JP4899386B2 - 液晶性モノマーおよびその重合体 - Google Patents

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本発明は、オキシラン環またはオキセタン環を有する液晶性アクリル系モノマーに関する。
重合性の化合物が液晶であるとき、この化合物を重合させることによって光学異方性を有する重合体が得られることが知られている(特許文献1)。これは、液晶における分子の配向(orientation)が重合によって固定されるからである。そのような化合物の例はアクリル基を有する液晶化合物である(特許文献2および3)。さらに望まれているのは、室温で重合する、空気中でも重合する、紫外線の照射によって容易に重合する、などの物性を有する液晶化合物である。
特開2001−55573号公報 特開2001−154019号公報 特開2004−123597号公報
本発明の課題は、室温で重合する、空気中でも重合する、重合しやすい、液晶相の温度範囲が広い、化学的に安定である、無色である、溶媒に溶けやすい、他の重合性化合物のとの相溶性がよい、支持基板に対する付着張力(adhesion tension)が小さい、などの特性において、複数の特性を充足し、そしてこの複数の特性に関して適切なバランスを有する液晶化合物を提供することである。さらに、本発明は、この液晶化合物を用いて、光学異方性を有する、支持基板から剥離しにくい、充分な硬度を有する、無色透明である、耐熱性が大きい、耐候性が大きい、光弾性が小さい、などの物性を有する重合体を得ようとするものである。
本発明者は、1)重合性の液晶化合物を重合させることによって、光学異方性を有する重合体が得られること、および2)オキシラン環またはオキセタン環を有する単量体は容易に開環重合すること、という2つの知見を組み合わせることを着想した。この着想に基づき、更に別の着想を加えて研究したところ、予想した以上に良好な実験結果を得た。これらの結果をもとに検討を重ねて、本発明を完成させた。すなわち、本発明は下記の構成を有する。
[1] 式(1)で表される化合物:

Figure 0004899386
ここに、Rは独立して水素、フッ素、塩素、−CHO、−COOH、−CHOH、−COHまたは炭素数1〜10のアルキルであり;この炭素数1〜10のアルキルにおいて、任意の水素はフッ素または塩素で置き換えられてもよく、そして任意の−CH−は−O−、−COO−、または−OCO−で置き換えられてもよく;そして、Rの少なくとも1つは−CHO、−COOH、−CHOH、−COH、−COOR、−OR、−OCOR、−CHORまたは−CHOCORであり、Rは炭素数1〜5のアルキルであり、そしてこのアルキルにおける任意の水素はフッ素または塩素で置き換えられてよく;
Aは独立して1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、ピリダジン−3,6−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、またはテトラヒドロナフタレン−2,6−ジイルであり;この1,4−フェニレンにおいて、任意の水素はフッ素または塩素で置き換えられてもよく、そして1つまたは2つの水素はシアノ、メチル、エチル、メトキシ、ヒドロキシ、ホルミル、アセトキシ、アセチル、トリフルオロアセチル、ジフルオロメチルまたはトリフルオロメチルで置き換えられてもよく;
は独立して単結合、−O−、−(CH−、−CH=CH−、−C≡C−、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−(CH−、−(CHCOO−、または−OCO(CH−であり;そして、mおよびnは独立して0、1または2であって、mとnの和は1、2、3、または4であり;
11およびZ12は独立して単結合または炭素数1〜20のアルキレンであり;このアルキレンにおいて任意の水素はフッ素または塩素で置き換えられてもよく、任意の−CH−は−O−で置き換えられてもよく、1つまたは2つの−CH−は−COO−または−OCO−で置き換えられてもよく、そして1つの−CH−は−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく;
は式(2−1)または式(2−2)で表される基であり:

Figure 0004899386
ここに、Rは水素、フッ素、塩素、シアノまたは炭素数1〜5のアルキルであり、このアルキルにおける任意の水素はフッ素または塩素で置き換えられてもよく;
は式(2−3)または式(2−4)で表される基であり:

Figure 0004899386
ここに、Rは水素または炭素数1〜8のアルキルであり、このアルキルにおける任意の水素はフッ素または塩素で置き換えられてもよい。
[2] Rが独立して水素、フッ素、炭素数1〜10のアルキル、−CF、−CFH、−CHO、−COOH、−CHOH、−COH、−COOR、−OR、−OCOR、−CHORまたは−CHOCORであって、Rは炭素数1〜5のアルキルであり;そして、Rの少なくとも1つは−CHO、−COOH、−CHOH、−COH、−COOR、−OR、−OCOR、−CHORまたは−CHOCORであり;
11が単結合、−(CH−、−(CH−O−、−(CH−COO−、または−(CHCHO)−であり、Z12が単結合、−(CH−、−O−(CH−、−OCO−(CH−、−O−(CH−O−CH−、または−(OCHCH−O−CH−であり、rが1〜10の整数であり、そしてsが2〜5の整数であり;そして、mおよびnが独立して0、1または2であって、mとnの和が1または2である、[1]項に記載の化合物。
[3] 式(1−1)〜式(1−14)のいずれか1つで表される化合物:

Figure 0004899386
ここに、Rは独立して水素、フッ素、炭素数1〜5のアルキル、−CF、−CFH、−CHO、−COOH、−CHOH、−COH、−COOCH、−COOC、−OCH、−OC、−OCOCH、−CHOCH、−CHOC、または−CHOCOCHであって、Rの少なくとも1つは−CHO、−COOH、−CHOH、−COH、−COOCH、−COOC、−OCH、−OC、−OCOCH、−CHOCH、−CHOC、または−CHOCOCHであり;
Aは独立して1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、3−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,3,5−トリフルオロ−1,4−フェニレン、または2,3,5,6−テトラフルオロ−1,4−フェニレンであり;
は独立して単結合、−(CH−、−COO−または−OCO−であり;
11は−(CH−、−(CH−O−、または−(CHCHO)−であり、Z12は−(CH−、−O−(CH−、−O−(CH−O−CH−、または−(OCHCH−O−CH−であり、rは1〜10の整数であり、そしてsは2〜5の整数であり;
は水素、フッ素、塩素、シアノ、または炭素数1〜5のアルキルであり、このアルキルにおける任意の水素はフッ素または塩素で置き換えられてもよく;
そして、Rは水素または炭素数1〜4のアルキルである。
[4] Rが独立して水素、フッ素、炭素数1〜5のアルキル、−CF、−CFH、−COOCH、−COOC、−OCH、−OC、−OCOCH、−CHOCH、−CHOC、または−CHOCOCHであって、Rの少なくとも1つは、−COOCH、−COOC、−OCH、−OC、−OCOCH、−CHOCH、−CHOC、または−CHOCOCHであり;Aが独立して1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、3−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレンであり;Zが独立して単結合、−COO−または−OCO−であり;Z11が−(CH−、−(CH−O−、または−(CHCHO)−であり、Z12が−(CH−、−O−(CH−、−O−(CH−O−CH−、または−(OCHCH−O−CH−であり、rは1〜10の整数であり、そしてsは2〜5の整数であり;Rが水素、フッ素、シアノ、または炭素数1〜3のアルキルであって、このアルキルにおける任意の水素がフッ素で置き換えられてもよく;そして、Rが水素、−CH、または−Cである、[3]項に記載の化合物。
[5] 式(3)で表される化合物:

Figure 0004899386
ここに、Rは独立して水素、フッ素、炭素数1〜5のアルキル、−CF、−CFH、−CHO、−COOH、−CHOH、−COH、−COOCH、−COOC、−OCH、−OC、−OCOCH、−CHOCH、−CHOC、または−CHOCOCHであって、Rの少なくとも1つは−CHO、−COOH、−CHOH、−COH、−COOCH、−COOC、−OCH、−OC、−OCOCH、−CHOCH、−CHOC、または−CHOCOCHであり;
Aは独立して1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイル、またはテトラヒドロナフタレン−2,6−ジイルであり;この1,4−フェニレンにおいて、任意の水素はフッ素または塩素で置き換えられてもよく、そして1つまたは2つの水素はシアノ、メチル、エチル、メトキシ、ヒドロキシ、ジフルオロメチルまたはトリフルオロメチルで置き換えられてもよく;
は独立して単結合、−O−、−(CH−、−CH=CH−、−C≡C−、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−(CH−、−(CHCOO−、または−OCO(CH−であり;
mおよびnは独立して0、1または2であって、mとnの和は1〜4であり;
11およびZ12は独立して単結合または炭素数1〜20のアルキレンであり、このアルキレンにおいて任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH−は−O−で置き換えられてもよく、1つまたは2つの−CH−は−COO−または−OCO−で置き換えられてもよく、そして1つの−CH−は−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく;
は式(2−1)または式(2−2)で表される基であり:

Figure 0004899386
ここに、Rは水素または炭素数1〜5のアルキルであり、このアルキルにおける任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく;
は式(2−3)または式(2−4)で表される基であり:

Figure 0004899386
ここに、Rは水素または炭素数1〜8のアルキルであり、このアルキルにおける任意の水素はフッ素で置き換えられてもよい。
[6] Rが独立して水素、フッ素、炭素数1〜3のアルキル、−CF、−COOCH、−COOC、−OCOCH、−CHOCH、−CHOC、または−CHOCOCHであって、Rの少なくとも1つは−COOCH、−COOC、−OCOCH、−CHOCH、−CHOC、または−CHOCOCHであり;
11が−(CH−、−(CH−O−、または−(CHCHO)−であり、Z12が−(CH−、−O−(CH−、−O−(CH−O−CH−、または−(OCHCH−O−CH−であり、rは1〜10の整数であり、そしてsは2〜5の整数であり;
そして、mおよびnが独立して0、1または2であって、mとnの和が1または2である、[5]項に記載の化合物。
[7] 式(3−1)〜式(3−8)のいずれか1つで表される化合物。

Figure 0004899386
ここに、Rは独立して水素、フッ素、−CF、炭素数1〜3のアルキル、−COOCH、−COOC、−OCOCH、−CHOCH、−CHOC、または−CHOCOCHであって、Rの少なくとも1つは−COOCH、−COOC、−OCOCH、−CHOCH−CHOC、または−CHOCOCHであり;
Aは独立して1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、3−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、または2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレンであり;
は独立して単結合、−COO−または−OCO−であり;
11は−(CH−、−(CH−O−、または−(CHCHO)−であり、Z12は−(CH−、−O−(CH−、−O−(CH−O−CH−、または−(OCHCH−O−CH−であり、rは1〜10の整数であり、そしてsは2〜5の整数であり;
は水素、フッ素、シアノ、−CHまたは−CFであり;
そして、Rは水素、−CHまたは−Cである。
[8] Rが独立して水素、フッ素、−COOCH、−COOC、−OCOCHまたは−CHOCOCHであって、Rの少なくとも1つは−COOCH、−COOC、−OCOCHまたは−CHOCOCHであり;Aが独立して1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、または3−フルオロ−1,4−フェニレンであり;Zが独立して単結合、−COO−または−OCO−であり;Z11が−(CH−、−(CH−O−、または−(CHCHO)−であり、Z12が−(CH−、−O−(CH−、−O−(CH−O−CH−または−(OCHCH−O−CH−であり、rは1〜10の整数であり、そしてsは2〜5の整数であり;Rが水素、フッ素または−CHであり;そしてRが水素、−CHまたは−Cである、[7]項に記載の化合物。
[9] 式(3−1)〜式(3−4)のいずれか1つで表され、Rが独立して水素、フッ素、−COOCHまたは−COOCであって、Rの少なくとも1つは−COOCHまたは−COOCであり;Aが独立して1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、または3−フルオロ−1,4−フェニレンであり;Zが独立して−COO−または−OCO−であり;Z11が−(CH−、または−(CH−O−であり、Z12が−(CH−、−O−(CH−または−O−(CH−O−CH−であり、そしてrは2〜10の整数であり;Rが水素または−CHであり;そしてRが水素である、[7]項に記載の化合物。
[10] 式(3−5)〜式(3−8)のいずれか1つで表され、Rが独立して水素、フッ素、−COOCHまたは−COOCであって、Rの少なくとも1つは−COOCHまたは−COOCであり;Aが独立して1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、または3−フルオロ−1,4−フェニレンであり;Zが独立して−COO−または−OCO−であり;Zが独立して−COO−または−OCO−であり;Z11が−(CH−、または−(CH−O−であり、Z12が−(CH−、−O−(CH−または−O−(CH−O−CH−であり、そしてrは2〜10の整数であり;Rが水素または−CHであり;そしてRが水素、−CHまたは−Cである、[7]項に記載の化合物。
[11] 式(3−1)または式(3−3)で表され、Rが独立して水素、フッ素、−COOCHまたは−COOCであって、Rの少なくとも1つは−COOCHまたは−COOCであり;Aが1,4−フェニレンであり;Zが独立して−COO−または−OCO−であり;Z11が−(CH−、または−(CH−O−であり、Z12が−(CH−、−O−(CH−または−O−(CH−O−CH−であり、そしてrは2〜6の整数であり;そしてRおよびRが共に水素である、[7]項に記載の化合物。
[12] 式(3−5)または式(3−7)で表され;Rが独立して水素、フッ素、−COOCHまたは−COOCであって、Rの少なくとも1つは−COOCHまたは−COOCであり;Aが1,4−フェニレンであり;Zが独立して−COO−または−OCO−であり;Z11が−(CH−、または−(CH−O−であり、Z12が−(CH−、−O−(CH−または−O−(CH−O−CH−であり、そしてrは2〜6の整数であり;Rが水素であり;そしてRが水素、−CHまたは−Cである、[7]項に記載の化合物。
[13] 式(3−1)または式(3−3)で表され、Rが独立して水素または−COOCHであって、Rの少なくとも1つは−COOCHであり;Aが1,4−フェニレンであり;Zが独立して−COO−または−OCO−であり;Z11が−(CH−、または−(CH−O−であり、Z12が−O−(CH−O−CH−であり、そしてrは2〜6の整数であり;そしてRおよびRが共に水素である、[7]項に記載の化合物。
[14] 式(3−5)または式(3−7)で表され、Rが独立して水素または−COOCHであって、Rの少なくとも1つは−COOCHであり;Aが1,4−フェニレンであり;Zが独立して−COO−または−OCO−であり;Z11が−(CH−、または−(CH−O−であり、Z12が−O−(CH−O−CH−であり、そしてrは2〜6の整数であり;そしてRおよびRが共に水素である、[7]項に記載の化合物。
[15] [1]〜[14]のいずれか1項に記載の化合物の少なくとも1つを含有する液晶組成物。
[16] 成分のすべてが重合性化合物である、[15]項に記載の液晶組成物。
[17] [1]〜[14]のいずれか1項に記載の化合物の少なくとも2つからなる、[15]項に記載の液晶組成物。
[18] [1]〜[14]のいずれか1項に記載の化合物の少なくとも1つと他の重合成化合物とを含有する、[15]項に記載の液晶組成物。
[19] [1]〜[14]のいずれか1項に記載の化合物を重合させることによって得られる重合体。
[20] [15]〜[19]のいずれか1項に記載の組成物を重合することによって得られる重合体。
[21] [20または21]項に記載の重合体を含有する素子。
[22] [20または21]項に記載の重合体を用いて得られる光学異方性を有する成形体。
本発明の液晶化合物は、室温で重合しやすい、空気中でも重合しやすい、液晶相の温度範囲が広い、化学的に安定である、無色である、溶媒に溶けやすい、他の重合性化合物との相溶性がよい、支持基板に対する付着張力が小さい、などの特性において、複数の特性を適切なバランスをもって充足する。本発明の液晶化合物から、例えば、光学異方性を有する、支持基板から剥離しにくい、充分な硬度を有する、無色透明である、耐熱性が大きい、耐候性が大きい、光弾性が小さい、などの物性を有する重合体が得られる。
この明細書における用語の使い方は次のとおりである。液晶化合物は、液晶相を有する化合物、および液晶相を有しないが液晶組成物の成分として有用な化合物の総称である。液晶相はネマチック相、スメクチック相、コレステリック相などであり、多くの場合ネマチック相を意味する。重合性は、光、熱、触媒などの手段により単量体が重合し、重合体を与える能力を意味する。「任意の」は、位置のみならず個数も任意であることを示す。そして、任意のAがB、CまたはDで置き換えられてもよいという表現は、1つのAがB、CまたはDで置き換えられてもよいという意味と、複数のAのどれもがB、CおよびDのいずれか1つで置き換えられてもよいという意味とに加えて、Bで置き換えられるA、Cで置き換えられるA、およびDで置き換えられるAの少なくとも2つが混在してもよいという意味を有する。なお、任意の−CH−が−O−で置き換えられると記述するときには、連続する複数の−CH−が−O−で置き換えられる場合を含まない。本発明におけるアルキルおよびアルキレンは、いずれの場合も直鎖の基であってもよく、分岐された基であってもよい。式(1)、式(M1)などで表わされる化合物を、それぞれ化合物(1)、化合物(M1)などのように表記することがある。化合物(1)などを含有する組成物から得られる重合体を重合体(1)と表記することがある。化合物(2)などを含有する組成物から得られる重合体を重合体(2)と表記することがある。
本発明の液晶化合物は式(1)で表される。

Figure 0004899386
式(1)における記号は次のような意味を有する。
は、独立して水素、フッ素、塩素、−CHO、−COOH、−CHOH、−COH、または炭素数1〜10のアルキルである。この炭素数1〜10のアルキルにおいて、任意の水素はフッ素または塩素で置き換えられてもよく、そして任意の−CH−は−O−、−COO−または−OCO−で置き換えられてもよい。そして、Rの少なくとも1つは−CHO、−COOH、−CHOH、−COH、−COOR、−OR、−OCOR、−CHORまたは−CHOCORである。このとき、Rは炭素数1〜5のアルキルであって、このアルキルにおける任意の水素はフッ素または塩素で置き換えられてよい。好ましいRは、独立して水素、フッ素、炭素数1〜10のアルキル、−CF、−CFH、−CHO、−COOH、−CHOH、−COH、−COOR、−OR、−OCOR、−CHORまたは−CHOCORであって、Rは炭素数1〜5のアルキルである。そしてこのとき、Rの少なくとも1つは−CHO、−COOH、−CHOH、−COH、−COOR、−OR、−OCOR、−CHORまたは−CHOCORである。
Aは、独立して1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、ピリダジン−3,6−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、またはテトラヒドロナフタレン−2,6−ジイルである。この1,4−フェニレンにおいて、任意の水素はフッ素または塩素で置き換えられてもよく、そして1つまたは2つの水素はシアノ、メチル、エチル、メトキシ、ヒドロキシ、ホルミル、アセトキシ、アセチル、トリフルオロアセチル、ジフルオロメチルまたはトリフルオロメチルで置き換えられてもよい。
は、独立して単結合、−O−、−(CH−、−CH=CH−、−C≡C−、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−(CH−、−(CHCOO−、または−OCO(CH−である。
mおよびnは独立して0、1または2であって、mとnの和は1、2、3、または4である。mとnの和の好ましい値は1または2である。
11およびZ12は、独立して単結合または炭素数1〜20のアルキレンである。このアルキレンにおいて、任意の水素はフッ素または塩素で置き換えられてもよく、任意の−CH−は−O−で置き換えられてもよく、1つまたは2つの−CH−は−COO−または−OCO−で置き換えられてもよく、そして1つの−CH−は−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよい。好ましいZ11は、単結合、−(CH−、−(CH−O−、−(CH−COO−、または−(CHCHO)s−である。好ましいZ12は、単結合、−(CH−、−O−(CH−、−OCO−(CH−、−O−(CH−O−CH−、または−(OCHCH−O−CH−である。このとき、rは1〜10の整数であり、そしてsは2〜5の整数である。
は、式(2−1)または式(2−2)で表される基である。

Figure 0004899386
式(2−1)におけるRは、水素、フッ素、塩素、シアノ、または炭素数1〜5のアルキルであり、このアルキルにおける任意の水素はフッ素または塩素で置き換えられてもよい。
は、式(2−3)または式(2−4)で表される基である。

Figure 0004899386
これらの式におけるRは、水素または炭素数1〜8のアルキルであり、このアルキルにおける任意の水素はフッ素または塩素で置き換えられてもよい。
式(1)は、下記の式(1−1)〜式(1−14)に具体化される。

Figure 0004899386
式(1−1)〜式(1−14)における記号は次のような意味を有する。
は独立して水素、フッ素、炭素数1〜5のアルキル、−CF、−CFH、−CHO、−COOH、−CHOH、−COH、−COOCH、−COOC、−OCH、−OC、−OCOCH、−CHOCH、−CHOC、または−CHOCOCHであって、Rの少なくとも1つは−CHO、−COOH、−CHOH、−COH、−COOCH、−COOC、−OCH、−OC、−OCOCH、−CHOCH、−CHOC、または−CHOCOCHである。
Aは独立して1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、3−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,3,5−トリフルオロ−1,4−フェニレン、または2,3,5,6−テトラフルオロ−1,4−フェニレンである。
は、独立して単結合、−(CH−、−COO−または−OCO−である。
11は−(CH−、−(CH−O−、または−(CHCHO)−であり、Z12は−(CH−、−O−(CH−、−O−(CH−O−CH−、または−(OCHCH−O−CH−であり、rは1〜10の整数であり、そしてsは2〜5の整数である。
は水素、フッ素、塩素、シアノ、または炭素数1〜5のアルキルであり、このアルキルにおける任意の水素はフッ素または塩素で置き換えられてもよい。そして、Rは水素または炭素数1〜4のアルキルである。
式(1−1)〜式(1−14)の好ましい態様は、これらの式における記号が次のような意味を有する場合である。
は独立して水素、フッ素、炭素数1〜5のアルキル、−CF、−CFH、−COOCH、−COOC、−OCH、−OC、−OCOCH、−CHOCH、−CHOC、または−CHOCOCHであって、Rの少なくとも1つは、−COOCH、−COOC、−OCH、−OC、−OCOCH、−CHOCH、−CHOC、または−CHOCOCHである。
Aは独立して1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、3−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、または2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレン、である。
は独立して単結合、−COO−または−OCO−である。
11は−(CH−、−(CH−O−、または−(CHCHO)−であり、Z12は−(CH−、−O−(CH−、−O−(CH−O−CH−、または−(OCHCH−O−CH−であり、rは1〜10の整数であり、そしてsは2〜5の整数である。
は水素、フッ素、シアノ、または炭素数1〜3のアルキルであり、このアルキルにおける任意の水素はフッ素で置き換えられてもよい。そして、Rは水素、−CHまたは−Cである。
化合物(1)の好ましい例は、式(3)で表される化合物である。

Figure 0004899386
式(3)における記号は次のような意味を有する。
は独立して水素、フッ素、炭素数1〜5のアルキル、−CF、−CFH、−CHO、−COOH、−CHOH、−COH、−COOCH、−COOC、−OCH、−OC、−OCOCH、−CHOCH、−CHOC、または−CHOCOCHであって、Rの少なくとも1つは−CHO、−COOH、−CHOH、−COH、−COOCH、−COOC、−OCH、−OC、−OCOCH、−CHOCH、−CHOC、または−CHOCOCHである。好ましいRは、独立して水素、フッ素、炭素数1〜3のアルキル、−CF、−COOCH、−COOC、−OCOCH、−CHOCH、−CHOC、または−CHOCOCHである。そしてこのとき、Rの少なくとも1つは−COOCH、−COOC、−OCOCH、−CHOCH、−CHOC、または−CHOCOCHである。
Aは独立して1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイル、またはテトラヒドロナフタレン−2,6−ジイルである。この1,4−フェニレンにおいて、任意の水素はフッ素または塩素で置き換えられてもよく、そして1つまたは2つの水素はシアノ、メチル、エチル、メトキシ、ヒドロキシ、ジフルオロメチルまたはトリフルオロメチルで置き換えられてもよい。
は独立して単結合、−O−、−(CH−、−CH=CH−、−C≡C−、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−(CH−、−(CHCOO−、または−OCO(CH−である。
mおよびnは独立して0、1または2であって、mとnの和は1〜4である。mとnの和の好ましい例は1および2である。
11およびZ12は、独立して単結合または炭素数1〜20のアルキレンである。このアルキレンにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH−は−O−で置き換えられてもよく、1つまたは2つの−CH−は−COO−または−OCO−で置き換えられてもよく、そして1つの−CH−は−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよい。好ましいZ11は−(CH−、−(CH−O−、または−(CHCHO)−であり、そして好ましいZ12は−(CH−、−O−(CH−、−O−(CH−O−CH−、または−(OCHCH−O−CH−である。これらの基において、rは1〜10の整数であり、そしてsは2〜5の整数である。
は式(2−1)または式(2−2)で表される基である。

Figure 0004899386
式(2−1)におけるRは水素または炭素数1〜5のアルキルであり、このアルキルにおける任意の水素はフッ素で置き換えられてもよい。
は式(2−3)または式(2−4)で表される基である。

Figure 0004899386
これらの式におけるRは水素または炭素数1〜8のアルキルであり、このアルキルにおける任意の水素はフッ素で置き換えられてもよい。
式(3)は、下記の式(3−1)〜式(3−8)に具体化される。

Figure 0004899386
式(3−1)〜式(3−8)における記号は次のような意味を有する。
は、独立して水素、フッ素、−CF、炭素数1〜3のアルキル、−COOCH、−COOC、−OCOCH、−CHOCH、−CHOC、または−CHOCOCHであって、Rの少なくとも1つは−COOCH、−COOC、−OCOCH、−CHOCH−CHOC、または−CHOCOCHである。
Aは、独立して1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、3−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、または2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレンである。
は独立して単結合、−COO−または−OCO−である。
11は−(CH−、−(CH−O−、または−(CHCHO)−であり、Z12は−(CH−、−O−(CH−、−O−(CH−O−CH−、または−(OCHCH−O−CH−であり、rは1〜10の整数であり、そしてsは2〜5の整数である。
は水素、フッ素、シアノ、−CHまたは−CFである。そして、Rは水素、−CHまたは−Cである。
式(3−1)〜式(3−8)の好ましい態様は、これらの式における記号が次のような意味を有する場合である。
は独立して水素、フッ素、−COOCH、−COOC、−OCOCH、または−CHOCOCHであって、Rの少なくとも1つは−COOCH、−COOC、−OCOCH、または−CHOCOCHである。
Aは独立して1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、または3−フルオロ−1,4−フェニレンである。
は独立して単結合、−COO−または−OCO−である。
11は−(CH−、−(CH−O−、または−(CHCHO)−であり、Z12は−(CH−、−O−(CH−、−O−(CH−O−CH−、または−(OCHCH−O−CH−であり、rは1〜10の整数であり、そしてsは2〜5の整数である。
は水素、フッ素、または−CHである。そしてRは水素、−CHまたは−Cである。
式(3−1)〜式(3−8)の好ましい例は、式(3−1)〜式(3−4)のいずれか1つであって、これらの式における記号が次のような意味を有する場合である。
は独立して水素、フッ素、−COOCHまたは−COOCであって、Rの少なくとも1つは−COOCHまたは−COOCである。
Aは独立して1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、または3−フルオロ−1,4−フェニレンである。
は独立して−COO−または−OCO−である。
11は−(CH−、または−(CH−O−であり、Z12は−(CH−、−O−(CH−または−O−(CH−O−CH−であり、そしてrは1〜10の整数である。
は水素または−CHである。そして、Rは水素である。
式(3−1)〜式(3−8)についての別の好ましい例は、式(3−5)〜式(3−8)のいずれか1つであって、これらの式における記号が次のような意味を有する場合である。
は独立して水素、フッ素、−COOCHまたは−COOCであって、Rの少なくとも1つは−COOCHまたは−COOCである。
Aは独立して1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、または3−フルオロ−1,4−フェニレンである。
は独立して−COO−または−OCO−である。
11は−(CH−、または−(CH−O−であり、Z12は−(CH−、−O−(CH−または−O−(CH−O−CH−であり、そしてrは2〜10の整数である。
は水素または−CHである。そしてRは水素である。
式(3−1)〜式(3−8)のより好ましい例は、式(3−1)または式(3−3)であって、これらの式における記号が次のような意味を有する場合である。
は独立して水素、フッ素、−COOCHまたは−COOCであって、Rの少なくとも1つは−COOCHまたは−COOCである。
Aは1,4−フェニレンである。
は独立して−COO−または−OCO−である。
11は−(CH−、または−(CH−O−であり、Z12は−(CH−、−O−(CH−または−O−(CH−O−CH−であり、そしてrは2〜6の整数である。
そして、RおよびRは共に水素である。
式(3−1)〜式(3−8)についての別のより好ましい例は、式(3−5)または式(3−7)であって、これらの式における記号が次のような意味を有する場合である。
は独立して水素、フッ素、−COOCHまたは−COOCであって、Rの少なくとも1つは−COOCHまたは−COOCである。
Aは1,4−フェニレンである。
は独立して−COO−または−OCO−である。
11は−(CH−、または−(CH−O−であり、Z12は−(CH−、−O−(CH−または−O−(CH−O−CH−であり、そしてrは2〜6の整数である。
は水素である。そしてRは水素、−CHまたは−Cである。
式(3−1)〜式(3−8)のさらに好ましい例は、式(3−1)または式(3−3)であって、これらの式における記号が次のような意味を有する場合である。
は独立して水素または−COOCHであって、Rの少なくとも1つは−COOCHである。
Aは1,4−フェニレンである。
は独立して−COO−または−OCO−である。
11は−(CH−、または−(CH−O−であり、Z12は−O−(CH−O−CH−であり、そしてrは2〜6の整数である。
そして、RおよびRは共に水素である。
式(3−1)〜式(3−8)についての別のさらに好ましい例は、式(3−5)または式(3−7)であって、これらの式における記号が次のような意味を有する場合である。
は独立して水素または−COOCHであって、Rの少なくとも1つは−COOCHである。
Aは1,4−フェニレンである。
は独立して−COO−または−OCO−である。
11は−(CH−、または−(CH−O−であり、Z12は−O−(CH−O−CH−であり、そしてrは2〜6の整数である。
そして、RおよびRは共に水素である。
本発明の化合物の1つの特徴はベンゼン環に前記のような置換基を有することである。このような嵩高い置換基、特にカルボニル基を有することにより、CN点を下げることができ、加えて高いNI点を維持することができる。側方位にこのような置換基を持たない、例えば特許文献3に記載されている下記の化合物を主要成分とする組成物と比較するとき、本発明の化合物を主要成分とする組成物は、上記のような特性に加えて、例えば、ネマチック相の熱安定性においても優位性を有する。

Figure 0004899386
その他、本発明の化合物は、室温で重合しやすい、空気中でも重合しやすい、液晶相の温度範囲が広い、化学的に安定である、無色である、溶媒に溶けやすい、他の重合性化合物との相溶性がよい、支持基板に対する付着張力が小さい、などの特性を有する。アクリル基を有する液晶化合物の重合は、窒素の雰囲気下で行なうのが好ましいが、この化合物は空気中で重合させてもよい。この化合物は、小さい積算光量の紫外線を照射しても容易に重合する。この化合物は化学的に安定なので、保存安定性に優れる。この化合物は他の重合性化合物との相溶性がよいので、種々の組成を有する組成物が得られる。この化合物は支持基板に対して濡れやすいので、均一な塗膜(paint film)が得られ易い。これらのなかでも重要なのは、空気中でも重合する、重合しやすい、液晶相の温度範囲が広い、均一な塗膜が得られ易い、などの特性である。
このような化合物から得られる重合体は次の特徴を有する。この重合体は、光学異方性を有する、支持基板から剥離しにくい、充分な硬度を有する、耐熱性が大きい、無色透明である、耐候性が大きい、光弾性(photoelasticity)が小さい、などの物性を有する。この重合体は、耐衝撃性、加工性、電気特性、耐溶剤性などの特性にも優れる。これらのなかでも重要なのは、支持基板から剥離しにくい、充分な硬度を有する、耐熱性が大きい、などの特性である。本発明の化合物は、分子中に異なる重合性基を有するため、ポストポリメリゼイションが可能であり、高架橋密度のポリマーとすることができる。
化合物(1)は、紫外線などの照射によって、空気の雰囲気下であっても容易に室温で重合する。この理由は、オキシラン環を有する化合物(1)は開始反応が早いからであり、そしてオキセタン環を有する化合物(1)は重合速度が大きいからである。化合物(1)は配向膜などによって容易に配向する。従って、得られた重合体には、配向の欠陥がないか、または少ないと考えられる。
本発明の化合物は、側鎖R、環A、結合基Z、および結合基Zを適切に選択することによって、大きい誘電率異方性、小さい誘電率異方性、大きい光学異方性、小さい光学異方性、小さい粘度などの物性を調整することができる。例えば、Zの炭素数によって液晶相の温度範囲を調整することができる。炭素数が少ない単量体は大きな耐熱性の重合体を与える傾向がある。Aが1,4−フェニレンであるとき、本発明の化合物の光学異方性は大きい。Zの少なくとも1つが−COO−または−OCO−であるとき、本発明の化合物は、より良好な液晶性を有する。
本発明の化合物は、H(重水素)または13Cなどの同位体元素を自然に存在する割合より多く含んでもよい。このような場合でも化合物の物性に大きな差異はない。
本発明の化合物の物性は、その重合体の物性に反映される。物性のなかでも光学異方性が本発明の目的にとっては重要である。本発明の化合物を含有する組成物を支持基板上で重合させたとき、得られた重合体は支持基板から剥離しにくい。前記の化合物(3−1)〜化合物(3−8)のうち、化合物(3−3)および化合物(3−7)は、粘度が小さいので、組成物の粘度を下げるにのに適している。化合物(3−1)および化合物(3−5)は、液晶相の温度範囲が広いので、組成物における液晶相の温度範囲を広げるのに適している。
次に、化合物(1)の合成法を説明する。化合物(1)は、フーベン・ヴァイル(Houben Wyle, Methoden der Organischen Chemie, Georg Thieme Verlag, Stuttgart)、オーガニック・リアクションズ(Organic Reactions, John Wily & Sons Inc.)、オーガニック・シンセセーズ(Organic Syntheses, John Wily & Sons, Inc.)、コンプリヘンシブ・オーガニック・シンセシス(Comprehensive Organic Synthesis, Pergamon Press)、新実験化学講座(丸善)などに記載された、有機化学における合成方法を適切に組み合わせることにより合成できる。
化合物(1)を合成するための出発原料の1つは2、5−ヒドロキシ安息香酸メチルであり、市販品を利用できる。
オキシラン環はオレフィンの過酸化物によるエポキシ化反応により生成する。過酸化物には過酸化水素、過酢酸、m−クロロ過安息香酸などを用いることができる。オキセタン環については、3−アルキル−3−オキセタンメタノールを出発物として利用することができる。3−エチル−3−オキセタンメタノールおよび3−メチル−3−オキセタンメタノールが市販されている。文献の方法に従って、これらの化合物と1,2−ジブロモエタン、1,4−ジブロモブタン、1,6−ジブロモヘキサン、1,8−ジブロモオクタンなどのα,ω−ジブロモアルカンとを反応させることによって、鎖長を延ばすことができる。文献は、Macromolecules, 24, 4531−4537 (1991)である。結合基Z11、Z11またはZの生成法は、公開2003−277359公報(段落0040〜0053)に開示されている。化合物(3)の合成スキームを例示する。
スキーム1

Figure 0004899386

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化合物(1)の具体例を次に示すが、本発明はこの例示によって制限されない。
Figure 0004899386

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次に、本発明の組成物について説明する。この組成物は第一成分として化合物(1)の少なくとも1つを含有する。この組成物は、通常は複数の化合物の混合物を意味するが、1つの化合物(1)であっても組成物ということがある。第一成分を含有する組成物を重合させることによって光学異方性を有する重合体が得られる。重合性化合物が第一成分のみであってもよい。この組成物は次のような組成物A、B、C、Dなどに分類される。組成物Aは、化合物(1)の群から選ばれた1つの化合物である。組成物Bは、化合物(1)の群から選ばれた少なくとも2つの化合物からなる組成物である。組成物Cは、第一成分として化合物(1)の群から選ばれた少なくとも1つの化合物と第二成分として他の重合性化合物の群ら選ばれた少なくとも1つの化合物とからなる組成物である。組成物Dは非重合性の化合物をさらに含有する組成物A、BまたはCである。その他の成分の含有量は、組成物がその液晶性を損なわない程度が好ましい。組成物の成分を構成する原子がその同位体を天然存在比より多く含んでいても、同様の特性を示すので好ましい。
「他の重合性化合物」は、化合物(1)とは異なる重合性化合物(単量体)である。他の重合性化合物は、得られる重合体の特性を改善したり、修飾したりするのに有用である。他の重合性化合物は光学活性であってもよいし、または光学的に非活性であってもよい。光学的に非活性な重合性化合物の好ましい例は、オキシラニル基を有する化合物、オキセタニル基を有する化合物、ビニルオキシ基を有する化合物、ビニル基を有する化合物、アクリル基を有する化合物、メタアクリル基を有する化合物などである。これらの化合物の例は、特開平8−3111号公報などに記載されている。
第二成分(他の重合性化合物)として用いることができる好ましい化合物の例を、カチオン重合性化合物に限定して次に示す。

Figure 0004899386

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これらの式において、Rは水素、フッ素、塩素、−CN、−OCF、炭素数1〜20のアルキル、または炭素数1〜20のアルコキシであり、Rは水素または炭素数1〜5のアルキルであり、WおよびWは独立して水素、塩素、フッ素、またはシアノであり、WおよびWは独立して水素、塩素、フッ素、シアノ、メチル、エチル、プロピル、またはトリフルオロメチルであり、XおよびXは独立して単結合または−O−であり、そしてo、pおよびrは独立して1〜20の整数である。
組成物Cは、エチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルモノビニルエーテル、t−アミルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールメチルビニルエーテル、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−メチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、ジ(3−エチル−オキセタ−3−イルメチル)、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタンのような化合物をさらに含有してもよい。これらの化合物は、組成物の粘度を調整するのに適している。これらの化合物は、組成物を塗布するとき、塗膜の厚さを均一にする効果が大きい。重合性の光学活性な化合物は液晶相にらせん構造を誘起する。大きならせん誘起力(helical twist power)を有する化合物が好ましい。重合性の光学活性な化合物の好ましい例は化合物(OP1)〜化合物(OP14)である。
Figure 0004899386
Figure 0004899386
これらの式において、Rは水素または炭素数1〜5のアルキルであり、WおよびWは独立して水素、塩素、フッ素、またはシアノであり、WおよびWは独立して水素、塩素、フッ素、シアノ、メチル、エチル、プロピル、またはトリフルオロメチルであり、Xは単結合または−O−であり、o、pおよびrは独立して1から20の整数であり、そして*は不斉炭素であることを示す。化合物(OP10)〜化合物(OP13)は軸不斉である。
組成物Dは、液晶化合物、光学活性な化合物のような非重合性の化合物を含有する。液晶化合物の例は、富士通九州エンジニアリング社が販売する液晶化合物データベース(登録商標:LiqCryst)などに記載されている。このような化合物は、組成物の粘度を調整する、液晶相の温度範囲を調整する、という役割が期待できる。光学活性な化合物、組成物のピッチを調整するという役割が期待できる。
組成物Cにおける第二成分の別の好ましい例として、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエチレンオキサイド付加トリアクリレート、ペンタエリストールトリアクリレート、トリスアクリロキシエチルフォスフェート、ビスフェノールA エチレンオキサイド付加ジアクリレート、ビスフェノールAグリシジルジアクリレート(大阪有機化学株式会社製、商品名:ビスコート700)、およびポリエチレングリコールジアクリレートを挙げることができる。これらの化合物は、組成物の粘度を調整するのに適している。これらの化合物は、組成物を塗布するとき、塗膜の厚さを均一にする効果が大きい。化合物(1)ではないその他の化合物であって、前記の光学活性化合物(化合物(OP1)〜化合物(OP13))以外の光学活化合物の例(化合物(Op−1)〜化合物(Op−25))を次に示す。

Figure 0004899386

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液晶組成物は、光学活性化合物や二色性色素などを含有してもよい。光学活性化合物を含有する組成物は螺旋構造を示すので、これを重合することで螺旋構造を持つ位相差板を製造できる。螺旋のピッチが光の波長の1/2程度〜同程度であれば、その波長を持つ光をブラッグの法則に従い選択的に反射することができる。これは、例えば、円偏光分離機能素子として使用できる。光学活性化合物は螺旋構造を誘起できれば重合性であっても非重合性であっても構わない。螺旋の向きは光学活性化合物の立体配置に依存する。光学活性化合物の立体配置を適時選択することで所望の螺旋方向を誘起できる。そして、光学活性である化合物(1)を用いることによっても、この目的を達成することができる。液晶組成物の成分である化合物(1)のすべてが光学活性化合物であってもよいし、その一部が光学活性化合物であってもよい。本発明の液晶組成物は、光学活性である化合物として、光学活性である化合物(1)と化合物(1)以外の光学活性化合物の両方をを含有してもよいし、片方のみを含有してもよい。光学活性である化合物(1)の詳細については後述する。化合物(1)以外の光学活性化合物のうち、非重合性光学活性化合物としては化合物(Op−1)〜化合物(Op−12)および化合物(Op−23)〜化合物(Op−25)が、重合性光学活性化合物としては化合物(Op−13)〜化合物(Op−22)が好適である。
組成物Dは、本発明の化合物以外の液晶化合物、および/または非重合性の化合物を含有する。液晶化合物の例は、富士通九州エンジニアリング社が販売する液晶化合物データベース(登録商標:LiqCryst)などに記載されている。このような化合物は、組成物の粘度を調整する、液晶相の温度範囲を調整する、という役割が期待できる。光学活性な化合物、組成物のピッチを調整するという役割が期待できる。
好ましい組成物は、第二成分としてその他の重合性液晶化合物を含有する組成物Cである。その他の重合性液晶化合物として、化合物(BRM−1)〜化合物(BRM−16)を挙げることができる。
Figure 0004899386

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式(BRM−1)〜式(BRM−16)において、Pは、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、フマロイルオキシ基、マレイミジル基を含む重合性基であり、γは、炭素数2〜15のアルキレンであり、δは0または1を示し、Xは、炭素数1〜15のアルキルまたはアルコキシ、ハロゲン、炭素数1〜3のハロゲン化アルキルまたはアルコキシ、−CN、または−O(CH2γであり、L、L、LおよびLは独立に、水素、ハロゲン、炭素数1〜15のアルキル、アルコキシ、炭素数1〜3のハロゲン化アルキル、アルコキシを示すが、LおよびLの一方がトリフルオロメチルである場合、他方は水素でない。
中でも特に好適な液晶性を有するその他の重合性液晶化合物の例は、下記の化合物(BRM−a−1)〜(BRM−a−11)および化合物式(BRM−b−1)〜化合物(BRM−b−13)であるが、同様な物性を有する液晶性化合物であれば、いずれも好適に使用できるので、この例示が本発明の組成物の構成を制限するものではない。

Figure 0004899386

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上記の液晶性を有するその他の重合性化合物のうち、液晶性アクリル酸誘導体を除く化合物においては、その重合に要する時間がアクリル酸誘導体より長い場合がある。しかしながら、これらの重合性化合物は、副生物の生成を抑制し、ポリマーの機械強度および熱安定性を向上させるので有用である。本発明の重合体の特徴を維持し、且つ、この様な共重合体の特徴を顕著に発現させるためには(1)の重合体構成単位以外の構成単位を好ましくは5〜95モル%、より好ましくは60〜95モル%含有することが必要である。(1)の重合体構成単位の構成単位のうち、液晶性を示す構成単位及び液晶性を示さない構成単位それぞれについてはこの範囲内で自由に変更することができ、それらの合計量が上述する範囲内であれば良い。また、どちらか一方だけでも良い。液晶性を有する(1)以外の重合性化合物として、例えば、化合物(BRM−1)〜化合物(BRM−16)をあげる事ができる。
特に好ましい非液晶性の化合物は、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、塩化ビニル、フッ化ビニル、酢酸ビニル、ピバリン酸ビニル、2,2−ジメチルブタン酸ビニル、2,2−ジメチルペンタン酸ビニル、2−メチル−2−ブタン酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、2−エチル−2−メチルブタン酸ビニル、N−ビニルアセトアミド、p−t−ブチル安息香酸ビニル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸ビニル、安息香酸ビニル、スチレン、o−、m−またはp−クロロメチルスチレン、α−メチルスチレン、エチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルモノビニルエーテル、t−アミルビニルエーテル、およびシクロヘキサンジメタノールメチルビニルエーテル、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロペンである。好ましい多官能アクリレートの例は前記の通りである。
液晶性を有するその他の重合性化合物のうち液晶性アクリル酸誘導体は、透明で機械的強度の大きいポリマーを与えるので好ましい。この化合物は、重合性組成物の液晶相を示す温度の範囲を調製するために用いることもできる。
A、B、C、Dなどの組成物は、必要に応じてさらに添加物を含有してもよい。重合体の物性を調整するための添加物は、界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、微粒子などである。単量体を重合させるための添加物は、重合開始剤、増光剤などである。組成物を希釈するためには有機溶媒が好ましい。これらの添加物の量は、その目的を達する程度の少ない量が好ましい。
界面活性剤は組成物を支持基板などに塗布するのを容易にする、液晶相の配向を制御する、などの効果を有する。界面活性剤の例は、4級アンモニウム塩、アルキルアミンオキサイド、ポリアミン誘導体、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物、ポリエチレングリコールおよびそのエステル、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸アミン類、アルキル置換芳香族スルホン酸塩、アルキルリン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩などである。界面活性剤の好ましい量は、界面活性剤の種類、組成物の組成比などにより異なるが、光重合性の液晶組成物の重量に基づいて100ppmから5重量%の範囲である。さらに好ましい量は0.1から1重量%の範囲である。
好ましい酸化防止剤は、ヒドロキノン、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、トリフェニルフォスファイト、トリアルキルフォスファイトなどである。好ましい市販品は、チバスペシャリティー社製のイルガノックス245、イルガノックス1035などである。
好ましい紫外線吸収剤は、チバスペシャリティー社製のチヌビンPS、チヌビン213、チヌビン109、チヌビン328、チヌビン384−2、チヌビン327などである。光学異方性を調整したり、重合体の強度を上げるために、微粒子を添加してもよい。好ましい微粒子の材質は、無機物、有機物、金属などである。好ましい無機物は、セラミックス、フッ素金雲母、フッ素四ケイ素雲母、テニオライト、フッ素バーミキュライト、フッ素ヘクトライト、ヘクトライト、サポナイト、スチブンサイト、モンモリロナイト、バイデライト、カオリナイト、フライポンタイト、ZnO、TiO、CeO、Al、Fe、ZrO、MgF、SiO、SrCO、Ba(OH)、Ca(OH)、Ga(OH)、Al(OH)、Mg(OH)、Zr(OH)などである。炭酸カルシウムの針状結晶などの微粒子は光学異方性を有する。このような微粒子によって、重合体の光学異方性を調節できる。
好ましい有機物は、カーボンナノチューブ、フラーレン、デンドリマー、ポリビニルアルコール、ポリメタクリレート、ポリイミドなどである。微粒子の好ましい粒径は、0.001〜0.1μmである。より好ましい粒径は0.001〜0.05μmである。材質にもよるが、凝集現象を防止するために、小さい粒径が好ましい。粒径の分布はシャープな方が好ましい。好ましい添加量は、0.1〜30重量%である。添加の目的を達する限り、少ない割合が好ましい。
本発明の化合物および組成物は高い重合性を有する。取扱いを容易にするために、安定剤を添加することも可能である。安定剤として、当該業者に公知のものであればいずれのものでも使用できるが、例えば、ハイドロキノン、4−エトキシフェノールおよび3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(BHT)があげられる
重合体を製造するには、用途によって重合法を選択することが好ましい。例えば、位相差フィルムや偏光素子などの光学異方性膜を製造するには、液晶状態を保持したまま重合させるので、紫外線あるいは電子線等のエネルギーを照射する方法が好ましい。重合体が液晶性を示す場合には、重合体を薄膜に成形しても同様な用途に活用できる。このような光学異方性重合体は、例えば特開平7−294735号公報、特開2000−131684公報、特開2001−55573公報、特開2001−222009公報、特開2002−69107公報、WO01/20392A1パンフレット等に記載の方法を参照することにより製造することができる。
化合物(1)は光での重合性が極めて高く、そのままの状態で光重合により重合体(1)を製造できるが、反応時間を短縮するために開始剤を使用できる。
光カチオン重合開始剤は、特に組成物(C1)〜組成物(C13)に適している。好ましい開始剤は、ジアリールヨードニウム塩(以下DASと略す)、トリアリールスルホニウム塩(以下TASと略す)などである。
DASの例は、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスホネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ジフェニルヨードニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスホネート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネートなどである。
DASと光増感剤の組み合わせは好ましい。光増感剤の例は、チオキサントン、フェノチアジン、クロロチオキサントン、キサントン、アントラセン、ジフェニルアントラセン、ルブレンなどである。
TASの例は、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスホネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネー、トリフェニルスルホニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスホネート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフェニルスルホニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスホネート、4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネートなどである。
光カチオン重合に用いる開始剤の商品名の例は、みどり化学(株)のDTS−102などである。この例は、UCC社のサイラキューアーUVI−6990、サイラキュアーUVI−6974、サイラキュアーUVI−6992などである。この例は、旭電化(株)のアデカオプトマーSP−150、SP−152、SP−170、SP−172などである。この例は、ローディア社のPHOTOINITIATOR2074、チバスペシャリティー社のイルガキュアー250、GEシリコンズ社のUV−9380C、などである。
溶媒の例は、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、n−ブチルベンゼン、ジエチルベンゼン、テトラリン、メトキシベンゼン、1,2−ジメトキシベンゼン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、ジクロロエタン、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、t−ブチルアルコール、ジアセトンアルコール、グリセリン、モノアセチン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブなどである。溶媒は単一化合物であってもよいし、または混合物であってもよい。
光によるラジカル重合の好ましい開始剤は、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(商品名:ダロキュアー1173)、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名:イルガキュアー184)、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(商品名:イルガキュアー651)、イルガキュアー500(商品名)、イルガキュアー2959(商品名)、イルガキュアー907(商品名)、イルガキュアー369(商品名)、イルガキュアー1300(商品名)、イルガキュアー819(商品名)、イルガキュアー1700(商品名)、イルガキュアー1800(商品名)、イルガキュアー1850(商品名)、ダロキュアー4265(商品名)、イルガキュアー784(商品名)、p−メトキシフェニル−2,4−ビス(トリクロロメチル)トリアジン、2−(p−ブトキシスチリル)−5−トリクロロメチル−1,3,4−オキサジアゾール、9−フェニルアクリジン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2,4−ジエチルキサントン/p−ジメチルアミノ安息香酸メチルとの混合物などである。なお、ダロキュアーおよびイルガキュアーは、チバ・スペシャリティー・ケミカル(株)の商品名である。
熱によるラジカル重合の好ましい開始剤は、過酸化ベンゾイル、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、ジ−t−ブチルパーオキシド、t−ブチルパーオキシジイソブチレート、過酸化ラウロイル、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリルなどである。重合は一般的に0〜150℃の反応温度で、1〜100時間で行う。
アニオン重合、カチオン重合、配位重合の好ましい開始剤及び触媒は、n−CLi、t−CLi−RAlなどのアルカリ金属アルキル、アルミニウム化合物、遷移金属化合物などである。
重合する際には溶剤を用いてもよい。好ましい溶剤は、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、テトラヒドロフラン、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、およびこれらの混合溶剤である。配向膜、反射防止膜、視野角補償膜などの製造を光重合によって行う場合には、前述の組成物の溶液を基板上にスピンコート法で塗布し、溶剤を除去したのち光を照射して重合させてもよい。
単離した重合体を成形するには、溶剤に溶解してから用いるとよい。好ましい溶媒は、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドジメチルアセタール、テトラヒドロフラン、クロロホルム、1,4−ジオキサン、ビス(メトキシエチル)エーテル、γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、トリフルオロ酢酸、トリフルオロ酢酸エチル、およびヘキサフルオロ−2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロパノールアセテートである。しかし、溶剤はこれらに制限されることはなく、アセトン、ベンゼン、トルエン、ヘプタン、塩化メチレンなど一般的な有機溶剤との混合物であってもよい。塗布に際し均一な膜厚を得る方法としては、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法またはメニスカスコート法等を挙げることができる。光学異方性体の厚さは、所望する位相差値や光学異方性体の複屈折率により一様でないが、好ましくは0.05〜50μm、より好ましくは0.1〜20μm、さらに好ましくは0.5〜10μm程度である。光学異方性体はヘイズ値が1.5%以下、透過率で80%以上であることが好ましく、より好ましくはヘイズ値が1.0%以下、透過率で85%以上である。該透過率は可視光領域でこれらの条件を満たすことが好ましい
式(1)で表される構成単位を有する重合体は、光学的異方性を有するので、単独で位相差フィルムに使用できる。この重合体を他の位相差フィルムと組み合わせることにより、偏光板、円偏光板、楕円偏光板、反射防止膜、色補償板、視野角補償板などに利用できる。
本発明の重合体は、良好な光学異方性、高い透明性、良好な化学的安定性、良好な耐熱性、低い吸水性、低いガス透過度、良好な硬度、良好な機械的強度などの特性を有する。機械的強度はヤング率、引っ張り強度、引き裂き強度、曲げ強度、曲げ弾性率、衝撃強度などである。この重合体は、化合物(1)の重合性基に由来する構成単位を有する。
本発明の重合体を得るための重合方法は、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合、配位重合、リビング重合などから選択できる。好ましい反応温度は0〜150℃の範囲である。好ましい反応時間は1〜100時間である。得られる重合体の種類は、単独重合体、ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体などである。用途に適した重合法および重合体を選択するのが好ましい。重合体(1)は、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂である。化合物(1)のRのみを重合させて得られる熱可塑性樹脂の好ましい重量平均分子量は500から1,000,000の範囲である。さらに好ましい重量平均分子量は1,000から500,000である。特に好ましい重量平均分子量は5,000から100,000である。このような重合体(1)は溶媒に可溶であるので、用途に適した形状に成形するのが容易である。化合物(1)のRを重合させた後にQを重合させると、熱硬化性樹脂が得られる。熱硬化性樹脂は三次元の架橋構造を有する。このような重合体(1)は溶媒に不溶であるので、分子量を測定することができない。基板上に本発明の組成物を塗布重合し分子の配向を固定し光学異方性を得る場合、更に加工を施すことがないので、分子量の大小は問題とならない。使用環境において条件を満足すれば良い。より分子量を上げるために、架橋剤を添加することも可能である。分子量は無限大となり、耐薬品性および耐熱性に極めて優れた重合体を得る事が可能である。架橋剤として、当該業者に公知のものであればいずれのものでも使用できるが、例えば、トリス(3−メルカプトプロピオネート)があげられる。配向の優れた重合体を得るときは、光の照射によるカチオン重合がに好ましい。組成物が液晶である条件下で、重合を行なわせるのが容易だからである。
熱重合や光重合によって得られた重合体は、各種の保護膜、液晶配向膜、視野角補償膜などに利用できる。偏光させた紫外線は重合性分子を偏光の方向に揃えて重合させるので、ラビングを必要としない配向膜などへの応用も可能である。配向薄膜はスピンコート法、ラングミュアー・ブロージェット法または印刷法などを用いて形成できる。得られる薄膜の膜厚は、液晶の配向制御などの点で1〜100nmが好ましい。
好ましい光の種類は、紫外線、可視光線、赤外線などである。電子線、X線などの電磁波を用いてもよい。通常は、紫外線または可視光線が好ましい。好ましい波長の範囲は150〜500nmである。さらに好ましい範囲は250〜450nmであり、最も好ましい範囲は300〜400nmである。光源は、低圧水銀ランプ(殺菌ランプ、蛍光ケミカルランプ、ブラックライト)、高圧放電ランプ(高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ)、またはショートアーク放電ランプ(超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、水銀キセノンランプ)などである。好ましい光源は超高圧水銀ランプである。光源からの光はそのまま組成物に照射してもよい。フィルターによって選択した特定の波長(または特定の波長領域)を組成物に照射してもよい。好ましい照射エネルギー密度は、2〜5000mJ/cm2である。さらに好ましい範囲は10〜3000mJ/cm2である。特に好ましい範囲は100〜2000mJ/cm2である。好ましい照度は0.1〜5000mW/cmである。さらに好ましい照度は1〜2000mW/cmである。組成物が液晶相を有するように、光を照射するときの温度を設定する。好ましい照射温度は100℃以下である。100℃以上の温度では熱による重合が起こりうるので、良好な配向が得られないときがある。
本発明の重合体は、光学的異方性を有するので、単独で位相差フィルムに使用できる。この重合体を他の位相差フィルムと組み合わせることにより、偏光板、円偏光板、楕円偏光板、反射防止膜、色補償板、視野角補償板などに利用できる。
本発明の重合体は、式(1)から選択される少なくとも1つの化合物を含有する組成物(1)を重合させることによって得られる。この重合体を重合体(1)と表記する。この重合体は、良好な光学異方性、高い透明性、良好な化学的安定性、良好な耐熱性、低い吸水性、低いガス透過度、良好な硬度、良好な機械的強度などの特性を有する。機械的強度はヤング率、引っ張り強度、引き裂き強度、曲げ強度、曲げ弾性率、衝撃強度などである。
得られた重合体(1)は、フィルム、繊維、成形体などの形状で使用する。好ましい形状はフィルムである。フィルムは、重合性組成物を基板に塗布して重合させることによって得られる。フィルムは、重合体の溶液を配向させた基板に塗布し、溶媒を除去することによっても得られる。フィルムは、重合体をプレス成形することによっても得られる。
基板上に光学異方性薄膜を形成する場合、基板として、当該業者に公知のものであればいずれのものも好適に使用できる。例えば、ガラス、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリカーボナート(PC)、トリアセチルセルロース(TAC)、およびゼオノア(登録商標:ゼオン社製)およびゼオネックス(登録商標:ゼオン社製)、およびアートン(登録商標:JSR製)等のノルボルネン系重合物があげられる。本発明の重合物はこれらの基板との密着性に優れ好適である。
基板上での本発明の組成物の配向は、基板上に塗布した配向膜をラビング処理し、その上に本発明の組成物を塗布することで得られる。配向を制御できるものであれば、当該業者にとり公知の配向膜のいずれを用いても目的を達成できるが、ポリイミド、ポリアミドおよびポリビニールアルコール系配向膜が好適である。あるいは、基板自体をラビング布等でラビングし、直接本発明の組成物を塗布する事でも配向を得ることができる。配向した組成物は、光照射等で重合し光学異方性体を与えるので工業的に有利な手法である。
分子配列およびらせん構造の両方が固定化された重合体(1)は、位相差膜、偏光素子、円偏光素子、楕円偏光素子、反射防止膜、選択反射膜、色補償膜、視野角補償膜、液晶配向膜などの用途に適している。分子配列が固定化された重合体(1)は、位相差膜、円偏光素子、楕円偏光素子、選択反射膜、色補償膜、視野角補償膜などの用途に適している。らせん構造が固定化された重合体(1)は反射防止膜、色補償膜などに適している。分子配列およびらせん構造の両方が固定化されていない重合体(1)は反射防止膜、液晶配向膜などに適している。また、いずれの場合においても接着剤、機械的異方性を持つ合成高分子、化粧品、装飾品、非線型光学材料および情報記憶材料などとしても利用できる。
分子配列を固定化したり、らせん構造を固定化するには熱重合や光重合が適している。熱重合はラジカル重合開始剤の存在下で行なうのが好ましい。光重合は光ラジカル重合開始剤の存在下で行なうのが好ましい。例えば、光ラジカル重合開始剤の存在下、紫外線または電子線などを照射する重合法によって、分子が偏光の方向に配列した重合体が得られる。このような重合体は、ラビング処理をしなくても液晶配向膜などに使用できる。
位相差膜は、光学活性な化合物(1)を含有する組成物を重合することによって得られる。位相差膜は、光学的に不活性な化合物(1)および適当量の光学活性化合物を含有する組成物を重合することによっても得られる。これらの組成物は光学活性であるのでらせん構造を有する。配向処理をした基板上でこれらの組成物を重合するとき、らせん構造および分子配列が固定された重合体が得られる。位相差膜の特性は、らせん構造におけるピッチに依存する。このらせんピッチは、光学活性化合物の種類および添加量により調整できる。この添加量は、通常0.01〜50重量%、好ましくは1〜30重量%である。光学活性化合物は1つでもよいが、らせんピッチの温度依存性を相殺する目的で複数の光学活性化合物を添加してもよい。
単離した重合体は、溶媒に溶かしてフィルムなどに加工することができる。2つの重合体を混合して加工してもよい。重合体を積層させてもよい。好ましい溶媒は、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドジメチルアセタール、テトラヒドロフラン、クロロホルム、1,4−ジオキサン、ビス(メトキシエチル)エーテル、γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、トリフルオロ酢酸、トリフルオロ酢酸エチル、ヘキサフルオロ−2−プロパノール、2−メトキシエチルアセテート、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどである。これらの溶媒は、アセトン、ベンゼン、トルエン、ヘプタン、塩化メチレンなど一般的な有機溶媒と混合させてもよい。
化合物(1)を単量体として使用することによって熱硬化性樹脂も製造できる。2つの重合性基を有する化合物を主成分にした組成物から、この樹脂が得られる。この樹脂は、三次元の架橋構造を有するので、溶媒に溶けないし、融解しない。したがって、分子量を測定できない。
重合体の形状は、フィルム、板などである。重合体は成形されてもよい。フィルムの重合体を得るには、一般に支持基板が用いられる。支持基板の上に組成物を塗布し、液晶相を有している塗膜(paint film)を重合させるとフィルムが得られる。好ましい重合体の厚さは、重合体の光学異方性の値および用途に依存する。従って、その範囲を厳密に決定することはできないが、好ましい厚さは0.05〜50μmの範囲であり、より好ましい厚さは0.1〜20μmの範囲である。特に好ましい厚さは0.5〜10μmの範囲である。これらの重合体のヘイズ値(haze value;曇り度)は、概して1.5%以下である。これらの重合体の透過率は、可視光領域において一般的に80%以上である。したがって、これらの重合体は液晶表示素子に用いる光学異方性の薄膜として適している。
支持基板の例は、トリアセチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリイミド、ポリエステル、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどである。商品名の例は、JSR(株)の「アートン」、日本ゼオン(株)の「ゼオネックス」および「ゼオノア」、三井化学(株)の「アペル」などである。支持基板は一軸延伸フィルム、二軸延伸フィルムなどである。好ましい支持基板はトリアセチルセルロースフィルムである。このフィルムを前処理することなくそのまま用いてもよい。このフィルムは、必要に応じて、鹸化処理、コロナ放電処理、UV−オゾン処理などの表面処理を行ってもよい。その他の例は、アルミニウム、鉄、銅などの金属製の支持基板、アルカリガラス、ホウ珪酸ガラス、フリントガラスなどのガラス製の支持基板などである。
基板上に光学異方性薄膜を形成する場合、基板として、当該業者に公知のものであればいずれのものも好適に使用できる。例えば、ガラス、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリカーボナート(PC)、トリアセチルセルロース(TAC)、およびゼオノア(登録商標:ゼオン社製)およびゼオネックス(登録商標:ゼオン社製)、およびアートン(登録商標:JSR製)等のノルボルネン系重合物があげられる。本発明の重合物はこれらの基板との密着性に優れ好適である。
基板上での本発明の組成物の配向は、基板上に塗布した配向膜をラビング処理し、その上に本発明の組成物を塗布することで得られる。配向を制御できるものであれば、当該業者にとり公知の配向膜のいずれを用いても目的を達成できるが、ポリイミド、ポリアミドおよびポリビニールアルコール系配向膜が好適である。あるいは、基板自体をラビング布等でラビングし、直接本発明の組成物を塗布する事でも配向を得ることができる。配向した組成物は、光照射等で重合し光学異方性体を与えるので工業的に有利な手法である。
支持基板上の塗膜は、組成物をそのまま塗布することによって調製される。塗膜は、組成物を適切な溶媒に溶かして塗布したあと、溶媒を除去することによっても調製される。塗布の方法は、スピンコート、ロールコート、カテンコート、フローコート、プリント、マイクログラビアコート、グラビアコート、ワイヤーバーコード、デップコート、スプレーコート、メニスカスコート、流延成膜法などである。
液晶組成物の配向を決定する因子は、1)重合性化合物の化学構造、2)支持基板の種類、3)配向処理の方法、などである。項1)に関しては、重合性化合物の側鎖、環、結合基、重合性基などの種類に依存する。項2)に関しては、重合体、ガラス、金属などのような支持基板の材質に依存する。項3)に関しては、レーヨン布などで一方向にこする(ラビング)、酸化ケイ素を斜方蒸着させる、スリット状にエッチング加工する、などの方法がある。ラビング処理においては、支持基板を直接的にラビングしてもよい。支持基板をポリイミド、ポリビニルアルコールなどの薄膜でコーティングし、この薄膜をラビングしてもよい。ラビング処理をしなくても、良好な配向を与える特殊な薄膜も知られている。
液晶化合物における配向の分類は、ホモジニアス(homogenerous;平行)、ホメオトロピック(homeotropic;垂直)、ハイブリッド(hybrid)、チルト(tilt)、ツイスト(twist)などである。ホモジニアスは、配向ベクトルが基板に平行で、かつ一方向にある状態をいう。ホメオトロピックは、配向ベクトルが基板に垂直である状態をいう。ハイブリッドは、配向ベクトルが基板から離れるにしたがって、平行から垂直に立ちあがっている状態をいう。チルトは、配向ベクトルが基板に対して、一定の傾き角で起きあがっている状態をいう。これらの配向は、ネマチック相などを有する組成物で観察される。一方、ツイスト配向は、キラルなネマチック相、コレステリック相などを有する組成物で観察される。ツイストは、配向ベクトルが基板に平行ではあるが、基板から離れるにしたがって、漸次ねじれている状態をいう。このねじれは光学活性な基の作用によって生起する。
重合体の用途について説明する。この重合体は、光学異方性を有する成形体として使用できる。この重合体を含有する素子は、位相差板(1/2波長板、1/4波長板など)、反射防止膜、選択反射膜、視野角補償膜などの光学フィルムである。ホモジニアス、ハイブリット、ホメオトロピックなどの配向を有する重合体は、位相差板、偏光素子、液晶配向膜、反射防止膜、選択反射膜、視野角補償膜、などに利用できる。ツイストなどの配向を有する重合体は、位相差板、偏光素子、選択反射膜、視野角補償膜などに利用できる。このような重合体は、液晶ディスプレイの位相差板や視野角補償膜などに、光学補償を目的として用いられる。このような重合体は、高熱伝導性エポキシ樹脂、接着剤、機械的異方性を持つ合成高分子、化粧品、装飾品、非線型光学材料、情報記憶材料などにも利用できる。
熱可塑性樹脂は接着剤、機械的異方性を持つ合成高分子、化粧品、装飾品、非線形光学材料および情報記憶材料などの用途に適している。熱硬化性樹脂は液晶表示素子の構成要素である位相差板、偏光素子、液晶配向膜、反射防止膜、選択反射膜、視野角補償膜などの用途に適している。
位相差板は偏光の状態を変換する機能を有する。1/2波長機能板は、直線偏光の振動方向を90度回転させる機能を有する。d=λ/2×Δnの式を満たすように組成物を支持基板上に塗布する。ここで、dは組成物の厚さ、λは波長、Δnは光学異方性である。この組成物の配向させたあと、光重合させることによって1/2波長機能板が得られる。一方、1/4波長機能板は、直線偏光を円偏光に、または円偏光を直線偏光に変換する機能を有する。この場合には、d=λ/4×Δnの条件を満たすように組成物の塗膜を調製すればよい。重合体の厚さ(d)は次のように調整される。組成物を溶媒で希釈したあと、支持基板上に塗布する方法では、組成物の濃度、塗布する方法、塗布する条件などを適切に選択することによって、目的とする厚さの塗膜を得ることができる。液晶セルを利用する方法も好ましい。液晶セルはポリイミドなどの配向膜を有しているので都合がよい。この液晶セルに組成物を注入する場合には、液晶セルの間隔によって塗膜の厚さを調整することができる。
ツイスト配向を有する重合体は、位相差板として有用である。らせんのピッチが、波長の1/n(nは重合体の平均屈折率)であるとき、この波長の光はブラッグの法則に従って反射され、円偏光に変換される。円偏光の方向は、らせんの方向、すなわち光学活性な化合物の立体配置に依存する。光学性な化合物の立体配置を適切に選択することによって、円偏光の方向を決めることができる。この重合体は、円偏光分離機能素子として有用である。
この重合体は、輝度向上フィルムとしても有用である。例えば特開平6−281814号公報などに開示された方法に従えば、らせんピッチが厚さ方向に連続的延びる重合体が得られる。この重合体は、ピッチに応じた広い波長領域の光を反射することができる。この重合体は、100〜350nm(または波長350〜750nm)の領域の光を選択的に反射することができる。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら制限されない。なお、実施例における組成物の割合は重量%である。最初に、物性の測定法を示す。
相転移温度は、偏光顕微鏡を備えた融点測定装置のホットプレートに試料を置き、1℃/分の速度で昇温した。液晶相が転移する温度を測定した。Cは結晶、Nはネマチック相、Chはコレステリック相、SAはスメクチックA相、Iは等方性液体を意味する。NI点は、ネマチック相の上限温度またはネマチック相から等方性液体への転移温度である。「C50N63I」は、50℃で結晶からへネマチック相に転移し、63℃でネマチック相から等方性液体へ転移したことを示す。
セロテープ(登録商標)剥離試験は、JIS規格「JIS−K−5400、8.5、付着性(8.5.2、碁盤目テープ法)」の試験法に従った。つまり、100のます目のうち、剥離しなかったます目の数によって、結果を評価した。
鉛筆硬度は、JIS規格「JIS−K−5400、8.4、鉛筆引掻試験」の方法に従った。結果を鉛筆の芯の硬さで表した。
耐熱性試験は、100℃で500時間の条件で行ない、結果はリタデーション(retardation)の変動によって評価した。ガラス基板にポリアミック酸(チッソ(株)のPIA5310)を塗布したあと、210℃で30分加熱して支持基板を得た。加熱によって生成したポリイミドの表面はレーヨン布でラビングした。試料の組成物をトルエンとシクロペンタノンの混合溶媒(重量比で2:1)で希釈して30重量%の溶液を調製した。溶液をスピンコータで支持基板に塗布し、70℃で3分間加熱したあと、生成した塗膜に超高圧水銀灯(250W/cm)を使って紫外線を60℃で10秒間照射した。得られた重合体のリタデーションを25℃で測定した。重合体を100℃で500時間加熱したあと、再度リタデーションを25℃で測定した。2つの値を比較して耐熱性を評価した。レタデーションは、文献の方法に従い、セナルモン・コンペンセータ(Senarmont compensator)を用いて測定した。使用した波長は550nmである。文献は、粟屋裕著、「高分子素材の偏光顕微鏡入門」、94頁、アグネ技術センター発行、2001年である。
光学異方性(△n)は、次のように算出した。耐熱性試験の方法にしたがって重合体のリタデーション(25℃)の値を測定した。重合体の厚さ(d)も測定した。リタデーションは△n×dであるから、この関係から光学異方性の値を算出した。
配向は偏光顕微鏡によって観察した。重合体は、ケン化処理したTACフィルム(支持基板)の上に調製した。この試料を、クロスニコルに配置した2枚の偏光板に挟持した。配向の種類は、透過光強度の角度依存性から判断した。
1)らせんピッチ(helical pitch):下記の組成物(M−1)99重量%に、試料化合物1重量%を溶解した組成物を調製し、カノ(Cano)のくさび法(応用物理、1974, 43, 125)に準じ、25℃において測定した。

Figure 0004899386
また、化合物(1)は、強誘電性液晶及び反強誘電性液晶と混合して使用することにより、化合物(1)の重合体によって安定化された強誘電性液晶表示素子または反強誘電性液晶表示素子を形成することができる。表示素子自体の具体的な構築方法は文献等で公知である(J. of Photopoly. Sci. Technol., 2000, 13(2), 295-300、Jpn. J. Appl. Phys.,1997, 36, 1517-1519)。
化合物の構造は核磁気共鳴(NMR)スペクトル、質量(MS)スペクトル、赤外吸収(IR)スペクトルなどで確認した。相転移温度の単位は℃であり、Cは結晶を、Nはネマチック相を、Iは等方性液体相を示す。括弧内はモノトロピックの液晶相を示す。相転移温度はDSCおよび偏光顕微鏡を用いて観察した。
重量平均分子量と数平均分子量の測定には、島津製作所製の島津LC−9A型ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)を使用し、昭和電工製のカラムShodex GF−7M HQ(展開溶剤はDMFあるいはTHF、標準物質は分子量既知のポリスチレン)を用いた。鉛筆硬度は、JIS規格「JIS−K−5400 8.4 鉛筆引掻試験」の方法に従って求めた。
なお以下では、容量の単位であるリットルは、記号Lで表記される。
<化合物(No.3)の合成>
下記の経路により、2−[6−(3−エチルオキセタン−3−イルメトキシ)ヘキシルオキシベンゾイル]ー5−[4−(6−アクリロイルオキシヘキシルオキシ)ベンゾイル]メチルベンゾエートを合成した。

Figure 0004899386
第1段階:2−ヒドロキシ−5−[4−(6−アクリロイルオキシヘキシルオキシベンゾイルオキシ)]メチルベンゾエート(c)の製造
4−(6−アクリロイルオキシヘキシルオキシ)安息香酸(a)(3.25g)およびメチル2,5−ジヒドロキシベンゾエート(b)(0.85g)、4−ジメチルアミノピリジン(0.013g)およびTHF(10mL)の混合物を氷浴で冷却した。ここへ1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(2.13g)を加え、一晩攪拌した。蒸留水を加え反応混合物をトルエンで2回抽出した。有機層を、2N塩酸、2N水酸化ナトリウム水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、蒸留水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、エタノールで再結晶して0.95gの無色結晶を得た。
第2段階:2−[6−(3−エチルオキセタン−3−イルメトキシ)ヘキシルオキシベンゾイル]ー5−[4−(6−アクリロイルオキシヘキシルオキシ)ベンゾイル]メチルベンゾエート(No.3)の製造。
化合物c(0.45g)、化合物d(0.50g)、DMAP(0.041g)、およびTHF(10mL)の混合物を氷浴で冷却した。ここへDCC(0.259g)を加え、一晩攪拌した。蒸留水を加え反応混合物をトルエンで2回抽出した。有機層を合わせ、2N塩酸、2N水酸化ナトリウム水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、蒸留水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、エタノールで再結晶して0.65gの無色結晶の目的物を得た。

Figure 0004899386
次に、本発明の液晶性モノマーを用いる組成物の例を示す。
組成物例1

Figure 0004899386
この組成物は室温でネマチック相を有し、相分離することはなかった。この組成物からホモジニアス配向を示す液晶フィルムを得ることができる。
組成物例2

Figure 0004899386
この組成物は室温でネマチック相を有し、相分離することはなかった。この組成物からハイブリッド配向を示す液晶フィルムを得ることができる。

Claims (14)

  1. 式(3)で表される化合物:

    Figure 0004899386
    ここに、Rは独立して水素、フッ素、炭素数1〜5のアルキル−CHO、−COOH、−CHOH、−COH、−COOCH、−COOC、−OCH、−OC、−OCOCH、−CHOCH、−CHOC、または−CHOCOCHであって、Rの少なくとも1つは−COOCH または−COOC であり;
    Aは独立して1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイル、またはテトラヒドロナフタレン−2,6−ジイルであり;この1,4−フェニレンにおいて、任意の水素はフッ素または塩素で置き換えられてもよく、そして1つまたは2つの水素はシアノ、メチル、エチル、メトキシ、ヒドロキシ、ジフルオロメチルまたはトリフルオロメチルで置き換えられてもよく;
    は独立して単結合、−O−、−(CH−、−CH=CH−、−C≡C−、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−(CH−、−(CHCOO−、または−OCO(CH−であり;
    mおよびnは独立して0、1または2であって、mとnの和は1〜4であり;
    11およびZ12は独立して単結合または炭素数1〜20のアルキレンであり、このアルキレンにおいて任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH−は−O−で置き換えられてもよく、1つまたは2つの−CH−は−COO−または−OCO−で置き換えられてもよく、そして1つの−CH−は−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく;
    は式(2−1)または式(2−2)で表される基であり:

    Figure 0004899386
    ここに、Rは水素または炭素数1〜5のアルキルであり、このアルキルにおける任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく;
    は式(2−3)または式(2−4)で表される基であり:

    Figure 0004899386
    ここに、Rは水素または炭素数1〜8のアルキルであり、このアルキルにおける任意の水素はフッ素で置き換えられてもよい。
  2. が独立して水素、フッ素、炭素数1〜3のアルキル−COOCH、−COOC、−OCOCH、−CHOCH、−CHOC、または−CHOCOCHであって、Rの少なくとも1つは−COOCH または−COOC であり;
    11が−(CH−、−(CH−O−、または−(CHCHO)−であり、Z12が−(CH−、−O−(CH−、−O−(CH−O−CH−、または−(OCHCH−O−CH−であり、rは1〜10の整数であり、そしてsは2〜5の整数であり;
    そして、mおよびnが独立して0、1または2であって、mとnの和が1または2である、請求項に記載の化合物。
  3. 式(3−1)〜式(3−8)のいずれか1つで表される化合物。

    Figure 0004899386
    ここに、Rは独立して水素、フッ素、−CF、炭素数1〜3のアルキル、−COOCH、−COOC、−OCOCH、−CHOCH、−CHOC、または−CHOCOCHであって、Rの少なくとも1つは−COOCH または−COOC であり;
    Aは独立して1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、3−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、または2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレンであり;
    は独立して単結合、−COO−または−OCO−であり;
    11は−(CH−、−(CH−O−、または−(CHCHO)−であり、Z12は−(CH−、−O−(CH−、−O−(CH−O−CH−、または−(OCHCH−O−CH−であり、rは1〜10の整数であり、そしてsは2〜5の整数であり;
    は水素、フッ素、シアノ、−CHまたは−CFであり;
    そして、Rは水素、−CHまたは−Cである。
  4. が独立して水素、フッ素、−COOCH、−COOC、−OCOCHまたは−CHOCOCHであって、Rの少なくとも1つは−COOCH または−COOC であり;Aが独立して1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、または3−フルオロ−1,4−フェニレンであり;Zが独立して単結合、−COO−または−OCO−であり;Z11が−(CH−、−(CH−O−、または−(CHCHO)−であり、Z12が−(CH−、−O−(CH−、−O−(CH−O−CH−または−(OCHCH−O−CH−であり、rは1〜10の整数であり、そしてsは2〜5の整数であり;Rが水素、フッ素または−CHであり;そしてRが水素、−CHまたは−Cである、請求項に記載の化合物。
  5. 式(3−1)または式(3−3)で表され、Rが独立して水素または−COOCHであって、Rの少なくとも1つは−COOCHであり;Aが1,4−フェニレンであり;Zが独立して−COO−または−OCO−であり;Z11が−(CH−、または−(CH−O−であり、Z12が−O−(CH−O−CH−であり、そしてrは2〜6の整数であり;そしてRおよびRが共に水素である、請求項に記載の化合物。
  6. 式(3−5)または式(3−7)で表され、Rが独立して水素または−COOCHであって、Rの少なくとも1つは−COOCHであり;Aが1,4−フェニレンであり;Zが独立して−COO−または−OCO−であり;Z11が−(CH−、または−(CH−O−であり、Z12が−O−(CH−O−CH−であり、そしてrは2〜6の整数であり;そしてRおよびRが共に水素である、請求項に記載の化合物。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載の化合物の少なくとも1つを含有する液晶組成物。
  8. 成分のすべてが重合性化合物である、請求項に記載の液晶組成物。
  9. 請求項1〜のいずれか1項に記載の化合物の少なくとも2つからなる、請求項に記載の液晶組成物。
  10. 請求項1〜のいずれか1項に記載の化合物の少なくとも1つと他の重合成化合物とを含有する、請求項に記載の液晶組成物。
  11. 請求項1〜のいずれか1項に記載の化合物を重合させることによって得られる重合体。
  12. 請求項10のいずれか1項に記載の組成物を重合することによって得られる重合体。
  13. 請求項12に記載の重合体を含有する素子。
  14. 請求項12に記載の重合体を用いて得られる光学異方性を有する成形体。
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