JP2002276775A - 回転体装置 - Google Patents

回転体装置

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JP2002276775A
JP2002276775A JP2001079064A JP2001079064A JP2002276775A JP 2002276775 A JP2002276775 A JP 2002276775A JP 2001079064 A JP2001079064 A JP 2001079064A JP 2001079064 A JP2001079064 A JP 2001079064A JP 2002276775 A JP2002276775 A JP 2002276775A
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rotating
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pressure
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Masaki Ota
太田  雅樹
Masahiro Kawaguchi
真広 川口
Taiji Odate
泰治 大立
Masanori Sonobe
正法 園部
Hiroshi Ataya
拓 安谷屋
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Toyota Industries Corp
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Toyota Industries Corp
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    • F04BPOSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS
    • F04B35/00Piston pumps specially adapted for elastic fluids and characterised by the driving means to their working members, or by combination with, or adaptation to, specific driving engines or motors, not otherwise provided for
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04BPOSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS
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    • F04B27/08Multi-cylinder pumps specially adapted for elastic fluids and characterised by number or arrangement of cylinders having cylinders coaxial with, or parallel or inclined to, main shaft axis
    • F04B27/0873Component parts, e.g. sealings; Manufacturing or assembly thereof
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60HARRANGEMENTS OF HEATING, COOLING, VENTILATING OR OTHER AIR-TREATING DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR PASSENGER OR GOODS SPACES OF VEHICLES
    • B60H1/00Heating, cooling or ventilating [HVAC] devices
    • B60H1/32Cooling devices
    • B60H1/3204Cooling devices using compression
    • B60H1/3222Cooling devices using compression characterised by the compressor driving arrangements, e.g. clutches, transmissions or multiple drives
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04BPOSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS
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Abstract

(57)【要約】 【課題】軸線方向への小型化を図ることが可能な回転体
装置を提供すること。 【解決手段】プーリ装置PTは、外周面にエンジンEと
の間で動力伝達を行うためのベルト掛け部83aを備え
たプーリ(83,86,87等)と、同プーリ内に収容
されるとともに同プーリに作動連結されたモータ・ジェ
ネレータ部MGとからなっている。モータ・ジェネレー
タ部MGは、ベルト掛け部83aによって取り囲まれる
ようにして、同ベルト掛け部83aの内側の領域に配置
されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば車両用空調
装置の圧縮機に備えられ、車両の走行駆動源であるエン
ジンから圧縮機への動力伝達を行うための回転体装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、車両の省燃費対策のために、信号
待ち等の車両の走行停止状態において、アイドリング状
態にあるエンジンを自動停止させる、所謂アイドリング
ストップ制御を行うことが一般化されつつある。そし
て、車両用空調装置の圧縮機としては、エンジンの停止
状態においても空調が可能なように、電動モータをも駆
動源としたハイブリッドタイプのものが存在する(例え
ば、実開平6−87678号公報の技術)。
【0003】前記公報の技術においては、圧縮機のハウ
ジングにプーリが回転可能に支持されており、同プーリ
の外周面にはエンジンからの動力が伝達されるベルト掛
け部が形成されている。電動モータは、プーリ内に収容
されるとともに圧縮機の駆動軸に作動連結されている。
そして、エンジンの停止時においては、電動モータが圧
縮機の駆動軸を回転駆動する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記公報の
技術においては、ベルト掛け部の側方から駆動軸の軸線
方向に沿って円筒部を延出形成し、同円筒部の内側の領
域に電動モータが配置されている。つまり、プーリ内に
電動モータが収容されているとは言えるものの、同プー
リが円筒部を備えることで大型化されてしまっている。
従って、同プーリを備えた圧縮機が駆動軸の軸線方向に
大型化され、車両への搭載が困難となる問題を生じてい
た。
【0005】本発明の目的は、軸線方向への小型化を図
ることが可能な回転体装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1の発明は、外周面に外部との間で動力伝達を
行うための動力伝達部を備えた回転体と、同回転体内に
収容されるとともに同回転体に作動連結され、電動機及
び/又は発電機として機能される回転電気機械部とから
なる回転体装置において、前記回転電気機械部は、動力
伝達部によって取り囲まれるようにして、同動力伝達部
の内側の領域に配置されていることを特徴としている。
【0007】この構成においては、回転体において動力
伝達部の内側の空間を、回転電気機械部の収容空間とし
て有効利用している。従って、回転体装置を、回転体の
軸線方向に小型化することができる。
【0008】請求項2の発明は請求項1において、前記
回転体を好適な態様に限定するものである。すなわち、
前記回転体はプーリであり、同回転体の動力伝達部は外
部からのベルトが掛けられるベルト掛け部である。
【0009】請求項3の発明は請求項1又は2におい
て、前記回転体を好適な態様に限定するものである。す
なわち、前記回転体の外周面のほぼ全体が動力伝達部を
なしている。
【0010】請求項4の発明は請求項1〜3のいずれか
において、前記回転電気機械部は、少なくとも固定子及
び回転子が動力伝達部の内側の領域に配置されているこ
とを特徴としている。
【0011】この構成においては、回転電気機械部の主
要部品言い換えれば大きな部品である固定子及び回転子
が、動力伝達部の内側に配置されている。従って、請求
項1の効果がより有効に奏される。
【0012】請求項5の発明は請求項1〜4のいずれか
において、前記回転体と回転電気機械部は、それぞれ流
体機械のハウジングに支持されるとともに同流体機械の
駆動軸に作動連結されおり、前記動力伝達部は、流体機
械の駆動軸を回転駆動する外部駆動源との間で動力伝達
を行うためのものであることを特徴としている。
【0013】この構成においては、回転体装置を備えた
流体機械を軸線方向に小型化することができる。請求項
6の発明は請求項5において、前記流体機械の外部駆動
源は車両の走行駆動源であり、同走行駆動源の停止時に
は、電動機として機能する回転電気機械部によって流体
機械の駆動が可能な構成であることを特徴としている。
【0014】この構成においては、走行駆動源に停止時
においても、流体機械を稼動させることが可能となる。
請求項7の発明は請求項5又は6において、前記流体機
械の外部駆動源は車両の走行駆動源であり、同走行駆動
源の稼動時には、発電機として機能する回転電気機械部
によって発電が可能な構成であることを特徴としてい
る。
【0015】この構成においては、走行駆動源の動力が
回転体を介して回転電気機械部に伝達されて、同回転電
気機械部による発電が行われることとなる。請求項8の
発明は請求項5〜7のいずれかにおいて、流体機械の好
適な態様を限定するものである。すなわち、前記流体機
械は空調装置の冷媒循環回路を構成する圧縮機である。
【0016】請求項9の発明は請求項8において、前記
圧縮機は制御室の内圧を調節することで吐出容量を変更
可能であって、同制御室の内圧調節は制御弁の弁開度調
節によって行われ、前記制御弁は、前記冷媒循環回路の
冷媒通路に沿って設定された二つの圧力監視点間の差圧
を機械的に検出するとともに、同検出差圧の変動を打ち
消す側に圧縮機の吐出容量が変更されるように弁体を動
作させる感圧機構と、前記弁体に付与する力を外部から
の指令によって調節することで、感圧機構による弁体の
位置決め動作の基準となる設定差圧を変更可能な設定差
圧変更手段とを備えていることを特徴としている。
【0017】この構成においては、設定吸入圧力可変型
の制御弁のように、冷媒循環回路の蒸発器での熱負荷の
大きさに影響される吸入圧力そのものを制御弁の弁開度
制御における直接の指標とすることなく、冷媒循環回路
における二つの圧力監視点間の差圧を直接の制御対象と
して圧縮機の吐出容量のフィードバック制御を実現して
いる。このため、例えば設定吸入圧力可変型の制御弁と
比較して、蒸発器での熱負荷状況にほとんど影響される
ことなく、外部駆動源の回転速度の変動及び設定差圧変
更手段の外部制御によって、応答性及び制御性の高い吐
出容量の増加減少制御を行なうことができる。
【0018】請求項10の発明は請求項1〜9のいずれ
かにおいて、前記回転体は、動力伝達部を備えた第1回
転部材と、回転電気機械部に一体回転可能に作動連結さ
れた第2回転部材とからなり、同第1回転部材と第2回
転部材との間には、両者間を連結・解放可能なクラッチ
機構が介在されていることを特徴としている。
【0019】この構成においては、例えばクラッチ機構
によって、第1回転部材から第2回転部材への動力伝達
を許容するとともに、第2回転部材から第1回転部材へ
の動力伝達を遮断することが可能となる。
【0020】請求項11の発明は請求項10において、
前記クラッチ機構は、第1回転部材から第2回転部材へ
の動力伝達を許容するとともに、第2回転部材から第1
回転部材への動力伝達を遮断可能なワンウェイクラッチ
よりなっていることを特徴としている。
【0021】この構成においては、例えばクラッチ機構
として電磁クラッチを採用し、同電磁クラッチの制御に
よって、前記ワンウェイクラッチと同様な動力伝達方向
の制限を達成する場合と比較して、回転体装置の電気的
構成の簡素化を図ることができる。
【0022】請求項12の発明は請求項10又は11に
おいて、前記クラッチ機構は、動力伝達部によって取り
囲まれるようにして、同動力伝達部の内側の領域に配置
されていることを特徴としている。
【0023】この構成においては、回転体装置のさらな
る小型化を図ることが可能となる。請求項13の発明は
請求項1〜12のいずれかにおいて、前記回転体はその
動力伝達経路上に、伝達トルクの変動を緩和するための
トルク変動緩和手段を備えていることを特徴としてい
る。
【0024】この構成においては、回転体内において伝
達トルクの変動を緩和することができる。請求項14の
発明は請求項1〜13のいずれかにおいて、前記回転体
はその動力伝達経路上に、過大なトルクの伝達を遮断す
るための過大トルク遮断手段を備えていることを特徴と
している。
【0025】この構成においては、回転体内において過
大なトルクの伝達を遮断することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の回転体装置を、車
両用空調装置の容量可変型斜板式圧縮機が備えるプーリ
装置において具体化した一実施形態について説明する。
【0027】(容量可変型斜板式圧縮機)図1に示すよ
うに、流体機械としての容量可変型斜板式圧縮機(以下
単に圧縮機とする)のハウジング11内には、制御室と
してのクランク室12が区画されている。同クランク室
12内には、駆動軸13が回転可能に配設されている。
同駆動軸13は、車両の走行駆動源であるエンジンE
に、回転体装置としてのプーリ装置PTを介して作動連
結されている。
【0028】前記プーリ装置PTは、エンジンEと駆動
軸13との間の動力伝達経路上に、電動機及び発電機と
して機能する、回転電気機械部としてのモータ・ジェネ
レータ部MGを備えている。エンジンEの稼動時におい
てプーリ装置PTは、同エンジンEからの動力を駆動軸
13及びモータ・ジェネレータ部MGに常時伝達する。
つまり、同プーリ装置PTは、エンジンEから圧縮機へ
の動力伝達に関しては、クラッチレスタイプの動力伝達
機構であると言える。また、同プーリ装置PTは、エン
ジンEの停止時において空調が必要とされると、モータ
・ジェネレータ部MGが電動機として機能されて駆動軸
13を回転駆動する。
【0029】前記クランク室12において駆動軸13上
には、ラグプレート14が一体回転可能に固定されてい
る。同クランク室12内には斜板15が収容されてい
る。同斜板15は、駆動軸13にスライド移動可能でか
つ傾動可能に支持されている。ヒンジ機構16は、ラグ
プレート14と斜板15との間に介在されている。従っ
て、斜板15は、ヒンジ機構16を介することで、ラグ
プレート14及び駆動軸13と同期回転可能であるとと
もに、駆動軸13に対して傾動可能となっている。
【0030】前記ハウジング11内には複数(図面には
一つのみ示す)のシリンダボア11aが形成されてお
り、各シリンダボア11a内には片頭型のピストン17
が往復動可能に収容されている。各ピストン17は、シ
ュー18を介して斜板15の外周部に係留されている。
従って、駆動軸13の回転にともなう斜板15の回転運
動が、シュー18を介してピストン17の往復運動に変
換される。
【0031】前記シリンダボア11a内の後方(図面右
方)側には、ピストン17と、ハウジング11に内装さ
れた弁・ポート形成体19とで囲まれて圧縮室20が区
画されている。ハウジング11の後方側の内部には、吸
入室21及び吐出室22がそれぞれ区画形成されてい
る。
【0032】そして、吸入室21の冷媒ガスは、各ピス
トン17の上死点位置から下死点側への移動により、弁
・ポート形成体19に形成された吸入ポート23及び吸
入弁24を介して圧縮室20に吸入される。圧縮室20
に吸入された冷媒ガスは、ピストン17の下死点位置か
ら上死点側への移動により所定の圧力にまで圧縮され、
弁・ポート形成体19に形成された吐出ポート25及び
吐出弁26を介して吐出室22に吐出される。
【0033】(圧縮機の容量制御構造)図1に示すよう
に、前記ハウジング11内には抽気通路27及び給気通
路28が設けられている。抽気通路27はクランク室1
2と吸入室21とを連通する。給気通路28は吐出室2
2とクランク室12とを連通する。ハウジング11にお
いて給気通路28の途中には制御弁CVが配設されてい
る。
【0034】そして、前記制御弁CVの開度を調節する
ことで、給気通路28を介したクランク室12への高圧
な吐出ガスの導入量と抽気通路27を介したクランク室
12からのガス導出量とのバランスが制御され、同クラ
ンク室12の内圧が決定される。クランク室12の内圧
変更に応じて、ピストン17を介してのクランク室12
の内圧と圧縮室20の内圧との差が変更され、斜板15
の傾斜角度が変更される結果、ピストン17のストロー
クすなわち圧縮機の吐出容量が調節される。
【0035】例えば、クランク室12の内圧が低下され
ると斜板15の傾斜角度が増大し、圧縮機の吐出容量が
増大される。逆に、クランク室12の内圧が上昇される
と斜板15の傾斜角度が減少し、圧縮機の吐出容量が減
少される。
【0036】(冷媒循環回路)図1に示すように、車両
用空調装置の冷媒循環回路(冷凍サイクル)は、上述し
た圧縮機と外部冷媒回路30とから構成されている。外
部冷媒回路30は、凝縮器31、膨張弁32及び蒸発器
33を備えている。
【0037】第1圧力監視点P1は吐出室22内に設定
されている。第2圧力監視点P2は、第1圧力監視点P
1から凝縮器31側(下流側)へ所定距離だけ離れた冷
媒通路の途中に設定されている。第1圧力監視点P1と
制御弁CVとは第1検圧通路35を介して連通されてい
る。第2圧力監視点P2と制御弁CVとは第2検圧通路
36(図4参照)を介して連通されている。
【0038】(制御弁)図4に示すように、前記制御弁
CVのバルブハウジング41内には、弁室42、連通路
43及び感圧室44が区画されている。弁室42及び連
通路43内には、作動ロッド45が軸方向(図面では垂
直方向)に移動可能に配設されている。連通路43と感
圧室44とは、同連通路43に挿入された作動ロッド4
5の上端部によって遮断されている。弁室42は、給気
通路28の上流部を介して吐出室22と連通されてい
る。連通路43は、給気通路28の下流部を介してクラ
ンク室12と連通されている。弁室42及び連通路43
は給気通路28の一部を構成する。
【0039】前記弁室42内には、作動ロッド45の中
間部に形成された弁体部46が配置されている。弁室4
2と連通路43との境界に位置する段差は弁座47をな
しており、連通路43は一種の弁孔をなしている。そし
て、作動ロッド45が図4の位置(最下動位置)から弁
体部46が弁座47に着座する最上動位置へ上動する
と、連通路43が遮断される。つまり作動ロッド45の
弁体部46は、給気通路28の開度を調節可能な弁体と
して機能する。
【0040】前記感圧室44内には、ベローズよりなる
感圧部材48が収容配置されている。同感圧部材48の
上端部はバルブハウジング41に固定されている。感圧
部材48の下端部には作動ロッド45の上端部が嵌入さ
れている。感圧室44内は、有底円筒状をなす感圧部材
48によって、同感圧部材48の内空間である第1圧力
室49と、同感圧部材48の外空間である第2圧力室5
0とに区画されている。第1圧力室49には、第1検圧
通路35を介して第1圧力監視点P1の圧力PdHが導
かれ、第2圧力室50には、第2検圧通路36を介して
第2圧力監視点P2の圧力PdLが導かれている。前記
感圧部材48や感圧室44等が感圧機構をなしている。
【0041】前記バルブハウジング41の下方側には、
設定差圧変更手段としての電磁アクチュエータ部51が
設けられている。同電磁アクチュエータ部51は、バル
ブハウジング41内の中心部に有底円筒状の収容筒52
を備えている。同収容筒52において上方側の開口に
は、円柱状のセンタポスト53が嵌入固定されている。
このセンタポスト53の嵌入により、収容筒52内の最
下部にはプランジャ室54が区画されている。
【0042】前記プランジャ室54内には、プランジャ
56が、軸方向に移動可能に収容されている。センタポ
スト53の中心には軸方向に延びるガイド孔57が貫通
形成され、同ガイド孔57内には、作動ロッド45の下
端側が軸方向に移動可能に配置されている。作動ロッド
45の下端は、プランジャ室54内においてプランジャ
56の上端面に当接されている。
【0043】前記プランジャ室54において収容筒52
の内底面とプランジャ56との間には、プランジャ付勢
バネ60が収容されている。このプランジャ付勢バネ6
0は、プランジャ56を作動ロッド45側に向けて付勢
する。また、作動ロッド45は、感圧部材48自身が有
するバネ性(以下ベローズバネ48と呼ぶ)に基づい
て、プランジャ56側に向けて付勢されている。従っ
て、プランジャ56と作動ロッド45とは常時一体とな
って上下動する。なお、ベローズバネ48は、プランジ
ャ付勢バネ60よりもバネ力の大きなものが用いられて
いる。
【0044】前記収容筒52の外周側には、センタポス
ト53及びプランジャ56を跨ぐ範囲にコイル61が巻
回配置されている。このコイル61には、情報検知手段
72からの情報(エアコンスイッチのオン・オフ情報、
車室温度情報及び設定温度情報等)に応じた制御装置
(コンピュータ)70の指令に基づき、駆動回路71か
らバッテリ73の電力が供給される。
【0045】前記駆動回路71からコイル61への電力
供給量に応じた大きさの電磁力(電磁吸引力)が、プラ
ンジャ56とセンタポスト53との間に発生し、この電
磁力はプランジャ56を介して作動ロッド45に伝達さ
れる。なお、同コイル61への通電制御は印加電圧を調
整することでなされ、この印加電圧の調整にはPWM
(パルス幅変調)制御が採用されている。
【0046】(制御弁の動作特性)前記制御弁CVにお
いては、次のようにして作動ロッド45(弁体部46)
の配置位置つまり弁開度が決まる。
【0047】まず、図4に示すように、コイル61への
通電がない場合(デューティ比=0%)は、作動ロッド
45の配置には、ベローズバネ48の下向き付勢力の作
用が支配的となる。従って、作動ロッド45は最下動位
置に配置され、弁体部46は連通路43を全開とする。
このため、クランク室12の内圧は、その時おかれた状
況下において取り得る最大値となり、このクランク室1
2の内圧と圧縮室20の内圧とのピストン17を介した
差は大きくて、斜板15は傾斜角度を最小として圧縮機
の吐出容量は最小となっている。
【0048】次に、前記制御弁CVにおいて、コイル6
1に対しデューティ比可変範囲の最小デューティ比(>
0%)の通電がなされると、プランジャ付勢バネ60に
加勢された上向きの電磁力が、ベローズバネ48による
下向き付勢力を凌駕し、作動ロッド45が上動を開始す
る。この状態では、プランジャ付勢バネ60の上向きの
付勢力によって加勢された上向き電磁力が、ベローズバ
ネ48の下向き付勢力によって加勢された二点間差圧Δ
Pd(=PdH−PdL)に基づく下向き押圧力に対抗
する。そして、これら上下付勢力が均衡する位置に、作
動ロッド45の弁体部46が弁座47に対して位置決め
される。
【0049】例えば、エンジンEの回転速度が減少して
冷媒循環回路の冷媒流量が減少すると、下向きの二点間
差圧ΔPdに基づく力が減少してその時点での電磁力で
は作動ロッド45に作用する上下付勢力の均衡が図れな
くなる。従って、作動ロッド45(弁体部46)が上動
して連通路43の開度が減少し、クランク室12の内圧
が低下傾向となる。このため、斜板15が傾斜角度増大
方向に傾動し、圧縮機の吐出容量は増大される。圧縮機
の吐出容量が増大すれば冷媒循環回路における冷媒流量
も増大し、二点間差圧ΔPdは増加する。
【0050】逆に、エンジンEの回転速度が増大して冷
媒循環回路の冷媒流量が増大すると、下向きの二点間差
圧ΔPdに基づく力が増大して、その時点での電磁力で
は作動ロッド45に作用する上下付勢力の均衡が図れな
くなる。従って、作動ロッド45(弁体部46)が下動
して連通路43の開度が増加し、クランク室12の内圧
が増大傾向となる。このため、斜板15が傾斜角度減少
方向に傾動し、圧縮機の吐出容量は減少される。圧縮機
の吐出容量が減少すれば冷媒循環回路における冷媒流量
も減少し、二点間差圧ΔPdは減少する。
【0051】また、例えば、コイル61への通電デュー
ティ比を大きくして上向きの電磁力を大きくすると、そ
の時点での二点間差圧ΔPdに基づく力では上下付勢力
の均衡が図れなくなる。このため、作動ロッド45(弁
体部46)が上動して連通路43の開度が減少し、圧縮
機の吐出容量が増大される。その結果、冷媒循環回路に
おける冷媒流量が増大し、二点間差圧ΔPdも増大す
る。
【0052】逆に、コイル61への通電デューティ比を
小さくして上向きの電磁力を小さくすれば、その時点で
の二点間差圧ΔPdに基づく力では上下付勢力の均衡が
図れなくなる。このため、作動ロッド45(弁体部4
6)が下動して連通路43の開度が増加し、圧縮機の吐
出容量が減少する。その結果、冷媒循環回路における冷
媒流量が減少し、二点間差圧ΔPdも減少する。
【0053】つまり、前記制御弁CVは、コイル61へ
の通電デューティ比によって決定された二点間差圧ΔP
dの制御目標(設定差圧)を維持するように、この二点
間差圧ΔPdの変動に応じて内部自律的に作動ロッド4
5(弁体部46)を位置決めする構成となっている。ま
た、この設定差圧は、コイル61への通電デューティ比
を調節することで外部から変更可能となっている。
【0054】(プーリ装置の構成)図2に示すように、
前記圧縮機においてハウジング11の前端面11bの内
周側には、駆動軸13の前端側を取り囲むようにして第
1円筒部81が突設されている。ハウジング11におい
て前端面11bの外周縁部には、第1円筒部81を取り
囲むようにして、同第1円筒部81と同軸位置に第2円
筒部82が突設されている。
【0055】前記第2円筒部82の外周面82aには、
第1回転部材としてのロータ83が、ベアリング84を
介して回転可能に支持されている。同ロータ83におい
て外周面のほぼ全体は、動力伝達部としてのベルト掛け
部83aをなしている。同ベルト掛け部83aは断面鋸
歯状に形成されており、同ベルト掛け部83aにはエン
ジンEからのリブベルト85が掛けられている。
【0056】前記駆動軸13においてハウジング11外
へ突出する前端部には、ハブ86が固定されている。同
ハブ86の外周側には、断面「L」字状のリング87が
配置されている。同リング87において円筒状をなす外
周壁87aは、ロータ83の内周側を圧縮機の後方に向
かって延出され、その先端側は第2円筒部82の内周側
にまで到達されている。
【0057】前記ハブ86とリング87とは、それら前
端面間を架け渡すようにして配置された、トルク変動緩
和手段としての環状をなすゴム部材88を介して作動連
結されている。同ゴム部材88は、その弾性変形によっ
てハブ86とリング87との或る程度の相対回動を許容
することで、両者86,87間での過大なトルク変動の
伝達を遮断する。前記ハブ86、リング87及びゴム部
材88が第2回転部材を構成し、同第2回転部材と前記
第1回転部材(ロータ83)とで回転体としてのプーリ
が構成されている。
【0058】前記ロータ83とリング87との間には、
クラッチ機構としてのワンウェイクラッチ89が介装さ
れている。同ワンウェイクラッチ89は、ロータ83内
において、そのほぼ全体がベルト掛け部83aによって
取り囲まれるようにして、同ベルト掛け部83aの内側
の領域に配置されている。
【0059】すなわち、図2、図3(a)及び図3
(b)に示すように、前記ロータ83の内周面83bに
おいてベアリング84よりも前方(図2の左方)側に
は、環状をなす外側クラッチ部材77が固定配置されて
いる。リング87(外周壁87a)の外周面87bに
は、外側クラッチ部材77に取り囲まれるようにして、
環状をなす内側クラッチ部材78が固定されている。
【0060】前記外側クラッチ部材77の内周面77a
には、駆動軸13の軸線L周りに等間隔で複数の収容凹
部90が形成されている。各収容凹部90内において図
面時計周り方向側の端部には、カム面90aが形成され
ている。収容凹部90内には駆動軸13と平行にコロ9
1が収容配置されており、同コロ91はカム面90aの
噛み合い位置(図3(a))と同位置から外れた位置
(図3(b))との間で移動可能となっている。
【0061】前記収容凹部90内においてカム面90a
と反対側の端部には、バネ座部材92が配置されてい
る。同バネ座部材92とコロ91との間には、同コロ9
1をカム面90aの噛み合い位置に向けて付勢するコロ
付勢バネ93が介在されている。
【0062】そして、図3(a)に示すように、エンジ
ンEからの動力伝達によってロータ83が矢印方向に回
転すると、コロ付勢バネ93の付勢力によってコロ91
がカム面90aの噛み合い位置に移動される。従って、
カム面90aと内側クラッチ部材78の外周面78aと
の間のクサビ作用によって、ロータ83と同方向にリン
グ87が回転される。つまり、エンジンEの稼動時にお
いては、同エンジンEの動力がリング87、ゴム部材8
8及びハブ86を介して駆動軸13に伝達されて、同駆
動軸13が常時回転駆動されることとなる。
【0063】図3(b)に示すように、エンジンE(ロ
ータ83)の停止状態においてリング87が矢印方向に
回転しようとすると、ロータ83はリング87に対して
矢印と反対方向に相対回転されることとなる。従って、
コロ91はコロ付勢バネ93の付勢力に抗してカム面9
0aの噛み合い位置から離間され、よってリング87は
ロータ83に対して空転されることとなる。つまり、モ
ータ・ジェネレータ部MGが電動機として機能してリン
グ87を回転駆動する場合には(後述する)、同リング
87とロータ83との間の動力伝達が遮断され、同モー
タ・ジェネレータ部MGの動力がエンジンE側に伝達さ
れることはない。
【0064】さて、図2に示すように、誘導機よりなる
前記モータ・ジェネレータ部MGは、ロータ83内に収
容配置されている。さらに詳述すれば、同モータ・ジェ
ネレータ部MGは、ロータ83内において、ベルト掛け
部83aによって取り囲まれるようにして、同ベルト掛
け部83aの内側の領域に配置されている。
【0065】すなわち、前記ロータ83内においてベル
ト掛け部83aの内周側には、固定子巻線95aと固定
子鉄心95bとからなる固定子95が、第1円筒部81
の外周面81aに固定配置されている。同じくロータ8
3内においてベルト掛け部83aの内周側には、回転子
導体96aと回転子鉄心96bとからなる回転子96
が、固定子95の外周を取り囲むようにして、リング8
7の外周壁87aの内周面87cに固定配置されてい
る。
【0066】図2に示すように、前記固定子95の固定
子巻線95aは、インバータやコンバータ等を備えた駆
動回路74を介してバッテリ73に接続されており、同
駆動回路74は制御装置70からの指令に基づいて、固
定子巻線95aの給電を行う。
【0067】そして、前記エンジンEの稼動時において
制御装置70は、モータ・ジェネレータ部MGが誘導発
電機として機能するよう、固定子巻線95aの給電を駆
動回路74に指令する。従って、エンジンEからの動力
伝達によってリング87(回転子96)が回転すると固
定子巻線95aに電力が発生し、同電力は駆動回路74
を介してバッテリ73に蓄電される。
【0068】また、エンジンEの停止時において制御装
置70は、情報検知手段72からの情報に基づいて空調
(冷房)が必要と判断すると、モータ・ジェネレータ部
MGが誘導電動機として機能するよう、固定子巻線95
aの給電を駆動回路74に指令する。従って、回転子9
6に回転力が発生し、この回転力はリング87、ゴム部
材88及びハブ86を介して駆動軸13に伝達される。
よって、エンジンEの停止状態においても車室の空調が
可能となる。
【0069】なお、エンジンEの停止時において制御装
置70は、モータ・ジェネレータ部MG(回転子96)
をおおむね一定の速度で回転させるよう駆動回路74に
指令し、冷房負荷の変動に対しては、エンジンEの稼動
時と同様に、制御弁CV(コイル61)を駆動するデュ
ーティ比の変更によって対応される。
【0070】本実施形態においては次のような効果を奏
する。 (1)モータ・ジェネレータ部MGは、ロータ83内に
おいて、ベルト掛け部83aによって取り囲まれるよう
にして、同ベルト掛け部83aの内側の領域に配置され
ている。つまり、ベルト掛け部83aの内側の空間を、
モータ・ジェネレータ部MGの収容空間として有効利用
している。従って、プーリ装置PTひいては同装置PT
を備えた圧縮機を、駆動軸13の軸線L方向に小型化す
ることができ、車両に対する搭載も容易となる。
【0071】(2)モータ・ジェネレータ部MGは、少
なくともその主要部品、言い換えれば大きな部品である
固定子95及び回転子96が、ベルト掛け部83aの内
側の領域に配置されている。従って、前記(1)がより
効果的に奏される。
【0072】(3)ワンウェイクラッチ89は、ロータ
83(エンジンE)からリング87(駆動軸13)への
動力伝達を許容するとともに、リング87からロータ8
3への動力伝達を遮断可能な動力伝達方向の制限機能を
有している。従って、エンジンEの停止時において、モ
ータ・ジェネレータ部MGの動力が不必要にエンジンE
側へ伝達されることがなく、同モータ・ジェネレータ部
MGの過大な電力消費を抑えることができる。
【0073】(4)ワンウェイクラッチ89は、機械的
な構成によって動力伝達方向の制限が可能となってい
る。従って、例えばクラッチ機構として電磁クラッチを
採用し、同電磁クラッチの制御によって前述した動力伝
達方向の制限を達成する場合と比較して(この態様も本
発明の趣旨を逸脱するものではない)、プーリ装置PT
の電気的構成の簡素化、及び同電気的構成を制御するた
めの例えば制御装置70の演算負荷の軽減を図ることが
できる。
【0074】(5)ワンウェイクラッチ89は、ロータ
83内において、ベルト掛け部83aによって取り囲ま
れるようにして、同ベルト掛け部83aの内側の領域に
配置されている。従って、前記(1)がより効果的に奏
される。同ワンウェイクラッチ89は、例えば電磁クラ
ッチと比較してコンパクトであるし、外部との間での電
気配線を考えなくとも良いため、本実施形態のようにそ
のほぼ全体をベルト掛け部83aの内側の領域内に収め
る態様も容易に実現可能となる。
【0075】(6)ハブ86とリング87とは、両者8
6,87間でのトルク変動の伝達を緩和するゴム部材8
8を介して連結されている。従って、例えば、ハブ86
側である圧縮機の負荷トルクの過大な変動が、リング8
7側であるエンジンE(エンジンEの稼動時)又はモー
タ・ジェネレータ部MG(エンジンEの停止時)に波及
されることを防止でき、同エンジンE又はモータ・ジェ
ネレータ部MGの運転が安定して行われる。なお、モー
タ・ジェネレータ部MGの回転子96(マス)も前述し
たトルク変動の緩和に貢献される。
【0076】(7)制御弁CVは、例えば設定吸入圧力
可変型の制御弁のように、蒸発器33での熱負荷の大き
さに影響される吸入圧力そのものを弁開度制御における
直接の指標とすることなく、冷媒循環回路における二つ
の圧力監視点P1,P2間の差圧ΔPdを直接の制御対
象として圧縮機の吐出容量のフィードバック制御を実現
している。このため、例えば設定吸入圧力可変型の制御
弁と比較して、蒸発器33での熱負荷状況にほとんど影
響されることなく、エンジンEの回転速度の変動及び制
御装置70による外部制御によって、応答性及び制御性
の高い吐出容量の増加減少制御を行なうことができる。
特に、エンジンEの回転速度が増大した場合に、確実か
つ速やかに圧縮機の吐出容量を減少できることは、同エ
ンジンEの省燃費につながる。
【0077】なお、本発明の趣旨から逸脱しない範囲で
以下の態様でも実施できる。 ・上記実施形態においてモータ・ジェネレータ部MG
は、固定子95の外側に回転子96が配置された、所謂
アウタロータタイプであった。これを変更し、モータ・
ジェネレータ部MGをインナロータタイプとすること。
すなわち、例えば図5に示すように、固定子95を第2
円筒部82の内周面に固定配置し、同固定子95の内側
に位置するように、回転子96をハブ86の内周部に固
定支持させること。
【0078】・上記実施形態においてハブ86とリング
87との間に、両者86,87間での過大なトルクの伝
達を遮断するためのトルクリミッタ(過大トルク遮断手
段)を介在させること。
【0079】すなわち、例えば図6(a)〜図6(c)
に示すように、ゴム部材88を削除するとともに、リン
グ87の内周側に、駆動軸13の軸線Lを中心とした円
環状のゴム部材98を固定配置する。同ゴム部材98
は、軸線L周りにおいて等間隔で、ハブ86側に延出す
る係合凸部98aを複数(図面には一つのみ示す)備え
ている。ハブ86の外周側には、ゴム部材98の係合凸
部98aが嵌入される係合凹部99が、軸線L周りにお
いて等間隔で複数(図面には一つのみ示す)形成されて
いる。ハブ86とリング87との間での動力伝達は、係
合凸部98aと係合凹部99との凹凸嵌合によって行わ
れる。
【0080】そして、例えば圧縮機に何らかの異常(例
えばデッドロック)が生じて、その負荷トルクが上限ト
ルク以上に過大となると、ゴム部材98(係合凸部98
a)の弾性力では係合凹部99との間での嵌合を維持で
きなくなる。従って、図6(b)から図6(c)に示す
ように、係合凸部98aが大きく弾性変形することで係
合凹部99を乗り越えて、ハブ86とリング87との連
結が解除され、両者86,87間での動力伝達が遮断さ
れる。よって、ハブ86側である圧縮機の過大な負荷ト
ルクの影響が、リング87側であるエンジンEに波及す
ることを防止できる。
【0081】なお、前記係合凹部99を乗り越えない範
囲での係合凸部98aの弾性変形によって、動力伝達を
維持したままで、ハブ86とリング87との或る程度の
相対回転が許容される。従って、ハブ86とリング87
との間での過大なトルク変動の伝達は、ゴム部材98に
よって遮断されることとなる。つまり、ゴム部材98
は、トルク変動緩和手段としても機能される。
【0082】・回転体としてはプーリ以外にも、スプロ
ケットやギヤ等が挙げられる。つまり、エンジンEとの
間での動力伝達が、チェンやギヤ機構を介して行われる
構成の回転体装置において具体化すること。
【0083】・ワッブルタイプの容量可変型圧縮機に本
発明の回転体装置を適用すること。 ・スクロール型等の回転型圧縮機に本発明の回転体装置
を適用すること。 ・固定容量型圧縮機に本発明の回転体装置を適用するこ
と。
【0084】・第1圧力監視点P1を、蒸発器33と吸
入室21とを含む両者間の吸入圧力領域に設定するとと
もに、第2圧力監視点P2を同じ吸入圧力領域において
第1圧力監視点P1の下流側に設定すること。
【0085】・第1圧力監視点P1を、吐出室22と凝
縮器31とを含む両者間の吐出圧力領域に設定するとと
もに、第2圧力監視点P2を吸入圧力領域に設定するこ
と。 ・第1圧力監視点P1を吐出圧力領域に設定するととも
に、第2圧力監視点P2をクランク室12に設定するこ
と。或いは、第2圧力監視点P2をクランク室12に設
定するとともに、第1圧力監視点P1を吸入圧力領域に
設定すること。
【0086】つまり、圧力監視点P1,P2は、上記実
施形態のように、冷媒循環回路の主回路である冷凍サイ
クル(外部冷媒回路30(蒸発器33)→吸入室21→
圧縮室20→吐出室22→外部冷媒回路30(凝縮器3
1))へ設定すること、さらに詳述すれば冷凍サイクル
の高圧領域及び/又は低圧領域に設定することに限定さ
れるものではなく、冷媒循環回路の副回路として位置付
けられる、容量制御用の冷媒回路(給気通路28→クラ
ンク室12→抽気通路27)を構成する、中間圧力領域
としてのクランク室12に設定しても良い。
【0087】・制御弁CVとして、設定吸入圧力可変型
や設定吐出圧力可変型のものを用いること。この設定吸
入圧力可変型の制御弁CVは、吸入圧力を機械的に検出
するとともに、同検出吸入圧力の変動を打ち消す側に容
量可変型圧縮機の吐出容量が変更されるように弁体を動
作させる感圧機構と、前記弁体に付与する力を外部から
の指令によって調節することで、感圧機構による弁体の
位置決め動作の基準となる設定吸入圧力を変更可能な設
定吸入圧力変更手段とからなる。なお、この説明中にお
いて「吸入圧力」を「吐出圧力」と読み替えれば、同説
明は設定吐出圧力可変型についての説明となる。
【0088】・回転電気機械部は、電動機のみとして機
能される構成であってもよいし、発電機のみとして機能
される構成であってもよい。 ・空調装置用圧縮機以外の流体機械に、本発明の回転体
装置を適用すること。つまり、例えば、車両のブレーキ
アシスト装置用の油圧ポンプや、パワーステアリング装
置用の油圧ポンプや、エアサスペンション装置用のエア
ポンプ等に、本発明の回転体装置を適用すること。
【0089】上記実施形態から把握できる技術的思想に
ついて記載する。 (1)前記圧縮機は容量可変型である請求項8に記載の
回転体装置。 (2)前記クラッチ機構は、第1回転部材から第2回転
部材への動力伝達を許容(連結)するとともに、第2回
転部材から第1回転部材への動力伝達を遮断(解放)可
能となっている請求項10に記載の回転体装置。
【0090】(3)前記二つの圧力監視点は、それぞれ
冷媒循環回路の吐出圧力領域に設定されている請求項9
に記載の回転体装置。 (4)前記クラッチ機構は、そのほぼ全体が動力伝達部
の内側の領域に配置されている請求項12に記載の回転
体装置。
【0091】(5)請求項1〜14、前記(1)〜
(4)のいずれかに記載の回転体装置をハウジングに備
えた流体機械。
【0092】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、回
転体装置を軸線方向に小型化することができ、例えば同
装置を備えた流体機械の軸線方向への小型化を図ること
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 容量可変型斜板式圧縮機の断面図。
【図2】 図1においてプーリ装置付近を拡大して示す
図。
【図3】 ワンウェイクラッチを拡大して示す断面図。
【図4】 制御弁の断面図。
【図5】 別例を示すプーリ装置付近の断面拡大図。
【図6】 別例を示すトルクリミッタ付近の断面拡大図
【符号の説明】
83…回転体としてのプーリを構成するロータ、83a
…動力伝達部としてのベルト掛け部、86…回転体とし
てのプーリを構成するハブ、87…同じくリング、MG
…回転電気機械部としてのモータ・ジェネレータ部、P
T…回転体装置としてのプーリ装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F04B 35/00 F04B 35/00 A F16D 9/00 F16D 41/06 F 41/06 9/00 C (72)発明者 大立 泰治 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 園部 正法 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 安谷屋 拓 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 Fターム(参考) 3H075 AA18 BB03 CC34 DB03 DB04 DB33 DB37 EE03 EE18 3H076 AA06 BB38 CC12 CC13 CC16 CC17 CC20 CC29 CC83 3J031 BA08 CA03

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外周面に外部との間で動力伝達を行うた
    めの動力伝達部を備えた回転体と、同回転体内に収容さ
    れるとともに同回転体に作動連結され、電動機及び/又
    は発電機として機能される回転電気機械部とからなる回
    転体装置において、 前記回転電気機械部は、動力伝達部によって取り囲まれ
    るようにして、同動力伝達部の内側の領域に配置されて
    いることを特徴とする回転体装置。
  2. 【請求項2】 前記回転体はプーリであり、同回転体の
    動力伝達部は外部からのベルトが掛けられるベルト掛け
    部である請求項1に記載の回転体装置。
  3. 【請求項3】 前記回転体の外周面のほぼ全体が動力伝
    達部をなしている請求項1又は2に記載の回転体装置。
  4. 【請求項4】 前記回転電気機械部は、少なくとも固定
    子及び回転子が動力伝達部の内側の領域に配置されてい
    る請求項1〜3のいずれかに記載の回転体装置。
  5. 【請求項5】 前記回転体と回転電気機械部は、それぞ
    れ流体機械のハウジングに支持されるとともに同流体機
    械の駆動軸に作動連結されおり、前記動力伝達部は、流
    体機械の駆動軸を回転駆動する外部駆動源との間で動力
    伝達を行うためのものである請求項1〜4のいずれかに
    記載の回転体装置。
  6. 【請求項6】 前記流体機械の外部駆動源は車両の走行
    駆動源であり、同走行駆動源の停止時には、電動機とし
    て機能する回転電気機械部によって流体機械の駆動が可
    能な構成である請求項5に記載の回転体装置。
  7. 【請求項7】 前記流体機械の外部駆動源は車両の走行
    駆動源であり、同走行駆動源の稼動時には、発電機とし
    て機能する回転電気機械部によって発電が可能な構成で
    ある請求項5又は6に記載の回転体装置。
  8. 【請求項8】 前記流体機械は空調装置の冷媒循環回路
    を構成する圧縮機である請求項5〜7のいずれかに記載
    の回転体装置。
  9. 【請求項9】 前記圧縮機は制御室の内圧を調節するこ
    とで吐出容量を変更可能であって、同制御室の内圧調節
    は制御弁の弁開度調節によって行われ、 前記制御弁は、 前記冷媒循環回路の冷媒通路に沿って設定された二つの
    圧力監視点間の差圧を機械的に検出するとともに、同検
    出差圧の変動を打ち消す側に圧縮機の吐出容量が変更さ
    れるように弁体を動作させる感圧機構と、 前記弁体に付与する力を外部からの指令によって調節す
    ることで、感圧機構による弁体の位置決め動作の基準と
    なる設定差圧を変更可能な設定差圧変更手段とを備えて
    いる請求項8に記載の回転体装置。
  10. 【請求項10】 前記回転体は、動力伝達部を備えた第
    1回転部材と、回転電気機械部に一体回転可能に作動連
    結された第2回転部材とからなり、同第1回転部材と第
    2回転部材との間には、両者間を連結・解放可能なクラ
    ッチ機構が介在されている請求項1〜9のいずれかに記
    載の回転体装置。
  11. 【請求項11】 前記クラッチ機構は、第1回転部材か
    ら第2回転部材への動力伝達を許容するとともに、第2
    回転部材から第1回転部材への動力伝達を遮断可能なワ
    ンウェイクラッチよりなっている請求項10に記載の回
    転体装置。
  12. 【請求項12】 前記クラッチ機構は、動力伝達部によ
    って取り囲まれるようにして、同動力伝達部の内側の領
    域に配置されている請求項10又は11に記載の回転体
    装置。
  13. 【請求項13】 前記回転体はその動力伝達経路上に、
    伝達トルクの変動を緩和するためのトルク変動緩和手段
    を備えている請求項1〜12のいずれかに記載の回転体
    装置。
  14. 【請求項14】 前記回転体はその動力伝達経路上に、
    過大なトルクの伝達を遮断するための過大トルク遮断手
    段を備えている請求項1〜13のいずれかに記載の回転
    体装置。
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