JP2010112986A - 光学フィルムの製造方法、光学フィルムの製造装置、光学フィルムおよび液晶表示装置 - Google Patents

光学フィルムの製造方法、光学フィルムの製造装置、光学フィルムおよび液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、ロール状フィルムにおける加工においても、配向レベルの高い液晶化合物の配向方法を含む光学フィルムの製造方法、およびその製造方法のための製造装置を提供すること、つまり視野角に優れた光学フィルムの製造方法、製造装置を提供することにある。
【解決手段】支持体上に液晶化合物を硬化させてなる光学異方性層を有する光学フィルムの製造方法において、支持体上または中間層上に液晶化合物を塗設する工程、塗設した液晶化合物層に第1の磁場印加工程、活性線により液晶化合物を硬化する第1の工程、第2の磁場印加工程、活性線により液晶化合物を硬化する第2の工程、をこの順で有することを特徴とする光学フィルムの製造方法。
【選択図】図4

Description

本発明は、透明支持体上または中間層上に液晶化合物からなる光学異方性層を設けた光学フィルムの製造方法、製造装置、その製造方法および製造装置によって製造した光学フィルム、その光学フィルムを使用した偏光板、液晶表示装置に関する。
透明支持体上に液晶化合物からなる光学異方性層を設けた光学フィルムが開発されている。この光学フィルムは、液晶表示装置等の光学補償フィルムとして有用である。
液晶化合物からなる光学異方性層は、その液晶化合物の配向度により光学補償機能の優劣が定まるため、液晶化合物の配向度を上げるための工夫が種々成されている。
例えば、特許文献1、2では、支持体上に液晶化合物を塗設したのち、磁場を印加し液晶化合物を配向させ、その配向過程から、さらに磁場を印加しながら紫外線ランプにより液晶化合物を硬化する技術が公開されている。
この方法は、シート状の支持体においては使用可能なレベルの配向が得られるものの、ロール状フィルムにおける加工では、有効な手段とはいえず、良好なレベルの光学フィルムが得られていなかった。
特開2001−166145号公報 特開2003−43260号公報
本発明の目的は、ロール状フィルムにおける加工においても、配向レベルの高い液晶化合物の配向方法を含む光学フィルムの製造方法、およびその製造方法のための製造装置を提供すること、つまり視野角に優れた光学フィルムの製造方法、製造装置を提供することにある。
本発明者らは、ロール状フィルムにおける加工において配向レベルが上がらなかったのは、ロール状フィルムが移動することにより液晶化合物層界面に随伴空気が発生し、支持体側と空気界面側とで液晶配向度が異なることとなり、これが磁場の印加によっても十分に配向を修正できないまま硬化処理されることが原因であることを見出した。
また、磁場を印加したまま紫外線照射をすることは、紫外線照射によって支持体の温度が上昇し、同時に支持体上の液晶化合物の温度も上昇し液晶の配向を乱すことがわかった。
本発明の目的は、下記によって達成された。
1.支持体上に液晶化合物を硬化させてなる光学異方性層を有する光学フィルムの製造方法において、支持体上または中間層上に液晶化合物を塗設する工程、塗設した液晶化合物層に第1の磁場印加工程、活性線により液晶化合物を硬化する第1の工程、第2の磁場印加工程、活性線により液晶化合物を硬化する第2の工程、をこの順で有することを特徴とする光学フィルムの製造方法。
2.前記活性線により液晶化合物を硬化する第1の工程における活性線の光源が、ピーク波長365±10nmのLED光源であることを特徴とする前記1記載の光学フィルムの製造方法。
3.支持体上に液晶化合物を硬化させてなる光学異方性層を有する光学フィルムの製造装置において、支持体上または中間層上への液晶化合物塗設装置、塗設した液晶化合物層に磁場印加する第1の磁場印加装置、活性線により液晶化合物を硬化する第1の硬化装置、第2の磁場印加装置、活性線により液晶化合物を硬化する第2の硬化装置、をこの順で有することを特徴とする光学フィルムの製造装置。
4.前記1または2記載の光学フィルムの製造方法で製造したことを特徴とする光学フィルム。
5.前記4記載の光学フィルムを使用することを特徴とする液晶表示装置。
本発明により、ロール状フィルムにおける加工においても、配向レベルの高い液晶化合物の配向方法を含む光学フィルムの製造方法、およびその製造方法のための製造装置を提供すること、つまり視野角に優れた光学フィルムの製造方法、製造装置を提供することができた。
<光学フィルム>
本発明の製造方法によって製造する光学フィルムは、支持体、場合によって中間層および液晶化合物を硬化させてなる光学異方性層を有する。
本発明の光学フィルムは、全体として光学補償機能を有し、Ro′、Rt′(以下に定義した)はそれぞれ、45≦Ro≦250、−100≦Rt≦200の範囲であることが好ましい。
本発明の支持体は、それ自身でも光学補償機能を有し、光学的に一軸性または二軸性であることが好ましい。Ro、Rtはそれぞれ0≦Ro≦100、50≦Rt≦300の範囲であることが好ましい。
本発明の光学異方性層は、Ro、Rtはそれぞれ0≦Ro≦150、−300≦Rt≦100の範囲であることが好ましい。
なお、中間層の光学補償機能は、支持体、光学異方性層に比較し無視できるほどに小さい。
ただし、Ro、Rtは下記で表されるレターデーション値である。
Ro=(nx−ny)×d
Rt=((nx+ny)/2−nz)×d
(式中、nxはフィルムの面内の遅相軸方向の屈折率を、nyは面内で遅相軸に直交する方向の屈折率を、nzは厚み方向の屈折率を、dはフィルムの厚み(nm)をそれぞれ表す。屈折率の測定波長は590nmである。)
上記屈折率は、例えばKOBRA−21ADH(王子計測機器(株))を用いて、23℃、55%RHの環境下で、波長が590nmで求めることができる。
光学フィルムのレターデーションの値は、光学異方性層のみのレターデーション値と、支持体のみのレターデーション値を両者の遅相軸の向きが平行の場合には足し合わせ、直交する場合には差し引いたものとした。
Ro′=支持体のRo+光学異方性層のRo
Rt′=支持体のRt+または−光学異方性層のRt
なお、本発明において垂直、平行、直交、水平とは、厳密な角度±10°の範囲内、好ましくは±5°の範囲にあることをいう。
<支持体>
本発明の支持体は、セルロースエステルを主成分(最も多い質量成分)として含有しており、好ましくは、アクリル系重合体と、フラノース構造またはピラノース構造の少なくとも1種を2個以上、12個以下結合した化合物中のOH基の少なくとも1つをエステル化した糖エステル化合物と、をそれぞれ少なくとも1種含有するセルロースエステルフィルムとなっている。
〈セルロースエステル〉
本発明のセルロースエステルとして炭素数2〜22程度のカルボン酸エステルであり、芳香族カルボン酸のエステルでもよく、特に炭素数が6以下の低級脂肪酸エステルであることが好ましい。
水酸基に結合するアシル基は、直鎖であっても分岐してもよく、また環を形成してもよい。さらに別の置換基が置換してもよい。同じ置換度である場合、前記炭素数が多いと複屈折性が低下するため、炭素数としては炭素数2〜6のアシル基の中で選択することが好ましい。前記セルロースエステルとしての炭素数が2〜4であることが好ましく、炭素数が2〜3であることがより好ましい。
具体的には、セルロースエステルとしては、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、またはセルロースアセテートプロピオネートブチレートのようなアセチル基の他にプロピオネート基またはブチレート基が結合したセルロースの混合脂肪酸エステルを用いることができる。
なお、ブチレートを形成するブチリル基としては、直鎖状でも分岐していてもよい。本発明において好ましく用いられるセルロースエステルとしては、特にセルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートフタレートが好ましく用いられる。
本発明に好ましいセルロースアセテートフタレート以外のセルロースエステルとしては、下記式(1)および(2)を同時に満足するものが好ましい。
式(1) 2.0≦X+Y≦3.0
式(2) 0≦Y≦1.5
式中、Xはアセチル基の置換度、Yはプロピオニル基またはブチリル基、もしくはその混合物の置換度である。
また、目的に叶う光学特性を得るために置換度の異なる樹脂を混合して用いても良い。混合比としては10:90〜90:10(質量比)が好ましい。
この中で特にセルロースアセテートプロピオネートが好ましく用いられる。セルロースアセテートプロピオネートでは、1.0≦X≦2.5であり、0.1≦Y≦1.5、2.0≦X+Y≦3.0であることが好ましい。アシル基の置換度の測定方法はASTM−D817−96に準じて測定することができる。
本発明に用いられるセルロースエステルの数平均分子量は、60000〜300000の範囲が、得られるフィルムの機械的強度が強く好ましい。さらに70000〜200000のものが好ましく用いられる。
セルロースエステルの重量平均分子量Mw、数平均分子量Mnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定した。
測定条件は以下の通りである。
溶媒: メチレンクロライド
カラム: Shodex K806、K805、K803G(昭和電工(株)製を3本接続して使用した)
カラム温度:25℃
試料濃度: 0.1質量%
検出器: RI Model 504(GLサイエンス社製)
ポンプ: L6000(日立製作所(株)製)
流量: 1.0ml/min
校正曲線: 標準ポリスチレンSTK standard ポリスチレン(東ソー(株)製)Mw=1000000〜500の13サンプルによる校正曲線を使用した。13サンプルは、ほぼ等間隔に用いる。
本発明に用いられる、セルロースエステルの原料のセルロースとしては、特に限定はないが、綿花リンター、木材パルプ、ケナフなどを挙げることができる。またそれらから得られたセルロースエステルはそれぞれ任意の割合で混合使用することができる。
本発明のセルロースアセテートフタレート等のセルロースエステルは、公知の方法により製造することができる。具体的には特開平10−45804号に記載の方法を参考にして合成することができる。
〈セルロースエステルに含有されるアクリル系重合体〉
本発明では、アクリル系重合体をセルロースエステルに添加することが好ましい。なお、ここでアクリル系重合体にはメタクリル系重合体も含まれる。
本発明に用いられるアクリル系重合体としては、セルロースエステルフィルムに含有させた場合、機能として延伸方向に対して負の複屈折性を示すことが好ましく、特に構造が限定されるものではないが、エチレン性不飽和モノマーを重合して得られた重量平均分子量が500以上30000以下である重合体であることが好ましい。
〈アクリル系重合体の複屈折性試験法〉
アクリル系重合体を溶媒に溶解しキャスト製膜した後、加熱乾燥し、透過率80%以上のフィルムについて複屈折性の評価を行った。
アッベ屈折率計−4T((株)アタゴ製)に多波長光源を用いて屈折率測定を行った。延伸方向の屈折率nyおよび直交する面内方向の屈折率をnxとした。550nmの各々の屈折率について(ny−nx)<0であるフィルムについて、アクリル系重合体は延伸方向に対して負の複屈折性であると判断する。
本発明に用いられる重量平均分子量が500以上30000以下であるアクリル系重合体は、芳香環を側鎖に有するアクリル系重合体またはシクロヘキシル基を側鎖に有するアクリル系重合体であってもよい。
該重合体の重量平均分子量が500以上30000以下のもので該重合体の組成を制御することにより、例えばセルロースエステルフィルムが本発明において特に好ましいセルロースエステルフィルムである場合、該セルロースエステルと該重合体との相溶性を良好にすることができる。
芳香環を側鎖に有するアクリル系重合体またはシクロヘキシル基を側鎖に有するアクリル系重合体について、好ましくは重量平均分子量が500以上10000以下のものであれば、上記に加え、製膜後のセルロースエステルフィルムの透明性が優れ、透湿度も極めて低く、偏光板用保護フィルムとして優れた性能を示す。
該重合体は、重量平均分子量が500以上30000以下であるから、オリゴマーから低分子量重合体の間にあると考えられるものである。このような重合体を合成するには、通常の重合では分子量のコントロールが難しく、分子量を余り大きくしない方法でできるだけ分子量を揃えることのできる方法を用いることが望ましい。
本発明のセルロースエステルフィルムに用いられるアクリル系重合体としては、分子内に芳香環と水酸基を有しないエチレン性不飽和モノマーXaと、分子内に芳香環を有せず、水酸基を有するエチレン性不飽和モノマーXbと、Xa、Xbを除く共重合可能なエチレン性不飽和モノマーとを共重合して得られた重量平均分子量2000以上30000以下の重合体X、または芳香環を有さないエチレン性不飽和モノマーYaと、Yaと共重合可能なエチレン性不飽和モノマーとを重合して得られた重量平均分子量500以上3000以下の重合体Yであることが好ましい。
特に、本発明のセルロースエステルに加える添加剤としては、芳香環を有さないエチレン性不飽和モノマーYaと、Yaと共重合可能なエチレン性不飽和モノマーとを重合して得られた重量平均分子量500以上3000以下の重合体Yであることが好ましい。
〈アクリル系重合体に含有される重合体Y〉
重合体Yは、芳香環を有さないエチレン性不飽和モノマーYaと、Yaと共重合可能なエチレン性不飽和モノマーとを重合して得られる低分子量の重合体であり、重量平均分子量が500以上3000以下となっている。
重量平均分子量500以上であれば重合体の残存モノマーが減少し好ましい。また、3000以下とすることは、レターデーション値Rtを調整するために好ましい。Yaは、好ましくは芳香環を有さないアクリルまたはメタクリルモノマーである。
本発明に用いられる重合体Yは、下記一般式(Y)で表される。
一般式(Y) −[Ya]−[Yb]−上記一般式(Y)において、Yaは芳香環を有しないエチレン性不飽和モノマーを表し、YbはYaと共重合可能なエチレン性不飽和モノマーを表す。kおよびqは、各々モル組成比を表す。ただし、k≠0、k+q=100である。
本発明に係る重合体Yにおいて、さらに好ましくは下記一般式(Y−1)で表される重合体である。
一般式(Y−1) −[CH−C(−R)(−CO)]−[Yb]
上記一般式(Y−1)において、Rは、それぞれ水素原子またはメチル基を表す。Rは炭素数1〜12のアルキル基またはシクロアルキル基を表す。Ybは、[CH−C(−R)(−CO)]と共重合可能なモノマー単位を表す。kおよびqは、それぞれモル組成比を表す。ただしk≠0、k+q=100である。
Ybは、Yaである[CH−C(−R)(−CO)]と共重合可能なエチレン性不飽和モノマーであれば特に制限はない。Ybは複数であってもよい。k+q=100、qは好ましくは0〜30である。
芳香環を有さないエチレン性不飽和モノマーを重合して得られる重合体Yを構成するエチレン性不飽和モノマーYaは、アクリル酸エステルとして、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル(i−、n−)、アクリル酸ブチル(n−、i−、s−、t−)、アクリル酸ペンチル(n−、i−、s−)、アクリル酸ヘキシル(n−、i−)、アクリル酸ヘプチル(n−、i−)、アクリル酸オクチル(n−、i−)、アクリル酸ノニル(n−、i−)、アクリル酸ミリスチル(n−、i−)、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸(2−エチルヘキシル)、アクリル酸(ε−カプロラクトン)、アクリル酸(2−ヒドロキシエチル)、アクリル酸(2−ヒドロキシプロピル)、アクリル酸(3−ヒドロキシプロピル)、アクリル酸(4−ヒドロキシブチル)、アクリル酸(2−ヒドロキシブチル)、メタクリル酸エステルとして、上記アクリル酸エステルをメタクリル酸エステルに変えたもの;不飽和酸として、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、クロトン酸、イタコン酸等を挙げることができる。
Ybは、Yaと共重合可能なエチレン性不飽和モノマーであれば特に制限はないが、ビニルエステルとして、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、吉草酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ミリスチン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビニル、オクチル酸ビニル、メタクリル酸ビニル、クロトン酸ビニル、ソルビン酸ビニル、桂皮酸ビニル等が好ましい。Ybは複数であってもよい。
〈重合体Yの合成方法〉
重合体Yを合成するには、通常の重合では分子量のコントロールが難しく、分子量を余り大きくしない方法で、かつ出来るだけ分子量を揃えることのできる方法を用いることが望ましい。
かかる重合方法としては、クメンペルオキシドやt−ブチルヒドロペルオキシドのような過酸化物重合開始剤を使用する方法、重合開始剤を通常の重合より多量に使用する方法、重合開始剤の他にメルカプト化合物や四塩化炭素等の連鎖移動剤を使用する方法、重合開始剤の他にベンゾキノンやジニトロベンゼンのような重合停止剤を使用する方法、さらに特開2000−128911号または同2000−344823号公報にあるような一つのチオール基と2級の水酸基とを有する化合物、あるいは、該化合物と有機金属化合物を併用した重合触媒を用いて塊状重合する方法等を挙げることができ、何れも本発明において好ましく用いられる。
特に、重合体Yは、分子中にチオール基と2級の水酸基とを有する化合物を連鎖移動剤として使用する重合方法が好ましい。この場合、重合体Yの末端には、重合触媒および連鎖移動剤に起因する水酸基、チオエーテルを有することとなる。この末端残基により、Yとセルロースエステルとの相溶性を調整することができる。
重合体Yの水酸基価は、30〜150[mgKOH/g]であることが好ましい。
なお、水酸基価の測定は、JIS K 0070(1992)に準ずる。この水酸基価は、試料1gをアセチル化させたとき、水酸基と結合した酢酸を中和するのに必要とする水酸化カリウムのmg数と定義される。
具体的には試料Xg(約1g)をフラスコに精秤し、これにアセチル化試薬(無水酢酸20mlにピリジンを加えて400mlにしたもの)20mlを正確に加える。フラスコの口に空気冷却管を装着し、95〜100℃のグリセリン浴にて加熱する。
1時間30分後、冷却し、空気冷却管から精製水1mlを加え、無水酢酸を酢酸に分解する。
次に電位差滴定装置を用いて0.5mol/L水酸化カリウムエタノール溶液で滴定を行い、得られた滴定曲線の変曲点を終点とする。
さらに空試験として、試料を入れないで滴定し、滴定曲線の変曲点を求める。水酸基価は、次の式によって算出する。
水酸基価={(B−C)×f×28.05/X}+D
式中、Bは空試験に用いた0.5mol/Lの水酸化カリウムエタノール溶液の量(ml)、Cは滴定に用いた0.5mol/Lの水酸化カリウムエタノール溶液の量(ml)、fは0.5mol/L水酸化カリウムエタノール溶液のファクター、Dは酸価、また、28.05は水酸化カリウムの1mol量56.11の1/2を表す。
上述の重合体Yは何れもセルロースエステルとの相溶性に優れ、蒸発や揮発もなく生産性に優れ、偏光板用保護フィルムとしての保留性がよく、透湿度が小さく、寸法安定性に優れている。
セルロースエステルフィルム中での重合体Yの好ましい含有量は、0.5〜10質量%であり、より好ましくは1〜5質量%である。
重合体Yは、後述するドープ液を構成する素材として直接添加、溶解するか、もしくはセルロースエステルを溶解する有機溶媒に予め溶解した後ドープ液に添加することができる。
〈セルロースエステルに含有される糖エステル化合物〉
上述したように、本発明のセルロースエステルフィルムは、フラノース構造またはピラノース構造の少なくとも1種を2個以上、12個以下結合した化合物中のOH基の少なくとも1つをエステル化した糖エステル化合物を含んでいることも好ましい。
エステル化の割合としては、ピラノース構造またはフラノース構造内に存在するOH基の70%以上であることが好ましい。
本発明においては、エステル化合物を総称して、糖エステル化合物とも称す。
本発明のエステル化合物の例としては、例えば以下のようなものを挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、キシロース、あるいはアラビノース、ラクトース、スクロース、ニストース、1F−フラクトシルニストース、スタキオース、マルチトール、ラクチトール、ラクチュロース、セロビオース、マルトース、セロトリオース、マルトトリオース、ラフィノースあるいはケストース挙げられる。
このほか、ゲンチオビオース、ゲンチオトリオース、ゲンチオテトラオース、キシロトリオース、ガラクトシルスクロースなども挙げられる。
これらの化合物の中で、特にピラノース構造とフラノース構造を両方有する化合物が好ましい。
例としてはスクロース、ケストース、ニストース、1F−フラクトシルニストース、スタキオースなどが好ましく、さらに好ましくは、スクロースである。
ピラノース構造またはフラノース構造中のOH基のすべてもしくは一部をエステル化するのに用いられるモノカルボン酸としては、特に制限はなく、公知の脂肪族モノカルボン酸、脂環族モノカルボン酸、芳香族モノカルボン酸等を用いることができる。用いられるカルボン酸は1種類でもよいし、2種以上の混合であってもよい。
好ましい脂肪族モノカルボン酸としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、2−エチル−ヘキサンカルボン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸等の飽和脂肪酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、ソルビン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、オクテン酸等の不飽和脂肪酸等を挙げることができる。
好ましい脂環族モノカルボン酸の例としては、酢酸、シクロペンタンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロオクタンカルボン酸、またはそれらの誘導体を挙げることができる。
好ましい芳香族モノカルボン酸の例としては、安息香酸、トルイル酸等の安息香酸のベンゼン環にアルキル基、アルコキシ基を導入した芳香族モノカルボン酸、ケイ皮酸、ベンジル酸、ビフェニルカルボン酸、ナフタリンカルボン酸、テトラリンカルボン酸等のベンゼン環を2個以上有する芳香族モノカルボン酸、またはそれらの誘導体を挙げることができ、より、具体的には、キシリル酸、ヘメリト酸、メシチレン酸、プレーニチル酸、γ−イソジュリル酸、ジュリル酸、メシト酸、α−イソジュリル酸、クミン酸、α−トルイル酸、ヒドロアトロパ酸、アトロパ酸、ヒドロケイ皮酸、サリチル酸、o−アニス酸、m−アニス酸、p−アニス酸、クレオソート酸、o−ホモサリチル酸、m−ホモサリチル酸、p−ホモサリチル酸、o−ピロカテク酸、β−レソルシル酸、バニリン酸、イソバニリン酸、ベラトルム酸、o−ベラトルム酸、没食子酸、アサロン酸、マンデル酸、ホモアニス酸、ホモバニリン酸、ホモベラトルム酸、o−ホモベラトルム酸、フタロン酸、p−クマル酸を挙げることができるが、特に安息香酸が好ましい。
オリゴ糖のエステル化合物は、本発明における「ピラノース構造またはフラノース構造の少なくとも1種を1〜12個を有する化合物」として適用できる。
オリゴ糖は、澱粉、ショ糖等にアミラーゼ等の酵素を作用させて製造されるもので、本発明に適用できるオリゴ糖としては、例えば、マルトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖が挙げられる。
また、前記エステル化合物は、下記一般式(A)で表されるピラノース構造またはフラノース構造の少なくとも1種を1個以上12個以下縮合した化合物である。ただし、R11〜R15、R21〜R25は、炭素数2〜22のアシル基または水素原子を、m、nはそれぞれ0〜12の整数、m+nは1〜12の整数を表す。
Figure 2010112986
11〜R15、R21〜R25は、ベンゾイル基、水素原子であることが好ましい。ベンゾイル基はさらに置換基R26(pは0〜5)を有していてもよく、例えばアルキル基、アルケニル基、アルコキシル基、フェニル基が挙げられ、さらにこれらのアルキル基、アルケニル基、フェニル基は置換基を有していてもよい。オリゴ糖も本発明のエステル化合物と同様な方法で製造することができる。
以下に、本発明に係るエステル化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2010112986
Figure 2010112986
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Figure 2010112986
Figure 2010112986
Figure 2010112986
Figure 2010112986
Figure 2010112986
本発明のセルロースエステルフィルムは、位相差値の変動を抑制して、表示品位を安定化する為に、以上の糖エステル化合物を、セルロースエステルフィルムの1〜30質量%含むことが好ましく、特には、5〜30質量%含むことが好ましい。
<セルロースエステルに含有される他の添加剤>
〈可塑剤〉
本発明のセルロースエステルフィルムは、本発明の効果を得る上で必要に応じて可塑剤を含有することができる。
可塑剤は特に限定されないが、好ましくは、多価カルボン酸エステル系可塑剤、グリコレート系可塑剤、フタル酸エステル系可塑剤、脂肪酸エステル系可塑剤および多価アルコールエステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、アクリル系可塑剤等から選択される。
そのうち、可塑剤を2種以上用いる場合は、少なくとも1種は多価アルコールエステル系可塑剤であることが好ましい。
多価アルコールエステル系可塑剤は2価以上の脂肪族多価アルコールとモノカルボン酸のエステルよりなる可塑剤であり、分子内に芳香環またはシクロアルキル環を有することが好ましい。好ましくは2〜20価の脂肪族多価アルコールエステルである。
発明に好ましく用いられる多価アルコールは次の一般式(a)で表される。
一般式(a) R−(OH) 但し、Rはn価の有機基、nは2以上の正の整数、OH基はアルコール性、および/またはフェノール性水酸基を表す。
好ましい多価アルコールの例としては、例えば以下のようなものを挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
アドニトール、アラビトール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ジブチレングリコール、1,2,4−ブタントリオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ヘキサントリオール、ガラクチトール、マンニトール、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオール、ピナコール、ソルビトール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、キシリトール等を挙げることができる。
特に、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ソルビトール、トリメチロールプロパン、キシリトールが好ましい。
多価アルコールエステルに用いられるモノカルボン酸としては、特に制限はなく、公知の脂肪族モノカルボン酸、脂環族モノカルボン酸、芳香族モノカルボン酸等を用いることができる。脂環族モノカルボン酸、芳香族モノカルボン酸を用いると透湿性、保留性を向上させる点で好ましい。
好ましいモノカルボン酸の例としては以下のようなものを挙げることができるが、本発明はこれに限定されるものではない。
脂肪族モノカルボン酸としては、炭素数1〜32の直鎖または側鎖を有する脂肪酸を好ましく用いることができる。炭素数は1〜20であることがさらに好ましく、1〜10であることが特に好ましい。酢酸を含有させるとセルロースエステルとの相溶性が増すため好ましく、酢酸と他のモノカルボン酸を混合して用いることも好ましい。
好ましい脂肪族モノカルボン酸としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、2−エチル−ヘキサン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸等の飽和脂肪酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、ソルビン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸等の不飽和脂肪酸等を挙げることができる。
好ましい脂環族モノカルボン酸の例としては、シクロペンタンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロオクタンカルボン酸、またはそれらの誘導体を挙げることができる。
好ましい芳香族モノカルボン酸の例としては、安息香酸、トルイル酸等の安息香酸のベンゼン環にアルキル基、メトキシ基あるいはエトキシ基などのアルコキシ基を1〜3個を導入したもの、ビフェニルカルボン酸、ナフタリンカルボン酸、テトラリンカルボン酸等のベンゼン環を2個以上有する芳香族モノカルボン酸、またはそれらの誘導体を挙げることができる。特に安息香酸が好ましい。
多価アルコールエステルの分子量は特に制限はないが、300〜1500であることが好ましく、350〜750であることがさらに好ましい。分子量が大きい方が揮発し難くなるため好ましく、透湿性、セルロースエステルとの相溶性の点では小さい方が好ましい。
多価アルコールエステルに用いられるカルボン酸は1種類でもよいし、2種以上の混合であってもよい。また、多価アルコール中のOH基は、全てエステル化してもよいし、一部をOH基のままで残してもよい。
以下に、多価アルコールエステルの具体的化合物を例示する。
Figure 2010112986
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Figure 2010112986
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グリコレート系可塑剤は特に限定されないが、アルキルフタリルアルキルグリコレート類が好ましく用いることができる。
アルキルフタリルアルキルグリコレート類としては、例えばメチルフタリルメチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、プロピルフタリルプロピルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、オクチルフタリルオクチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、エチルフタリルメチルグリコレート、エチルフタリルプロピルグリコレート、メチルフタリルブチルグリコレート、エチルフタリルブチルグリコレート、ブチルフタリルメチルグリコレート、ブチルフタリルエチルグリコレート、プロピルフタリルブチルグリコレート、ブチルフタリルプロピルグリコレート、メチルフタリルオクチルグリコレート、エチルフタリルオクチルグリコレート、オクチルフタリルメチルグリコレート、オクチルフタリルエチルグリコレート等が挙げられる。
フタル酸エステル系可塑剤としては、ジエチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジオクチルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジシクロヘキシルテレフタレート等が挙げられる。
クエン酸エステル系可塑剤としては、クエン酸アセチルトリメチル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル等が挙げられる。
脂肪酸エステル系可塑剤として、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバシン酸ジブチル等が挙げられる。
リン酸エステル系可塑剤としては、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジフェニルビフェニルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェート等が挙げられる。
多価カルボン酸エステル化合物としては、2価以上、好ましくは2価〜20価の多価カルボン酸とアルコールのエステルよりなるものが挙げられる。また、脂肪族多価カルボン酸は2〜20価であることが好ましく、芳香族多価カルボン酸、脂環式多価カルボン酸の場合は3価〜20価であることが好ましい。
多価カルボン酸は次の一般式(b)で表される。
一般式(b) R(COOH)(OH)(但し、Rは(m+n)価の有機基、mは2以上の正の整数、nは0以上の整数、COOH基はカルボキシル基、OH基はアルコール性またはフェノール性水酸基を表す)好ましい多価カルボン酸の例としては、例えば以下のようなものを挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸のような3価以上の芳香族多価カルボン酸またはその誘導体、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、シュウ酸、フマル酸、マレイン酸、テトラヒドロフタル酸のような脂肪族多価カルボン酸、酒石酸、タルトロン酸、リンゴ酸、クエン酸のようなオキシ多価カルボン酸などを好ましく用いることができる。特にオキシ多価カルボン酸を用いることが、保留性向上などの点で好ましい。
本発明に用いることのできる多価カルボン酸エステル化合物に用いられるアルコールとしては特に制限はなく公知のアルコール、フェノール類を用いることができる。
例えば炭素数1〜32の直鎖または側鎖を持った脂肪族飽和アルコールまたは脂肪族不飽和アルコールを好ましく用いることができる。炭素数1〜20であることがさらに好ましく、炭素数1〜10であることが特に好ましい。
また、シクロペンタノール、シクロヘキサノールなどの脂環式アルコールまたはその誘導体、ベンジルアルコール、シンナミルアルコールなどの芳香族アルコールまたはその誘導体なども好ましく用いることができる。
多価カルボン酸としてオキシ多価カルボン酸を用いる場合は、オキシ多価カルボン酸のアルコール性またはフェノール性の水酸基をモノカルボン酸を用いてエステル化しても良い。好ましいモノカルボン酸の例としては以下のようなものを挙げることができるが、本発明はこれに限定されるものではない。
脂肪族モノカルボン酸としては炭素数1〜32の直鎖または側鎖を持った脂肪酸を好ましく用いることができる。炭素数1〜20であることがさらに好ましく、炭素数1〜10であることが特に好ましい。
好ましい脂肪族モノカルボン酸としては酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、2−エチル−ヘキサンカルボン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸などの飽和脂肪酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、ソルビン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸などの不飽和脂肪酸などを挙げることができる。
好ましい脂環族モノカルボン酸の例としては、シクロペンタンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロオクタンカルボン酸、またはそれらの誘導体を挙げることができる。
好ましい芳香族モノカルボン酸の例としては、安息香酸、トルイル酸などの安息香酸のベンゼン環にアルキル基を導入したもの、ビフェニルカルボン酸、ナフタリンカルボン酸、テトラリンカルボン酸などのベンゼン環を2個以上もつ芳香族モノカルボン酸、またはそれらの誘導体を挙げることができる。特に酢酸、プロピオン酸、安息香酸であることが好ましい。
多価カルボン酸エステル化合物の分子量は特に制限はないが、分子量300〜1000の範囲であることが好ましく、350〜750の範囲であることがさらに好ましい。保留性向上の点では大きい方が好ましく、透湿性、セルロースエステルとの相溶性の点では小さい方が好ましい。
本発明に用いることのできる多価カルボン酸エステルに用いられるアルコール類は一種類でも良いし、二種以上の混合であっても良い。
本発明に用いることのできる多価カルボン酸エステル化合物の酸価は1mgKOH/g以下であることが好ましく、0.2mgKOH/g以下であることがさらに好ましい。酸価を上記範囲にすることによって、レターデーションの環境変動も抑制されるため好ましい。なお、酸価とは、試料1g中に含まれる酸(試料中に存在するカルボキシル基)を中和するために必要な水酸化カリウムのミリグラム数をいう。酸価はJIS K0070に準拠して測定したものである。
特に好ましい多価カルボン酸エステル化合物の例を以下に示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、トリエチルシトレート、トリブチルシトレート、アセチルトリエチルシトレート(ATEC)、アセチルトリブチルシトレート(ATBC)、ベンゾイルトリブチルシトレート、アセチルトリフェニルシトレート、アセチルトリベンジルシトレート、酒石酸ジブチル、酒石酸ジアセチルジブチル、トリメリット酸トリブチル、ピロメリット酸テトラブチル等が挙げられる。
ポリエステル系可塑剤は特に限定されないが、分子内に芳香環またはシクロアルキル環を有するポリエステル系可塑剤を用いることができる。ポリエステル系可塑剤としては、特に限定されないが、例えば、下記一般式(c)で表せる芳香族末端エステル系可塑剤を用いることができる。
一般式(c) B−(G−A)−G−B
(式中、Bはベンゼンモノカルボン酸残基、Gは炭素数2〜12のアルキレングリコール残基または炭素数6〜12のアリールグリコール残基または炭素数が4〜12のオキシアルキレングリコール残基、Aは炭素数4〜12のアルキレンジカルボン酸残基または炭素数6〜12のアリールジカルボン酸残基を表し、またnは1以上の整数を表す。)
一般式(c)中、Bで示されるベンゼンモノカルボン酸残基とGで示されるアルキレングリコール残基またはオキシアルキレングリコール残基またはアリールグリコール残基、Aで示されるアルキレンジカルボン酸残基またはアリールジカルボン酸残基とから構成されるものであり、通常のポリエステル系可塑剤と同様の反応により得られる。
本発明で使用されるポリエステル系可塑剤のベンゼンモノカルボン酸成分としては、例えば、安息香酸、パラターシャリブチル安息香酸、オルソトルイル酸、メタトルイル酸、パラトルイル酸、ジメチル安息香酸、エチル安息香酸、ノルマルプロピル安息香酸、アミノ安息香酸、アセトキシ安息香酸等があり、これらはそれぞれ1種または2種以上の混合物として使用することができる。
本発明に用いることのできるポリエステル系可塑剤の炭素数2〜12のアルキレングリコール成分としては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−プロパンジオール、2−メチル1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール(3,3−ジメチロールペンタン)、2−n−ブチル−2−エチル−1,3プロパンジオール(3,3−ジメチロールヘプタン)、3−メチル−1,5−ペンタンジオール1,6−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル1,3−ペンタンジオール、2−エチル1,3−ヘキサンジオール、2−メチル1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−オクタデカンジオール等があり、これらのグリコールは、1種または2種以上の混合物として使用される。
特に炭素数2〜12のアルキレングリコールがセルロースエステルとの相溶性に優れているため、特に好ましい。
また、上記芳香族末端エステルの炭素数4〜12のオキシアルキレングリコール成分としては、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等があり、これらのグリコールは、1種または2種以上の混合物として使用できる。
芳香族末端エステルの炭素数4〜12のアルキレンジカルボン酸成分としては、例えば、コハク酸、マレイン酸、フマール酸、グルタール酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等があり、これらは、それぞれ1種または2種以上の混合物として使用される。炭素数6〜12のアリーレンジカルボン酸成分としては、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、1,5ナフタレンジカルボン酸、1,4ナフタレンジカルボン酸等がある。
本発明で使用されるポリエステル系可塑剤は、数平均分子量が、好ましくは300〜1500、より好ましくは400〜1000の範囲が好適である。また、その酸価は、0.5mgKOH/g以下、水酸基価は25mgKOH/g以下、より好ましくは酸価0.3mgKOH/g以下、水酸基価は15mgKOH/g以下のものである。
以下に、本発明に用いることのできる芳香族末端エステル系可塑剤の具体的化合物を示す。
Figure 2010112986
Figure 2010112986
〈紫外線吸収剤〉
本発明に係るセルロースエステルフィルムは、紫外線吸収剤を含有することもできる。紫外線吸収剤は400nm以下の紫外線を吸収することで、耐久性を向上させることを目的としており、特に波長370nmでの透過率が10%以下であることが好ましく、より好ましくは5%以下、さらに好ましくは2%以下である。
本発明に用いられる紫外線吸収剤は特に限定されないが、例えばオキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、トリアジン系化合物、ニッケル錯塩系化合物、無機粉体等が挙げられる。
例えば、5−クロロ−2−(3,5−ジ−sec−ブチル−2−ヒドロキシルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、(2−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(直鎖および側鎖ドデシル)−4−メチルフェノール、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン、2,4−ベンジルオキシベンゾフェノン等があり、また、チヌビン109、チヌビン171、チヌビン234、チヌビン326、チヌビン327、チヌビン328等のチヌビン類があり、これらはいずれもチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製の市販品であり好ましく使用できる。
本発明で好ましく用いられる紫外線吸収剤は、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤であり、特に好ましくはベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、である。
この他、1,3,5トリアジン環を有する化合物等の円盤状化合物も紫外線吸収剤として好ましく用いられる。
本発明において偏光板30を保護する支持体4のセルロースエステルフィルムは紫外線吸収剤を2種以上を含有することが好ましい。
また、紫外線吸収剤としては高分子紫外線吸収剤も好ましく用いることができ、特に特開平6−148430号記載のポリマータイプの紫外線吸収剤が好ましく用いられる。
紫外線吸収剤の添加方法は、メタノール、エタノール、ブタノール等のアルコールやメチレンクロライド、酢酸メチル、アセトン、ジオキソラン等の有機溶媒あるいはこれらの混合溶媒に紫外線吸収剤を溶解してからドープに添加するか、または直接ドープ組成中に添加してもよい。
無機粉体のように有機溶剤に溶解しないものは、有機溶剤とセルロースエステル中にデゾルバーやサンドミルを使用し、分散してからドープに添加する。
紫外線吸収剤の使用量は、紫外線吸収剤の種類、使用条件等により一様ではないが、セルロースエステルフィルムの乾燥膜厚が30〜200μmの場合は、セルロースエステルフィルムに対して0.5〜10質量%が好ましく、0.6〜4質量%がさらに好ましい。
〈酸化防止剤〉
酸化防止剤は劣化防止剤ともいわれる。高湿高温の状態に液晶表示装置1がおかれた場合には、セルロースエステルフィルムの劣化が起こる場合がある。
酸化防止剤は、例えば、セルロースエステルフィルム中の残留溶媒量のハロゲンやリン酸系可塑剤のリン酸等によりセルロースエステルフィルムが分解するのを遅らせたり、防いだりする役割を有するので、前記セルロースエステルフィルム中に含有させるのが好ましい。
このような酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系の化合物が好ましく用いられ、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N′−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト等を挙げることができる。
特に、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕が好ましい。また、例えば、N,N′−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル〕ヒドラジン等のヒドラジン系の金属不活性剤やトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト等のリン系加工安定剤を併用してもよい。
これらの化合物の添加量は、セルロース誘導体に対して質量割合で1ppm〜1.0%が好ましく、10〜1000ppmがさらに好ましい。
〈微粒子〉
本発明におけるセルロースエステルフィルム(支持体4)は、微粒子を含有することが好ましい。
本発明に使用される微粒子としては、無機化合物からなる微粒子や、ポリマーからなる微粒子があり、無機化合物の例として、二酸化珪素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウムおよびリン酸カルシウムを挙げることができる。
微粒子は珪素を含むものが濁度が低くなる点で好ましく、特に二酸化珪素が好ましい。
微粒子の一次粒子の平均粒径は5〜400nmが好ましく、さらに好ましいのは10〜300nmである。
これらは主に粒径0.05〜0.3μmの2次凝集体として含有されていてもよく、平均粒径100〜400nmの粒子であれば凝集せずに一次粒子として含まれていることも好ましい。
セルロースエステルフィルム中のこれらの微粒子の含有量は0.01〜1質量%であることが好ましく、特に0.05〜0.5質量%が好ましい。共流延法による多層構成のセルロースエステルフィルムの場合は、表面にこの添加量の微粒子を含有することが好ましい。
二酸化珪素の微粒子は、例えば、アエロジルR972、R972V、R974、R812、200、200V、300、R202、OX50、TT600(以上日本アエロジル(株)製)の商品名で市販されており、使用することができる。
酸化ジルコニウムの微粒子は、例えば、アエロジルR976およびR811(以上日本アエロジル(株)製)の商品名で市販されており、使用することができる。
ポリマーの例として、シリコーン樹脂、フッ素樹脂およびアクリル樹脂を挙げることができる。シリコーン樹脂が好ましく、特に三次元の網状構造を有するものが好ましく、例えば、トスパール103、同105、同108、同120、同145、同3120および同240(以上東芝シリコーン(株)製)の商品名で市販されており、使用することができる。
これらの中でもでアエロジル200V、アエロジルR972Vがセルロースエステルフィルムの濁度を低く保ちながら、摩擦係数を下げる効果が大きいため特に好ましく用いられる。本発明で用いられるセルロースエステルフィルムにおいては、少なくとも一方の面の動摩擦係数が0.2〜1.0であることが好ましい。
各種添加剤は製膜前のセルロースエステル含有溶液であるドープにバッチ添加してもよいし、添加剤溶解液を別途用意してインライン添加してもよい。特に微粒子は濾過材への負荷を減らすために、一部または全量をインライン添加することが好ましい。
添加剤溶解液をインライン添加する場合は、ドープとの混合性をよくするため、少量のセルロースエステルを溶解するのが好ましい。好ましいセルロースエステルの量は、溶剤100質量部に対して1〜10質量部で、より好ましくは、3〜5質量部である。
本発明においてインライン添加、混合を行うためには、例えば、スタチックミキサー(東レエンジニアリング製)、SWJ(東レ静止型管内混合器 Hi−Mixer)等のインラインミキサー等が好ましく用いられる。
<セルロースエステルフィルム(支持体)の製造方法>
次に、本発明のセルロースエステルフィルムの製造方法について説明する。
本発明に係るセルロースエステルフィルムは溶液流延法で製造されたフィルムであっても溶融流延法で製造されたフィルムであっても好ましく用いることができる。
本発明のセルロースエステルフィルムの製造は、セルロースエステルおよび添加剤を溶剤に溶解させてドープを調製する工程、ドープを無限に移行する無端の金属支持体上に流延する工程、流延したドープをウェブとして乾燥する工程、金属支持体から剥離する工程、延伸または幅保持する工程、さらに乾燥する工程、仕上がったフィルムを巻取る工程により行われる。
ドープを調製する工程について述べる。ドープ中のセルロースエステルの濃度は、濃い方が金属支持体に流延した後の乾燥負荷が低減できて好ましいが、セルロースエステルの濃度が濃過ぎると濾過時の負荷が増えて、濾過精度が悪くなる。これらを両立する濃度としては、10〜35質量%が好ましく、さらに好ましくは、15〜25質量%である。
ドープで用いられる溶剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよいが、セルロースエステルの良溶剤と貧溶剤を混合して使用することが生産効率の点で好ましく、良溶剤が多い方がセルロースエステルの溶解性の点で好ましい。
良溶剤と貧溶剤の混合比率の好ましい範囲は、良溶剤が70〜98質量%であり、貧溶剤が2〜30質量%である。良溶剤、貧溶剤とは、使用するセルロースエステルを単独で溶解するものを良溶剤、単独で膨潤するかまたは溶解しないものを貧溶剤と定義している。
そのため、セルロースエステルの平均酢化度(アセチル基置換度)によっては、良溶剤,貧溶剤となる溶剤の種類が変わり、例えばアセトンを溶剤として用いる場合、このアセトンは、アセチル基置換度2.4のセルロースエステルの酢酸エステルや、セルロースアセテートプロピオネートでは良溶剤になり、アセチル基置換度2.8のセルロースの酢酸エステルでは貧溶剤となる。
本発明に用いられる良溶剤は特に限定されないが、メチレンクロライド等の有機ハロゲン化合物やジオキソラン類、アセトン、酢酸メチル、アセト酢酸メチル等が挙げられる。特に好ましくはメチレンクロライドまたは酢酸メチルが挙げられる。
また、本発明に用いられる貧溶剤は特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、n−ブタノール、シクロヘキサン、シクロヘキサノン等が好ましく用いられる。また、ドープ中には水が0.01〜2質量%含有していることが好ましい。
また、セルロースエステルの溶解に用いられる溶媒は、フィルム製膜工程で乾燥によりフィルムから除去された溶媒を回収し、これを再利用して用いられる。
回収溶剤中に、セルロースエステルに添加されている添加剤、例えば可塑剤、紫外線吸収剤、ポリマー、モノマー成分などが微量含有されていることもあるが、これらが含まれていても好ましく再利用することができるし、必要であれば精製して再利用することもできる。
上記記載のドープを調製する時の、セルロースエステルの溶解方法としては、一般的な方法を用いることができる。加熱と加圧を組み合わせると常圧における沸点以上に加熱できる。
溶剤の常圧での沸点以上でかつ加圧下で溶剤が沸騰しない範囲の温度で加熱しながら攪拌溶解すると、ゲルやママコと呼ばれる塊状未溶解物の発生を防止するため好ましい。
また、セルロースエステルを貧溶剤と混合して湿潤あるいは膨潤させた後、さらに良溶剤を添加して溶解する方法も好ましく用いられる。
加圧は窒素ガス等の不活性気体を圧入する方法や、加熱によって溶剤の蒸気圧を上昇させる方法によって行ってもよい。加熱は外部から行うことが好ましく、例えばジャケットタイプのものは温度コントロールが容易で好ましい。
溶剤を添加しての加熱温度は、高い方がセルロースエステルの溶解性の観点から好ましいが、加熱温度が高過ぎると必要とされる圧力が大きくなり生産性が悪くなる。
好ましい加熱温度は45〜120℃であり、60〜110℃がより好ましく、70℃〜105℃がさらに好ましい。また、圧力は設定温度で溶剤が沸騰しないように調整される。
もしくは冷却溶解法も好ましく用いられ、これによって酢酸メチルなどの溶媒にセルロースエステルを溶解させることができる。
次に、このセルロースエステル溶液を濾紙等の適当な濾過材を用いて濾過する。濾過材としては、不溶物等を除去するために絶対濾過精度が小さい方が好ましいが、絶対濾過精度が小さ過ぎると濾過材の目詰まりが発生し易いという問題がある。
このため絶対濾過精度0.008mm以下の濾材が好ましく、0.001〜0.008mmの濾材がより好ましく、0.003〜0.006mmの濾材がさらに好ましい。
濾材の材質は特に制限はなく、通常の濾材を使用することができるが、ポリプロピレン、テフロン(登録商標)等のプラスチック製の濾材や、ステンレススティール等の金属製の濾材が繊維の脱落等がなく好ましい。
濾過により、原料のセルロースエステルに含まれていた不純物、特に輝点異物を除去、低減することが好ましい。
輝点異物とは、2枚の偏光板をクロスニコル状態にして配置し、その間に光学フィルム等を置き、一方の偏光板の側から光を当てて、他方の偏光板の側から観察した時に反対側からの光が漏れて見える点(異物)のことであり、径が0.01mm以上である輝点数が200個/cm以下であることが好ましい。
より好ましくは100個/cm以下であり、さらに好ましくは50個/m以下であり、さらに好ましくは0〜10個/cm以下である。また、0.01mm以下の輝点も少ない方が好ましい。
ドープの濾過は通常の方法で行うことができるが、溶剤の常圧での沸点以上で、かつ加圧下で溶剤が沸騰しない範囲の温度で加熱しながら濾過する方法が、濾過前後の濾圧の差(差圧という)の上昇が小さく、好ましい。
好ましい温度は45〜120℃であり、45〜70℃がより好ましく、45〜55℃であることがさらに好ましい。
濾圧は小さい方が好ましい。濾圧は1.6MPa以下であることが好ましく、1.2MPa以下であることがより好ましく、1.0MPa以下であることがさらに好ましい。
ここで、ドープの流延について説明する。
流延(キャスト)工程における金属支持体は、表面を鏡面仕上げしたものが好ましく、金属支持体としては、ステンレススティールベルトもしくは鋳物で表面をメッキ仕上げしたドラムが好ましく用いられる。
キャストの幅は1〜4mとすることができる。流延工程の金属支持体の表面温度は−50℃〜溶剤の沸点未満の温度で、温度が高い方がウェブの乾燥速度が速くできるので好ましいが、余り高過ぎるとウェブが発泡したり、平面性が劣化したりする場合がある。
好ましい支持体温度は0〜40℃であり、5〜30℃がさらに好ましい。あるいは、冷却することによってウェブをゲル化させて残留溶媒を多く含んだ状態でドラムから剥離することも好ましい方法である。
金属支持体の温度を制御する方法は特に制限されないが、温風または冷風を吹きかける方法や、温水を金属支持体の裏側に接触させる方法がある。温水を用いる方が熱の伝達が効率的に行われるため、金属支持体の温度が一定になるまでの時間が短く好ましい。温風を用いる場合は目的の温度よりも高い温度の風を使う場合がある。
セルロースエステルフィルムが良好な平面性を示すためには、金属支持体からウェブを剥離する際の残留溶媒量は10〜150質量%が好ましく、さらに好ましくは20〜40質量%または60〜130質量%であり、特に好ましくは、20〜30質量%または70〜120質量%である。
本発明においては、残留溶媒量は下記式で定義される。
残留溶媒量(質量%)={(M−N)/N}×100 尚、指揮中の「M」はウェブまたはフィルムを製造中または製造後の任意の時点で採取した試料の質量であり、「N」は採取した試料を115℃で1時間加熱した後の質量である。
また、セルロースエステルフィルムの乾燥工程においては、ウェブを金属支持体より剥離し、さらに乾燥し、残留溶媒量を1質量%以下にすることが好ましく、さらに好ましくは0.1質量%以下であり、特に好ましくは0〜0.01質量%以下である。
フィルム乾燥工程では一般にロール乾燥方式(上下に配置した多数のロールにウェブを交互に通し乾燥させる方式)やテンター方式でウェブを搬送させながら乾燥する方式が採られる。
本発明のセルロースエステルフィルムを作製するためには、ウェブの両端をクリップ等で把持するテンター方式で幅方向(横方向)に延伸を行うことが特に好ましい。剥離張力は300N/m以下で剥離することが好ましい。
ウェブを乾燥させる手段は特に制限なく、一般的に熱風、赤外線、加熱ロール、マイクロ波等で行うことができるが、簡便さの点で熱風で行うことが好ましい。
ウェブの乾燥工程における乾燥温度は40〜200℃で段階的に高くしていくことが好ましい。
セルロースエステルフィルムの膜厚は、特に限定はされないが10〜200μmが用いられる。特に膜厚は10〜100μmであることが特に好ましい。さらに好ましくは30〜70μmである。
本発明のセルロースエステルフィルムは、幅1〜4mのものが用いられる。特に幅1.4〜4mのものが好ましく用いられ、特に好ましくは1.6〜3mである。4mを超えると搬送が困難となる。
本発明で目標とするレターデーション値Ro、Rt(Roは面内方向のレターデーション値、Rtは厚さ方向のレターデーション値)を得るには、セルロースエステルフィルムが本発明の構成をとり、さらに延伸操作により屈折率制御を行うことが好ましい。
例えばフィルムの長手方向(製膜方向)およびそれとフィルム面内で直交する方向、即ち幅手方向に対して、逐次または同時に2軸延伸もしくは1軸延伸することができる。
互いに直交する2軸方向の延伸倍率は、それぞれ最終的には流延方向に0.8〜1.5倍、幅方向に1.1〜2.5倍の範囲とすることが好ましく、流延方向に0.8〜1.0倍、幅方向に1.2〜2.0倍に範囲で行うことが好ましい。
延伸温度は120℃〜200℃が好ましく、さらに好ましくは160℃〜200℃であり、さらに好ましくは170℃を超えて200℃以下で延伸するのが好ましい。
フィルム中の残留溶媒は20〜0%が好ましく、さらに好ましくは15〜0%で延伸するのが好ましい。
具体的には175℃で残留溶媒が11%で延伸する、あるいは175℃で残留溶媒が2%で延伸するのが好ましい。もしくは185℃で残留溶媒が11%で延伸するのが好ましく、あるいは185℃で残留溶媒が1%未満で延伸するのが好ましい。
ウェブを延伸する方法には特に限定はない。例えば、複数のロールに周速差をつけ、その間でロール周速差を利用して縦方向に延伸する方法、ウェブの両端をクリップやピンで固定し、クリップやピンの間隔を進行方向に広げて縦方向に延伸する方法、同様に横方向に広げて横方向に延伸する方法、あるいは縦横同時に広げて縦横両方向に延伸する方法などが挙げられる。もちろんこれ等の方法は、組み合わせて用いてもよい。
また、所謂テンター法の場合、リニアドライブ方式でクリップ部分を駆動すると滑らかな延伸を行うことができ、破断等の危険性が減少できるので好ましい。
製膜工程のこれらの幅保持あるいは横方向の延伸はテンターによって行うことが好ましく、ピンテンターでもクリップテンターでもよい。
本発明のセルロースエステルフィルムの遅相軸または進相軸がフィルム面内に存在し、製膜方向とのなす角をθ1とするとθ1は−1°以上+1°以下であることが好ましく、−0.5°以上+0.5°以下であることがより好ましい。
このθ1は配向角として定義でき、θ1の測定は、自動複屈折計KOBRA−21ADH(王子計測機器)を用いて行うことができる。θ1が各々上記関係を満たすことは、表示画像において高い輝度を得ること、光漏れを抑制または防止することに寄与でき、カラー液晶表示装置においては忠実な色再現を得ることに寄与できる。
<中間層>
本発明では、支持体と光学異方性層との間に、10nm〜10μmの厚さの中間層を設けてもよい。中間層は、転写などの方法で設けることもできるが、塗布によって設けることが生産性の観点から好ましい。
本発明の中間層は、支持体と、光学異方性層の間に設けられる。
本発明の中間層は、透明樹脂で構成される。透明樹脂は、飽和炭化水素鎖またはポリエーテル鎖を主鎖として有するバインダーポリマーであることが好ましく、飽和炭化水素鎖を主鎖として有するバインダーポリマーであることがさらに好ましい。
特に好ましくは、紫外線や電子線のような活性線照射により架橋反応等を経て硬化する樹脂、あるいは架橋剤と反応部位を有する樹脂との混合組成物である。
硬化性樹脂としては、例えば、紫外線硬化型ウレタンアクリレート系樹脂、紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂、紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂、紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂、または紫外線硬化型エポキシ樹脂等の紫外線硬化型アクリレート系樹脂が好ましく用いられる。
紫外線硬化型ウレタンアクリレート系樹脂は、一般にポリエステルポリオールにイソシアネートモノマー、またはプレポリマーを反応させて得られた生成物をさらに2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(以下アクリレートにはメタクリレートを包含するものとしてアクリレートのみを表示する)、2−ヒドロキシプロピルアクリレート等の水酸基を有するアクリレート系のモノマーを反応させることによって容易に得ることができる。
例えば、特開昭59−151110号号公報に記載のものを用いることができる。例えば、紫光UV−7510B(日本合成化学(株)製)、ユニディック17−806(大日本インキ(株)製)100部とコロネートL(日本ポリウレタン(株)製)1部との混合物等が好ましく用いられる。
紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂としては、一般にポリエステルポリオールに2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシアクリレート系のモノマーを反応させると容易に形成されるものを挙げることができ、特開昭59−151112号公報に記載のものを用いることができる。
紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂の具体例としては、エポキシアクリレートをオリゴマーとし、これに反応性希釈剤、光重合開始剤を添加し、反応させて生成するものを挙げることができ、特開平1−105738号公報に記載のものを用いることができる。
紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂の具体例としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等を挙げることができる。
これら硬化性樹脂の光重合開始剤としては、具体的には、ベンゾインおよびその誘導体、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、α−アミロキシムエステル、チオキサントン等およびこれらの誘導体を挙げることができる。光増感剤と共に使用してもよい。
また、エポキシアクリレート系の光重合開始剤の使用の際、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等の増感剤を用いることができる。
硬化性樹脂組成物に用いられる光重合開始剤また光増感剤は該組成物100質量部に対して0.1〜25質量部であり、好ましくは1〜15質量部である。
アクリレート系樹脂としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、ベンジルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ジビニルベンゼン、1,4−シクロヘキサンジアクリレート、1,4−シクロヘキシルジメチルアジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリルエステル等を挙げることができる。
これらの市販品としては、アデカオプトマーKR・BYシリーズ:KR−400、KR−410、KR−550、KR−566、KR−567、BY−320B(旭電化(株)製);コーエイハードA−101−KK、A−101−WS、C−302、C−401−N、C−501、M−101、M−102、T−102、D−102、NS−101、FT−102Q8、MAG−1−P20、AG−106、M−101−C(広栄化学(株)製);セイカビームPHC2210(S)、PHCX−9(K−3)、PHC2213、DP−10、DP−20、DP−30、P1000、P1100、P1200、P1300、P1400、P1500、P1600、SCR900(大日精化工業(株)製);KRM7033、KRM7039、KRM7130、KRM7131、UVECRYL29201、UVECRYL29202(ダイセル・ユーシービー(株)製);RC−5015、RC−5016、RC−5020、RC−5031、RC−5100、RC−5102、RC−5120、RC−5122、RC−5152、RC−5171、RC−5180、RC−5181(大日本インキ化学工業(株)製);オーレックスNo.340クリヤ(中国塗料(株)製);サンラッドH−601、RC−750、RC−700、RC−600、RC−500、RC−611、RC−612(三洋化成工業(株)製);SP−1509、SP−1507(昭和高分子(株)製);RCC−15C(グレース・ジャパン(株)製)、アロニックスM−6100、M−8030、M−8060(東亞合成(株)製)、NKハードB−420、NKエステルA−DOG、NKエステルA−IBD−2E(新中村化学工業(株)製)等を適宜選択して利用できる。
また、その他として、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジオキサングリコールアクリレート、エトキシ化アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等を挙げることができる。
本発明の架橋剤と反応部位を有する樹脂の混合組成物としては、例えばポリビニルアルコールとグリオキザール、ゼラチンとグリオキザール等が挙げられる。
また、中間層には、フッ素−アクリル共重合体樹脂を含有しても良い。フッ素−アクリル共重合体樹脂とは、フッ素単量体とアクリル単量体とからなる共重合体樹脂で、特にフッ素単量体セグメントとアクリル単量体セグメントとから成るブロック共重合体が好ましい。
〈中間層の製造方法〉
中間層はグラビアコーター、ディップコーター、リバースコーター、ワイヤーバーコーター、ダイコーター、インクジェット法等公知の方法を用いて、セルロースエステルを含有する中間層を形成する塗布組成物を塗布し、支持体上に塗布後、加熱乾燥し、UV硬化処理することが好ましい。
塗布量はウェット膜厚として0.1〜40μmが適当で、好ましくは、0.5〜30μmである。
また、ドライ膜厚としては平均膜厚0.01〜1μm、好ましくは0.02〜0.7μmである。
上記UV硬化処理の光源としては、紫外線を発生する光源であれば制限なく使用できる。例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を用いることができる。
照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、活性線の照射量は、通常5〜500mJ/cm、好ましくは5〜150mJ/cmである。
また、活性線を照射する際には、フィルムの搬送方向に張力を付与しながら行うことが好ましく、さらに好ましくは幅方向にも張力を付与しながら行うことである。付与する張力は30〜300N/mが好ましい。
張力を付与する方法は特に限定されず、バックロール上で搬送方向に張力を付与してもよく、テンターにて幅方向、または2軸方向に張力を付与してもよい。これによってさらに平面性優れたフィルムを得ることができる。
中間層を形成する塗布組成物には溶媒が含まれていてもよい。塗布組成物に含有される有機溶媒としては、例えば、炭化水素類(トルエン、キシレン、)、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン)、エステル類(酢酸メチル、酢酸エチル、乳酸メチル)、グリコールエーテル類、その他の有機溶媒からも適宜選択し、またはこれらを混合し利用できる。
有機溶媒としては、プロピレングリコールモノアルキルエーテル(アルキル基の炭素原子数として1〜4)またはプロピレングリコールモノアルキルエーテル酢酸エステル(アルキル基の炭素原子数として1〜4)等が好ましい。また、有機溶媒の含有量としては塗布組成物中、5〜80質量%が好ましい。
<光学異方性層>
本発明の光学異方性層は、液晶化合物を磁場印加により支持体に対して垂直、傾斜あるいはハイブリッド配向させた後、活性線を照射することによって配向を固定することにより作製する。
ハイブリッド配向とは、光学異方層のディスコティック構造単位の円盤面あるいは棒状構造の長軸方向が、透明支持体面に対して傾いており、且つ該ディスコティック構造単位の円盤面あるいは棒状構造の長軸方向と、透明支持体面とのなす角度が、光学異方層の深さ方向において変化している配向をいう。
より具体的には光学異方性層は、中間層の表面に液晶化合物を含有する光重合性液晶組成物を塗布して乾燥、磁場印加によって配向処理を行い、活性線の照射によって液晶配向を固定化している。
〈光重合性液晶組成物〉
本発明の光重合性液晶組成物は、液晶化合物、光重合性開始剤、溶媒およびその他の添加物とからなる。
(液晶化合物(重合性液晶化合物))
本発明の液晶化合物として好ましい重合性液晶化合物としては、重合性液晶モノマー、重合性液晶オリゴマー、もしくは重合性液晶ポリマーのいずれかを用いることができ、相互に混合して用いることもできる。重合性液晶化合物は、配向状態を固定化することが可能であるので、液晶の配向を低温で容易に行うことが可能であり、かつ使用に際しては配向状態が固定化されているので、温度等の使用条件にかかわらず使用することができる。
重合性液晶化合物として好適に用いられる重合性液晶モノマーは、重合性液晶オリゴマーや重合性液晶ポリマーと比較して、より低温で配向が可能であり、かつ配向に際しての感度が高いことから、配向させることが容易である。
光重合性液晶組成物は、光重合性官能基として、例えば、アクリロイル基またはメタアクリロイル基等の不飽和二重結合を少なくとも1つ有する液晶性化合物であり、かつネマチック液晶性のものを用いる。このような光重合性液晶組成物としては、下記化16に示すモノマーユニットからなるアクリレートやメタクリレートを例示できる。
Figure 2010112986
(ただし、Rは水素原子またはメチル基を、aは1〜6の正の整数を、Xは−CO−基または−OCO−基を、Rはシアノ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、フルオロ基または炭素数1〜6のアルキル基を、bおよびcは1または2の整数を示す。)
さらに、耐久性を向上させた光重合性液晶組成物としては、光重合性官能基を2つ以上有するものが好ましい。このような光重合性液晶組成物として、下記化17で表される架橋型ネマチック性液晶モノマーを例示できる。
Figure 2010112986
(式中、Rは水素原子またはメチル基を、AおよびDはそれぞれ独立して1,4−フェニレン基または1,4シクロへキシレン基を、Xはそれぞれ独立して−COO−基、−OCO−基または−O−基を、Bは1,4フェニレン基、1,4−シクロへキシレン基、4,4’−ビフェニレン基または4,4’−ビシクロヘキシレン基を、mおよびnはそれぞれ独立して2〜6の整数を示す。)また、光重合性液晶組成物としては、前記化5における末端の「HC=CR−CO−」を、ビニルエーテル基またはエポキシ基に置換した化合物や、「−(CH−」、「−(CH−」を「−(CH−CH(CH)−(CH−」または「−(CH−CH(CH)−(CH−」に置換した化合物を例示できる。
以上のほか、本発明においては、光学異方性層の重合性液晶化合物として、従来提案されている重合性液晶モノマーや重合性液晶オリゴマー、重合性液晶ポリマー等を用いることが可能である。
本発明においては、光学異方性層形成用組成物としては溶媒を加えて、その他の成分を溶解した塗布用組成物を用いて中間層上に塗布し、溶媒を除去することにより光学異方性層を形成する。
(光重合性開始剤)
本発明においては、重合性液晶化合物に加え、光重合開始剤を用いる。
光重合開始剤としては、ベンジル(ビベンゾイルとも言う)、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、ベンジルメチルケタール、ジメチルアミノメチルベンゾエート、2−n−ブトキシエチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、メチロベンゾイルフォーメート、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、もしくは1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン等を挙げることができる。
光重合開始剤の添加量としては、一般的には0.01質量%〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.1%〜10%であり、さらに好ましくは0.5%〜5%の範囲で、本発明の重合性液晶化合物に添加することができる。
尚、光重合開始剤の他に、本発明の目的が損なわれない範囲で増感剤を添加することも可能である。
本発明における光学異方性層の膜厚は0.1μm〜20μmの範囲内であることが好ましく、0.2〜10μmの範囲内であることがより好ましい。光学異方性層の膜厚は、必要な光学異方性に準じて決定すればよい。
(溶媒)
溶媒としては、上述した重合性液晶化合物等を溶解することが可能な溶媒であり、かつセルロースエステルフィルム(支持体)や中間層の性状を低下させない溶媒であれば特に限定されるものではなく、具体的には、ベンゼン、トルエン、キシレン、n−ブチルベンゼン、ジエチルベンゼン、テトラリン等の炭化水素類;メトキシベンゼン、1,2−ジメトキシベンゼン、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、もしくは2,4−ペンタンジオン等のケトン類;酢酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、もしくはγ−ブチロラクトン等のエステル類;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、もしくはジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒;クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、トリトリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、もしくはオルソジクロロベンゼン等のハロゲン系溶媒;t−ブチルアルコール、ジアセトンアルコール、グリセリン、モノアセチン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチルセルソルブ、もしくはブチルセルソルブ等のアルコール類;フェノール、パラクロロフェノール等のフェノール類等の1種または2種以上が使用可能である。
単一種の溶媒を使用しただけでは、重合性液晶化合物等の溶解性が不十分であったり、上述したように基材が侵食されたりする場合には、2種以上の溶媒を混合使用することにより、この不都合を回避することができる。
上記した溶媒のなかにあって、単独溶媒として好ましいものは、炭化水素系溶媒とグリコールモノエーテルアセテート系溶媒であり、混合溶媒として好ましいのは、エーテル類またはケトン類と、グリコール類との混合系である。
溶液の濃度は、重合性液晶化合物等の溶解性や製造しようとする光学異方性層の膜厚に依存するため一概には規定できないが、通常は1質量%〜60質量%が好ましく、より好ましくは3質量%〜40質量%の範囲で調整される。
(その他の添加剤)
本発明に用いられる光重合性液晶組成物には、本発明の目的を損なわない範囲内で、上記以外の化合物を添加することができる。
添加できる化合物としては、例えば、多価アルコールと1塩基酸または多塩基酸を縮合して得られるポリエステルプレポリマーに、(メタ)アクリル酸を反応させて得られるポリエステル(メタ)アクリレート;ポリオール基と2個のイソシアネート基を持つ化合物を互いに反応させた後、その反応生成物に(メタ)アクリル酸を反応させて得られるポリウレタン(メタ)アクリレート;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ポリカルボン酸ポリグリシジルエステル、ポリオールポリグリシジルエーテル、脂肪族もしくは脂環式エポキシ樹脂、アミンエポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、ジヒドロキシベンゼン型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂と、(メタ)アクリル酸を反応させて得られるエポキシ(メタ)アクリレート等の光重合性化合物、またはアクリル基もしくはメタクリル基を有する光重合性の液晶性化合物等が挙げられる。
本発明の光重合性液晶組成物に対するこれら化合物の添加量は、本発明の目的が損なわれない範囲で選択され、一般的には、本発明の光学異方性層形成用組成物の40質量%以下であることが好ましく、より好ましくは20質量%以下である。
また、溶剤を配合した光重合性液晶組成物には、界面活性剤等を加えることができる。添加可能な界面活性剤を例示すると、イミダゾリン、第四級アンモニウム塩、アルキルアミンオキサイド、ポリアミン誘導体等の陽イオン系界面活性剤;ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物、第一級あるいは第二級アルコールエトキシレート、アルキルフェノールエトキシレート、ポリエチレングリコールおよびそのエステル、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸アミン類、アルキル置換芳香族スルホン酸塩、アルキルリン酸塩、脂肪族あるいは芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物等の陰イオン系界面活性剤;ラウリルアミドプロピルベタイン、ラウリルアミノ酢酸ベタイン等の両性系界面活性剤;ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンアルキルアミン等の非イオン系界面活性剤;パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル基・親水性基含有オリゴマー、パーフルオロアルキル・親油基含有オリゴマーパーフルオロアルキル基含有ウレタン等のフッ素系界面活性剤などが挙げられる。
界面活性剤の添加量は、界面活性剤の種類、液晶材料の種類、溶媒の種類、さらには溶液を塗布する配向膜の種類にもよるが、通常は溶液に含まれる重合性液晶化合物の10ppm〜10質量%が好ましく、より好ましくは100ppm〜5質量%であり、さらに好ましくは0.1〜1質量%の範囲である。
<本発明のロール状光学フィルムの製造工程および装置>
本発明では、支持体に光学的位相差層を設けた光学フィルムをロール状で連続的に加工、作製することを特徴とし、そのため液晶化合物を塗設する工程から、液晶化合物を硬化する第2の工程までは全て一つの連続した工程および装置として構成されている。
搬送速度は0.5m/分〜100m/分である。
<支持体上または中間層上に液晶化合物を塗設する工程および装置>
本発明の支持体上または中間層上に液晶化合物を塗設する工程では、前述の支持体上に中間層を塗設する方法、装置と同じ方法、装置を使用することができる。この工程により液晶化合物層を作製する。
<塗設した液晶化合物層に第1の磁場をかける工程および装置>
本発明のこの工程では、塗設した液晶化合物層の液晶化合物を、磁場印加によって配向させる。具体的には、平行磁場が作用している場において、液晶化合物層を設けたフィルムを、そのフィルムの表面が磁力線の方向と特定の角度θをなす方向になる状態に設置することにより、液晶化合物層に平行磁場を作用させ、これにより液晶化合物を磁力線方向に配向させる。チルト角を持って配向した状態を得る手段としては、上記のような方法とともに、支持体上にプレチルト角を与える配向膜を形成することにより液晶化合物を配向させる手段を併用することもできる。
この配向処理工程においては、重合性液晶化合物を塗布したフィルムを、垂直、あるいは傾斜した電磁コイルを備えた磁場配向装置の磁極間に挿入し、数kG〜10Tの磁場を印加することで、液晶化合物をフィルム面に対して垂直、傾斜、あるいはハイブリッド配向させることができる。
この配向処理を行うための磁場印加装置としては、カスプ磁場配置、平行磁場配置、縦磁場配置の3種類の方法がよく知られている。
磁場印加装置としては、ベルマティック(株)製、三菱電機(株)製、日立製作所(株)製等のものを使用することができる。
本発明では、超伝導磁石、電磁石、ソレノイド磁石、永久磁石など公知の磁石により平向磁場が形成される配向処理領域を有する平行磁場形成機構と、この平行磁場形成機構における配向処理領域を通過するように移動する搬送機構とを備えてなるものを用い、この配向処理装置において、前記搬送機構により、液晶化合物層を設けたフィルムを、そのフィルム面が平行磁場の磁力線の方向に対して所定の角度で当該配向処理領域を通過するよう搬送する方法によって配向処理を行うことが好ましい。
本発明の重合性液晶化合物を塗布したフィルムを、フィルム面に対して垂直方向に磁力線を持つように配置した磁極間に挿入すると、液晶化合物を垂直方向に配向させることができる。また、磁場印加装置の磁極の傾斜角は、搬送しているフィルムの面に垂直な方向に対して0度以上80度未満が好ましい。また、磁場印加は液晶性化合物が液晶相を形成する温度範囲で開始することが好ましい。
<活性線により液晶化合物を硬化する第1の工程および装置>
本発明においては、液晶化合物層に磁場を印加する工程と硬化する工程とを分離し、さらに硬化する工程も、複数回に分離することを特徴とする。
そしてその複数回に分離された硬化する工程のうち最先である第1の工程では、ピーク波長365±10nmのLED光源(例えば、日亜化学製UV−LED:NCSU033A)による紫外線を照射することが好ましい。
LED光源は、ロール状支持体の幅、液晶化合物層の塗布膜厚等により照射強度を適宜変更することができ、φ3mmからφ20mmのスポット光源として照射することが好ましい。またコリメートレンズを通した平行光であってもよい。
工程中には、スポット光源を複数有することが好ましく、照射強度としては、150〜8000mW/cmを調整することができるものが好ましい。照射時間は、10〜30秒が好ましい。
搬送されるロール状支持体に対し、垂直距離で5〜40mmで照射することが好ましく、7〜30mmがさらに好ましい。
照射する際には、窒素ガス等の不活性ガスの雰囲気下であることが好ましい。
装置としては、市販されているライトニングキュアLC−L2(浜松ホトニクス(株)製)等を具体的に使用することができる。
<第2の磁場をかける工程および装置>
活性線によって重合性液晶化合物を表面から半硬化させたフィルムを、第1の磁場をかける工程と同様の磁場配向装置の磁極間に通す。磁極の傾斜角は第1の磁場印加工程と同一にする。磁場強度は、第1の磁場印加工程と同一か、それより強くても所望のものが作製できる。
<活性線により液晶化合物を硬化する第2の工程および装置>
第2の工程では、第1の工程で使用した硬化方法以外の硬化方法も使用することができる。
通常は紫外光または可視光線が使用され、波長が150〜500nmの光が好ましく、より好ましくは250〜450nmであり、さらに好ましくは300〜400nmの波長の紫外線である。
本発明においては、紫外線(UV)を活性放射線として照射し、紫外線で重合開始剤からラジカルを発生させ、ラジカル重合を行わせる方法が好ましい。
この紫外線を照射するための光源としては、低圧水銀ランプ(殺菌ランプ、蛍光ケミカルランプ、ブラックライト)、高圧放電ランプ(高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ)、もしくはショートアーク放電ランプ(超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、水銀キセノンランプ)等を挙げることができる。
なかでもメタルハライドランプ、キセノンランプ、高圧水銀ランプ灯等の使用が推奨される。照射強度は、光学異方性層を形成している重合性液晶化合物の組成や光重合開始剤の多寡によって適宜に調整すればよい。
装置としては、空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)等の市販品を使用することができる。
その後、ロール状フィルムは冷却されて巻き取られる。
<偏光板>
本発明の偏光板は、偏光子とその偏光子を挟む2枚の偏光板保護フィルムからなるであって、該偏光板保護フィルムの少なくとも一枚が本発明の光学フィルムであることを特徴とする。
本発明の偏光子は、一定方向の偏波面の光だけを通す素子であり、現在知られている代表的な偏光子は、ポリビニルアルコール系偏光フィルムで、これはポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素を染色させたものと二色性染料を染色させたものがある。
偏光子は、ポリビニルアルコール水溶液を製膜し、これを一軸延伸させて染色するか、染色した後一軸延伸してから、好ましくはホウ素化合物で耐久性処理を行ったものが用いられている。
本発明の光学フィルムは粘着剤等によって偏光子と密着される。粘着層に用いられる粘着剤としては、粘着層の少なくとも一部分において25℃での貯蔵弾性率が1.0×10Pa〜1.0×10Paの範囲である粘着剤が用いられていることが好ましく、粘着剤を塗布し、貼り合わせた後に種々の化学反応により高分子量体または架橋構造を形成する硬化型粘着剤が好適に用いられる。
具体例としては、例えば、ウレタン系粘着剤、エポキシ系粘着剤、水性高分子−イソシアネート系粘着剤、熱硬化型アクリル粘着剤等の硬化型粘着剤、湿気硬化ウレタン粘着剤、ポリエーテルメタクリレート型、エステル系メタクリレート型、酸化型ポリエーテルメタクリレート等の嫌気性粘着剤、シアノアクリレート系の瞬間粘着剤、アクリレートとペルオキシド系の2液型瞬間粘着剤等が挙げられる。
上記粘着剤としては1液型であっても良いし、使用前に2液以上を混合して使用する型であっても良い。
また上記粘着剤は有機溶剤を媒体とする溶剤系であってもよいし、水を主成分とする媒体であるエマルジョン型、コロイド分散液型、水溶液型などの水系であってもよいし、無溶剤型であってもよい。上記粘着剤液の濃度は、粘着後の膜厚、塗布方法、塗布条件等により適宜決定されれば良く、通常は0.1〜50質量%である。
本発明の光学フィルムは、配向した液晶化合物を固定した光学異方性層と反対側のフィルム表面(支持体表面)を、通常の方法によりケン化処理したのち、ポリビニルアルコール系接着剤により偏光子と密着される。
もう一方の面には本発明の光学フィルムを用いても、また他の偏光板保護フィルムを貼合することが好ましい。
例えば、市販のセルロースエステルフィルム(例えば、コニカミノルタタック KC8UX、KC5UX、KC8UCR3、KC8UCR4、KC8UCR5、KC8UY、KC4UY、KC4UE、KC8UE、KC8UY−HA、KC8UX−RHA、KC8UXW−RHA−C、KC8UXW−RHA−NC、KC4UXW−RHA−NC、以上コニカミノルタオプト(株)製)も好ましく用いられる。
光学フィルムとは同時に偏光子に貼り合わせても良く、またロール状態でいわゆるロールトウロールで貼り合わせてもよい。
<表示装置>
本発明の偏光板は、前記粘着層等を介して液晶セルに貼合する。その際に本発明の偏光板は、液晶セルの視認側に貼合される。
本発明の偏光板は反射型、透過型、半透過型LCDまたはTN型、STN型、OCB型、HAN型、VA型(PVA型、MVA型)、IPS型(FFS方式も含む)等の各種駆動方式のLCDで好ましく用いられる。
図1、2は、本発明実施の形態における液晶表示装置の一例を示す概略図である。
図1は、本発明の支持体が光学的に2軸性の性質を有している場合、図2は、本発明の支持体が、光学的に1軸性の性質を有している場合の液晶表示装置の光学的配置を示している。図1、2において、液晶セルはいずれもTNモードである。
図1、2では、本発明の光学フィルムは、光学異方性層(液晶硬化層)5,中間層4および支持体3とからなる1枚と、光学異方性層(液晶硬化層)8,中間層9および支持体10とからなる1枚の計2枚が使用されている場合を示している。
本発明の2枚の光学フィルムは、いずれも偏光板の液晶セルを挟む2枚の偏光板の液晶セル側の偏光板保護フィルムとしても機能している。
偏光板保護フィルム1,12には、コニカミノルタタックKC4UY(コニカミノルタオプト(株)製)等、市販の偏光板保護フィルムを使用することができる。
図3は、本発明実施の形態における液晶表示装置の別の一例を示す概略図である。
図3において、本発明の光学フィルム207が液晶セル208に対して視認側に配設されるように作製した。その逆の構成である、バックライト側に配設されることとしても良い。
この場合には、液晶セル208に対して本発明の光学フィルム206を含む偏光板207はバックライト側に、偏光板212は視認側に配設されることとなる。
なお、バックライト側に配設される偏光子の偏光透過軸と、液晶セル208における液晶層の遅相軸とが直交の場合には、光学フィルム206は液晶セル208よりも視認側に配設され(図3参照)、平行の場合には、バックライト側に配設されることとなる。
何れの場合であっても、光学フィルム206における支持体203の遅相軸は、液晶セル208の遅相軸と平行に配設される。
<支持体1の作製>
本発明における支持体の実施例として、支持体1を以下のように作製した。
〈微粒子分散液(1)の調整〉
微粒子(アエロジル R972V 日本アエロジル(株)製) 11質量部
エタノール 89質量部
以上の成分をディゾルバーで50分間攪拌混合した後、分散機(マントンゴーリン製)で分散を行い、微粒子分散液(1)を調整した。
〈微粒子添加液(1)の調整〉
メチレンクロライドを入れた溶解タンクに対し、十分攪拌しながら微粒子分散液(1)をゆっくりと添加した。このとき、各成分の割合は以下の通りとした。更に、二次粒子の粒径が所定の大きさとなるようにアトライターにて分散を行った。これを日本精線(株)製のファインメットNFで濾過し、微粒子添加液(1)を調製した。
メチレンクロライド 99質量部
微粒子分散液(1) 5質量部
〈ドープ液の調整〉
上記の微粒子添加液(1)を用いて、下記組成の主ドープ液を調製した。
具体的には、まず加圧溶解タンクにメチレンクロライドとエタノールを添加した。次に、溶剤の入った加圧溶解タンクにセルロースエステルA1を攪拌しながら投入した。これを加熱攪拌しながら、完全に溶解させ、安積濾紙(株)製の安積濾紙「No.244」で濾過して、主ドープ液を調製した。
なお、この主ドープ液における各成分の割合は以下の通りとした。使用した素材は、表1、2に示した。
メチレンクロライド 340質量部
エタノール 64質量部
セルロースエステル樹脂(A1) 100質量部
アクリル系重合体(A2) 3.0質量部
糖エステル化合物(3) 10質量部
微粒子添加液(1) 1質量部
続いて、得られた主ドープ液を密閉容器に投入し、攪拌しながら溶解してドープ液を調製した。
Figure 2010112986
Figure 2010112986
〈ドープ液のフィルム化〉
続いて、無端ベルト流延装置を用い、ドープ液を温度33℃、1500mm幅でステンレスベルト支持体上に均一に流延した。ステンレスベルトの温度は50℃に制御した。
ステンレスベルト支持体上で、流延(キャスト)したフィルム中の残留溶媒量が75%になるまで溶媒を蒸発させ、次いで剥離張力70N/mで、ステンレスベルト支持体上から剥離した。
剥離したセルロースエステルフィルムを、170℃に加熱しながらテンターで幅方向に45%延伸した。延伸開始時の残留溶媒は20%であった。
次いで、乾燥ゾーンを多数のロールで搬送させながら乾燥を終了させた。乾燥温度は120℃で、搬送張力は90N/mとした。以上のようにして、乾燥膜厚50μmのロール状の支持体1を1000m得た。
また、上記のドープ組成物を密閉容器に投入し、加圧下で80℃に保温・攪拌しながら完全に溶解させた。次に、このドープを濾過し、冷却して31℃に保ち、2つのドラムに張られた回転する長さ6m(有効長5.5m)のエンドレスステンレスバンド上に均一に流延し、剥離残留溶媒量が50%になるまで溶媒を蒸発させた時点でステンレスバンド上から剥離張力9.8N/mで剥離し、多数のロールで搬送張力127N/mで搬送させながら乾燥させ、ロール状の支持体2を1000m得た。
支持体1および2のレターデーションは表3の通りである。
Figure 2010112986
<中間層の塗設>
(中間層用組成物塗布液)
LR8800(ビーエーエスエフ(株)製) 32質量部
光重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)
(イルガキュア184、チバ・ジャパン(株)製) 1.25質量部
イソプロピルアルコール 54質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 14質量部
以上の成分を混合して、中間層用組成物を調製した。
(中間層の塗設)
支持体1上に、中間層用組成物をスリットダイで塗布して温風温度80℃で30秒乾燥した。続いて、酸素濃度1.5%雰囲気下で高圧水銀灯により0.1J/cmの照射強度で紫外線を照射し、乾燥膜厚0.5μmの中間層を設けた。
<光学異方性層の塗設>
(光重合性液晶組成物の塗布および第1の磁場印加工程)
図5に記載の製造装置を使用した。
中間層上にダイコーターにて、光学異方性層を形成する光重合性液晶組成物を5μmの厚みで塗布した。塗布したフィルムを搬送系にて、120℃で乾燥した。ついで、搬送系にてソレノイド磁石中を通した。磁石は支持体表面から50°の角度で傾いており、磁力強度は2Tである。
磁場印加開始温度は、表4に示した。磁場印加開始温度とは、磁場の印加開始時の雰囲気温度を示す。なお、B1の重合性液晶化合物の液晶層発現温度領域は127℃〜30℃、B2の重合液晶性化合物の液晶層発現温度領域は163℃〜75℃である。
この磁場印加工程を60秒間通過させた。
(光重合性液晶組成物B1)
重合性液晶化合物 パリオカラーLC242(Paliocolor−LC242、ビーエーエスエフ(株)製) 33質量部
光重合開始剤(イルガキュア184、チバ・ジャパン(株)製) 0.2質量部
メチルエチルケトン 66.8質量部
(光重合性液晶組成物B2)
重合性液晶化合物Licrivue−RMS07−093(メルク(株)製)
30質量部
光重合開始剤(イルガキュア907、チバ・ジャパン(株)製) 0.2質量部
トルエン 69.8質量部
(光重合性液晶組成物B3)
下記式(a)の化合物 44.9質量部
下記式(b)の化合物 44.9質量部
下記式(d)の化合物 9.9質量部
光重合開始剤ルシリンTPO(ビーエーエスエフ(株)製) 0.2質量部
ヒンダードアミンLS−765(三共ライフテック(株)製) 0.1質量部
キシレン 200質量部
Figure 2010112986
(第1の硬化工程)
紫外線LEDは、浜松ホトニクス(株)製LC−L2を用い、φ4mmのスポット光源を複数個準備し、フィルム幅方向に均一な光量分布となるよう配置、窒素雰囲気下照度600mW/cm、照射量60mJ/cmの条件で照射塗布層表面側から硬化した。
(第2の磁場印加工程)
前記第1の磁場印加工程と同じ条件で、60秒間通過させた。
(第2の硬化工程)
第2の磁場印加工程を通過後、空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を使用し、窒素雰囲気下照度160W/cm、照射量120mJ/cmの条件でさらに第2の硬化をし、本発明の光学フィルム1を得た。
<比較工程>
図7の従来製造装置を使用した。第1の磁場印加工程と同じ条件で、120秒間通過させ、空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を使用し、窒素雰囲気下照度160W/cm、照射量200mJ/cmの条件で硬化し、比較の光学フィルム6を得た。
さらに表4に示すように、光学異方性層を設けた光学フィルム2〜40を作製した。
なお、ここで磁場印加方法Xとは、本発明の前述の分割印加をいい、Yとは、比較工程で示した従来の一括印加をいう。また、磁場印加角度とは、フィルム面に対して垂直な軸と、磁力線の間の角度をいう。
このようにして作製した光学フィルム1〜40について、表4に示すように平均傾斜角を評価した。
(平均傾斜角)
塗設、硬化後の光学異方性層に対し、フィルム面内の屈折率が大きい方をX軸、それと直角で小さい方をY軸、膜厚方向をZ軸としたときにX−Z平面に沿って、Z軸から倒れ角50°〜−50°方向のリタデーションを測定し、リタデーション値が最大になる角度を平均傾斜角とした。
Figure 2010112986
<偏光板の作製>
上記作製した光学フィルム1〜40を、40℃の2.5mol/L水酸化ナトリウム水溶液で60秒間アルカリ処理し、3分間水洗して鹸化処理し、アルカリ処理フィルムを得た。
次いで、厚さ120μmのポリビニルアルコールフィルムを、一軸延伸(温度110℃、延伸倍率5倍)した。これをヨウ素0.075g、ヨウ化カリウム5g、水100gからなる水溶液に60秒間浸漬し、次いでヨウ化カリウム6g、ホウ酸7.5g、水100gからなる68℃の水溶液に浸漬した。これを水洗、乾燥し偏光子を得た。
次に上記作製した偏光子、および市販の偏光板保護フィルムであるコニカミノルタタックKC4UY(コニカミノルタオプト(株)製)を上記の方法で鹸化処理し、完全鹸化型ポリビニルアルコール5%水溶液を粘着剤として、光学フィルム、偏光子、KC4UYの順で積層して偏光板を作製した。
<IPS型液晶表示装置用バックライト側偏光板の作製>
延伸したポリビニルアルコールフィルムにヨウ素を吸着させて偏光子を製作した。次に、市販のセルロースアセテートフィルム(コニカミノルタタックKC4UE、コニカミノルタオプト(株)製、Ro=0.1nm、Rt=0.5nm)にケン化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光子の一方の面に貼り付けた。また、他方の面には、同様にしてセルロースアセテートフィルム(コニカミノルタタックKC4UY、コニカミノルタオプト(株)製)を貼り付け、バックライト側の偏光板を作製した。
なお、TN型液晶表示装置用バックライト側偏光板は、視認側の偏光板と同一の偏光板である。
<液晶表示装置の作製>
視野角測定を行う液晶パネルを以下のようにして作製し、液晶表示装置としての特性を評価した。
市販の液晶表示装置(NEC社製、カラー液晶ディスプレイ MultiSync LCD1525J:型名 LA−1529HM、TN型液晶、およびIPSモード型液晶表示装置であるPanasonic製VIERA TH−26LX60)の両面の偏光板を注意深く剥離し、偏光板の吸収軸が一致するように上記作製した偏光板を液晶セルのガラス面に貼合し図1、2(TN型)、3(IPS型)に相当する液晶表示装置を作製した。その際、本発明の光学フィルムが液晶セル側になるように貼合した。
<視野角の評価方法>
視野角の特性評価は、23℃55%RHの雰囲気下に静置された液晶セルに電圧を印加しない状態(白表示)と電圧5V印加状態(黒表示)の比、0V(白表示)/5V(黒表示)をコントラスト比として、エレクトロニクス・フォー・ディスプレイ・アンド・イメージング・デバイス社製視野角検査装置イージー・コントラストを用いて全方位測定を行い、コントラスト比が10である時の液晶セルの法線方向からの角度を視野角として、上下左右方向の値を求めた。結果を表5に示す。
Figure 2010112986
表5から明らかなように、本発明の光学フィルムの製造方法によって作製した光学フィルムを使用した偏光板、液晶表示装置は、優れた視野角を提供する。
本発明の形態におけるTN型液晶表示装置の一例を示す概略図である。 本発明の別の形態におけるTN型液晶表示装置の一例を示す概略図である。 本発明の形態におけるIPS型液晶表示装置の一例を示す概略図である。 本発明の光学フィルムの製造装置の一例を示す概略図である。 本発明の光学フィルムの製造装置の一例を示す概略図である。 本発明の光学フィルムの製造装置の一例を示す概略図である。 従来の光学フィルム製造装置の概略図である。
符号の説明
a〜i、x〜wは、それぞれ光学軸の方向を示したものである。
a 視認側偏光子吸収軸
b 支持体遅相軸
c 光学異方性層(液晶硬化層)遅相軸
d 液晶セル視認側ラビング軸
e 液晶セルバックライト側ラビング軸
f 光学異方性層(液晶硬化層)遅相軸
g 支持体遅相軸
h バックライト側偏光子吸収軸
i 電圧未印加時でのセル内の液晶層の遅相軸
x 偏光子の吸収軸
y 支持体遅相軸
z 電圧未印加時の液晶セルの液晶層の遅相軸
w 支持体の遅相軸
1 視認側偏光板保護フィルム
2 偏光子
3、10 本発明の二軸性の支持体
3’、10’本発明の一軸性の支持体
4 中間層
5 本発明の光学異方性層(液晶硬化層)
6 視認側液晶セルラビング層
7 バックライト側液晶セルラビング層
8 本発明の光学異方性層(液晶硬化層)
9 中間層
11 偏光子
12 偏光板保護フィルム
13 バックライト
14 視認側本発明の光学フィルム
15 バックライト側本発明の光学フィルム
16 視認側偏光板
17 バックライト側偏光板
201 視認側偏光板保護フィルム
202 偏光子
203 本発明の二軸性の支持体
204 中間層
205 本発明の光学異方性層(液晶硬化層)
206 本発明の光学フィルム
207 本発明の偏光板
208 IPS型液晶セル
210 バックライト側偏光子
212 バックライト側偏光板
213 バックライト
100 ロール状フィルム
101 フィルムクリーナー
102 コーター
103 ドライヤー
104 第1の磁場印加装置
105 第1の紫外線照射装置(LED)
106 第2の磁場印加装置
107 第2の紫外線照射装置(空冷メタルハライドランプ)
108 第1の複数のファイバー型コリメート紫外線照射装置
109 第1の反射型スポット紫外線照射装置
110 従来の磁場印加装置
111 従来の空冷メタルハライド紫外線照射装置

Claims (5)

  1. 支持体上に液晶化合物を硬化させてなる光学異方性層を有する光学フィルムの製造方法において、支持体上または中間層上に液晶化合物を塗設する工程、塗設した液晶化合物層に第1の磁場印加工程、活性線により液晶化合物を硬化する第1の工程、第2の磁場印加工程、活性線により液晶化合物を硬化する第2の工程、をこの順で有することを特徴とする光学フィルムの製造方法。
  2. 前記活性線により液晶化合物を硬化する第1の工程における活性線の光源が、ピーク波長365±10nmのLED光源であることを特徴とする請求項1記載の光学フィルムの製造方法。
  3. 支持体上に液晶化合物を硬化させてなる光学異方性層を有する光学フィルムの製造装置において、支持体上または中間層上への液晶化合物塗設装置、塗設した液晶化合物層に磁場印加する第1の磁場印加装置、活性線により液晶化合物を硬化する第1の硬化装置、第2の磁場印加装置、活性線により液晶化合物を硬化する第2の硬化装置、をこの順で有することを特徴とする光学フィルムの製造装置。
  4. 請求項1または2記載の光学フィルムの製造方法で製造したことを特徴とする光学フィルム。
  5. 請求項4記載の光学フィルムを使用することを特徴とする液晶表示装置。
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