JP2004263831A - 動力伝達機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】疲労破壊することなく、所定トルクにて動力伝達を遮断する。
【解決手段】第1ワンウェイクラッチ17の内輪17a及び第2ワンウェイクラッチ18の内輪18aを段付き部22bとトルクリミッタ部19との間に挟み込んで、トルクリミッタ部19をシャフト22に締め付ける際に発生する軸力により内輪17a及び内輪18aをシャフト22に固定するとともに、トルクリミッタ部19をシャフト22に締め付ける際の軸力による引張り強度が他の部位に比べて小さい破断部19eをトルクリミッタ部19に設ける。これにより、トルクリミッタ部19に発生する応力は、組み付け時の締め付けトルク及び締め付けトルクに応じて発生する軸力による応力となり、伝達トルクによって発生する応力は殆どない。したがって、破断部19eに発生する応力が殆ど変動しないので疲労破壊が発生し難い。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、伝達トルクが所定トルクを超えた時に動力伝達を遮断するトルクリミッタ機能を有する動力伝達機構に関するもので、空調装置用の圧縮機に動力を伝達するプーリや電磁クラッチ等に適用して有効である。
【0002】
【従来の技術】
従来のトルクリミッタ機能を有する動力伝達機構では、プーリの円盤部に環状の溝を設けるとともに、この溝部に一定間隔で貫通穴を設けて円盤部の強度を低下させることにより、伝達トルクが所定トルクを超えた時に溝部を破断させて動力伝達を遮断している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−319945号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、特許文献1に記載の発明のごとく、動力伝達経路中に破断(破壊)し易い破断部を設けて動力伝達を遮断する方法は、簡素な構造にて動力伝達を遮断することができるので、製造コスト上は有利であるものの、以下に述べる理由により、その設計開発が難しいという問題を有している。
【0005】
すなわち、破断部は所定トルク(破断トルクと呼ぶ。)T1にて破断する強度とする必要があるが、周知のごとく、疲労破壊(疲労破断)は、破断トルクより小さいトルクで発生する。
【0006】
したがって、破断部に作用する最大トルク、つまり許容トルクT2は、破断トルクT1を安全率Sで除した値より小さくとする必要がある。
【0007】
このとき、伝達しなければならないトルクの最大値(以下、必要伝達トルクと呼ぶ。)T3に対する破断トルクT1の比(=T1/T3)差が、安全率Sより小さいと、必要伝達トルクT3が許容トルクT2を超えてしまうので、動力伝達機構が成立しない。
【0008】
ここで、安全率Sは、一般的に、構造物に発生する応力状態が複雑であり、理論的な応力解析が困難である場合ほど、大きな値とする必要があるので、破断部に発生する応力を正確に予測解析することができれば、安全率Sを小さくして、許容トルクT2を大きくすることができ得る。
【0009】
このとき、上記公報に記載の破断部は、主に剪断力(接線応力)により破断する構成であり、剪断力は表面に集中する傾向があるため、その応力分布を正確に予測解析することが難しい。したがって、特許文献1に記載の発明と同様な構成では、試行錯誤的に破断部の寸法及び材質等を決定する必要があるため、その設計開発が難しい。
【0010】
そこで、発明者は、図3に示すように、ハブ13からシャフト22に伝達されるトルクの向きと同一の向きのトルクにて内筒部15bを締め付けたきに、座面15gの面圧を増大させる向きの軸力を発生させる向きのネジを形成するとともに、このネジを必要伝達トルクより大きく、かつ、破断トルクより小さなトルクで締め付ける動力伝達機構を検討したが、この検討品では、以下に述べる問題が発生するおそれがある。
【0011】
すなわち、図3に示す動力伝達機構では、破断部19eに発生する応力は、組み付け時の締め付けトルク及び締め付けトルクに応じて発生する軸力による応力となり、伝達トルクによって発生する応力は殆どない。
【0012】
したがって、トルク伝達時には、破断部19eに発生する応力が殆ど変動しないので疲労破壊が発生し難いので、破断部19eが疲労破壊することなく、所定トルクにて確実に破断させることができる。
【0013】
しかし、図3に示す動力伝達機構では、ハブ13からシャフト22に伝達されるトルクの向きと逆向きのトルクがネジ部15aに作用すると、ねじ部15aが緩んで内周部15がシャフト22からずれてしまうおそれがある。
【0014】
本発明は、上記点に鑑み、第1には、従来と異なる新規な動力伝達機構を提供し、第2には、ネジ部が緩んでしまうことを防止しながら疲労破壊することなく、所定トルクにて動力伝達を遮断する動力伝達機構を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、伝達トルクが所定トルクを超えた時に動力伝達を遮断する動力伝達機構であって、駆動側回転体(15)から従動側回転体(22)に伝達されるトルクの向きと同一の向きのトルクにてネジを締め付けたときに軸力が発生するネジ部(19c)、及び軸力による引張り強度が他の部位に比べて小さい破断部(19e)を有するトルクリミッタ手段(19)と、ネジ部(19c)を緩める向きのトルクがトルクリミッタ手段(19)に作用することを防止するワンウェイクラッチ(17、18)とを備え、トルクリミッタ手段(19)は、駆動側回転体(15)と一体的に回転することを特徴とする。
【0016】
これにより、破断部(19e)に発生する応力は、組み付け時の締め付けトルク及び締め付けトルクに応じて発生する軸力による応力となり、伝達トルクによって発生する応力は殆どない。したがって、トルク伝達時には、破断部(19e)に発生する応力が殆ど変動しないので疲労破壊が発生し難い。
【0017】
また、破断部(19e)が破壊するときの応力は、前述のごとく、剪断応力ではなく、軸力による応力、つまり引張り応力(法線応力)となる。しかも、引張り応力は、剪断応力と異なり、断面に略均一に分布するので、破断部(19e)の応力分布を比較的正確に予測解析することができる。
【0018】
したがって、試行錯誤的に破断部(19e)の寸法及び材質等を決定する必要性が低下して設計開発が容易になるとともに、破断部(19e)が疲労破壊することなく、所定トルクにて確実に破断させることができる。
【0019】
また、ワンウェイクラッチ(17、18)が設けられいるので、ネジ部(19c)を緩める向きのトルクが作用しない。したがって、ネジ部が緩んでしまうことを防止しながら疲労破壊することなく、所定トルクにて動力伝達を遮断することができる。
【0020】
請求項2に記載の発明では、伝達トルクが所定トルクを超えた時に動力伝達を遮断する動力伝達機構であって、一方向のトルクのみ第1駆動源から従動側回転体(22)に伝達する第1ワンウェイクラッチ(17)と、一方向のトルクのみ第2駆動源から従動側回転体(22)に伝達する第2ワンウェイクラッチ(18)と、第1、2ワンウェイクラッチ(17、18)のうち従動側回転体(22)側の回転部材(17a、18a)を従動側回転体(22)に固定するための軸力を発生させるネジ部(19c)、及び軸力による引張り強度が他の部位に比べて小さい破断部(19e)を有するトルクリミッタ手段(19)と有し、ネジ部(19c)は、両駆動源から従動側回転体(22)に伝達されるトルクの向きと同一の向きのトルクにて締め付けたときに軸力が増大するように形成されており、さらに、トルクリミッタ手段(19)は、第1駆動源及び第2駆動源のうち少なくとも一方の駆動源からトルクを受けて回転することを特徴とする。
【0021】
これにより、破断部(19e)に発生する応力は、組み付け時の締め付けトルク及び締め付けトルクに応じて発生する軸力による応力となり、伝達トルクによって発生する応力は殆どない。したがって、トルク伝達時には、破断部(19e)に発生する応力が殆ど変動しないので疲労破壊が発生し難い。
【0022】
また、破断部(19e)が破壊するときの応力は、前述のごとく、剪断応力ではなく、軸力による応力、つまり引張り応力(法線応力)となる。しかも、引張り応力は、剪断応力と異なり、断面に略均一に分布するので、破断部(19e)の応力分布を比較的正確に予測解析することができる。
【0023】
したがって、試行錯誤的に破断部(19e)の寸法及び材質等を決定する必要性が低下して設計開発が容易になるとともに、破断部(19e)が疲労破壊することなく、所定トルクにて確実に破断させることができる。
【0024】
また、ワンウェイクラッチ(17、18)が設けられいるので、ネジ部(19c)を緩める向きのトルクが作用しない。したがって、ネジ部が緩んでしまうことを防止しながら疲労破壊することなく、所定トルクにて動力伝達を遮断することができる。
【0025】
請求項3に記載の発明では、伝達トルクが所定トルクを超えた時に動力伝達を遮断する動力伝達機構であって、駆動側回転体(15)から従動側回転体(22)に伝達されるトルクの向きと同一の向きのトルクにてネジを締め付けたときに軸力が発生するネジ部(19c)、及び軸力による引張り強度が他の部位に比べて小さい破断部(19e)を有するトルクリミッタ手段(19)を備え、トルクリミッタ手段(19)は、駆動側回転体(15)と一体的に回転することを特徴とする。
【0026】
これにより、破断部(19e)に発生する応力は、組み付け時の締め付けトルク及び締め付けトルクに応じて発生する軸力による応力となり、伝達トルクによって発生する応力は殆どない。したがって、トルク伝達時には、破断部(19e)に発生する応力が殆ど変動しないので疲労破壊が発生し難い。
【0027】
また、破断部(19e)が破壊するときの応力は、前述のごとく、剪断応力ではなく、軸力による応力、つまり引張り応力(法線応力)となる。しかも、引張り応力は、剪断応力と異なり、断面に略均一に分布するので、破断部(19e)の応力分布を比較的正確に予測解析することができる。
【0028】
したがって、試行錯誤的に破断部(19e)の寸法及び材質等を決定する必要性が低下して設計開発が容易になるとともに、破断部(19e)が疲労破壊することなく、所定トルクにて確実に破断させることができる。
【0029】
因みに、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0030】
【発明の実施の形態】
本実施形態は、本発明に係る動力伝達機構を車両用空調装置の圧縮機に動力を伝達するプーリ10に適用したものであり、図1はプーリ10の断面図であり、図2は図1のA部拡大図である。
【0031】
プーリ本体11はVベルトを介して外部駆動源である走行用のエンジン(図示せず。)から駆動力(トルク)を受けて回転する略二重円筒状に形成された金属製のものである。
【0032】
なお、プーリ本体11の外筒側の外周面には、ポリードライブベルト対応の複数列のV溝11aが設けられ、内筒側にはプーリ本体11を回転可能に支持するラジアル転がり軸受12が装着される。
【0033】
ハブ13は、プーリ本体11側面に固定されてプーリ本体11に伝達されたトルクを圧縮機20のシャフト22に伝達するものであり、このハブ13は、断面が約L字状に形成された環状の外周部14、シャフト22にネジ固定された内周部15、及び内周部15と外周部14とを連結して外周部14から内周部15にトルクを伝達するダンパー16からなるものである。
【0034】
ここで、外周部14は、冷間圧延鋼板等の金属板材にプレス加工を施すことにり成形されたものであり、ダンパー16はCl−IIR(塩素化ブチルゴム)等の弾性材料を加流接合にて内周部15及び外周部14に接合したものである。
【0035】
また、内周部15の中央部には、一方向のトルクのみ伝達する第1ワンウェイクラッチ17が圧入にて一体化されており、この第1ワンウェイクラッチ17の内輪17aには、トルクリミッタ部19の外筒部19aがネジ結合にて一体化されている。
【0036】
なお、トルクリミッタ部19と第1ワンウェイクラッチ17の内輪17aとのネジ結合は、プーリ本体11がエンジンにより駆動されたとき、つまり第1ワンウェイクラッチ17が内周部15からトルクリミッタ部19にトルクを伝達する際にネジが締まっていくように設定されており、内周部15とトルクリミッタ部19とは一体的に回転する。
【0037】
また、トルクリミッタ部19の内筒部19bには、シャフト22に形成された雄ネジ22aとネジ結合する雌ネジ19cが設けられており、この雌ネジ19c及び雄ネジ22aは、ハブ13からシャフト22に伝達されるトルクの向きと同一の向きのトルクにてトルクリミッタ部19をシャフト22に締め付けたときにネジが締まって軸力が増大するように設定されているとともに、必要伝達トルクT3よりきく、かつ、破断トルクT1より小さなトルクで締め付けられている。
【0038】
電動モータ30は、プーリ本体11に内蔵されてシャフト22を回転させる内部駆動源であり、この電動モータ30は、圧縮機20のフロントハウジング21に圧入固定されたステータコイル31、及びステータコイル31周りを回転するマグネットロータ32等からなる、いわゆるアウタロータ型のDCブラシレスモータである。
【0039】
そして、マグネットロータ32は、第2ワンウェイクラッチ18を介してシャフト22に連結されており、この第2ワンウェイクラッチ18は、第1ワンウェイクラッチ17と同一の向きのトルクのみ伝達するものである。
【0040】
また、第2ワンウェイクラッチ18の内輪18aの軸方向端部うちフロントハウジング21側の端部は、シャフト22に形成された段付き部22bに接触し、他方側の端部は、第1ワンウェイクラッチ17の内輪17aに接触している。
【0041】
このとき、第1ワンウェイクラッチ17の内輪17a及び第2ワンウェイクラッチ18の内輪18aを段付き部22bとトルクリミッタ部19との間に挟み込むようにしているので、トルクリミッタ部19をナットのごとくシャフト22に締め付けると、第1ワンウェイクラッチ17の内輪17a及び第2ワンウェイクラッチ18の内輪18aを段付き部22bに押し付けるような軸力が発生する。
【0042】
そして、第2ワンウェイクラッチ18の内輪18aと段付き部22bとの接触面で発生する摩擦力により第2ワンウェイクラッチ18の内輪18aとシャフト22とが一体的に回転し、第2ワンウェイクラッチ18の内輪18aと第1ワンウェイクラッチ17の内輪17aとの接触面で発生する摩擦力により第1ワンウェイクラッチ17の内輪17aと第2ワンウェイクラッチ18の内輪18aとが一体的に回転するため、第1ワンウェイクラッチ17の内輪17a、第2ワンウェイクラッチ18の内輪18a及びシャフト22が一体的に回転する。
【0043】
また、トルクリミッタ部19のうち、トルクリミッタ部19と第1ワンウェイクラッチ17の内輪17aとが圧接する接触面19dと雄ネジ19cとを繋ぐ部位には、断面積を他の部位より小さくする等して、軸力による引張り強度が他の部位に比べて小さくした破断部19eが設けられている。
【0044】
なお、トルクリミッタ部19は、粉末状の金属を焼き固めた焼結金属にて一体成形され、少なくとも雌ネジ19cには、二硫化モリブテンの被膜が形成されている。
【0045】
また、ダンパー16は、前述した所定の締め付けトルクにてトルクリミッタ部19をシャフト22に締め付けたときに、接触面19dの面圧を減少させる向きの弾性力(復元力)を内周部15に作用させるように設定されている。
【0046】
次に、本実施形態に係るプーリ10の概略作動を述べる。
【0047】
プーリ本体11から外周部14に伝達されたトルクは、ダンパー16を介して内周部15に伝達される。そして、伝達トルクが締め付けトルクより小さい場合には、ハブ13がシャフト22に対して回転しないので、内周部15に伝達されたトルクは、前述のごとく、主に第1ワンウェイクラッチ17の内輪17a及び第2ワンウェイクラッチ18の内輪18aを介してシャフト22に伝達される。
【0048】
したがって、トルクリミッタ部19に発生する応力は、組み付け時の締め付けトルク及び締め付けトルクに応じて発生する軸力による応力となり、伝達トルクによって発生する応力は殆どない。
【0049】
なお、トルク変動は、ダンパー16が弾性変形することにより吸収される。
【0050】
また、伝達トルクが締め付けトルクより大きくなると、ハブ13がシャフト22に対して回転して雄ネジ22aと雌ネジ19cとの締め付けトルクが増大するので、トルクリミッタ部19に発生する軸力に伴う引張り応力が増大する。
【0051】
このとき、破断部19eの引張り強度が他の部位に比べて小さいので、伝達トルクが締め付けトルクより大きくなると、破断部19eがその部位より先に破断するため、第1ワンウェイクラッチ17の内輪17a及び第2ワンウェイクラッチ18をシャフト22の段付き部22bに押し付ける軸力が無くなり、トルクの伝達が遮断される。
【0052】
また、ダンパー16は、接触面19dの面圧を減少させる向きの弾性力を内周部15に作用させるているので、破断部19eが破断すると、内周部15はシャフト22から離れる向き(図1の左向き)に変位する。
【0053】
なお、プーリ本体11がエンジンにより駆動されているときには、第2ワンウェイクラッチ18によりシャフト22からマグネットロータ32にトルクが伝達されてしまうことが遮断され、逆に、電動モータ30にシャフト22を駆動するときには、第1ワンウェイクラッチ17によりシャフト22からハブ13にトルクが伝達されてしまうことが遮断される。
【0054】
ところで、上記作動説明から明らかなように、雄ネジ22aと雌ネジ19cとの摩擦係数、及び座面15gの摩擦係数が変動すると、伝達可能トルク及び破断部19eの破断トルクが変動するため、これらの摩擦係数は変動が少ないことが望ましい。
【0055】
そこで、本実施形態では、二硫化モリブテン等の防錆効果を有する被膜を、雄ネジ22a、雌ネジ19c、接触面19d及び内輪17aに形成している。
【0056】
因みに、上記作動説明から明らかなように、本実施形態では、内周部15が「特許請求の範囲」に記載された「駆動側回転体」に相当し、シャフト22が「特許請求の範囲」に記載された「従動側回転体」に相当し、エンジンが第1駆動源に相当し、電動モータ30が第2駆動源に相当する。
【0057】
次に、本実施形態の作用効果を述べる。
【0058】
本実施形態によれば、伝達トルクが必要伝達トルクT3以下であれば、前述のごとく、主に第1ワンウェイクラッチ17の内輪17a及び第2ワンウェイクラッチ18の内輪18aを介してシャフト22に伝達されるので、トルクリミッタ部19に発生する応力は、組み付け時の締め付けトルク及び締め付けトルクに応じて発生する軸力による応力となり、伝達トルクによって発生する応力は殆どない。したがって、破断部19eに発生する応力が殆ど変動しないので疲労破壊が発生し難い。
【0059】
また、破断部19eが破壊するときの応力は、前述のごとく、剪断応力ではなく、引張り応力(法線応力)となる。しかも、引張り応力は、剪断応力と異なり、断面に略均一に分布するので、破断部19eの応力分布を比較的正確に予測解析することができる。
【0060】
したがって、試行錯誤的に破断部19eの寸法及び材質等を決定する必要性が低下して設計開発が容易になるとともに、破断部19eが疲労破壊することなく、所定トルクにて確実に破断させることができる。
【0061】
また、破断部19eが破断すると、内周部15はシャフト22から離れる向きに変位するので、破断部にて異音や不必要な摩擦抵抗が発生することを防止できる。
【0062】
また、破断部19eが破断したときに、相対的に内周部15をシャフト22から離す離隔手段として、新たな部品を設けることなく、トルク変動吸収用のダンパー16を利用しているので、プーリ10の製造原価上昇を防止できる。
【0063】
また、第1、2ワンウェイクラッチ17、18が設けられいるので、トルクリミッタ部19に雌ネジ19cと雄ネジ22aとのネジ結合を緩める向きのトルクが作用しない。したがって、ネジ部が緩んでしまうことを防止しながら疲労破壊することなく、所定トルクにて動力伝達を遮断することができる。
【0064】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、電動モータ30を内蔵した動力伝達機構であったが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0065】
また、第1、2ワンウェイクラッチ17、18は、ローラ型やスプラグ型等、その形式は問わない。
【0066】
また、発電制御装置7及び電源切換装置8は、ROM等の記憶装置に記憶されたマップ等に基づいて制御してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る動力伝達機構の断面図である。
【図2】図1のA部拡大図である。
【図3】試作検討に係る動力伝達機構の断面図である。
【符号の説明】
11…プーリ本体、12…転がり軸受、13…ハブ、14…外周部、
15…内周部、17…第1ワンウェイクラッチ、
18…第2ワンウェイクラッチ、19…トルクリミッタ部、
22…シャフト、30…電動モータ、
31…ステータコイル、32…マグネットロータ。

Claims (3)

  1. 伝達トルクが所定トルクを超えた時に動力伝達を遮断する動力伝達機構であって、
    駆動側回転体(15)から従動側回転体(22)に伝達されるトルクの向きと同一の向きのトルクにてネジを締め付けたときに軸力が発生するネジ部(19c)、及び前記軸力による引張り強度が他の部位に比べて小さい破断部(19e)を有するトルクリミッタ手段(19)と、
    前記ネジ部(19c)を緩める向きのトルクが前記トルクリミッタ手段(19)に作用することを防止するワンウェイクラッチ(17、18)とを備え、
    前記トルクリミッタ手段(19)は、前記駆動側回転体(15)と一体的に回転することを特徴とする動力伝達機構。
  2. 伝達トルクが所定トルクを超えた時に動力伝達を遮断する動力伝達機構であって、
    一方向のトルクのみ第1駆動源から従動側回転体(22)に伝達する第1ワンウェイクラッチ(17)と、
    一方向のトルクのみ第2駆動源から前記従動側回転体(22)に伝達する第2ワンウェイクラッチ(18)と、
    前記第1、2ワンウェイクラッチ(17、18)のうち前記従動側回転体(22)側の回転部材(17a、18a)を前記従動側回転体(22)に固定するための軸力を発生させるネジ部(19c)、及び前記軸力による引張り強度が他の部位に比べて小さい破断部(19e)を有するトルクリミッタ手段(19)と有し、
    前記ネジ部(19c)は、前記両駆動源から前記従動側回転体(22)に伝達されるトルクの向きと同一の向きのトルクにて締め付けたときに前記軸力が増大するように形成されており、
    さらに、前記トルクリミッタ手段(19)は、前記第1駆動源及び前記第2駆動源のうち少なくとも一方の駆動源からトルクを受けて回転することを特徴とする動力伝達機構。
  3. 伝達トルクが所定トルクを超えた時に動力伝達を遮断する動力伝達機構であって、
    駆動側回転体(15)から従動側回転体(22)に伝達されるトルクの向きと同一の向きのトルクにてネジを締め付けたときに軸力が発生するネジ部(19c)、及び前記軸力による引張り強度が他の部位に比べて小さい破断部(19e)を有するトルクリミッタ手段(19)を備え、
    前記トルクリミッタ手段(19)は、前記駆動側回転体(15)と一体的に回転することを特徴とする動力伝達機構。
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