JP2006117564A - 光重合性化合物およびそれを含む組成物 - Google Patents

光重合性化合物およびそれを含む組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】 室温、空気開放下で重合し、低い積算量の電磁波照射により重合し、電磁波の照射によりその配向を固定する前後においてハイブリッドな配向を誘起し得る重合性化合物およびそれを含有する組成物の提供、および空気開放下で重合させた場合、空気中の酸素による重合阻害を受けにくく、耐熱性などの特性を満足し、TACに対する未着性が高くTACから剥離しにくく、ハイブリッド配向を有する重合体の提供。
【解決手段】 下記式(1)で表される少なくとも1つの化合物、その化合物を含有する組成物、およびこの組成物を重合させることによって得られる重合体。
Figure 2006117564

式(1)において、Rは−CF等であり、Aは1,4−シクロへキシレン等であり、Xは−O−または単結合であり、Xは単結合等であり、Xは−O−、−COO−または単結合であり、Y、Y、YおよびYは独立して、水素またはフッ素であり、nは、1〜20の整数である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、末端にフッ素化アルキルを有する光重合性化合物、この化合物を含有する組成物、その重合体およびこれらの用途に関する。
ネマチック状態で配向させた重合性液晶化合物を紫外線で重合させると、配向状態が固定化された光学的に異方性を有する重合体が得られることが知られている(特許文献1)。光学異方性を有する重合体は、液晶表示素子の光学補償膜として活用される。重合性の液晶化合物としてはアクリル基を重合性反応基とした化合物が用いられている(特許文献2)。
光学補償膜は、まず、配向処理を施したトリアセチルセルロース(以後「TAC」と言うことがある)などの基板に適当な光重合開始剤を添加した重合性液晶化合物またはそれを含有する組成物を塗布し、つぎに紫外線などの電磁波を照射して重合を行い、液晶の配向を固定化することにより得ることができる。(特許文献1、2)
特開2001−55573 特開2001−154019
TACなどの基板上に重合性液晶化合物またはそれを含有する組成物を塗布し、重合開始剤の存在下、紫外線などの電磁波を照射して重合を行い液晶の配向を固定化する光学補償膜の製造における、設備、装置やタクトの観点から、重合性液晶化合物およびそれを含有する組成物には、以下の3つの機能を有していることが求められている。
1)室温で重合する。(特別な加熱装置を必要としない)
2)空気開放下で重合する。(窒素などによる不活性ガスの置換を必要としない)
3)比較的低い積算量の電磁波照射により重合する。
さらに、特許文献1および2に記載の発明においては、下記の2つの課題が未解決である。
1)空気開放下で重合させると、空気中の酸素により重合阻害がおこり、耐熱性などの特性を十分に満足する光学補償膜が得にくい。
2)膜の基板であるTACに対する密着性が劣るため、重合した光学補償膜がTACから容易に剥離してしまう。
したがって、上記3つの機能を有し、且つ上記2つの課題を解決し得る重合性液晶化合物およびそれを含有する組成物が待望されている。
本発明は、下記式(1)表される少なくとも1つの化合物、この化合物を含有する組成物、およびこの組成物を重合させる重合体を含む。
Figure 2006117564
式(1)において、Rは−CF、−CFH、−CFH、−CFCHFCFまたは炭素数4〜10のフルオロアルキルであり;Aは1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、4,4'−ビフェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、ピリダジン−3,6−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、またはテトラヒドロナフタレン−2,6−ジイルであり、この1,4−フェニレンにおいて任意の水素はフッ素または塩素で置き換えられてもよく、そして任意の1つまたは2つの水素はシアノ、メチル、またはトリフルオロメチルで置き換えられてもよく;Xは−O−または単結合であり;Xは単結合、−COO−、−OOC−、−CONH−、−OCH−、−CHO−、−HC=CH−COO−、−OOC−HC=CH−、−CHCH−COO−、−OOC−CHCH−、−C≡C−、または−CHCH−であり;Xは−O−、−COO−または単結合であり;Y、Y、YおよびYは独立して、水素またはフッ素であり;nは、1〜20の整数である。
本発明の化合物およびそれを含有する組成物は下記3つの機能を有する。
1)室温で重合する。
2)空気開放下で重合する。
3)比較的低い積算量の電磁波照射により重合する。
また、本発明の化合物は、それを含む液晶組成物にハイブリッド配向を誘起させるものである。したがって、本発明の組成物は、紫外線などの電磁波の照射によりその配向を固定する前後においてハイブリッドな配向を示す。
本発明の化合物またはそれを含有する組成物を、紫外線などの電磁波で重合させて得られた重合体は、空気開放下で重合させた場合であっても、空気中の酸素による重合阻害を受けにくく、耐熱性などの特性を満足する。さらに、本発明の化合物またはそれを含有する組成物を用いて得られた光学補償膜は、基板であるTACに対する密着性が高く、TACから剥離しにくい特性を有する。本発明の重合体およびその成形体はハイブリッド配向を有する。
本発明の化合物またはそれを含有する組成物、およびそれらを用いて得られた重合体は、液晶表示素子の構成要素である位相差板、偏光素子、液晶配向膜、反射防止膜、選択反射膜および視野角補償膜などに利用することができる。また、本発明の化合物は、高熱伝導性エポキシ樹脂、接着剤、機械的異方性を持つ合成高分子、化粧品、装飾品、非線型光学材料および情報記憶材料としても利用できる。
本発明における用語「液晶性」は、単に化合物が液晶相を示すという意味に限定されない。この用語は、それ自体は液晶相を有さないけれども、他の液晶化合物と混合したときに、液晶組成物の成分として使用できるような化合物にも用いられる。液晶性化合物、液晶組成物、液晶表示素子をそれぞれ化合物、組成物、素子と表記することがある。液晶相はネマチック相、スメクチック相、コレステリック相などであり、多くの場合ネマチック相を意味する。重合性は、光、熱、触媒などの手段により単量体が重合し、重合体を与える能力を意味する。
式(1)、式(M1)、式(M2)、式(M3)、式(M4)、式(M5)および式(M6)で表わされる化合物をそれぞれ化合物(1)、化合物(M1)、化合物(M2)、化合物(M3)、化合物(M4)、化合物(M5)および化合物(M6)と表記することがある。化合物(1)などを含有する組成物から得られる重合体を重合体(1)と表記することがある。化合物(2)などを含有する組成物から得られる重合体を重合体(2)と表記することがある。
本発明の化合物(1)は、それを含有する液晶組成物にハイブリッド配向を誘起し得る化合物である。
液晶化合物における配向の分類は、ホモジニアス(homogenerous;平行)、ホメオトロピック(homeotropic;垂直)、ハイブリッド(hybrid)、チルト(tilt)、ツイスト(twist)などである。ホモジェニアスは、配向ベクトルが基板に平行で、かつ一方向にある状態をいう。ホメオトロピックは、配向ベクトルが基板に垂直である状態をいう。ハイブリッドは、配向ベクトルが基板から離れるにしたがって、平行から垂直に立ちあがっている状態をいう。チルトは、配向ベクトルが基板に対して、一定の傾き角で起きあがっている状態をいう。これらの配向は、ネマチック相などを有する組成物で観察される。一方、ツイスト配向は、キラルなネマチック相、コレステリック相などを有する組成物で観察される。ツイストは、配向ベクトルが基板に平行ではあるが、基板から離れるにしたがって、漸次ねじれている状態をいう。このねじれは光学活性な基の作用によって生起する。
本発明は、下記1から15の構成を有する。
1.式(1)で表される化合物。
Figure 2006117564
式(1)においてRは、−CF、−CFH、−CFH、−CFCHFCFまたは炭素数4〜10のフルオロアルキルである。好ましいRは、−CFまたは炭素数4〜10のフルオロアルキルであり、特に好ましくは−CFである。
は、環構造の2価基である。具体的には、1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、4,4'−ビフェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、ピリダジン−3,6−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、またはテトラヒドロナフタレン−2,6−ジイルである。この1,4−フェニレンにおいて任意の水素はフッ素または塩素で置き換えられてもよく、任意の1つまたは2つの水素はシアノ、メチル、またはトリフルオロメチルで置き換えられてもよい。
好ましいAは、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、3−フルオロ−1,4−フェニレン、2、3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、3,6−ジフルオロ−1,4−フェニレンであり、特に好ましくは、1,4−フェニレンである。
これらの環構造は、式(1)において左右逆向きに結合してもよい。化合物(1)が1,4−シクロへキシレンを有する場合には、その立体配置はシス型よりトランス型が好ましい。化合物(1)は、H(重水素)または13Cなどの同位体元素を自然に存在する割合より多く含んでもよく、その場合でも化合物の物性に大きな差異はない。
は結合基であり、−O−または単結合である。
は結合基であり、単結合、−COO−、−OOC−、−CONH−、−OCH−、−CHO−、−HC=CH−COO−、−OOC−HC=CH−、−CHCH−COO−、−OOC−CHCH−、−C≡C−、または−CHCH−である。好ましいXは単結合、−COO−、−OOC−、−C≡C−または−CHCH−であり、特に好ましくは、−COO−である。
は、−O−、−COO−または単結合である。好ましいはXは−O−または単結合であり、特に好ましくは−O−である。
、Y、YおよびYは独立して、水素またはフッ素である。好ましいY、Y、YおよびYの組合せは、Yがフッ素であり、Y、Y、およびYが水素である組合せ、YおよびYがフッ素であり、YおよびYが水素である組合せまたはY、Y、Y、およびYが水素である組合せであり、特に好ましくは、Yがフッ素であり、Y、Y、およびYが水素である組合せ、またはY、Y、Y、およびYが水素である組合せである。
nは、1〜20の整数である。好ましいnは1〜15の整数であり、特に好ましくは1〜10の整数である。
本発明の化合物(1)においては、環および結合基を適切に選択することにより、目的の物性を有する化合物(1)を得ることができる。
2.式(1)において、Rは−CFまたは炭素数4〜10のフルオロアルキルであり;Aは1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、3−フルオロ−1,4−フェニレン、2、3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、または3,6−ジフルオロ−1,4−フェニレンであり;Xは−O−または単結合であり;Xは単結合、−COO−、−OOC−、−C≡C−または−CHCH−であり;Xは−O−または単結合であり;Y、Y、YおよびYの組合せが、Yがフッ素であり、Y、Y、およびYが水素である組合せ、YおよびYがフッ素であり、YおよびYが水素である組合せまたはY、Y、Y、およびYが水素である組合せであり;nは、1〜15の整数である項1に記載の化合物。
3.式(1)において、Rは−CF;Aは、1,4−フェニレン;Xは−O−または単結合であり;Xは−COO−であり;Xは−O−であり;Yがフッ素、Y、Y、およびYが水素であり;nは、1〜10の整数である項1に記載の化合物。
4.式(1)において、Rは−CF;Aは、1,4−フェニレン;Xは−O−または単結合であり;Xは−COO−であり;Xは−O−であり;Y、Y、Y、およびYが水素であり;nは、1〜10の整数である項1に記載の化合物。
5.第1成分として、項1〜4のいずれか1項に記載の少なくとも1つの化合物を含有する組成物。
6.第1成分として、項3または4のいずれか1項に記載の少なくとも1つの化合物を含有する組成物。
7.第2成分として項1〜4の何れか1項に記載の化合物とは異なる重合性の化合物を含有する項5または6に記載の組成物。
8.第2成分が式(M1)、式(M2)、式(M3)、式(M4)、式(M5)、および式(M6)のそれぞれで表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物である項7に記載の組成物。
Figure 2006117564
式(M1)〜式(M6)において、Rは水素、フッ素、塩素、−CN、−OCF、炭素数1〜20のアルキル、炭素数1〜20のアルコキシ、炭素数2〜20のアルコキシアルキル、炭素数2〜20のアルケニル、または炭素数2〜20のアルケニルオキシであり;Rは水素または炭素数1〜5のアルキルであり;Bは独立して1,4−シクロへキシレンまたは1,4−フェニレンであり、この1,4−フェニレンにおいて任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、そして任意の1つまたは2つの水素はメチルまたはトリフルオロメチルで置き換えられてもよく、そしてBの1つはピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、9−メチルフルオレン−2,7−ジイル、9−エチルフルオレン−2,7−ジイル、9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジイル、9−クロロフルオレン−2,7−ジイル、または9,9−ジフルオロフルオレン−2,7−ジイルであってもよく;Yは独立して単結合、−COO−、−OCO−、−(CH−、または−C≡C−であり;Qは独立して単結合または炭素数1〜20のアルキレンであり、このアルキレンにおいて任意の1つまたは2つの−CHは−O−で置き換えられてもよく;そしてtは1または2である。
9.式(M1)〜式(M6)において、Rはフッ素、−CN、−OCF、炭素数1〜20のアルキル、または炭素数2〜20のアルコキシであり;Rは水素または炭素数1〜2のアルキルであり;Bは独立して1,4−シクロへキシレンまたは1,4−フェニレンであり、この1,4−フェニレンにおいて任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、そして任意の1つまたは2つの水素はメチルまたはトリフルオロメチルで置き換えられてもよく、そしてBの1つは9−メチルフルオレン−2,7−ジイル、9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジイルまたは9−エチルフルオレン−2,7−ジイルであってもよく;Yは独立して単結合、−COO−、−OCO−、または−C≡C−であり;Qは独立して単結合または炭素数1〜10のアルキレンであり、このアルキレンにおいて任意の1つまたは2つの−CH−は−O−で置き換えられてもよく;そしてtは1または2である項8に記載の組成物。
10.第2成分が、式(M1)および式(M2)のそれぞれで表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物、または式(M3)および式(M4)のそれぞれで表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物、または式(M5)および式(M6)のそれぞれで表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物である項8または9に記載の組成物。
11.第2成分が、式(M1)で表される少なくとも1つの化合物および式(M3)で表される少なくとも1つの化合物、または式(M1)で表される少なくとも1つの化合物および式(M4)で表される少なくとも1つの化合物である項8または9に記載の組成物。
12.ハイブリッド配向を有する項5〜11のいずれか1項に記載の組成物。
13.項1〜4のいずれか1項に記載の化合物を重合させることによって得られる重合体。
14.項5〜12のいずれか1項に記載の組成物を重合させることによって得られる重合体。
15.項13または14に記載の重合体を含有する素子。
16.項13または14に記載の重合体の光学異方性を有する成形体としての使用。
化合物(1)は、前述の特徴のほかに次の特徴を有する。
化合物(1)は、液晶骨格末端基に少なくとも1つのフルオロアルキルを有し、重合性基にエポキシ基を有する液晶化合物である。
化合物(1)は、適当な光カチオン重合触媒により光重合することができる。
化合物(1)は、通常使用される条件下において物理的および化学的に極めて安定であることから、化合物(1)は他の化合物と、本発明の組成物は他の液晶化合物との相溶性がよい。
化合物(1)は、化合物(1)を構成する環、結合基または側鎖を適当に選ぶことによって、大きい誘電率異方性、小さい誘電率異方性、大きい光学異方性、小さい光学異方性、小さい粘度などの物性値を調整することができる。
が−OCFのとき、化合物(1)の融点が低いようである。Aが1,4−シクロヘキシレンのとき、単量体の光学異方性は小さい。Aが1,4−フェニレンのとき、単量体の光学異方性は大きい。Xの少なくとも1つが−COO−または−OCO−であるとき、化合物(1)または(2)は、より良好な液晶性を有する。Xの少なくとも1つが−C≡C−であるとき、化合物(1)、大きな光学異方性を有する。
次に、化合物(1)の合成法を説明する。化合物(1)は、フーベン・ヴァイル(Houben Wyle, Methoden der Organischen Chemie, Georg Thieme Verlag, Stuttgart)、オーガニック・リアクションズ(Organic Reactions, John Wily & Sons Inc.)、オーガニック・シンセセーズ(Organic Syntheses, John Wily & Sons, Inc.)、コンプリヘンシブ・オーガニック・シンセシス(Comprehensive Organic Synthesis, Pergamon Press)、新実験化学講座(丸善)などに記載された、有機化学における合成方法を適切に組み合わせることにより合成できる。
式(1)においてXが−COO−である化合物の製造方法を示す。末端に2重結合を有する化合物[a]とヒドロキシ安息香酸エステル誘導体を適当な塩基の存在下、エーテル化することで[b]を得る。塩基の例は水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、水素化ナトリウムなどである。[b]を加水分解することで[c]を製造する。フェノール誘導体[d]と[c]とのエステル化反応によりエステル[e]を得る。エステル[e]を過酸化物で酸化することで化合物(1)を製造する。過酸化物の例は過酸化水素水、過蟻酸、過酢酸、過安息香酸、m−クロロ過安息香酸などである。
Figure 2006117564
式(1)においてXが−CHO−である化合物の製造方法を示す。化合物[b]を還元、次に臭素化することで[f]とし、化合物[f]とフェノール誘導体[d]を適当な塩基の存在下、エーテル化することで[h]を得る。塩基の例は水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、水素化ナトリウムなどである。エーテル[h]を過酸化物で酸化することで化合物(1)を製造する。過酸化物の例は過酸化水素水、過蟻酸、過酢酸、過安息香酸、m−クロロ過安息香酸などである。
Figure 2006117564
式(1)においてXが−C≡C−または−CHCH−である化合物の製造方法を図示する。
Figure 2006117564
このような方法で合成される化合物の例は、No.1〜No.76である。
Figure 2006117564
Figure 2006117564
Figure 2006117564
Figure 2006117564
Figure 2006117564
Figure 2006117564
Figure 2006117564
Figure 2006117564
次に、本発明の組成物について説明する。この組成物は第1成分として化合物(1)を少なくとも1つ含有する。この組成物は、通常は複数の化合物の混合物を意味するが、本発明においては1つの化合物(1)であっても組成物ということがある。したがって、本発明において組成物に含まれる重合性化合物は、第1成分のみであっても良い。この組成物は次のような組成物A、B、C、Dなどに分類される。組成物Aは、化合物(1)の群から選ばれた1つの化合物を含有する。組成物Bは、化合物(1)の群から選ばれた少なくとも2つの化合物を含有する。組成物Cは、化合物(1)の群から選ばれた少なくとも1つの化合物および第2成分として他の重合性化合物の群ら選ばれた少なくとも1つの化合物を含有する。組成物Dは、非重合性の化合物をさらに含有する組成物A、BまたはCである。
「他の重合性化合物」は、化合物(1)とは異なる重合性化合物(単量体)である。他の重合性化合物は、得られる重合体の特性を改善したり、修飾したりするのに有用である。他の重合性化合物は光学活性であってもよいし、または光学的に非活性であってもよい。光学的に非活性な重合性化合物の好ましい例は、オキシラニル基を有する化合物、オキセタニル基を有する化合物、ビニルエーテル基を有する化合物である。これらの化合物の例は、特開平8−3111号公報などに記載されている。
組成物Dは、液晶化合物、光学活性な化合物のような非重合性の化合物を含有する。液晶化合物の例は、富士通九州エンジニアリング社が販売する液晶化合物データベース(登録商標:LiqCryst)などに記載されている。このような化合物は、組成物の粘度を調整する、液晶相の温度範囲を調整する、という役割が期待できる。光学活性な化合物、組成物のピッチを調整するという役割が期待できる。
組成物Cにおける好ましい第2成分は、すでに記載した化合物(M1)〜(M6)である。組成物Cは、エチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルモノビニルエーテル、t−アミルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールメチルビニルエーテル、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−メチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、ジ(3−エチル−オキセタ−3−イルメチル)、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタンのような化合物をさらに含有してもよい。これらの化合物は、組成物の粘度を調整するのに適している。これらの化合物は、組成物を塗布するとき、塗膜の厚さを均一にする効果が大きい。
好ましい組成物は、第1成分として化合物(1)、そして第2成分として化合物(M1)〜(M6)の少なくとも1つを含有する。化合物(M1)〜(M6)は、化合物(1)と共重合させるのに適した重合性基を有する。好ましい化合物(M1)〜(M6)は化合物(M1a)〜(M6f)である。
Figure 2006117564
Figure 2006117564
Figure 2006117564
Figure 2006117564
Figure 2006117564
Figure 2006117564
これらの式中:Rはフッ素、−CN、−OCF、炭素数1〜20のアルキル、または炭素数1〜20のアルコキシであり、Rは水素または炭素数1〜2のアルキルであり、WおよびWは、独立して水素、フッ素、トリフルオロメチルまたはメチルであり、WおよびWは独立して水素、フッ素、メチル、エチルまたはトリフルオロメチルであり、Xは独立して単結合または−O−であり、o、pおよびrは独立して1から10の整数である。
第1成分が化合物(1)の少なくとも1つであり、そして第2成分が化合物(M1)〜(M6)の少なくとも1つであるとき、好ましい組み合わせの例は、組成物(C1)〜(C12)である。好ましい組成物を表1にまとめる。化合物(M1)〜(M6)は、組成物における液晶相の温度範囲、粘度、液晶相の配向、重合体における皮膜形成性、機械的強度、支持基板との密着性、などを調整するのに都合がよい。第1成分の含有量は1〜99重量%であり、より好ましくは5〜95重量%である。第2成分の含有量は1〜99重量%であり、より好ましくは5〜95重量%である。







表1.好ましい組成物 -
組成物 第一成分の化合物 第二成分 -
組成物(C1) (1) (M1)または(M2)
組成物(C2) (1) (M3)または(M4)
組成物(C3) (1) (M5)または(M6)
組成物(C4) (1) (M1)、(M2)
組成物(C5) (1) (M3)、(M4)
組成物(C6) (1) (M5)、(M6)
組成物(C7) (1) (M1)、(M2)、(M4)
組成物(C8) (1) (M2)、(M4)
組成物(C9) (1) (M2)、(M3)、(M4)
組成物(C10) (1) (M2)、(M3)、(M4)、(M6)
組成物(C1)〜(C10)の特長は、次のとおりである。
1)適当な光カチオン重合触媒の存在下、組成物に紫外線を照射することによって、重合体が容易に得られる。
2)重合は、窒素の雰囲気下だけでなく、空気中でも進行する。
3)組成物から重合体(フィルム)になるとき、サイズが小さくなりにくい。
組成物(C1)〜(C10)のうち、特に好ましい例は、組成物(C2)、(C5)、(C7)、(C8)、および(C9)である。これらの組成物の特長は次のとおりである。
1)重合が早く短時間で高分子量のフィルムが得られる。
2)寸法安定性に優れたフィルムが得られる。
3)耐熱性に優れたフィルムが得られる。
A、B、C、Dなどの組成物は、必要に応じてさらに添加物を含有してもよい。重合体の物性を調整するための添加物は、界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、微粒子などである。単量体を重合させるための添加物は、重合開始剤、光増感剤などである。組成物を希釈するためには有機溶媒が好ましい。これらの添加物の量は、その目的を達する程度の少ない量が好ましい。
界面活性剤は組成物を支持基板などに塗布するのを容易にする、液晶相の配向を制御する、などの効果を有する。界面活性剤の例は、4級アンモニウム塩、アルキルアミンオキサイド、ポリアミン誘導体、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物、ポリエチレングリコールおよびそのエステル、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸アミン類、アルキル置換芳香族スルホン酸塩、アルキルリン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩などである。界面活性剤の好ましい量は、界面活性剤の種類、組成物の組成比などにより異なるが、光重合性の液晶組成物の重量に基づいて100ppmから5重量%の範囲である。さらに好ましい量は0.1から1重量%の範囲である。
好ましい酸化防止剤は、ヒドロキノン、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、トリフェニルフォスファイト、トリアルキルフォスファイトなどである。好ましい市販品は、チバスペシャリティー社製のイルガノックス245、イルガノックス1035などである。
好ましい紫外線吸収剤は、チバスペシャリティー社製のチヌビンPS、チヌビン213、チヌビン109、チヌビン328、チヌビン384−2、チヌビン327などである。
光学異方性を調整したり、重合体の強度を上げるために、微粒子を添加してもよい。好ましい微粒子の材質は、無機物、有機物、金属などである。好ましい無機物は、セラミックス、フッ素金雲母、フッ素四ケイ素雲母、テニオライト、フッ素バーミキュライト、フッ素ヘクトライト、ヘクトライト、サポナイト、スチブンサイト、モンモリロナイト、バイデライト、カオリナイト、フライポンタイト、ZnO、TiO、CeO、Al、Fe、ZrO、MgF、SiO、SrCO、Ba(OH)、Ca(OH)、Ga(OH)、Al(OH)、Mg(OH)、Zr(OH)などである。炭酸カルシウムの針状結晶などの微粒子は光学異方性を有する。このような微粒子によって、重合体の光学異方性を調節できる。
好ましい有機物は、カーボンナノチューブ、フラーレン、デンドリマー、ポリビニルアルコール、ポリメタクリレート、ポリイミドなどである。微粒子の好ましい粒径は、0.001〜0.1μmである。より好ましい粒径は0.001〜0.05μmである。材質にもよるが、凝集現象を防止するために、小さい粒径が好ましい。粒径の分布はシャープな方が好ましい。好ましい添加量は、組成物に対して0.1〜30重量%である。添加の目的を達する限り、少ない割合が好ましい。
好ましい重合開始剤は光カチオン重合用の開始剤である。この開始剤は、特に組成物(C1)〜(C10)に適している。好ましい開始剤は、ジアリールヨードニウム塩(以下DASと略す)、トリアリールスルホニウム塩(以下TASと略す)などである。
DASの例は、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスホネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ジフェニルヨードニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスホネート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネートなどである。
DASと光増感剤の組み合わせは好ましい。光増感剤の例は、チオキサントン、フェノチアジン、クロロチオキサントン、キサントン、アントラセン、ジフェニルアントラセン、ルブレンなどである。
TASの例は、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスホネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネー、トリフェニルスルホニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスホネート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフェニルスルホニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスホネート、4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネートなどである。
光カチオン重合に用いる開始剤の商品名の例は、みどり化学(株)のDTS−102などである。この例は、UCC社のサイラキューアーUVI−6990、サイラキュアーUVI−6974、サイラキュアーUVI−6992などである。この例は、旭電化(株)のアデカオプトマーSP−150、SP−152、SP−170、SP−172などである。この例は、ローディア社のPHOTOINITIATOR2074、チバスペシャリティー社のイルガキュアー250、GEシリコンズ社のUV−9380C、などである。
溶剤の例は、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、n−ブチルベンゼン、ジエチルベンゼン、テトラリン、メトキシベンゼン、1,2−ジメトキシベンゼン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、ジクロロエタン、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、t−ブチルアルコール、ジアセトンアルコール、グリセリン、モノアセチン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブなどである。溶媒は単一化合物であってもよいし、または混合物であってもよい。
次に、重合体について説明する。化合物(1)は重合性の基を有する。これらの化合物を含有する組成物を重合させることによって重合体が得られる。得られた重合体は光学異方性を有する。反応の種類は、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合、配位重合、リビング重合などである。重合性基の性質を考慮すると、好ましい反応はカチオン重合である。配向の優れた重合体を得るときは、光の照射によるカチオン重合がさらに好ましい。組成物が液晶である条件下で、重合を行なわせるのが容易だからである。
好ましい光の種類は、紫外線、可視光線、赤外線などである。X線などの電磁波を用いてもよい。通常は、紫外線または可視光線が好ましい。好ましい波長の範囲は150〜500nmである。さらに好ましい範囲は250〜450nmであり、最も好ましい範囲は300〜400nmである。光源は、低圧水銀ランプ(殺菌ランプ、蛍光ケミカルランプ、ブラックライト)、高圧放電ランプ(高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ)、またはショートアーク放電ランプ(超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、水銀キセノンランプ)などである。好ましい光源は超高圧水銀ランプである。光源からの光はそのまま組成物に照射してもよい。フィルターによって選択した特定の波長(または特定の波長領域)を組成物に照射してもよい。好ましい照射エネルギー密度は、2〜5000mJ/cm2である。さらに好ましい範囲は10〜3000mJ/cm2である。特に好ましい範囲は100〜2000mJ/cm2である。好ましい照度は0.1〜5000mW/cmである。さらに好ましい照度は1〜2000mW/cmである。組成物が液晶相を有するように、光を照射するときの温度を設定する。好ましい照射温度は100℃以下である。100℃以上の温度では熱による重合が起こりうるので、良好な配向が得られないときがある。
組成物Aを重合させるとき、単独重合体が得られる。この単独重合体は1つの構成単位からなる。組成物Bまたは組成物Cを重合させるとき、共重合体が得られる。この共重合体は少なくとも2つの構成単位を有する。共重合体における構成単位の配列は、ランダム、ブロック、交互などのいずれであってもよい。組成物Dを重合させるとき、非重合性の化合物を不均一に含有する重合体が得られる。この重合体は少なくとも1つの構成単位を有する。
組成物AまたはBを重合させると熱可塑性樹脂が得られる。組成物Cは、化合物(1)の群から選ばれた少なくとも1つの化合物および第2成分として他の重合性化合物の群から選ばれた少なくとも1つの化合物を含有することから、組成物Cを重合させた場合には第2成分の種類によって、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂が得られる。
本発明の組成物を重合させて得られる熱可塑性樹脂は、1つの重合性基を有する化合物を主成分にすることによって、線状の高分子構造を有する。該熱可塑性樹脂の好ましい重量平均分子量は500〜1,000,000であり、好ましくは1,000〜500,000、より好ましくは5,000〜100,000である。熱可塑性樹脂を合成するときは、反応を制御して重合度を調節する。熱可塑性樹脂を合成するとき、組成物Cにおける好ましい第2成分は化合物(M1)、(M3)、(M5)などである。
本発明の組成物を重合させて得られる熱硬化性樹脂は、2つの重合性基を有する化合物を組成物の主成分とすることにより得られる。該熱硬化性樹脂は、三次元の架橋構造を有するので、溶媒に溶けないし、融解しない。したがって、分子量を測定できない。熱硬化性樹脂を合成するとき、組成物Cにおける好ましい第2成分は化合物(M2)、(M4)、(M6)などである。
重合体の形状は、フィルム、板などである。重合体は成形されてもよい。フィルムの重合体を得るには、一般に支持基板が用いられる。支持基板の上に組成物を塗布し、液晶相を有している塗膜(paint film)を重合させるとフィルムが得られる。好ましい重合体の厚さは、重合体の光学異方性の値および用途に依存する。従って、その範囲を厳密に決定することはできないが、好ましい厚さは0.05〜50μmの範囲であり、より好ましい厚さは0.1〜20μmの範囲である。特に好ましい厚さは0.5〜10μmの範囲である。これらの重合体のヘイズ値(haze value;曇り度)は、概して1.5%以下である。これらの重合体の透過率は、可視光領域において一般的に80%以上である。したがって、これらの重合体は液晶表示素子に用いる光学異方性の薄膜として適している。
支持基板の例は、トリアセチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリイミド、ポリエステル、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどである。商品名の例は、JSR(株)の「アートン」、日本ゼオン(株)の「ゼオネックス」および「ゼオノア」、三井化学(株)の「アペル」などである。支持基板は一軸延伸フィルム、二軸延伸フィルムなどである。好ましい支持基板はトリアセチルセルロースフィルムである。このフィルムを前処理することなくそのまま用いてもよい。このフィルムは、必要に応じて、鹸化処理、コロナ放電処理、UV−オゾン処理などの表面処理を行ってもよい。その他の例は、アルミニウム、鉄、銅などの金属製の支持基板、アルカリガラス、ホウ珪酸ガラス、フリントガラスなどのガラス製の支持基板などである。
支持基板上の塗膜は、組成物をそのまま塗布することによって調製される。塗膜は、組成物を適切な溶媒に溶かして塗布したあと、溶媒を除去することによっても調製される。塗布の方法は、スピンコート、ロールコート、カテンコート、フローコート、プリント、マイクログラビアコート、グラビアコート、ワイヤーバーコード、デップコート、スプレーコート、メニスカスコート、流延成膜法などである。
液晶組成物の配向を決定する因子は、1)重合性化合物の化学構造、2)支持基板の種類、3)配向処理の方法、などである。項1)に関しては、重合性化合物の側鎖、環、結合基、重合性基などの種類に依存する。項2)に関しては、重合体、ガラス、金属などのような支持基板の材質に依存する。項3)に関しては、レーヨン布などで一方向にこする(ラビング)、酸化ケイ素を斜方蒸着させる、スリット状にエッチング加工する、などの方法がある。ラビング処理においては、支持基板を直接的にラビングしてもよい。支持基板をポリイミド、ポリビニルアルコールなどの薄膜でコーティングし、この薄膜をラビングしてもよい。ラビング処理をしなくても、良好な配向を与える特殊な薄膜も知られている。
液晶化合物における配向の分類は、ホモジニアス(homogenerous;平行)、ホメオトロピック(homeotropic;垂直)、ハイブリッド(hybrid)、チルト(tilt)、ツイスト(twist)などである。ホモジニアスは、配向ベクトルが基板に平行で、かつ一方向にある状態をいう。ホメオトロピックは、配向ベクトルが基板に垂直である状態をいう。ハイブリッドは、配向ベクトルが基板から離れるにしたがって、平行から垂直に立ちあがっている状態をいう。チルトは、配向ベクトルが基板に対して、一定の傾き角で起きあがっている状態をいう。これらの配向は、ネマチック相などを有する組成物で観察される。一方、ツイスト配向は、キラルなネマチック相、コレステリック相などを有する組成物で観察される。ツイストは、配向ベクトルが基板に平行ではあるが、基板から離れるにしたがって、漸次ねじれている状態をいう。このねじれは光学活性な基の作用によって生起する。
重合体の用途について説明する。この重合体は、光学異方性を有する成形体として使用できる。この重合体を含有する素子は、位相差板(1/2波長板、1/4波長板など)、反射防止膜、選択反射膜、視野角補償膜などの光学フィルムである。ホモジニアス、ハイブリット、ホメオトロピックなどの配向を有する重合体は、位相差板、偏光素子、液晶配向膜、反射防止膜、選択反射膜、視野角補償膜、などに利用できる。ツイストなどの配向を有する重合体は、位相差板、偏光素子、選択反射膜、視野角補償膜などに利用できる。このような重合体は、液晶ディスプレイの位相差板や視野角補償膜などに、光学補償を目的として用いられる。このような重合体は、高熱伝導性エポキシ樹脂、接着剤、機械的異方性を持つ合成高分子、化粧品、装飾品、非線型光学材料、情報記憶材料などにも利用できる。
熱可塑性樹脂は接着剤、機械的異方性を持つ合成高分子、化粧品、装飾品、非線形光学材料および情報記憶材料などの用途に適している。熱硬化性樹脂は液晶表示素子の構成要素である位相差板、偏光素子、液晶配向膜、反射防止膜、選択反射膜、視野角補償膜などの用途に適している。
位相差板は偏光の状態を変換する機能を有する。1/2波長機能板は、直線偏光の振動方向を90度回転させる機能を有する。d=λ/2×Δnの式を満たすように組成物を支持基板上に塗布する。ここで、dは組成物の厚さ、λは波長、Δnは光学異方性である。この組成物の配向させたあと、光重合させることによって1/2波長機能板が得られる。一方、1/4波長機能板は、直線偏光を円偏光に、または円偏光を直線偏光に変換する機能を有する。この場合には、d=λ/4×Δnの条件を満たすように組成物の塗膜を調製すればよい。重合体の厚さ(d)は次のように調整される。組成物を溶媒で希釈したあと、支持基板上に塗布する方法では、組成物の濃度、塗布する方法、塗布する条件などを適切に選択することによって、目的とする厚さの塗膜を得ることができる。液晶セルを利用する方法も好ましい。液晶セルはポリイミドなどの配向膜を有しているので都合がよい。この液晶セルに組成物を注入する場合には、液晶セルの間隔によって塗膜の厚さを調整することができる。
ツイスト配向を有する重合体は、位相差板として有用である。らせんのピッチが、波長の1/n(nは重合体の平均屈折率)であるとき、この波長の光はブラッグの法則に従って反射され、円偏光に変換される。円偏光の方向は、らせんの方向、すなわち光学活性な化合物の立体配置に依存する。光学性な化合物の立体配置を適切に選択することによって、円偏光の方向を決めることができる。この重合体は、円偏光分離機能素子として有用である。
この重合体は、輝度向上フィルムとしても有用である。例えば特開平6−281814号公報などに開示された方法に従えば、らせんピッチが厚さ方向に連続的延びる重合体が得られる。この重合体は、ピッチに応じた広い波長領域の光を反射することができる。この重合体は、100〜350nm(または波長350〜750nm)の領域の光を選択的に反射することができる。
物性の測定法を記載したあと、実施例により本発明を詳細に説明する。実施例は、本発明の一例である。本発明は下記の実施例によって限定されない。組成物の割合は、重量%(wt%)である。
相転移温度は、偏光顕微鏡を備えた融点測定装置のホットプレートに試料を置き、1℃/分の速度で昇温した。液晶相が転移する温度を測定した。Cは結晶、Nはネマチック相、Iは等方性液体を意味する。NI点は、ネマチック相の上限温度またはネマチック相から等方性液体への転移温度である。「C50N63I」は、50℃で結晶からへネマチック相に転移し、63℃でネマチック相から等方性液体へ転移したことを示す。
セロテープ(登録商標)剥離試験は、JIS規格「JIS−K−5400、8.5、付着性(8.5.2、碁盤目テープ法)」の試験法に従った。つまり、100のます目のうち、剥離しなかったます目の数によって、結果を評価した。
鉛筆硬度は、JIS規格「JIS−K−5400、8.4、鉛筆引掻試験」の方法に従った。結果を鉛筆の芯の硬さで表した。
耐熱性試験は、100℃で500時間の条件で行ない、結果はリタデーション(retardation)の変動によって評価した。ガラス基板にポリアミック酸(チッソ(株)のPIA5310)を塗布したあと、210℃で30分加熱して支持基板を得た。加熱によって生成したポリイミドの表面はレーヨン布でラビングした。試料の組成物をトルエンとシクロペンタノンの混合溶剤(重量比で2:1)で希釈して30重量%の溶液を調製した。溶液をスピンコータで支持基板に塗布し、70℃で3分間加熱したあと、生成した塗膜に超高圧水銀灯(250W/cm)を使って紫外線を60℃で10秒間照射した。得られた重合体のリタデーションを25℃で測定した。重合体を100℃で500時間加熱したあと、再度リタデーションを25℃で測定した。2つの値を比較して耐熱性を評価した。レタデーションは、文献の方法に従い、セナルモン・コンペンセータ(Senarmont compensator)を用いて測定した。使用した波長は550nmである。文献は、粟屋裕著、「高分子素材の偏光顕微鏡入門」、94頁、アグネ技術センター発行、2001年である。
光学異方性(△n)は、次のように算出した。耐熱性試験の方法にしたがって重合体のリタデーション(25℃)の値を測定した。重合体の厚さ(d)も測定した。リタデーションは△n×dであるから、この関係から光学異方性の値を算出した。
配向は偏光顕微鏡によって観察した。重合体は、ケン化処理したTACフィルム(支持基板)の上に調製した。この試料を、クロスニコルに配置した2枚の偏光板に挟持した。配向の種類は、透過光強度の角度依存性から判断した。
実施例1:化合物No.23および化合物No.27の製造
(第1段階)
アリル(4−クロロブチル)エーテル14g、4−ヒドロキシ安息香酸14g、炭酸カリウム14g、ジメチルホルムアミド50mlからなる溶液を90℃で3時間撹拌した。水を加えトルエンで抽出、トルエン層を水でよく洗浄して、トルエンを留去した。得られた残査に水酸化ナトリウム20g、水50ml、エタノール200mlを加え、2時間還流した。エタノールを留去して塩酸を加え酸性とし、ジエチルエーテルで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去して得られた残査をエタノールと水との混合溶剤で再結晶して、29gの4−(4−アリルオキシブチルオキシ)安息香酸を得た。
相転移温度:C 94 N 107 I
アリル(4−クロロブチル)エーテルを3−ブロモー1−ブテンに代えた以外は実施例1、第1段階の方法に準じて以下の安息香酸誘導体を製造した。
4−(3−ブテニルオキシ)安息香酸(相転移温度:C 121 N 141.5 I)
(第2段階)
4−(4−アリルオキシブチルオキシ)安息香酸5g、4−トリフルオロメトキシフェノール3.6gを塩化メチレン50mlに溶かし5℃まで冷やし、そこへジメチルアミノピリジン0.01g、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩4.8gを加え室温で12時間攪拌した。水50mlを加え分液、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去して得られた残査をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、無色の結晶を得た。この結晶を塩化メチレン50mlに溶解し、そこへm−クロロ過安息香酸4.3gを加え、室温で12時間かくはんした。水を加え、塩化メチレン層を分液し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を留去して残査を得た。残査をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、さらにエタノールで再結晶して、化合物No.23を5.6g得た。このものの融点は87℃であった。
4−トリフルオロメトキシフェノールを3−フルオロ−4−トリフルオロメトキシフェノールに代えた以外は、実施例1、第2段階と同様の方法に準じて、化合物No.27を製造した。このものの融点は56.2℃であった。
Figure 2006117564
実施例2:組成物CL2およびそれを用いたフィルムの調製
(a)組成物の調製
化合物(No.27)を50重量%、特願2003−203629に開示の化合物(K2)50重量%からなる組成物(CL1)を調製した。
このようにして得られた組成物(CL1)は室温でネマチック液晶相を有し、NI点が59℃であった。また、組成物(CL1)は室温においても直ちに結晶化することはなく液晶状態を保持した。
Figure 2006117564
次に、組成物(CL1)97重量%とDTS−102(みどり化学(株)製)3重量%からなる組成物に、混合溶媒(トルエン/シクロヘキサノンの混合比は重量比で2/1)を加えて20重量%溶液(CL1')を調製した。
(b)配向フィルムの調製
表面をレーヨン布によりラビングしたケン化処理TACに、組成物(CL1')を、バーコーターを用いて塗布した。塗布後、溶媒を除去する為に70℃に加熱されたホットプレート上で3分間加熱した後に冷却し、液晶相を配向させた。生成した塗膜に超高圧水銀灯(250W)を使って30mW/cm(365nm)の紫外線を25℃で30秒間照射して液晶相を重合させ、液晶配向フィルム(F1)を得た。
(c)配向フィルムの評価
得られたフィルム(F1)をクロスニコルの偏光子に、ラビング方向と偏光子の吸収軸のなす角度が45°となるように挟んで、バックライト上にて光の透過の様子を観察した。ラビング方向に傾斜しながら光の透過の様子を観察したところ、正面を中心に左右で非対称の変化であることが確認された。これはこの液晶骨格の配向ベクトルがTAC基板に対して傾いていた。すなわちハイブリッド配向を裏付けるものであった。
得られたフィルム(F1)の表面硬度は鉛筆硬度にして2Hであった。また、密着性試験においても、残存した升目の数が100であり良好な結果となった。
(d)耐熱試験用試料の調製
耐熱試験に用いる基板は、「(c)配向フィルムの調製」に記載のケン化処理TACの代わりに、ポリイミドを使用した。ガラス基板にポリアミック酸(チッソ(株)のPIA5310)を塗布した後、210℃で30分加熱して支持基板を得た。加熱によって生成したポリイミドの表面はレーヨン布でラビングして得られた。
これに組成物(CL1')を、バーコーターを用いて塗布した。塗布後、溶媒を除去する為に70℃に加熱されたホットプレート上に3分間放置した後に冷却し、液晶相を配向させた。生成した塗膜に超高圧水銀灯(250W)を使って30mW/cm(365nm)の紫外線を25℃で30秒間照射して液晶相を重合させ、液晶配向フィルム(F1')を得た。
(e)耐熱試験
得られたフィルム(F1')のリタデーションを25℃、550nmの波長で測定したところ70nmであった。重合体を100℃で500時間加熱した後、再度リタデーションを25℃で測定したところ、リタデーションの変化はなく、耐熱性の高い液晶配向フィルムが得られた。
実施例3:組成物CL8およびそれを用いたフィルムの調製
(a)組成物の調製
化合物(No.27)33重量%、化合物(K1)文献(POLYMER, 1994, Volume 35, Number 3.,に記載されている。)33重量%、化合物(K2)34重量%の組成物(CL8)を調製した。この組成物の室温でネマチック液晶相を有し、NI点は62℃であった。化合物(No.27)は相分離することなく良好な相溶性を示した。また、組成物(CL8)は室温状態においても直ちに結晶化することはなく液晶状態を保持した。
Figure 2006117564
次に、組成物(CL2)97重量%とサイラキュアーUVI−6992(UCC製)3重量%からなる組成物に、混合溶媒(トルエン/シクロヘキサノンの混合比は重量比で2/1)を加えて20重量%溶液(CL2')を調製した。
(b)配向フィルムの調製
表面をレーヨン布によりラビングしたケン化処理TACに、組成物(CL2')をスピンコーターで塗布した。塗布後、溶媒を除去する為に70℃に加熱されたホットプレート上で3分間加熱した後に冷却し、液晶相を配向させた。生成した塗膜に超高圧水銀灯(250W)を使って30mW/cm(365nm)の紫外線を25℃で30秒間照射して液晶相を重合させ、液晶配向フィルム(F2)を得た。
(c)配向フィルムの評価
得られたフィルム(F2)をクロスニコルの偏光子に、ラビング方向と偏光子の吸収軸のなす角度が45°となるように挟んで、バックライト上にて光の透過の様子を観察した。ラビング方向に傾斜しながら光の透過の様子を観察したところ、正面を中心に左右で非対称の変化であることが確認された。これはこの液晶骨格の配向ベクトルがTAC基板に対して傾いていた。すなわちハイブリッド配向を裏付けるものであった。
得られたフィルム(F2)の表面硬度は鉛筆硬度にして2Hであった。また、密着性試験においても、残存した升目の数が100であり良好な結果となった。
(d)耐熱試験用試料の調製
耐熱試験に用いる基板は、実施例1の(e)に記載の方法で作成した。これに組成物(CL2')をバーコーターで塗布した。塗布後、溶媒を除去する為に70℃に加熱されたホットプレート上に3分間放置した後に冷却し、液晶相を配向させた。生成した塗膜に超高圧水銀灯(250W)を使って30mW/cm(365nm)の紫外線を25℃で30秒間照射して液晶相を重合させ、液晶配向フィルム(F2')を得た。
(e)耐熱試験
得られたフィルム(F2')のリタデーションを25℃、550nmの波長で測定したところ92nmであった。重合体を100℃で500時間加熱した後、再度リタデーションを25℃で測定したところ、リタデーションは90nmとなった。レタデーション変化率は3%未満の、耐熱性の高い液晶配向フィルムが得られた。
比較例1
(a)組成物の調製
化合物(K3)33重量%、化合物(K1)33重量%、化合物(K2)34重量%の組成物(CL3)を調製した。この組成物の室温でネマチック液晶相を有し、NI点は73℃であった。また、組成物(CL3)は室温状態においても直ちに結晶化することはなく液晶状態を保持した。
化合物(K3)は以下のようにして合成した。
(第1段階)
シアノビフェノール20g、アリル(4−クロロブチル)エーテル16g、炭酸カリウム26gをジメチルホルムアミド150mlに加え、80℃で6時間かくはんした。反応溶液に水を加え、トルエンで抽出して、トルエン層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去して得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して30gの4−アリルオキシブチルオキシ−4´−シアノビフェニルを得た。
(第2段階)
4−アリルオキシブチルオキシ−4−シアノビフェニル30gをジクロロメタン150mlに溶解した溶液にm−クロロ過安息香酸25gを加え8時間かくはんした。水を加え、ジクロロメタン層を分液し、亜硫酸水素ナトリウム水、水の順番で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去して得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製、さらにエタノールで再結晶して12gの化合物(K3)を得た。化合物(K3)の相転移温度はC 53 N 56.4 Iであった。
Figure 2006117564
次に、組成物(CL3)97重量%とサイラキュアーUVI−6992(UCC製)3重量%からなる組成物に、混合溶媒(トルエン/シクロヘキサノンの混合比は重量比で2/1)を加えて20重量%溶液(CL3')を調製した。
(b)配向フィルムの調製
表面をレーヨン布によりラビングしたケン化処理TACに、組成物(CL3')をバーコーターで塗布した。塗布後、溶媒を除去する為に70℃に加熱されたホットプレート上で3分間加熱した後に冷却し、液晶相を配向させた。生成した塗膜に超高圧水銀灯(250W)を使って30mW/cm(365nm)の紫外線を25℃で30秒間照射して液晶相を重合させ、液晶配向フィルム(F3)を得た。
(c)配向フィルムの評価
得られたフィルム(F3)をクロスニコルの偏光子に、ラビング方向と偏光子の吸収軸のなす角度が45°となるように挟んで、バックライト上にて光の透過の様子を観察した。ラビング方向に傾斜しながら光の透過の様子を観察したところ、正面を中心に左右で対象の変化であることが確認された。これは液晶骨格の配向ベクトルがガラス基板に対して水平であり、すなわちホモジニアス配向を裏付けるものであった。
得られたフィルム(F3)の表面硬度は鉛筆硬度にして2Hであった。また、密着性試験においても、残存した升目の数が100であり良好な結果となった。
(d)耐熱試験用試料の調製
耐熱試験に用いる基板は、実施例1の(e)に記載の方法で作成した。これに組成物(CL3')をバーコーターで塗布した。塗布後、溶媒を除去する為に70℃に加熱されたホットプレート上に3分間放置した後に冷却し、液晶相を配向させた。生成した塗膜に超高圧水銀灯(250W)を使って30mW/cm(365nm)の紫外線を25℃で30秒間照射して液晶相を重合させ、液晶配向フィルム(F3')を得た。
(e)耐熱試験
得られたフィルム(F3')のリタデーションを25℃、550nmの波長で測定したところ207nmであった。重合体を100℃で500時間加熱した後、再度リタデーションを25℃で測定したところ、リタデーションは205nmとなった。リタデーション変化率は3%未満の、耐熱性の高い液晶配向フィルムが得られた。
液晶フィルムのセロテープ(登録商標)剥離試験、鉛筆硬度試験、配向の評価結果を示す。

フィルム番号 セロテープ(登録商標)剥離 鉛筆硬度 配向
F2(実施例2)100/100 2H ハイブリッド
F3(比較例1)100/100 2H ホモジニアス
本発明の化合物を含む液晶組成物はラビングしたTAC基板上においてハイブリッド配向することがこの比較から判る

Claims (16)

  1. 式(1)で表される化合物。
    Figure 2006117564
    式(1)において、Rは−CF、−CFH、−CFH、−CFCHFCFまたは炭素数4〜10のフルオロアルキルであり;Aは1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、4,4'−ビフェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、ピリダジン−3,6−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、またはテトラヒドロナフタレン−2,6−ジイルであり、この1,4−フェニレンにおいて任意の水素はフッ素または塩素で置き換えられてもよく、そして任意の1つまたは2つの水素はシアノ、メチル、またはトリフルオロメチルで置き換えられてもよく;Xは−O−または単結合であり;Xは単結合、−COO−、−OOC−、−CONH−、−OCH−、−CHO−、−HC=CH−COO−、−OOC−HC=CH−、−CHCH−COO−、−OOC−CHCH−、−C≡C−、または−CHCH−であり;Xは−O−、−COO−または単結合であり;Y、Y、YおよびYは独立して、水素またはフッ素であり;nは、1〜20の整数である。
  2. 式(1)において、Rは−CFまたは炭素数4〜10のフルオロアルキルであり;Aは1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、3−フルオロ−1,4−フェニレン、2、3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、または3,6−ジフルオロ−1,4−フェニレンであり;Xは−O−または単結合であり;Xは単結合、−COO−、−OOC−、−C≡C−または−CHCH−であり;Xは−O−または単結合であり;Y、Y、YおよびYの組合せが、Yがフッ素であり、Y、Y、およびYが水素である組合せ、YおよびYがフッ素であり、YおよびYが水素である組合せまたはY、Y、Y、およびYが水素である組合せであり;nは、1〜15の整数である請求項1に記載の化合物。
  3. 式(1)において、Rは−CFであり;Aは、1,4−フェニレンであり;Xは−O−または単結合であり;Xは−COO−であり;Xは−O−であり;Yがフッ素、Y、Y、およびYが水素であり;nは、1〜10の整数である請求項1に記載の化合物。
  4. 式(1)において、Rは−CFであり;Aは、1,4−フェニレンであり;Xは−O−または単結合であり;Xは−COO−であり;Xは−O−であり;Y、Y、Y、およびYが水素であり;nは、1〜10の整数である請求項1に記載の化合物。
  5. 第1成分として、請求項1〜4のいずれか1項に記載の少なくとも1つの化合物を含有する組成物。
  6. 第1成分として、請求項3または4のいずれか1項に記載の少なくとも1つの化合物を含有する組成物。
  7. 第2成分として請求項1に記載の化合物とは異なる重合性の化合物を含有する請求項5または6に記載の組成物。
  8. 第2成分が式(M1)、式(M2)、式(M3)、式(M4)、式(M5)、および式(M6)のそれぞれで表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物である請求項7に記載の組成物。

    Figure 2006117564
    式(M1)〜式(M6)において、Rは水素、フッ素、塩素、−CN、−OCF、炭素数1〜20のアルキル、炭素数1〜20のアルコキシ、炭素数2〜20のアルコキシアルキル、炭素数2〜20のアルケニル、または炭素数2〜20のアルケニルオキシであり;Rは水素または炭素数1〜5のアルキルであり;Bは独立して1,4−シクロへキシレンまたは1,4−フェニレンであり、この1,4−フェニレンにおいて任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、そして任意の1つまたは2つの水素はメチルまたはトリフルオロメチルで置き換えられてもよく、そしてBの1つはピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、9−メチルフルオレン−2,7−ジイル、9−エチルフルオレン−2,7−ジイル、9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジイル、9−クロロフルオレン−2,7−ジイル、または9,9−ジフルオロフルオレン−2,7−ジイルであってもよく;Yは独立して単結合、−COO−、−OCO−、−(CH−、または−C≡C−であり;Qは独立して単結合または炭素数1〜20のアルキレンであり、このアルキレンにおいて任意の1つまたは2つの−CHは−O−で置き換えられてもよく;そしてtは1または2である。
  9. 式(M1)〜式(M6)において、Rはフッ素、−CN、−OCF、炭素数1〜20のアルキル、または炭素数2〜20のアルコキシであり;Rは水素または炭素数1〜2のアルキルであり;Bは独立して1,4−シクロへキシレンまたは1,4−フェニレンであり、この1,4−フェニレンにおいて任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、そして任意の1つまたは2つの水素はメチルまたはトリフルオロメチルで置き換えられてもよく、そしてBの1つは9−メチルフルオレン−2,7−ジイル、9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジイルまたは9−エチルフルオレン−2,7−ジイルであってもよく;Yは独立して単結合、−COO−、−OCO−、または−C≡C−であり;Qは独立して単結合または炭素数1〜10のアルキレンであり、このアルキレンにおいて任意の1つまたは2つの−CH−は−O−で置き換えられてもよく;そしてtは1または2である請求項8に記載の組成物。
  10. 第2成分が、式(M1)および式(M2)のそれぞれで表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物、または式(M3)および式(M4)のそれぞれで表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物、または式(M5)および式(M6)のそれぞれで表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物である請求項8または9に記載の組成物。
  11. 第2成分が、式(M1)で表される少なくとも1つの化合物および式(M3)で表される少なくとも1つの化合物、または式(M1)で表される少なくとも1つの化合物および式(M4)で表される少なくとも1つの化合物である請求項8または9に記載の組成物。
  12. ハイブリッド配向を有する請求項5〜11のいずれか1項に記載の組成物。
  13. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物を重合させることによって得られる重合体。
  14. 請求項5〜12のいずれか1項に記載の組成物を重合させることによって得られる重合体。
  15. 請求項13または14に記載の重合体を含有する素子。
  16. 請求項13または14に記載の重合体の、光学異方性を有する成形体としての使用。






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