JP2002147349A - 容量可変型圧縮機の制御装置 - Google Patents

容量可変型圧縮機の制御装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 容量可変型圧縮機の液冷媒起動時において
も、同圧縮機の吐出容量を速やかに増大させることが可
能な制御装置を提供すること。 【解決手段】 第1圧力監視点P1の圧力PdHを制御
弁CVへ導くための第1検圧通路37には、同通路37
を通過される冷媒を減圧する絞り通路82が備えられて
いる。同絞り通路82は、例えば圧縮機の液冷媒起動に
よって第1圧力監視点P1の圧力PdHが急激に上昇し
ても、その影響を制御弁CVに対して直接的に波及させ
ることはなく、同制御弁CVが検知する圧力の上昇を緩
慢とすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば車両用空調
装置の冷媒循環回路を構成する容量可変型圧縮機の吐出
容量を制御するための制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の制御装置に用いられる制御弁に
は、弁体を動作させる手段として、感圧機構及びソレノ
イド部を併用したものが存在する。感圧機構は、例えば
冷媒循環回路の吐出圧力領域に設定された圧力監視点の
圧力を検知可能であって、同圧力の変動を打ち消す側に
容量可変型圧縮機(以下単に圧縮機とする)の吐出容量
が変更されるように、内部自律的に弁体を動作させる。
ソレノイド部は、感圧機構による弁体の位置決め動作の
基準となる設定圧力を、外部からの給電制御によって変
更可能である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、冷媒循環回
路に液冷媒が停留した状態で圧縮機が起動すると(所謂
液冷媒起動)、同圧縮機において液圧縮が行われて、冷
媒循環回路の吐出圧力領域つまり圧力監視点の圧力が急
激かつ過大に上昇する。従って、制御弁においては、ソ
レノイド部によって設定圧力が最大に設定されていたと
しても、それ以上に圧力監視点の圧力が上昇するため、
感圧機構がこの過大な圧力上昇を打ち消すように弁体を
動作させることとなる。このため、圧縮機はその起動
後、速やかに吐出容量を増大することができず、内部の
液冷媒を速やかに外部へ排出することができずに、液圧
縮に基づく振動・騒音の発生が長引く問題を生じてい
た。
【0004】本発明の目的は、容量可変型圧縮機の液冷
媒起動時においても、同圧縮機の吐出容量を速やかに増
大させることが可能な制御装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1の発明は、空調装置の冷媒循環回路を構成す
る容量可変型圧縮機の吐出容量を制御するための制御装
置において、前記冷媒循環回路の吐出圧力領域に設定さ
れた圧力監視点の圧力を検知可能であって、同圧力監視
点の圧力変動に基づいて感圧部材が変位することで、同
圧力変動を打ち消す側に容量可変型圧縮機の吐出容量が
変更されるように弁体を動作させる感圧機構と、前記感
圧部材に付与する力を外部からの制御によって変更する
ことで、同感圧部材による弁体の位置決め動作の基準と
なる設定圧力を変更可能な設定圧力変更手段とを備えた
制御弁と、前記圧力監視点の圧力を感圧機構へ導くため
の検圧通路上に配設され、同圧力監視点の急激な圧力上
昇に対して、感圧機構が検知する圧力の上昇を緩慢とす
るための緩和手段とを備えた制御装置である。
【0006】この構成においては、例えば、冷媒循環回
路に液冷媒が停留した状態で容量可変型圧縮機が起動す
ると、同圧縮機において液圧縮が行われて、吐出圧力領
域(圧力監視点)の圧力が急激かつ過大に上昇する。従
って、その影響が検圧通路を介して制御弁の感圧機構に
波及されようとする。
【0007】しかし、前記圧力監視点の急激な圧力上昇
に対しては、検圧通路上の緩和手段が作用するため、感
圧機構が検知する圧力の上昇は緩慢となる。従って、例
えば、設定圧力変更手段によって設定圧力が最大に設定
されている場合には、感圧機構が検知する圧力が最大設
定圧力以上へ急激に上昇することを防止できる。その結
果、制御弁は、容量可変型圧縮機で液圧縮が行われてい
るにもかかわらず、感圧機構が検知する圧力を設定圧力
にまで上昇させるべく、同圧縮機の吐出容量を増大させ
ることとなる。よって、容量可変型圧縮機内部の液冷媒
は、同圧縮機の大吐出容量運転によって速やかに外部へ
排出され、液圧縮に基づく振動・騒音が長引くことを防
止することができる。
【0008】請求項2の発明は請求項1において、前記
緩和手段は固定絞りよりなっていることを特徴としてい
る。この構成においては、緩和手段を簡単な構成で具体
化できる。
【0009】請求項3の発明は請求項1において、前記
緩和手段は差圧弁よりなり、同差圧弁は圧力監視点側の
圧力と感圧機構側の圧力との差が所定値以上となると、
検圧通路の開度を小さくする構成であることを特徴とし
ている。
【0010】この構成においては、差圧弁が検圧通路の
開度を小さくしていない状態では、同検圧通路を通過す
る冷媒の減圧作用を軽減でき、圧力監視点の圧力の変動
を感圧機構へ速やかに波及させることができる。従っ
て、圧力監視点の圧力変動に対して応答性良く弁体を動
作させることができ、容量可変型圧縮機の容量制御性が
高められる。
【0011】請求項4の発明は請求項1〜3のいずれか
において、前記緩和手段は、制御弁の外殻を構成するバ
ルブハウジングに備えられていることを特徴としてい
る。この構成においては、緩和手段と制御弁とが一体化
されており、制御装置の組立時においてそれらの取り扱
いが容易となる。
【0012】請求項5の発明は請求項1〜4のいずれか
において、前記検圧通路上には同通路の通過断面積を一
定区間拡大するチャンバが設けられていることを特徴と
している。
【0013】この構成においては、チャンバによる冷媒
の通過断面積の拡大つまり減圧作用により、上述した
「感圧機構が検知する圧力の上昇を緩慢とする」がより
効果的に奏される。
【0014】請求項6の発明は請求項1〜5のいずれか
において、制御弁の好適な態様を限定するものである。
すなわち、前記圧力監視点を第1圧力監視点とすると、
冷媒循環回路において第1圧力監視点よりも低圧側には
第2圧力監視点が設定されており、前記感圧機構は、第
1圧力監視点と第2圧力監視点との圧力差を検知可能で
あって、両圧力監視点間の圧力差の変動に基づいて感圧
部材が変位することで、同圧力差の変動を打ち消す側に
容量可変型圧縮機の吐出容量が変更されるように弁体を
動作させ、前記設定圧力変更手段は、感圧部材に付与す
る力を外部からの制御によって変更することで、同感圧
部材による弁体の位置決め動作の基準となる設定差圧を
変更可能な構成であることを特徴としている。
【0015】請求項7の発明は請求項6において、前記
第2圧力監視点は、冷媒循環回路の吐出圧力領域に設定
されていることを特徴としている。この構成において
は、第1圧力監視点と第2圧力監視点との間の圧力差を
把握することは、冷媒循環回路における冷媒流量を間接
的に検出することになる。
【0016】請求項8の発明は、設定圧力変更手段の好
適な態様を具体化したものである。すなわち、前記設定
圧力変更手段は、外部から給電制御される電磁アクチュ
エータを備えてなる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を車両用空調装置が
備える容量可変型斜板式圧縮機の制御装置において具体
化した第1及び第2実施形態について説明する。なお、
第2実施形態においては第1実施形態との相違点につい
てのみ説明し、同一又は相当部材には同じ番号を付して
説明を省略する。
【0018】○第1実施形態 (容量可変型斜板式圧縮機)図1に示すように容量可変
型斜板式圧縮機(以下単に圧縮機とする)は、シリンダ
ブロック1と、その前端に接合固定されたフロントハウ
ジング2と、シリンダブロック1の後端に弁形成体3を
介して接合固定されたリヤハウジング4とを備えてい
る。
【0019】前記シリンダブロック1とフロントハウジ
ング2とで囲まれた領域にはクランク室5が区画されて
いる。同クランク室5内には駆動軸6が回転可能に配設
されている。同駆動軸6は、外部駆動源としての車両の
走行駆動源であるエンジンEに、電磁クラッチ等のクラ
ッチ機構を介することなく直結されている。従って、同
駆動軸6は、エンジンEの稼動時においては、同エンジ
ンEによって常時回転駆動される。
【0020】前記クランク室5において駆動軸6上に
は、ラグプレート11が一体回転可能に固定されてい
る。クランク室5内にはカムプレートとしての斜板12
が収容されている。斜板12は、駆動軸6にスライド移
動可能でかつ傾動可能に支持されている。ヒンジ機構1
3は、ラグプレート11と斜板12との間に介在されて
いる。従って、斜板12は、ヒンジ機構13を介したラ
グプレート11との間でのヒンジ連結、及び駆動軸6の
支持により、ラグプレート11及び駆動軸6と同期回転
可能であるとともに、駆動軸6の軸線方向へのスライド
移動を伴いながら駆動軸6に対し傾動可能となってい
る。
【0021】複数(図面には一つのみ示す)のシリンダ
ボア1aは、前記シリンダブロック1において駆動軸6
を取り囲むようにして貫設形成されている。片頭型のピ
ストン20は、各シリンダボア1aに往復動可能に収容
されている。シリンダボア1aの前後開口は、弁形成体
3及びピストン20によって閉塞されており、このシリ
ンダボア1a内にはピストン20の往復動に応じて体積
変化する圧縮室が区画されている。各ピストン20は、
シュー19を介して斜板12の外周部に係留されてい
る。従って、駆動軸6の回転にともなう斜板12の回転
運動が、シュー19を介してピストン20の往復直線運
動に変換される。
【0022】前記弁形成体3とリヤハウジング4との間
には、中央部に吸入室21が、同吸入室21を取り囲む
ようにして吐出室22が、それぞれ区画形成されてい
る。そして、吸入室21の冷媒ガスは、各ピストン20
の上死点位置から下死点側への移動により、弁形成体3
に形成された吸入ポート23及び吸入弁24を介してシ
リンダボア1aに吸入される。シリンダボア1aに吸入
された冷媒ガスは、ピストン20の下死点位置から上死
点側への移動により所定の圧力にまで圧縮され、弁形成
体3に形成された吐出ポート25及び吐出弁26を介し
て吐出室22に吐出される。
【0023】(制御装置を構成するクランク圧制御機
構)前記斜板12の傾斜角度制御に関与する、クランク
室5の圧力(クランク圧Pc)を制御するためのクラン
ク圧制御機構は、図1に示す圧縮機ハウジング内に設け
られた抽気通路27、及び給気通路28並びに制御弁C
Vによって構成されている。抽気通路27はクランク室
5と吸入圧力(Ps)領域である吸入室21とを接続す
る。給気通路28は吐出圧力(Pd)領域である吐出室
22とクランク室5とを接続し、その途中には制御弁C
Vが配設されている。同制御弁CVは、リヤハウジング
4に設けられた収容孔4aに挿入固定されている。
【0024】そして、前記制御弁CVの開度を調節する
ことで、給気通路28を介したクランク室5への高圧な
吐出ガスの導入量と抽気通路27を介したクランク室5
からのガス導出量とのバランスが制御され、クランク圧
Pcが決定される。クランク圧Pcの変更に応じて、ピ
ストン20を介してのクランク圧Pcとシリンダボア1
a(圧縮室)の内圧との差が変更され、斜板12の傾斜
角度が変更される結果、ピストン20のストロークすな
わち吐出容量が調節される。
【0025】(冷媒循環回路)図1に示すように、車両
用空調装置の冷媒循環回路(冷凍サイクル)は、上述し
た圧縮機と外部冷媒回路30とから構成されている。外
部冷媒回路30は例えば、凝縮器31、減圧装置として
の膨張弁32及び蒸発器33を備えている。同外部冷媒
回路30の下流域には、蒸発器33の出口と圧縮機の吸
入室21とをつなぐ冷媒の流通管35が設けられてい
る。外部冷媒回路30の上流域には、圧縮機の吐出室2
2と凝縮器31の入口とをつなぐ冷媒の流通管36が設
けられている。
【0026】遮断弁69は、圧縮機の吐出室22と外部
冷媒回路30の凝縮器31との間の冷媒通路上に配設さ
れている。同遮断弁69は、吐出室22側の圧力が所定
値よりも低くなると冷媒通路を遮断して、外部冷媒回路
30を経由する冷媒の循環を停止させる。
【0027】(制御装置を構成する検圧構造)前記冷媒
循環回路を流れる冷媒の流量が多くなるほど、回路又は
配管の単位長さ当りの圧力損失も大きくなる。つまり、
冷媒循環回路に沿って設定された二つの圧力監視点P
1,P2間の圧力損失(差圧)は同回路における冷媒流
量と正の相関を示す。故に、二つの圧力監視点P1,P
2間の差圧(以下二点間差圧ΔPdとする)を把握する
ことは、冷媒循環回路における冷媒流量を間接的に検出
することに他ならない。
【0028】図2に示すように本実施形態では、流通管
36の最上流域に当たる吐出室22内に上流側の第1圧
力監視点P1を定めると共に、そこから所定距離だけ離
れた冷媒通路の途中(遮断弁69よりも吐出室22側)
に下流側の第2圧力監視点P2を定めている。そして、
第1圧力監視点P1での冷媒ガスの監視圧力PdHを第
1検圧通路37を介して、又、第2圧力監視点P2での
冷媒ガスの監視圧力PdLを第2検圧通路38を介して
それぞれ制御弁CVに導入している。
【0029】前記冷媒通路において両圧力監視点P1,
P2間には、固定絞り39が配設されている。この固定
絞り39は、その配置位置において冷媒通路内での冷媒
ガスの通過断面積を局所的に縮小しており、従って同固
定絞り39は、両圧力監視点P1,P2をそれ程離して
設定しなくとも、二点間差圧ΔPd(=PdH−Pd
L)を明確化(拡大)する役目をなしている。
【0030】このように、固定絞り39を両圧力監視点
P1,P2間に備えることで、特に第2圧力監視点P2
を圧縮機(吐出室22)寄りに設定することができ、ひ
いてはこの第2圧力監視点P2と圧縮機に備えられてい
る制御弁CVとの間の第2検圧通路38を短くすること
ができる。
【0031】(制御弁)図2に示すように前記制御弁C
Vは、その上半部を占める入れ側弁部と、下半部を占め
る、設定圧力変更手段としてのソレノイド部60とを備
えている。入れ側弁部は、吐出室22とクランク室5と
を接続する給気通路28の開度(絞り量)を調節する。
ソレノイド部60は、制御弁CV内に配設された作動ロ
ッド40を、外部からの通電制御に基づき付勢制御する
ための一種の電磁アクチュエータである。作動ロッド4
0は、先端部たる隔壁部41、連結部42、略中央の弁
体部43及び基端部たるガイドロッド部44からなる棒
状部材である。弁体部43はガイドロッド部44の一部
にあたる。
【0032】前記制御弁CVのバルブハウジング45
は、栓体45aと、入れ側弁部の主な外殻を構成する上
半部本体45bと、ソレノイド部60の主な外殻を構成
する下半部本体45cとから構成されている。バルブハ
ウジング45の上半部本体45b内には弁室46及び連
通路47が区画され、同上半部本体45bとその上部に
圧入された栓体45aとの間には感圧室48が区画され
ている。
【0033】前記弁室46及び連通路47内には、作動
ロッド40が軸方向(図面では垂直方向)に移動可能に
配設されている。弁室46及び連通路47は作動ロッド
40の配置次第で連通可能となる。これに対して連通路
47と感圧室48とは、同連通路47に嵌入された作動
ロッド40の隔壁部41によって遮断されている。
【0034】前記弁室46の底壁は後記固定鉄心62の
上端面によって提供されている。弁室46を取り囲むバ
ルブハウジング45の周壁には半径方向に延びるポート
51が設けられ、このポート51は給気通路28の上流
部を介して弁室46を吐出室22に連通させる。連通路
47を取り囲むバルブハウジング45の周壁にも半径方
向に延びるポート52が設けられ、このポート52は給
気通路28の下流部を介して連通路47をクランク室5
に連通させる。従って、ポート51、弁室46、連通路
47及びポート52は制御弁内通路として、吐出室22
とクランク室5とを連通させる給気通路28の一部を構
成する。
【0035】前記弁室46内には作動ロッド40の弁体
部43が配置されている。弁室46と連通路47との境
界に位置する段差は弁座53をなしており、連通路47
は一種の弁孔をなしている。そして、作動ロッド40が
図2の位置(最下動位置)から弁体部43が弁座53に
着座する最上動位置へ上動すると、連通路47が遮断さ
れる。つまり作動ロッド40の弁体部43は、給気通路
28の開度を任意調節可能な弁体として機能する。
【0036】前記感圧室48内には、ベローズよりなる
感圧部材54が収容配置されている。同感圧部材54の
上端部は、バルブハウジング45の栓体45aに溶接等
によって固定されている。従って、感圧室48内は、有
底円筒状をなす感圧部材54によって、同感圧部材54
の内空間である第1圧力室55と、同感圧部材54の外
空間である第2圧力室56とに区画されている。これ
ら、感圧室48、感圧部材54、第1圧力室55及び第
2圧力室56等が感圧機構を構成している。
【0037】前記感圧部材54の外底壁部にはロッド受
け54aが凹設されており、同ロッド受け54aには作
動ロッド40の隔壁部41の先端が挿入されている。感
圧部材54は圧縮弾性変形された状態で組み付けられて
おり、この弾性変形に基づく下向きの付勢力によって、
ロッド受け54aを介して隔壁部41に対して押さえ付
けられている。
【0038】前記第1圧力室55は、栓体45aに形成
されたP1ポート57、第1検圧通路37を介して、第
1圧力監視点P1である吐出室22と連通されている。
また、第2圧力室56は、バルブハウジング45の上半
部本体45bに形成されたP2ポート58及び第2検圧
通路38を介して第2圧力監視点P2と連通されてい
る。つまり、第1圧力室55には第1圧力監視点P1の
監視圧力PdHが導かれ、第2圧力室56には第2圧力
監視点P2の監視圧力PdLが導かれている。
【0039】前記ソレノイド部60は、有底円筒状の収
容筒61を備えている。収容筒61の上部には固定鉄心
62が嵌合され、この嵌合により収容筒61内にはソレ
ノイド室63が区画されている。ソレノイド室63内に
は、可動鉄心64が軸方向に移動可能に収容されてい
る。固定鉄心62の中心には軸方向に延びるガイド孔6
5が形成され、そのガイド孔65内には、作動ロッド4
0のガイドロッド部44が軸方向に移動可能に配置され
ている。ガイドロッド部44の下端は、ソレノイド室6
3内において可動鉄心64に嵌合固定されている。従っ
て、可動鉄心64と作動ロッド40とは常時一体となっ
て上下動する。
【0040】前記ソレノイド室63において固定鉄心6
2と可動鉄心64との間には、コイルバネよりなる弁体
付勢バネ66が収容されている。この弁体付勢バネ66
は、可動鉄心64を固定鉄心62から離間させる方向に
作用して、作動ロッド40(弁体部43)を図面下方に
向けて付勢する。
【0041】前記固定鉄心62及び可動鉄心64の周囲
には、これら鉄心62,64を跨ぐ範囲にコイル67が
巻回されている。このコイル67には、外部情報検知手
段72からの外部情報(エアコンスイッチのオン・オフ
情報、車室温度情報及び設定温度情報等)に応じた制御
コンピュータ70の指令に基づき、駆動回路71から駆
動信号が供給される。同コイル67は、その電力供給量
に応じた大きさの電磁吸引力(電磁付勢力)を可動鉄心
64と固定鉄心62との間に発生させる。同コイル67
への通電制御は印加電圧を調整することでなされ、同印
加電圧の調整にはPWM(パルス幅変調)制御が採用さ
れている。
【0042】(制御弁の動作特性)前記制御弁CVにお
いては、次のようにして作動ロッド40の配置位置つま
り弁開度が決まる。
【0043】まず、図2に示すように、コイル67への
通電がない場合(デューティ比=0%)は、作動ロッド
40の配置には、感圧部材54自身が有するバネ性(以
下ベローズバネ54と呼ぶ)に基づく下向き付勢力、及
び弁体付勢バネ66の下向き付勢力の作用が支配的とな
る。従って、作動ロッド40は最下動位置に配置され、
弁体部43は連通路47を全開とする。従って、クラン
ク圧Pcは、その時おかれた状況下において取り得る最
大値となり、同クランク圧Pcとシリンダボア1aの内
圧とのピストン20を介した差は大きくて、斜板12は
傾斜角度を最小として圧縮機の吐出容量は最小となって
いる。
【0044】前記制御コンピュータ70は、エアコンス
イッチがオフ状態にある等の冷房不要又は車両の急加速
状態への移行等の冷房不許可(所謂加速カット要求)を
検知すると、コイル67への通電デューティ比を0%と
して圧縮機の吐出容量を最小化する。圧縮機の吐出容量
が最小では、遮断弁69において吐出室22側の圧力が
所定値よりも低くなり、よって同遮断弁69が閉じられ
て、外部冷媒回路30を経由した冷媒の循環が停止され
る。また、斜板12の最小傾斜角度はゼロではないた
め、圧縮機の吐出容量が最小化されても、吸入室21か
らシリンダボア1aへの冷媒ガスの吸入、及び吸入冷媒
ガスの圧縮、並びにシリンダボア1aから吐出室22へ
の冷媒ガスの吐出は行われる。
【0045】従って、前記圧縮機の内部には、シリンダ
ボア1a→吐出室22→給気通路28→クランク室5→
抽気通路27→吸入室21→(シリンダボア1a)より
なる循環回路が形成され、同内部循環回路を冷媒ととも
に潤滑油が循環される。このため、外部冷媒回路30か
らの潤滑油を含む冷媒の帰還がなくとも、各摺動部分
(例えば斜板12とシュー19との間)の潤滑は良好に
維持される。
【0046】次に、前記制御弁CVにおいて、コイル6
7に対しデューティ比可変範囲の最小デューティ比(>
0%)の通電がなされると、上向きの電磁付勢力がベロ
ーズバネ54及び弁体付勢バネ66による下向き付勢力
を凌駕し、作動ロッド40が上動を開始する。この状態
では、弁体付勢バネ66の下向きの付勢力によって減勢
された上向き電磁付勢力が、ベローズバネ54の下向き
付勢力によって加勢された二点間差圧ΔPdに基づく下
向き押圧力に対抗する。そして、これら上下付勢力が均
衡する位置に、作動ロッド40の弁体部43が弁座53
に対して位置決めされる。
【0047】例えば、エンジンEの回転速度が減少して
冷媒循環回路の冷媒流量が減少すると、下向きの二点間
差圧ΔPdに基づく力が減少し、作動ロッド40(弁体
部43)が上動して連通路47の開度が減少される。従
って、クランク圧Pcが低下され、斜板12が傾斜角度
増大方向に傾動して圧縮機の吐出容量は増大される。圧
縮機の吐出容量が増大すれば冷媒循環回路における冷媒
流量も増大し、二点間差圧ΔPdは増加する。
【0048】逆に、エンジンEの回転速度が増大して冷
媒循環回路の冷媒流量が増大すると、下向きの二点間差
圧ΔPdに基づく力が増大し、作動ロッド40が下動し
て連通路47の開度が増加される。従って、クランク圧
Pcが増大され、斜板12が傾斜角度減少方向に傾動し
て圧縮機の吐出容量は減少される。圧縮機の吐出容量が
減少すれば冷媒循環回路における冷媒流量も減少し、二
点間差圧ΔPdは減少する。
【0049】また、例えば、コイル67への通電デュー
ティ比を大きくして上向きの電磁付勢力を大きくする
と、作動ロッド40が上動して連通路47の開度が減少
し、圧縮機の吐出容量が増大される。従って、冷媒循環
回路における冷媒流量が増大し、二点間差圧ΔPdも増
大する。
【0050】逆に、コイル67への通電デューティ比を
小さくして電磁付勢力を小さくすると、作動ロッド40
が下動して連通路47の開度が増加し、圧縮機の吐出容
量が減少される。従って、冷媒循環回路における冷媒流
量が減少し、二点間差圧ΔPdも減少する。
【0051】以上のように前記制御弁CVは、コイル6
7への通電デューティ比によって決定された二点間差圧
ΔPdの制御目標(設定圧力としての設定差圧)を維持
するように、この二点間差圧ΔPdの変動に応じて内部
自律的に作動ロッド40を位置決めする構成となってい
る。また、この設定差圧は、コイル67への通電デュー
ティ比を調節することで外部から変更可能となってい
る。
【0052】(本実施形態の特徴点)図2に示すよう
に、前記リヤハウジング4の収容孔4a内においてバル
ブハウジング45の上端側には、同バルブハウジング4
5(栓体45a及び上半部本体45bの上端面)によっ
て区画されることで、第1検圧通路37の一部をなすチ
ャンバ81が形成されている。同チャンバ81は、第1
検圧通路37の通過断面積を一定区間拡大する。同じく
第1検圧通路37の一部をなす連通路82は、リヤハウ
ジング4において吐出室22とチャンバ81とを連通す
る。従って、吐出室22とチャンバ81との大容積空間
の間を接続する連通路82は、緩和手段としての固定絞
りとして機能する(以下同連通路を絞り通路とする)。
【0053】さて、前記制御弁CVのコイル67への通
電停止による圧縮機の最小吐出容量運転、つまり圧縮機
の機能的には停止した状態と見なせる運転が長引く等す
ることで、外部冷媒回路30内に液冷媒が溜まっている
とする。制御コンピュータ70は、コイル67への通電
停止時間が所定時間を超えると、次回のコイル67への
通電開始時には、冷房負荷等に関係なくその通電デュー
ティ比を最大とする。
【0054】この場合、前記コイル67に対する通電が
開始されると、圧縮機の最小吐出容量状態からの離脱に
よって遮断弁39が開放され、外部冷媒回路30を経由
する冷媒循環が開始されて、同外部冷媒回路30の液冷
媒が圧縮機の吸入室21へ流入される(所謂圧縮機の液
冷媒起動)。従って、圧縮機において液圧縮が行われて
吐出室22(第1圧力監視点P1)の圧力PdHが急激
かつ過大に上昇し、その影響が第1検圧通路37を介し
て制御弁CVの第1圧力室55に波及されようとする。
【0055】しかし、前記第1検圧通路37に備えられ
た絞り通路82が減圧作用を奏することで、第1圧力室
55の圧力上昇は第1圧力監視点P1と比べて緩慢とな
る。従って、同第1圧力室55と第2圧力室56との圧
力差ΔPdが、最大設定差圧以上へ過大に拡大すること
はない。その結果、制御弁CVは、圧縮機で液圧縮が行
われていても、二点間差圧ΔPdを設定差圧まで上昇さ
せるべく弁開度を小さくして、同圧縮機の吐出容量を速
やかに所望量まで増大させることとなる。
【0056】本実施形態においては次のような効果を奏
する。 (1)上述したように、圧縮機の液冷媒起動時において
も、同圧縮機の吐出容量を速やかに所望量まで増大させ
ることが可能となる。従って、圧縮機内部の液冷媒は、
同圧縮機の大吐出容量運転によって速やかに外部へ排出
され、液圧縮に基づく振動・騒音が長引くことを防止で
きる。また、圧縮機がその起動から速やかに吐出容量を
増大できることは、空調装置の速やかなる冷房開始を達
成することにつながる。
【0057】(2)前記空調装置においては、遮断弁6
9を備えること等によって、圧縮機のクラッチレス使用
を達成している。同遮断弁69は、圧縮機の最小吐出容
量状態においては、外部冷媒回路30から圧縮機への液
冷媒の流入を許容しない。従って、圧縮機が起動されて
から、外部冷媒回路30の液冷媒がシリンダボア1aへ
流入するまでの間においては、上述した液圧縮は行われ
ない。つまり、本実施形態の特徴点(チャンバ81及び
絞り通路82)を有しない比較例においては、圧縮機は
その起動によって一旦は吐出容量を増大するものの、同
起動から若干遅れて生じる液圧縮によって、吐出容量が
減少に転じる現象が生じることがある。このため、圧縮
機の吐出容量の変更つまり斜板12の傾動が開始されて
から同斜板12の傾斜角度が安定化するまでの時間が長
引き、同斜板12の傾動中においてヒンジ機構13等か
ら発生する振動・騒音が長引くおそれがある。
【0058】しかし、液圧縮が生じても圧縮機の吐出容
量増大を継続することが可能な本実施形態においては、
斜板12の傾動開始からその傾斜角度の安定化までが短
時間となり、ヒンジ機構13等において発生する振動・
騒音が長引くことも防止することができる。つまり、本
発明はクラッチレスタイプの圧縮機において適用するの
に特に有効である。
【0059】(3)前記絞り通路82は単なる小径通路
であり、緩和手段を簡単な構成で具体化できる。 (4)前記第1検圧通路37上にはチャンバ81が設け
られており、同チャンバ81による冷媒の通過断面積の
拡大つまり減圧作用によって、上述した第1圧力室55
の圧力上昇を緩慢とする作用がより効果的に奏される。
別の見方をすれば、絞り通路82をそれ程細孔としなく
とも、チャンバ81を備えることでのトータルで所望の
効果を得ることができ、面倒な細孔加工を軽減して圧縮
機の製造コストを低減することができる。また、絞り通
路82をそれ程細孔としなくてもよいことは、同通路8
2における異物の詰まりを防止することにもつながり、
フィルタ等の異物除去手段を備えなくとも、感圧機構
(54等)の感圧不良つまり制御弁CVの作動不良を防
止することができる。
【0060】(5)前記チャンバ81として、圧縮機の
リヤハウジング4において制御弁CVが挿入される収容
孔4aと、同収容孔4aに挿入された制御弁CVのバル
ブハウジング45との間に形成される空間を利用してい
る。従って、同チャンバ81を設けるための専用の空間
形成加工を必要とせず、圧縮機の製造コストを低減する
ことができる。
【0061】(6)前記制御コンピュータ70は、制御
弁CVのコイル67への通電停止が長引くと、外部冷媒
回路30に液冷媒が生じていると判断して、次回のコイ
ル67への通電開始時にはその通電デューティ比を一義
的に最大とする。従って、圧縮機の液冷媒起動時におい
ては、制御弁CVの設定差圧が最大に設定されることと
なる。このため、同起動時において、二点間差圧ΔPd
が設定差圧を上回ってしまうことを確実に防止でき、前
記(1)及び(2)の効果をより確実に奏することがで
きる。
【0062】○第2実施形態 図3及び図4に示すように、本実施形態において緩和手
段は差圧弁85に具体化されている。すなわち、弁室8
6は、第1検圧通路37の一部を構成するように、リヤ
ハウジング4において吐出室22の内壁面に凹設されて
いる。円板状をなす弁体87は弁室86内に収容され、
サークリップ88によって吐出室22側への抜けが当接
規制されているとともに、同弁室86内に形成された弁
座89に接離する方向へ移動可能となっている。付勢バ
ネ90は弁室86内に収容され、弁体87を弁座89か
ら離間する方向へ付勢する。
【0063】複数の連通孔87aは、弁体87の外周部
に等間隔で形成されている。各連通孔87aは、弁体8
7が弁座89から離間した状態では、同弁体87の前後
を連通して第1検圧通路37を開放する(図3)。一
方、弁体87が弁座89に着座した状態では、各連通孔
87aは弁座89によって閉塞されて第1検圧通路37
は遮断される(図4)。なお、弁体87と弁座89との
接触面間は、両者87,89の圧接によっても多少の圧
力漏れが生じるようにシールを甘くしてある。
【0064】さて、上記第1実施形態で詳述したよう
に、圧縮機の液冷媒起動によって吐出室22の圧力Pd
Hが急激かつ過大に上昇すると、弁体87の前面(吐出
室22側の面)に閉弁方向へ作用する圧力が、同弁体8
7の背面(第1圧力室55側の面)に開弁方向へ作用す
る圧力を大きく上回る。従って、図4に示すように、弁
体87は付勢バネ90の付勢力に抗して弁座89に着座
され、第1検圧通路37が遮断される。第1検圧通路3
7が遮断されると、第1圧力室55の圧力上昇は第1圧
力監視点P1と比べて緩慢となり、上記第1実施形態の
(1)及び(2)と同様な効果を奏することができる。
【0065】そして、前記圧縮機の起動から或る程度時
間が経過され、弁体87の前後の差圧が所定値よりも小
さくなれば、同弁体87は付勢バネ90の付勢力によっ
て弁座89から離間される。従って、図3に示すよう
に、第1検圧通路37が開放されて同通路37を通過す
る冷媒ガスの減圧作用を軽減でき、吐出室22(第1圧
力監視点P1)の圧力PdHの変動を第1圧力室55へ
速やかに波及させることができる。その結果、二点間差
圧ΔPdの変動に対して応答性良く作動ロッド40(弁
体部43)を動作させることができ、圧縮機の容量制御
性が高められる。
【0066】本実施形態においては、上述したような効
果の他にも次のような効果も奏する。すなわち、緩和手
段が差圧弁85に具体化されており、例えば固定絞りに
具体化した場合のような、圧縮機のハウジングに対する
第1検圧通路37の細孔加工言い換えれば高精度加工を
必要としない。従って、第1検圧通路37の孔加工を簡
単に済ますことができ、ひいては圧縮機の製造コストを
低減することができる。また、第1検圧通路37を細孔
としなくてもよいことは、同通路37における異物の詰
まりを防止することにもつながり、フィルタ等の異物除
去手段を備えなくとも、感圧機構(54等)の感圧不良
つまり制御弁CVの作動不良を防止することができる。
【0067】なお、本発明の趣旨から逸脱しない範囲で
以下の態様でも実施できる。 ・図5に示すように、上記第2実施形態において差圧弁
85を制御弁CV(バルブハウジング45)に組み込む
こと。このようにすれば、差圧弁85を制御弁CVと一
緒に取り扱うことができ、それらの圧縮機ハウジングに
対する組み付けが容易となる。
【0068】・上記第1実施形態において、制御弁CV
のP1ポート57を固定絞りとして機能させること。こ
のようにすれば、同P1ポート57を吐出室22に対し
て直接接続することができ、第1検圧通路37(チャン
バ81及び絞り通路82)を削除して構成の簡素化を図
り得る。
【0069】・第2圧力監視点P2を、冷媒循環回路に
おいて蒸発器33と吸入室21とを含む両者の間の吸入
圧力領域に設定すること。 ・第2圧力監視点P2をクランク室5に設定すること。
つまり、第2圧力監視点P2は、上記実施形態のよう
に、冷媒循環回路の主回路である冷凍サイクル(外部冷
媒回路30(蒸発器33)→吸入室21→シリンダボア
1a→吐出室22→外部冷媒回路30(凝縮器31))
へ設定すること、言い換えれば冷凍サイクルの高圧領域
又は低圧領域に設定することに限定されるものではな
く、冷媒循環回路の副回路として位置付けられる、容量
制御用の冷媒回路(給気通路28→クランク室5→抽気
通路27)を構成する、中間圧領域としてのクランク室
5に設定しても良い。
【0070】・圧力監視点を冷媒循環回路において吐出
圧力領域の1点とすること。つまり例えば、上記実施形
態において、制御弁CVの第2圧力室56を真空状態と
するか或いは大気に開放することで同圧力室56内の圧
力を略一定とし、感圧機構(54等)が吐出圧力の絶対
値の変動に応じて作動ロッド40(弁体部43)を動作
させるようにすること。
【0071】・制御弁CVを、給気通路28ではなく抽
気通路27の開度調節によりクランク圧Pcを調節す
る、所謂抜き側制御弁としても良い。 ・エンジンEとの間の動力伝達経路上に電磁クラッチ等
のクラッチ機構を備えた容量可変型圧縮機の制御装置に
具体化すること。この場合、圧縮機の起動とは、オフ
(動力伝達遮断)状態にある電磁クラッチがオン(動力
伝達許容)されたことを指す。
【0072】・ワッブルタイプの容量可変型圧縮機の制
御装置に具体化すること。上記実施形態から把握できる
技術的思想について記載する。 (1)前記容量可変型圧縮機は、カムプレートを収容す
るクランク室の内圧を調節することで吐出容量を変更可
能である請求項1〜8のいずれかに記載の制御装置。
【0073】(2)前記制御弁は、吐出圧力領域とクラ
ンク室とを連通する給気通路の開度を調節することで容
量可変型圧縮機の吐出容量を制御する構成である前記
(1)に記載の制御装置。
【0074】(3)前記容量可変型圧縮機のハウジング
において制御弁が挿入組付される収容孔と、同収容孔に
挿入された制御弁の外殻であるバルブハウジングとの間
に区間された空間をチャンバとして利用している請求項
5に記載の制御装置。
【0075】(4)前記容量可変型圧縮機と同圧縮機を
駆動する外部駆動源とは、動力伝達的に直結されている
請求項1〜8又は前記(1)〜(3)のいずれかに記載
の制御装置。
【0076】(5)請求項4の制御装置を、緩和手段が
バルブハウジングに備えられている制御弁として把握す
ること。
【0077】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、容
量可変型圧縮機の液冷媒起動時においても、同圧縮機の
吐出容量を速やかに増大させることが可能となる。従っ
て、容量可変型圧縮機内部の液冷媒は、同圧縮機の大吐
出容量運転によって速やかに外部へ排出され、液圧縮に
基づく振動・騒音が長引くことを防止することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 容量可変型斜板式圧縮機の断面図。
【図2】 制御弁の断面図。
【図3】 第2実施形態を示す差圧弁付近の断面拡大
図。
【図4】 差圧弁の動作を説明する図。
【図5】 別例を示す図。
【符号の説明】
22…吐出圧力領域としての吐出室、37…検圧通路と
しての第1検圧通路、43…弁体としての弁体部、54
…感圧機構を構成する感圧部材、60…設定圧力変更手
段としてのソレノイド部、82…緩和手段としての絞り
通路、CV…制御弁、P1…圧力監視点としての第1圧
力監視点、PdH…第1圧力監視点の圧力。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石垣 佳伸 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 野村 和宏 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 樽谷 知二 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 川口 真広 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 Fターム(参考) 3H045 AA04 AA12 AA27 BA12 BA37 BA38 CA02 CA03 CA13 CA29 DA25 DA43 DA47 EA13 EA33 EA38 EA42 3H076 AA06 BB01 BB32 CC05 CC12 CC20 CC84 CC85

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空調装置の冷媒循環回路を構成する容量
    可変型圧縮機の吐出容量を制御するための制御装置にお
    いて、 前記冷媒循環回路の吐出圧力領域に設定された圧力監視
    点の圧力を検知可能であって、同圧力監視点の圧力変動
    に基づいて感圧部材が変位することで、同圧力変動を打
    ち消す側に容量可変型圧縮機の吐出容量が変更されるよ
    うに弁体を動作させる感圧機構と、前記感圧部材に付与
    する力を外部からの制御によって変更することで、同感
    圧部材による弁体の位置決め動作の基準となる設定圧力
    を変更可能な設定圧力変更手段とを備えた制御弁と、 前記圧力監視点の圧力を感圧機構へ導くための検圧通路
    上に配設され、同圧力監視点の急激な圧力上昇に対し
    て、感圧機構が検知する圧力の上昇を緩慢とするための
    緩和手段とを備えたことを特徴とする制御装置。
  2. 【請求項2】 前記緩和手段は固定絞りよりなる請求項
    1に記載の制御装置。
  3. 【請求項3】 前記緩和手段は差圧弁よりなり、同差圧
    弁は圧力監視点側の圧力と感圧機構側の圧力との差が所
    定値以上となると、検圧通路の開度を小さくする構成で
    ある請求項1に記載の制御装置。
  4. 【請求項4】 前記緩和手段は、制御弁の外殻を構成す
    るバルブハウジングに備えられている請求項1〜3のい
    ずれかに記載の制御装置。
  5. 【請求項5】 前記検圧通路上には同通路の通過断面積
    を一定区間拡大するチャンバが設けられている請求項1
    〜4のいずれかに記載の制御装置。
  6. 【請求項6】 前記圧力監視点を第1圧力監視点とする
    と、冷媒循環回路において第1圧力監視点よりも低圧側
    には第2圧力監視点が設定されており、 前記感圧機構は、第1圧力監視点と第2圧力監視点との
    圧力差を検知可能であって、両圧力監視点間の圧力差の
    変動に基づいて感圧部材が変位することで、同圧力差の
    変動を打ち消す側に容量可変型圧縮機の吐出容量が変更
    されるように弁体を動作させ、 前記設定圧力変更手段は、感圧部材に付与する力を外部
    からの制御によって変更することで、同感圧部材による
    弁体の位置決め動作の基準となる設定差圧を変更可能な
    構成である請求項1〜5のいずれかに記載の制御装置。
  7. 【請求項7】 前記第2圧力監視点は、冷媒循環回路の
    吐出圧力領域に設定されている請求項6に記載の制御装
    置。
  8. 【請求項8】 前記設定圧力変更手段は、外部から給電
    制御される電磁アクチュエータを備えてなる請求項1〜
    7のいずれかに記載の制御装置。
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