JP5225540B2 - 置換ビフェニル、ターフェニル誘導体およびその重合体 - Google Patents

置換ビフェニル、ターフェニル誘導体およびその重合体 Download PDF

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本発明は、オキセタン環を側鎖に有する置換ビフェニルまたは置換ターフェニル誘導体、この誘導体から得られた重合体、およびこの用途に関する。
重合性の化合物が液晶であるとき、この化合物を重合させることによって光学異方性を有する重合体が得られることが知られている(特許文献1)。これは、液晶における分子の配向(orientation)が重合によって固定されるからである。そのような化合物の例はアクリル基を有する液晶化合物である(特許文献2)。さらに望まれているのは、室温で重合する、空気中でも重合する、適当な光重合開始剤の存在下、紫外線の照射によって容易に重合する、などの物性を有する液晶化合物である。
特開2001−55573号公報 特開2001−154019号公報
本発明の課題は、室温で重合する、空気中でも重合する、重合しやすい、液晶相の温度範囲が広い、化学的に安定である、無色である、溶媒に溶けやすい、他の重合性化合物のとの相溶性がよい、支持基板に対する付着張力(adhesion tension)が小さい、などの特性において、複数の特性を充足する液晶化合物である。この課題は、複数の特性に関して適切なバランスを有する化合物である。この課題は、この液晶化合物から得られた重合体でもある。この課題は、光学異方性を有する、支持基板から剥離しにくい、充分な硬度を有する、無色透明である、耐熱性が大きい、耐候性が大きい、光弾性が小さい、などの物性を有する重合体でもある。
本発明は、下記の式(1)で表される少なくとも1つの化合物、この化合物を含有する組成物、およびこの組成物を重合させることによって得られる重合体を含む。
Figure 0005225540
式(1)において、Rは水素または炭素数1〜8のアルキルであり、このアルキルにおいて任意の水素はフッ素または塩素で置き換えられてもよく;Aは独立して1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、ピリダジン−3,6−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、またはテトラヒドロナフタレン−2,6−ジイルであり、この1,4−フェニレンにおいて任意の水素はフッ素または塩素で置き換えられてもよく、そして任意の1つまたは2つの水素はシアノ、メチル、エチル、メトキシ、ヒドロキシ、ホルミル、アセトキシ、アセチル、トリフルオロアセチル、ジフルオロメチル、またはトリフルオロメチルで置き換えられてもよく;Gは少なくとも1つの水素が塩素、フッ素、メチル、エチル、イソプロピル、メトキシ、ヒドロキシ、ホルミル、アセトキシ、アセチル、トリフルオロアセチル、ジフルオロメチル、またはトリフルオロメチルで置換された4,4”−ターフェニルまたは少なくとも1つの水素が塩素、フッ素、メチル、エチル、イソプロピル、メトキシ、ヒドロキシ、ホルミル、アセトキシ、アセチル、トリフルオロアセチル、ジフルオロメチル、またはトリフルオロメチルで置換された4,4'−ビフェニル;Zは独立して単結合、−(CH−、−CH=CH−、−C≡C−、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−(CH−、−(CHCOO−、−OCO(CH−、−CH=CH−COO−、または−OCO−CH=CH−であり;Pは炭素数1〜20のアルキレンであり、このアルキレンにおいて任意の水素はフッ素または塩素で置き換えられてもよく、任意の−CH−は−O−で置き換えられてもよく、任意の1つまたは2つの−CH−は−COO−または−OCO−で置き換えられてもよく、そして任意の1つの−CH−は−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく;で表される化合物である。
本発明の液晶化合物は、室温で重合する、空気中でも重合する、重合しやすい、液晶相の温度範囲が広い、化学的に安定である、無色である、溶媒に溶けやすい、他の重合性化合物との相溶性がよい、支持基板に対する付着張力が小さい、などの特性において、複数の特性を充足する。この化合物は、複数の特性に関して適切なバランスを有する。本発明の重合体は、この液晶化合物から得られる。この重合体は、光学異方性を有する、支持基板から剥離しにくい、充分な硬度を有する、無色透明である、耐熱性が大きい、耐候性が大きい、光弾性が小さい、などの物性を有する。
この明細書における用語の使い方は次のとおりである。液晶化合物は、液晶相を有する化合物、および液晶相を有しないが液晶組成物の成分として有用な化合物の総称である。液晶相はネマチック相、スメクチック相、コレステリック相などであり、多くの場合ネマチック相を意味する。重合性は、光、熱、触媒などの手段により単量体が重合し、重合体を与える能力を意味する。式(1)、式(M1)などで表わされる化合物を、それぞれ化合物(1)、化合物(M1)などのように表記することがある。化合物(1)などを含有する組成物から得られる重合体を重合体(1)と表記することがある。化合物(2)などを含有する組成物から得られる重合体を重合体(2)と表記することがある。
我々は、1)重合性の液晶化合物を重合させることによって、光学異方性を有する重合体が得られる、および2)オキセタン環を有する単量体は容易に開環重合する、という2つの知見を組み合わせることを着想した。この着想に基づいて研究したところ、予想した以上に良好な実験結果を得た。これらの結果をもとに検討を重ねて、下記の項を含む本件発明を完成させた。
1. 式(1)で表される化合物。
Figure 0005225540
式(1)において、R、P、A、G、Z、B、Q、Yなどの記号を用いた。2つの記号Rの意味が同一であってもよいし、または異なってもよい。このルールは記号P、A、G、Z、B、Q、Yについても適用する。このルールは他の式においても適用する。
式(1)において、Rは水素または炭素数1〜8のアルキルであり、このアルキルにおいて任意の水素はフッ素または塩素で置き換えられてもよい。好ましいRは水素または炭素数1〜5のアルキルである。特に好ましいRはメチルまたはエチルである。
Aは独立して1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、ピリダジン−3,6−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、またはテトラヒドロナフタレン−2,6−ジイルであり、この1,4−フェニレンにおいて任意の水素はフッ素または塩素で置き換えられてもよく、そして任意の1つまたは2つの水素はシアノ、メチル、エチル、メトキシ、ヒドロキシ、ホルミル、アセトキシ、アセチル、トリフルオロアセチル、ジフルオロメチル、またはトリフルオロメチルで置き換えられてもよい。
好ましいAは独立して1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2−クロロ−1,4−フェニレン、2−メチル−1,2−トリフルオロメチル−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,3,5−トリフルオロ−1,4−フェニレン、または2,3,5,6−テトラフルオロ−1,4−フェニレンである。
特に好ましいAは独立して1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2−クロロ−1,4−フェニレン、2−メチル−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレンである。
Gは少なくとも1つの水素が塩素、フッ素、メチル、エチル、イソプロピル、メトキシ、ヒドロキシ、ホルミル、アセトキシ、アセチル、トリフルオロアセチル、ジフルオロメチル、またはトリフルオロメチルで置換された4,4”−ターフェニルまたは少なくとも1つの水素が塩素、フッ素、メチル、エチル、イソプロピル、メトキシ、ヒドロキシ、ホルミル、アセトキシ、アセチル、トリフルオロアセチル、ジフルオロメチル、またはトリフルオロメチルで置換された4,4'−ビフェニルである。
好ましいGは少なくとも1つの水素が塩素、フッ素、メチル、エチル、またはトリフルオロメチルで置換された4,4”−ターフェニルまたは少なくとも1つの水素が塩素、フッ素、メチル、エチル、またはトリフルオロメチルで置換された4,4'−ビフェニルである。
より好ましいGは、以下の式(G−1)〜(G−15)のいずれかである。特に好ましいGは式(G−1)〜(G−4)および式(G−8)〜(G−11)のいずれかである。
Figure 0005225540
Zは独立して単結合、−(CH−、−CH=CH−、−C≡C−、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−(CH−、−(CHCOO−、−OCO(CH−、−CH=CH−COO−、または−OCO−CH=CH−である。
好ましいZは独立して単結合、−(CH−、−C≡C−、−CHO−、−OCH−、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−(CH−、−(CHCOO−、−OCO(CH−、−CH=CH−COO−、または−OCO−CH=CH−である。特に好ましいZは独立して−COO−、−OCO−、−(CHCOO−、−OCO(CH−、−CH=CH−COO−、または−OCO−CH=CH−である。
Pは炭素数1〜20のアルキレンであり、このアルキレンにおいて任意の水素はフッ素または塩素で置き換えられてもよく、任意の−CH−は−O−で置き換えられてもよく、任意の1つまたは2つの−CH−は−COO−または−OCO−で置き換えられてもよく、そして任意の1つの−CH−は−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよい。
好ましいPは−O−、−O−(CH)r−、−(CH)r−O−、−(CH)r−、−O−(CH)r−O−、または−O−(CHCHO)s−であり、rが1から15の整数であり、そしてsが1から5の整数である。特に好ましいPが−O−または−O−(CH)r−O−であり、そしてrが2から10の整数である。
2. 式(1)において、Rが水素または炭素数1〜5のアルキルであり、このアルキルにおいて任意の水素はフッ素または塩素で置き換えられてもよく;Aが独立して1,4−フェニレンであり、この1,4−フェニレンにおいて任意の水素はフッ素または塩素で置き換えられてもよく、そして任意の1つまたは2つの水素はメチル、エチルまたはトリフルオロメチルで置き換えられてもよく;Gが少なくとも1つの水素が塩素、フッ素、メチル、エチル、またはトリフルオロメチルで置換された4,4”−ターフェニルまたは少なくとも1つの水素が塩素、フッ素、メチル、エチル、またはトリフルオロメチルで置換された4,4'−ビフェニル;Zが独立して単結合、−(CH−、−C≡C−、−CHO−、−OCH−、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−(CH−、−(CHCOO−、−OCO(CH−、−CH=CH−COO−、または−OCO−CH=CH−であり;Pが炭素数1〜17のアルキレンであり、このアルキレンにおいて任意の−CH−は−O−で置き換えられてもよく、任意の1つまたは2つの−CH−は−COO−または−OCO−で置き換えられてもよく、そして任意の1つの−CH−は−CH=CH−で置き換えられてもよい項1に記載の化合物。
3. 式(1)において、Rが水素または炭素数1〜5のアルキルであり、このアルキルにおいて任意の水素はフッ素または塩素で置き換えられてもよく;Aが独立して1,4−フェニレンであり、この1,4−フェニレンにおいて任意の水素はフッ素または塩素で置き換えられてもよく、そして任意の1つまたは2つの水素はメチル、エチルまたはトリフルオロメチルで置き換えられてもよく;Gが下記の構造を有し;
Figure 0005225540
Zが独立して単結合、−(CH−、−C≡C−、−CHO−、−OCH−、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−(CH−、−(CHCOO−、−OCO(CH−、−CH=CH−COO−、または−OCO−CH=CH−であり;Pが炭素数1〜17のアルキレンであり、このアルキレンにおいて任意の−CH−は−O−で置き換えられてもよく、任意の1つまたは2つの−CH−は−COO−または−OCO−で置き換えられてもよく、そして任意の1つの−CH−は−CH=CH−で置き換えられてもよい項1または2に記載の化合物。
4. 下記の式(2)〜(9)のいずれか1つで表される化合物。
Figure 0005225540
上式において、Rが炭素数1〜5のアルキルであり;Aが独立して1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2−クロロ−1,4−フェニレン、2−メチル−1,2−トリフルオロメチル−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,3,5−トリフルオロ−1,4−フェニレン、または2,3,5,6−テトラフルオロ−1,4−フェニレンであり;Zが独立して単結合、−(CH−、−C≡C−、−CHO−、−OCH−、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−(CH−、−(CHCOO−、−OCO(CH−、−CH=CH−COO−、または−OCO−CH=CH−であり;Pが−O−、−O−(CH)r−、−(CH)r−O−、−(CH)r−、−O−(CH)r−O−、または−O−(CHCHO)s−であり、rが1から15の整数であり、そしてsが1から5の整数である化合物。
5. 式(2)〜(9)において、Rがメチルまたはエチルであり;Aが独立して1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2−クロロ−1,4−フェニレン、2−メチル−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、または2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレンであり;Zが独立して−COO−、−OCO−、−(CHCOO−、−OCO(CH−、−CH=CH−COO−または−OCO−CH=CH−であり;Pが−O−または−O−(CH)r−O−であり、そしてrが2から10の整数である項4に記載の化合物。
6. 式(2)〜(9)において、Rがメチルまたはエチルであり;Aが独立して1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2−クロロ−1,4−フェニレン、2−メチル−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、または2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレンであり;Zが独立して−COO−、−OCO−、−(CHCOO−、または−OCO(CH−であり;Pが−O−(CH)r−O−であり、そしてrが2から10の整数である項4に記載の化合物。
7. 式(2)〜(9)において、Rがメチルまたはエチルであり;Aが独立して1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2−クロロ−1,4−フェニレン、または2−メチル−1,4−フェニレンであり;Zが独立して−COO−、−OCO−、−(CHCOO−、または−OCO(CH−であり;Pが−O−(CH)r−O−であり、そしてrが2から10の整数である項4に記載の化合物。
8. 式(2)〜(9)において、Rがメチルであり;Aが独立して1,4−フェニレンであり;Zが独立して−COO−または−OCO−であり;Pが−O−(CH)r−O−であり、そしてrが2から10の整数である項4に記載の化合物。
9. 式(2)〜(9)において、Rがエチルであり;Aが独立して1,4−フェニレンであり;Zが独立して−COO−または−OCO−であり;Pが−O−(CH)r−O−であり、そしてrが2から10の整数である項4に記載の化合物。
10. 第一成分として、項1〜9のいずれか1項に記載の少なくとも1つの化合物を含有する組成物。
11. 第二成分として、項1〜9のいずれか1項に記載の化合物とは異なる重合性の化合物をさらに含有する項10に記載の組成物。
12. 第二成分が式(M1)、式(M2)、式(M3)および式(M4)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物である請求項10に記載の組成物。
Figure 0005225540
式(M1)〜式(M4)において、Raは水素、フッ素、塩素、−CN、−OCF、炭素数1〜20のアルキル、炭素数1〜20のアルコキシ、炭素数2〜20のアルコキシアルキル、炭素数2〜20のアルケニル、または炭素数2〜20のアルケニルオキシであり;Rbは水素または炭素数1〜5のアルキルであり;Bは独立して1,4−シクロへキシレンまたは1,4−フェニレンであり、この1,4−フェニレンにおいて任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、そして任意の1つまたは2つの水素はメチルまたはトリフルオロメチルで置き換えられてもよく、そしてBの1つはナフタレン−2,6−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、9−メチルフルオレン−2,7−ジイル、9−エチルフルオレン−2,7−ジイル、9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジイル、9−クロロフルオレン−2,7−ジイル、または9,9−ジフルオロフルオレン−2,7−ジイルであってもよく;Yは独立して単結合、−COO−、−OCO−、−(CH−、または−C≡C−であり;Qは独立して単結合または炭素数1〜20のアルキレンであり、このアルキレンにおいて1つまたは2つの−CHは−O−で置き換えられてもよく;そしてtは1または2である。
13. 式(M1)〜式(M4)において、Raがフッ素、塩素、−CN、−OCF、炭素数1〜15のアルキル、または炭素数2〜15のアルコキシであり;Rbが水素または炭素数1〜2のアルキルであり;Bが独立して1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2−クロロ−1,4−フェニレン、2−メチル−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレン、9−メチルフルオレン−2,7−ジイル、9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジイルまたは9−エチルフルオレン−2,7−ジイルであってもよく;Yが独立して単結合、−COO−、−OCO−、または−C≡C−であり;Qが独立して単結合または炭素数1〜10のアルキレンであり、このアルキレンにおいて1つまたは2つの−CH−は−O−で置き換えられてもよく;そしてtが1または2である請求項12に記載の組成物。
14. 式(M1)〜式(M4)において、Raがフッ素、塩素、−OCF、炭素数1〜10のアルキル、または炭素数2〜10のアルコキシであり;Rbが水素または炭素数1〜2のアルキルであり;Bが独立して1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2−クロロ−1,4−フェニレン、2−メチル−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレン、9−メチルフルオレン−2,7−ジイル、9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジイルまたは9−エチルフルオレン−2,7−ジイルであってもよく;Yが独立して単結合、−COO−、−OCO−、または−C≡C−であり;Qが独立して単結合、−(CH)m−、−(CH)m−O−、または−O−(CH)m−であり、mが1〜10の整数;そしてtが1または2である項12に記載の組成物。
15. 第二成分が、式(M1)および式(M2)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物、または式(M3)および式(M4)で表される化合物群から選択される化合物である項10または11に記載の組成物。
16. 第二成分が、式(M1)または式(M2)で表される化合物群から選択される化合物である項10または11に記載の組成物。
17. 項1〜9のいずれか1項に記載の化合物を重合させることによって得られる重合体。
18. 項10〜16のいずれか1項に記載の組成物を重合することによって得られる重合体。
19. 項1〜9のいずれか1項に記載の化合物または項10〜16のいずれか1項に記載の組成物を配向させた後、配向を保持したまま重合することによって得られる重合体。
20. 項1〜9のいずれか1項に記載の化合物または請求項10〜16のいずれか1項に記載の組成物を配向させた後、配向を保持したまま重合することによって得られるフィルム。
本発明の化合物は次の特徴を有する。この化合物は、室温で重合する、空気中でも重合する、重合しやすい、液晶相の温度範囲が広い、化学的に安定である、無色である、溶媒に溶けやすい、他の重合性化合物との相溶性がよい、支持基板に対する付着張力が小さい、などの特性を有する。この化合物は液晶相を有する。この液晶相の温度範囲は広い。この液晶相における分子の配向は、重合によっても維持される。つまり、重合によって分子の配向が固定化されるのである。アクリル基を有する液晶化合物の重合は、窒素の雰囲気下で行なうのが好ましいが、この化合物は空気中で重合させてもよい。この化合物は、小さい積算光量の紫外線を照射しても、適当な光重合開始剤の存在下、容易に重合する。この化合物は化学的に安定なので、保存安定性に優れる。この化合物は他の重合性化合物との相溶性がよいので、種々の組成を有する組成物が得られる。この化合物は支持基板に対してぬれ性が良いので、均一な塗膜(paint film)が得られ易い。これらのなかでも重要なのは、空気中でも重合する、重合しやすい、液晶相の温度範囲が広い、均一な塗膜が得られ易い、などの特性である。
このような化合物から得られる重合体は次の特徴を有する。この重合体は、光学異方性を有する、支持基板から剥離しにくい、充分な硬度を有する、耐熱性が大きい、無色透明である、耐候性が大きい、光弾性(photoelasticity)が小さい、などの物性を有する。この重合体は、耐衝撃性、加工性、電気特性、耐溶剤性などの特性にも優れる。これらのなかでも重要なのは、支持基板から剥離しにくい、充分な硬度を有する、耐熱性が大きい、などの特性である。
化合物(1)はオキセタン環を有する液晶化合物である。これらの化合物は重合性を有し、通常の取り扱い条件下では安定である。これらの化合物は、光カチオン重合触媒の存在下、紫外線などの照射によって、空気の雰囲気下であっても容易に室温で重合する。化合物(1)は配向膜などによって容易に配向する。したがって、得られた重合体には、配向の欠陥がないか、または少ない。
化合物(1)は、側鎖R、環A、環B、結合基Z、およびスペーサーPを適切に選択することによって、大きい誘電率異方性、小さい誘電率異方性、大きい光学異方性、小さい光学異方性、小さい粘度などの物性を調整することができる。
Pが−O−(CH)r−O−のとき、rの数が大きくなるほど、化合物(1)の融点が低いようである。Rがアルキルのとき、炭素数が少ない単量体は大きな耐熱性の重合体を与える傾向がある。
Aが1,4−シクロヘキシレンのとき、単量体の光学異方性は小さい。Aが1,4−フェニレンのとき、単量体の光学異方性は大きい。Xの少なくとも1つが−COO−または−OCO−であるとき、化合物(1)は、より良好な液晶性を有する。Xの少なくとも1つが−C≡C−であるとき、化合物(1)は、大きな光学異方性を有する。Pが酸素(−O−)を有するとき、単量体の光学異方性は大きい。
化合物(1)は、H(重水素)または13Cなどの同位体元素を自然に存在する割合より多く含んでもよい。このような場合でも化合物の物性に大きな差異はない。
化合物(1)の物性は、重合体(1)の物性に反映される。物性のなかでも光学異方性が本発明の目的にとっては重要である。化合物(1)を含有する組成物を支持基板の上で重合させたとき、得られた重合体は支持基板から剥離しにくい。化合物(3)〜(6)は、粘度が小さいので、組成物の粘度を下げるにのに適している。化合物(7)または(8)は、液晶相の温度範囲が広いので、組成物における液晶相の温度範囲を広げるのに適している。
好ましい化合物(1)は、化合物(2)〜(9)である。特に好ましい化合物(1)は化合物(2a)〜(9a)、化合物(2b)〜(9b)、化合物(2c)〜(9c)である。
Figure 0005225540
Figure 0005225540
Figure 0005225540
これらの式において、Rはメチルまたはエチルであり、Pは−O−または−O−(CH)r−O−であり、そしてrが2から10の整数であり、W17またはW18は塩素、フッ素、メチルまたはトリフルオロメチルである。
次に、化合物(1)の合成法を説明する。化合物(1)は、フーベン・ヴァイル(Houben Wyle, Methoden der Organischen Chemie, Georg Thieme Verlag, Stuttgart)、オーガニック・リアクションズ(Organic Reactions, John Wily & Sons Inc.)、オーガニック・シンセセーズ(Organic Syntheses, John Wily & Sons, Inc.)、コンプリヘンシブ・オーガニック・シンセシス(Comprehensive Organic Synthesis, Pergamon Press)、新実験化学講座(丸善)などに記載された、有機化学における合成方法を適切に組み合わせることにより合成できる。
オキセタン環については、3−アルキル−3−オキセタンメタノールを出発物として利用することができる。3−エチル−3−オキセタンメタノールおよび3−メチル−3−オキセタンメタノールが市販されている。文献の方法に従って、これらの化合物と1,2−ジブロモエタン、1,4−ジブロモブタン、1,6−ジブロモヘキサン、1,8−ジブロモオクタンなどのα,ω−ジブロモメチレンとを反応させることによって、鎖長を延ばすことができる。文献は、Macromolecules, 24, 4531−4537 (1991)である。結合基Xの生成法は、特開2003−277359号公報(段落0040〜0053)に開示されている。フルオレン環に接続した結合基Xの生成法は、特開2003−238491号公報(段落0019〜0038)に開示されている。化合物(1)の合成スキームを例示する。
スキーム1.
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Zが−COO−と−OOC−である組み合わせの化合物(2a)〜(5a)、Zが−CH=CH−COO−と−OCO−CH=CH−である組み合わせの化合物(2b)〜(5b)、Zが−(CHCOO−と−OCO(CH−である化合物の組み合わせである化合物(2c)〜(5c)の合成をスキーム2に示す。スキーム中、Bnはベンジル基を表し、Kは単結合、−(CH−または−CH=CH−を表す。
4−ベンジルオキシブロモベンゼン誘導体[a1]を金属マグネシウムによりグリニャール試薬とし、ホウ酸トリメチルと反応させて対応するホウ素酸誘導体[b]とする。ホウ素酸誘導体[b]とジブロモベンゼン誘導体[c]とのクロスカップリング反応を行い、カップリング体[d]を得る。カップリング反応にはパラジウム触媒を用いる。カップリング体[d]をパラジウム触媒の存在下で水素化分解して対応するジヒドロキシターフェニル誘導体[e]を得る。ジヒドロキシターフェニル誘導体[e]と2当量の化合物[f]とを反応させて、化合物(2)〜(5)を合成する。
スキーム2
Figure 0005225540
別法をスキーム2に示す。ホウ素酸誘導体[b]と4−ブロモ−4'−ベンジルオキシビフェニル[i] とのクロスカップリング反応を行い、カップリング体を得る。カップリング体をパラジウム触媒の存在下で水素化分解して対応するジヒドロキシターフェニル誘導体を得る。ジヒドロキシターフェニル誘導体と2当量の化合物[f]とを反応させて、化合物(2)〜(5)を合成する。
スキーム3
Figure 0005225540
Zが−COO−と−OOC−である組み合わせの化合物(6a)〜(9a)、Zが−CH=CH−COO−と−OCO−CH=CH−である組み合わせの化合物(6b)〜(9b)、Zが−(CHCOO−と−OCO(CH−である化合物の組み合わせである化合物(6c)〜(9c)の合成をスキーム3に示す。
ホウ素酸誘導体[b]と水酸基をベンジル(スキーム中;ベンジル=Bnで表す)で保護した4−ブロモフェノール[a2]とのクロスカップリング反応を行い、カップリング体[d]を得る。カップリング反応にはパラジウム触媒を用いる。カップリング体[g]をパラジウム触媒の存在下で水素化分解して対応するジヒドロキシビフェニル誘導体[h]を得る。ジヒドロキシビフェニル誘導体[h]と2当量の化合物[f]とを反応させて、化合物(6)〜(9)を合成する。
スキーム4
Figure 0005225540
ジヒドロキシビフェニル[h]はビフェニル誘導体[j]からフリーデルクラフツ反応によるアセチル化、過酸化物によるバイヤービリガー反応、加水分解の経路(スキーム4)でも合成できる
スキーム1〜スキーム4中の記号であるRはメチル、エチルであり、Kは単結合、−CH=CH−または−(CH−であり、V〜V16は水素、塩素、フッ素、メチル、トリフルオロメチルである。ただしV〜V16のすべてが水素ではない。V17またはV18は水素、塩素、フッ素、メチル、トリフルオロメチルである。
このような方法で合成される化合物の例は、化合物No.1〜No.56である。
Figure 0005225540
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次に、本発明の組成物について説明する。この組成物は第一成分として化合物(1)を含有する。この組成物は、通常は複数の化合物の混合物を意味するが、1つの化合物(1)であっても組成物ということがある。第一成分を含有する組成物を重合させることによって光学異方性を有する重合体が得られる。重合性化合物が第一成分のみであってもよい。この組成物は次のような組成物A、B、C、Dなどに分類される。組成物Aは化合物(1)の群から選ばれた1つの化合物を含有する。組成物Bは化合物(1)の群から選ばれた少なくとも2つの化合物を含有する。組成物Cは第一成分として化合物(1)の群から選ばれた少なくとも1つの化合物および第二成分として他の重合性化合物の群から選ばれた少なくとも1つの化合物を含有する。組成物Dは非重合性の化合物をさらに含有する組成物A、BまたはCである。
「他の重合性化合物」は、化合物(1)とは異なる重合性化合物(単量体)である。他の重合性化合物は、得られる重合体の特性を改善したり、修飾したりするのに有用である。他の重合性化合物は光学活性であってもよいし、または光学的に非活性であってもよい。光学的に非活性な重合性化合物の好ましい例は、オキシラニル基を有する化合物、オキセタニル基を有する化合物、ビニルエーテル基を有する化合物、ビニル基を有する化合物、アクリル基を有する化合物、メタアクリル基を有する化合物などである。これらの化合物の例は、特開平8−3111号公報などに記載されている。
組成物Cにおける好ましい第二成分は、すでに記載した化合物(M1)〜(M4)である。組成物Cは、エチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルモノビニルエーテル、t−アミルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールメチルビニルエーテル、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−メチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、ジ(3−エチル−オキセタ−3−イルメチル)、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタンのような化合物をさらに含有してもよい。これらの化合物は、組成物の粘度を調整するのに適している。これらの化合物は、組成物を塗布するとき、塗膜の厚さを均一にする効果が大きい。重合性の光学活性な化合物は液晶相にらせん構造を誘起する。大きならせん誘起力(helical twist power)を有する化合物が好ましい。重合性の光学活性な化合物の好ましい例は化合物(OP1)〜(OP14)である。
Figure 0005225540
Figure 0005225540
これら式(OP1)〜式(OP13)の式中:Rはメチルまたはエチルであり、WおよびWはそれぞれ独立して、水素、塩素、フッ素、またはシアノであり、WおよびWはそれぞれ独立して、水素、塩素、フッ素、シアノ、メチルまたはトリフルオロメチルであり、Xは独立して、単結合または−O−であり、o、pおよびrはそれぞれ独立して、0〜20の整数である。そして*は不斉の位置を示す。化合物(OP10)〜(OP14)は軸不斉である。
組成物Dは、液晶化合物、光学活性な化合物のような非重合性の化合物を含有する。液晶化合物の例は、富士通九州エンジニアリング社が販売する液晶化合物データベース(登録商標:LiqCryst)などに記載されている。このような化合物は、組成物の粘度を調整する、液晶相の温度範囲を調整する、という役割が期待できる。光学活性な化合物、組成物のピッチを調整するという役割が期待できる。
好ましい組成物は、第一成分として化合物(1)の少なくとも1つ、そして第二成分として化合物(M1)〜(M4)の少なくとも1つを含有する。この第二成分の化合物は、化合物(1)と共重合させるのに適した重合性基を有する。好ましい化合物(M1)〜(M4)は化合物(M1a)〜(M4c)である。
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Figure 0005225540
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これらの式中:Rはフッ素、塩素、−OCF、炭素数1〜10のアルキル、または炭素数2〜10のアルコキシであり、Rは水素、メチルまたはエチルであり、WおよびWは、独立して水素またはフッ素であり、WおよびWは独立して水素、フッ素、メチルまたはトリフルオロメチルであり、XおよびXは独立して単結合または−O−であり、mおよびnは独立して1から10の整数である。
第一成分が化合物(1)の少なくとも1つであり、そして第二成分が化合物(M1)〜(M4)の少なくとも1つであるとき、好ましい組み合わせの例は、組成物(C1)〜(C6)である。好ましい組成物を表1にまとめる。化合物(M1)〜(M4)は、組成物における液晶相の温度範囲、粘度、液晶相の配向、重合体における皮膜形成性、機械的強度、支持基板との密着性、などを調整するのに都合がよい。第一成分の含有量は1〜99重量%であり、より好ましくは5〜95重量%である。第二成分の含有量は1〜99重量%であり、より好ましくは10〜95重量%である。
表1.好ましい組成物
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組成物(C1)〜(C6)の特長は、次のとおりである。1)適当な光カチオン重合触媒の存在下、組成物に紫外線を照射することによって、重合体が容易に得られる。2)重合は、窒素の雰囲気下だけでなく、空気中でも進行する。3)組成物から重合体(フィルム)になるとき、サイズが小さくなりにくい。組成物(C1)〜(C6)のうち、特に好ましい例は、組成物(C1)、(C2)、(C3)である。これらの組成物の特長は次のとおりである。1)重合が早く短時間で高分子量のフィルムが得られる。2)寸法安定性に優れたフィルムが得られる。3)耐熱性に優れたフィルムが得られる。
A、B、C、Dなどの組成物は、必要に応じてさらに添加物を含有してもよい。重合体の物性を調整するための添加物は、界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、微粒子などである。単量体を重合させるための添加物は、重合開始剤、光増光剤などである。組成物を希釈するためには有機溶媒が好ましい。これらの添加物の量は、その目的を達する程度の少ない量が好ましい。
界面活性剤は組成物を支持基板などに塗布するのを容易にする、液晶相の配向を制御する、などの効果を有する。界面活性剤の例は、4級アンモニウム塩、アルキルアミンオキサイド、ポリアミン誘導体、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物、ポリエチレングリコールおよびそのエステル、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸アミン類、アルキル置換芳香族スルホン酸塩、アルキルリン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩などである。界面活性剤の好ましい量は、界面活性剤の種類、組成物の組成比などにより異なるが、光重合性の液晶組成物の重量に基づいて100ppmから5重量%の範囲である。さらに好ましい量は0.1から1重量%の範囲である。
好ましい酸化防止剤は、ヒドロキノン、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、トリフェニルフォスファイト、トリアルキルフォスファイトなどである。好ましい市販品は、チバスペシャリティー社製のイルガノックス245、イルガノックス1035などである。
好ましい紫外線吸収剤は、チバスペシャリティー社製のチヌビンPS、チヌビン213、チヌビン109、チヌビン328、チヌビン384−2、チヌビン327などである。
光学異方性を調整したり、重合体の強度を上げるために、微粒子を添加してもよい。好ましい微粒子の材質は、無機物、有機物、金属などである。好ましい無機物は、セラミックス、フッ素金雲母、フッ素四ケイ素雲母、テニオライト、フッ素バーミキュライト、フッ素ヘクトライト、ヘクトライト、サポナイト、スチブンサイト、モンモリロナイト、バイデライト、カオリナイト、フライポンタイト、ZnO、TiO、CeO、Al、Fe、ZrO、MgF、SiO、SrCO、Ba(OH)、Ca(OH)、Ga(OH)、Al(OH)、Mg(OH)、Zr(OH)などである。炭酸カルシウムの針状結晶などの微粒子は光学異方性を有する。このような微粒子によって、重合体の光学異方性を調節できる。
好ましい有機物は、カーボンナノチューブ、フラーレン、デンドリマー、ポリビニルアルコール、ポリメタクリレート、ポリイミドなどである。微粒子の好ましい粒径は、0.001〜0.1μmである。より好ましい粒径は0.001〜0.05μmである。材質にもよるが、凝集現象を防止するために、小さい粒径が好ましい。粒径の分布はシャープな方が好ましい。好ましい添加量は、0.1〜30重量%である。添加の目的を達する限り、少ない割合が好ましい。
好ましい重合開始剤は光カチオン重合用の開始剤である。この開始剤は、特に組成物(C1)〜(C13)に適している。好ましい開始剤は、ジアリールヨードニウム塩(以下DASと略す)、トリアリールスルホニウム塩(以下TASと略す)などである。
DASの例は、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスホネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ジフェニルヨードニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスホネート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネートなどである。
DASと光増感剤の組み合わせは好ましい。光増感剤の例は、チオキサントン、フェノチアジン、クロロチオキサントン、キサントン、アントラセン、ジフェニルアントラセン、ルブレンなどである。
TASの例は、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスホネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネー、トリフェニルスルホニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスホネート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフェニルスルホニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスホネート、4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネートなどである。
光カチオン重合に用いる開始剤の商品名の例は、みどり化学(株)のDTS−102などである。この例は、UCC社のサイラキューアーUVI−6990、サイラキュアーUVI−6974、サイラキュアーUVI−6992などである。この例は、旭電化(株)のアデカオプトマーSP−150、SP−152、SP−170、SP−172などである。この例は、ローディア社のPHOTOINITIATOR2074、チバスペシャリティー社のイルガキュアー250、GEシリコンズ社のUV−9380C、などである。
溶媒の例は、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、n−ブチルベンゼン、ジエチルベンゼン、テトラリン、メトキシベンゼン、1,2−ジメトキシベンゼン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、乳酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、ジクロロエタン、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、t−ブチルアルコール、ジアセトンアルコール、グリセリン、モノアセチン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブなどである。溶媒は単一化合物であってもよいし、または混合物であってもよい。
次に、重合体について説明する。化合物(1)は重合性の基を有する。これらの化合物を含有する組成物を重合させることによって重合体が得られる。得られた重合体は光学異方性を有する。反応の種類はアニオン重合、カチオン重合、配位重合、リビング重合などである。重合性基の性質を考慮すると、好ましい反応はカチオン重合である。配向の優れた重合体を得るときは、光の照射によるカチオン重合がさらに好ましい。組成物が液晶である条件下で、重合を行なわせるのが容易だからである。
好ましい光の種類は、紫外線、可視光線、赤外線などである。電子線、X線などの電磁波を用いてもよい。通常は、紫外線または可視光線が好ましい。好ましい波長の範囲は150〜500nmである。さらに好ましい範囲は250〜450nmであり、最も好ましい範囲は300〜400nmである。光源は、低圧水銀ランプ(殺菌ランプ、蛍光ケミカルランプ、ブラックライト)、高圧放電ランプ(高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ)、またはショートアーク放電ランプ(超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、水銀キセノンランプ)などである。好ましい光源は超高圧水銀ランプである。光源からの光はそのまま組成物に照射してもよい。フィルターによって選択した特定の波長(または特定の波長領域)を組成物に照射してもよい。好ましい照射エネルギー密度は、2〜5000mJ/cm2である。さらに好ましい範囲は10〜3000mJ/cm2である。特に好ましい範囲は100〜2000mJ/cm2である。好ましい照度は0.1〜5000mW/cmである。さらに好ましい照度は1〜2000mW/cmである。組成物が液晶相を有するように、光を照射するときの温度を設定する。好ましい照射温度は100℃以下である。100℃以上の温度では熱による重合が起こりうるので、良好な配向が得られないときがある。
組成物Aを重合させるとき、単独重合体が得られる。この単独重合体は1つの構成単位からなる。組成物Bまたは組成物Cを重合させるとき、共重合体が得られる。この共重合体は少なくとも2つの構成単位を有する。共重合体における構成単位の配列は、ランダム、ブロック、交互などのいずれであってもよい。組成物Dを重合させるとき、非重合性の化合物を不均一に含有する重合体が得られる。この重合体は少なくとも1つの構成単位を有する。
化合物(1)を単量体として使用することによって熱硬化性樹脂を合成できる。この樹脂は、三次元の架橋構造を有するので、溶媒に溶けないし、融解しない。したがって、分子量を測定できない。熱硬化性樹脂を合成するとき、共重合における好ましい第二成分は化合物(M1)〜(M4)などである。
重合体の形状は、フィルム、板などである。重合体は成形されてもよい。フィルムの重合体を得るには、一般に支持基板が用いられる。支持基板の上に組成物を塗布し、液晶相を有している塗膜(paint film)を重合させるとフィルムが得られる。好ましい重合体の厚さは、重合体の光学異方性の値および用途に依存する。従って、その範囲を厳密に決定することはできないが、好ましい厚さは0.05〜50μmの範囲であり、より好ましい厚さは0.1〜20μmの範囲である。特に好ましい厚さは0.5〜10μmの範囲である。これらの重合体のヘイズ値(haze value;曇り度)は、概して1.5%以下である。これらの重合体の透過率は、可視光領域において一般的に80%以上である。したがって、これらの重合体は液晶表示素子に用いる光学異方性の薄膜として適している。
支持基板の例は、トリアセチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリイミド、ポリエステル、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどである。商品名の例は、JSR(株)の「アートン」、日本ゼオン(株)の「ゼオネックス」および「ゼオノア」、三井化学(株)の「アペル」などである。支持基板は一軸延伸フィルム、二軸延伸フィルムなどである。好ましい支持基板はトリアセチルセルロース(TAC)フィルムまたは「ゼオノア」である。このフィルムを前処理することなくそのまま用いてもよい。このフィルムは、必要に応じて、鹸化処理、コロナ放電処理、UV−オゾン処理などの表面処理を行ってもよい。その他の例は、アルミニウム、鉄、銅などの金属製の支持基板、アルカリガラス、ホウ珪酸ガラス、フリントガラスなどのガラス製の支持基板などである。
支持基板上の塗膜は、組成物をそのまま塗布することによって調製される。塗膜は、組成物を適切な溶媒に溶かして塗布したあと、溶媒を除去することによっても調製される。塗布の方法は、スピンコート、ロールコート、カテンコート、フローコート、プリント、マイクログラビアコート、グラビアコート、ワイヤーバーコート、デップコート、スプレーコート、メニスカスコート、流延成膜法などである。
液晶組成物の配向を決定する因子は、1)重合性化合物の化学構造、2)支持基板の種類、3)配向処理の方法、などである。項1)に関しては、重合性化合物の側鎖、環、結合基、重合性基などの種類に依存する。項2)に関しては、重合体、ガラス、金属などのような支持基板の材質に依存する。項3)に関しては、レーヨン布などで一方向にこする(ラビング)、酸化ケイ素を斜方蒸着させる、スリット状にエッチング加工する、などの方法がある。ラビング処理においては、支持基板を直接的にラビングしてもよい。支持基板をポリイミド、ポリビニルアルコールなどの薄膜でコーティングし、この薄膜をラビングしてもよい。ラビング処理をしなくても、良好な配向を与える特殊な薄膜も知られている。
液晶分子の配向状態による分類は、ホモジニアス(homogenerous;平行)、ホメオトロピック(homeotropic;垂直)、ハイブリッド(hybrid)、チルト(tilt)、ツイスト(twist)などである。ホモジニアスは、配向ベクトルが基板に平行で、かつ一方向にある状態をいう。ホメオトロピックは、配向ベクトルが基板に垂直である状態をいう。ハイブリッドは、配向ベクトルが基板から離れるにしたがって、平行から垂直に立ちあがっている状態をいう。チルトは、配向ベクトルが基板に対して、一定の傾き角で起きあがっている状態をいう。これらの配向は、ネマチック相などを有する組成物で観察される。一方、ツイスト配向は、キラルなネマチック相、コレステリック相などを有する組成物で観察される。ツイストは、配向ベクトルが基板に平行ではあるが、基板から離れるにしたがって、漸次ねじれている状態をいう。このねじれは光学活性な基の作用によって生起する。
重合体の用途について説明する。この重合体は、光学異方性を有する成形体として使用できる。この重合体を含有する素子は、位相差板(1/2波長板、1/4波長板など)、反射防止膜、選択反射膜、視野角補償膜などの光学フィルムである。ホモジニアス、ハイブリット、ホメオトロピックなどの配向を有する重合体は、位相差板、偏光素子、液晶配向膜、反射防止膜、選択反射膜、視野角補償膜、などに利用できる。ツイストなどの配向を有する重合体は、位相差板、偏光素子、選択反射膜、視野角補償膜などに利用できる。このような重合体は、液晶ディスプレイの位相差板や視野角補償膜などに、光学補償を目的として用いられる。このような重合体は、高熱伝導性エポキシ樹脂、接着剤、機械的異方性を持つ合成高分子、化粧品、装飾品、非線型光学材料、情報記憶材料などにも利用できる。
熱硬化性樹脂は液晶表示素子の構成要素である位相差板、偏光素子、液晶配向膜、反射防止膜、選択反射膜、視野角補償膜などの用途に適している。
位相差板は偏光の状態を変換する機能を有する。1/2波長機能板は、直線偏光の振動方向を90度回転させる機能を有する。d=λ/2×Δnの式を満たすように組成物を支持基板上に塗布する。ここで、dは組成物の厚さ、λは波長、Δnは光学異方性である。この組成物の配向させたあと、光重合させることによって1/2波長機能板が得られる。一方、1/4波長機能板は、直線偏光を円偏光に、または円偏光を直線偏光に変換する機能を有する。この場合には、d=λ/4×Δnの条件を満たすように組成物の塗膜を調製すればよい。重合体の厚さ(d)は次のように調整される。組成物を溶媒で希釈したあと、支持基板上に塗布する方法では、組成物の濃度、塗布する方法、塗布する条件などを適切に選択することによって、目的とする厚さの塗膜を得ることができる。液晶セルを利用する方法も好ましい。液晶セルはポリイミドなどの配向膜を有しているので都合がよい。この液晶セルに組成物を注入する場合には、液晶セルの間隔によって塗膜の厚さを調整することができる。
ツイスト配向を有する重合体は、位相差板として有用である。らせんのピッチが、波長の1/n(nは重合体の平均屈折率)であるとき、この波長の光はブラッグの法則に従って反射され、円偏光に変換される。円偏光の方向は、らせんの方向、すなわち光学活性な化合物の立体配置に依存する。光学性な化合物の立体配置を適切に選択することによって、円偏光の方向を決めることができる。この重合体は、円偏光分離機能素子として有用である。
この重合体は、輝度向上フィルムとしても有用である。例えば特開平6−281814号公報などに開示された方法に従えば、らせんピッチが厚さ方向に連続的延びる重合体が得られる。この重合体は、ピッチに応じた広い波長領域の光を反射することができる。この重合体は、100〜350nm(または波長350〜750nm)の領域の光を選択的に反射することができる。
物性の測定法を記載したあと、実施例により本発明を詳細に説明する。実施例は、本発明の一例である。本発明は下記の実施例によって限定されない。組成物の割合は、重量%(wt%)である。
相転移温度は、偏光顕微鏡を備えた融点測定装置のホットプレートに試料を置き、1℃/分の速度で昇温した。液晶相が転移する温度を測定した。Cは結晶、Nはネマチック相、Chはコレステリック相、SmAはスメクチックA相、Iは等方性液体を意味する。NI点は、ネマチック相の上限温度またはネマチック相から等方性液体への転移温度である。「C50N63I」は、50℃で結晶からネマチック相に転移し、63℃でネマチック相から等方性液体へ転移したことを示す。
セロテープ(登録商標)剥離試験は、JIS規格「JIS−K−5400、8.5、付着性(8.5.2、碁盤目テープ法)」の試験法に従った。つまり、100のます目のうち、剥離しなかったます目の数によって、結果を評価した。
鉛筆硬度は、JIS規格「JIS−K−5400、8.4、鉛筆引掻試験」の方法に従った。結果を鉛筆の芯の硬さで表した。
耐熱性試験は、100℃で500時間の条件で行ない、結果はリタデーション(retardation)の変動によって評価した。ガラス基板にポリアミック酸(チッソ(株)のPIA5310)を塗布したあと、210℃で30分加熱して支持基板を得た。加熱によって生成したポリイミドの表面はレーヨン布でラビングした。試料の組成物をトルエンとシクロペンタノンの混合溶媒(重量比で2:1)で希釈して30重量%の溶液を調製した。溶液をスピンコータで支持基板に塗布し、70℃で3分間加熱したあと、生成した塗膜に超高圧水銀灯(250W/cm)を使って紫外線を60℃で10秒間照射した。得られた重合体のリタデーションを25℃で測定した。重合体を100℃で500時間加熱したあと、再度リタデーションを25℃で測定した。2つの値を比較して耐熱性を評価した。リタデーションは、文献の方法に従い、セナルモン・コンペンセータ(Senarmont compensator)を用いて測定した。使用した波長は550nmである。文献は、粟屋裕著、「高分子素材の偏光顕微鏡入門」、94頁、アグネ技術センター発行、2001年である。
光学異方性(△n)は、次のように算出した。耐熱性試験の方法にしたがって重合体のリタデーション(25℃)の値を測定した。重合体の厚さ(d)も測定した。リタデーションは△n×dであるから、この関係から光学異方性の値を算出した。
配向は偏光顕微鏡によって観察した。重合体は、ケン化処理したTACフィルム(支持基板)の上に調製した。この試料を、クロスニコルに配置した2枚の偏光板に挟持した。配向の種類は、透過光強度の角度依存性から判断した。
実施例1
第1段階
4−[6−(3−メチルオキセタン−3−イルメトキシ)ヘキシルオキシ]安息香酸エチルの製造
3−[(6−ブロモヘキシルオキシ)メチル]−3−メチルオキセタン84g、4−ヒドロキシ安息香酸エチル50g、炭酸カリウム50g、およびジメチルホルムアミド600mlからなる反応混合物を90℃で4時間攪拌した。反応混合物に水を加え反応を終了させ、酢酸エチルで抽出、有機層を2N−水酸化ナトリウム水溶液、水の順に洗浄、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(トルエン/酢酸エチル=8/2)で精製を行い、85gの4−[6−(3−メチルオキセタン−3−イルメトキシ)ヘキシルオキシ]安息香酸エチルを得た。
第2段階
4−[6−(3−メチルオキセタン−3−イルメトキシ)ヘキシルオキシ]安息香酸の製造
4−[6−(3−メチルオキセタン−3−イルメトキシ)ヘキシルオキシ]安息香酸エチル83g、水酸化ナトリウム12g、水50ml、およびソルミックス(登録商標)200mlからなる反応混合物を2時間還流した。塩酸で酸性にして、酢酸エチルで抽出、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去して63gの4−[6−(3−メチルオキセタン−3−イルメトキシ)ヘキシルオキシ]安息香酸(OX1)を得た。融点:58.5℃
Figure 0005225540
同様の製造方法により、以下の化合物を製造した。
4−[6−(3−エチルオキセタン−3−イルメトキシ)ヘキシルオキシ]安息香酸(OX2)(融点:61℃)
Figure 0005225540
4−[4−(3−エチルオキセタン−3−イルメトキシ)ブチルオキシ]安息香酸(OX3)(融点:75.3〜77.7℃)
Figure 0005225540
2−フルオロ−4−[4−(3−エチルオキセタン−3−イルメトキシ)ブチルオキシ]安息香酸(OX4)(融点:75〜80℃)
Figure 0005225540
4−(3−メチルオキセタン−3−イルメトキシ)安息香酸の製造
第1段階
3−エチル3−ヒドロキシメチル−オキセタン(東亜合成(株)製:商品名OXT−101)116gをピリジン500mlに加え、かくはんしながら0℃に冷却した。そこへp−トルエンスルホニルクロリド190gを数回に分けて加えた。0℃を保ちながら5時間かくはんした後、氷水1Lに反応溶液を注いだ。ジエチルエーテル500mlで抽出し、3%の塩酸でpHが酸性になるまで、ジエチルエーテル層を洗浄、次に飽和炭酸ナトリウム溶液、水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去して243gの3−[(トシルオキシ)メチル]−3−エチルオキセタンを得た。
第2段階
ヒドロキシ安息香酸エチル50g、水酸化カリウム21gをジメチルホルムアミド400mlに加え70℃で1時間かくはんした。45℃まで温度を下げて、そこへ3−[(トシルオキシ)メチル]−3−エチルオキセタン100gを滴下した後、45℃に保ちながら3時間かくはんした。水とトルエンを加えて抽出し、3%塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム、水でトルエン層を洗浄した後、トルエンを留去した。得られた残査に水酸化ナトリウム50g、エタノール500ml、水200mlを加えて2時間還流した。エタノールを留去して得られた残査を5%塩酸500mlに注ぎこむと結晶が得られた。ろ過して得られた結晶をエタノールと水の混合溶媒で再結晶して60gの4−(3−エチルオキセタン−3−イルメトキシ)安息香酸(OX5)を得た。融点:127.5℃であった。
Figure 0005225540
4−ヒドロキシ桂皮酸エチル19g、水酸化カリウム7.3gをエタノール150mlに加え50℃で1時間かくはんした。40℃まで温度を下げて、そこへ3−[(トシルオキシ)メチル]−3−エチルオキセタン35gを滴下した後、3時間還流した。エタノールを留去して、水とトルエンを加えて抽出し、3%塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム、水でトルエン層を洗浄した後、トルエンを留去した。得られた残査に水酸化ナトリウム20g、エタノール100ml、水50mlを加えて2時間還流した。エタノールを留去して得られた残査を5%塩酸500mlに注ぎこむと結晶が得られた。ろ過して得られた結晶をエタノールと水の混合溶媒で再結晶して5gの4−(3−エチルオキセタン−3−イルメトキシ)桂皮酸(OX6)を得た。融点:127.5℃であった。
Figure 0005225540
3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸エチル17.4g、水酸化カリウム6.1gをエタノール150mlに加え60℃で1時間かくはんした。40℃まで温度を下げて、そこへ3−[(トシルオキシ)メチル]−3−エチルオキセタン30gを滴下した後、3時間還流した。エタノールを留去して、水とトルエンを加えて抽出し、3%塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム、水でトルエン層を洗浄した後、トルエンを留去した。得られた残査に水酸化ナトリウム20g、エタノール100ml、水50mlを加えて2時間還流した。エタノールを留去して得られた残査を5%塩酸500mlに注ぎこむと結晶が得られた。ろ過して得られた結晶をエタノールと水の混合溶媒で再結晶して5gの[4−(3−エチルオキセタン−3−イルメトキシ)フェニル]プロピオン酸(OX7)を得た。融点:85℃であった。
Figure 0005225540
4,4'−ジヒドロキシ−3,3'−ジメチルビフェニルの合成
(第1段階)
3,3'−ジメチルビフェニル40.4gを二硫化炭素200mlに溶かした溶液に塩化アルミニウム127.1gを加えた。アイスバスを用いて5℃に冷やし、そこへ塩化アセチル38.1を滴下した後、室温で1日かくはんした。反応溶液を氷水へ注ぎ、反応を終えた。酢酸エチルを加え抽出し、有機層を6N塩酸、飽和炭酸ナトリウム水、水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、得られた残査をエタノールで再結晶して16gの4,4'−ジアセチル−3,3'−ジメチルビフェニルを得た。融点は130〜131℃であった。
Figure 0005225540
(第2段階)
4,4'−ジアセチル−3,3'−ジメチルビフェニル19.3g、ギ酸74.4g、無水酢酸28.3gを塩化メチレン240mlに加えた。アイスバスで冷やした溶液に硫酸8.2ml、次に過酸化水素水32.5gを滴下した後、5時間還流した。水を加え抽出し、塩化メチレン層を2N−水酸化ナトリウム水溶液、10%亜硫酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。塩化メチレンを減圧蒸留により除き、得られた残査をエタノールで再結晶することで12.5gの4,4'−ジアセトキシ−3,3'−ジメチルビフェニルを得た。融点は124〜134℃であった。
Figure 0005225540
(第3段階)
4,4'−ジアセトキシ−3,3'−ジメチルビフェニル12.5g、水酸化リチウム4.4gをエチレングリコール130mlに加え、3時間還流した。6N塩酸200mlに反応溶液を注ぎ、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を分液して、溶媒を留去した。得られた残査をクロロホルムで再結晶して5.5gの4,4'−ジヒドロキシ−3,3'−ジメチルビフェニルを得た。融点は154〜159℃であった。
Figure 0005225540
4,4'−ジヒドロキシ−3,3'−ジメチルビフェニル0.5g、4−[4−(3−エチルオキセタン−3−イルメトキシ)ブチルオキシ]安息香酸(OX3)1.6g、ジメチルアミノピリジン0.1gを塩化メチレン20mlに加えた溶液に1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩1gを加え、室温で12時間攪拌した。水50mlを加え、得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去して得られた残査をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、0.8gの化合物No.15を得た。相転移温度はC 105 N 122.8 Iであった。
Figure 0005225540
実施例2
4,4'−ジヒドロキシ−3,3'−ジメチルビフェニル0.5g、4−[4−(3−メチルオキセタン−3−イルメトキシ)ヘキシルオキシ]安息香酸(OX1)1.7g、ジメチルアミノピリジン0.1gを塩化メチレン20mlに加えた溶液に1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩1gを加え、室温で12時間攪拌した。水50mlを加え、得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去して得られた残査をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、0.8gの化合物No.31を得た。相転移温度はC 95.2 N 135.7 Iであった。
Figure 0005225540
実施例3
(第1段階)
4−ブロモ−2,6−ジメチルフェノール45.5gベンジルクロライド34.4g、水酸化カリウム15.2gをエタノール400mlに加えて6時間還流した。水を加え酢酸エチルで抽出、抽出溶液を2Nの水酸化ナトリウム水で洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去して44gの4−ベンジルオキシ−3、5−ジメチルブロモベンゼンを得た。
Figure 0005225540
(第2段階)
4−ベンジルオキシ−3、5−ジメチルブロモベンゼン20gをテトラヒドロフラン50mlに溶かした溶液を1.8gのマグネシウムが浸る程度に加え加熱した。マグネシウムが溶け出し反応していることを確認した後、残りの溶液を滴下した。滴下終了後、1時間還流してグリニャール試薬を調製した。グリニャール試薬溶液を−8℃まで冷やし、そこへホウ酸トリメチル9.9gを滴下し、30分間かくはんした。50mlの6N塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を水、飽和炭酸ナトリウム水、水の順番で洗浄した。溶媒を留去して得られた残査をトルエンで再結晶することで9.4gの4−ベンジルオキシ−3、5−ジメチルベンゼンホウ素酸を得た。
Figure 0005225540
(第3段階)
4−ベンジルオキシ−3、5−ジメチルベンゼンホウ素酸9.4g、4−ベンジルオキシブロモベンゼン9.5g、テトラキスパラジウム1.2g、炭酸ナトリウム2M水溶液36mlをジエチレングリコールジメチルエーテル90mlに加え6時間還流した。水を加え酢酸エチルで抽出、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去して得られた残査をアセトンで再結晶して8.9gの4,4'−ジベンジルオキシ−3,5−ジメチルビフェニルを得た。
Figure 0005225540
(第3段階)
4,4'−ジベンジルオキシ−3,5−ジメチルビフェニル8.9g、パラジウム炭素0.4gをテトラヒドロフラン100mlに加えたフラスコに常圧で水素を導入し、水素が吸収されなくなるまでかくはんした。触媒をろ過して取り除き溶媒を留去して4.3gの4,4'−ジヒドロキシ−3,5−ジメチルビフェニルを得た。融点は160.7〜166℃であった。
Figure 0005225540
4,4'−ジヒドロキシ−3,5−ジメチルビフェニル0.5g、4−[4−(3−メチルオキセタン−3−イルメトキシ)ヘキシルオキシ]安息香酸(OX1)1.65g、ジメチルアミノピリジン0.05gを塩化メチレン20mlに加えた溶液に1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩1gを加え、室温で12時間攪拌した。水50mlを加え、得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去して得られた残査をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、0.5gの化合物No.30を得た。相転移温度はC 85.6 N 129 Iであった。
Figure 0005225540
実施例4
(第1段階)
4−ベンジルオキシ−3−フルオロブロモベンゼン20gをテトラヒドロフラン100mlに溶かした溶液を1.9gのマグネシウムが浸る程度に加え加熱した。マグネシウムが溶け出し反応していることを確認した後、残りの溶液を滴下した。滴下終了後、1時間還流してグリニャール試薬を調製した。グリニャール試薬溶液を−8℃まで冷やし、そこへホウ酸トリメチル10.2gを滴下し、30分間かくはんした。50mlの6N塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を水、飽和炭酸ナトリウム水、水の順番で洗浄した。溶媒を留去して得られた残査をトルエンで再結晶することで10.3gの4−ベンジルオキシ−3−フルオロベンゼンホウ素酸を得た。
Figure 0005225540
(第2段階)
4−ベンジルオキシ−3−フルオロベンゼンホウ素酸5g、4−ベンジルオキシ−3,5−ジメチルブロモベンゼン5.8g、テトラキスパラジウム0.7g、炭酸ナトリウム2M溶液20mlをジエチレングリコールジメチルエーテル50mlに加え6時間還流した。水を加え酢酸エチルで抽出、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去して得られた残査をアセトンで再結晶して7gの4,4'−ジベンジルオキシ−3,5−ジメチル−3'−フルオロビフェニルを得た。
Figure 0005225540
(第3段階)
4,4'−ジベンジルオキシ−3,5−ジメチル−3'−フルオロビフェニル7g、パラジウム炭素0.3gをテトラヒドロフラン100mlに加えたフラスコに常圧で水素を導入し、水素が吸収されなくなるまでかくはんした。触媒をろ過して取り除き溶媒を留去して4gの4,4'−ジヒドロキシ−3,5−ジメチル−3'−フルオロビフェニルを得た。融点は158〜160.6℃であった。
Figure 0005225540
4,4'−ジヒドロキシ−3,5−ジメチル−3'−フルオロビフェニル0.5g、4−[4−(3−メチルオキセタン−3−イルメトキシ)ヘキシルオキシ]安息香酸(OX1)1.5g、ジメチルアミノピリジン0.1gを塩化メチレン20mlに加えた溶液に1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩0.95gを加え、室温で12時間攪拌した。水50mlを加え、得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去して得られた残査をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、0.8gの化合物No.32を得た。相転移温度はC 94 N 100 Iであった。
Figure 0005225540
実施例5
(第1段階)
4−ベンジルオキシ−2,5−ジメチルブロモベンゼン27gをテトラヒドロフラン70mlに溶かした溶液を2.3gのマグネシウムが浸る程度に加え加熱した。マグネシウムが溶け出し反応していることを確認した後、残りの溶液を滴下した。滴下終了後、1時間還流してグリニャール試薬を調製した。グリニャール試薬溶液を−8℃まで冷やし、そこへホウ酸トリメチル13.4gを滴下し、30分間かくはんした。50mlの6N塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を水、飽和炭酸ナトリウム水、水の順番で洗浄した。溶媒を留去して13.9gの4−ベンジルオキシ−2,5−ジメチルベンゼンホウ素酸を得た。
Figure 0005225540
(第2段階)
4−ベンジルオキシ−2,5−ジメチルベンゼンホウ素酸9g、4−ベンジルオキシブロモベンゼン9.5g、テトラキスパラジウム1.2g、炭酸ナトリウム2M溶液36mlをジエチレングリコールジメチルエーテル90mlに加え6時間還流した。水を加え酢酸エチルで抽出、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去して得られた残査をアセトンで再結晶して7.1gの4,4'−ジベンジルオキシ−2,5−ジメチルビフェニルを得た。
Figure 0005225540
(第3段階)
4,4'−ジベンジルオキシ−2,5−ジメチルビフェニル7.1g、パラジウム炭素0.4gをテトラヒドロフラン100mlに加えたフラスコに常圧で水素を導入し、水素が吸収されなくなるまでかくはんした。触媒をろ過して取り除き溶媒を留去して5gの4,4'−ジヒドロキシ−2,5−ジメチルビフェニルを得た。
Figure 0005225540
4,4'−ジヒドロキシ−2,5−ジメチルビフェニル0.5g、4−[4−(3−メチルオキセタン−3−イルメトキシ)ヘキシルオキシ]安息香酸(OX1)1.65g、ジメチルアミノピリジン0.05gを塩化メチレン20mlに加えた溶液に1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩1gを加え、室温で12時間攪拌した。水50mlを加え、得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去して得られた残査をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、0.7gの化合物No.29を得た。
Figure 0005225540
実施例6
(第1段階)
4−ベンジルオキシ−3−フルオロベンゼンホウ素酸10g、1,4−ジブロモ−3−メチルベンゼン5g、テトラキスパラジウム0.2g、炭酸ナトリウム2M溶液60mlをジエチレングリコールジメチルエーテル100mlに加え6時間還流した。水を加えると結晶が析出したので、ろ過して結晶を乾燥した。アセトンで再結晶して8.4gの化合物[TB1]を得た。
Figure 0005225540
(第2段階)
化合物[TB1]8.4gパラジウム炭素0.6をテトラヒドロフラン100mlに加えたフラスコに常圧で水素を導入し、水素が吸収されなくなるまでかくはんした。触媒をろ過して取り除き溶媒を留去して6gの化合物[TF1]を得た。
Figure 0005225540
(第3段階)
化合物[TF1]0.3g、4−[4−(3−メチルオキセタン−3−イルメトキシ)ヘキシルオキシ]安息香酸(OX1)1.68g、ジメチルアミノピリジン0.005gを塩化メチレン20mlに加えた溶液に1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩0.42gを加え、室温で12時間攪拌した。水50mlを加え、得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去して得られた残査をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、0.5gの化合物No.28を得た。相転移温度はC 109.2 N 229.4 Iであった。
Figure 0005225540
実施例7
化合物[TF1]0.3g、4−[4−(3−エチルオキセタン−3−イルメトキシ)ブチルオキシ]安息香酸(OX3)1.65g、ジメチルアミノピリジン0.005gを塩化メチレン20mlに加えた溶液に1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩0.42gを加え、室温で12時間攪拌した。水50mlを加え、得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去して得られた残査をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、0.2gの化合物No.12を得た。相転移温度はC 91 N 225.2 Iであった。
Figure 0005225540
実施例8
(第1段階)
4−ベンジルオキシ−3−フルオロベンゼンホウ素酸10g、1,4−ジブロモベンゼン4.8g、テトラキスパラジウム0.2g、炭酸ナトリウム2M溶液60mlをジエチレングリコールジメチルエーテル100mlに加え6時間還流した。水を加えると結晶が析出したので、ろ過して結晶を乾燥した。アセトンで再結晶して4.7gの化合物[TB2]を得た。
Figure 0005225540
(第2段階)
化合物[TB2]4.7g、パラジウム炭素0.5gをテトラヒドロフラン40mlに加えたフラスコに常圧で水素を導入し、水素が吸収されなくなるまでかくはんした。触媒をろ過して取り除き溶媒を留去して2.9gの化合物[TF2]を得た。
Figure 0005225540
化合物[TF2]0.3g、4−[4−(3−エチルオキセタン−3−イルメトキシ)ブチルオキシ]安息香酸(OX4)0.7g、ジメチルアミノピリジン0.05gを塩化メチレン20mlに加えた溶液に1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩0.5gを加え、室温で12時間攪拌した。水50mlを加え、得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去して得られた残査をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、0.4gの化合物No.10を得た。相転移温度はC 128 SmA 205.2 N 298.3 Iであった。
Figure 0005225540
実施例9
(第1段階)
4−ベンジルオキシ−3−フルオロベンゼンホウ素酸10g、1,4−ジブロモ−2−フルオベンゼン5.1g、テトラキスパラジウム0.2g、炭酸ナトリウム2M溶液60mlをジエチレングリコールジメチルエーテル100mlに加え6時間還流した。水を加えると結晶が析出したので、ろ過して結晶を乾燥した。アセトンで再結晶して5.9gの化合物[TB3]を得た。融点は189〜192.1℃であった。
Figure 0005225540
(第2段階)
化合物[TB3]5.7g、パラジウム炭素0.5gをテトラヒドロフラン40mlに加えたフラスコに常圧で水素を導入し、水素が吸収されなくなるまでかくはんした。触媒をろ過して取り除き溶媒を留去して3.4gの化合物[TF3]を得た。
Figure 0005225540
化合物[TF3]0.32g、4−[4−(3−エチルオキセタン−3−イルメトキシ)ブチルオキシ]安息香酸(OX3)0.7g、ジメチルアミノピリジン0.05gを塩化メチレン20mlに加えた溶液に1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩0.5gを加え、室温で12時間攪拌した。水50mlを加え、得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去して得られた残査をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、0.5gの化合物No.11を得た。相転移温度は109.5 SmA 163.5 N 278.6 Iであった。
Figure 0005225540
実施例10
(第1段階)
4−ベンジルオキシ−3、5−ジメチルベンゼンホウ素酸5g、4−ブロモ−4'−ベンジルオキシビフェニル6.6g、テトラキスパラジウム0.6g、炭酸ナトリウム2M溶液19mlをジエチレングリコールジメチルエーテル100mlに加え6時間還流した。水を加えると結晶が析出したので、ろ過して結晶を乾燥した。アセトンで再結晶して7gの化合物[TB4]を得た。
Figure 0005225540
(第2段階)
化合物[TB4]7g、パラジウム炭素0.5gをテトラヒドロフラン40mlに加えたフラスコに常圧で水素を導入し、水素が吸収されなくなるまでかくはんした。触媒をろ過して取り除き溶媒を留去して残査を得た。残査を塩化メチレンを溶出溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して1gの化合物[TF4]を得た。融点は231℃であった。
Figure 0005225540
化合物[TF4]0.3g、4−[4−(3−エチルオキセタン−3−イルメトキシ)ブチルオキシ]安息香酸(OX3)0.7g、ジメチルアミノピリジン0.05gを塩化メチレン20mlに加えた溶液に1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩0.5gを加え、室温で12時間攪拌した。水50mlを加え、得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去して得られた残査をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、0.8gの化合物No.9を得た。相転移温度はC 116 N 250.2 Iであった。
Figure 0005225540
実施例11
(組成物C2の例)
50wt%の化合物No.11および50wt%の化合物(K1)から組成物(CL1)を調製した。ここで化合物(K1)は式(M2a)において、WおよびWが水素であり、Xがどちらも単結合であり、m=n=1である化合物であり、Macromolecules, 26, 1244〜1249ページ、1993年に記載の方法により合成した。この組成物は室温でネマチック相を有した。化合物No.11は良好な相溶性を有し、相分離することはなかった。組成物(CL1)は、ラビングしたTACフィルム上に塗布したところ、ホモジニアス配向を示した。
Figure 0005225540
TACフィルムをケン化処理したあと、その表面をレーヨン布によりラビングした。このフィルムに、組成物(CL1)1gおよびDTS−102(みどり化学(株)の重合開始剤)0.03gのシクロペンタノン(8g)溶液を、スピンコーターを用いて塗布した。塗布後、60℃に設定したオーブン中で5分間加熱した。この熱処理によって溶媒を除去し、液晶分子を配向させた。超高圧水銀灯(250W/cm)を使って紫外線を60℃で10秒間照射し、液晶配向フィルム(F1)を得た。組成物のホモジニアス配向は重合によっても保持された。このフィルムのセロテープ(登録商標)剥離試験において、剥離したます目はなかった。このフィルムの鉛筆硬度は2Hであった。
実施例12
(組成物C1の例)
70wt%の化合物No.15および30wt%の化合物(K2)から組成物(CL2)を調製した。ここで化合物(K2)は式(M1a)において、WおよびWが水素であり、Xが−O−であり、Rが−OCFであり、m=4である化合物であり、特願2004−305799に記載の方法により合成した。この組成物は室温でネマチック相を有した。化合物No.15は良好な相溶性を有し、相分離することはなかった。組成物(CL2)は、ラビングしたTACフィルム上に塗布したところ、ハイブリッド配向を示した。
Figure 0005225540
TACフィルムをケン化処理したあと、その表面をレーヨン布によりラビングした。このフィルムに、組成物(CL2)1gおよびDTS−102(みどり化学(株)の重合開始剤)0.03gのシクロペンタノン(8g)溶液を、スピンコーターを用いて塗布した。塗布後、60℃に設定したオーブン中で5分間加熱した。この熱処理によって溶媒を除去し、液晶分子を配向させた。超高圧水銀灯(250W/cm)を使って紫外線を60℃で10秒間照射し、液晶配向フィルム(F2)を得た。組成物のハイブリッド配向は重合によっても保持された。このフィルムのセロテープ(登録商標)剥離試験において、剥離したます目はなかった。このフィルムの鉛筆硬度は2Hであった。
これらのフィルムの評価結果を表2にまとめる。これらの結果から、1)重合体は支持基板から剥離しにくい、2)重合体は硬い、ということが分かった。
表2.評価結果
Figure 0005225540
実施例13
(組成物C3の例)
下記の組成物(CL3)を用いて実施例12と同様の方法により得られる液晶配向フィルム(F3)は、実施例12の液晶配向フィルム(F2)と同様の特性を有する。ここで化合物(K3)は式(M2e)において、WおよびWが水素であり、Wがメチル、Wが水素であり、m=4、n=4であり、X=Oである化合物であり、特願2003−203629に記載の方法により合成できる。
組成物(CL3)
Figure 0005225540
実施例14
下記の組成物(CL4)、(CL5)を用いて実施例11と同様の方法により得られる液晶配向フィルム(F4)、(F5)は、実施例11の液晶配向フィルム(F1)と同様の特性を有する。ここで化合物(K4)は式(M3e)において、WおよびWが水素、Rがシアノ、Rがメチル、m=4である化合物であり、Macromolecules, 24, 4531〜4537ページ、1991年に記載の方法により合成できる。化合物(K5)は式(M4b)において、WおよびWが水素、W3がメチル、W4が水素、R6がメチル、m=n=6である化合物であり、WO02/28985に記載の方法により合成できる。

(組成物C4の例)
組成物(CL4)
Figure 0005225540

(組成物C5の例)
組成物(CL5)
Figure 0005225540

Claims (20)

  1. 式(1)で表される化合物。
    Figure 0005225540
    式(1)において、Rはメチルまたはエチルであり;Aは独立して1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレンであり、この1,4−フェニレンにおいて任意の水素はフッ素置き換えられてもよく、そして任意の1つまたは2つの水素はメチル置き換えられてもよく;Gは少なくとも1つの水素フッ素またはメチル置換された4,4”−ターフェニルまたは少なくとも1つの水素フッ素またはメチル置換された4,4’−ビフェニル;Zは独立し−COO−、−OCO−−(CHCOO−、−OCO(CH−、−CH=CH−COO−、または−OCO−CH=CH−であり;Pは炭素数1〜のアルキレンであり、このアルキレンにおい任意の−CH−は−O−で置き換えられてよい。
  2. 式(1)において、Rがメチルまたはエチルであり;Aが独立して1,4−フェニレンであり、この1,4−フェニレンにおいて任意の水素はフッ素置き換えられてもよく、そして任意の1つまたは2つの水素はメチル置き換えられてもよく;Gが少なくとも1つの水素フッ素またはメチル置換された4,4”−ターフェニルまたは少なくとも1つの水素フッ素またはメチル置換された4,4’−ビフェニル;Zは独立し−COO−、−OCO−−(CHCOO−、−OCO(CH−、−CH=CH−COO−、または−OCO−CH=CH−であり;Pが炭素数1〜のアルキレンであり、このアルキレンにおいて任意の−CH−は−O−で置き換えられてよい請求項1に記載の化合物。
  3. 式(1)において、Rがメチルまたはエチルであり;Aが独立して1,4−フェニレンであり、この1,4−フェニレンにおいて任意の水素はフッ素置き換えられてもよく、そして任意の1つまたは2つの水素はメチル置き換えられてもよく;Gが下記の構造を有し;

    Figure 0005225540

    Zが独立し−COO−、−OCO−−(CHCOO−、−OCO(CH−、−CH=CH−COO−、または−OCO−CH=CH−であり;Pが炭素数1〜のアルキレンであり、このアルキレンにおいて任意の−CH−は−O−で置き換えられてよい請求項1または2に記載の化合物。
  4. 下記の式(2)〜(9)のいずれか1つで表される化合物。
    Figure 0005225540
    上式において、Rがメチルまたはエチルであり;Aが独立して1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,3,5−トリフルオロ−1,4−フェニレン、または2,3,5,6−テトラフルオロ−1,4−フェニレンであり;Zが独立し−COO−、−OCO−−(CHCOO−、−OCO(CH−、−CH=CH−COO−、または−OCO−CH=CH−であり;Pが−O−、−O−(CH)r−、−(CH)r−O−、−(CH)r−、−O−(CH)r−O−、または−O−(CHCHO)s−であり、rが1からの整数であり、そしてsが2ある。
  5. 式(2)〜(9)において、Rがメチルまたはエチルであり;Aが独立して1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン2−メチル−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、または2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレンであり;Zは独立して−COO−、−OCO−、−(CHCOO−、−OCO(CH−、−CH=CH−COO−または−OCO−CH=CH−であり;Pが−O−または−O−(CH)r−O−であり、そしてrが2からの整数である請求項4に記載の化合物。
  6. 式(2)〜(9)において、Rがメチルまたはエチルであり;Aが独立して1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン2−メチル−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、または2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレンであり;Zは独立して−COO−、−OCO−、−(CHCOO−、または−OCO(CH−であり;Pが−O−(CH)r−O−であり、そしてrが2からの整数である請求項4に記載の化合物。
  7. 式(2)〜(9)において、Rがメチルまたはエチルであり;Aが独立して1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレンまたは2−メチル−1,4−フェニレンであり;Zが独立して−COO−、−OCO−、−(CHCOO−、または−OCO(CH−であり;Pが−O−(CH)r−O−であり、そしてrが2からの整数である請求項4に記載の化合物。
  8. 式(2)〜(9)において、Rがメチルであり;Aが独立して1,4−フェニレンであり;Zが独立して−COO−または−OCO−であり;Pが−O−(CH)r−O−であり、そしてrが2からの整数である請求項4に記載の化合物。
  9. 式(2)〜(9)において、Rがエチルであり;Aが独立して1,4−フェニレンであり;Zが独立して−COO−または−OCO−であり;Pが−O−(CH)r−O−であり、そしてrが2からの整数である請求項4に記載の化合物。
  10. 第一成分として、請求項1〜9のいずれか1項に記載の少なくとも1つの化合物を含有する組成物。
  11. 第二成分として、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物とは異なる重合性の化合物をさらに含有する請求項10に記載の組成物。
  12. 第二成分が式(M1)、式(M2)、式(M3)および式(M4)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物である請求項10に記載の組成物。
    Figure 0005225540
    式(M1)〜式(M4)において、Raは水素、フッ素、塩素、−CN、−OCF、炭素数1〜20のアルキル、炭素数1〜20のアルコキシ、炭素数2〜20のアルコキシアルキル、炭素数2〜20のアルケニル、または炭素数2〜20のアルケニルオキシであり;Rbは水素または炭素数1〜5のアルキルであり;Bは独立して1,4−シクロへキシレンまたは1,4−フェニレンであり、この1,4−フェニレンにおいて任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、そして任意の1つまたは2つの水素はメチルまたはトリフルオロメチルで置き換えられてもよく、そしてBの1つはナフタレン−2,6−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、9−メチルフルオレン−2,7−ジイル、9−エチルフルオレン−2,7−ジイル、9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジイル、9−クロロフルオレン−2,7−ジイル、または9,9−ジフルオロフルオレン−2,7−ジイルであってもよく;Yは独立して単結合、−COO−、−OCO−、−(CH−、または−C≡C−であり;Qは独立して単結合または炭素数1〜20のアルキレンであり、このアルキレンにおいて1つまたは2つの−CHは−O−で置き換えられてもよく;そしてtは1または2である。
  13. 式(M1)〜式(M4)において、Raがフッ素、塩素、−CN、−OCF、炭素数1〜15のアルキル、または炭素数2〜15のアルコキシであり;Rbが水素または炭素数1〜2のアルキルであり;Bが独立して1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2−クロロ−1,4−フェニレン、2−メチル−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレン、9−メチルフルオレン−2,7−ジイル、9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジイルまたは9−エチルフルオレン−2,7−ジイルであってもよく;Yが独立して単結合、−COO−、−OCO−、または−C≡C−であり;Qが独立して単結合または炭素数1〜10のアルキレンであり、このアルキレンにおいて1つまたは2つの−CH−は−O−で置き換えられてもよく;そしてtが1または2である請求項12に記載の組成物。
  14. 式(M1)〜式(M4)において、Raがフッ素、塩素、−OCF、炭素数1〜10のアルキル、または炭素数2〜10のアルコキシであり;Rbが水素または炭素数1〜2のアルキルであり;Bが独立して1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2−クロロ−1,4−フェニレン、2−メチル−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレン、9−メチルフルオレン−2,7−ジイル、9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジイルまたは9−エチルフルオレン−2,7−ジイルであってもよく;Yが独立して単結合、−COO−、−OCO−、または−C≡C−であり;Qが独立して単結合、−(CH)m−、−(CH)m−O−、または−O−(CH)m−であり、mが1〜10の整数;そしてtが1または2である請求項12に記載の組成物。
  15. 第二成分が、式(M1)および式(M2)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物、または式(M3)および式(M4)で表される化合物群から選択される化合物である請求項10または11に記載の組成物。
  16. 第一成分として式(1)で表される化合物および第二成分として式(M1)または式(M2)で表される化合物群から選択される化合物を含有する組成物。

    Figure 0005225540

    Figure 0005225540

    式(1)において、Rは水素または炭素数1〜8のアルキルであり、このアルキルにおいて任意の水素はフッ素または塩素で置き換えられてもよく;Aは独立して1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、ピリダジン−3,6−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、またはテトラヒドロナフタレン−2,6−ジイルであり、この1,4−フェニレンにおいて任意の水素はフッ素または塩素で置き換えられてもよく、そして任意の1つまたは2つの水素はシアノ、メチル、エチル、メトキシ、ヒドロキシ、ホルミル、アセトキシ、アセチル、トリフルオロアセチル、ジフルオロメチル、またはトリフルオロメチルで置き換えられてもよく;Gは少なくとも1つの水素が塩素、フッ素、メチル、エチル、イソプロピル、メトキシ、ヒドロキシ、ホルミル、アセトキシ、アセチル、トリフルオロアセチル、ジフルオロメチル、またはトリフルオロメチルで置換された4,4”−ターフェニルまたは少なくとも1つの水素が塩素、フッ素、メチル、エチル、イソプロピル、メトキシ、ヒドロキシ、ホルミル、アセトキシ、アセチル、トリフルオロアセチル、ジフルオロメチル、またはトリフルオロメチルで置換された4,4’−ビフェニル;Zは独立して単結合、−(CH −、−CH=CH−、−C≡C−、−CH O−、−OCH −、−CF O−、−OCF −、−COO−、−OCO−、−NHCO−、−(CH −、−(CH COO−、−OCO(CH −、−CH=CH−COO−、または−OCO−CH=CH−であり;Pは炭素数1〜20のアルキレンであり、このアルキレンにおいて任意の水素はフッ素または塩素で置き換えられてもよく、任意の−CH −は−O−で置き換えられてもよく、任意の1つまたは2つの−CH −は−COO−または−OCO−で置き換えられてもよく、そして任意の1つの−CH −は−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよい。
    式(M1)および(M2)において、Raは水素、フッ素、塩素、−CN、−OCF 、炭素数1〜20のアルキル、炭素数1〜20のアルコキシ、炭素数2〜20のアルコキシアルキル、炭素数2〜20のアルケニル、または炭素数2〜20のアルケニルオキシであり;Bは独立して1,4−シクロへキシレンまたは1,4−フェニレンであり、この1,4−フェニレンにおいて任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、そして任意の1つまたは2つの水素はメチルまたはトリフルオロメチルで置き換えられてもよく、そしてBの1つはナフタレン−2,6−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、9−メチルフルオレン−2,7−ジイル、9−エチルフルオレン−2,7−ジイル、9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジイル、9−クロロフルオレン−2,7−ジイル、または9,9−ジフルオロフルオレン−2,7−ジイルであってもよく;Yは独立して単結合、−COO−、−OCO−、−(CH −、または−C≡C−であり;Qは独立して単結合または炭素数1〜20のアルキレンであり、このアルキレンにおいて1つまたは2つの−CH は−O−で置き換えられてもよく;そしてtは1または2である。
  17. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物を重合させることによって得られる重合体。
  18. 請求項10〜16のいずれか1項に記載の組成物を重合することによって得られる重合体。
  19. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物または請求項10〜16のいずれか1項に記載の組成物を配向させた後、配向を保持したまま重合することによって得られる重合体。
  20. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物または請求項10〜16のいずれか1項に記載の組成物を配向させた後、配向を保持したまま重合することによって得られるフィルム。
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