下有しその構造のOH基の全てもしくは一部をエステル化したエステル化合物を含むことも好ましい。
エステル化の割合としては、ピラノース構造又はフラノース構造内に存在するOH基の70%以上であることが好ましい。
本発明においては、エステル化合物を総称して、糖エステル化合物とも称す。
本発明に用いられるエステル化合物の例としては、例えば以下のようなものを挙げることが出来るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、キシロース、或いはアラビノース、ラクトース、スクロース、ニストース、1F−フラクトシルニストース、スタキオース、マルチトール、ラクチトール、ラクチュロース、セロビオース、マルトース、セロトリオース、マルトトリオース、ラフィノース或いはケストース挙げられる。
このほか、ゲンチオビオース、ゲンチオトリオース、ゲンチオテトラオース、キシロトリオース、ガラクトシルスクロースなども挙げられる。
これらの化合物の中で、特にピラノース構造とフラノース構造を両方有する化合物が好ましい。
例としてはスクロース、ケストース、ニストース、1F−フラクトシルニストース、スタキオースなどが好ましく、更に好ましくは、スクロースである。
本発明に用いられるセルロースエステルフィルムは、リターデーション値の変動を抑制して、表示品位を安定化するために、上記エステル化合物を、セルロースエステルフィルムの1質量%から30質量%含むことが好ましく、特には、5質量%から30質量%含むことが好ましい。
〈その他の添加剤〉
本発明に係わる光学補償フィルムに用いるセルロースエステル系フィルムには、通常のセルロースエステル系フィルムに添加することの出来る添加剤を含有させることが出来る。これらの添加剤としては、可塑剤、紫外線吸収剤、微粒子等を挙げることが出来る。
(可塑剤)
本発明に用いられるセルロースエステルフィルムは、下記のような可塑剤を含有するのが好ましい。可塑剤としては特に限定されないが、好ましくは、多価カルボン酸エステル系可塑剤、グリコレート系可塑剤、フタル酸エステル系可塑剤、脂肪酸エステル系可塑剤及び多価アルコールエステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、アクリル系可塑剤等から選択される。
その内、可塑剤を2種以上用いる場合は、少なくとも1種は多価アルコールエステル系可塑剤であることが好ましい。
(紫外線吸収剤)
本発明に用いられるセルロースエステル系フィルムは、紫外線吸収剤を含有することも出来る。
本発明に用いられる紫外線吸収剤は特に限定されないが、例えばオキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、トリアジン系化合物、ニッケル錯塩系化合物、無機粉体等が挙げられる。
紫外線吸収剤の使用量は、紫外線吸収剤の種類、使用条件等により一様ではないが、偏光板保護フィルムの乾燥膜厚が30μmから200μmの場合は、偏光板保護フィルムに対して0.5質量%から10質量%が好ましく、0.6質量%から4質量%が更に好ましい。
(酸化防止剤)
酸化防止剤は劣化防止剤とも言われる。高湿高温の状態に液晶画像表示装置などが置かれた場合には、セルロースエステルフィルムの劣化が起こる場合がある。酸化防止剤は、例えば、セルロースエステルフィルム中の残留溶媒量のハロゲンやリン酸系可塑剤のリン酸等によりセルロースエステルフィルムが分解するのを遅らせたり、防いだりする役割を有するので、前記セルロースエステルフィルム中に含有させるのが好ましい。
(微粒子)
本発明に用いられるセルロースエステル系フィルムは微粒子を用いることが好ましい。微粒子は、無機化合物でも有機化合物でもどちらも用いることが出来る。無機化合物の例としては、二酸化珪素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウムを挙げることが出来る。微粒子は珪素を含むものが濁度が低くなる点で好ましく、特に二酸化珪素が好ましい。
微粒子の一次粒子の平均粒径は5nmから50nmが好ましく、更に好ましいのは7nmから20nmである。これらは主に粒径0.05μmから0.3μmの2次凝集体として含有されることが好ましい。セルロースエステルフィルム中のこれらの微粒子の含有量は0.05質量%から1質量%であることが好ましく、特に0.1質量%から0.5質量%が好ましい。共流延法による多層構成のセルロースエステルフィルムの場合は、表面にこの添加量の微粒子を含有することが好ましい。
二酸化珪素の微粒子は、例えば、アエロジルR972、R972V、R974、R812、200、200V、300、R202、OX50、TT600(以上日本アエロジル(株)製)の商品名で市販されており、使用することが出来る。
酸化ジルコニウムの微粒子は、例えば、アエロジルR976及びR811(以上日本アエロジル(株)製)の商品名で市販されており、使用することが出来る。
ポリマーの例として、シリコーン樹脂、フッ素樹脂及びアクリル樹脂を挙げることが出来る。シリコーン樹脂が好ましく、特に三次元の網状構造を有するものが好ましく、例えば、トスパール103、同105、同108、同120、同145、同3120及び同240(以上東芝シリコーン(株)製)の商品名で市販されており、使用することが出来る。
これらの中でもアエロジル200V、アエロジルR972Vがセルロースエステルフィルムの濁度を低く保ちながら、摩擦係数を下げる効果が大きいため特に好ましく用いられる。
各種添加剤は製膜前のセルロースエステル含有溶液であるドープにバッチ添加してもよいし、添加剤溶解液を別途用意してインライン添加してもよい。特に微粒子は濾過材への負荷を減らすために、一部又は全量をインライン添加することが好ましい。
添加剤溶解液をインライン添加する場合は、ドープとの混合性をよくするため、少量のセルロースエステルを溶解するのが好ましい。好ましいセルロースエステルの量は、溶剤100質量部に対して1質量部から10質量部で、より好ましくは、3質量部から5質量部である。
本発明においてインライン添加、混合を行うためには、例えば、スタチックミキサー(東レエンジニアリング製)、SWJ(東レ静止型管内混合器 Hi−Mixer)等のインラインミキサー等が好ましく用いられる。
《中間層》
本発明においては、支持体と液晶層の間に液晶の垂直配向を補助したり、支持体からの溶出物をブロックする様な中間層を設けることが好ましい。
中間層は、透明樹脂で構成される。透明樹脂は、飽和炭化水素鎖又はポリエーテル鎖を主鎖として有するバインダーポリマーであることが好ましく、飽和炭化水素鎖を主鎖として有するバインダーポリマーであることが更に好ましい。
特に好ましくは、紫外線や電子線の様な活性線照射により架橋反応等を経て硬化する樹脂、或いは架橋剤と反応部位を有する樹脂との混合組成物である。
硬化性樹脂としては、例えば、紫外線硬化型ウレタンアクリレート系樹脂、紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂、紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂、紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂、又は紫外線硬化型エポキシ樹脂等の紫外線硬化型アクリレート系樹脂が好ましく用いられる。
紫外線硬化型ウレタンアクリレート系樹脂は、一般にポリエステルポリオールにイソシアネートモノマー、又はプレポリマーを反応させて得られた生成物を更に2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(以下アクリレートにはメタクリレートを包含するものとしてアクリレートのみを表示する)、2−ヒドロキシプロピルアクリレート等の水酸基を有するアクリレート系のモノマーを反応させることによって容易に得ることが出来る。
例えば、特開昭59−151110号号公報に記載のものを用いることが出来る。例えば、紫光UV−7510B(日本合成化学(株)製)、ユニディック17−806(大日本インキ(株)製)100部とコロネートL(日本ポリウレタン(株)製)1部との混合物等が好ましく用いられる。
紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂としては、一般にポリエステルポリオールに2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシアクリレート系のモノマーを反応させると容易に形成されるものを挙げることが出来、特開昭59−151112号公報に記載のものを用いることが出来る。
紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂の具体例としては、エポキシアクリレートをオリゴマーとし、これに反応性希釈剤、光重合開始剤を添加し、反応させて生成するものを挙げることが出来、特開平1−105738号公報に記載のものを用いることが出来る。
紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂の具体例としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等を挙げることが出来る。
これら硬化性樹脂の光重合開始剤としては、具体的には、ベンゾイン及びその誘導体、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、α−アミロキシムエステル、チオキサントン等及びこれらの誘導体を挙げることが出来る。光増感剤と共に使用してもよい。
又、エポキシアクリレート系の光重合開始剤の使用の際、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等の増感剤を用いることが出来る。
硬化性樹脂組成物に用いられる光重合開始剤又光増感剤は該組成物100質量部に対して0.1質量部から25質量部であり、好ましくは1質量部から15質量部である。
アクリレート系樹脂としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、ベンジルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ジビニルベンゼン、1,4−シクロヘキサンジアクリレート、1,4−シクロヘキシルジメチルアジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリルエステル等を挙げることが出来る。
これらの市販品としては、アデカオプトマーKR・BYシリーズ:KR−400、KR−410、KR−550、KR−566、KR−567、BY−320B(旭電化(株)製);コーエイハードA−101−KK、A−101−WS、C−302、C−401−N、C−501、M−101、M−102、T−102、D−102、NS−101、FT−102Q8、MAG−1−P20、AG−106、M−101−C(広栄化学(株)製);セイカビームPHC2210(S)、PHCX−9(K−3)、PHC2213、DP−10、DP−20、DP−30、P1000、P1100、P1200、P1300、P1400、P1500、P1600、SCR900(大日精化工業(株)製);KRM7033、KRM7039、KRM7130、KRM7131、UVECRYL29201、UVECRYL29202(ダイセル・ユーシービー(株)製);RC−5015、RC−5016、RC−5020、RC−5031、RC−5100、RC−5102、RC−5120、RC−5122、RC−5152、RC−5171、RC−5180、RC−5181(大日本インキ化学工業(株)製);オーレックスNo.340クリヤ(中国塗料(株)製);サンラッドH−601、RC−750、RC−700、RC−600、RC−500、RC−611、RC−612(三洋化成工業(株)製);SP−1509、SP−1507(昭和高分子(株)製);RCC−15C(グレース・ジャパン(株)製)、アロニックスM−6100、M−8030、M−8060(東亞合成(株)製)、NKハードB−420、NKエステルA−DOG、NKエステルA−IBD−2E(新中村化学工業(株)製)等を適宜選択して利用出来る。
又、その他として、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジオキサングリコールアクリレート、エトキシ化アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等を挙げることが出来る。
本発明の架橋剤と反応部位を有する樹脂の混合組成物としては、例えばポリビニルアルコールとグリオキザール、ゼラチンとグリオキザール等が挙げられる。
又、中間層には、フッ素−アクリル共重合体樹脂を含有してもよい。フッ素−アクリル共重合体樹脂とは、フッ素単量体とアクリル単量体とからなる共重合体樹脂で、特にフッ素単量体セグメントとアクリル単量体セグメントとからなるブロック共重合体が好ましい。
〈中間層の製造方法〉
中間層はグラビアコーター、ディップコーター、リバースコーター、ワイヤーバーコーター、ダイコーター、インクジェット法等公知の方法を用いて、中間層を形成する塗布組成物を塗布し、支持体上に塗布後、加熱乾燥し、UV硬化処理することが好ましい。
塗布量はウェット膜厚として0.1μmから40μmが適当で、好ましくは、0.5μmから30μmである。
又、ドライ膜厚としては平均膜厚0.01μmから1μm、好ましくは0.02μmから0.7μmである。
上記UV硬化処理の光源としては、紫外線を発生する光源であれば制限なく使用出来る。例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を用いることが出来る。
照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、活性線の照射量は、通常5mJ/cmから500mJ/cm、好ましくは5mJ/cmから150mJ/cmである。
又、活性線を照射する際には、フィルムの搬送方向に張力を付与しながら行うことが好ましく、更に好ましくは幅方向にも張力を付与しながら行うことである。付与する張力は30N/mから300N/mが好ましい。
張力を付与する方法は特に限定されず、バックロール上で搬送方向に張力を付与してもよく、テンターにて幅方向、又は2軸方向に張力を付与してもよい。これによって更に平面性優れたフィルムを得ることが出来る。
中間層を形成する塗布組成物には溶媒が含まれていてもよい。塗布組成物に含有される有機溶媒としては、例えば、炭化水素類(トルエン、キシレン、)、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン)、エステル類(酢酸メチル、酢酸エチル、乳酸メチル)、グリコールエーテル類、その他の有機溶媒からも適宜選択し、又はこれらを混合し利用出来る。
有機溶媒としては、プロピレングリコールモノアルキルエーテル(アルキル基の炭素原子数として1から4)又はプロピレングリコールモノアルキルエーテル酢酸エステル(アルキル基の炭素原子数として1から4)等が好ましい。又、有機溶媒の含有量としては塗布組成物中、5質量%から80質量%が好ましい。
(偏光板)
偏光板は一般的な方法で作製することが出来る。本発明に係わる光学補償フィルムを用いた偏光板の保護フィルムに用いられるセルロースエステル系フィルムの裏面側をアルカリ鹸化処理し、ヨウ素溶液中に浸漬延伸して作製した偏光膜の少なくとも一方の面に、完全鹸化型ポリビニルアルコール水溶液を用いて貼り合わせることが好ましい。もう一方の面には該フィルムを用いても、別の偏光板保護フィルムを用いてもよい。市販のセルロースエステル系フィルム(例えば、コニカミノルタタック KC8UX、KC4UX、KC5UX、KC8UCR3、KC8UCR4、KC8UCR5、KC8UY、KC4UY、KC12UR、KC4FR、以上コニカミノルタオプト(株)製)も好ましく用いられる。
偏光板の主たる構成要素である偏光膜とは、一定方向の偏波面の光だけを通す素子であり、現在知られている代表的な偏光膜は、ポリビニルアルコール系偏光フィルムで、これはポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素を染色させたものと二色性染料を染色させたものがある。偏光膜は、ポリビニルアルコール水溶液を製膜し、これを一軸延伸させて染色するか、染色した後、一軸延伸してから、好ましくはホウ素化合物で耐久性処理を行ったものが用いられている。
(表示装置)
本発明に係わる光学補償フィルムを用いた偏光板を液晶表示装置に組み込むことによって、視認性に優れた本発明の液晶表示装置を作製することが出来る。本発明に係わる光学補償フィルムを用いた偏光板は、IPSモード型のLCDで好ましく用いられるが、特に請求項2又は請求項3の構成を採用したIPSモード型液晶表示装置に好適に用いられる。特に画面が30型以上、特に30型から54型の大画面の液晶表示装置であっても、環境変動が少なく、光漏れが低減された、色味ムラ、正面コントラストなど視認性に優れ液晶表示装置を得ることが出来る。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
(中間層を設けた樹脂フィルムの作製)
以下に示す方法で中間層を設けた樹脂フィルムを作製した。
(樹脂フィルムの作製)
次に示す方法で樹脂フィルムとしてセルロースエステルフィルムを準備した。
(二酸化珪素分散液)
アエロジル972V(日本アエロジル(株)製) 12質量部
(1次粒子の平均径16nm、見かけ比重90g/リットル)
エタノール 88質量部
以上をディゾルバーで30分間撹拌混合し、二酸化珪素分散希釈液を作製した。
(芳香族末端エステル1)
反応容器に、フタル酸820部(5モル)、1,2−プロピレングリコール608部(8モル)、安息香酸610部(5モル)及び触媒としてテトライソプロピルチタネート0.30部を一括して仕込み窒素気流中で撹拌の下、還流凝縮器を付して過剰の1価アルコールを還流させながら、酸価が2以下になるまで130〜250℃で加熱を続け生成する水を連続的に除去した。次いで200〜230℃で6.65×10Pa〜最終的に4×10Pa以下の減圧下、留出分を除去し、この後濾過して次の性状を有する芳香族末端エステル1を得た。
粘度(25℃、mPa・s):19815
酸価 :0.4
尚、酸価とは、試料1g中に含まれる酸(分子末端に存在するカルボキシル基)を中和するために必要な水酸化カリウムのミリグラム数を言う。酸価及び水酸基価はJIS K0070に準拠して測定したものである。
(ドープ液)
セルロースエステル(アセチル基置換度1.80、プロピオニル基置換度0.70、総アシル基置換度2.50) 100質量部
トリメチロールプロパントリベンゾエート 5質量部
上記芳香族末端エステル1 5質量部
二酸化珪素分散液 10質量部
メチレンクロライド 430質量部
エタノール 40質量部
上記ドープ組成物を密封容器に投入し、70℃まで加熱し、撹拌しながら、セルロースエステルを完全に溶解しドープ液を得た。次に、ドープ液を濾過した後、33℃に温度調整したドープ液を、ダイに送液して、ダイスリットからステンレスベルト上に幅2.5mで均一に流延した。ステンレスベルトの流延部は裏面から37℃の温水で加熱した。流延後、金属支持体上のドープ膜(ステンレスベルトに流延以降はウェブという)に44℃の温風を当てて乾燥させ、残留溶媒量が120質量%で剥離し、剥離の際に張力を掛けて1.01倍の縦延伸倍率となるようにロールの周速差を利用して延伸し、次いで、残留溶媒量24質量%、温度135℃にてテンターでウェブ端部を把持し、幅手方向に1.30倍の延伸倍率となるように延伸した。延伸後、その幅を維持したまま数秒間保持した後、幅方向の張力を緩和させ、幅保持を開放した後に120℃で乾燥させた。以上のようにして作製した膜厚60μm、幅2.5m、長さ5000mのセルロースエステルフィルムである樹脂フィルムA−1をコアに巻き取った。
このセルロースエステルフィルムのリターデーションは、Roは70nm、Rtは200nm、Rt/Roは2.86であった。
尚、上記残留溶媒量は以下の方法で測定した。
残留溶媒量(質量%)={(M−N)/N}×100
ここで、Mはウェブの任意時点での質量で、下記のガスクロマトグラフィーにより測定した質量であり、Nは該Mを110℃で3時間乾燥させた時の質量である。測定は、ヒューレット・パッカード社製ガスクロマトグラフィー5890型SERISIIとヘッドスペースサンプラーHP7694型を使用し、以下の測定条件で行った。
ヘッドスペースサンプラー加熱条件:120℃、20分
GC導入温度:150℃
昇温:40℃、5分保持した後、100℃(8℃/分)
カラム:J&W社製DB−WAX(内径0.32mm、長さ30m)
《中間層の塗設》
樹脂フィルムと液晶層との間に設ける中間層を以下の方法で設けた。
〈中間層用組成物の調製〉
紫光 UV−7605B(日本合成化学製) 25質量部
光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン)(イルガキュア184、チバ・ジャパン(株)製) 1.25質量部
溶剤(PGME/イソプロピルアルコール混合溶媒(質量比20/80))
75質量部
〈中間層の塗設〉
上記作製した樹脂フィルムの上に中間層組成物をスリットダイで塗布し、熱風の温度80℃、乾燥時間30秒で乾燥した。続いて酸素濃度1.5%雰囲気中で高圧水銀灯により50mJ/cmの照射強度で紫外線照射し、乾燥膜厚で1μmの中間層を設け、中間層を設けた樹脂フィルムを作製した。塗設された中間層のゲル分率は約50質量%であり、半硬化層であった。
(ゲル分率)
半硬化中間層を約0.1gを採り、これを秤量して質量(W1)を測定した。次いで、これを微孔性テトラフルオロエチレン膜(膜質量W2)に包んで、約50mlの酢酸エチルに7日間浸漬したのち、可溶分を抽出した。これを乾燥し、全体の質量(W3)を測定した。これらの測定値から、下記式により半硬化中間層のゲル分率(質量%)を求めた。
ゲル分率(質量%)={(W3−W2)/W1}×100
(光学補償フィルムの製造)
図2に示す製造装置で、表1、表2に示す液晶相から等方相へ相転移する温度T2が異なる重合性液晶化合物25質量部を、少なくとも2種類の相対的に沸点の低い有機溶媒(沸点T3)と、沸点の高い有機溶媒(沸点T4)との混合溶媒75質量部に溶解した重合性液晶化合物層形成用塗布液を、準備した中間層を設けた樹脂フィルム(セルロースエステルフィルム)の中間層の上に、スライド法で塗布し昇温乾燥工程の温度T1との関係を表1、表2に示す様に変えて重合性液晶化合物層を形成した後、配向工程で重合性液晶化合物層の重合性液晶化合物を配向させた後、硬化工程で硬化し配向を固定化し厚さ3μmの位相差層とし光学補償フィルムを作製し、試料No.101から138とした。
尚、液晶相から等方相へ相転移する温度T2が50℃の重合性液晶化合物としては棒状ネマティック重合性液晶化合物を使用した。液晶相から等方相へ相転移する温度T2が70℃の重合性液晶化合物としてはディスコネマティック重合性液晶化合物を使用した。
混合溶媒の混合比(質量比)は以下の混合比で行った。
溶媒が2種類の場合:相対的に沸点の低い有機溶媒:相対的に沸点の高い有機溶媒=85:15
溶媒が3種類の場合:相対的に沸点の低い有機溶媒から高い有機溶媒の順に、70:20:10
溶媒が4種類の場合:相対的に沸点の低い有機溶媒から高い有機溶媒の順に、70:10:10:10
製造条件を以下に示す。
塗布後、昇温乾燥工程に入るまでの時間は、1.5秒
昇温乾燥工程を終えた塗膜中の残留溶媒量は、選定した溶媒種、混合比率で異なるが、0.005〜0.08g/mであつた。
昇温乾燥工程の処理時間は40秒とした。
配向工程の温度は、塗膜面温度が30℃となるように冷却風を塗膜面に吹き付けた。
配向工程を通過する時間(配向時間)は、30秒とした。
硬化工程では、活性放射線として250mJ/mmの紫外線(UV)(高圧水銀ランプを使用)80秒照射した。
尚、残留溶媒量は、重合性液晶化合物を含む塗膜を形成した樹脂フィルムを10cm角に切り出し質量を測定し、その後オーブンにて110℃30分加熱し再度質量を測定した。この質量差より算出した1m当たりの溶媒量を残留溶媒量とした。
塗膜面温度は、EXERGEN社製赤外線熱電対IRt/cで測定した値を示す。
評価
作製した各試料No.101から138に付き、配向ムラ、配向欠陥に付き、以下に示す方法で測定し、以下に示す評価ランクに従って評価した結果を、表1、表2に示す。
(リターデーションの測定)
実施例では、アッベ屈折計(4T)を用いてフィルムの平均屈折率を測定した。
自動複屈折計KOBRA−21ADH(王子計測機器(株)製)を用いて、23℃、55%RHの環境下24時間放置したフィルムにおいて、同環境下、波長が590nmにおけるフィルムのリターデーション測定を行った。リターデーションの算出は、下記式(i)、(ii)を用いた。
(i):Ro=(nx−ny)×d
(ii):Rt=((nx+ny)/2−nz)×d
(式中、フィルム面内の遅相軸方向の屈折率をnx、面内で遅相軸に直行する方向の屈折率ny、フィルム厚み方向の屈折率をnz、dはフィルムの厚み(nm)を表す。)
(配向ムラの測定方法)
光学補償フィルム試料を、ヱトー(株)製複屈折位相差測定装置 AD−175SIを用いて、測定スポット0.5mmで0.5mmピッチでのリターデーションRo測定を行った。測定は、フィルムの面内遅相軸を傾斜軸として40°傾斜させて行った。
尚、重合性液晶化合物層形成用塗布液の塗布を行う前に二軸性の樹脂フィルムの位相差ムラは測定して、0.1mm間隔で0.1nm未満でムラがないことを確認しておいた。
配向(位相差)ムラの評価ランク
◎:リターデーションの差が0.100nm未満
○:リターデーションの差が0.100以上0.150nm未満
△:リターデーションの差が0.150以上0.200nm未満
×:リターデーションの差が0.200nm以上
(配向欠陥の測定方法)
作製した光学補償フィルムを偏光顕微鏡下でクロスニコル下で観察し、配向状態及び配向欠陥の評価を行い、液晶層中に生じた配向欠陥の数を光学顕微鏡で観察して調べた結果、点欠陥の個数(1.0mm範囲の平均値)を数えた。
配向欠陥の評価ランク
○:点欠陥の個数が3個未満
△:点欠陥の個数が3個以上、10個未満
×:点欠陥の個数が10個以上
Figure 2010128270
Figure 2010128270
有機溶媒が少なくとも2種の有機溶媒からなる混合溶剤であり、混合溶剤の内最も沸点の低い溶媒の沸点をT3、最も沸点の高い溶媒の沸点をT4とした時、T4はT3+30℃以上高く、重合性液晶化合物の液晶相から等方相へ相転移する温度をT2とした時、T2は、T3、T4より低く、昇温乾燥工程の温度をT1とした時、T1はT3−50℃より高く、T3より低く、且つ、T2よりも高い本発明の条件で作製した試料No.104、106から113、121から127、135から138は、配向ムラ、配向欠陥共に優れた結果を示した。本発明の条件から外れた条件で作製した試料No.105、114から120、128から134は、配向ムラ、配向欠陥共に劣る結果を示した。重合性液晶化合物層形成用塗布液を調製するのに1種類の有機溶媒を使用して作製した試料No.101から103は配向ムラ、配向欠陥共に劣る結果を示した。本発明の有効性が確認された。
実施例2
《偏光板の作製》
実施例1で作製した光学補償フィルム(試料No.101から138)を、40℃の2.5mol/L水酸化ナトリウム水溶液で60秒間アルカリ処理し、3分間水洗して鹸化処理し、アルカリ処理した光学補償フィルムを得た。
次いで、厚さ120μmのポリビニルアルコールフィルムを、一軸延伸(温度110℃、延伸倍率5倍)した。これをヨウ素0.075g、ヨウ化カリウム5g、水100gからなる水溶液に60秒間浸漬し、次いでヨウ化カリウム6g、ホウ酸7.5g、水100gからなる68℃の水溶液に浸漬した。これを水洗、乾燥し偏光膜を得た。
次に上記作製した偏光膜、及び市販の偏光板保護フィルムであるコニカミノルタタック、KC4UY(コニカミノルタオプト(株)製)を上記の方法で鹸化処理し、完全鹸化型ポリビニルアルコール5%水溶液を粘着剤として、アルカリ処理した光学補償フィルム、偏光膜、偏光板保護フィルムKC4UYの順で積層して視認側の偏光板を作製し試料No.201から238とした。
評価
作製した試料No.201から238に付き、IPSモード型液晶表示装置である日立製液晶テレビWooo W17−LC50の予め貼合されていた視認側の偏光板を剥がして、偏光板の吸収軸が一致する様に作製した各偏光板(試料No.201から238)の光学補償フィルムが液晶セル側になる様に液晶セルのガラス面に貼合しIPSモード型液晶表示装置を作製し、視野角、色味、色ムラを以下に示す方法で評価した結果を表3に示す。
視野角の測定方法
視野角特性の評価にはELDIM社製EZ−contrastを用い黒表示及び白表示時の透過光量を測定した。視野角の評価はコントラスト=(白表示時の透過光量)/(黒表示時の透過光量)を算出し10以上を示すパネル面に対する法線方向からの傾き角が左右60°以上のものを「○」とし、実用上問題ないとの評価を行った。
視野角の評価ランク
◎:視野角が非常に広い
○:視野角が広い
△:視野角がやや狭い
×:視野角が狭い
色味の測定方法
黒表示時の色味測定を、Topcon製SR−3Aにて行った。
正面と斜め上(方位角45度)の倒れ角60°(正面基準)との色味測定を行い、((x−x’)2+(y−y’)2)1/2を評価した。数字の小さい方が色味が安定していることを表す。 ※式中、正面:(x、y)、斜め:(x’、y’)を表す。
色味の評価ランク
○:0.00以上、0.03未満
△:0.03以上、0.07未満
×:0.07以上
色ムラの測定方法
目視により色ムラを評価した。
色ムラの評価ランク
◎:色ムラが全く観察されない
○:色ムラがほんの部分的に観察される
△:色ムラが、全面的に弱いものが観察される
×:色ムラがはっきりと全体に観察される
得られた結果を表2に示す。
Figure 2010128270
有機溶媒が少なくとも2種の有機溶媒からなる混合溶剤であり、混合溶剤の内最も沸点の低い溶媒の沸点をT3、最も沸点の高い溶媒の沸点をT4とした時、T4はT3+30℃以上高く、重合性液晶化合物の液晶相から等方相へ相転移する温度をT2とした時、T2は、T3、T4より低く、昇温乾燥工程の温度をT1とした時、T1はT3−50℃より高くT3より低く、且つ、T2よりも高い本発明の条件で作製した光学補償フィルムを使用した試料No.204、206から213、221から227、235から238は、視野角、色味、色ムラ共に優れた結果を示した。
本発明の条件から外れた条件で作製した光学補償フィルムを使用した試料No.205、214から220、228から234は、視野角、色味、色ムラ共に劣る結果を示した。
重合性液晶化合物層形成用塗布液を調製するのに1種類の有機溶媒を使用して作製した光学補償フィルムを使用した試料No.201から203は、視野角、色味、色ムラ何れも劣る結果を示した。本発明の有効性が確認された。
実施例3(請求項3対応)
(中間層を設けた樹脂フィルムの作製)
実施例1と同じ方法で、実施例1と同じ中間層を設けた樹脂フィルムを作製した。
(光学補償フィルムの製造)
図2に示す製造装置で、実施例1の試料No.106を作製するのに使用した重合性液晶化合物25質量部を、表4に示すように混合比率を変えた2種類の相対的に沸点の低い有機溶媒(イソプロピルアルコール)と、沸点の高い有機溶媒(エチレングリコールモノエチルエーテル)との混合溶媒75質量部に溶解した他は、実施例1の試料No.106と同じ条件で光学補償フィルムを作製し、試料No.301から307とした。
評価
作製した各試料No.301から307に付き、配向ムラ、配向欠陥に付き、実施例1と同じ方法で測定し、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表4に示す。
Figure 2010128270
重合性液晶化合物層形成用塗布液を調製する時、重合性液晶化合物を溶解する2種類の相対的に沸点が低い溶媒と沸点が高い溶媒との質量比が50/50から95/5であれば、配向ムラ、配向欠陥共に優れた結果を示し、本発明の有効性が確認された。
実施例4
(中間層を設けた樹脂フィルムの作製)
実施例1と同じ方法で、実施例1と同じ中間層を設けた樹脂フィルムを作製した。
(光学補償フィルムの製造)
図2に示す製造装置で、実施例1の試料No.106を作製するのに使用した重合性液晶化合物層形成用塗布液と同じ重合性液晶化合物層形成用塗布液を調製し、作製した中間層を設けた樹脂フィルムの上にスライド法で塗布し、表5に示す様に昇温乾燥工程を終えた塗膜中の残留溶媒量を変えた他は、実施例1の試料No.106と同じ条件で光学補償フィルムを作製し、試料No.401から409とした。
尚、残留溶媒量の変化は昇温乾燥工程の通過時間及び乾燥風風速を変えて行った。残留溶媒量の測定は実施例1と同じ方法で行った。
評価
作製した各試料No.401から409に付き、配向ムラ、配向欠陥に付き、実施例1と同じ方法で測定し、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表5に示す。
Figure 2010128270
重合性液晶化合物層形成用塗布液を塗布し、昇温乾燥工程を終了する時の塗膜中の残留溶媒量が0.00010g/mから0.20g/mであれば、配向ムラ、配向欠陥共に優れた結果を示し、本発明の有効性が確認された。
液晶表示装置の構成を示す概略図である。 光学補償フィルムの製造装置の模式図である。
符号の説明
1a、1b 液晶表示装置
101、101′ 液晶セル
101a、101′a、101b、101′b ガラス基板
101c、101′c 液晶層
102、102′ 視認側偏光板
102a、103′b 第1の保護フィルム
102b、103′a 第2の保護フィルム
102c、103′c 位相差層
102d、103′d 第1の偏光膜
103、103′ バックライト側偏光板
103a、102′b 第3の保護フィルム
103b、102′a 第4の保護フィルム
103c、102′c 第2の偏光膜
2 製造装置
201 樹脂フィルム供給工程
202 塗布工程
203 昇温乾燥工程
204 配向工程
205 硬化工程
206 回収工程
3 樹脂フィルム

Claims (7)

  1. 樹脂フィルムの上に重合性液晶化合物を有機溶媒に溶解させた塗布液を塗布する塗布工程と、前記塗布液が塗布された前記樹脂フィルムの上に形成された塗膜を昇温乾燥する昇温乾燥工程と、前記昇温乾燥工程の後に配向工程と、前記配向工程の後に前記重合性液晶化合物を重合して硬化する硬化工程とを有する光学補償フィルムの製造方法において、
    前記有機溶媒が少なくとも2種の有機溶媒からなる混合溶剤であり、
    前記混合溶剤の内最も沸点の低い溶媒の沸点をT3、最も沸点の高い溶媒の沸点をT4とした時、T4はT3+30℃より高く、
    重合性液晶化合物の液晶相から等方相へ相転移する温度をT2とした時、
    T2は、T3、T4より低く、
    前記昇温乾燥工程の温度をT1とした時、
    T1はT3−50℃より高く、T3より低く、且つ、T2よりも高いことを特徴とする光学補償フィルムの製造方法。
  2. 前記重合性液晶化合物が棒状ネマティック液晶であることを特徴とする請求項1に記載の光学補償フィルムの製造方法。
  3. 前記有機溶媒が2種で、塗布時の塗布液中の相対的に沸点が低い溶媒と、沸点が高い溶媒との質量比が50/50から95/5であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学補償フィルムの製造方法。
  4. 前記昇温乾燥工程を終えた塗膜中の残留溶媒量が0.00010g/mから0.20g/mであることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の光学補償フィルムの製造方法。
  5. 請求項1から4の何れか1項に記載の光学補償フィルムの製造方法により作製されたことを特徴とする光学補償フィルム。
  6. 請求項5に記載の光学補償フィルムを少なくとも一方の面に用いたことを特徴とする偏光板。
  7. 請求項6に記載の偏光板を液晶セルの少なくとも一方の面に用いたことを特徴とする液晶表示装置。
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