JP2005249056A - 動力伝達装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】正常時においては動力の伝達が不必要に遮断されることなく、かつ異常時には動力の伝達を確実に遮断できるトルクリミット機能を有した動力伝達装置を提供すること。
【解決手段】回転駆動されるハブ16と、ハブ16に螺子結合された駆動軸11との間にストッパ部材32が介在されている。ストッパ部材32は、駆動軸11に対するハブ16の締付方向への螺進を当接規制する。ストッパ部材32が過大なトルクの伝達によって変形することで、駆動軸11に対するハブ16の締付方向への螺進が許容される。ハブ16が前記締付方向へ螺進されると、ハブ16において、動力が入力される部分と駆動軸11に対して螺子結合された部分とが、回転中心軸線Lに沿う方向へと相対変位される。この相対変位に基づく応力と、過大なトルクの伝達に基づく応力とでハブ16の破断予定部が破断され、ハブ16から駆動軸11への動力の伝達が遮断される。
【選択図】 図3
【解決手段】回転駆動されるハブ16と、ハブ16に螺子結合された駆動軸11との間にストッパ部材32が介在されている。ストッパ部材32は、駆動軸11に対するハブ16の締付方向への螺進を当接規制する。ストッパ部材32が過大なトルクの伝達によって変形することで、駆動軸11に対するハブ16の締付方向への螺進が許容される。ハブ16が前記締付方向へ螺進されると、ハブ16において、動力が入力される部分と駆動軸11に対して螺子結合された部分とが、回転中心軸線Lに沿う方向へと相対変位される。この相対変位に基づく応力と、過大なトルクの伝達に基づく応力とでハブ16の破断予定部が破断され、ハブ16から駆動軸11への動力の伝達が遮断される。
【選択図】 図3
Description
本発明は、例えば、車両の走行駆動源たる内燃機関から、車両用空調装置に用いられる冷媒圧縮機へと動力を伝達するための動力伝達装置に関し、特に内燃機関から冷媒圧縮機への過大なトルクの伝達を阻止するためのトルクリミット機能を有する動力伝達装置に関する。
この種の動力伝達装置としては、例えば特許文献1に開示されたものが存在する。すなわち、図7に示すように、動力伝達装置は、内燃機関(エンジン)によってベルト駆動されるプーリ92と、該プーリ92に対して一体回転可能に連結されたハブ94と、該ハブ94が螺子結合された冷媒圧縮機の駆動軸96とからなっている。ハブ94から駆動軸96へのトルクの伝達は、両者94,96間の螺子結合が緩むことを防止する等を目的として、該螺子結合が締まる方向へとなされる。
前記ハブ94には破断予定部94aが設けられている。破断予定部94aには、ハブ94から駆動軸96へのトルクの伝達に起因した応力が集中されることとなる。従って、冷媒圧縮機がデッドロック等の異常状態となることで、ハブ94から駆動軸96へと伝達されるトルクが過大となった場合には、破断予定部94aが破断されて、ハブ94から駆動軸96へのトルクの伝達が遮断される。よって、冷媒圧縮機の過大な駆動トルク(冷媒圧縮機を駆動するのに必要なトルク)の影響がエンジン側へと波及されることを防止でき、例えばエンジンのストール等を回避することができる。
特開2003−161333号公報(第3〜6頁、第1図)
ところが、前記ハブ94の破断予定部94aに破断が生じるトルク値は、徐々にトルクを掛けて(上昇させて)いった場合には比較的高く、振動的にトルクを掛けた場合には低いものとなる。つまり、破断予定部94aは、例えば冷媒圧縮機に異常が生じて、該冷媒圧縮機の駆動トルクに基づく応力が一義的に上昇するような状況下では破断し難い傾向にある。また、破断予定部94aは、例えば冷媒圧縮機の正常運転時における駆動トルクの変動が過大であると破断し易い傾向にある。
従って、前記冷媒圧縮機の異常時において確実に破断されるよう、破断予定部94aの破断特性を設定すると、冷媒圧縮機の正常時においても破断予定部94aがさらに破断し易くなり、エンジンからの動力の伝達が不必要に遮断されてしまう問題がある。
逆に、前記冷媒圧縮機の正常時におけるトルク変動によっては破断されないように、破断予定部94aの破断特性を設定すると、冷媒圧縮機の異常時においても破断予定部94aがさらに破断し難くなる。冷媒圧縮機の異常時において破断予定部94aが破断し難いと、該破断予定部94aが破断するよりも前に、エンジンからのベルト91がプーリ92に対して滑り始める問題がある。ベルト91がプーリ92に対して滑る動摩擦の支配下では、該滑りが生じる直前つまり静摩擦の支配下と比較して、破断予定部94aに生じる、トルクの伝達に基づく応力が低下する。つまり、ベルト91がプーリ92に対して滑り始めると、破断予定部94aが一向に破断せずに、冷媒圧縮機の過大な駆動トルクの影響がエンジンに波及され続ける問題がある。
以上のようなことから、従来において前記破断予定部94aは、冷媒圧縮機の正常状態においては破断されないように、かつ冷媒圧縮機の異常状態では、ベルト91が滑るよりも前において確実に破断されるように、狭い範囲を狙って破断特性を設定する必要があり、その設定が困難となっていた。
特に、前記エンジンに併設された複数の補機類(冷媒圧縮機も含む)を一つのベルト91で駆動する構成(所謂サーペンタイン駆動方式)の場合、冷媒圧縮機のプーリ92に対するベルト91の巻角が小さくなる。この場合には、冷媒圧縮機の異常時において、ベルト91がプーリ92に対して滑り始めるトルク値が小さくなり、破断予定部94aの破断特性の設定範囲がさらに狭くなる問題があった。
本発明の目的は、正常時においては動力の伝達が不必要に遮断されることなく、かつ異常時には動力の伝達を確実に遮断できるトルクリミット機能を有した動力伝達装置を提供することにある。
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明の動力伝達装置は、回転駆動される第1回転体と、該第1回転体に螺子結合された第2回転体との間に、ストッパ部材が介在されている。ストッパ部材は、第2回転体に対する第1回転体の締付方向への螺進を当接規制する。ストッパ部材は変形可能である。そして、ストッパ部材が、第1回転体から第2回転体への過大なトルクの伝達によって変形することで、第2回転体に対する第1回転体の締付方向への螺進が許容される。
前記第1回転体が第2回転体に対して締付方向へ螺進されると、該第1回転体において、動力が入力される部分と第2回転体に対して螺子結合された部分とが、第1及び第2回転体の回転中心軸線に沿う方向へと相対変位される。該相対変位によって破断予定部には、第1回転体から第2回転体への過大なトルクの伝達に基づく応力とは異なる応力が作用されることとなる。従って、この相対変位に基づく応力と、過大なトルクの伝達に基づく応力とで破断予定部が破断され、第1回転体から第2回転体への動力の伝達が遮断される。
つまり、本発明によれば、正常時におけるトルクの伝達によっては破断し難いように、破断予定部の破断特性を設定しても、異常時においては、第2回転体に対する第1回転体の締付方向への螺進に補助されるため、破断予定部を確実に破断させることができる。
請求項2の発明は請求項1において、前記ストッパ部材の好適な一態様について言及するものである。即ち、第1回転体には、前記螺進方向へと向かう被規制面が設けられている。第2回転体には、被規制面と対向する方向へと向かう規制面が設けられている。ストッパ部材は、被規制面と規制面との間に介在されている。そして、第1回転体から第2回転体への過大なトルクの伝達によって、被規制面と規制面との間におけるストッパ部材の厚みが減少(言い換えればストッパ部材が変形)することで、第2回転体に対する第1回転体の締付方向への螺進が許容される。
請求項3の発明は請求項1又は2において、前記ストッパ部材の変形とは、該ストッパ部材が脆性破壊されることである。従って、ストッパ部材が脆性破壊されるまでは、第2回転体に対する第1回転体の締付方向への螺進が許容されない。よって、例えば、ストッパ部材としてゴム等の弾性部材を用いた場合と比較して、正常時においては、第1回転体から第2回転体へのトルク伝達によってもストッパ部材が殆ど変形しないため、動力の伝達が不必要に遮断されることをさらに効果的に防止できる。また、異常時には、ストッパ部材が一気に脆性破壊することで、言い換えればストッパ部材が一気に大きく変形することで、第1回転体が第2回転体に対して速やかかつ大きく締付方向へと螺進し、動力の伝達をさらに確実に遮断することができる。
請求項4の発明は請求項3において、前記ストッパ部材の好適な一態様について言及するものである。即ち、ストッパ部材は、ガラス製又はセラミックス製である。
請求項5の発明は請求項1〜4のいずれか一項において、前記第1回転体には車両の走行駆動源が作動連結されている。第2回転体は、走行駆動源によって駆動される回転機械の駆動軸である。従って、回転機械の正常時においては走行駆動源からの動力の伝達が不必要に遮断されることなく、かつ回転機械の異常時には走行駆動源からの動力の伝達を確実に遮断できる。よって、回転機械の過大な駆動トルクの影響が走行駆動源へと波及されることを防止できる。
請求項5の発明は請求項1〜4のいずれか一項において、前記第1回転体には車両の走行駆動源が作動連結されている。第2回転体は、走行駆動源によって駆動される回転機械の駆動軸である。従って、回転機械の正常時においては走行駆動源からの動力の伝達が不必要に遮断されることなく、かつ回転機械の異常時には走行駆動源からの動力の伝達を確実に遮断できる。よって、回転機械の過大な駆動トルクの影響が走行駆動源へと波及されることを防止できる。
上記請求項1〜5の発明によれば、正常時においては動力の伝達が不必要に遮断されることなく、かつ異常時には動力の伝達を確実に遮断できるトルクリミット機能を有した動力伝達装置を提供することができる。
以下、本発明を、車両空調装置の冷媒圧縮機に備えられ、車両の走行駆動源たる内燃機関(エンジン)からの動力を冷媒圧縮機の駆動軸へと伝達するための動力伝達装置において具体化した一実施形態について説明する。
図1は、回転機械としての前記冷媒圧縮機Cを示す縦断面部分図であり、特に動力伝達装置PTの付近を示す図である。冷媒圧縮機Cのハウジング10には、第2回転体としての駆動軸11が回転可能に支持されている。駆動軸11は鉄系の金属材料よりなっている。駆動軸11において図面左方側の端部11aは、機外側へと取り出されている。
前記ハウジング10の外壁には、駆動軸11の端部11aを取り囲む円筒部13が突設されている。円筒部13の外側には、プーリ14がベアリング15を介して回転可能に支持されている。プーリ14には、その外周に巻き掛けられたベルト30を介して、エンジンEから動力が入力される。なお、エンジンEに併設された複数の補機類(冷媒圧縮機Cも含む。その他の補機類は図示しない)の駆動には、一つのベルト30を共用した所謂サーペンタイン駆動方式が用いられている。
前記駆動軸11の端部11aには、第1回転体としてのハブ16が締結固定されている。ハブ16は鉄系の金属材料よりなっている。ハブ16は、円筒状をなす外周部21と、駆動軸11に対して締結固定された内周部22とが、柱状をなす複数の連結部23(本実施形態においては三つ)によって連結されてなる。
前記ハブ16において外周部21の外周面と、プーリ14の内周面とは、それぞれに接着及び凹凸嵌合されたゴムダンパ17を介して連結されている。従って、プーリ14とハブ16は一体回転可能であって、エンジンEからプーリ14に入力された動力は、ゴムダンパ17を介してハブ16へと伝達され、さらには該ハブ16から駆動軸11へと伝達される。この動力の伝達によって駆動軸11が回転することで、ハウジング10内に収容された圧縮機構Kが動作されて冷媒ガスの圧縮が行われる。なお、ゴムダンパ17は、冷媒圧縮機Cの駆動トルク(冷媒圧縮機C(圧縮機構K)を駆動するのに必要なトルク)の変動がエンジンE側へと波及されることを、その弾性変形によって緩和するためのものである。
図2に示すように、前記ハブ16の各連結部23において内周部22との境界付近は、細肉とされて破断予定部24をなしている。破断予定部24には、ハブ16から駆動軸11へのトルクの伝達に起因した応力が集中されることとなる。従って、冷媒圧縮機Cがデッドロック等の異常状態となることで、ハブ16から駆動軸11へと伝達されるトルクが過大となった場合には、破断予定部24が応力によって破断されて、ハブ16から駆動軸11へのトルクの伝達が遮断される。よって、冷媒圧縮機Cの過大な駆動トルクの影響がエンジンE側へと波及されることを防止でき、例えばエンジンEのストール等を回避することができる。
さて、図1及び図3(a)に示すように、前記駆動軸11とハブ16は、螺子結合によって連結されて一体回転可能となっている。即ち、駆動軸11において端部11aの外周面には、雄ネジ部18が刻設されている。駆動軸11の外周面において、雄ネジ部18よりも機内側には、円筒状のネジ座部材19が圧入固定されている。ネジ座部材19には、駆動軸11の端部11a側へと向かう規制面19aが円環状領域に形成されている。
前記ハブ16の内周部22には、ネジ座部材19側に向かって円筒部20が突設されている。円筒部20において貫通孔の内周面には、雌ネジ部20aが刻設されている。ハブ16の雌ネジ部20aは、駆動軸11の雄ネジ部18に螺合されている。雌ネジ部20aと雄ネジ部18との螺合状態にて、ハブ16の円筒部20の端面(被規制面)20bは、ネジ座部材19の規制面19aと対向されている。従って、円筒部20の被規制面20bとネジ座部材19の規制面19aは、駆動軸11に対するハブ16の締付方向への螺進によって接近する関係にあり、特に被規制面20bはこの螺進方向へと向かうようにしてハブ16に配設されていると言える。
前記ネジ座部材19の規制面19aと円筒部20の被規制面20bとの間において、駆動軸11の周りには、円筒状をなすストッパ部材32が配置されている。ストッパ部材32は、ガラス製又はセラミックス製である。ストッパ部材32においてハブ16側の端面32aは、第1ワッシャ31を介して円筒部20の被規制面20bに対して当接されている。ストッパ部材32においてネジ座部材19側の端面32bは、第2ワッシャ33を介してネジ座部材19の規制面19aに対して当接されている。ストッパ部材32は、ハブ16側の端面32aが第1ワッシャ31に、ネジ座部材19側の端面32bが第2ワッシャ33にそれぞれ接着されている。つまり、ストッパ部材32と第1及び第2ワッシャ31,33は一体化されており、冷媒圧縮機Cの組立時におけるそれらの取り扱いが容易となっている。
前記ストッパ部材32の外径は、第1及び第2ワッシャ31,33の外径よりも小さい。ストッパ部材32の内径は、駆動軸11(雄ネジ部18)の外径言い換えれば第1及び第2ワッシャ31,33の内径よりも大きい。従って、ストッパ部材32と駆動軸11との間には、隙間が形成されている。
前記駆動軸11に対するハブ16の組付時においては、ハブ16の雌ネジ部20aが駆動軸11の雄ネジ部18に対して、ネジ座部材19側つまりハブ16と駆動軸11との螺子結合が締まる側へと螺進される。従って、この螺進によって、第1ワッシャ31と第2ワッシャ33との間で、ストッパ部材32に対して圧縮力が作用される。しかし、ストッパ部材32は、駆動軸11に対するハブ16の組付程度の締付トルク(冷媒圧縮機Cの正常時においてハブ16から駆動軸11へと伝達されるトルクの最大値よりも若干大きい)では脆性破壊(変形)されない強度を有している。
つまり、前記ストッパ部材32は、第2ワッシャ33を介したネジ座部材19(規制面19a)による当接支持を受けて、駆動軸11に対するハブ16の組付時における締付方向への螺進を、第1ワッシャ31を介して当接規制する。なお、駆動軸11の雄ネジ部18及びハブ16の雌ネジ部20aは、ハブ16から駆動軸11へのトルクの伝達によって締め付けがきつくなる方向に螺旋が形成されている。
さて、前記冷媒圧縮機Cの異常時において、ハブ16から駆動軸11へ伝達されるトルクが過大となると、該トルクに起因してストッパ部材32に対して作用する、ネジ座部材19の規制面19aと円筒部20の被規制面20bとの間における圧縮力が過大となる。従って、図3(b)に示すように、この過大な圧縮力の作用によってストッパ部材32が脆性破壊されて、被規制面20bと規制面19aとの間におけるストッパ部材32の厚みが減少(消滅も含む)する。
前記ストッパ部材32の厚みが減少すれば、駆動軸11に対するハブ16の締付方向への螺進が許容される。よって、ハブ16に入力されたエンジンEからの動力は、駆動軸11に対するハブ16の締付方向への螺進力に振り向けられる。その結果、ハブ16は、第1ワッシャ31と第2ワッシャ33とが近接或いは当接する位置まで、駆動軸11に対して締付方向へと螺進される。該螺進が止まれば、破断予定部24には、ハブ16から駆動軸11への過大なトルクの伝達に基づく応力が作用されることとなる。
前記ハブ16が駆動軸11に対して締付方向へ螺進されると、該ハブ16において、エンジンEからの動力が入力される外周部21と、駆動軸11に対して螺子結合された内周部22とが、ハブ16及び駆動軸11の回転中心軸線Lに沿う方向へと相対変位される。該相対変位によって破断予定部24には、ハブ16から駆動軸11への過大なトルクの伝達に基づく応力とは異なる応力が作用されることとなる。従って、この相対変位に基づく応力と、過大なトルクの伝達に基づく応力とで破断予定部24が破断され、ハブ16(外周部21)から駆動軸11への動力の伝達が遮断される。
つまり、本実施形態においては、前記冷媒圧縮機Cの正常時におけるトルクの伝達によっては破断し難いように、破断予定部24の破断特性を設定しても、冷媒圧縮機Cの異常時においては、駆動軸11に対するハブ16の締付方向への螺進に補助されるため、破断予定部24を確実に破断させることができる。従って、冷媒圧縮機Cの正常時においては動力の伝達が不必要に遮断されることなく、かつ冷媒圧縮機Cの異常時には動力の伝達を確実に遮断することができる。
上記構成の本実施形態においては次のような効果も奏する。
(1)ストッパ部材32が脆性破壊されるまでは、駆動軸11に対するハブ16の締付方向への螺進が許容されない。従って、例えば、ストッパ部材32としてゴム等の弾性部材を用いた場合(この態様も本発明の趣旨を逸脱するものではない)と比較して、冷媒圧縮機Cの正常時においては、ハブ16から駆動軸11へのトルクの伝達によってもストッパ部材32が殆ど変形しないため、動力の伝達が不必要に遮断されることをさらに効果的に防止できる。また、冷媒圧縮機Cの異常時には、ストッパ部材32が一気に脆性破壊することで、言い換えればストッパ部材32が一気に大きく変形することで、ハブ16が駆動軸11に対して速やかかつ大きく締付方向へと螺進し、動力の伝達をさらに確実に遮断することができる。このような効果を得る上で、ストッパ部材32をガラス製又はセラミックス製とすることは、その破壊特性が温度に依存され難い点等において特に有効である。
(1)ストッパ部材32が脆性破壊されるまでは、駆動軸11に対するハブ16の締付方向への螺進が許容されない。従って、例えば、ストッパ部材32としてゴム等の弾性部材を用いた場合(この態様も本発明の趣旨を逸脱するものではない)と比較して、冷媒圧縮機Cの正常時においては、ハブ16から駆動軸11へのトルクの伝達によってもストッパ部材32が殆ど変形しないため、動力の伝達が不必要に遮断されることをさらに効果的に防止できる。また、冷媒圧縮機Cの異常時には、ストッパ部材32が一気に脆性破壊することで、言い換えればストッパ部材32が一気に大きく変形することで、ハブ16が駆動軸11に対して速やかかつ大きく締付方向へと螺進し、動力の伝達をさらに確実に遮断することができる。このような効果を得る上で、ストッパ部材32をガラス製又はセラミックス製とすることは、その破壊特性が温度に依存され難い点等において特に有効である。
(2)ストッパ部材32と駆動軸11との間には隙間が形成されている。従って、ストッパ部材32の脆性破壊が駆動軸11によって妨げられることを防止でき、冷媒圧縮機Cの異常時において、動力の伝達をさらに確実に遮断することができる。
(3)エンジンEに併設された複数の補機類の駆動には、サーペンタイン駆動方式が用いられている。サーペンタイン駆動方式の場合、従来においては、破断予定部の破断特性の設定範囲がさらに狭くなる問題があった。つまり、このような態様において本発明を具体化し、冷媒圧縮機Cの正常時において動力の伝達が不必要に遮断されることなく、かつ冷媒圧縮機Cの異常時において動力の伝達を確実に遮断できるようにすることは、特に有効である。
なお、本発明の趣旨から逸脱しない範囲で例えば以下の態様でも実施できる。
○図4に示すように、上記実施形態のストッパ部材32を、小円筒体よりなる第1のストッパ部材35と、該第1のストッパ部材35の外側に隙間を空けて配置された大円筒体よりなる第2のストッパ部材36とに変更すること。
○図4に示すように、上記実施形態のストッパ部材32を、小円筒体よりなる第1のストッパ部材35と、該第1のストッパ部材35の外側に隙間を空けて配置された大円筒体よりなる第2のストッパ部材36とに変更すること。
○例えば図5に示すように、上記実施形態において第2ワッシャ33を削除して、ストッパ部材32の端面32bをネジ座部材19の規制面19aに直接当接させること。
○上記実施形態において第1ワッシャ31を削除して、ストッパ部材32の端面32aをハブ16の被規制面20bに直接当接させること。
○上記実施形態において第1ワッシャ31を削除して、ストッパ部材32の端面32aをハブ16の被規制面20bに直接当接させること。
○図6に示すように、前記ネジ座部材19に駆動軸11を取り囲む円筒部19bを突設するとともに、該円筒部19b内に、ハブ16の円筒部20の先端を挿入配置する。ネジ座部材19の規制面19aは、円筒部19b内に配設されている。ネジ座部材19の円筒部19b内にリング状をなすストッパ部材41を固定配置し、該ストッパ部材41に対してハブ16の被規制面20bを当接させること。
この場合、前記冷媒圧縮機Cの異常時において、ハブ16から駆動軸11へと伝達されるトルクが過大となると、該トルクに起因してストッパ部材41に対して作用する、ハブ16の被規制面20bの押付力が過大となる。従って、この過大な押付力によってストッパ部材41が脆性破壊されて、駆動軸11に対するハブ16の締付方向への螺進が許容される。よって、ハブ16は、被規制面20bがネジ座部材19の規制面19aに対して当接する位置まで、駆動軸11に対して締付方向へと螺進される。その結果、上記実施形態と同様にして破断予定部24が破断されて、ハブ16から駆動軸11への動力の伝達が遮断される。
○上記実施形態では、駆動軸11の外周面にネジ座部材19を圧入固定し、該ネジ座部材19に規制面19aを形成したが、ネジ座部材19を削除するとともに、駆動軸11の外周面に段差部を成形して該段差部に規制面19aを形成してもよい。
○冷媒圧縮機Cの異常時においてストッパ部材に期待される変形は、脆性破壊によるものに限定されることはなく、塑性変形や弾性変形であってもよい。
○ストッパ部材をゴム製又は樹脂製或いは金属製とすること。
○ストッパ部材をゴム製又は樹脂製或いは金属製とすること。
○本発明の動力伝達装置PTを、例えば車両のブレーキアシスト装置用の油圧ポンプや、パワーステアリング装置用の油圧ポンプや、エアサスペンション装置用のエアポンプ等において、エンジンEとの間の動力伝達用に備えてもよい。
C…回転機械としての冷媒圧縮機、PT…動力伝達装置、E…走行駆動源としてのエンジン、11…第2回転体としての駆動軸、16…第1回転体としてのハブ、19a…規制面、20b…被規制面、24…破断予定部、32,35,36,41…ストッパ部材。
Claims (5)
- 回転駆動される第1回転体と、該第1回転体に螺子結合された第2回転体と、前記第1回転体から前記第2回転体へのトルクの伝達は、前記第1回転体と前記第2回転体の螺子結合が締まる方向へとなされることと、前記第1回転体に設けられた破断予定部と、前記第1回転体から前記第2回転体への過大なトルクの伝達は、前記破断予定部の破断によって遮断可能であることとからなる動力伝達装置において、
前記第1回転体と前記第2回転体との間には、前記第2回転体に対する前記第1回転体の締付方向への螺進を当接規制するストッパ部材が介在され、該ストッパ部材は変形可能であって、該ストッパ部材が前記第1回転体から前記第2回転体への過大なトルクの伝達によって変形することで、前記第2回転体に対する前記第1回転体の締付方向への螺進が許容されることを特徴とする動力伝達装置。 - 前記第1回転体には前記螺進方向へと向かう被規制面が設けられ、前記第2回転体には前記被規制面と対向する方向へと向かう規制面が設けられ、前記ストッパ部材は前記被規制面と前記規制面との間に介在されており、前記第1回転体から前記第2回転体への過大なトルクの伝達によって、前記被規制面と前記規制面との間における前記ストッパ部材の厚みが減少することで、前記第2回転体に対する前記第1回転体の締付方向への螺進が許容される請求項1に記載の動力伝達装置。
- 前記ストッパ部材の変形とは、該ストッパ部材が脆性破壊されることである請求項1又は2に記載の動力伝達装置。
- 前記ストッパ部材は、ガラス製又はセラミックス製である請求項3に記載の動力伝達装置。
- 前記第1回転体には車両の走行駆動源が作動連結されており、前記第2回転体は前記走行駆動源によって駆動される回転機械の駆動軸である請求項1〜4のいずれか一項に記載の動力伝達装置。
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-
2004
- 2004-03-03 JP JP2004059465A patent/JP2005249056A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009103161A (ja) * | 2007-10-22 | 2009-05-14 | Valeo Thermal Systems Japan Corp | トルク伝達装置 |
WO2011145866A2 (ko) * | 2010-05-18 | 2011-11-24 | 두원공과대학교 | 압축기용 동력전달장치 |
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