JP4635965B2 - 動力伝達装置 - Google Patents

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Description

本発明は、トルクリミッタを搭載した動力伝達装置に関する。
トルクリミッタを搭載した動力伝達装置の一例を図8〜図10を参照し、実施例と共通符号を付して説明する。なお、この図8〜図10に示す動力伝達装置は、本発明の課題を説明するために引用するものである。
図8、図9に示す動力伝達装置は、エンジンにより一方向へ回転駆動される回転体(以下、ハブ3)と、このハブ3によって回転駆動される従動回転軸(以下、冷媒圧縮機1の駆動軸6)と、ハブ3の回転トルクを冷媒圧縮機1の駆動軸6に与えるためのトルクリミッタ4とを備える。
このトルクリミッタ4は、ハブ3の回転方向で冷媒圧縮機1の駆動軸6にねじ込まれるネジ部15と、ハブ3と一体に回転するとともにネジ部15によるねじ込み力をハブ3に伝えるフランジ部14と、ネジ部15とフランジ部14を連結する連結部16とを有する。
また、動力伝達装置は、ハブ3がねじ込み方向へ移動するのを規制する座5を備える。この座5は、ハブ3と一体に回転し、冷媒圧縮機1の駆動軸6に設けられた段差6cに対して回転可能に当接する部材であり、座5と段差6cの当接面には、摩擦係数を低減させる手段が施されている。
エンジンの回転トルクによりプーリ2を介してハブ3が回転すると、ハブ3に伝えられた回転トルクが、主にトルクリミッタ4を介して冷媒圧縮機1の駆動軸6に伝えられる。 ここで、冷媒圧縮機1が焼きつくなど、何らかの理由で冷媒圧縮機1の駆動軸6に過大な停止力が加わると、ハブ3と冷媒圧縮機1の駆動軸6とのトルク差が過大となり、ネジ部15に過大なねじ込み力が発生する。
ハブ3は、座5と段差6cの当接によりねじ込み方向への移動が規制されているため、ネジ部15に加わる過大なねじ込み力によって、トルクリミッタ4の連結部16が破壊される。この結果、ハブ3と冷媒圧縮機1の駆動軸6との間の動力伝達が遮断される(図10参照)。
フランジ部14は、ハブ3に形成されたフランジ収容凹部12bの内部に軸方向から嵌め入れ(インロー嵌合)られてハブ3の軸ズレを防ぐとともに、フランジ収容凹部12bの軸方向開口側に内径側に突出する複数の脱落防止突起(以下、カシメ部12d)を設けてトルクリミッタ4が作動した後のフランジ部14がハブ3から脱落するのを防ぐ構造を採用している。
トルクリミッタ4が作動した後、冷媒圧縮機1を修理するには、トルクリミッタ4を冷媒圧縮機1の駆動軸6から抜き取る必要がある。
しかし、フランジ部14とネジ部15は完全に分離しているため、ネジ部15が緩む方向にフランジ部14を回しても、フランジ部14を取り外すことができない。もちろん、フランジ部14は複数のカシメ部12dにより、フランジ収容凹部12bから抜き取ることができない。
カシメ部12dを加工等で壊せば、フランジ部14をハブ3から取り出すことができ、冷媒圧縮機1の修理が可能となる。しかし、サービス性が極めて悪く、市場性はない。
フランジ部14とハブ3とを、別部品のボルトで固定する構造や、フランジ部14とフランジ収容凹部12bをネジ嵌合する構造を採用すれば、分離後のトルクリミッタ4を取り外すサービス性は損なわれない。しかし、部品点数の増加により大幅なコスト上昇を招いてしまう。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的はコスト増加を招くことなく、トルクリミッタが作動した後であっても容易にフランジ部を取り外すことが可能な動力伝達装置の提供にある。
[請求項1の手段]
請求項1の手段を採用する動力伝達装置は、回転体(3)と従動回転軸(6)との間に過大トルクが加わると、ネジ部(15)とフランジ部(14)とが分離して、回転体(3)と従動回転軸(6)との間の動力伝達を遮断する。
フランジ部(14)は、フランジ収容凹部(12b)の内部に嵌め入れられたものであり、ネジ部(15)からフランジ部(14)が分離しても、フランジ収容凹部(12b)の軸方向開口側に設けられた脱落防止突起(12d)によって、フランジ部(14)の脱落が防がれる。
フランジ収容凹部(12b)の外部から、フランジ部(14)または回転体(3)に設けられた分解孔(17)にフランジ部(14)を抜き出すための工具(18)を挿入し、フランジ部(14)にフランジ収容凹部(12b)から抜き出す力を与える。外部からフランジ部(14)に与えられた力により、脱落防止突起(12d)を破壊することで{あるいは、フランジ部(14)を破壊することで}、フランジ部(14)を取り外すことができる。
このように、フランジ部(14)を回転体(3)に固定するボルト等の部品を別途設けなくても、分解孔(17)を設けるだけでフランジ部(14)の取り出しが可能となる。即ち、部品点数の増加によるコスト増加を招くことなく、トルクリミッタ(4)が作動した後であっても容易にフランジ部(14)を取り外すことができる。
[請求項2の手段]
請求項2の手段を採用する動力伝達装置の分解孔(17)は、フランジ部(14)の外周縁に設けられた窪み、またはフランジ収容凹部(12b)の内周壁に設けられた窪み、あるいはフランジ部(14)の外周縁に設けられた窪みとフランジ収容凹部(12b)の内周壁に設けられた窪みの組合せである。
[請求項3の手段]
請求項3の手段を採用する動力伝達装置における軸方向規制手段(5)は、回転体(3)と一体に回転し、従動回転軸(6)に設けられた段差(6c)に対して回転可能に当接する座(5)であり、段差(6c)と座(5)との当接面には、摩擦係数を低減させる手段が施されている。
これにより、回転体(3)と従動回転軸(6)との間に過大なトルク差が生じた際に、段差(6c)と座(5)の摺動性を確保することができ、ネジ部(15)に連結部(16)を破断させるための軸力を確実に発生させることができる。
[請求項4の手段]
請求項4の手段を採用する動力伝達装置における回転体(3)は、エンジンによって回転駆動されるプーリ(2)と凹凸嵌合して、プーリ(2)により回転駆動されるハブ(3)である。
[請求項5の手段]
請求項5の手段を採用する動力伝達装置における従動回転軸(6)は、車両用冷凍サイクルの冷媒圧縮機(1)の駆動軸(6)である。
これにより、冷媒圧縮機(1)が焼きつくなどしてトルクリミッタ(4)が作動して、フランジ部(14)とネジ部(15)とが分離した状態になっても、フランジ収容凹部(12b)の外部から、フランジ部(14)または回転体(3)に設けられた分解孔(17)にフランジ部(14)を抜き出すための工具(18)を挿入し、フランジ部(14)にフランジ収容凹部(12b)から抜き出す力を与えて脱落防止突起(12d)を破壊することで{あるいは、フランジ部(14)を破壊することで}、フランジ部(14)を取り外すことができる。
即ち、部品点数の増加によるコスト増加を招くことなく、フランジ部(14)の取り外しが可能になる。
[請求項6の手段]
請求項6の手段を採用する動力伝達装置は、ネジ部(15)から分離したフランジ部(14)をフランジ収容凹部(12b)から取り外す際、フランジ部(14)とフランジ収容凹部(12b)との間に設けられた凹部(17)に、フランジ部(14)を抜き出すための工具(18)を挿入し、フランジ部(14)にフランジ収容凹部(12b)から抜き出す力を与える。外部からフランジ部(14)に与えられた力により、脱落防止突起(12d)を破壊することで{あるいは、フランジ部(14)を破壊することで}、フランジ部(14)を取り外すことができる。
このように、フランジ部(14)を回転体(3)に固定するボルト等の部品を別途設けなくても、凹部(17)を設けるだけでフランジ部(14)の取り出しが可能となる。即ち、部品点数の増加によるコスト増加を招くことなく、トルクリミッタ(4)が作動した後であっても容易にフランジ部(14)を取り外すことができる。
最良の形態1の動力伝達装置は、一方向へ回転駆動される回転体(3)(例えば、プーリと一体に回転するハブ)の回転を、従動回転軸(6)(例えば、冷媒圧縮機の駆動軸)へ伝達するとともに、過大なトルク差が生じた際に動力伝達を遮断するトルクリミッタ(4)を備える。
トルクリミッタ(4)は、回転体(3)の回転方向で従動回転軸(6)にねじ込まれるネジ部(15)、および回転体(3)と一体に回転するとともにネジ部(15)によるねじ込み力を回転体(3)に伝えるフランジ部(14)を備え、ネジ部(15)とフランジ部(14)が連結部(16)を介して連結したものである。
なお、動力伝達装置は、回転体(3)がねじ込み方向へ移動するのを規制する軸方向規制手段(5)を備える。
回転体(3)は、軸方向の一方へ開口してフランジ部(14)が嵌め入れられるフランジ収容凹部(12b)を備え、フランジ収容凹部(12b)にフランジ部(14)を嵌め入れることで回転体(3)の軸ズレが防がれる。
また、フランジ収容凹部(12b)の軸方向開口側には、フランジ部(14)の外径寸法より内径側に突出する複数の脱落防止突起(12d)が設けられており、フランジ部(14)がネジ部(15)から分離しても、フランジ部(14)が脱落することがない。
ネジ部(15)から分離したフランジ部(14)をフランジ収容凹部(12b)から取り出す場合、フランジ部(14)は、上述したように、回転体(3)の軸ズレを防ぐべくフランジ収容凹部(12b)の内側にインロー嵌合されているため、フランジ部(14)とフランジ収容凹部(12b)との隙間から工具(18)を差し入れてフランジ部(14)に抜き出す力を与えることができない。
しかるに、最良の形態1の動力伝達装置のフランジ部(14)または回転体(3)は、フランジ収容凹部(12b)の外部から挿入する工具(18)によって、フランジ部(14)にフランジ収容凹部(12b)から抜き出す力を与えることが可能な分解孔(17)を1つまたは複数備える。
これにより、フランジ収容凹部(12b)の外部から、フランジ部(14)または回転体(3)に設けられた分解孔(17)にフランジ部(14)を抜き出すための工具(18)を挿入し、フランジ部(14)にフランジ収容凹部(12b)から抜き出す力を与えて脱落防止突起(12d)を破壊することで{あるいは、フランジ部(14)を破壊することで}、ネジ部(15)から分離したフランジ部(14)を取り外すことができる。
なお、上記各手段に付した括弧内の符号は、後述する実施例に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
実施例1の動力伝達装置を、図1〜図4を参照して説明する。
実施例1の動力伝達装置は、車両用冷凍サイクルの冷媒圧縮機1にエンジン(図示しない)の回転トルクを伝達するものであり、プーリ2、ハブ3(回転体に相当する)、トルクリミッタ4、座5(軸方向規制手段に相当する)を備え、プーリ2に伝達されたエンジン(内燃機関、モータ等)の回転トルクを冷媒圧縮機1の駆動軸6(従動回転軸に相当する)に伝達する。
(実施例1にかかる冷媒圧縮機1の説明)
冷媒圧縮機1は、車両用空調装置の冷凍サイクルを構成する周知の機能装置であり、駆動軸6が回転駆動されることにより冷媒の吸入、圧縮、吐出を行う。
冷媒圧縮機1はケース7に覆われており、駆動軸6の一部がケース7の外部に突出している。
ケース7の外部に露出する駆動軸6は、図1左から右に向けてキャップ装着部6a、雄ネジ6b、段差6cが設けられ、段差6cを介して冷媒圧縮機1の本体側が大径に設けられている。
また、ケース7には、外部に露出する駆動軸6を覆う円筒形状のボス部7aが一体に設けられている。
(プーリ2の説明)
プーリ2は、ボス部7aの外周に取り付けられたベアリング8を介して回転自在に支持されている。即ち、プーリ2は、駆動軸6の周囲において回転自在に支持されている。
プーリ2の外周には、多段ベルトが掛け渡される多段溝2aが形成されており、外周に掛け渡される多段ベルト(図示しない)を介してエンジンの回転トルクを受けてプーリ2が一方向に回転駆動される。
プーリ2の軸方向側面(図1左側面)には、プーリ側凹凸部2bが環状に形成されている。このプーリ側凹凸部2bは、ハブ3に設けられたハブ側凹凸部3a(後述する)と凹凸嵌合するものであり、プーリ2に伝達された回転トルクをハブ3に伝達する。
(ハブ3の説明)
ハブ3は、アウターリング11、インナーリング12、弾性体13からなる。
アウターリング11は、略円筒形状を呈する鉄等の金属体であり、表面が弾性体13により被覆されている。
アウターリング11の軸方向の一方(図1右側)には、複数の凸部が形成されており、弾性体13が被覆されて弾性体13とともにハブ側凹凸部3aを構成している。このハブ側凹凸部3aは、上述したように、プーリ側凹凸部2bと凹凸嵌合して、プーリ2に伝達された回転トルクを受け止める。
インナーリング12は、駆動軸6の周囲に対して所定の空隙(後述するネジ部15が配置される径方向距離)を隔てて覆う円環形状を呈する鉄等の金属体であり、ボス部7aの内側に伸びる延出部12aを備える。
このインナーリング12は、弾性体13と強固に結合しており、ハブ側凹凸部3aに伝達された回転動力が弾性体13を介して伝達される。
また、インナーリング12の軸方向側面(図1左側面)には、軸方向に開口するフランジ収容凹部12bが設けられている。このフランジ収容凹部12bは、軸方向に窪んだ円筒形状の穴であり、トルクリミッタ4におけるフランジ部14(後述する)の外周縁を軸方向において収容する深さに設けられている。
このフランジ収容凹部12bの内周面には、図2に示すように、軸方向に沿う複数のハブ突起12cが設けられている。このハブ突起12cは、トルクリミッタ4に設けられたフランジ溝14a(後述する)と径方向に嵌合し、インナーリング12に伝達された回転トルクをトルクリミッタ4に伝達する。
弾性体13は、ゴム等の弾性変形可能な部材であり、上述したように、プーリ側凹凸部2bに嵌め合わされるハブ側凹凸部3aを構成して、プーリ2から伝達される回転トルクの衝撃を吸収する。また、弾性体13は、上述したように、アウターリング11とインナーリング12を結合する部材であり、ハブ側凹凸部3aに伝達された回転トルクの衝撃を吸収してインナーリング12に伝達する。
(トルクリミッタ4の説明)
トルクリミッタ4は、焼結金属、表面処理された鉄など、インナーリング12の材質より硬度の高い金属体で一体に設けられており、フランジ部14、ネジ部15、連結部16からなる。
フランジ部14は、フランジ収容凹部12bの内部に嵌め入れられた円盤体であり、フランジ収容凹部12bの底面と当接して、ネジ部15のねじ込みによる軸力をインナーリング12に伝える。
フランジ部14の外周縁には、上述したハブ突起12cと径方向に嵌合するフランジ溝14aが複数設けられており、インナーリング12に伝達された回転トルクがフランジ部14に伝達するようになっている。即ち、トルクリミッタ4がハブ3と一体に回転するようになっている。
フランジ部14の中心部には、図2に示すように、トルクリミッタ4を駆動軸6に螺合するための工具と合致する工具締結部14b(図中、六角部)が形成されている。
フランジ部14は、フランジ収容凹部12bの内側に微小クリアランス(0.001mm〜1mmの範囲内)を介して、あるいは軽圧入により嵌め入れられる。これにより、トルクリミッタ4とハブ3の軸芯が一致することになり、ハブ3の軸ズレが防がれる。
ここで、フランジ収容凹部12bの軸方向開口側(図1左側)には、フランジ部14の外径寸法より内径側に突出する複数のカシメ部12d(脱落防止突起に相当する)が設けられている。このカシメ部12dは、フランジ収容凹部12bの開口端を内側にかしめて塑性変形させたものであり、フランジ収容凹部12bの開口端に複数のカシメ部12dを設けることで、カシメ部12dによりフランジ部14がインナーリング12に押し付けられて、フランジ部14がインナーリング12に一体化されている。
フランジ部14の外周縁には、上述したフランジ溝14aとは別に、分解孔17が複数(この実施例では2つ)形成されている。
この分解孔17は、フランジ部14とフランジ収容凹部12bとの間に隙間を形成する凹部である。分解孔17は、フランジ部14の外周縁に設けられた径方向の窪みであり、フランジ収容凹部12bの外部から工具(フランジ取出用工具18:特殊工具である必要はなく、例えばマイナスドライバ、あるいはマイナスドライバに類似した強度の大きい工具等:図4参照)の先端を挿入可能な開口面積を持つ。
具体的な分解孔17の開口面積の一例として、この実施例の分解孔17は、周方向幅が3mm〜10mm、径方向寸法が3mm〜6mmに設けられている。
なお、この実施例では、分解孔17を形成する窪みの底面を略フラットに設ける例を示すが、工具の先端が係合する溝や凹みを設けたり、工具の先端の係合力を高めるために傾斜面としても良い。
ネジ部15は、フランジ部14より図1右側へ延びた筒状ナットであり、ネジ部15の外周面はインナーリング12の内周面との間に隙間があり、ネジ部15の内周面には駆動軸6の雄ネジ6bに螺合する雌ネジ15aが形成されている。
雄ネジ6bと雌ネジ15aの螺合方向は、エンジンによる駆動方向により、ネジ部15が駆動軸6にねじ込まれるものである。即ち、エンジンの駆動トルクにより、ネジ部15には図1右に向かう軸力が発生するものである。
連結部16は、フランジ部14とネジ部15とを軸方向に結合する部分であり、ハブ3と駆動軸6との間に過大なトルク差が生じた際に破断して、動力の伝達を遮断する部分である。具体的に連結部16は、材質、径方向の厚み、および切欠部等により、ハブ3と駆動軸6との間に所定の過大トルク差が生じ、フランジ部14に対してネジ部15に所定の軸力が発生した際に破断するように設計されている。
座5は、インナーリング12がネジ部15のねじ込み方向へ移動するのを規制するものであり、インナーリング12と一体に回転し、駆動軸6に設けられた段差6cに対して回転可能に当接する。
具体的に座5は、インナーリング12の図1右側先端に圧入やカシメ等の手段で一体化された環状体であり、座5と段差6cとの当接面には、摩擦係数を低減させる手段が施されている。摩擦係数を低減させる手段の一例としては、硬質な鏡面処理、樹脂等による化成被覆処理(樹脂皮膜コーティング処理)、メッキ処理、グリスを保持するための凹凸処理などが施されている。
なお、図1に示す符号19は、駆動軸6の端部外周とフランジ部14の内周とをシールするキャップであり、雨水等が雄ネジ6bと雌ネジ15aの螺合部分に浸入するのを防ぎ、雄ネジ6bと雌ネジ15aの螺合部が錆びるのを防いでいる。
(実施例1の作動)
エンジンが運転すると、エンジンの回転トルクがプーリ2を介してハブ3に伝達され、ハブ3に伝えられた回転トルクが、主にトルクリミッタ4を介して冷媒圧縮機1の駆動軸6に伝えられて冷媒圧縮機1が作動する。この時、座5と段差6cとの当接面は、静止摩擦状態で接続されている。
このような通常負荷による運転中に冷媒圧縮機1が焼きつくなど、何らかの理由で冷媒圧縮機1の駆動軸6に過大な停止力が加わると、その衝撃によって段差6cに対して座5が摺動し、静止摩擦状態から動摩擦状態に移行する。即ち、駆動軸6がロックしていても、プーリ2およびハブ3がエンジンの回転トルクにより回転する。
このハブ3の回転により、ネジ部15には図1右側に向かう過大な軸力が発生して、トルクリミッタ4の連結部16が破断し、図3に示すようにフランジ部14とネジ部15が分離する。この結果、ハブ3と冷媒圧縮機1の駆動軸6との間の動力伝達が遮断される。これにより、ベルトの切断を防止するとともに、エンジンに対して損傷が及ぶのを防ぐことができる。
ネジ部15から分離したフランジ部14は、フランジ収容凹部12bの軸方向開口側に設けたカシメ部12dにより、ハブ3から脱落するのが防がれる。これにより、車両の走行中などにおいてフランジ部14が落下する不具合が回避される。
(実施例1の効果)
上述したように、ネジ部15から分離したフランジ部14は、カシメ部12dによりハブ3から脱落しない構造になっている。一方、ハブ3の軸ズレを防ぐために、フランジ収容凹部12bとフランジ部14との間には隙間がほとんどなく、この隙間から工具を挿入することはできない。
しかるに、この実施例1では、上述したように、フランジ部14の外周縁に分解孔17を設けている。
フランジ部14を取り外す際は、図4に示すように、分解孔17にフランジ取出用工具18を挿し入れ、テコの原理でフランジ部14がフランジ収容凹部12bから出る方向に力を加えてカシメ部12dを破壊する。具体的には、フランジ取出用工具18からフランジ部14に与える力により、カシメ部12dを塑性変形させたり破断させたりすることで、カシメ部12dによるフランジ部14の保持を解消させる。これにより、フランジ部14を簡単に取り外すことができる。
このように、実施例1の動力伝達装置は、フランジ部14をインナーリング12に固定するボルト等の部品を別途設けなくても、分解孔17を設けるだけでフランジ部14の取り出しが可能となる。即ち、部品点数の増加によるコスト増加を招くことなく、トルクリミッタ4が作動した後であっても容易にフランジ部14を取り外すことができる。
実施例2の動力伝達装置を図5を参照して説明する。なお、以下の実施例において実施例1と同一構成の部分については、同一の符号を付してその説明を省略する。
上記の実施例1では、トルクリミッタ4のフランジ部14に複数(実施例1では2つ)の分解孔17を設ける例を示した。
これに対し、この実施例2は、トルクリミッタ4のフランジ部14に1つの分解孔17を設ける例を示すものである。
このように分解孔17が1つであっても、フランジ取出用工具18を挿し入れてネジ部15から分離したフランジ部14を取り出すことができる。
なお、実施例1、2では、分解孔17の形状を軸方向から見て略四角形状に設ける例を示すが、分解孔17の形状は四角形状に限るものではなく、フランジ取出用工具18を外部から差し入れることが可能な形状および大きさであれば良く、半円形状など、他の形状であっても良い。
実施例3の動力伝達装置を図6を参照して説明する。
上記の実施例1、2では、分解孔17をトルクリミッタ4のフランジ部14に設ける例を示した。
これに対し、この実施例3は、フランジ収容凹部12bの内周面に分解孔17を設ける例を示すものである。この実施例3の分解孔17は、フランジ収容凹部12bの内周壁において外径方向へ凹む窪みであり、外部からフランジ取出用工具18を差し入れ可能に設けられている。
なお、実施例1〜3では、フランジ部14またはフランジ収容凹部12bのどちらか一方に分解孔17を形成する例を示したが、フランジ部14の外周縁に設けられた窪みと、フランジ収容凹部12bの内周壁に設けられた窪みとを組合せて分解孔17を形成しても良い。
実施例4の動力伝達装置を図7を参照して説明する。
上記の実施例1では、インナーリング12と座5とを別々に形成し、カシメや圧入によって一体化する例を示した。
これに対し、この実施例4は、インナーリング12の一部に座5を設けたものである。これにより、部品点数が減少するとともに、インナーリング12と座5とを結合する工程を省くことができるため、製造コストを抑えることができる。
〔変形例〕
上記の実施例では、エンジンの回転トルクを冷媒圧縮機1に伝達する動力伝達装置に本発明を適用する例を示したが、エンジンの回転トルクをラジエータファンや機械式過給機など他の駆動装置に伝達する動力伝達装置に本発明を適用しても良い。
上記の実施例では、車両に搭載されたエンジン(内燃機関、電動モータ等)の回転トルクを伝達する動力伝達装置に本発明を適用する例を示したが、車両用エンジンに限定されるものではなく、工業用製造機械装置などのモータ(電動モータ、油圧モータ等)の回転トルクを伝達する動力伝達装置に本発明を適用しても良い。
上記の実施例では、プーリ2とハブ3とが別体に設けられる例を示したが、使用用途に応じてプーリ2とハブ3が一体となった回転体であっても良い。
上記の実施例では、回転動力を受ける部分をベルトが掛け渡されるプーリ2とした例を示したが、回転動力を受ける部分が回転トルクを発生する装置(エンジン、モータ等)に直接結合されるものであっても良いし、ギヤ等の動力伝達手段であっても良い。
上記の実施例では、カシメ部12dを破壊することでネジ部15から分離したフランジ部14を取り外す例を示したが、分解孔17に挿し入れたフランジ取出用工具18によりフランジ部14を破壊するように設けても良い。即ち、フランジ部14を焼結金属など割れ易い部材で設けるとともに、フランジ部14の内面等に破損誘導用の溝等を設けて、分解孔17に挿し入れたフランジ取出用工具18によりフランジ部14を破壊させて、フランジ部14を取り外すようにしても良い。
動力伝達装置の軸方向に沿う断面図である(実施例1)。 動力伝達装置を軸方向から見た図である(実施例1)。 トルクリミッタの作動説明図である(実施例1)。 フランジ部の取り外しの説明図である(実施例1)。 動力伝達装置を軸方向から見た図である(実施例2)。 動力伝達装置を軸方向から見た図である(実施例3)。 動力伝達装置の軸方向に沿う断面図である(実施例4)。 動力伝達装置の軸方向に沿う断面図である(参考例)。 動力伝達装置を軸方向から見た図である(参考例)。 トルクリミッタの作動説明図である(参考例)。
符号の説明
1 冷媒圧縮機
2 プーリ
3 ハブ(回転体)
4 トルクリミッタ
5 座(軸方向規制手段)
6 冷媒圧縮機の駆動軸(従動回転軸)
6c 段差
12b フランジ収容凹部
12d カシメ部(脱落防止突起)
14 フランジ部
15 ネジ部
16 連結部
17 分解孔(凹部)
18 フランジ取出用工具(工具)

Claims (6)

  1. 一方向へ回転駆動される回転体(3)と、
    この回転体(3)によって回転駆動される従動回転軸(6)と、
    前記回転体(3)の回転方向で前記従動回転軸(6)にねじ込まれるネジ部(15)、および前記回転体(3)と一体に回転するとともに前記ネジ部(15)によるねじ込み力を前記回転体(3)に伝えるフランジ部(14)を備え、前記ネジ部(15)と前記フランジ部(14)が連結部(16)を介して連結されたトルクリミッタ(4)と、
    前記回転体(3)がねじ込み方向へ移動するのを規制する軸方向規制手段(5)と、
    を具備する動力伝達装置において、
    前記回転体(3)は、軸方向の一方へ開口して前記フランジ部(14)が嵌め入れられるフランジ収容凹部(12b)と、このフランジ収容凹部(12b)の軸方向開口側において前記フランジ部(14)の外径寸法より内径側に突出する脱落防止突起(12d)とを備え、
    前記フランジ部(14)または前記回転体(3)は、前記フランジ収容凹部(12b)の外部から挿入する工具(18)によって、前記フランジ部(14)に前記フランジ収容凹部(12b)から抜き出す力を与えることが可能な分解孔(17)を1つまたは複数備えることを特徴とする動力伝達装置。
  2. 請求項1に記載の動力伝達装置において、
    前記分解孔(17)は、前記フランジ部(14)の外周縁に設けられた窪み、または前記フランジ収容凹部(12b)の内周壁に設けられた窪み、あるいは前記フランジ部(14)の外周縁に設けられた窪みと前記フランジ収容凹部(12b)の内周壁に設けられた窪みの組合せであることを特徴とする動力伝達装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の動力伝達装置において、
    前記軸方向規制手段(5)は、前記回転体(3)と一体に回転し、前記従動回転軸(6)に設けられた段差(6c)に対して回転可能に当接する座(5)であり、
    前記段差(6c)と前記座(5)との当接面には、摩擦係数を低減させる手段が施されていることを特徴とする動力伝達装置。
  4. 請求項1〜請求項3のうちのいずれかに記載の動力伝達装置において、
    前記回転体(3)は、エンジンによって回転駆動されるプーリ(2)と凹凸嵌合して、前記プーリ(2)により回転駆動されるハブ(3)であることを特徴とする動力伝達装置。
  5. 請求項1〜請求項4のうちのいずれかに記載の動力伝達装置において、
    前記従動回転軸(6)は、車両用冷凍サイクルの冷媒圧縮機(1)の駆動軸(6)であることを特徴とする動力伝達装置。
  6. 一方向へ回転駆動される回転体(3)と、
    この回転体(3)によって回転駆動される従動回転軸(6)と、
    前記回転体(3)の回転方向で前記従動回転軸(6)にねじ込まれるネジ部(15)、および前記回転体(3)と接続され、一体に回転するフランジ部(14)を備え、前記ネジ部(15)と前記フランジ部(14)が連結部(16)を介して連結されたトルクリミッタ(4)と、
    前記回転体(3)がねじ込み方向へ移動するのを規制する軸方向規制手段(5)と、
    を具備する動力伝達装置において、
    前記回転体(3)は、軸方向の一方へ開口して前記フランジ部(14)が嵌め入れられるフランジ収容凹部(12b)と、このフランジ収容凹部(12b)の軸方向開口側において前記フランジ部(14)の外径寸法より内径側に突出する脱落防止突起(12d)とを備え、
    前記フランジ部(14)の外周または前記フランジ収容凹部(12b)の外縁には、前記フランジ部(14)と前記フランジ収容凹部(12b)との間に隙間を形成する凹部(17)が設けられていることを特徴とする動力伝達装置。
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