JP2007304620A - 光学異方体の製造方法とそれを用いた偏光板及び液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、光学異方体の支持体面内の平均屈折率に対して厚さ方向の屈折率の差が大きい高度な光学特性を有する支持体上に液晶層を設置した光学異方体の製造方法を提供することであり、更には、薄膜化され、視野角の拡大できる光学異方体の製造方法、それを備えた偏光板及びそれらを備えた液晶表示装置を提供することである。
【解決手段】高分子液晶化合物を含む光学異方体の製造方法において、該液晶化合物を含む有機溶媒溶液を調製し、該有機溶媒溶液を支持体上に塗布乾燥した後、該液晶化合物のガラス転移温度以上の温度とし、その後ガラス転移温度以下に降温して配向を固定化し、セルロースエステル樹脂からなる支持体上に転写することを特徴とする光学異方体の製造方法。
【選択図】なし
【解決手段】高分子液晶化合物を含む光学異方体の製造方法において、該液晶化合物を含む有機溶媒溶液を調製し、該有機溶媒溶液を支持体上に塗布乾燥した後、該液晶化合物のガラス転移温度以上の温度とし、その後ガラス転移温度以下に降温して配向を固定化し、セルロースエステル樹脂からなる支持体上に転写することを特徴とする光学異方体の製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、光学異方体の製造方法とそれを用いた偏光板及び液晶表示装置に関するものである。
近年、パーソナルコンピューターのマルチメディア化が進み、ラップトップ型パーソナルコンピューターにおいても、カラー表示方式が一般的になってきている。ラップトップ型コンピューターでは、カラー表示法としてSTN液晶ディスプレイやTFT液晶ディスプレイが主に使用されている。
STN液晶ディスプレイは、複屈折モードを利用した表示素子であるため、液晶で生じる位相差により着色し、このため白黒表示が不可能であるという大きな問題があった。このような問題を解決するために、D−STN方式(補償用液晶セルを用いる方式)が試みられたが、この方式では、液晶ディスプレイの特徴である「薄くて、軽い」という観点からは逆行しており、また補償用液晶セルの製造にも、高い精度が要求され、歩留りが悪いという欠点を有していた。
これらの問題を解決する方法として、各種の提案がなされ、例えば、延伸樹脂フィルムを用いるF−STN方式(例えば、特許文献1参照。)が提案され、また、D−STN方式の補償性能を維持して、その質量と肉厚を軽減する目的で、液晶性高分子をねじれ配向させたフィルムを使って色補償を行う方法が提案されている(例えば、特許文献2、3参照。)。この液晶ディスプレイの位相差補償板は、透光性基板とその基板上に形成された配向膜、及びこの配向膜の上にねじれ配向状態に固定した液晶高分子層とから構成されている。
さらに、最近では、TFT、TN液晶ディスプレイの視野角補償として、ディスコティック液晶のフィルムを液晶セルの上面と下面に配置して、液晶セルの視野角特性を改善する試みがなされている(例えば、特許文献4参照。)。該TN型液晶ディスプレイ用補償板は、上述の特許文献2、3に記載されている液晶ディスプレイの位相差補償板と同様に、透光性基板とその基板上に形成された配向膜、及びその配向膜上に形成された液晶配向層とから構成されている。
上述のように、近年、STN液晶ディスプレイやTFT、TN液晶ディスプレイにおいては、従来より高度な補償性能を有する光学フィルムが要望され、その解決手段として、液晶化合物を塗布した光学異方体または光学フィルムが検討されるようになってきた。
光学異方体は、液晶表示部材と張り付ける方法で用いられ、このような観点から光学異方体の支持体は、透明樹脂フィルムが用いられることが多く、特に液晶ディスプレイの視野角特性を向上させるには、支持体面内の平均屈折率に対して、厚さ方向の屈折率の差が大きい支持体の開発が求められていた。また、ディスプレイの光学補償を行うために必要なリターデーションを有する光学異方体を開発すると、支持体との屈折率差が小さいため、必然的に支持体を厚く設計しなくてはならない制約を有している。特に、液晶ディスプレイでは、小型、軽量化が求められており、軽くて薄い光学異方体の開発が切望されている。
特開昭63−149624号公報
特開平3−87720号公報
特開平4−333019号公報
特開平7−191217号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、光学異方体の支持体面内の平均屈折率に対して厚さ方向の屈折率の差が大きい高度な光学特性を有する支持体上に液晶層を設置した光学異方体の製造方法を提供することであり、更には、薄膜化され、視野角の拡大できる光学異方体の製造方法、それを備えた偏光板及びそれらを備えた液晶表示装置の提供にある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
1.高分子液晶化合物を含む光学異方体の製造方法において、該液晶化合物を含む有機溶媒溶液を調製し、該有機溶媒溶液を支持体上に塗布乾燥した後、該液晶化合物のガラス転移温度以上の温度とし、その後ガラス転移温度以下に降温して配向を固定化し、セルロースエステル樹脂からなる支持体上に転写することを特徴とする光学異方体の製造方法。
2.前記支持体が、アセチル基の置換度が2.50以上、2.86以下のセルロースエステル樹脂であることを特徴とする前記1に記載の光学異方体の製造方法。
3.前記支持体が、アセチル基の置換度が2.40以上、3.00以下のセルロースエステル樹脂を2種以上混合し、混合後の平均アセチル基置換度が2.50以上、2.86以下のセルロースエステル樹脂であることを特徴とする前記1に記載の光学異方体の製造方法。
4.前記支持体を構成する樹脂に対して、可塑剤が2質量%以上、15質量%以下で、かつ紫外線吸収剤が0.01質量%以上、3質量%以下であることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項記載の光学異方体の製造方法。
5.前記紫外線吸収剤が、ベンゾトリアゾール誘導体またはベンゾフェノン誘導体であることを特徴とする前記4に記載の光学異方体の製造方法。
6.前記支持体の厚さが、35μm以上、150μm以下であることを特徴とする前記1〜5のいずれか1項に記載の光学異方体の製造方法。
7.前記1〜6のいずれか1項に記載の光学異方体の製造方法により製造された光学異方体を有していることを特徴とする偏光板。
8.前記7に記載の偏光板を用いることを特徴とする液晶表示装置。
また、本発明における他の好ましい実施態様を、以下に示す。
A.透明支持体の上に光学異方層を有する光学異方体の製造方法において、該支持体が、少なくとも1種のアセチル基の置換度が2.60以上3.00以下のセルロースエステル樹脂と少なくとも1種のアセチル基の置換度が2.40以上2.60未満のセルロースエステル樹脂とを混合し、混合後の平均アセチル基置換度が2.50以上2.86以下のセルロースエステル樹脂であることを特徴とする光学異方体の製造方法。
B.光学異方層が重合性ディスコティック液晶化合物を含むことを特徴とする光学異方体の製造方法。
C.重合性ディスコティック液晶化合物を含む有機溶媒溶液を調製し、該有機溶媒溶液を塗布乾燥した後、配向のために温度を調整し、その後活性線の照射で硬化反応を行い、配向を固定化することを特徴とする光学異方体の製造方法。
D.光学異方層が、高分子液晶化合物を含むことを特徴とする光学異方体の製造方法。
E.高分子液晶化合物を含む有機溶媒溶液を調製し、該有機溶媒溶液を塗布乾燥した後、該液晶化合物のガラス転移温度以上に配向のために温度を調整し、その後ガラス転移温度以下に降温して配向を固定化することを特徴とする光学異方体の製造方法。
F.光学異方層が正の複屈折性を有する低分子重合性液晶化合物を含有することを特徴とする光学異方体の製造方法。
G.正の複屈折性を有する低分子重合性液晶化合物を含む有機溶媒溶液を調製し、該有機溶媒溶液を塗布乾燥した後、該液晶化合物の配向のために温度を調整し、その後活性線の照射で硬化反応を行い、配向を固定化することを特徴とする光学異方体の製造方法。
H.光学異方層が、複数の層からなることを特徴とする光学異方体の製造方法。
I.光学異方層が2層からなり、液晶化合物に基づく配向方向が、支持体面に投影した方向において実質的に直交することを特徴とするの光学異方体の製造方法。
J.光学異方層に含まれる液晶化合物に基づく配向が、実質的に均一で、かつ支持体面に対して配向角度が斜めであることを特徴とする光学異方体の製造方法。
K.光学異方体の支持体が、下記式1を満たすことを特徴とする光学異方体の製造方法。
式1
ΔN値=(nx+ny)/2−nzと規定するとき、
1.0×10-3≦ΔN≦1.4×10-3
〔式中、nxはフィルムの流延方向の屈折率、nyは流延方向に垂直な方向(幅方向)のフィルムの屈折率、nzは厚み方向のフィルムの屈折率を表す。〕
ΔN値=(nx+ny)/2−nzと規定するとき、
1.0×10-3≦ΔN≦1.4×10-3
〔式中、nxはフィルムの流延方向の屈折率、nyは流延方向に垂直な方向(幅方向)のフィルムの屈折率、nzは厚み方向のフィルムの屈折率を表す。〕
本発明により、光学異方体の支持体面内の平均屈折率に対して厚さ方向の屈折率の差が大きい高度な光学特性を有する支持体上に液晶層を設置した光学異方体の製造方法を提供することができ、更には、薄膜化され、視野角の拡大できる光学異方体の製造方法、それを備えた偏光板及びそれらを備えた液晶表示装置を提供することができた。
以下、本発明の詳細について説明する。
まず、本発明の光学異方体の製造方法で用いる支持体について説明する。
請求項2に係る発明では、支持体(以下、単に支持体ともいう)がアセチル基の置換度が2.50以上、2.86以下のセルロースエステル樹脂であることが好ましい。
また、請求項3に係る発明では、支持体がアセチル基の置換度が2.40以上、3.00以下のセルロースエステル樹脂を2種以上混合し、混合後の平均アセチル基置換度が2.50以上、2.86以下のセルロースエステル樹脂であることが好ましい。
更に、本発明の光学異方体の製造方法においては、支持体が少なくとも1種のアセチル基の置換度が2.60以上、3.00以下のセルロースエステル樹脂と少なくとも1種のアセチル基の置換度が2.40以上、2.60未満のセルロースエステル樹脂とを混合し、混合後の平均アセチル基置換度が2.50以上、2.86以下のセルロースエステル樹脂であることが好ましい態様の1つである。
アセチル基置換度または平均アセチル基置換度が2.5以上2.86以下のセルロースエステル樹脂からなる支持体は、フィルム面の屈折率の平均に対し厚さ方向の屈折率との差が高い光学特性を得ることができる。置換度をやや低く抑えたセルロースエステルフィルムを用いることで、高いアセチル基置換度のセルローストリアセテートフィルムに比較し、同一の光学特性を得る場合、薄膜化することができる。特に、視角特性に優れた光学異方体の支持体として、ディスプレイに求められる光学補償能は異なるが、適宜液晶層と支持体の光学特性を調整して設計することができる。本発明に係る支持体のアセチル基置換度または平均アセチル基置換度の好ましい範囲は、2.55〜2.70である。アセチル基の置換度が小さすぎると耐湿熱性に劣る場合がある。本発明に係るセルロースエステル樹脂は、例えば、特開平10−45804号に記載の方法で合成することができる。また、本発明におけるアセチル基の置換度の測定方法は、ASTM−D817−96(セルロースアセテート等の試験法)により測定することができる。
アセチル基の置換度が2.50以上2.86以下のセルロースエステルとは、アセチル基で、セルロースの水酸基を常法により所定の置換度に置換したものである。該セルロースエステルの数平均分子量は、好ましい機械的強度を得るためには、70000〜300000が好ましく、更に80000〜200000が好ましい。
アセチル基の置換度が2.60以上3.00以下のセルロースエステルとは、アセチル基で、セルロースの水酸基を常法により所定の置換度に置換したものである。該セルロースエステルの数平均分子量は、好ましい機械的強度を得るためには、70000〜300000が好ましく、更に80000〜200000が好ましい。
アセチル基置換度が2.40以上2.60未満のセルロースエステルとは、アセチル基でセルロースの水酸基を常法により所定の置換度に置換したものである。該セルロースエステルの数平均分子量は、好ましい機械的強度を得るためには、70000〜300000が好ましく、更に80000〜200000が好ましい。
本発明に係るセルロースエステルは、綿花リンターから合成されたセルローストリアセテートと木材パルプから合成されたセルローストリアセテートのどちらかを単独あるいは混合して用いることができる。製膜時に、ベルトやドラムからの剥離性が良い綿花リンターから合成されたセルロースエステルを多く使用した方が、生産性効率が高く好ましい。綿花リンターから合成されたセルロースエステルの比率が60質量%以上で、剥離性の効果が顕著になるため60質量%以上が好ましく、より好ましくは85質量%以上、更には、単独で使用することが最も好ましい。
また、本発明の光学異方体の製造方法においては、本発明に係る支持体が、nxをフィルムの流延方向の屈折率、nyを流延方向に垂直な方向(幅方向)のフィルムの屈折率、nzを厚み方向のフィルムの屈折率とした時、ΔN値=(nx+ny)/2−nzと規定すると1.0×10-3≦ΔN≦1.4×10-3を満たすことが好ましい態様の1つである。
また、請求項6に係る発明では、上記条件において支持体の厚さが30μm以上、150μm以下であることが好ましい。これらの範囲外の場合、ΔNと支持体厚さの積(リターデーション)が液晶パネルを光学的に補償する目的性能が得られなかったり、光学異方体が極端に厚くなり好ましくない。偏光板を薄膜軽量化する観点も含めると支持体の厚さは35μm以上105μm以下がより好ましく用いられる。
支持体の全体の屈折率の測定は、通常の屈折率計を用いることができる。全体の屈折率を測定した後、自動複屈折計KOBRA−21ADH(王子計測機器(株)製)を用いて、23℃、55%RHの環境下で、波長が590nmにおいて、3次元屈折率測定を行い、屈折率nx、ny、nzを求めることにより値が得られる。
次に、本発明に係る光学異方体について説明する。
本発明でいう光学異方層とは、液晶化合物が配向していたり、あるいは配向した状態を温度差または化学反応で固定化された形態である層を指す。また、本発明でいう光学異方体とは、光学異方層と透明支持体を有し、あるいは光学異方層と透明支持体に更に中間層を含む形態で構成されたものをいう。
液晶化合物を塗設して光学異方性を得る場合、配向膜を透明支持体上に設置して、その上に液晶化合物を塗布して配向させることにより達成される。また、液晶層に配向膜を用いずに液晶化合物を配向させる方法として、液晶性化合物が液晶性を示す温度に加熱し、電場或いは磁場を印加する方法を挙げることができる。更に、熱風を吹き付ける方法や液晶温度範囲で基板を傾斜させ、液晶性化合物が流れることによって配向状態を得ることもできる。これらの中では、生産のし易さから配向膜を設置してラビング処理することが好ましい。
ここで配向膜について説明する。配向膜としては、具体的には、以下の樹脂や基板が挙げられるがこれらに限定される訳ではない。例えば、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリケトンサルファイド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキサイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリアリレート、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリプロピレン、セルロース系プラスチックス、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などが挙げられる。
配向膜は、配向材料を本発明に係る支持体上に塗布、乾燥して層を構成した後、ラビング処理することによって得ることができる。ラビング処理は、LCDの液晶配向処理工程として広く採用されている処理方法を利用することができる。即ち、配向膜の表面を、紙やガーゼ、フェルト、ゴム或いはナイロン、ポリエステル繊維などを用いて一定方向に擦ることにより配向を得る方法を用いることができる。一般的には、長さ及び太さが均一な繊維を平均的に植毛した布などを用いて数回程度ラビングを行うことにより実施される。
また、液晶化合物の配向のため広く用いられているポリイミド膜(好ましくは弗素原子含有ポリイミド)も配向膜として好ましい。これは、ポリアミック酸(例えば日立化成(株)製のLQ/LXシリーズ、日産化学(株)製のSEシリーズ等)を透明樹脂基板上に塗布し、熱処理後、ラビングすることにより得られる。また、ラビングを行わない光配向膜を用いてもよい。
次に、本発明に用いる液晶化合物について説明する。
本発明の光学異方体の製造方法においては、光学異方層が重合性ディスコティック液晶化合物を含むことが好ましい態様の1つである。本発明における液晶性化合物がディスコティック構造単位を有する化合物である場合、例えば、日本特許登録2587398号、同2640083号、同2641086号、同2692033号、同2692035号、同2767382号、同2747789号、同2866372号等に記載の化合物を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明の光学異方体の製造方法においては、光学異方層が高分子液晶化合物を含むことが好ましい態様の1つである。本発明における液晶性化合物が高分子液晶化合物である場合、例えば、日本特許登録2592694号、同2687035号、同2711585号、同2660601号等、特開平10−186356号、同10−206637号、同10−333134号記載の構造の化合物を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明において用いることのできるディスコティック液晶化合物および高分子液晶化合物以外の液晶性化合物としては、一般に棒状液晶化合物が挙げられ、不飽和エチレン性基を有する正の複屈折性の液晶化合物が配向の固定化の観点から好ましく、例えば特開平9−281480号、同9−281481号に記載の構造の化合物を挙げることができるが、特にこれらに限定されるものではない。
本発明における液晶化合物の構造は、特に限定されるものではないが、光学異方性を発現させるために液晶分子を配向させた状態で化学反応または温度差によって液晶化合物の配向が固定化された状態で用いることが求められる。上述のような配向膜を透明樹脂基板上に設置し、その上に液晶化合物を塗設して配向させることができる。液晶化合物の配向処理は、液晶化合物の転移温度以上に加熱することが必要となり、その温度は透明樹脂基板を変質させない温度以下で処理することが好ましい。
本発明に用いる液晶性化合物が高分子液晶化合物である場合、その化合構造としては主鎖型の液晶性高分子、例えば、ポリエステル、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエステルイミド等が挙げられる。また、側鎖型の液晶性高分子化合物、例えば、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリシロキサン、ポリマロネート等の誘導体を用いてもよい。
液晶化合物または配向膜を塗布する方法としては、液晶化合物または配向膜材料を有機溶媒等に溶解した後、カーテンコーティング、押し出しコーティング、ロールコーティング、ディップコーティング、スピンコーティング、印刷コーティング、スプレーコーティング及びスライドコーティングなどの塗布装置を用いて実施することができるが、本発明ではこれらに限定されるものではない。
上記のようなコーティング方法により本発明に係る液晶化合物を含む溶液を塗布した後は、残存する溶媒等を乾燥工程で除去することにより、膜厚が均一な液晶層を得ることができる。
液晶層は、熱および/または光エネルギーの作用による化学反応で、液晶化合物の配向を固定化することができる。特に、モノメリックな液晶化合物は、一般に粘度が低く、熱的な外因によって液晶化合物の配向が影響を受けやすいため、光重合開始剤を用いて、重合性液晶化合物を光ラジカル反応等で硬化反応を実施して固定化することもできる。
本発明では、液晶化合物の配向を固定化する場合に、重合性基がエチレン性不飽和基である場合には光重合開始剤を用いることが、反応の活性を上げることで製造時の硬化時間を短縮できることで好ましい。上記反応系において、ラジカルを発生のための手段として、以下に述べる光源を用いることが好ましい。例えば、高圧水銀ランプやメタルハライドランプなどの近紫外線を強く吸収できるものが好ましく、360nm〜450nmの光に対するモル吸光係数の最大値が100以上、更には500以上のものが好ましい。
本発明の光学異方体の製造方法においては、活性線の照射でより硬化反応を行い、液晶化合物の配向を固定化することが好ましい態様の1つである。光重合用の活性線としては、電子線、紫外線、可視光線、赤外線(熱線)等を必要に応じて適宜選択して用いることができるが、一般的には、紫外線が好ましい。紫外線の光源としては、例えば、低圧水銀ランプ(殺菌ランプ、蛍光ケミカルランプ、ブラックライト)、高圧放電ランプ(高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ)及びショートアーク放電ランプ(超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、水銀キセノンランプ)を挙げることができる。
一方、エチレン性不飽和基の重合反応のためのラジカル重合開始剤としては、例えば、アゾビス化合物、パーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、レドックス触媒など、例えば過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、tert−ブチルパーオクトエート、ベンゾイルパーオキサイド、イソプロピルパーカーボネート、2,4−ジクロルベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、クメンハイドロパーキサイド、ジクミルパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)ハイドロクロライド或いはベンゾフェノン類、アセトフェノン類、ベンゾイン類、チオキサントン類等を挙げることができる。これらの詳細については「紫外線硬化システム」総合技術センター、63頁〜147頁、1989年等に記載されている。
また、エポキシ基を有する化合物の重合には、紫外線活性化カチオン触媒として、例えば、アリルジアゾニウム塩(ヘキサフルオロフォスフェート、テトラフルオロボラート等)、ジアリルヨードニウム塩、VIa族アリロニウム塩(PF6、AsF6、SbF6のようなアニオンをもつアリルスルホニウム塩等)が一般的に用いられる。
また、ラジカル反応を用いて硬化反応を行う場合、空気中の酸素の存在による重合反応の遅れをさけるために、窒素雰囲気下で上記活性線を照射することが、反応時間の短縮化と少ない光量で硬化できる点で好ましい。
これらの反応を利用して、液晶化合物を硬化させるためには、液晶化合物においても反応性基を導入した単量体液晶化合物を選択することが重要である。この硬化反応により液晶化合物の配向が固定化できるものである。
本発明の光学異方体の製造方法においては、液晶化合物を含む有機溶媒溶液を調製し、その溶液を塗布乾燥した後、液晶化合物のガラス転移温度以上の温度にし、その後ガラス転移温度以下に降温して配向を固定化することが好ましい態様の1つである。液晶性化合物が高分子液晶化合物である場合、前述の様な化学反応による硬化反応を実施して液晶化合物の配向を固定化しなくてもよい。これは、透明樹脂基板が熱によって変質しない温度範囲、例えば、高分子液晶化合物が90℃以上のガラス転移温度であり、液晶転移温度を示す場合、配向膜上に高分子液晶化合物を塗布して構成膜を形成した後、液晶転移温度範囲内に加熱、配向させ、ついでガラス転移温度よりも低い、例えば室温で放冷することによって液晶化合物の配向が維持される。
本発明の光学異方体の製造方法においては、高分子液晶化合物を含む光学異方体の製造方法において、該液晶化合物を含む有機溶媒溶液を調製し、該有機溶媒溶液を支持体上に塗布乾燥した後、該液晶化合物のガラス転移温度以上の温度とし、その後ガラス転移温度以下に降温して配向を固定化し、セルロースエステル樹脂からなる支持体上に転写することを特徴とする。すなわち、高分子液晶化合物のガラス転移温度が支持体の耐熱性温度よりも高い場合は、支持体上に配向膜を設置し、高分子液晶化合物を塗設後、高分子液晶化合物のガラス転移温度以上に加熱し、配向させることができる。次いで、これを室温に放冷し、高分子液晶化合物の配向を固定化したのち、本発明に係る支持体に接着剤を用いて転写して光学異方体を製造する方法である。
本発明における光学異方層は、透明支持体に対して少なくとも1層設けることができる。液晶ディスプレイのモードが多種類製品化されており、光学的に補償できる光学異方体は、ディスプレイに適した光学特性を設計することができる。
本発明の光学異方体の製造方法においては、光学異方層が、複数の層からなることが好ましい態様の1つである。1つの透明支持体に対して、光学異方層を複数層設置する際、光学異方層に含まれる液晶化合物が配向した状態もしくは液晶化合物の配向が固定化された状態で構成されるケースでは、その配向方向は、適宜ディスプレイに適合した光学特性を踏まえて設定することができる。透明支持体上に光学異方層を2層以上設置する場合、透明支持体より遠い方向の順に配向層、光学異方層を複数繰り返して設置してもよい。これは、配向方向が配向膜によって決定されるために、配向膜と液晶層は隣接していることが必要となるからである。これらの組み合わせが複数層設置されるとき、配向膜上に塗設された液晶層の上に配向膜を直接塗設または他の公知の樹脂層で構成される中間層を設置してその上に配向膜を塗設し、複数目の配向層上に液晶層を設置することができる。液晶層が2層の場合、その配向方向は透明樹脂基板面に投影した方向において同一方向であってもよいが、好ましくは交差角度が60°以上120°以下、より好ましくは交差角度が85°以上95°以下で、本発明の光学異方体の製造方法においては、実質的に直交することが好ましい態様の1つであり、この条件により、特定のディスプレイに適合する点で好ましい。一方、本発明の光学異方体の製造方法においては、配向角度が光学異方層の断面方向から観察した場合、斜めであることが好ましい態様の1つであり、その配向角度は光学異方層の厚さ方向に対して一定であってもよく、厚さ方向に対して配向角度が変化してもよい。配向角度は補償するためのディスプレイの設計により異なるが、好ましくは10°以上80°以下、より好ましくは15°以上60°以下である。
本発明において、光学異方体を偏光板用保護フィルムとして用いる場合、または光学異方体を保護フィルム付偏光子に張り付けて用いる場合、光学異方体は液晶セルと偏光子との間に設置することができる。
偏光子は、従来から公知のものを用いることが出来る。例えば、ポリビニルアルコールの如きの親水性ポリマーからなるフィルムを、沃素の如き二色性染料で処理して延伸したもの等を用いることが出来る。
本発明の光学異方体の製造方法で用いる支持体において、物性を改良する目的として可塑剤を用いることができる。具体的な可塑剤としては、リン酸エステルまたはカルボン酸エステルが好ましく用いられる。リン酸エステルとしては、トリフェニルフォスフェート(TPP)およびトリクレジルホスフェート(TCP)、ビフェニル−ジフェニルホスフェート、ジメチルエチルホスフェートが含まれる。カルボン酸エステルとしては、フタル酸エステルおよびクエン酸エステルが代表的なものである。フタル酸エステルの例には、ジメチルフタレート(DMP)、ジエチルフタレート(DEP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジオクチルフタレート(DOP)およびジエチルヘキシルフタレート(DEHP)、エチルフタリルエチルグリコレート等が用いられる。クエン酸エステルとしては、クエン酸アセチルトリエチル(OACTE)およびクエン酸アセチルトリブチル(OACTB)が用いられる。その他のカルボン酸エステルの例には、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバシン酸ジブチル、種々のトリメリット酸エステルが含まれる。リン酸エステル系可塑剤(TPP、TCP、ビフェニル−ジフェニルホスフェート、ジメチルエチルホスフェート)、フタル酸エステル系可塑剤(DMP、DEP、DBP、DOP、DEHP)が好ましく用いられる。
また、この中でもトリフェニルフォスフェート(TPP)が特に好ましく用いられる。可塑剤は透明樹脂への耐水性付与、あるいはその透湿性改善のため、重要な素材であるが、添加量が多すぎると塗布層への悪影響が拡大する問題がある。請求項4に係る発明では、可塑剤の添加量が透明樹脂中に2以上15質量%以下で添加することが好ましい。
透明樹脂に紫外線吸収剤を含有させることによって、耐光性に優れた光学異方体を得ることができ、好ましい。本発明に有用な紫外線吸収剤としては、サリチル酸誘導体、ベンゾフェノン誘導体、ベンゾトリアゾール誘導体、安息香酸誘導体または有機金属錯塩等がある。具体例として特に限定されることはないが、例えば、サリチル酸誘導体としてはサリチル酸フェニル、4−t−ブチルフェニルサリチル酸等を、ベンゾフェノン誘導体としては、2−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等を、ベンゾトリアゾール誘導体としては、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−5′−ジ−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等を、安息香酸誘導体としては、レゾルシノール−モノベンゾエート、2′,4′−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等を、有機錯塩誘導体としては、ニッケルビス−オクチルフェニルサルファミド、エチル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルリン酸のニッケル塩等を挙げることができるが、請求項5に係る発明では、ベンゾトリアゾール誘導体またはベンゾフェノン誘導体であることが好ましい。本発明においては、これら紫外線吸収剤の1種以上を用いていることが好ましく、異なる2種以上の紫外線吸収剤を含有してもよい。また高分子紫外線吸収剤、例えば、特開平6−148430号に例示されている化合物を用いてもよい。本発明において好ましい紫外線吸収剤は、紫外線の吸収形状や保存性の点、あるいは液晶化合物の劣化防止の点からは、波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れ、かつ良好な液晶表示性の点からは波長400nm以上の可視光の吸収が可及的に少ないものが好ましく用いられる。特に、波長370nmでの透過率が、10%以下である必要があり、好ましくは5%以下、より好ましくは2%以下である。
紫外線吸収剤の添加方法は、アルコールやメチレンクロライド、ジオキソランなどの有機溶媒に紫外線吸収剤を溶解してから流延用のドープに添加するか、または直接流延用ドープ組成中に添加してもよい。無機粉体のように有機溶剤に溶解しないものは、有機溶剤とセルロースエステル中にデゾルバやサンドミルを使用し、分散してからドープに添加する。
次にセルロースエステルフィルムの製造方法について述べる。
先ず、セルロースエステルを有機溶媒に溶解してドープを形成する。ドープ中のセルロースエステルの濃度は10〜35質量%程度である。
有機溶媒としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸アミル、アセトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、シクロヘキサノン、ギ酸エチル、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−ヘキサフルオロ−1−プロパノール、1,3−ジフルオロ−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メチル−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロパノール、ニトロエタン等の非塩素系の有機溶媒が好ましい。もちろん塩化メチレンも使用できる。中でも酢酸メチル、アセトンを好ましく使用し得る。メタノール、エタノール、ブタノールなどの低級アルコールを併用するとセルロースエステルの有機溶媒への溶解性が向上したりドープ粘度を低減できるので好ましい。特に、沸点が低く、毒性の少ないエタノールが好ましい。
ドープ中には、前記可塑剤、紫外線吸収剤、マット剤などの添加剤を加えてもよい。そして、得られたドープを回転するベルトやドラムの支持体上に流廷し、剥離可能になるまで乾燥し、そして支持体から剥離する。剥離した生乾きのフィルムは、更に乾燥しフィルム中の有機溶媒をほぼ完全に蒸発させる。フィルム中の有機溶媒の含有量としては、良好なフィルムの寸法安定性を得るために2質量%以下、更に0.4質量%以下が好ましい。
フィルムの製造に際しては、次の方法を用いることが本発明において有用である。
(1)フィルムをベルトまたはドラムから剥離するまでの工程においては、好ましい剥離時の残留溶媒量としては、5%〜100%、より好ましくは、5%〜80%、更に好ましくは、10%〜45%である。
フィルム中の残留溶媒量は次式で表される。
残留溶媒量=残存揮発分質量/加熱処理後フィルム質量×100%
なお残存揮発分質量は、フィルムを115℃で1時間加熱処理したとき、加熱処理前のフィルム質量から加熱処理後のフィルム質量を引いた値である。
なお残存揮発分質量は、フィルムを115℃で1時間加熱処理したとき、加熱処理前のフィルム質量から加熱処理後のフィルム質量を引いた値である。
(2)剥離する際の張力ならびに、乾燥ゾーン内を搬送する際の好ましい剥離張力としては50〜400N/m、より好ましくは100〜300N/m、更に好ましくは100〜250N/mである。また、乾燥ゾーン内の搬送張力として、好ましくは50〜200N/m、より好ましくは80〜150N/m、更に好ましくは、80〜120N/mである。
(3)フィルムをベルトまたはドラムから剥離後の乾燥工程で、ピンテンター方式またはクリップテンター方式でフィルムを延伸しながら乾燥する場合、延伸倍率が大きくなると、リターデーション値(Rt値)は増加し、小さくすると減少する。好ましい延伸率としては、2〜50%、より好ましくは5〜40%、更に好ましくは10〜30%である。
また、本発明に係る支持体の製造工程、特に塗設工程におけるすべり性を改善するため、透明樹脂フィルムを製造する際、ドープ中に、例えば、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、リン酸カルシウム等の無機微粒子や架橋高分子などのマット剤を含有させることが好ましい。中でも二酸化ケイ素が、フィルムのヘイズを小さくできるので好ましい。マット剤微粒子は、2次粒子の平均粒径が0.01〜1.0μm、その含有量がセルロースエステルに対して0.005〜0.3質量%であることが好ましい。二酸化ケイ素のような微粒子は、その粒子表面が化学的な加工処理を施されていることが、フィルムのヘイズを低下できる点で好ましい。表面処理で好ましい化合物としては、例えば、ハロシラン類、アルコキシシラン類、シラザン、シロキサンなどが挙げられる。
本発明の光学異方体の製造方法は、支持体に光学異方層等の塗設物を有することからカールを生じることが多い。従って、カールを防止し、カールによる不都合を解消し、光学異方体としての機能を損なわないようにするため、光学異方性層を塗設した反対側にアンチカール層を設けることが好ましい。アンチカール層を設けた面が内側に収縮する特性を適宜付与することにより、表裏面のカールの度合いをバランスさせることができる。なお、アンチカール層は、好ましくはブロッキング層を兼ねて塗設され、その場合、塗布組成物にはブロッキング防止機能を持たせるための無機微粒子及び/または有機微粒子を含有させることができる。例えば、無機微粒子としては酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化錫、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、カオリン、硫酸カルシウム等を挙げることができ、また有機微粒子としては、ポリメタアクリル酸メチルアクリレート樹脂粉末、アクリルスチレン系樹脂粉末、ポリメチルメタクリレート樹脂粉末、シリコーン系樹脂粉末、ポリスチレン系樹脂粉末、ポリカーボネート樹脂粉末、ベンゾグアナミン系樹脂粉末、メラミン系樹脂粉末、ポリオレフィン系樹脂粉末、ポリエステル系樹脂粉末、ポリアミド系樹脂粉末、ポリイミド系樹脂粉末、あるいはポリ弗化エチレン系樹脂粉末等を挙げることができ、それらの添加物をアンチカール層塗布組成物に加えることができる。二酸化ケイ素のような微粒子は、有機物によって表面処理されていることが、フィルムのヘイズを低下できるため好ましい。表面処理で好ましい有機物としては、ハロシラン類、アルコキシシラン類、シラザン、シロキサンなどがあげられる。
二酸化ケイ素の微粒子としては、日本アエロジル(株)製のAEROSIL200、200V、300、R972、R974、R202、R812、OX50、TT600などが挙げられ、好ましくはAEROSIL R972、R972V、R974、R974V、R202、R812などが挙げられる。
これらの微粒子は、体積平均粒径0.005〜0.1μmの粒子を樹脂組成物100部に対して0.1〜5部の範囲で添加される。これらの微粒子の配合は、フィルムのヘイズが0.6%以下、光学異方体の表裏面間での動摩擦係数が0.5以下となるように配合することが好ましい。
アンチカール機能の付与は、樹脂フィルム基材を溶解させる溶媒または膨潤させる溶媒を含む組成物を塗布することによっても行うことができる。用いる溶媒としては、溶解させる溶媒または膨潤させる溶媒の混合物の他、さらに溶解させない溶媒を含む場合もあり、これらを樹脂フィルムのカール度合や樹脂の種類によって適宜選択した割合で混合した組成物を用いて塗布を行う。例えば、カール防止機能を強めたい場合は、用いる溶媒組成を溶解させる溶媒または膨潤させる溶媒の混合比率を大きくし、溶解させない溶媒の比率を小さくすることが効果的である。この時の混合比率は、好ましくは(溶解させる溶媒または膨潤させる溶媒):(溶解させない溶媒)=10:0〜1:9である。このような混合組成物に含まれる樹脂フィルム基材を溶解または膨潤させる溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、酢酸メチル、酢酸エチル、トリクロロエチレン、メチレンクロライド、エチレンクロライド、テトラクロロエタン、トリクロロエタン、クロロホルムなどが挙げられる。また、溶解させない溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブタノールなどを挙げることができる。
これらの塗布組成物をグラビアコーター、ディップコーター、リバースコーター、押し出しコーター等を用いて樹脂フィルムの表面にウェット膜厚1〜100μm塗布するのが好ましいが、特に5〜30μmであることが好ましい。
上記のアンチカール層、あるいは保護層、中間層等で用いられる樹脂としては、例えば塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニルとビニルアルコールの共重合体、部分加水分解した塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル/塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル/アクリロニトリル共重合体、エチレン/ビニルアルコール共重合体、塩素化ポリ塩化ビニル、エチレン/塩化ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体あるいは共重合体、ニトロセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、ジアセチルセルロース、セルロースアセテートブチレート樹脂等のセルロースエステル系樹脂、マレイン酸および/またはアクリル酸の共重合体、アクリル酸エステル共重合体、アクリロニトリル/スチレン共重合体、塩素化ポリエチレン、アクリロニトリル/塩素化ポリエチレン/スチレン共重合体、メチルメタクリレート/ブタジエン/スチレン共重合体、アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエーテルポリウレタン樹脂、ポリカーボネートポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、アミノ樹脂、スチレン/ブタジエン樹脂、ブタジエン/アクリロニトリル樹脂等のゴム系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。特に好ましくは、ジアセチルセルロースのようなセルロース系樹脂層である。
アンチカール層を塗設する順番は、樹脂フィルム基材の反対側に光学異方性層を塗設する前でも後でも構わないが、アンチカール層がブロッキング防止層を兼ねる場合は、先に塗設することが望ましい。
本発明の光学異方体の製造方法においては、液晶層の上には、傷などの光学的変質をさけるために保護層を設けてもよい。液晶層が複数層の場合は中間層を設けてもよい。保護層または中間層の材料としては、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸/メタクリル酸共重合体、スチレン/無水マレイミド共重合体、ポリビニルアルコール、ポリ(N−メチロールアクリルアミド)、スチレン/ビニルトルエン共重合体、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル/塩化ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、及びポリカーボネート、またはアクリレート、メタクリレート等のポリマー及びこれらの誘導体を挙げることができる。
光学異方体の支持体上に各構成層を設置する場合、溶媒を用いて構成材料を溶解した塗布液を調製し、それを塗布することができる。この方法は、塗設層の均一性の観点から好ましい方法である。用いる溶媒は、単独で使用してもよく、また塗設する際の乾燥性を制御するために2種以上の溶媒を混合して用いてもよい。塗設するための溶媒は、有機溶媒が好ましい。例えば、アルコール類としては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、ペンタノール、2−メチル−2−ブタノール、シクロヘキサノール等が挙げられ、ケトン類としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等が挙げられ、エステル類としては、蟻酸メチル、蟻酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸アミル、乳酸エチル、乳酸メチル等が挙げられ、グリコールエーテル(C1〜C4)類としては、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、またはプロピレングリコールモノ(C1〜C4)アルキルエーテルエステル類としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、その他の溶媒としてメチレンクロライド、N−メチルピロリドンなどがあげられるが、特にこれらに限定されるものではない。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
実施例1
《光学異方体の作製》
〈支持体の作製〉
セルロースエステル(詳細な内容は下記に記載) 100kg
エチルフタリルエチルグリコレート 2kg
トリフェニルフォスフェート 8.5kg
2−〔5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル〕−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノール 1kg
2−〔2H−ベンゾトリアゾール−2−イル〕−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール 1kg
メチレンクロライド 430kg
メタノール 90kg
超微粒子シリカ(アエロジル200 日本アエロジル社製) 0.01kg
上記組成物を密閉容器に投入し、加圧下で80℃に保温し撹伴しながら完全に溶解してドープ組成物を得た。次に、このドープ組成物を安積濾紙社製の安積濾紙No.244を使用して濾過し、その後冷却して35℃に保ちステンレスバンド上に均一に流延し、剥離が可能になるまで溶媒を蒸発させたところで、ステンレスバンド上から剥離した。剥離後の残留溶媒量50質量%〜5質量%の間の乾燥ゾーン内でテンターによって幅保持しながら乾燥を進行させ、さらに、多数のロールで搬送させながら残留溶媒量1質量%以下となるまで乾燥させ、膜厚110μmの支持体1〜4を作製した。
《光学異方体の作製》
〈支持体の作製〉
セルロースエステル(詳細な内容は下記に記載) 100kg
エチルフタリルエチルグリコレート 2kg
トリフェニルフォスフェート 8.5kg
2−〔5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル〕−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノール 1kg
2−〔2H−ベンゾトリアゾール−2−イル〕−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール 1kg
メチレンクロライド 430kg
メタノール 90kg
超微粒子シリカ(アエロジル200 日本アエロジル社製) 0.01kg
上記組成物を密閉容器に投入し、加圧下で80℃に保温し撹伴しながら完全に溶解してドープ組成物を得た。次に、このドープ組成物を安積濾紙社製の安積濾紙No.244を使用して濾過し、その後冷却して35℃に保ちステンレスバンド上に均一に流延し、剥離が可能になるまで溶媒を蒸発させたところで、ステンレスバンド上から剥離した。剥離後の残留溶媒量50質量%〜5質量%の間の乾燥ゾーン内でテンターによって幅保持しながら乾燥を進行させ、さらに、多数のロールで搬送させながら残留溶媒量1質量%以下となるまで乾燥させ、膜厚110μmの支持体1〜4を作製した。
なお、各支持体の作製に用いたセルロースアセテートは、以下の通りである。
支持体1:アセチル基置換度2.92のセルロースアセテート(数平均分子量200000)
支持体2:アセチル基置換度2.65のセルロースアセテート(数平均分子量170000)
支持体3:アセチル基置換度2.92のセルロースアセテート(数平均分子量200000)とアセチル基置換度2.45のセルロースアセテート(数平均分子量100000)を混合し、混合後の平均アセチル基置換度が2.65となるように調整した。
支持体2:アセチル基置換度2.65のセルロースアセテート(数平均分子量170000)
支持体3:アセチル基置換度2.92のセルロースアセテート(数平均分子量200000)とアセチル基置換度2.45のセルロースアセテート(数平均分子量100000)を混合し、混合後の平均アセチル基置換度が2.65となるように調整した。
支持体4:アセチル基置換度2.51のセルロースアセテート(数平均分子量150000)とアセチル基置換度2.86のセルロースアセテート(数平均分子量180000)を混合し、混合後の平均アセチル基置換度が2.65となるように調整した。
《配向膜、液晶膜及び転写層の塗設》
上記作製した支持体1〜4上に、表1に示す組み合わせで、下記配向膜1、2及び液晶膜1〜3あるいは転写層1を塗設し、光学異方体試料A〜Oを作製した。
上記作製した支持体1〜4上に、表1に示す組み合わせで、下記配向膜1、2及び液晶膜1〜3あるいは転写層1を塗設し、光学異方体試料A〜Oを作製した。
(配向膜1の塗設)
表1に示した各支持体上に、0.1μmのゼラチン薄膜を塗設し、ついで直鎖アルキル変性ポリビニルアルコール(MP203 クラレ社製)を乾燥膜厚が0.2μmとなるように塗布した。これを80℃温風にて乾燥させた後、ラビング処理を行って、配向膜1を形成した。
表1に示した各支持体上に、0.1μmのゼラチン薄膜を塗設し、ついで直鎖アルキル変性ポリビニルアルコール(MP203 クラレ社製)を乾燥膜厚が0.2μmとなるように塗布した。これを80℃温風にて乾燥させた後、ラビング処理を行って、配向膜1を形成した。
(配向膜2の塗設)
表1に示した各支持体上に、サンエバー5291(日産化学社製)を乾燥膜厚が0.1μmとなるように塗布した。これを110℃3時間乾燥させた後、ラビング処理を行って、配向膜2を形成した。
表1に示した各支持体上に、サンエバー5291(日産化学社製)を乾燥膜厚が0.1μmとなるように塗布した。これを110℃3時間乾燥させた後、ラビング処理を行って、配向膜2を形成した。
(液晶層1の塗設)
表1に示した各基板構成の配向膜上に、液晶性ディスコティック化合物LC−1を1.6g、フェノキシジエチレングリコールアクリレート(M101 東亜合成社製)0.4g、セルロースアセテートブチレート(CAB531−1 イーストマンケミカル社製)0.05g及び光重合開始剤(イルガキュア−907 チバ・ガイギー社製)0.01gを、3.65gのメチルエチルケトンに溶解した塗布液を、ワイヤーバーで塗布した。次いで、これを金属の枠に貼りつけて固定し、乾燥と配向のために130℃の恒温槽中で3分間加熱し、ディスコティック化合物を配向させた。次に、試料を窒素雰囲気下で高圧水銀灯を用いて照度10mW/cm2で130℃下30秒間紫外線を照射し、架橋反応により配向を固定化した。室温まで放冷して、ディスコティック化合物を含む液晶層1を形成して各光学異方体試料を作製した。液晶層1の膜厚は1.8μmであった。
表1に示した各基板構成の配向膜上に、液晶性ディスコティック化合物LC−1を1.6g、フェノキシジエチレングリコールアクリレート(M101 東亜合成社製)0.4g、セルロースアセテートブチレート(CAB531−1 イーストマンケミカル社製)0.05g及び光重合開始剤(イルガキュア−907 チバ・ガイギー社製)0.01gを、3.65gのメチルエチルケトンに溶解した塗布液を、ワイヤーバーで塗布した。次いで、これを金属の枠に貼りつけて固定し、乾燥と配向のために130℃の恒温槽中で3分間加熱し、ディスコティック化合物を配向させた。次に、試料を窒素雰囲気下で高圧水銀灯を用いて照度10mW/cm2で130℃下30秒間紫外線を照射し、架橋反応により配向を固定化した。室温まで放冷して、ディスコティック化合物を含む液晶層1を形成して各光学異方体試料を作製した。液晶層1の膜厚は1.8μmであった。
(液晶層2の塗設)
表1に示した各基板構成の配向膜上に、5gのLC−2を45gのクロロホルムに溶解させ調製した10質量%溶液を印刷法により塗布し、110℃のホットプレート上で乾燥し、オーブンで配向のために110℃で30分間熱処理を施した後、室温中に取り出して冷却して、LC−2を配向固定化し、各光学異方体試料を作製した。なお、LC−2のガラス転移温度は90℃である。液晶層2の膜厚は2.0μmであった。
表1に示した各基板構成の配向膜上に、5gのLC−2を45gのクロロホルムに溶解させ調製した10質量%溶液を印刷法により塗布し、110℃のホットプレート上で乾燥し、オーブンで配向のために110℃で30分間熱処理を施した後、室温中に取り出して冷却して、LC−2を配向固定化し、各光学異方体試料を作製した。なお、LC−2のガラス転移温度は90℃である。液晶層2の膜厚は2.0μmであった。
(液晶層3の塗設)
表1に示した各基板構成の配向膜上に、LC−3を1.6g、フェノキシジエチレングリコールアクリレート(M101 東亜合成社製)0.4g、及び光重合開始剤(イルガキュア−907 チバ・ガイギー社製)0.01gを、3.65gのメチルエチルケトンに溶解して得られた塗布液を、ワイヤーバーで塗布した。ついで、それに金属の枠を貼りつけて固定して乾燥した後、配向のために120℃の恒温槽中で3分間加熱処理を施し、液晶化合物を配向させた。次に高圧水銀灯を用いて窒素雰囲気下で、照度10mW/cm2で30秒間、その後120℃で10秒間紫外線を照射し、架橋反応により液晶化合物の配向を固定化し、室温まで放冷して、各光学異方体試料を作製した。液晶層3の膜厚は0.8μmであった。
表1に示した各基板構成の配向膜上に、LC−3を1.6g、フェノキシジエチレングリコールアクリレート(M101 東亜合成社製)0.4g、及び光重合開始剤(イルガキュア−907 チバ・ガイギー社製)0.01gを、3.65gのメチルエチルケトンに溶解して得られた塗布液を、ワイヤーバーで塗布した。ついで、それに金属の枠を貼りつけて固定して乾燥した後、配向のために120℃の恒温槽中で3分間加熱処理を施し、液晶化合物を配向させた。次に高圧水銀灯を用いて窒素雰囲気下で、照度10mW/cm2で30秒間、その後120℃で10秒間紫外線を照射し、架橋反応により液晶化合物の配向を固定化し、室温まで放冷して、各光学異方体試料を作製した。液晶層3の膜厚は0.8μmであった。
(転写層1の塗設)
耐熱性ポリイミドフィルム上にサンエバー5291(日産化学社製)を乾燥膜厚が0.1μmとなるように塗布した。これを110℃で3時間乾燥させた後、ラビング処理を行い、配向膜を得た。ついで、5gのLC−4を45gのクロロホルムに溶解させた10質量%溶液からなる液晶層を配向膜上に塗布した。ついで、80℃のホットプレート上で乾燥し、オーブンで配向のために230℃で90分間熱処理を施した後、室温中に取り出して冷却して、ポリイミドフィルム上にLC−4の配向を固定化した。なお、用いたLC−4のガラス転移温度は190℃である。次いで、紫外線硬化型の接着剤をこの液晶層上に塗布した後、表1に記載の支持体1〜3にラミネートし、高圧水銀灯の光を照射して接着剤を硬化させた後、ポリイミドフィルムを剥がして除去した。この時、液晶層は接着剤を介して支持体上に形成されている。接着層は光学的には等方性であった。液晶層の厚さは1.9μmであった。
耐熱性ポリイミドフィルム上にサンエバー5291(日産化学社製)を乾燥膜厚が0.1μmとなるように塗布した。これを110℃で3時間乾燥させた後、ラビング処理を行い、配向膜を得た。ついで、5gのLC−4を45gのクロロホルムに溶解させた10質量%溶液からなる液晶層を配向膜上に塗布した。ついで、80℃のホットプレート上で乾燥し、オーブンで配向のために230℃で90分間熱処理を施した後、室温中に取り出して冷却して、ポリイミドフィルム上にLC−4の配向を固定化した。なお、用いたLC−4のガラス転移温度は190℃である。次いで、紫外線硬化型の接着剤をこの液晶層上に塗布した後、表1に記載の支持体1〜3にラミネートし、高圧水銀灯の光を照射して接着剤を硬化させた後、ポリイミドフィルムを剥がして除去した。この時、液晶層は接着剤を介して支持体上に形成されている。接着層は光学的には等方性であった。液晶層の厚さは1.9μmであった。
以上のようにして作製した光学異方体試料A〜Oを60℃で2モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液中に2分間浸漬し水洗した後、100℃で10分間乾燥し光学異方体アルカリ処理試料A〜Oを作製した。
《偏光板の作製》
厚さ120μmのポリビニルアルコールフィルムを沃素1質量部、ホウ酸4質量部を含む水溶液100質量部に浸漬し、50℃で4倍に延伸して偏光膜を作製した。この偏光膜の片面に上記と同様のアルカリ処理を施した支持体1を、また、反対側の面には、上記作製した光学異方体アルカリ処理試料A〜Oをそれぞれ偏光軸に対して液晶パネルの視野角が拡大できる貼り合わせ角度となるように調整して、液晶化合物の塗布面が偏光膜とは反対側に位置するように完全鹸化型ポリビニルアルコール5%水溶液を粘着剤として貼り合わせ偏光板試料A〜Oを作製した。また、比較偏光板として偏光膜の両面にアルカリ処理を施した支持体1を同様の方法にて貼り合わせた比較偏光板も同時に作製した。
厚さ120μmのポリビニルアルコールフィルムを沃素1質量部、ホウ酸4質量部を含む水溶液100質量部に浸漬し、50℃で4倍に延伸して偏光膜を作製した。この偏光膜の片面に上記と同様のアルカリ処理を施した支持体1を、また、反対側の面には、上記作製した光学異方体アルカリ処理試料A〜Oをそれぞれ偏光軸に対して液晶パネルの視野角が拡大できる貼り合わせ角度となるように調整して、液晶化合物の塗布面が偏光膜とは反対側に位置するように完全鹸化型ポリビニルアルコール5%水溶液を粘着剤として貼り合わせ偏光板試料A〜Oを作製した。また、比較偏光板として偏光膜の両面にアルカリ処理を施した支持体1を同様の方法にて貼り合わせた比較偏光板も同時に作製した。
《各試料の特性評価》
(支持体のΔN値の測定)
上記作製した支持体1〜4について、まずアッベ式屈折率計を用いてフィルム全体の平均屈折率を測定した。ついで、自動複屈折計KOBRA−21ADH(王子計測機器社製)を用いて、23℃、55%RHの環境下で、波長が590nmにおける3次元屈折率測定を行い、先に測定したアッベ式屈折率計で測定した平均屈折率値を入力し、リターデーションの角度特性から屈折率nx、ny、nzを求めた。なお、この3次元屈折率は、試料のリターデーション特性により求めるものである。以上により測定したnx、ny及びnzを用いて、前記式1より、各支持体のΔN値を算出し、得られた結果を表2に示す。
(支持体のΔN値の測定)
上記作製した支持体1〜4について、まずアッベ式屈折率計を用いてフィルム全体の平均屈折率を測定した。ついで、自動複屈折計KOBRA−21ADH(王子計測機器社製)を用いて、23℃、55%RHの環境下で、波長が590nmにおける3次元屈折率測定を行い、先に測定したアッベ式屈折率計で測定した平均屈折率値を入力し、リターデーションの角度特性から屈折率nx、ny、nzを求めた。なお、この3次元屈折率は、試料のリターデーション特性により求めるものである。以上により測定したnx、ny及びnzを用いて、前記式1より、各支持体のΔN値を算出し、得られた結果を表2に示す。
表2の結果より明らかなように、本発明の支持体2〜4は、式1で規定したΔN値として高い値を有しており、薄膜化及び軽量化の観点から好ましい特性であることが判る。
(光学異方性の評価)
以下に示す方法により、光学異方体試料A〜Oの光学異方性を確認した。
以下に示す方法により、光学異方体試料A〜Oの光学異方性を確認した。
偏光板を直交ニコルの状態として、その間に各光学異方体試料を設置し、各光学異方体試料の光学異方性を目視および100倍の光学顕微鏡で観察した結果、すべて試料が良好な光学異方性を有し、モノドメインであることを確認した。
(視野角の評価)
NEC社製LA−1529HM型のTFT−TN液晶パネルの偏光板を剥がし、前記作製した比較偏光板よりも視野角が広がるような条件で、上記作製した各偏光板試料A〜Oを剥がした偏光板の偏光軸と一致する方向で液晶パネルに張り付けた。各々の偏光板試料は、偏光子と液晶パネルとの間に配置し、かつ液晶層が各々偏光膜の外側になるように貼付けた。これらの偏光板の貼付けは、各々の試料を液晶パネルに対してバックライト側と画像観察面側のそれぞれの面に貼付けた。以上のようにして作製した、それぞれ組み込んだ偏光板番号に対応した各液晶パネル試料A〜Oについて、パソコンでモニターを駆動し、白色/黒色表示時のコントラスト比をELDIM社製のEz−Contrastを用いて測定し、上下左右について、コントラストが10以上を示す液晶パネルの法線方向からの角度をそれぞれ測定し、それを視野角と定義した。以上の方法により得られた結果は以下の通りである。
NEC社製LA−1529HM型のTFT−TN液晶パネルの偏光板を剥がし、前記作製した比較偏光板よりも視野角が広がるような条件で、上記作製した各偏光板試料A〜Oを剥がした偏光板の偏光軸と一致する方向で液晶パネルに張り付けた。各々の偏光板試料は、偏光子と液晶パネルとの間に配置し、かつ液晶層が各々偏光膜の外側になるように貼付けた。これらの偏光板の貼付けは、各々の試料を液晶パネルに対してバックライト側と画像観察面側のそれぞれの面に貼付けた。以上のようにして作製した、それぞれ組み込んだ偏光板番号に対応した各液晶パネル試料A〜Oについて、パソコンでモニターを駆動し、白色/黒色表示時のコントラスト比をELDIM社製のEz−Contrastを用いて測定し、上下左右について、コントラストが10以上を示す液晶パネルの法線方向からの角度をそれぞれ測定し、それを視野角と定義した。以上の方法により得られた結果は以下の通りである。
液晶パネル試料Aに対して、液晶パネル試料D、Gは視野角が拡大した。
液晶パネル試料Bに対して、液晶パネル試料E、Hは視野角が拡大した。
液晶パネル試料Cに対して、液晶パネル試料F、Iは視野角が拡大した。
液晶パネル試料Jに対して、液晶パネル試料K、Lは視野角が拡大した。
液晶パネル試料Mに対して、液晶パネル試料N、Oは視野角が拡大した。
以上の結果より、比較試料に対し高いΔN値を有する本発明に係る支持体を用いた液晶パネル試料は、支持体の厚さが同一である時、視野角が拡大できる点で優れていることが判る。このことは、比較試料と同等の光学特性(視野角)を得る場合、本発明の支持体は、比較試料に対し、薄膜設計が容易にできることを示している。
(リターデーションの測定)
上記作製した各光学異方体試料について、自動複屈折率計KOBRA−21ADH(王子計測機器社製)を用いて、各々の光学異方体試料の遅相軸における角度(−40°〜+40°の範囲、測定は10°毎)依存性のリターデーションを測定し、同時に支持体1〜4についても測定した。液晶層が存在する光学異方体試料の測定値から、対応する支持体試料の各角度成分のリターデーションの差をそれぞれ求めた結果、光学異方体試料B、C、E、F、H、I、K、L、N、Oは液晶層のリターデーションの最大値を示す角度が、試料の面に対する法線方向(0°)からずれており、光学異方層の液晶化合物の分子が傾いていることがわかった。また、最大値を示す角を中心として±側の角度に対するリターデーションの変化が左右非対称であることから、液晶化合物の分子はすべての試料で厚さ方向に対して角度が変化していることがわかる。
上記作製した各光学異方体試料について、自動複屈折率計KOBRA−21ADH(王子計測機器社製)を用いて、各々の光学異方体試料の遅相軸における角度(−40°〜+40°の範囲、測定は10°毎)依存性のリターデーションを測定し、同時に支持体1〜4についても測定した。液晶層が存在する光学異方体試料の測定値から、対応する支持体試料の各角度成分のリターデーションの差をそれぞれ求めた結果、光学異方体試料B、C、E、F、H、I、K、L、N、Oは液晶層のリターデーションの最大値を示す角度が、試料の面に対する法線方向(0°)からずれており、光学異方層の液晶化合物の分子が傾いていることがわかった。また、最大値を示す角を中心として±側の角度に対するリターデーションの変化が左右非対称であることから、液晶化合物の分子はすべての試料で厚さ方向に対して角度が変化していることがわかる。
ついで、上記作製した各光学異方体試料について、自動複屈折率計KOBRA−21ADH(王子計測機器社製)を用いて、各々の光学異方体試料の進相軸における角度(−40°〜+40°の範囲、測定は10°毎)依存性のリターデーションを測定し、同様に支持体1〜4についても測定した。液晶層が存在する光学異方体試料から、それぞれ対応する支持体試料の各角度成分のリターデーションの差を求めた結果、光学異方体試料A、D、G、Jは、液晶層のリターデーションの最小値を示す角度が試料の面に対する法線方向(0°)からずれており、光学異方層の液晶化合物の分子が傾いていることがわかった。また、最小値を示す角度を中心をして±側の角度のリターデーションの変化が左右非対称であり、かつリターデーションの最小値が0でないことから、液晶化合物の分子はすべての試料で厚さ方向に対して角度が変化していることがわかる。
更に、光学異方体試料F、Iに対して、製造時のラビング条件を適宜変更して液晶化合物の傾斜角が0°となる光学異方体試料F′、I′を作り、それを組み込んだ偏光板試料F′、I′を作製して、上記と同様に評価を行った結果、液晶層の液晶化合物の配向に傾斜角を有する偏光板試料F、Iの方が、傾斜角が0°である偏光板試料F′、I′に比較し、視野角が拡大し、良好な結果を示した。これより、偏光板においては、液晶化合物の配向に傾斜角を有する光学異方体からなる本発明の偏光板が優れていることがわかった。
実施例2
実施例1で作製した光学異方体試料C、F、Iにおいて、最外層の液晶層3上に、すでに設置した配向層2と直交する角度で新たな配向膜2を設置し、ラビング処理を行った。更に、その上にすでに設置した液晶層3と同一の組成を有する新たな液晶層3を設置し、同様に配向を固定化し、それを偏光板に組み入れた偏光板試料C″、F″、I″を作製した。作製した偏光板を用いて実施例1と同様の方法で視野角を評価した結果、偏光板試料F″、I″は偏光板試料C″に比較し、視野角が広いことが確認できた。この結果、複数の液晶層を有する光学異方体においても、本発明に係る構成の試料は、視野角特性が優れていることが判った。
実施例1で作製した光学異方体試料C、F、Iにおいて、最外層の液晶層3上に、すでに設置した配向層2と直交する角度で新たな配向膜2を設置し、ラビング処理を行った。更に、その上にすでに設置した液晶層3と同一の組成を有する新たな液晶層3を設置し、同様に配向を固定化し、それを偏光板に組み入れた偏光板試料C″、F″、I″を作製した。作製した偏光板を用いて実施例1と同様の方法で視野角を評価した結果、偏光板試料F″、I″は偏光板試料C″に比較し、視野角が広いことが確認できた。この結果、複数の液晶層を有する光学異方体においても、本発明に係る構成の試料は、視野角特性が優れていることが判った。
実施例3
実施例1で作製した本発明の支持体2の厚み方向でのリターデーション値(Rt値)を下記に示す方法で測定した結果、Rt値は126.6nm(厚さ110μm)であった。次いで、比較試料である支持体1について、製膜時の支持体膜厚を適宜変更して、支持体2と同一のRt値を有する支持体1′を作製した。得られた支持体1′は、Rt値:126.5nm、厚さ:181μmであった。
実施例1で作製した本発明の支持体2の厚み方向でのリターデーション値(Rt値)を下記に示す方法で測定した結果、Rt値は126.6nm(厚さ110μm)であった。次いで、比較試料である支持体1について、製膜時の支持体膜厚を適宜変更して、支持体2と同一のRt値を有する支持体1′を作製した。得られた支持体1′は、Rt値:126.5nm、厚さ:181μmであった。
〈厚み方向リターデーション値(Rt値)の測定方法〉
自動複屈折計KOBRA−21ADHを用いて、23℃、55%RHの環境下で、波長が590nmにおいて、3次元屈折率測定を行い、屈折率nx、ny、nzを求め、下記式に従って、リターデーション値(Rt値)を算出した。
自動複屈折計KOBRA−21ADHを用いて、23℃、55%RHの環境下で、波長が590nmにおいて、3次元屈折率測定を行い、屈折率nx、ny、nzを求め、下記式に従って、リターデーション値(Rt値)を算出した。
Rt値=((nx+ny)/2−nz)×d
なお、nx、ny及びnzは、ΔN値を求める前記式1のそれぞれと同義である。ただし、dはフィルムの厚み(nm)を表す。
なお、nx、ny及びnzは、ΔN値を求める前記式1のそれぞれと同義である。ただし、dはフィルムの厚み(nm)を表す。
以上の結果から、本発明に係る光学異方体を構成する支持体は、目的の光学特性(Rf値)を得るために、比較試料に対し薄膜化できる点で優れていることがわかる。
次いで、支持体−1′を用いて実施例1における偏光板試料Fと同様にして偏光板1′を作製し、実施例1記載の視野角の評価方法に則り評価を行った結果、偏光板1′を備えた液晶パネルは、偏光板Fを備えた本発明の液晶パネルとほぼ同じ視野角に拡大した。しかしながら、支持体1′で作製した偏光板は、偏光膜の反対面側に張り付けた支持体1と厚さが大幅に異なり、そのため表裏面のカールバランスが取れず湾曲を起こし、扱い易さの点で本発明の偏光板よりも劣っていることが判明した。
実施例4
実施例1で作製した支持体1〜4で用いた紫外線吸収剤である2−〔5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル〕−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノール(1kg)と2−〔2H−ベンゾトリアゾール−2−イル〕−4、6−ジ−tert−ペンチルフェノール(1kg)に変えて2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノンを2kg添加して同様に支持体を作製し、実施例1と同様の方法で液晶パネルを作製し視野角の評価を行った結果、実施例1の結果と同様に、本発明の試料は、比較試料に対して視野角性能が優れていることが確認できた。
実施例1で作製した支持体1〜4で用いた紫外線吸収剤である2−〔5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル〕−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノール(1kg)と2−〔2H−ベンゾトリアゾール−2−イル〕−4、6−ジ−tert−ペンチルフェノール(1kg)に変えて2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノンを2kg添加して同様に支持体を作製し、実施例1と同様の方法で液晶パネルを作製し視野角の評価を行った結果、実施例1の結果と同様に、本発明の試料は、比較試料に対して視野角性能が優れていることが確認できた。
Claims (8)
- 高分子液晶化合物を含む光学異方体の製造方法において、該液晶化合物を含む有機溶媒溶液を調製し、該有機溶媒溶液を支持体上に塗布乾燥した後、該液晶化合物のガラス転移温度以上の温度とし、その後ガラス転移温度以下に降温して配向を固定化し、セルロースエステル樹脂からなる支持体上に転写することを特徴とする光学異方体の製造方法。
- 前記支持体が、アセチル基の置換度が2.50以上、2.86以下のセルロースエステル樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の光学異方体の製造方法。
- 前記支持体が、アセチル基の置換度が2.40以上、3.00以下のセルロースエステル樹脂を2種以上混合し、混合後の平均アセチル基置換度が2.50以上、2.86以下のセルロースエステル樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の光学異方体の製造方法。
- 前記支持体を構成する樹脂に対して、可塑剤が2質量%以上、15質量%以下で、かつ紫外線吸収剤が0.01質量%以上、3質量%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の光学異方体の製造方法。
- 前記紫外線吸収剤が、ベンゾトリアゾール誘導体またはベンゾフェノン誘導体であることを特徴とする請求項4に記載の光学異方体の製造方法。
- 前記支持体の厚さが、35μm以上、150μm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学異方体の製造方法。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学異方体の製造方法により製造された光学異方体を有していることを特徴とする偏光板。
- 請求項7に記載の偏光板を用いることを特徴とする液晶表示装置。
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-
2007
- 2007-07-11 JP JP2007182059A patent/JP2007304620A/ja active Pending
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