JP2006266376A - 動力伝達装置 - Google Patents

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倫保 野坂
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Abstract

【課題】 動力遮断部材とインナーハブとの軸ずれを防止して、低コストで性能の良い動力伝達装置を提供する。
【解決手段】 動力伝達装置(10)は、駆動源からの回転駆動力が伝達される回転可能な回転部(1)と、回転部と被駆動装置の回転軸(4)との間の過大トルクの伝達を遮断する動力遮断部材(3)であって、回転軸に螺子接合して一体に回転する動力遮断部材(3)と、一方で前記回転部(1)に接続し、他方で動力遮断部材に接続するハブ(2)とを具備する。動力遮断部材の第1の嵌合部(301)は、ハブの第2の嵌合部(2041)に収容されるように嵌合して、ハブの回転により動力遮断部材が共に回転するように形成されている。第1の嵌合部と第2の嵌合部との間にあって且つ回転軸の軸線に垂直な半径方向の嵌合隙間は、0.001mmから前記第1の嵌合部の外接円直径の15%の範囲にある。
【選択図】 図1

Description

本発明は、動力伝達装置に係り、より特別には、エンジン等の外部動力源から、ベルト等を介して運転される車両カーエアコン用圧縮機に組み込まれて使用されるのに好適である。
車両用カーエアコンの冷媒圧縮機は、エンジン等の外部動力源から、ベルト、プーリ等を介して駆動されるが、エンジンと圧縮機の接続を切り離すために、電磁クラッチがそれらの間に挿入されても良い。しかし、電磁クラッチを挿入しなければ、コストダウンになるため電磁クラッチが省略されることも少なくない。この場合、エンジン等の外部動力源から、ベルト等を介して運転されるカーエアコン用の圧縮機の動力伝達装置において、圧縮機が焼き付いた際にベルト切れ等の不具合を回避するためのトルクリミッタが設置される。
トルクリミッタには、動力伝達経路の一部を螺子接合とし、圧縮機が焼き付いた際の過大なトルクにより、前記螺子接合部に発生する過大な軸力を利用するものがある(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、このトルクリミッタ方式は、切断に摩擦を利用しているため、当接面である摩擦面の腐食、油脂付着等により摩擦係数が変化して、トルクリミッタの作動トルクが経時的に変化してしまうという問題がある。
また、圧縮機に動力を伝達する従来の動力伝達装置における別のトルクリミッタとして、前記の摩擦面をシールするタイプがあり、上記の特許文献1の開示する形態の欠点を回避するものがある。このタイプの動力遮断装置は、動力伝達部位の一部分を螺子接合させた構造であり、この螺子接合を利用したトルクリミッタ方式は、圧縮機が焼き付いた際に発生する過大なトルクにより、螺子接合部分に発生する過大な軸力を利用して、動力伝達経路の一部を破断することで、動力伝達経路を断つ方式である。
図10は上記の様なトルクリミッタ(動力遮断部材)を有する動力伝達装置の従来の実施例の側断面図であり、図11は図10の部分拡大図であり、図12は、従来の実施例においてトルクリミッタが作動した状態を示す部分側断面図である。図10から12を参照すると、後述する図1から9に開示される本発明の実施の形態の要素部分と同じ又は同様である図10から12の要素部分は、同じ参照符号により指定されている。
従来例の動力伝達装置50では、動力遮断部材(トルクリミッタ)3は圧縮機(図示されない)の回転軸4と螺子部303で螺子結合しており、更にプーリ側にあるハブ2のインナーハブ204とはインロー嵌合している。動力遮断部材3とインナーハブ204の軸ずれが発生すると、図11のごとく、動力遮断部材3の嵌合部301とインナーハブ204の嵌合部2041との間に隙間2047が発生するため、ハブ2の面取り形状2044と動力遮断部材3の根元R形状305とが干渉してしまい、動力遮断部材3のトルクリミッタ特性に影響を及ぼす。即ち、動力遮断部材3の破断部302の断面積に作用していて且つトルクに実質的に比例する軸力により決定される破断力が、面取り形状2044と根元R形状305との干渉により生じる抵抗力により影響される。更に、図12で分かるように動力遮断部材3のフランジ部306にカシメ部分が設けられていないと、トルクリミッタの作動時にフランジ部分306が脱落してしまう。
この様なトルクリミッタ方式は圧縮機の焼き付き現象で発生する過大なトルクを利用し、螺子接合により発生する過大な軸力による引っ張り力により動力遮断部材を分断する構造であるが、動力遮断部材と、動力遮断部材を収納しているインナーハブとの軸がずれてしまい、安定的な動力遮断特性が得られないという問題があった。また、動力遮断部材が作動した際、螺子側とフランジ部分との間に設けられた破断部が軸力による引っ張り力で分断されるが、作動後にフランジ部が脱落してしまうという問題があった。
双方の課題を解決するため、動力遮断部材の一部であるフランジ部分を、前記インナーハブに圧入固定して、軸ずれを回避すると同時に動力遮断部材のリミッタが作動した際に、フランジ部分が脱落するのを圧入部分で固定するという考案もあるが、動力遮断部材のリミッタ作動特性に影響する部位に、圧入による応力が発生してしまい、動力遮断特性に悪影響を及ぼしてしまうので上記の問題を解決出来ない。
特開2003−206950号公報
本発明は、上述した事情に鑑みなされたもので、螺子接合を利用したトルクリミッタ方式の動力伝達装置において、動力遮断部材と、動力遮断部材を収納するインナーハブの嵌合部分とをインロー嵌合とし、更にインナーハブの嵌合部分を僅かにカシメる締結構造とすることで、動力遮断部材とインナーハブとの軸ずれを防止して安定した動力遮断特性を得るとともに、トルクリミッタ作動後に動力遮断部材のフランジ部分が脱落してしまうという問題を解決し、低コストで性能の良い動力伝達装置を提供することを目的とする。
本発明の請求項1の形態の動力伝達装置(10)は、上述した目的を達成するために、駆動源からの回転駆動力が伝達される回転可能な回転部(1)と、前記回転部(1)と被駆動装置の回転軸(4)との間の過大トルクの伝達を遮断する動力遮断部材(3)であって、前記回転軸(4)に螺子接合して一体に回転する動力遮断部材(3)と、一方で前記回転部(1)に接続し、他方で前記動力遮断部材(3)に接続するハブ(2)とを具備する。動力伝達装置(10)において、前記動力遮断部材(3)の動力遮断部材側嵌合部(301)は、前記ハブ(2)のハブ側嵌合部(2041)に収容されるように嵌合して、前記ハブ(2)の回転により前記動力遮断部材(3)が共に回転するように形成されている。前記動力遮断部材側嵌合部(301)と前記ハブ側嵌合部(2041)との間にあって且つ前記回転軸(4)の軸線に垂直な半径方向の嵌合隙間は、0.001mm以上でその上限が前記動力遮断部材側嵌合部(301)の外接円直径の15%である範囲にあることを特徴とする。
この様に構成することにより、この螺子締結を利用したトルクリミッタ方式の動力伝達装置において、動力遮断部材と、動力遮断部材を収納するインナーハブの嵌合部分とを所定の公差で仕上げられたインロー嵌合とすることにより、動力遮断部材とインナーハブとの軸ずれを防止して、動力遮断特性を安定させることが出来る。これにより、低コストで性能の良い動力伝達装置を供給する。
本発明の請求項2の形態では、上記請求項1の形態において、前記嵌合隙間の上限は最大でも3mmであることを特徴とする。
本形態によれば、嵌合隙間の上限の最大値を明確にする。
本発明の請求項3の形態では、上記請求項1又は2のいずれかの形態において、前記動力遮断部材側嵌合部(301)及び前記ハブ側嵌合部(2041)の少なくともいずれか一方の少なくとも表面部分は、例えばPTFE、樹脂、モリブデン等の低摩擦係数材料を含んで形成されることを特徴とする。
本形態によれば、動力伝達装置の動力遮断特性を更に安定させることが出来る可能性がある。
本発明の請求項4の形態では、上記請求項1から3の形態のいずれか一項において、前記動力遮断部材側嵌合部(301)及び前記ハブ側嵌合部(2041)のいずれか一方に別体の部材(9)が装着されて、前記ハブ(2)から前記動力遮断部材(3)への動力伝達は、前記別体の部材(9)と、前記別体の部材(9)が装着されていない前記動力遮断部材側嵌合部(301)と前記ハブ側嵌合部(2041)のいずれか一方との間で行われることを特徴とする。
本形態によれば、嵌合部付近の製作をより容易にして、コストを低減する可能性がある。
本発明の請求項5の形態では、上記請求項4の形態において、前記別体の部材(9)の少なくとも表面部分は、例えばPTFE、樹脂、モリブデン等の低摩擦係数材料を含んで形成されることを特徴とする。
本形態によれば、動力伝達装置の動力遮断特性を更に安定させることが出来る可能性がある。
本発明の請求項6の形態の動力伝達装置(10)は、駆動源からの回転駆動力が伝達される回転可能な回転部(1)と、前記回転部(1)と被駆動装置の回転軸(4)との間の過大トルクの伝達を遮断する動力遮断部材(3)であって、前記回転軸(4)に螺子接合して一体に回転する動力遮断部材(3)と、一方で前記回転部(1)に接続し、他方で前記動力遮断部材(3)に接続するハブ(2)とを具備する。該動力伝達装置(10)において、前記動力遮断部材(3)の動力遮断部材側嵌合部(301)は、前記ハブ(2)のハブ側嵌合部(2041)に収容されるように嵌合している。前記動力遮断部材側嵌合部(301)及び前記ハブ側嵌合部(2041)の少なくともいずれか一方に別体の部材(9)が装着されて、前記ハブ(2)から前記動力遮断部材(3)への動力伝達が、前記別体の部材(9)と、前記別体の部材(9)が装着されていない前記動力遮断部材側嵌合部(301)と前記ハブ側嵌合部(2041)のいずれか一方との間で行われることにより、前記ハブ(2)の回転により前記動力遮断部材(3)が共に回転するように形成されており、前記別体の部材(9)の少なくとも表面部分は、例えばPTFE、樹脂、モリブデン等の低摩擦係数材料を含んで形成されることを特徴とする。
本形態によれば、インナーハブと動力遮断部材とのインロー嵌合の公差を厳しく管理しなくても、動力遮断特性を安定させることが出来る。従って、動力伝達装置の製作及び組み立てがより容易になり、それによりコスト低減できる。
本発明の請求項7の形態では、上記請求項1から6の形態のいずれか一項において、前記動力遮断部材側嵌合部(301)及び前記ハブ側嵌合部(2041)の、前記回転軸(4)に垂直な面における断面形状は、六角形、四角形、二面幅、八角形、十角形、十二角形等の円ではない形状であることを特徴とする。
本形態によれば、第1と第2の嵌合部の構造をより具体化する。
本発明の請求項8の形態では、上記請求項1から7の形態のいずれか一項において、前記動力遮断部材側嵌合部(301)と前記ハブ側嵌合部(2041)との前記回転軸(4)の軸線方向において対面するそれぞれの面(3061,2045)は接していることを特徴とする。
本形態によれば、本発明の動力伝達装置の構造をより具体化する。
本発明の請求項9の形態では、上記請求項8の形態において、前記動力遮断部材側嵌合部(301)と前記ハブ側嵌合部(2041)と前記対面して接するそれぞれの面(3061,2045)の角部(305,2044)は面取りされて、お互いに干渉しないように形成されることを特徴とする。
本形態によれば、本発明の動力伝達装置の嵌合部付近の構造を更により具体化する。
本発明の請求項10の形態では、上記請求項1から9の形態のいずれか一項において、前記動力遮断部材(3)の動力遮断部(302)よりも前記ハブ側において、前記ハブ側嵌合部(2041)の嵌合面には、半径方向に作用する凸状のカシメ部(2043)が設けられており、前記カシメ部(2043)に対面して対応する前記動力遮断部材側嵌合部(301)には凹状のカシメの逃げ部(304)が設けられており、前記カシメ部(2043)と前記カシメの逃げ部(304)との間の隙間の寸法は、嵌合隙間より大きいことを特徴とする。
本形態によれば、インナーハブの嵌合部分を僅かにカシメる締結構造とすることで、トルクリミッタ作動後に動力遮断部材のフランジ部分が脱落してしまうことを防止できる。
本発明の請求項11の形態では、上記請求項1から10の形態のいずれか一項において、被駆動装置としての車両用カーエアコンの圧縮機に連結されることを特徴とする。
本形態によれば、本発明の用途をより具体化する形態を開示する。
以下、図面に基づいて本発明に係わる動力伝達装置の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明に係る動力伝達装置の第1の実施の形態の図解的側断面図を示しており、図2は図1の線A−Aに沿う正面図である。図3、図4は動力遮断部材周辺の拡大図であり、図3は図1の部分拡大図、図4は図2の部分拡大図である。図5は第1の実施の形態におけるハブのインナーハブと動力遮断部材との嵌合部分の部分拡大側断面図である。図6は第1の実施の形態において、動力遮断部材のトルクリミッタが作動した状態の部分側断面図である。図1から6の要素部分の符号は、図10から12の従来例の同様な要素部分の符号に対応している。
図1に示す本発明の第1の実施の形態の動力伝達装置10は、車両用カーエアコンに使用されており、エンジン等の外部駆動源の回転力をカーエアコンの圧縮機に伝達するための装置であり、動力遮断部材(トルクリミッタ)3を具備する。動力伝達装置10において、外部からの動力が図示されていないベルト等を介して、請求項における回転部に相当するプーリ1に伝達され、プーリの凹凸部101にハブ2の外周に設置された弾性部材からなる、凹凸部201が嵌合することによりハブ2のインナーハブ204に動力伝達される。プーリ側凹凸部101とハブ側凹凸部201は、図2で良く分かるように、お互いに対応する複数の凹凸により嵌合している。動力は更にハブ2から動力遮断部材3に伝達されるが、インナーハブ204と動力遮断部材3とは、インナーハブの嵌合部2041と動力遮断部材の嵌合部301とにおいてインロー嵌合している。
インナーハブ204と動力遮断部材3とのトルク伝達は、例えば図1の正面図である図2の本実施の形態のごとく、動力遮断部材3の(フランジ部306の外周である)六角形状の嵌合部301がハブ2の六角形状の嵌合部2041にインロー嵌合することにより動力伝達したり、本実施の形態には示されていないが、四角、二面幅、八角、十角、十二角等の円ではない形状でトルクを伝達しても良い。ハブ2から動力遮断部材3に伝達された動力は、動力遮断部材3から、本実施の形態においては動力遮断部材3に螺子接合する圧縮機(図示されない)の回転軸4に伝達されて圧縮機を回転駆動する。
図2において、インナーハブの嵌合部2041と動力遮断部材の嵌合部301はインロー嵌合されているが、動力遮断部材3のトルクリミッタが作動した際に、動力遮断部材3のフランジ部306が脱落しないよう、インナーハブ204にはカシメ部2043を設けることによりフランジ部306の脱落を防止する。動力遮断部材3周辺の拡大図である図3及び図4を参照すると、インナーハブ204のカシメによって動力遮断部材3に応力が発生しないように、カシメ部2043に対応する動力遮断部材3のフランジ部306の部位には、カシメの逃げ部304(本実施の形態では6箇所)が設けられている。図4で良く分かるように、ハブ2の六角形状の嵌合部301の場合においてカシメ部2043は、各六角形の辺に1個づつ計6個設けられることが好ましいが、カシメ部の数はこれより多くても少なくても良く、もちろんハブ2の嵌合部2041の形状が異なればカシメ部2043の数が異なっても良い。本実施の形態におけるカシメ部2043とカシメの逃げ部304によるカシメは、前述のごとく圧入状態ではなく、接触のない状態である。従って、動力遮断部材3が破断してフランジ部306が脱落しそうになると、突起状の複数のカシメ部2043の少なくとも幾つかに、フランジ部306の嵌合部301が引っかかるような状態になるので、フランジ部306の脱落が回避される。
図5はハブ2と動力遮断部材3との嵌合部分の拡大図である。図5で良く分かるように、ハブ2と動力遮断部材3とは、半径方向においてそれぞれの嵌合部2041と301で隣接して対面しており、回転軸4の軸方向においてハブ2のフランジ部の外面2045と動力遮断部材3のフランジ部306の内面3061で接している。動力遮断部材3は回転軸4にねじ込まれる方向で回転させられるので、ハブの外面2045に動力遮断部材3の内面3061が当たり反力を受けることにより、回転力(トルク)は軸力に比例的に変換されて回転軸4に作用し、トルクが増大すると軸力も増大し、トルクが所定値を超えると増大した軸力により破断部302において動力遮断部材3は破断する。
一方、インナーハブ204には、動力遮断部材3の挿入のために、R形状や平面形状等の面取り形状2044が設置され、動力遮断部材3には根元R形状305が設けられている。インナーハブ204と動力遮断部材3の軸ずれが大きいと、面取り部分2044と根元R形状305が干渉してしまい、動力遮断部材3の破断部302には、均等に応力が発生せず、動力遮断性能が大きくばらついてしまう。従って、面取り部分2044と根元R形状305が干渉を防ぐために、インナーハブ204と動力遮断部材3との軸ずれを防止する必要があり、インロー嵌合の隙間の公差を規定することにより、動力遮断性能に影響するような程度の軸ずれを防止している。インロー嵌合の隙間は、0.001mm以上とし、上限は動力遮断部材3の嵌合部301の径に対し15%の隙間とすることが好ましく、更には前記上限は最大でも3mmであることが好ましい。本実施の形態において、対象となるインロー嵌合の隙間とは、図4において良く分かるように、動力遮断部材3の嵌合部301の角部3011と、ハブ2の嵌合部2041の角部2046との間の隙間である。動力遮断部材3の嵌合部301の角部3011と、ハブ2の嵌合部2041の角部2046とは共に、図4に示す断面において円で形成される。従って、上記の上限の規定の基準となる動力遮断部材3の嵌合部301の径とは、角部3011における外接円の直径であり、該インロー嵌合におけるこの外接円に対応するハブ側は、角部2046における内接円の直径である。
図6は動力遮断部材3のトルクリミッタが作動した図である。動力遮断部材3は、破断部302で切断して動力遮断される場合に、動力遮断部材3の螺子部303は、圧縮機の回転軸4と接合した状態が保持されるので脱落の心配はないが、一方のフランジ部306はこのままでは脱落してしまう。本実施の形態においては上記の如く、インロー嵌合部分にカシメ結合を設けており、動力遮断部材3に余計な応力が発生しないカシメとするために、動力遮断部材3にはカシメの逃げ部304を設置した。
図7は本発明の第2の実施の形態の側断面図であり、図8は図7の拡大図である。図7及び8を参照すると、図1から6に開示される第1の実施の形態の要素部分と同じ又は同様である図7及び8の要素部分は、同じ参照符号により指定されている。第2の実施の形態ではインロー嵌合する動力遮断部材3の嵌合部301は、第1の実施の形態のようなフランジ部306にではなく、円筒部305に設けており、インナーハブ204側の嵌合部2041は凹部2045に設けた。この様に本実施の形態では、インロー嵌合部分を動力遮断部材3の動力遮断部よりも回転軸側に設置した例であるが、この場合のインロー嵌合部分の隙間の寸法及びその公差は前記第1の実施の形態の場合と同様である。また、嵌合部分に低摩擦係数材や表面処理を施して、より以上に軸ずれを防止しても良い。本実施の形態における上記の部分以外の構成は、第1の実施の形態と同様であるので説明は省略する。
図9は、本発明の第3の実施の形態の部分側断面図であり、インナーハブ204と動力遮断部材3との嵌合部分に別部品を設置した例である。図9を参照すると、図1から6に開示される第1の実施の形態の要素部分と同じ又は同様である図9の要素部分は、同じ参照符号により指定されている。第3の実施の形態では、動力遮断部材3のインロー嵌合部301は、第1と第2の実施の形態のような動力遮断部材3と一体ではなく、別体の環9を圧入、溶着、接着等により装着している。本実施の形態の場合は、前記第1又は第2の実施の形態のように隙間が精度良く仕上げられていなくても、環9は、例えばPTFE等の低摩擦係数材の部品や、摺動に有効な樹脂やモリブデンなどを表面処理した部品を設置しても良い。環9は、ハブ2側に装着されても良く、更に結合(接合)されない状態で装着されても良い。本実施の形態における上記の部分以外の構成は、第2の実施の形態と同様であるので説明は省略する。
図13はその他の実施の形態の、図5と同様なハブ2と動力遮断部材3との嵌合部分の部分拡大側断面図である。本実施の形態においては、ハブの外面2045の内側根元部付近全周にわたって設けた根元R形状305が溝状に形成されている。根元R形状305は半円状の断面形状を有することが好ましいが、溝状であれば別の断面形状であっても良い。このように、根元R形状305を溝状に形成することで、根元R形状305に対するインナーハブ204側の対向する角部である面取り形状2044と根元R形状305が当接したりして干渉することを確実に回避できる。本実施の形態における上記の部分以外の構成は、第1の実施の形態と同様であるので説明は省略する。
次に上記実施の形態の効果及び作用について説明する。
本発明の第1の実施の形態の動力伝達装置により以下の効果が期待できる。
・この螺子締結を利用したトルクリミッタ方式の動力伝達装置において、動力遮断部材と、動力遮断部材を収納するインナーハブの嵌合部分とを所定の可動介差で仕上げられたインロー嵌合とすることにより、動力遮断部材とインナーハブとの軸ずれを防止して、動力遮断特性を安定させることが出来る。
・また、インナーハブの嵌合部分を僅かにカシメる締結構造とすることにより、トルクリミッタ作動後に動力遮断部材のフランジ部分が脱落することを防止する。
・これにより、低コストで性能の良い動力伝達装置を供給する。
本発明の第2の実施の形態の動力伝達装置により、第1の実施の形態と同様な効果を発揮できる。
本発明の第3の実施の形態の動力伝達装置により、第1の実施の形態の効果に加えて、以下の効果が期待できる。
・インナーハブと動力遮断部材とのインロー嵌合の公差を厳しく管理しなくても、動力遮断特性を安定させることが出来る。
・従って、動力伝達装置の製作及び組み立てがより容易になり、それによりコスト低減できる。
上記の実施例では本発明が車両用カーエアコンの圧縮機のための動力伝達装置として使用された例を示したが、本発明はこれ以外の用途に適用されても良く、本発明の適用をカーエアコン用に限定するものではない。
上記において記載した、あるいは添付図面に示した実施の形態において、駆動源の動力は、ベルト及びプーリを介して伝達される構成で説明されたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、歯車等の別の機構を介して動力が伝達されても良い。
上記の実施の形態は本発明の例であり、本発明は、該実施の形態により制限されるものではなく、請求項に記載される事項によってのみ規定されており、上記以外の実施の形態も実施可能である。
図1は、本発明に係る動力伝達装置の第1の実施の形態の図解的側断面図である。 図2は図1の線A−Aに沿う正面図である。 図3は、図1における動力遮断部材周辺の部分拡大図である。 図4は、図2における動力遮断部材周辺の部分拡大図である。 図5は第1の実施の形態におけるハブのインナーハブと動力遮断部材との嵌合部分の部分拡大側断面図である。 図6は第1の実施の形態において、動力遮断部材のトルクリミッタが作動した状態の部分側断面図である。 図7は本発明の第2の実施の形態の側断面図である。 図8は図7の拡大図である。 図9は本発明の第3の実施の形態の側断面図である。 図10は上記の様なトルクリミッタ(動力遮断部材)を有する動力伝達装置の従来例の側断面図である。 図11は図10の部分拡大図である。 図12は、従来例においてトルクリミッタが作動した状態を示す部分側断面図である。 図13は、その他の実施の形態を示しており、図5と同様なインナーハブと動力遮断部材との嵌合部分の部分拡大側断面図である。
符号の説明
1 プーリ
101 プーリ側凹凸部
2 ハブ
201 ハブ側凹凸部
204 インナーハブ
2041 嵌合部
2043 カシメ部
3 動力遮断部材
301 嵌合部
302 破断部
303 螺子部
304 カシメの逃げ部
306 フランジ部
4 回転軸
10 動力伝達装置

Claims (11)

  1. 駆動源からの回転駆動力が伝達される回転可能な回転部(1)と、
    前記回転部(1)と被駆動装置の回転軸(4)との間の過大トルクの伝達を遮断する動力遮断部材(3)であって、前記回転軸(4)に螺子接合して一体に回転する動力遮断部材(3)と、
    一方で前記回転部(1)に接続し、他方で前記動力遮断部材(3)に接続するハブ(2)と、を具備する動力伝達装置(10)において、
    前記動力遮断部材(3)に設けられた動力遮断部材側嵌合部(301)は、前記ハブ(2)に設けられたハブ側嵌合部(2041)に収容されるように嵌合して、前記ハブ(2)の回転により前記動力遮断部材(3)が共に回転するように形成されており、
    前記動力遮断部材側嵌合部(301)と前記ハブ側嵌合部(2041)との間にあって且つ前記回転軸(4)の軸線に垂直な半径方向の嵌合隙間は、0.001mm以上でその上限が前記動力遮断部材側嵌合部(301)の外接円直径の15%である範囲にあることを特徴とする動力伝達装置。
  2. 前記嵌合隙間の上限は最大でも3mmであることを特徴とする請求項1に記載の動力伝達装置。
  3. 前記動力遮断部材側嵌合部(301)及び前記ハブ側嵌合部(2041)の少なくともいずれか一方の少なくとも表面部分は、例えばPTFE、樹脂、モリブデン等の低摩擦係数材料を含んで形成されることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の動力伝達装置。
  4. 前記動力遮断部材側嵌合部(301)及び前記ハブ側嵌合部(2041)のいずれか一方に別体の部材(9)が装着されて、前記ハブ(2)から前記動力遮断部材(3)への動力伝達は、前記別体の部材(9)と、前記別体の部材(9)が装着されていない前記動力遮断部材側嵌合部(301)と前記ハブ側嵌合部(2041)のいずれか一方との間で行われることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の動力伝達装置。
  5. 前記別体の部材(9)の少なくとも表面部分は、例えばPTFE、樹脂、モリブデン等の低摩擦係数材料を含んで形成されることを特徴とする請求項4に記載の動力伝達装置。
  6. 駆動源からの回転駆動力が伝達される回転可能な回転部(1)と、
    前記回転部(1)と被駆動装置の回転軸(4)との間の過大トルクの伝達を遮断する動力遮断部材(3)であって、前記回転軸(4)に螺子接合して一体に回転する動力遮断部材(3)と、
    一方で前記回転部(1)に接続し、他方で前記動力遮断部材(3)に接続するハブ(2)と、を具備する動力伝達装置(10)において、
    前記動力遮断部材(3)の動力遮断部材側嵌合部(301)は、前記ハブ(2)のハブ側嵌合部(2041)に収容されるように嵌合しており、
    前記動力遮断部材側嵌合部(301)及び前記ハブ側嵌合部(2041)の少なくともいずれか一方に別体の部材(9)が装着されて、前記ハブ(2)から前記動力遮断部材(3)への動力伝達が、前記別体の部材(9)と、前記別体の部材(9)が装着されていない前記動力遮断部材側嵌合部(301)と前記ハブ側嵌合部(2041)のいずれか一方との間で行われることにより、前記ハブ(2)の回転により前記動力遮断部材(3)が共に回転するように形成されており、
    前記別体の部材(9)の少なくとも表面部分は、例えばPTFE、樹脂、モリブデン等の低摩擦係数材料を含んで形成されることを特徴とする動力伝達装置。
  7. 前記動力遮断部材側嵌合部(301)及び前記ハブ側嵌合部(2041)の、前記回転軸(4)に垂直な面における断面形状は、六角形、四角形、二面幅、八角形、十角形、十二角形等の円ではない形状であることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の動力伝達装置。
  8. 前記動力遮断部材側嵌合部(301)と前記ハブ側嵌合部(2041)との前記回転軸(4)の軸線方向において対面するそれぞれの面(3061,2045)は接していることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の動力伝達装置。
  9. 前記動力遮断部材側嵌合部(301)と前記ハブ側嵌合部(2041)と前記対面して接するそれぞれの面(3061,2045)の角部(305,2044)は面取りされて、お互いに干渉しないように形成されることを特徴とする請求項8に記載の動力伝達装置。
  10. 前記動力遮断部材(3)の動力遮断部(302)よりも前記ハブ側において、前記ハブ側嵌合部(2041)の嵌合面には、半径方向に作用する凸状のカシメ部(2043)が設けられており、前記カシメ部(2043)に対面して対応する前記動力遮断部材側嵌合部(301)には凹状のカシメの逃げ部(304)が設けられており、前記カシメ部(2043)と前記カシメの逃げ部(304)との間の隙間の寸法は、嵌合隙間より大きいことを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の動力伝達装置。
  11. 被駆動装置としての車両用カーエアコンの圧縮機に連結されることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の動力伝達装置。
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