JP2010128270A - 光学補償フィルムの製造方法、光学補償フィルム、偏光板及び液晶表示装置 - Google Patents
光学補償フィルムの製造方法、光学補償フィルム、偏光板及び液晶表示装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2010128270A JP2010128270A JP2008304002A JP2008304002A JP2010128270A JP 2010128270 A JP2010128270 A JP 2010128270A JP 2008304002 A JP2008304002 A JP 2008304002A JP 2008304002 A JP2008304002 A JP 2008304002A JP 2010128270 A JP2010128270 A JP 2010128270A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- liquid crystal
- film
- optical compensation
- solvent
- crystal compound
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Polarising Elements (AREA)
- Liquid Crystal (AREA)
Abstract
【解決手段】樹脂フィルムの上に重合性液晶化合物を有機溶媒に溶解させた塗布液を塗布する塗布工程と、昇温乾燥工程と、配向工程と、硬化工程とを有する光学補償フィルムの製造方法において、有機溶媒が混合溶剤であり、混合溶剤の内最も沸点の低い溶媒の沸点をT3、最も沸点の高い溶媒の沸点をT4とした時、T4はT3+30℃より高く、重合性液晶化合物の液晶相から等方相へ相転移する温度をT2とした時、T2は、T3、T4より低く、昇温乾燥工程の温度をT1とした時、T1はT3−50℃より高く、T3より低く、且つ、T2よりも高いことを特徴とする光学補償フィルムの製造方法。
【選択図】図2
Description
式(ii) Rt=((nx+ny)/2−nz)×d
(式中、nxは位相差層面内の遅相軸方向の屈折率、nyは位相差層面内の進相軸方向の屈折率、nzは位相差層の厚み方向の屈折率(屈折率は23℃、55%RHの環境下、波長590nmで測定)、dは位相差層の厚さ(nm)を表す。)
測定には自動複屈折計KOBURA・21ADH(王子計測器(株)製)を用いて、23℃、55%RHの環境下で、波長が590nmにおいて測定した。
1.昇温乾燥工程での溶媒除去時間を短くすることが出来るため、配向阻害物質の塗膜面への溶出を抑制し安定した配向及び配向促進が可能となった。
2.重合性液晶化合物の相転移温度より高い温度に昇温乾燥工程で乾燥が出来るため、安定した配向、乾燥工程の短縮化が可能となった。
3.昇温乾燥工程後の配向工程では塗膜中にある程度の溶剤が残留しているため、配向が安定し、且つ完了するまでの時間を短縮することが出来る。
4.重合性液晶化合物の配向を安定化することで広視野角化、高いコントラストの変化を少なくし、光学補償フィルムの性能を向上することが可能となった。
5.重合性液晶化合物の配向を安定化することで安定した位相差層としての機能を有する光学補償フィルムを使用することで液晶表示装置の性能を向上することが可能となった。
重合性液晶化合物は、所定の活性放射線を照射することにより重合させて用いることが出来、重合させた状態では配向状態は固定化されるようになっている。重合性液晶化合物としては、重合性液晶モノマー、重合性液晶オリゴマー、もしくは重合性液晶ポリマーの何れかを用いることが出来、相互に混合して用いることも出来る。
重合性液晶化合物に加え、必要に応じて光重合開始剤を用いてもよい。電子線照射により重合性液晶化合物を重合させる際には、光重合開始剤が不要な場合があるが、一般的に用いられている。例えば紫外線(UV)照射による硬化の場合においては、通常光重合開始剤が重合促進のために用いられるからである。
溶媒としては、重合性液晶化合物等を溶解することが可能な溶媒であり、且つ透明樹脂フィルムの性状を低下させない溶媒であれば特に限定されるものではなく以下の溶媒が挙げられる。具体的には、ベンゼン、トルエン、等の炭化水素類;メトキシベンゼン、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートもしくはγ−ブチロラクトン等のエステル類;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒;ジクロロメタン、四塩化炭素、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、トリトリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等のハロゲン系溶媒;t−ブチルアルコール、ジアセトンアルコール、グリセリン、モノアセチン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチルセルソルブ等のアルコール類;フェノール、パラクロロフェノール等のフェノール類等の1種又は2種以上が使用可能である。
本発明に係わる光学補償フィルムの重合性液晶化合物層には、本発明の目的を損なわない範囲内で、以下に示す化合物を添加することが出来る。添加出来る化合物としては、例えば、多価アルコールと1塩基酸又は多塩基酸を縮合して得られるポリエステルプレポリマーに、(メタ)アクリル酸を反応させて得られるポリエステル(メタ)アクリレート;ポリオール基と2個のイソシアネート基を持つ化合物を互いに反応させた後、その反応生成物に(メタ)アクリル酸を反応させて得られるポリウレタン(メタ)アクリレート;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ポリカルボン酸ポリグリシジルエステル、ポリオールポリグリシジルエーテル、脂肪族もしくは脂環式エポキシ樹脂、アミンエポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、ジヒドロキシベンゼン型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂と、(メタ)アクリル酸を反応させて得られるエポキシ(メタ)アクリレート等の光重合性化合物、又はアクリル基もしくはメタクリル基を有する光重合性の液晶性化合物、特開2007−45993号公報に記載のオニウム塩、フッ化アクリレートポリマー等が挙げられる。重合性液晶化合物層に対するこれら化合物の添加量は、本発明の目的が損なわれない範囲で選択され、一般的には、重合性液晶化合物層の組成物の40%以下であることが好ましく、より好ましくは20%以下である。これらの化合物の添加により、本発明における重合性液晶化合物の硬化性が向上し、得られる液晶層の機械強度が増大し、又その安定性が改善される。
重合性液晶化合物層形成用塗布液には、塗布を容易にするために界面活性剤等を加えることが出来る。添加可能な界面活性剤を例示すると、イミダゾリン、第四級アンモニウム塩、アルキルアミンオキサイド、ポリアミン誘導体等の陽イオン系界面活性剤;ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物、第一級或いは第二級アルコールエトキシレート、アルキルフェノールエトキシレート、ポリエチレングリコール及びそのエステル、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸アミン類、アルキル置換芳香族スルホン酸塩、アルキルリン酸塩、脂肪族或いは芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物等の陰イオン系界面活性剤;ラウリルアミドプロピルベタイン、ラウリルアミノ酢酸ベタイン等の両性系界面活性剤;ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンアルキルアミン等の非イオン系界面活性剤;パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル基・親水性基含有オリゴマー、パーフルオロアルキル・親油基含有オリゴマーパーフルオロアルキル基含有ウレタン等のフッ素系界面活性剤などが挙げられる。界面活性剤の添加量は、界面活性剤の種類、液晶材料の種類、溶媒の種類、更には溶液を塗布する配向膜の種類にもよるが、通常は溶液に含まれる重合性液晶化合物の10ppmから10%が好ましく、より好ましくは100ppmから5%であり、更に好ましくは0.1%から1%の範囲である。
本発明の光学補償フィルムの製造方法に用いられる樹脂フィルムとしては、製造が容易であること、光学的に透明であること等が好ましく、特に透明樹脂フィルムであることが好ましい。これらのフィルムは、溶融流延製膜で製造されたフィルムであっても、溶液流延製膜で製造されたフィルムであってもよい。本発明で言う透明とは、可視光の透過率60%以上であることを指し、好ましくは80%以上であり、特に好ましくは90%以上である。厚さは20μmから300μmが好ましい。
本発明の支持体としては前述の通りセルロースエステル系フィルムであることが好ましい。セルロースエステルは、セルロースの低級脂肪酸エステルであることが好ましい。セルロースの低級脂肪酸エステルにおける低級脂肪酸とは炭素原子数が6以下の脂肪酸を意味し、例えば、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート等や、特開平10−45804号、同08−231761号、米国特許第2,319,052号等に記載されているようなセルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート等の混合脂肪酸エステルを用いることが出来る。上記記載の中でも、特に好ましく用いられるセルロースの低級脂肪酸エステルはセルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネートである。これらのセルロースエステルは単独或いは混合して用いることが出来る。
式(II) 0≦X≦2.5
この内特にセルロースアセテートプロピオネートが好ましく用いられ、中でも1.9≦X≦2.5、0.1≦Y≦0.9であることが好ましい。アシル基で置換されていない部分は通常水酸基として存在しているものである。これらは公知の方法で合成することが出来る。アシル基の置換度の測定方法はASTM−D817−96に準じて測定することが出来る。
カラム: Shodex K806,K805,K803G(昭和電工(株)製を3本接続して使用した)
カラム温度:25℃
試料濃度: 0.1質量%
検出器: RI Model 504(GLサイエンス社製)
ポンプ: L6000(日立製作所(株)製)
流量: 1.0ml/min
校正曲線: 標準ポリスチレンSTK standard ポリスチレン(東ソー(株)製)Mw=1,000,000〜500迄の13サンプルによる校正曲線を使用した。13サンプルは、ほぼ等間隔に用いることが好ましい。
セルロースエステル系フィルムには可塑剤や紫外線吸収剤、酸化防止剤、マット剤等の添加剤を含有させることが出来る。
本発明では、アクリル系ポリマーをセルロースエステルフィルムに添加することが好ましい。尚、ここでアクリル系ポリマーにはメタクリル系ポリマーも含まれる。
本発明ではセルロースエステルフィルムには、ピラノース構造又はフラノース構造の少なくとも1種を1個以上12個以下有しその構造のOH基の全てもしくは一部をエステル化したエステル化合物を含むことも好ましい。
本発明に係わる光学補償フィルムに用いるセルロースエステル系フィルムには、通常のセルロースエステル系フィルムに添加することの出来る添加剤を含有させることが出来る。これらの添加剤としては、可塑剤、紫外線吸収剤、微粒子等を挙げることが出来る。
本発明に用いられるセルロースエステルフィルムは、下記のような可塑剤を含有するのが好ましい。可塑剤としては特に限定されないが、好ましくは、多価カルボン酸エステル系可塑剤、グリコレート系可塑剤、フタル酸エステル系可塑剤、脂肪酸エステル系可塑剤及び多価アルコールエステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、アクリル系可塑剤等から選択される。
本発明に用いられるセルロースエステル系フィルムは、紫外線吸収剤を含有することも出来る。
酸化防止剤は劣化防止剤とも言われる。高湿高温の状態に液晶画像表示装置などが置かれた場合には、セルロースエステルフィルムの劣化が起こる場合がある。酸化防止剤は、例えば、セルロースエステルフィルム中の残留溶媒量のハロゲンやリン酸系可塑剤のリン酸等によりセルロースエステルフィルムが分解するのを遅らせたり、防いだりする役割を有するので、前記セルロースエステルフィルム中に含有させるのが好ましい。
本発明に用いられるセルロースエステル系フィルムは微粒子を用いることが好ましい。微粒子は、無機化合物でも有機化合物でもどちらも用いることが出来る。無機化合物の例としては、二酸化珪素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウムを挙げることが出来る。微粒子は珪素を含むものが濁度が低くなる点で好ましく、特に二酸化珪素が好ましい。
本発明においては、支持体と液晶層の間に液晶の垂直配向を補助したり、支持体からの溶出物をブロックする様な中間層を設けることが好ましい。
中間層はグラビアコーター、ディップコーター、リバースコーター、ワイヤーバーコーター、ダイコーター、インクジェット法等公知の方法を用いて、中間層を形成する塗布組成物を塗布し、支持体上に塗布後、加熱乾燥し、UV硬化処理することが好ましい。
偏光板は一般的な方法で作製することが出来る。本発明に係わる光学補償フィルムを用いた偏光板の保護フィルムに用いられるセルロースエステル系フィルムの裏面側をアルカリ鹸化処理し、ヨウ素溶液中に浸漬延伸して作製した偏光膜の少なくとも一方の面に、完全鹸化型ポリビニルアルコール水溶液を用いて貼り合わせることが好ましい。もう一方の面には該フィルムを用いても、別の偏光板保護フィルムを用いてもよい。市販のセルロースエステル系フィルム(例えば、コニカミノルタタック KC8UX、KC4UX、KC5UX、KC8UCR3、KC8UCR4、KC8UCR5、KC8UY、KC4UY、KC12UR、KC4FR、以上コニカミノルタオプト(株)製)も好ましく用いられる。
本発明に係わる光学補償フィルムを用いた偏光板を液晶表示装置に組み込むことによって、視認性に優れた本発明の液晶表示装置を作製することが出来る。本発明に係わる光学補償フィルムを用いた偏光板は、IPSモード型のLCDで好ましく用いられるが、特に請求項2又は請求項3の構成を採用したIPSモード型液晶表示装置に好適に用いられる。特に画面が30型以上、特に30型から54型の大画面の液晶表示装置であっても、環境変動が少なく、光漏れが低減された、色味ムラ、正面コントラストなど視認性に優れ液晶表示装置を得ることが出来る。
(中間層を設けた樹脂フィルムの作製)
以下に示す方法で中間層を設けた樹脂フィルムを作製した。
次に示す方法で樹脂フィルムとしてセルロースエステルフィルムを準備した。
(二酸化珪素分散液)
アエロジル972V(日本アエロジル(株)製) 12質量部
(1次粒子の平均径16nm、見かけ比重90g/リットル)
エタノール 88質量部
以上をディゾルバーで30分間撹拌混合し、二酸化珪素分散希釈液を作製した。
反応容器に、フタル酸820部(5モル)、1,2−プロピレングリコール608部(8モル)、安息香酸610部(5モル)及び触媒としてテトライソプロピルチタネート0.30部を一括して仕込み窒素気流中で撹拌の下、還流凝縮器を付して過剰の1価アルコールを還流させながら、酸価が2以下になるまで130〜250℃で加熱を続け生成する水を連続的に除去した。次いで200〜230℃で6.65×103Pa〜最終的に4×102Pa以下の減圧下、留出分を除去し、この後濾過して次の性状を有する芳香族末端エステル1を得た。
酸価 :0.4
尚、酸価とは、試料1g中に含まれる酸(分子末端に存在するカルボキシル基)を中和するために必要な水酸化カリウムのミリグラム数を言う。酸価及び水酸基価はJIS K0070に準拠して測定したものである。
セルロースエステル(アセチル基置換度1.80、プロピオニル基置換度0.70、総アシル基置換度2.50) 100質量部
トリメチロールプロパントリベンゾエート 5質量部
上記芳香族末端エステル1 5質量部
二酸化珪素分散液 10質量部
メチレンクロライド 430質量部
エタノール 40質量部
上記ドープ組成物を密封容器に投入し、70℃まで加熱し、撹拌しながら、セルロースエステルを完全に溶解しドープ液を得た。次に、ドープ液を濾過した後、33℃に温度調整したドープ液を、ダイに送液して、ダイスリットからステンレスベルト上に幅2.5mで均一に流延した。ステンレスベルトの流延部は裏面から37℃の温水で加熱した。流延後、金属支持体上のドープ膜(ステンレスベルトに流延以降はウェブという)に44℃の温風を当てて乾燥させ、残留溶媒量が120質量%で剥離し、剥離の際に張力を掛けて1.01倍の縦延伸倍率となるようにロールの周速差を利用して延伸し、次いで、残留溶媒量24質量%、温度135℃にてテンターでウェブ端部を把持し、幅手方向に1.30倍の延伸倍率となるように延伸した。延伸後、その幅を維持したまま数秒間保持した後、幅方向の張力を緩和させ、幅保持を開放した後に120℃で乾燥させた。以上のようにして作製した膜厚60μm、幅2.5m、長さ5000mのセルロースエステルフィルムである樹脂フィルムA−1をコアに巻き取った。
ここで、Mはウェブの任意時点での質量で、下記のガスクロマトグラフィーにより測定した質量であり、Nは該Mを110℃で3時間乾燥させた時の質量である。測定は、ヒューレット・パッカード社製ガスクロマトグラフィー5890型SERISIIとヘッドスペースサンプラーHP7694型を使用し、以下の測定条件で行った。
GC導入温度:150℃
昇温:40℃、5分保持した後、100℃(8℃/分)
カラム:J&W社製DB−WAX(内径0.32mm、長さ30m)
《中間層の塗設》
樹脂フィルムと液晶層との間に設ける中間層を以下の方法で設けた。
紫光 UV−7605B(日本合成化学製) 25質量部
光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン)(イルガキュア184、チバ・ジャパン(株)製) 1.25質量部
溶剤(PGME/イソプロピルアルコール混合溶媒(質量比20/80))
75質量部
〈中間層の塗設〉
上記作製した樹脂フィルムの上に中間層組成物をスリットダイで塗布し、熱風の温度80℃、乾燥時間30秒で乾燥した。続いて酸素濃度1.5%雰囲気中で高圧水銀灯により50mJ/cm2の照射強度で紫外線照射し、乾燥膜厚で1μmの中間層を設け、中間層を設けた樹脂フィルムを作製した。塗設された中間層のゲル分率は約50質量%であり、半硬化層であった。
半硬化中間層を約0.1gを採り、これを秤量して質量(W1)を測定した。次いで、これを微孔性テトラフルオロエチレン膜(膜質量W2)に包んで、約50mlの酢酸エチルに7日間浸漬したのち、可溶分を抽出した。これを乾燥し、全体の質量(W3)を測定した。これらの測定値から、下記式により半硬化中間層のゲル分率(質量%)を求めた。
(光学補償フィルムの製造)
図2に示す製造装置で、表1、表2に示す液晶相から等方相へ相転移する温度T2が異なる重合性液晶化合物25質量部を、少なくとも2種類の相対的に沸点の低い有機溶媒(沸点T3)と、沸点の高い有機溶媒(沸点T4)との混合溶媒75質量部に溶解した重合性液晶化合物層形成用塗布液を、準備した中間層を設けた樹脂フィルム(セルロースエステルフィルム)の中間層の上に、スライド法で塗布し昇温乾燥工程の温度T1との関係を表1、表2に示す様に変えて重合性液晶化合物層を形成した後、配向工程で重合性液晶化合物層の重合性液晶化合物を配向させた後、硬化工程で硬化し配向を固定化し厚さ3μmの位相差層とし光学補償フィルムを作製し、試料No.101から138とした。
溶媒が3種類の場合:相対的に沸点の低い有機溶媒から高い有機溶媒の順に、70:20:10
溶媒が4種類の場合:相対的に沸点の低い有機溶媒から高い有機溶媒の順に、70:10:10:10
製造条件を以下に示す。
昇温乾燥工程を終えた塗膜中の残留溶媒量は、選定した溶媒種、混合比率で異なるが、0.005〜0.08g/m2であつた。
作製した各試料No.101から138に付き、配向ムラ、配向欠陥に付き、以下に示す方法で測定し、以下に示す評価ランクに従って評価した結果を、表1、表2に示す。
実施例では、アッベ屈折計(4T)を用いてフィルムの平均屈折率を測定した。
(ii):Rt=((nx+ny)/2−nz)×d
(式中、フィルム面内の遅相軸方向の屈折率をnx、面内で遅相軸に直行する方向の屈折率ny、フィルム厚み方向の屈折率をnz、dはフィルムの厚み(nm)を表す。)
(配向ムラの測定方法)
光学補償フィルム試料を、ヱトー(株)製複屈折位相差測定装置 AD−175SIを用いて、測定スポット0.5mmで0.5mmピッチでのリターデーションRo測定を行った。測定は、フィルムの面内遅相軸を傾斜軸として40°傾斜させて行った。
◎:リターデーションの差が0.100nm未満
○:リターデーションの差が0.100以上0.150nm未満
△:リターデーションの差が0.150以上0.200nm未満
×:リターデーションの差が0.200nm以上
(配向欠陥の測定方法)
作製した光学補償フィルムを偏光顕微鏡下でクロスニコル下で観察し、配向状態及び配向欠陥の評価を行い、液晶層中に生じた配向欠陥の数を光学顕微鏡で観察して調べた結果、点欠陥の個数(1.0mm2範囲の平均値)を数えた。
○:点欠陥の個数が3個未満
△:点欠陥の個数が3個以上、10個未満
×:点欠陥の個数が10個以上
《偏光板の作製》
実施例1で作製した光学補償フィルム(試料No.101から138)を、40℃の2.5mol/L水酸化ナトリウム水溶液で60秒間アルカリ処理し、3分間水洗して鹸化処理し、アルカリ処理した光学補償フィルムを得た。
作製した試料No.201から238に付き、IPSモード型液晶表示装置である日立製液晶テレビWooo W17−LC50の予め貼合されていた視認側の偏光板を剥がして、偏光板の吸収軸が一致する様に作製した各偏光板(試料No.201から238)の光学補償フィルムが液晶セル側になる様に液晶セルのガラス面に貼合しIPSモード型液晶表示装置を作製し、視野角、色味、色ムラを以下に示す方法で評価した結果を表3に示す。
視野角特性の評価にはELDIM社製EZ−contrastを用い黒表示及び白表示時の透過光量を測定した。視野角の評価はコントラスト=(白表示時の透過光量)/(黒表示時の透過光量)を算出し10以上を示すパネル面に対する法線方向からの傾き角が左右60°以上のものを「○」とし、実用上問題ないとの評価を行った。
◎:視野角が非常に広い
○:視野角が広い
△:視野角がやや狭い
×:視野角が狭い
色味の測定方法
黒表示時の色味測定を、Topcon製SR−3Aにて行った。
○:0.00以上、0.03未満
△:0.03以上、0.07未満
×:0.07以上
色ムラの測定方法
目視により色ムラを評価した。
◎:色ムラが全く観察されない
○:色ムラがほんの部分的に観察される
△:色ムラが、全面的に弱いものが観察される
×:色ムラがはっきりと全体に観察される
得られた結果を表2に示す。
(中間層を設けた樹脂フィルムの作製)
実施例1と同じ方法で、実施例1と同じ中間層を設けた樹脂フィルムを作製した。
図2に示す製造装置で、実施例1の試料No.106を作製するのに使用した重合性液晶化合物25質量部を、表4に示すように混合比率を変えた2種類の相対的に沸点の低い有機溶媒(イソプロピルアルコール)と、沸点の高い有機溶媒(エチレングリコールモノエチルエーテル)との混合溶媒75質量部に溶解した他は、実施例1の試料No.106と同じ条件で光学補償フィルムを作製し、試料No.301から307とした。
作製した各試料No.301から307に付き、配向ムラ、配向欠陥に付き、実施例1と同じ方法で測定し、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表4に示す。
(中間層を設けた樹脂フィルムの作製)
実施例1と同じ方法で、実施例1と同じ中間層を設けた樹脂フィルムを作製した。
図2に示す製造装置で、実施例1の試料No.106を作製するのに使用した重合性液晶化合物層形成用塗布液と同じ重合性液晶化合物層形成用塗布液を調製し、作製した中間層を設けた樹脂フィルムの上にスライド法で塗布し、表5に示す様に昇温乾燥工程を終えた塗膜中の残留溶媒量を変えた他は、実施例1の試料No.106と同じ条件で光学補償フィルムを作製し、試料No.401から409とした。
作製した各試料No.401から409に付き、配向ムラ、配向欠陥に付き、実施例1と同じ方法で測定し、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表5に示す。
101、101′ 液晶セル
101a、101′a、101b、101′b ガラス基板
101c、101′c 液晶層
102、102′ 視認側偏光板
102a、103′b 第1の保護フィルム
102b、103′a 第2の保護フィルム
102c、103′c 位相差層
102d、103′d 第1の偏光膜
103、103′ バックライト側偏光板
103a、102′b 第3の保護フィルム
103b、102′a 第4の保護フィルム
103c、102′c 第2の偏光膜
2 製造装置
201 樹脂フィルム供給工程
202 塗布工程
203 昇温乾燥工程
204 配向工程
205 硬化工程
206 回収工程
3 樹脂フィルム
Claims (7)
- 樹脂フィルムの上に重合性液晶化合物を有機溶媒に溶解させた塗布液を塗布する塗布工程と、前記塗布液が塗布された前記樹脂フィルムの上に形成された塗膜を昇温乾燥する昇温乾燥工程と、前記昇温乾燥工程の後に配向工程と、前記配向工程の後に前記重合性液晶化合物を重合して硬化する硬化工程とを有する光学補償フィルムの製造方法において、
前記有機溶媒が少なくとも2種の有機溶媒からなる混合溶剤であり、
前記混合溶剤の内最も沸点の低い溶媒の沸点をT3、最も沸点の高い溶媒の沸点をT4とした時、T4はT3+30℃より高く、
重合性液晶化合物の液晶相から等方相へ相転移する温度をT2とした時、
T2は、T3、T4より低く、
前記昇温乾燥工程の温度をT1とした時、
T1はT3−50℃より高く、T3より低く、且つ、T2よりも高いことを特徴とする光学補償フィルムの製造方法。 - 前記重合性液晶化合物が棒状ネマティック液晶であることを特徴とする請求項1に記載の光学補償フィルムの製造方法。
- 前記有機溶媒が2種で、塗布時の塗布液中の相対的に沸点が低い溶媒と、沸点が高い溶媒との質量比が50/50から95/5であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学補償フィルムの製造方法。
- 前記昇温乾燥工程を終えた塗膜中の残留溶媒量が0.00010g/m2から0.20g/m2であることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の光学補償フィルムの製造方法。
- 請求項1から4の何れか1項に記載の光学補償フィルムの製造方法により作製されたことを特徴とする光学補償フィルム。
- 請求項5に記載の光学補償フィルムを少なくとも一方の面に用いたことを特徴とする偏光板。
- 請求項6に記載の偏光板を液晶セルの少なくとも一方の面に用いたことを特徴とする液晶表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008304002A JP2010128270A (ja) | 2008-11-28 | 2008-11-28 | 光学補償フィルムの製造方法、光学補償フィルム、偏光板及び液晶表示装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008304002A JP2010128270A (ja) | 2008-11-28 | 2008-11-28 | 光学補償フィルムの製造方法、光学補償フィルム、偏光板及び液晶表示装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010128270A true JP2010128270A (ja) | 2010-06-10 |
Family
ID=42328701
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008304002A Pending JP2010128270A (ja) | 2008-11-28 | 2008-11-28 | 光学補償フィルムの製造方法、光学補償フィルム、偏光板及び液晶表示装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2010128270A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015057645A (ja) * | 2013-08-09 | 2015-03-26 | 住友化学株式会社 | 光学異方層形成用組成物 |
JP2016009079A (ja) * | 2014-06-24 | 2016-01-18 | 大日本印刷株式会社 | 光学フィルム及び光学フィルムの製造方法 |
WO2019102922A1 (ja) * | 2017-11-22 | 2019-05-31 | Dic株式会社 | 重合性液晶組成物、その重合体、光学異方体、及び表示素子 |
CN111954836A (zh) * | 2018-04-27 | 2020-11-17 | 住友化学株式会社 | 光学各向异性膜 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006117564A (ja) * | 2004-10-20 | 2006-05-11 | Chisso Corp | 光重合性化合物およびそれを含む組成物 |
JP2007262289A (ja) * | 2006-03-29 | 2007-10-11 | Dainippon Ink & Chem Inc | 光開始剤及び重合性組成物 |
JP2008009345A (ja) * | 2006-06-30 | 2008-01-17 | Dainippon Printing Co Ltd | 位相差フィルム |
-
2008
- 2008-11-28 JP JP2008304002A patent/JP2010128270A/ja active Pending
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006117564A (ja) * | 2004-10-20 | 2006-05-11 | Chisso Corp | 光重合性化合物およびそれを含む組成物 |
JP2007262289A (ja) * | 2006-03-29 | 2007-10-11 | Dainippon Ink & Chem Inc | 光開始剤及び重合性組成物 |
JP2008009345A (ja) * | 2006-06-30 | 2008-01-17 | Dainippon Printing Co Ltd | 位相差フィルム |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015057645A (ja) * | 2013-08-09 | 2015-03-26 | 住友化学株式会社 | 光学異方層形成用組成物 |
JP2016009079A (ja) * | 2014-06-24 | 2016-01-18 | 大日本印刷株式会社 | 光学フィルム及び光学フィルムの製造方法 |
WO2019102922A1 (ja) * | 2017-11-22 | 2019-05-31 | Dic株式会社 | 重合性液晶組成物、その重合体、光学異方体、及び表示素子 |
JPWO2019102922A1 (ja) * | 2017-11-22 | 2019-11-21 | Dic株式会社 | 重合性液晶組成物、その重合体、光学異方体、及び表示素子 |
CN111954836A (zh) * | 2018-04-27 | 2020-11-17 | 住友化学株式会社 | 光学各向异性膜 |
CN111954836B (zh) * | 2018-04-27 | 2022-10-11 | 住友化学株式会社 | 光学各向异性膜 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5115500B2 (ja) | 光学補償フィルムの製造方法 | |
JP5234113B2 (ja) | 位相差フィルム、偏光板、液晶表示装置 | |
WO2011024683A1 (ja) | 光学補償フィルム、偏光板及び液晶表示装置 | |
TWI427339B (zh) | Polarizing plate and liquid crystal display device | |
JP5678965B2 (ja) | 前面板付き液晶表示装置の製造方法、前面板付き液晶表示装置 | |
JP5282266B2 (ja) | 光学補償フィルムの製造方法 | |
JP2009251018A (ja) | 位相差フィルム、偏光板および液晶表示装置 | |
JP2010128270A (ja) | 光学補償フィルムの製造方法、光学補償フィルム、偏光板及び液晶表示装置 | |
JP2009122234A (ja) | 光学補償フィルムの製造方法 | |
JP2010250172A (ja) | 光学フィルム、光学フィルムの製造方法、偏光板、及び液晶表示装置 | |
JP2010085573A (ja) | 光学補償フィルム、光学補償フィルムの製造方法、及び液晶表示装置 | |
JP5598467B2 (ja) | 液晶表示装置 | |
JP5510198B2 (ja) | 前面板付き液晶表示装置の製造方法、前面板付き液晶表示装置 | |
JP2009204673A (ja) | 位相差フィルム | |
JP2010112986A (ja) | 光学フィルムの製造方法、光学フィルムの製造装置、光学フィルムおよび液晶表示装置 | |
JPWO2011114764A1 (ja) | 位相差フィルム及びそれが備えられた偏光板 | |
JP5282267B2 (ja) | 光学補償フィルムの製造方法 | |
JP2010085574A (ja) | 光学補償フィルムの鹸化処理方法、光学補償フィルム、偏光板、及び液晶表示装置 | |
JP2009276442A (ja) | 1/4波長板、画像表示装置および液晶表示装置 | |
JP5298598B2 (ja) | 光学補償フィルムの製造方法 | |
WO2009107407A1 (ja) | 位相差フィルム、偏光板および液晶表示装置 | |
JP2009122421A (ja) | 位相差フィルムの製造方法 | |
JP2009122422A (ja) | 位相差フィルム、偏光板および液晶表示装置 | |
JP5012597B2 (ja) | 位相差フィルム、偏光板および液晶表示装置 | |
JP2009109547A (ja) | 位相差フィルム,偏光板および液晶表示装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20110901 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20120130 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20120912 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120918 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20130205 |