JP4800890B2 - 動力伝達機構 - Google Patents
動力伝達機構 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4800890B2 JP4800890B2 JP2006260822A JP2006260822A JP4800890B2 JP 4800890 B2 JP4800890 B2 JP 4800890B2 JP 2006260822 A JP2006260822 A JP 2006260822A JP 2006260822 A JP2006260822 A JP 2006260822A JP 4800890 B2 JP4800890 B2 JP 4800890B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- shaft
- nut
- pulley
- adapter
- hub
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Transmission Devices (AREA)
Description
しかしながら、このような構成では、構造が簡単であるため、製造コスト上、有利ではあるものの、試行錯誤的に破断部の寸法及び材質等を決定する必要があるため、設計上の困難さがある。
そこで、疲労破壊することなく動力伝達を遮断することのできる構成のものが、以下のように提案されている。
作動トルクの保証幅の下限は、圧縮機の正常運転時の最大トルク以上である必要があり、上限は駆動ベルト保護やエンジンストール防止の観点から、ベルトがすべるトルクとエンジンがストールするトルクよりも小さいことが必須である。
作動トルクの保証幅が小さくなければ、車両として成立しなくなることから、ばらつきの小さいトルクリミッタの実現が希求されている。
本発明はこのような課題を改善するために提案されたものであって、部材を破断させることで、過大トルクを逃がすのではなく、過大なトルクが加わると部材螺子面と座面が滑り、部材を緩める方向に移動させることで、動力伝達側を空転させ、軸力を遮断することができる、動力伝達機構を提供することを目的とする。
図1に、本発明にかかる動力伝達機構を用いた、エンジン等の動力源からの動力を、被駆動装置である、例えばエアコンを構成する圧縮機Pに伝達するための動力伝達機構1を示す。
すなわち、この動力伝達機構1は、動力源から、前記圧縮機Pへベルト等の動力伝達部材(図示省略)を介し回転力を伝達するもので、前記動力伝達部材を架け渡してなるプーリ2と、前記圧縮機Pの被駆動軸Sと軸方向に延設するように連結するシャフト3とを有する。
前記プーリ2は、前記シャフト3周囲にあって、プーリ2内周側にプーリ2と一体構造のハブ4を有している。
そして、このナット5と前記ハブ4とには、ナット5とハブ4とが互いに密接状態で嵌合するように、それぞれナット側回止嵌合部5b、ハブ側回止嵌合部4bを設けている。
この場合、ハブ側回止嵌合部4bは、ハブ4に、多角形状(例えば6角形)の凹部として形成され、前記ナット側回止嵌合部5bは、ナット5の頭部フランジ部5fの外形を、前記6角形凹部のハブ側回止嵌合部4bに対応する、6角形の角筒として形成している(図2参照)。
すなわち、前記ナット5とハブ4とは、前記ナット側回止嵌合部5b、ハブ側回止嵌合部4bを介して密接状態で嵌合することで、前記プーリ2からの回転動力を、前記シャフト3、すなわち前記圧縮機Pの被駆動軸Sに伝達する構成としている。
なお、このスペーサ6はなくてもよい。
さらに、前記シャフト3の先端には、前記ナット5の脱落防止用の脱落防止手段7を設けている。この脱落防止手段7としては、図示するように、C型止輪を用いることができる。
今、エンジン側から、動力伝達機構1におけるプーリ2に掛け渡されたベルト等の動力伝達部材を介し、回転力が伝えられると、この回転力は、前記プーリ2内側のハブ4、ナット5を通じて、シャフト3を介し、エアコンを構成する圧縮機Pの被駆動軸Sに伝達することができ、エアコンを運転することができる。前記圧縮機Pが正常に機能しているときは、所定のトルクで回転動作することができ、前記動力伝達機構1は、支障なく回転力を前記圧縮機Pに伝達することができる(図1参照)。
そうすると、シャフト3の螺子面とナット5の螺子面、さらには、前記圧縮機Pの被駆動軸S寄りのシャフト3とスペーサ6との密接面に、通常の回転トルク以上の過大なトルクがかかることになる。
そのため、前記シャフト3の螺子面とナット5の螺子面、並びに圧縮機Pの被駆動軸S寄りのシャフト3とスペーサ6との密接面とが滑り始める。
その際、前記ナット5は前記ハブ4と、ナット側回止嵌合部5b、ハブ側回止嵌合部4bを介して密接嵌合しているので、プーリ2およびハブ4と共に、前記ナット5は、回転し続ける。これにより、前記シャフト3の螺子面をナット5が、緩む方向に滑ることになり、次第に、前記ナット5のみが前記シャフト3上を、シャフト3先端側に移動していき、前記ナット5が前記ハブ4のハブ側回止嵌合部4bから離脱して、前記ナット5は前記ハブ4との結合状態が解消され、この結果、前記プーリ2およびハブ4が空回りすることになり、これによって回転動力が遮断された状態となるのである(図3参照)。
なお、前記ナット5がシャフト3上を先端側に向かって移動していっても、シャフト3の先端には、脱落防止手段7であるC型止輪を設けているので、前記ナット5が脱落するというようなことはない。
以上のように、上記動力伝達機構1では、動力伝達側である、プーリ2およびハブ4と、動力受容側であるシャフト3に螺着したナット5とを、ナット5を相対的に緩む方向に滑らして動力結合状態を遮断することで達成したので、これまでのように、部材を破断させることで、過大トルクを逃がしていた構成と異なり、復旧時、破断させた部品に変わって、交換部品を組み付けるという手間も不要であり、交換部品も不要である。
このことは、言い換えれば、ナット5の滑り、すなわち緩みトルクは、製造段階で測定することができるため、作動トルクの保証が容易となる。
この場合の動力伝達機構1では、プーリ2単品で作動トルクを決定付けるようにしたもので、動力伝達側であるプーリ2およびハブ4とを、動力受容側であるシャフト3先端側に、アダプタ10を介して、シャフト3先端側からボルト11で組み付ける構成としている(図4参照)。
この場合、前記シャフト3先端側と前記アダプタ10とは、図示は省略するが、スプライン加工が施され、スプライン結合部Spとして構成している。なお、前記シャフト3先端側と前記アダプタ10とは、セレーション加工を施して、セレーション結合部Srとしてもよい。
そして、前記アダプタ10外周には螺刻して、ナット5を螺着している。このナット5は、前記ハブ4と、ナット側回止嵌合部5b、ハブ側回止嵌合部4bを介して密接嵌合している。
2 プーリ
3 シャフト
4 ハブ
4b ハブ側回止嵌合部
5 ナット
5b ナット側回止嵌合部
5f フランジ部
6 スペーサ
7 脱落防止手段
10 アダプタ
11 ボルト
P 圧縮機
S 被駆動軸
Sp スプライン結合部
Sr セレーション結合部
Claims (6)
- 動力源と動力的に結合してなるプーリ(2)を介し、被駆動装置へ、この被駆動装置と連なるシャフト(3)に、回転動力を伝達する動力伝達機構(1)であって、
前記シャフト(3)の外周部に螺刻してナット(5)を螺入し、
このナット(5)と、前記プーリ(2)内周側に位置するハブ(4)とを、動力的に連結、遮断可能に嵌合する構成として、前記プーリ(2)からの回転動力を所定の伝達トルク内で前記シャフト(3)に伝達可能に構成し、
前記被駆動装置と連なるシャフト(3)が回転不能時、前記ナット(5)とシャフト(3)の外周部との螺着面にかかる前記所定の伝達トルクを超えた過大トルクにより、前記ナット(5)を緩む方向に滑らせることで、前記ナット(5)を、前記シャフト(3)上をシャフト先端側に向かって移動させて、前記プーリ(2)からの回転動力を遮断する構成としたことを特徴とする動力伝達機構。 - 前記ハブ(4)は、前記被駆動装置寄りのシャフト(3)に接触させてなるスペーサ(6)を備え、前記被駆動装置と連なるシャフト(3)が回転不能時、前記ナット(5)とシャフト(3)の外周部との螺着面と、前記スペーサ(6)とシャフト(3)との接触面にかかる、前記所定の伝達トルクを超えた過大トルクにより、前記ナット(5)を緩む方向に滑らせることで、前記ナット(5)を、前記シャフト(3)上をシャフト先端側に向かって移動させて、前記プーリ(2)からの回転動力を遮断する構成としたことを特徴とする請求項1記載の動力伝達機構。
- 動力源と動力的に結合してなるプーリ(2)を介し、被駆動装置へ、この被駆動装置と連なるシャフト(3)に、回転動力を伝達する動力伝達機構(1)であって、
前記プーリ(2)内周側に位置するハブ(4)を、前記シャフト(3)先端側に、アダプタ(10)を介して、シャフト(3)先端側からボルト(11)で組み付ける構成とし、
前記シャフト(3)先端側と前記アダプタ(10)とをスプライン結合部(Sp)として構成する一方、前記アダプタ(10)外周には螺刻して、ナット(5)を螺入し、
このナット(5)と、前記ハブ(4)とを、動力的に連結、遮断可能に嵌合する構成として、前記プーリ(2)からの回転動力を所定の伝達トルク内で前記シャフト(3)に伝達可能に構成し、
前記ボルト(11)と前記アダプタ(10)とを接触させ、
前記被駆動装置と連なるシャフト(3)が回転不能時、前記アダプタ(10)外周とナット(5)との螺着面と、前記ボルト(11)と前記アダプタ(10)との接触面にかかる前記所定の伝達トルクを超えた過大トルクにより、前記シャフト(3)先端側の前記ボルト(11)と前記アダプタ(10)との接触面が滑り始め、前記プーリ(2)および前記ハブ(4)と共に、前記ナット(5)が回転し、前記ナット(5)を緩む方向に滑らせることで前記アダプタ(10)外周を移動させて、前記プーリ(2)からの回転動力を遮断する構成としたことを特徴とする動力伝達機構。 - 動力源と動力的に結合してなるプーリ(2)を介し、被駆動装置へ、この被駆動装置と連なるシャフト(3)に、回転動力を伝達する動力伝達機構(1)であって、
前記プーリ(2)内周側に位置するハブ(4)を、前記シャフト(3)先端側に、アダプタ(10)を介して、シャフト(3)先端側からボルト(11)で組み付ける構成とし、
前記シャフト(3)先端側と前記アダプタ(10)とをセレーション結合部(Sr)として構成する一方、前記アダプタ(10)外周には螺刻して、ナット(5)を螺入し、
このナット(5)と、前記ハブ(4)とを、動力的に連結、遮断可能に嵌合する構成として、前記プーリ(2)からの回転動力を所定の伝達トルク内で前記シャフト(3)に伝達可能に構成し、
前記ボルト(11)と前記アダプタ(10)とを接触させ、
前記被駆動装置と連なるシャフト(3)が回転不能時、前記アダプタ(10)外周とナット(5)との螺着面と、前記ボルト(11)と前記アダプタ(10)との接触面にかかる前記所定の伝達トルクを超えた過大トルクにより、前記シャフト(3)先端側の前記ボルト(11)と前記アダプタ(10)との接触面が滑り始め、前記プーリ(2)および前記ハブ(4)と共に、前記ナット(5)が回転し、前記ナット(5)を緩む方向に滑らせることで前記アダプタ(10)外周を移動させて、前記プーリ(2)からの回転動力を遮断する構成としたことを特徴とする動力伝達機構。 - 前記シャフト(3)の先端には、前記ナット(5)の脱落防止用の脱落防止手段(7)を設ける構成としたことを特徴とする請求項1または2記載の動力伝達機構。
- 前記ボルト(11)の先端には、前記ナット(5)の脱落防止用の脱落防止手段(7)を設ける構成としたことを特徴とする請求項3または4記載の動力伝達機構。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006260822A JP4800890B2 (ja) | 2006-09-26 | 2006-09-26 | 動力伝達機構 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006260822A JP4800890B2 (ja) | 2006-09-26 | 2006-09-26 | 動力伝達機構 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008082388A JP2008082388A (ja) | 2008-04-10 |
JP4800890B2 true JP4800890B2 (ja) | 2011-10-26 |
Family
ID=39353470
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006260822A Expired - Fee Related JP4800890B2 (ja) | 2006-09-26 | 2006-09-26 | 動力伝達機構 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4800890B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5407827B2 (ja) * | 2009-12-15 | 2014-02-05 | 株式会社デンソー | 圧縮機 |
JP6217499B2 (ja) * | 2014-04-07 | 2017-10-25 | 株式会社デンソー | トルクリミッタ付き回転機器 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3047939B2 (ja) * | 1992-02-26 | 2000-06-05 | 日本精工株式会社 | 制振部材を備えた送りねじ機構 |
JPH1113624A (ja) * | 1997-06-26 | 1999-01-19 | Zexel Corp | クラッチレス圧縮機 |
JP4561411B2 (ja) * | 2004-10-26 | 2010-10-13 | 株式会社デンソー | 動力伝達装置 |
-
2006
- 2006-09-26 JP JP2006260822A patent/JP4800890B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2008082388A (ja) | 2008-04-10 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP2302244B1 (en) | Power transmission device | |
JP4273595B2 (ja) | 動力伝達装置 | |
JP4800890B2 (ja) | 動力伝達機構 | |
JP2006336682A (ja) | 動力伝達装置 | |
JP4127082B2 (ja) | 動力伝達機構 | |
US7837563B2 (en) | Power transmission device | |
US20070062776A1 (en) | Torque-controlling mechanism for transmission shaft | |
JP4196967B2 (ja) | 動力伝達機構 | |
EP2707626B1 (en) | Improved over-torque protector device for a compressor | |
JP4100329B2 (ja) | 動力伝達機構及びその組立方法 | |
US7303478B2 (en) | Power transmission mechanism capable of preventing breakage of a rotating shaft | |
JP2007224937A (ja) | 回転トルク伝達装置 | |
US7666100B2 (en) | Power transmission device | |
JP2006292042A (ja) | 動力伝達装置 | |
JP2007092921A (ja) | 動力伝達装置 | |
JP4613783B2 (ja) | 動力伝達装置 | |
JP4407715B2 (ja) | 動力遮断組立体の出荷方法および動力遮断組立体出荷ユニット | |
JP4285465B2 (ja) | 動力伝達装置 | |
US20040058734A1 (en) | Flexible rotational drive coupling device | |
JPH08338441A (ja) | 過負荷防止装置 | |
JP2008075730A (ja) | 動力伝達装置 | |
JP2019138377A (ja) | 動力伝達機構 | |
JP2001082502A (ja) | カップリング | |
JP2005249056A (ja) | 動力伝達装置 | |
JP4803022B2 (ja) | 動力伝達装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20081022 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110125 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20110127 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110318 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20110726 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20110804 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140812 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |