JP4000767B2 - 容量可変型圧縮機の制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば車両用空調装置の冷媒循環回路を構成する容量可変型圧縮機の吐出容量を制御するための制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の制御装置に用いられる制御弁には、弁体を動作させる手段として、感圧機構及びソレノイド部を併用したものが存在する。感圧機構は、例えば冷媒循環回路の吐出圧力領域に設定された圧力監視点の圧力を検知可能であって、同圧力の変動を打ち消す側に容量可変型圧縮機(以下単に圧縮機とする)の吐出容量が変更されるように、内部自律的に弁体を動作させる。ソレノイド部は、感圧機構による弁体の位置決め動作の基準となる設定圧力を、外部からの給電制御によって変更可能である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、冷媒循環回路に液冷媒が停留した状態で圧縮機が起動すると(所謂液冷媒起動)、同圧縮機において液圧縮が行われて、冷媒循環回路の吐出圧力領域つまり圧力監視点の圧力が急激かつ過大に上昇する。従って、制御弁においては、ソレノイド部によって設定圧力が最大に設定されていたとしても、それ以上に圧力監視点の圧力が上昇するため、感圧機構がこの過大な圧力上昇を打ち消すように弁体を動作させることとなる。このため、圧縮機はその起動後、速やかに吐出容量を増大することができず、内部の液冷媒を速やかに外部へ排出することができずに、液圧縮に基づく振動・騒音の発生が長引く問題を生じていた。
【0004】
本発明の目的は、容量可変型圧縮機の液冷媒起動時においても、同圧縮機の吐出容量を速やかに増大させることが可能な制御装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、空調装置の冷媒循環回路を構成する容量可変型圧縮機の吐出容量を制御するための制御装置において、前記冷媒循環回路の吐出圧力領域に設定された圧力監視点の圧力を検知可能であって、同圧力監視点の圧力変動に基づいて感圧部材が変位することで、同圧力変動を打ち消す側に容量可変型圧縮機の吐出容量が変更されるように弁体を動作させる感圧機構と、前記感圧部材に付与する力を外部からの制御によって変更することで、同感圧部材による弁体の位置決め動作の基準となる設定圧力を変更可能な設定圧力変更手段とを備えた制御弁と、前記圧力監視点の圧力を感圧機構へ導くための検圧通路上に配設され、同圧力監視点の急激な圧力上昇に対して、感圧機構が検知する圧力の上昇を緩慢とするための緩和手段とを備えた制御装置である。
【0006】
この構成においては、例えば、冷媒循環回路に液冷媒が停留した状態で容量可変型圧縮機が起動すると、同圧縮機において液圧縮が行われて、吐出圧力領域(圧力監視点)の圧力が急激かつ過大に上昇する。従って、その影響が検圧通路を介して制御弁の感圧機構に波及されようとする。
【0007】
しかし、前記圧力監視点の急激な圧力上昇に対しては、検圧通路上の緩和手段が作用するため、感圧機構が検知する圧力の上昇は緩慢となる。従って、例えば、設定圧力変更手段によって設定圧力が最大に設定されている場合には、感圧機構が検知する圧力が最大設定圧力以上へ急激に上昇することを防止できる。その結果、制御弁は、容量可変型圧縮機で液圧縮が行われているにもかかわらず、感圧機構が検知する圧力を設定圧力にまで上昇させるべく、同圧縮機の吐出容量を増大させることとなる。よって、容量可変型圧縮機内部の液冷媒は、同圧縮機の大吐出容量運転によって速やかに外部へ排出され、液圧縮に基づく振動・騒音が長引くことを防止することができる。
【0008】
請求項2の発明は請求項1において、前記緩和手段は固定絞りよりなっていることを特徴としている。
この構成においては、緩和手段を簡単な構成で具体化できる。
【0009】
請求項3の発明は請求項1において、前記緩和手段は差圧弁よりなり、同差圧弁は圧力監視点側の圧力と感圧機構側の圧力との差が所定値以上となると、検圧通路の開度を小さくする構成であることを特徴としている。
【0010】
この構成においては、差圧弁が検圧通路の開度を小さくしていない状態では、同検圧通路を通過する冷媒の減圧作用を軽減でき、圧力監視点の圧力の変動を感圧機構へ速やかに波及させることができる。従って、圧力監視点の圧力変動に対して応答性良く弁体を動作させることができ、容量可変型圧縮機の容量制御性が高められる。
【0011】
請求項4の発明は請求項1〜3のいずれかにおいて、前記緩和手段は、制御弁の外殻を構成するバルブハウジングに備えられていることを特徴としている。
この構成においては、緩和手段と制御弁とが一体化されており、制御装置の組立時においてそれらの取り扱いが容易となる。
【0012】
請求項5の発明は請求項1〜4のいずれかにおいて、前記検圧通路上には同通路の通過断面積を一定区間拡大するチャンバが設けられていることを特徴としている。
【0013】
この構成においては、チャンバによる冷媒の通過断面積の拡大つまり減圧作用により、上述した「感圧機構が検知する圧力の上昇を緩慢とする」がより効果的に奏される。
【0014】
請求項6の発明は請求項1〜5のいずれかにおいて、制御弁の好適な態様を限定するものである。すなわち、前記圧力監視点を第1圧力監視点とすると、冷媒循環回路において第1圧力監視点よりも低圧側には第2圧力監視点が設定されており、前記感圧機構は、第1圧力監視点と第2圧力監視点との圧力差を検知可能であって、両圧力監視点間の圧力差の変動に基づいて感圧部材が変位することで、同圧力差の変動を打ち消す側に容量可変型圧縮機の吐出容量が変更されるように弁体を動作させ、前記設定圧力変更手段は、感圧部材に付与する力を外部からの制御によって変更することで、同感圧部材による弁体の位置決め動作の基準となる設定差圧を変更可能な構成であることを特徴としている。
【0015】
請求項7の発明は請求項6において、前記第2圧力監視点は、冷媒循環回路の吐出圧力領域に設定されていることを特徴としている。
この構成においては、第1圧力監視点と第2圧力監視点との間の圧力差を把握することは、冷媒循環回路における冷媒流量を間接的に検出することになる。
【0016】
請求項8の発明は、設定圧力変更手段の好適な態様を具体化したものである。すなわち、前記設定圧力変更手段は、外部から給電制御される電磁アクチュエータを備えてなる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を車両用空調装置が備える容量可変型斜板式圧縮機の制御装置において具体化した第1及び第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態においては第1実施形態との相違点についてのみ説明し、同一又は相当部材には同じ番号を付して説明を省略する。
【0018】
○第1実施形態
(容量可変型斜板式圧縮機)
図1に示すように容量可変型斜板式圧縮機(以下単に圧縮機とする)は、シリンダブロック1と、その前端に接合固定されたフロントハウジング2と、シリンダブロック1の後端に弁形成体3を介して接合固定されたリヤハウジング4とを備えている。
【0019】
前記シリンダブロック1とフロントハウジング2とで囲まれた領域にはクランク室5が区画されている。同クランク室5内には駆動軸6が回転可能に配設されている。同駆動軸6は、外部駆動源としての車両の走行駆動源であるエンジンEに、電磁クラッチ等のクラッチ機構を介することなく直結されている。従って、同駆動軸6は、エンジンEの稼動時においては、同エンジンEによって常時回転駆動される。
【0020】
前記クランク室5において駆動軸6上には、ラグプレート11が一体回転可能に固定されている。クランク室5内にはカムプレートとしての斜板12が収容されている。斜板12は、駆動軸6にスライド移動可能でかつ傾動可能に支持されている。ヒンジ機構13は、ラグプレート11と斜板12との間に介在されている。従って、斜板12は、ヒンジ機構13を介したラグプレート11との間でのヒンジ連結、及び駆動軸6の支持により、ラグプレート11及び駆動軸6と同期回転可能であるとともに、駆動軸6の軸線方向へのスライド移動を伴いながら駆動軸6に対し傾動可能となっている。
【0021】
複数(図面には一つのみ示す)のシリンダボア1aは、前記シリンダブロック1において駆動軸6を取り囲むようにして貫設形成されている。片頭型のピストン20は、各シリンダボア1aに往復動可能に収容されている。シリンダボア1aの前後開口は、弁形成体3及びピストン20によって閉塞されており、このシリンダボア1a内にはピストン20の往復動に応じて体積変化する圧縮室が区画されている。各ピストン20は、シュー19を介して斜板12の外周部に係留されている。従って、駆動軸6の回転にともなう斜板12の回転運動が、シュー19を介してピストン20の往復直線運動に変換される。
【0022】
前記弁形成体3とリヤハウジング4との間には、中央部に吸入室21が、同吸入室21を取り囲むようにして吐出室22が、それぞれ区画形成されている。そして、吸入室21の冷媒ガスは、各ピストン20の上死点位置から下死点側への移動により、弁形成体3に形成された吸入ポート23及び吸入弁24を介してシリンダボア1aに吸入される。シリンダボア1aに吸入された冷媒ガスは、ピストン20の下死点位置から上死点側への移動により所定の圧力にまで圧縮され、弁形成体3に形成された吐出ポート25及び吐出弁26を介して吐出室22に吐出される。
【0023】
(制御装置を構成するクランク圧制御機構)
前記斜板12の傾斜角度制御に関与する、クランク室5の圧力(クランク圧Pc)を制御するためのクランク圧制御機構は、図1に示す圧縮機ハウジング内に設けられた抽気通路27、及び給気通路28並びに制御弁CVによって構成されている。抽気通路27はクランク室5と吸入圧力(Ps)領域である吸入室21とを接続する。給気通路28は吐出圧力(Pd)領域である吐出室22とクランク室5とを接続し、その途中には制御弁CVが配設されている。同制御弁CVは、リヤハウジング4に設けられた収容孔4aに挿入固定されている。
【0024】
そして、前記制御弁CVの開度を調節することで、給気通路28を介したクランク室5への高圧な吐出ガスの導入量と抽気通路27を介したクランク室5からのガス導出量とのバランスが制御され、クランク圧Pcが決定される。クランク圧Pcの変更に応じて、ピストン20を介してのクランク圧Pcとシリンダボア1a(圧縮室)の内圧との差が変更され、斜板12の傾斜角度が変更される結果、ピストン20のストロークすなわち吐出容量が調節される。
【0025】
(冷媒循環回路)
図1に示すように、車両用空調装置の冷媒循環回路(冷凍サイクル)は、上述した圧縮機と外部冷媒回路30とから構成されている。外部冷媒回路30は例えば、凝縮器31、減圧装置としての膨張弁32及び蒸発器33を備えている。同外部冷媒回路30の下流域には、蒸発器33の出口と圧縮機の吸入室21とをつなぐ冷媒の流通管35が設けられている。外部冷媒回路30の上流域には、圧縮機の吐出室22と凝縮器31の入口とをつなぐ冷媒の流通管36が設けられている。
【0026】
遮断弁69は、圧縮機の吐出室22と外部冷媒回路30の凝縮器31との間の冷媒通路上に配設されている。同遮断弁69は、吐出室22側の圧力が所定値よりも低くなると冷媒通路を遮断して、外部冷媒回路30を経由する冷媒の循環を停止させる。
【0027】
(制御装置を構成する検圧構造)
前記冷媒循環回路を流れる冷媒の流量が多くなるほど、回路又は配管の単位長さ当りの圧力損失も大きくなる。つまり、冷媒循環回路に沿って設定された二つの圧力監視点P1,P2間の圧力損失(差圧)は同回路における冷媒流量と正の相関を示す。故に、二つの圧力監視点P1,P2間の差圧(以下二点間差圧ΔPdとする)を把握することは、冷媒循環回路における冷媒流量を間接的に検出することに他ならない。
【0028】
図2に示すように本実施形態では、流通管36の最上流域に当たる吐出室22内に上流側の第1圧力監視点P1を定めると共に、そこから所定距離だけ離れた冷媒通路の途中(遮断弁69よりも吐出室22側)に下流側の第2圧力監視点P2を定めている。そして、第1圧力監視点P1での冷媒ガスの監視圧力PdHを第1検圧通路37を介して、又、第2圧力監視点P2での冷媒ガスの監視圧力PdLを第2検圧通路38を介してそれぞれ制御弁CVに導入している。
【0029】
前記冷媒通路において両圧力監視点P1,P2間には、固定絞り39が配設されている。この固定絞り39は、その配置位置において冷媒通路内での冷媒ガスの通過断面積を局所的に縮小しており、従って同固定絞り39は、両圧力監視点P1,P2をそれ程離して設定しなくとも、二点間差圧ΔPd(=PdH−PdL)を明確化(拡大)する役目をなしている。
【0030】
このように、固定絞り39を両圧力監視点P1,P2間に備えることで、特に第2圧力監視点P2を圧縮機(吐出室22)寄りに設定することができ、ひいてはこの第2圧力監視点P2と圧縮機に備えられている制御弁CVとの間の第2検圧通路38を短くすることができる。
【0031】
(制御弁)
図2に示すように前記制御弁CVは、その上半部を占める入れ側弁部と、下半部を占める、設定圧力変更手段としてのソレノイド部60とを備えている。入れ側弁部は、吐出室22とクランク室5とを接続する給気通路28の開度(絞り量)を調節する。ソレノイド部60は、制御弁CV内に配設された作動ロッド40を、外部からの通電制御に基づき付勢制御するための一種の電磁アクチュエータである。作動ロッド40は、先端部たる隔壁部41、連結部42、略中央の弁体部43及び基端部たるガイドロッド部44からなる棒状部材である。弁体部43はガイドロッド部44の一部にあたる。
【0032】
前記制御弁CVのバルブハウジング45は、栓体45aと、入れ側弁部の主な外殻を構成する上半部本体45bと、ソレノイド部60の主な外殻を構成する下半部本体45cとから構成されている。バルブハウジング45の上半部本体45b内には弁室46及び連通路47が区画され、同上半部本体45bとその上部に圧入された栓体45aとの間には感圧室48が区画されている。
【0033】
前記弁室46及び連通路47内には、作動ロッド40が軸方向(図面では垂直方向)に移動可能に配設されている。弁室46及び連通路47は作動ロッド40の配置次第で連通可能となる。これに対して連通路47と感圧室48とは、同連通路47に嵌入された作動ロッド40の隔壁部41によって遮断されている。
【0034】
前記弁室46の底壁は後記固定鉄心62の上端面によって提供されている。弁室46を取り囲むバルブハウジング45の周壁には半径方向に延びるポート51が設けられ、このポート51は給気通路28の上流部を介して弁室46を吐出室22に連通させる。連通路47を取り囲むバルブハウジング45の周壁にも半径方向に延びるポート52が設けられ、このポート52は給気通路28の下流部を介して連通路47をクランク室5に連通させる。従って、ポート51、弁室46、連通路47及びポート52は制御弁内通路として、吐出室22とクランク室5とを連通させる給気通路28の一部を構成する。
【0035】
前記弁室46内には作動ロッド40の弁体部43が配置されている。弁室46と連通路47との境界に位置する段差は弁座53をなしており、連通路47は一種の弁孔をなしている。そして、作動ロッド40が図2の位置(最下動位置)から弁体部43が弁座53に着座する最上動位置へ上動すると、連通路47が遮断される。つまり作動ロッド40の弁体部43は、給気通路28の開度を任意調節可能な弁体として機能する。
【0036】
前記感圧室48内には、ベローズよりなる感圧部材54が収容配置されている。同感圧部材54の上端部は、バルブハウジング45の栓体45aに溶接等によって固定されている。従って、感圧室48内は、有底円筒状をなす感圧部材54によって、同感圧部材54の内空間である第1圧力室55と、同感圧部材54の外空間である第2圧力室56とに区画されている。これら、感圧室48、感圧部材54、第1圧力室55及び第2圧力室56等が感圧機構を構成している。
【0037】
前記感圧部材54の外底壁部にはロッド受け54aが凹設されており、同ロッド受け54aには作動ロッド40の隔壁部41の先端が挿入されている。感圧部材54は圧縮弾性変形された状態で組み付けられており、この弾性変形に基づく下向きの付勢力によって、ロッド受け54aを介して隔壁部41に対して押さえ付けられている。
【0038】
前記第1圧力室55は、栓体45aに形成されたP1ポート57、第1検圧通路37を介して、第1圧力監視点P1である吐出室22と連通されている。また、第2圧力室56は、バルブハウジング45の上半部本体45bに形成されたP2ポート58及び第2検圧通路38を介して第2圧力監視点P2と連通されている。つまり、第1圧力室55には第1圧力監視点P1の監視圧力PdHが導かれ、第2圧力室56には第2圧力監視点P2の監視圧力PdLが導かれている。
【0039】
前記ソレノイド部60は、有底円筒状の収容筒61を備えている。収容筒61の上部には固定鉄心62が嵌合され、この嵌合により収容筒61内にはソレノイド室63が区画されている。ソレノイド室63内には、可動鉄心64が軸方向に移動可能に収容されている。固定鉄心62の中心には軸方向に延びるガイド孔65が形成され、そのガイド孔65内には、作動ロッド40のガイドロッド部44が軸方向に移動可能に配置されている。ガイドロッド部44の下端は、ソレノイド室63内において可動鉄心64に嵌合固定されている。従って、可動鉄心64と作動ロッド40とは常時一体となって上下動する。
【0040】
前記ソレノイド室63において固定鉄心62と可動鉄心64との間には、コイルバネよりなる弁体付勢バネ66が収容されている。この弁体付勢バネ66は、可動鉄心64を固定鉄心62から離間させる方向に作用して、作動ロッド40(弁体部43)を図面下方に向けて付勢する。
【0041】
前記固定鉄心62及び可動鉄心64の周囲には、これら鉄心62,64を跨ぐ範囲にコイル67が巻回されている。このコイル67には、外部情報検知手段72からの外部情報(エアコンスイッチのオン・オフ情報、車室温度情報及び設定温度情報等)に応じた制御コンピュータ70の指令に基づき、駆動回路71から駆動信号が供給される。同コイル67は、その電力供給量に応じた大きさの電磁吸引力(電磁付勢力)を可動鉄心64と固定鉄心62との間に発生させる。同コイル67への通電制御は印加電圧を調整することでなされ、同印加電圧の調整にはPWM(パルス幅変調)制御が採用されている。
【0042】
(制御弁の動作特性)
前記制御弁CVにおいては、次のようにして作動ロッド40の配置位置つまり弁開度が決まる。
【0043】
まず、図2に示すように、コイル67への通電がない場合(デューティ比=0%)は、作動ロッド40の配置には、感圧部材54自身が有するバネ性(以下ベローズバネ54と呼ぶ)に基づく下向き付勢力、及び弁体付勢バネ66の下向き付勢力の作用が支配的となる。従って、作動ロッド40は最下動位置に配置され、弁体部43は連通路47を全開とする。従って、クランク圧Pcは、その時おかれた状況下において取り得る最大値となり、同クランク圧Pcとシリンダボア1aの内圧とのピストン20を介した差は大きくて、斜板12は傾斜角度を最小として圧縮機の吐出容量は最小となっている。
【0044】
前記制御コンピュータ70は、エアコンスイッチがオフ状態にある等の冷房不要又は車両の急加速状態への移行等の冷房不許可(所謂加速カット要求)を検知すると、コイル67への通電デューティ比を0%として圧縮機の吐出容量を最小化する。圧縮機の吐出容量が最小では、遮断弁69において吐出室22側の圧力が所定値よりも低くなり、よって同遮断弁69が閉じられて、外部冷媒回路30を経由した冷媒の循環が停止される。また、斜板12の最小傾斜角度はゼロではないため、圧縮機の吐出容量が最小化されても、吸入室21からシリンダボア1aへの冷媒ガスの吸入、及び吸入冷媒ガスの圧縮、並びにシリンダボア1aから吐出室22への冷媒ガスの吐出は行われる。
【0045】
従って、前記圧縮機の内部には、シリンダボア1a→吐出室22→給気通路28→クランク室5→抽気通路27→吸入室21→(シリンダボア1a)よりなる循環回路が形成され、同内部循環回路を冷媒とともに潤滑油が循環される。このため、外部冷媒回路30からの潤滑油を含む冷媒の帰還がなくとも、各摺動部分(例えば斜板12とシュー19との間)の潤滑は良好に維持される。
【0046】
次に、前記制御弁CVにおいて、コイル67に対しデューティ比可変範囲の最小デューティ比(>0%)の通電がなされると、上向きの電磁付勢力がベローズバネ54及び弁体付勢バネ66による下向き付勢力を凌駕し、作動ロッド40が上動を開始する。この状態では、弁体付勢バネ66の下向きの付勢力によって減勢された上向き電磁付勢力が、ベローズバネ54の下向き付勢力によって加勢された二点間差圧ΔPdに基づく下向き押圧力に対抗する。そして、これら上下付勢力が均衡する位置に、作動ロッド40の弁体部43が弁座53に対して位置決めされる。
【0047】
例えば、エンジンEの回転速度が減少して冷媒循環回路の冷媒流量が減少すると、下向きの二点間差圧ΔPdに基づく力が減少し、作動ロッド40(弁体部43)が上動して連通路47の開度が減少される。従って、クランク圧Pcが低下され、斜板12が傾斜角度増大方向に傾動して圧縮機の吐出容量は増大される。圧縮機の吐出容量が増大すれば冷媒循環回路における冷媒流量も増大し、二点間差圧ΔPdは増加する。
【0048】
逆に、エンジンEの回転速度が増大して冷媒循環回路の冷媒流量が増大すると、下向きの二点間差圧ΔPdに基づく力が増大し、作動ロッド40が下動して連通路47の開度が増加される。従って、クランク圧Pcが増大され、斜板12が傾斜角度減少方向に傾動して圧縮機の吐出容量は減少される。圧縮機の吐出容量が減少すれば冷媒循環回路における冷媒流量も減少し、二点間差圧ΔPdは減少する。
【0049】
また、例えば、コイル67への通電デューティ比を大きくして上向きの電磁付勢力を大きくすると、作動ロッド40が上動して連通路47の開度が減少し、圧縮機の吐出容量が増大される。従って、冷媒循環回路における冷媒流量が増大し、二点間差圧ΔPdも増大する。
【0050】
逆に、コイル67への通電デューティ比を小さくして電磁付勢力を小さくすると、作動ロッド40が下動して連通路47の開度が増加し、圧縮機の吐出容量が減少される。従って、冷媒循環回路における冷媒流量が減少し、二点間差圧ΔPdも減少する。
【0051】
以上のように前記制御弁CVは、コイル67への通電デューティ比によって決定された二点間差圧ΔPdの制御目標(設定圧力としての設定差圧)を維持するように、この二点間差圧ΔPdの変動に応じて内部自律的に作動ロッド40を位置決めする構成となっている。また、この設定差圧は、コイル67への通電デューティ比を調節することで外部から変更可能となっている。
【0052】
(本実施形態の特徴点)
図2に示すように、前記リヤハウジング4の収容孔4a内においてバルブハウジング45の上端側には、同バルブハウジング45(栓体45a及び上半部本体45bの上端面)によって区画されることで、第1検圧通路37の一部をなすチャンバ81が形成されている。同チャンバ81は、第1検圧通路37の通過断面積を一定区間拡大する。同じく第1検圧通路37の一部をなす連通路82は、リヤハウジング4において吐出室22とチャンバ81とを連通する。従って、吐出室22とチャンバ81との大容積空間の間を接続する連通路82は、緩和手段としての固定絞りとして機能する(以下同連通路を絞り通路とする)。
【0053】
さて、前記制御弁CVのコイル67への通電停止による圧縮機の最小吐出容量運転、つまり圧縮機の機能的には停止した状態と見なせる運転が長引く等することで、外部冷媒回路30内に液冷媒が溜まっているとする。制御コンピュータ70は、コイル67への通電停止時間が所定時間を超えると、次回のコイル67への通電開始時には、冷房負荷等に関係なくその通電デューティ比を最大とする。
【0054】
この場合、前記コイル67に対する通電が開始されると、圧縮機の最小吐出容量状態からの離脱によって遮断弁39が開放され、外部冷媒回路30を経由する冷媒循環が開始されて、同外部冷媒回路30の液冷媒が圧縮機の吸入室21へ流入される(所謂圧縮機の液冷媒起動)。従って、圧縮機において液圧縮が行われて吐出室22(第1圧力監視点P1)の圧力PdHが急激かつ過大に上昇し、その影響が第1検圧通路37を介して制御弁CVの第1圧力室55に波及されようとする。
【0055】
しかし、前記第1検圧通路37に備えられた絞り通路82が減圧作用を奏することで、第1圧力室55の圧力上昇は第1圧力監視点P1と比べて緩慢となる。従って、同第1圧力室55と第2圧力室56との圧力差ΔPdが、最大設定差圧以上へ過大に拡大することはない。その結果、制御弁CVは、圧縮機で液圧縮が行われていても、二点間差圧ΔPdを設定差圧まで上昇させるべく弁開度を小さくして、同圧縮機の吐出容量を速やかに所望量まで増大させることとなる。
【0056】
本実施形態においては次のような効果を奏する。
(1)上述したように、圧縮機の液冷媒起動時においても、同圧縮機の吐出容量を速やかに所望量まで増大させることが可能となる。従って、圧縮機内部の液冷媒は、同圧縮機の大吐出容量運転によって速やかに外部へ排出され、液圧縮に基づく振動・騒音が長引くことを防止できる。また、圧縮機がその起動から速やかに吐出容量を増大できることは、空調装置の速やかなる冷房開始を達成することにつながる。
【0057】
(2)前記空調装置においては、遮断弁69を備えること等によって、圧縮機のクラッチレス使用を達成している。同遮断弁69は、圧縮機の最小吐出容量状態においては、外部冷媒回路30から圧縮機への液冷媒の流入を許容しない。従って、圧縮機が起動されてから、外部冷媒回路30の液冷媒がシリンダボア1aへ流入するまでの間においては、上述した液圧縮は行われない。つまり、本実施形態の特徴点(チャンバ81及び絞り通路82)を有しない比較例においては、圧縮機はその起動によって一旦は吐出容量を増大するものの、同起動から若干遅れて生じる液圧縮によって、吐出容量が減少に転じる現象が生じることがある。このため、圧縮機の吐出容量の変更つまり斜板12の傾動が開始されてから同斜板12の傾斜角度が安定化するまでの時間が長引き、同斜板12の傾動中においてヒンジ機構13等から発生する振動・騒音が長引くおそれがある。
【0058】
しかし、液圧縮が生じても圧縮機の吐出容量増大を継続することが可能な本実施形態においては、斜板12の傾動開始からその傾斜角度の安定化までが短時間となり、ヒンジ機構13等において発生する振動・騒音が長引くことも防止することができる。つまり、本発明はクラッチレスタイプの圧縮機において適用するのに特に有効である。
【0059】
(3)前記絞り通路82は単なる小径通路であり、緩和手段を簡単な構成で具体化できる。
(4)前記第1検圧通路37上にはチャンバ81が設けられており、同チャンバ81による冷媒の通過断面積の拡大つまり減圧作用によって、上述した第1圧力室55の圧力上昇を緩慢とする作用がより効果的に奏される。別の見方をすれば、絞り通路82をそれ程細孔としなくとも、チャンバ81を備えることでのトータルで所望の効果を得ることができ、面倒な細孔加工を軽減して圧縮機の製造コストを低減することができる。また、絞り通路82をそれ程細孔としなくてもよいことは、同通路82における異物の詰まりを防止することにもつながり、フィルタ等の異物除去手段を備えなくとも、感圧機構(54等)の感圧不良つまり制御弁CVの作動不良を防止することができる。
【0060】
(5)前記チャンバ81として、圧縮機のリヤハウジング4において制御弁CVが挿入される収容孔4aと、同収容孔4aに挿入された制御弁CVのバルブハウジング45との間に形成される空間を利用している。従って、同チャンバ81を設けるための専用の空間形成加工を必要とせず、圧縮機の製造コストを低減することができる。
【0061】
(6)前記制御コンピュータ70は、制御弁CVのコイル67への通電停止が長引くと、外部冷媒回路30に液冷媒が生じていると判断して、次回のコイル67への通電開始時にはその通電デューティ比を一義的に最大とする。従って、圧縮機の液冷媒起動時においては、制御弁CVの設定差圧が最大に設定されることとなる。このため、同起動時において、二点間差圧ΔPdが設定差圧を上回ってしまうことを確実に防止でき、前記(1)及び(2)の効果をより確実に奏することができる。
【0062】
○第2実施形態
図3及び図4に示すように、本実施形態において緩和手段は差圧弁85に具体化されている。すなわち、弁室86は、第1検圧通路37の一部を構成するように、リヤハウジング4において吐出室22の内壁面に凹設されている。円板状をなす弁体87は弁室86内に収容され、サークリップ88によって吐出室22側への抜けが当接規制されているとともに、同弁室86内に形成された弁座89に接離する方向へ移動可能となっている。付勢バネ90は弁室86内に収容され、弁体87を弁座89から離間する方向へ付勢する。
【0063】
複数の連通孔87aは、弁体87の外周部に等間隔で形成されている。各連通孔87aは、弁体87が弁座89から離間した状態では、同弁体87の前後を連通して第1検圧通路37を開放する(図3)。一方、弁体87が弁座89に着座した状態では、各連通孔87aは弁座89によって閉塞されて第1検圧通路37は遮断される(図4)。なお、弁体87と弁座89との接触面間は、両者87,89の圧接によっても多少の圧力漏れが生じるようにシールを甘くしてある。
【0064】
さて、上記第1実施形態で詳述したように、圧縮機の液冷媒起動によって吐出室22の圧力PdHが急激かつ過大に上昇すると、弁体87の前面(吐出室22側の面)に閉弁方向へ作用する圧力が、同弁体87の背面(第1圧力室55側の面)に開弁方向へ作用する圧力を大きく上回る。従って、図4に示すように、弁体87は付勢バネ90の付勢力に抗して弁座89に着座され、第1検圧通路37が遮断される。第1検圧通路37が遮断されると、第1圧力室55の圧力上昇は第1圧力監視点P1と比べて緩慢となり、上記第1実施形態の(1)及び(2)と同様な効果を奏することができる。
【0065】
そして、前記圧縮機の起動から或る程度時間が経過され、弁体87の前後の差圧が所定値よりも小さくなれば、同弁体87は付勢バネ90の付勢力によって弁座89から離間される。従って、図3に示すように、第1検圧通路37が開放されて同通路37を通過する冷媒ガスの減圧作用を軽減でき、吐出室22(第1圧力監視点P1)の圧力PdHの変動を第1圧力室55へ速やかに波及させることができる。その結果、二点間差圧ΔPdの変動に対して応答性良く作動ロッド40(弁体部43)を動作させることができ、圧縮機の容量制御性が高められる。
【0066】
本実施形態においては、上述したような効果の他にも次のような効果も奏する。すなわち、緩和手段が差圧弁85に具体化されており、例えば固定絞りに具体化した場合のような、圧縮機のハウジングに対する第1検圧通路37の細孔加工言い換えれば高精度加工を必要としない。従って、第1検圧通路37の孔加工を簡単に済ますことができ、ひいては圧縮機の製造コストを低減することができる。また、第1検圧通路37を細孔としなくてもよいことは、同通路37における異物の詰まりを防止することにもつながり、フィルタ等の異物除去手段を備えなくとも、感圧機構(54等)の感圧不良つまり制御弁CVの作動不良を防止することができる。
【0067】
なお、本発明の趣旨から逸脱しない範囲で以下の態様でも実施できる。
・図5に示すように、上記第2実施形態において差圧弁85を制御弁CV(バルブハウジング45)に組み込むこと。このようにすれば、差圧弁85を制御弁CVと一緒に取り扱うことができ、それらの圧縮機ハウジングに対する組み付けが容易となる。
【0068】
・上記第1実施形態において、制御弁CVのP1ポート57を固定絞りとして機能させること。このようにすれば、同P1ポート57を吐出室22に対して直接接続することができ、第1検圧通路37(チャンバ81及び絞り通路82)を削除して構成の簡素化を図り得る。
【0069】
・第2圧力監視点P2を、冷媒循環回路において蒸発器33と吸入室21とを含む両者の間の吸入圧力領域に設定すること。
・第2圧力監視点P2をクランク室5に設定すること。つまり、第2圧力監視点P2は、上記実施形態のように、冷媒循環回路の主回路である冷凍サイクル(外部冷媒回路30(蒸発器33)→吸入室21→シリンダボア1a→吐出室22→外部冷媒回路30(凝縮器31))へ設定すること、言い換えれば冷凍サイクルの高圧領域又は低圧領域に設定することに限定されるものではなく、冷媒循環回路の副回路として位置付けられる、容量制御用の冷媒回路(給気通路28→クランク室5→抽気通路27)を構成する、中間圧領域としてのクランク室5に設定しても良い。
【0070】
・圧力監視点を冷媒循環回路において吐出圧力領域の1点とすること。つまり例えば、上記実施形態において、制御弁CVの第2圧力室56を真空状態とするか或いは大気に開放することで同圧力室56内の圧力を略一定とし、感圧機構(54等)が吐出圧力の絶対値の変動に応じて作動ロッド40(弁体部43)を動作させるようにすること。
【0071】
・制御弁CVを、給気通路28ではなく抽気通路27の開度調節によりクランク圧Pcを調節する、所謂抜き側制御弁としても良い。
・エンジンEとの間の動力伝達経路上に電磁クラッチ等のクラッチ機構を備えた容量可変型圧縮機の制御装置に具体化すること。この場合、圧縮機の起動とは、オフ(動力伝達遮断)状態にある電磁クラッチがオン(動力伝達許容)されたことを指す。
【0072】
・ワッブルタイプの容量可変型圧縮機の制御装置に具体化すること。
上記実施形態から把握できる技術的思想について記載する。
(1)前記容量可変型圧縮機は、カムプレートを収容するクランク室の内圧を調節することで吐出容量を変更可能である請求項1〜8のいずれかに記載の制御装置。
【0073】
(2)前記制御弁は、吐出圧力領域とクランク室とを連通する給気通路の開度を調節することで容量可変型圧縮機の吐出容量を制御する構成である前記(1)に記載の制御装置。
【0074】
(3)前記容量可変型圧縮機のハウジングにおいて制御弁が挿入組付される収容孔と、同収容孔に挿入された制御弁の外殻であるバルブハウジングとの間に区間された空間をチャンバとして利用している請求項5に記載の制御装置。
【0075】
(4)前記容量可変型圧縮機と同圧縮機を駆動する外部駆動源とは、動力伝達的に直結されている請求項1〜8又は前記(1)〜(3)のいずれかに記載の制御装置。
【0076】
(5)請求項4の制御装置を、緩和手段がバルブハウジングに備えられている制御弁として把握すること。
【0077】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、容量可変型圧縮機の液冷媒起動時においても、同圧縮機の吐出容量を速やかに増大させることが可能となる。従って、容量可変型圧縮機内部の液冷媒は、同圧縮機の大吐出容量運転によって速やかに外部へ排出され、液圧縮に基づく振動・騒音が長引くことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 容量可変型斜板式圧縮機の断面図。
【図2】 制御弁の断面図。
【図3】 第2実施形態を示す差圧弁付近の断面拡大図。
【図4】 差圧弁の動作を説明する図。
【図5】 別例を示す図。
【符号の説明】
22…吐出圧力領域としての吐出室、37…検圧通路としての第1検圧通路、43…弁体としての弁体部、54…感圧機構を構成する感圧部材、60…設定圧力変更手段としてのソレノイド部、82…緩和手段としての絞り通路、CV…制御弁、P1…圧力監視点としての第1圧力監視点、PdH…第1圧力監視点の圧力。
Claims (8)
- 空調装置の冷媒循環回路を構成する容量可変型圧縮機の吐出容量を制御するための制御装置において、
前記冷媒循環回路の吐出圧力領域に設定された圧力監視点の圧力を検知可能であって、同圧力監視点の圧力変動に基づいて感圧部材が変位することで、同圧力変動を打ち消す側に容量可変型圧縮機の吐出容量が変更されるように弁体を動作させる感圧機構と、前記感圧部材に付与する力を外部からの制御によって変更することで、同感圧部材による弁体の位置決め動作の基準となる設定圧力を変更可能な設定圧力変更手段とを備えた制御弁と、
前記圧力監視点の圧力を感圧機構へ導くための検圧通路上に配設され、同圧力監視点の急激な圧力上昇に対して、感圧機構が検知する圧力の上昇を緩慢とするための緩和手段と
を備えたことを特徴とする制御装置。 - 前記緩和手段は固定絞りよりなる請求項1に記載の制御装置。
- 前記緩和手段は差圧弁よりなり、同差圧弁は圧力監視点側の圧力と感圧機構側の圧力との差が所定値以上となると、検圧通路の開度を小さくする構成である請求項1に記載の制御装置。
- 前記緩和手段は、制御弁の外殻を構成するバルブハウジングに備えられている請求項1〜3のいずれかに記載の制御装置。
- 前記検圧通路上には同通路の通過断面積を一定区間拡大するチャンバが設けられている請求項1〜4のいずれかに記載の制御装置。
- 前記圧力監視点を第1圧力監視点とすると、冷媒循環回路において第1圧力監視点よりも低圧側には第2圧力監視点が設定されており、
前記感圧機構は、第1圧力監視点と第2圧力監視点との圧力差を検知可能であって、両圧力監視点間の圧力差の変動に基づいて感圧部材が変位することで、同圧力差の変動を打ち消す側に容量可変型圧縮機の吐出容量が変更されるように弁体を動作させ、
前記設定圧力変更手段は、感圧部材に付与する力を外部からの制御によって変更することで、同感圧部材による弁体の位置決め動作の基準となる設定差圧を変更可能な構成である請求項1〜5のいずれかに記載の制御装置。 - 前記第2圧力監視点は、冷媒循環回路の吐出圧力領域に設定されている請求項6に記載の制御装置。
- 前記設定圧力変更手段は、外部から給電制御される電磁アクチュエータを備えてなる請求項1〜7のいずれかに記載の制御装置。
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