JP2002266830A - 高力ボルト接合構造およびナット固定方法 - Google Patents

高力ボルト接合構造およびナット固定方法

Info

Publication number
JP2002266830A
JP2002266830A JP2001064262A JP2001064262A JP2002266830A JP 2002266830 A JP2002266830 A JP 2002266830A JP 2001064262 A JP2001064262 A JP 2001064262A JP 2001064262 A JP2001064262 A JP 2001064262A JP 2002266830 A JP2002266830 A JP 2002266830A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
box
nut
bolt
shaped
shaped section
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001064262A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4171183B2 (ja
Inventor
Nobuyoshi Uno
暢芳 宇野
Masahiro Nagata
匡宏 永田
Hidetoshi Tamasaki
英俊 玉崎
Toshio Miyagawa
敏夫 宮川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Nippon Steel Bolten Co Ltd
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Nittetsu Bolten KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP2001064262A priority Critical patent/JP4171183B2/ja
Application filed by Nippon Steel Corp, Nittetsu Bolten KK filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to TW090131377A priority patent/TW531597B/zh
Priority to PCT/JP2001/011108 priority patent/WO2002050439A1/ja
Priority to CNB018072224A priority patent/CN1229580C/zh
Priority to KR1020027010818A priority patent/KR100618660B1/ko
Priority to US10/204,206 priority patent/US7204667B2/en
Priority to KR1020067009729A priority patent/KR20060060066A/ko
Publication of JP2002266830A publication Critical patent/JP2002266830A/ja
Priority to HK03105205.7A priority patent/HK1052958B/zh
Priority to US11/728,092 priority patent/US20070177958A1/en
Application granted granted Critical
Publication of JP4171183B2 publication Critical patent/JP4171183B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 箱形断面柱とスプリットティのボルト接合構
造において、ボルトを外部側から挿入して頭部側で締め
付け、ボルトに対する導入張力のコントロールも容易な
高力ボルト接合構造および箱形断面柱内部へのナット固
定方法を提供すること。 【解決手段】 箱形断面柱1とスプリットティ2の高力
ボルト接合部位の少なくとも複数部位で、箱形断面柱の
内部側に配置するナット7を座金相当部と一体に形成し
座金相当部にスリーブを固定して、このスリーブを箱形
断面柱の外部側のナット保持部品のスリーブと接合して
ナット7を箱形断面柱の内部側に固定し、例えばトルシ
ア形高力ボルト6αを、箱形断面柱1に当接したスプリ
ットティ2の外部側からボルト孔に挿入して、内部側に
固定したナットと螺合してボルト頭部側で締め付け可能
にした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、鋼構造建
築物を構築する際に角形断面または円形断面の箱形断面
材を柱材とし、この箱形断面柱にスプリットティやエン
ドプレート、アングル材、添板などの接合金物を介して
H形断面梁(圧延成形材や溶接組立材)を取り付ける箱
形断面柱とH形断面梁とのボルト接合構造において適用
される、高力ボルト接合構造およびナット固定方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、角形の箱形断面材による柱材とH
形断面梁を用いた両方向ラーメン構造が多用されてお
り、接合構造としては通しダイヤフラム形式の接合構造
が一般的に用いられている。この形式の接合構造では、
箱形断面柱とダイヤフラムの接合、ダイヤフラムとH形
断面梁の取付部の接合は溶接によって行われ、取付部と
H形断面梁の接合は、添板を介してボルト接合によって
行われていた。このような、通しダイヤフラム形式の接
合構造においては、H形断面梁に曲げモーメントが作用
した場合に生じる上下フランジでの圧縮力および引張力
を、接合部の剛性を低下させずに箱形断面柱に伝達させ
ることができるものの、その構造は複雑であり加工工数
が多大となる。また、ダイヤフラムの両面を箱形断面柱
およびコラムコアに溶接する必要があり、溶接量が多く
なるとともに高度の溶接技能が必要になる。
【0003】そのため、最近では、図35に示すよう
に、ダイヤフラムを用いず箱形断面柱1にスプリットテ
ィ2を特殊構造で高価なワンサイドボルト3(詳細図示
省略)で接合し、このスプリットティ2にH形断面梁4
を高力ボルト5で接合することにより、溶接負担を軽減
する接合構造が採用されるようになってきている。ここ
で用いられる高力ボルト5としては、日本鋼構造協会の
規格(JSS II 091996)に定められている構
造用トルシア形高力ボルト・六角ナット・平座金のセッ
ト(以下「トルシア形高力ボルト」という。)が多用さ
れている。
【0004】このトルシア形高力ボルトは、ボルトに対
して所定の張力を導入できる構造を備えた、図36
(a)〜(c)に示すような構造を有するものである。
すなわち、このトルシア形高力ボルト6は、外周形状が
円形の頭部を有し、外周形状が六角形のナット7の雌ネ
ジに螺合する雄ネジ形成部の先端にブレークネック10
を介してトルクコントロール用のピンテール9を形成し
たものである。このトルシア形高力ボルト6を用い、例
えば鋼材どうしをボルト接合する場合には、図37
(a)に示すように、トルシア形高力ボルト6を接合す
る鋼材11と12のボルト孔13に挿入し、突出した雄
ネジ部に座金8を挿通してナット7を螺合し、ナット7
側を回して締め付けるようにしたものであり、この締め
付けの際には、図37(b)に示すような特殊な締付具
14が使用される。
【0005】この締付具14は、ナット7に係合させる
アウタースリーブ14oと、ピンテール9を掴み一定の
トルクを与えるインナースリーブ14iとを連動的に動
作させる機構を備えたものであり、この締付具14を用
いてトルシア形高力ボルト6を締め付ける場合には、イ
ンナースリーブ14iでピンテール9を掴みアウタース
リーブ14oでナット7を回すことにより、ナットの回
転トルクを反力としてピンテール9のブレークネック1
0に伝え、図37(c)に示すように、この部分をある
一定のトルクで破断させるものである。このときの破断
トルクで高力ボルトに導入する張力をコントロールする
ことができるものである。
【0006】このトルシア形高力ボルトは、例えば、上
記のような角形の箱形断面材とH形断面梁のボルト接合
構造において、箱形断面柱にスプリットティをボルト接
合する場合、あるいはスプリットティにH形断面梁を直
接または添板を介してボルト接合する場合などに用い
て、ピンテール形成側を接合部位の外部側にしてナット
を螺合し締め付けるようにしたものである。しかし、こ
のような箱形断面柱とスプリットティの接合構造におい
ては、一般の高力ボルト(例えばJIS B1186に
規定される摩擦接合用高力六角ボルトや日本鋼構造協会
規格の構造用トルシア形高力ボルトなど)を用いた、通
常のボルト接合では接合施工が不可能である。
【0007】そのため箱形断面柱の外部側から接合施工
が可能なワンサイドボルトが開発され実用に供されるよ
うになった。また、柱の建て方前に、工場または現場で
事前に箱形断面柱の内部から一般の高力ボルトを特殊な
道具により箱形断面柱に設けられたボルト孔に挿入し、
スプリットティを箱形断面柱に当接して固定する方法も
提案されている。しかし、前者のワンサイドボルトを使
用した接合構造は高価であり接合部の費用が嵩むととも
に、強度に限界があることに加え、ボルトに対する導入
張力のコントロールが容易ではなく、大型構造の柱梁接
合構造において安定したボルト接合構造を実現すること
ができなかった。また、後者の方法は、ワンサイドボル
トに比較してコスト面や強度は改善できているが、上下
のスプリットティが梁の取り付け前の柱に固定されてい
ることから、現場での梁の取り付け作業方法に制約があ
り、施工スピードが落ちるという問題があり、結果的に
建設コストの上昇につながっている。
【0008】そのため、H形断面梁の下フランジを取り
付ける下側のスプリットティのみを工場で取り付け、上
側のスプリットティは現場でH形断面梁の取り付けを行
う際にボルトを外部側から挿入して取り付けられるよう
に、予め工場で箱形断面柱の内部側にナットを固定して
おき、H形断面梁の取り付けの際に、上側のスプリット
ティをH形断面梁の上フランジに取り付け、下側のスプ
リットティでH形断面梁を支持した状態にして、箱形断
面柱に上側のスプリットティを並行して取り付ける方法
も採用されている。
【0009】例えば、特開平6−33929号、特開平
6−101284号、特開平7−145638号公報で
は、ナットを角形鋼管柱の内部側に固定し、ボルトを外
部側から挿入して締め付けを行うことが開示されている
が、このようなボルト接合構造においては、ナットにカ
ラーを一体成型して、このカラーを角形鋼管柱の内部側
からボルト孔に押し込み変形させる必要があるため、狭
隘な角形鋼管柱の内部側で大きい力を付与する必要があ
り施工性に難がある。また、実質的には上記従来のトル
シア形高力ボルトを使用することができず、ボルトに対
して簡便な張力導入ができず、安定したボルト接合構造
の実現が難しかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の高力
ボルト接合構造での問題点を解消するものであり、例え
ば、箱形断面材による柱材と接合金物としてのスプリッ
トティの高力ボルト接合構造において、ナットを箱形断
面柱の内部側に固定し高力ボルトを外部側から挿入し
て、高力ボルトに対する張力導入のコントロールも容易
に可能な高力ボルト接合構造および箱形断面柱内部への
ナット固定方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するために、以下の(1)〜(12)を要旨とする
ものである。 (1) 箱形断面材と接合金物の高力ボルト接合部位の
少なくとも複数部位で、箱形断面材の内部側に当接した
ナットの雌ねじ端に、この雌ねじ径より大径の雌ねじが
別設され、外部側からボルト孔に挿入されたナット保持
部品のスリーブの雄ねじが螺合されることによって、ナ
ットが箱形断面材の内部側に固定され、高力ボルトが箱
形断面材の外側に当接した接合金物の外部側からボルト
孔に挿入され、雄ネジ部が箱形断面材の内部側に固定さ
れたナットと螺合されていることを特徴とする箱形断面
材と接合金物の高力ボルト接合構造。
【0012】(2) 箱形断面材と接合金物の高力ボル
ト接合部位の少なくとも複数部位で、箱形断面材の内部
側に配置したナット側にスリーブが固着され、このスリ
ーブが箱形断面材の内部側からボルト孔に挿入され外部
側にあるナット保持部品のスリーブと接合されることに
よって、ナットが箱形断面材の内部側に固定され、高力
ボルトが箱形断面材の外側に当接された接合金物の外部
側からボルト孔に挿入され、雄ネジ部が箱形断面材の内
部側に固定されたナットと螺合されていることを特徴と
する箱形断面材と接合金物の高力ボルト接合構造。 (3) 箱形断面材と接合金物の高力ボルト接合部位の
少なくとも複数部位で、ナットに、長さ方向にスリット
を形成して外径を弾性的に拡縮可能にしたスリーブが固
着され、このスリーブのスリット形成領域が箱形断面材
の内部側からボルト孔に圧入されることによって、ナッ
トが箱形断面材の内部側に固定され、高力ボルトが箱形
断面材の外側に当接された接合金物の外部側からボルト
孔に挿入され雄ネジ部が箱形断面材の内部側に固定され
たナットと螺合されていることを特徴とする箱形断面材
と接合金物の高力ボルト接合構造。
【0013】(4) 箱形断面材と接合金物の高力ボル
ト接合部位の少なくとも複数部位で、ナットに、先端に
係止用突起部を有するスリーブが固着され、このスリー
ブが箱形断面材の内部側からボルト孔に挿入され箱形断
面材の外部側に突出したスリーブの係止用突起部が拡開
・折曲されて箱形断面材の外部側に係止されることによ
って、ナットが箱形断面材の内部側に固定され、高力ボ
ルトが箱形断面材の外側に当接された接合金物の外部側
からボルト孔に挿入され、雄ネジ部が箱形断面材の内部
側に固定されたナットと螺合されていることを特徴とす
る箱形断面材と接合金物の高力ボルト接合構造。
【0014】(5) 箱形断面材と接合金物の高力ボル
ト接合部位の少なくとも複数部位で、ナットの外周部に
ナット保持部品の係止爪が係合され、このナット保持部
品のスリーブが、箱形断面材の内部側からボルト孔に挿
入され外部側に突出した先端部が拡開・折曲され箱形断
面材の外部側に係止させることによって、ナットが箱形
断面材の内部側に固定され、高力ボルトが箱形断面材の
外側に当接された接合金物の外部側からボルト孔に挿入
され、雄ネジ部が箱形断面材の内部側に固定されたナッ
トと螺合されていることを特徴とする箱形断面材と接合
金物の高力ボルト接合構造。 (6) 箱形断面材と接合金物の高力ボルト接合部位の
少なくとも複数部位で、ナットが箱形断面材の内部側に
接着により固定され、高力ボルトが箱形断面材の外側に
当接された接合金物の外部側からボルト孔に挿入され、
雄ネジ部が箱形断面材の内部側に固定したナットと螺合
されていることを特徴とする箱形断面材と接合金物の高
力ボルト接合構造。
【0015】(7) 箱形断面材と接合金物の高力ボル
ト接合部位の少なくとも複数部位で、箱形断面材の内部
側に当接したナットの雌ねじ端に、係止縁を有する係合
孔が設けられ、この係止縁に、ボルト孔に挿入されたナ
ット保持部品のスリーブ先端の係止鉤が押し込まれ係止
されることによって、ナットが箱形断面材の内部側に固
定され、高力ボルトが箱形断面材の外側に当接した接合
金物の外部側からボルト孔に挿入され雄ネジ部が箱形断
面材の内部側に固定されたナットと螺合されていること
を特徴とする箱形断面材と接合金物の高力ボルト接合構
造。 (8) (1)〜(7)のいずれかにおいて、用いられ
た高力ボルトが、頭部にトルクコントロール機構を備え
頭部座面に座金を当接して使用するものであることを特
徴とする箱形断面材と接合金物の高力ボルト接合構造。
【0016】(9) 箱形断面材と接合金物の高力ボル
ト接合部位の少なくとも複数部位で、箱形断面材の内部
側に配置するナットの雌ねじに、ナット設置ボルトの雄
ねじを螺合して、ナット設置ボルトを箱形断面材の内部
側からボルト孔に挿入して外部側に突出させた状態で、
ナット設置ボルトに外部側から挿入したナット保持部品
により箱形断面材の内部側にナットを固定することを特
徴とする箱形断面材内部側へのナット固定方法。 (10) 箱形断面材と接合金物の高力ボルト接合部位
の少なくとも複数部位で、箱形断面材の内部側に配置す
るナットの雌ねじに、ナット設置ボルトの雄ねじを螺合
して、ナット設置ボルトを箱形断面材の内部側からボル
ト孔に挿入し外部側に突出させた状態を保持して、箱形
断面材の内部側にナットを接着により固定することを特
徴とする箱形断面材内部側へのナット固定方法。
【0017】(11) (9)または(10)におい
て、ナットを箱形断面材の内部側に固定した後、ナット
設置ボルトを回転させて取り外すことを特徴とする箱形
断面材内部側へのナット固定方法。 (12) (9)または(10)において、ナットを箱
形断面材の内部側に固定した後、ナット設置ボルトに箱
形断面材の外部側から仮止めナットを螺合して締め付
け、ナット設置ボルトを仮止めして置くことを特徴とす
る箱形断面材内部側へのナット固定方法。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明は、主として、スプリット
ティやエンドプレート、アングル材、添板などの接合金
物を用いた箱形断面柱とH形断面梁の高力ボルト接合構
造において、特に箱形断面柱と接合金物を高力ボルト接
合する場合に適用されるものである。本発明では、基本
的には、ナット(ここでは、ナット、座金と一体成形さ
れたナット、独立した座金と一体化したナット、以下
「ナット」という。)を、予め箱形断面柱の内部側に固
定しておき、箱形断面柱の外側にスプリットティ(以下
接合金物を「スプリットティ」で代表説明する。)を当
接して高力ボルト接合する際に、高力ボルトを外部側か
らボルト孔に挿入し、雄ネジ部を内部側に固定したナッ
トの雌ネジに螺合して、外部側にある高力ボルトの頭部
側を締結具で回転させて締め付けるものであり、高力ボ
ルトとしては、頭部側にトルクコントロール機構を備え
たトルシア形高力ボルトを主に用いるものである。この
ようなトルシア形高力ボルトを用いる場合には従来の締
付具とは異なる特殊な締結具を用いるものである。
【0019】ナットを箱形断面柱の内部に固定する場合
には、例えば本件出願人の出願になる特開2000−2
13070号公報に開示されるような特殊な装置(ボル
ト搬送装置と引出治具)を用いることができる。この装
置を用いる場合には、ナットを螺合したナット設置ボル
トをボルトとし、これを直立状態にしてボルト搬送装置
によって箱形断面柱内のボルト孔の位置まで搬送し、外
部側からボルト孔に挿入した引出治具により先端部を外
部側に引き上げた状態にして、箱形断面柱の内部側でナ
ット設置ボルトに螺合されているナットを、ナット保持
部品、スリーブ、接着などの固定手段により箱形断面柱
の内部に固定することができる。ここで用いるナット保
持部品やスリーブは、主として金属製あるいはプラスチ
ック製であり、ナット保持部品が金属製で鍔部の表裏面
が接合面になる場合には、この鍔部の外径をボルト軸径
の2〜3倍にすることが好ましい。
【0020】スプリットティを箱形断面柱に高力ボルト
接合する場合には、ナット設置ボルトをナットから取り
外してスプリットティを箱形断面柱に当接し、高力ボル
トを外部側からボルト孔に挿入して箱形断面柱の内部側
に固定されたナットに螺合し、ボルト頭部側を締結具で
回転させることにより締め付け、スプリットティを箱形
断面柱に接合することができる。箱形断面柱とスプリッ
トティ(接合金物)の高力ボルト接合作業は、すべて工
場で完了させることが可能であるが、建て方現場での梁
材の取り付けの際の制約を緩和するために、例えば下側
スプリットティのみを接合して建て方現場に移動させ、
上側スプリットティは建て方現場で梁材を取り付ける際
に接合したり、あるいは上下のスプリットティを建て方
現場で建て方前に、または梁材を取り付ける際に接合す
る場合などがあり、高力ボルトとしては、頭部側にトル
クコントロール機構を備えたトルシア形高力ボルトを主
に用いるが、接合構造全体としては、一部にワンサイド
ボルトや高力六角ボルトを用いることもできる。
【0021】
【実施例】(実施例1)以下に、本発明の実施例1を図
1〜図8に基づいて詳細に説明する。この実施例1は、
角形断面の箱形断面材による柱(以下「箱形断面柱」と
いう)1に、接合金物であるスプリットティ2を介して
梁材であるH形断面梁(図示省略)を取り付ける箱形断
面柱とH形断面梁の高力ボルト接合構造において、箱形
断面柱1とスプリットティ2の高力ボルト接合構造に本
発明を適用した場合のものである。
【0022】図1は、本発明による箱形断面柱1とスプ
リットティ2の高力ボルト接合構造例において、トルシ
ア形高力ボルト6αによる接合を完了した状態を示して
いる。なお、スプリットティ2は、H形断面梁を箱形断
面柱1に取り付ける場合には、1本のH形断面梁に対し
て上下一対用いられるものであり、通常、1個のスプリ
ットティ2は、複数本の高力ボルトによって箱形断面柱
1に接合されるものであるが、ここでは、高力ボルトと
して、従来のトルシア形高力ボルトとは異なる、頭部に
トルクコントロール機構を備えたトルシア形高力ボルト
6αを用いたボルト接合構造例で1本のトルシア形高力
ボルト6αを中心に図示して代表説明する。
【0023】図1において、15は箱形断面柱1の内部
側に固定されたナットで、図2(a)、(b)に示すよ
うに、ここでは座金と一体に形成した形状であり、小径
の雌ネジ15sを有し、座金相当部15z側には大径の
雌ネジ15oを有するものである。16は箱形断面柱1
の内部側にナット15を保持するために用いるナット保
持部品である。このナット保持部品16は金属製であ
り、図3(a)、(b)に示すように、スリーブ部16
aと鍔部16bからなり、スリーブ部16a先端部には
雄ネジ16sを有するものである。
【0024】ナット保持部品16のスリーブ部16a
は、箱形断面柱1の外側からボルト孔17に挿入されて
おり、雄ネジ16sがナット15の座金相当部15zの
大径の雌ネジ15oに螺合され、鍔部16bが箱形断面
柱1の外部側に係止されている。ここでは、鍔部16b
の表裏面は箱形断面柱1とスプリットティ2の内面との
接合面になるため、安定した接合面とするために、その
外径doがトルシア形高力ボルト6αの軸径の2〜3倍
になるように設定されている。
【0025】箱形断面柱1の外側でナット保持部品16
の鍔部16bに当接されたスプリットティ2は、外部側
からボルト孔17に挿入されたトルシア形高力ボルト6
αを、箱形断面柱1の内部側に固定されたナット15に
螺合して頭部側を締め付けることによって、箱形断面柱
1に接合されている。このトルシア形高力ボルト6α
は、ナット15の雌ネジ15sに螺合する雄ネジ6sを
有するものであり、図4(a)、(b)に示すように、
頭部6tに張力コントロール用のピンテール18を形成
し頭部6tとピンテール18間に破断溝によるブレーク
ネック19を形成したものであり、前記図36に示した
従来のトルシア形高力ボルト6とは異なるものである。
【0026】このトルシア形高力ボルト6αの頭部6t
の座面6fに外周形状が六角形の座金20が介挿・当接
されているが、この座金は、図4(a)、(b)に示す
ように、外周形状が六角形であり、ボルト頭部6tの外
径より大径にして、締結具21で締め付ける際にボルト
頭部6tと干渉しないようにしたものである。この座金
20は、トルシア形高力ボルト6αを締結具21(図8
(c)を参照)で締め付ける際に、この締結具21のア
ウタースリーブ21oに係合させ、締結具21のインナ
ースリーブ21iでボルト頭部6tのピンテール18を
掴み回して、座金20からの反力としての回転トルクに
よってブレークネック19を所定の破断トルクで破断さ
せて、ボルトに対する導入張力をコントロールするため
に重要な役割を果すものである。
【0027】この実施例1の箱形断面柱1とスプリット
ティ2のボルト接合構造を得るための接合工法例につい
て、図5(a)、(b)〜図7(a)〜(c)に基づい
て説明する。 [箱形断面柱内部へのナット固定方法] (1)ナット設置ボルトを用いる方法 この方法では、図5(a)に示すような一方の側に雄ネ
ジ22sを形成し他方の側の端部に把持部22aを形成
した設置ボルト22(または図5(b)に示すような本
体全面に雄ネジ23sを形成し他方の側の端部に把持部
23aを形成したたナット設置ボルト23を用いてもよ
い。)を用い、図6に示すように、雄ネジ22sにナッ
ト15の小径の雌ネジ15sを螺合し、このナット設置
ボルト22の把持部側を箱形断面柱1の内部側からボル
ト孔17を経由して外部側に突出させた状態でナット1
5を固定するものである。
【0028】そのために、ナット設置ボルト22は、箱
形断面柱1の内部の所定位置(ボルト孔17の直下)に
移動させ、ボルト孔17を経由して外部側に押し上げま
たは引き上げる必要があるが、その手段として、例え
ば、前記本件出願人の出願になる特開2000−213
070号公報に開示されるボルト搬送装置と引出治具
(図示省略)を用いることができる。すなわち、ナット
設置ボルト22は、把持部22aを上にした状態でボル
ト搬送装置に搭載し、箱形断面柱1の内部側の所定位置
(ボルト孔17の直下)まで移動させ、箱形断面柱1の
ボルト孔17に、予めナット保持部品16(スリーブ部
16a)を挿通してある引出治具24の把持部24aを
挿入し、図7(a)に示すように、ナット設置ボルト2
2の把持部22aを把持して引上げ、図7(b)に示す
ように、ナット15の座金相当部15zの座面を箱形断
面柱1の内面に押し付けた状態で、ナット保持部品16
のスリーブ部16aを、ボルト孔17に挿入し、スリー
ブ部16aの雄ネジ16sをナット15の座金相当部1
5zの大径の雌ネジ15oに螺合して締め付ける。この
締め付けの完了によって、ナット保持部品16の鍔部1
6bが箱形断面柱1の外面に係止されることにより、図
7(c)に示すようにナット15を箱形断面柱1の内部
側に確実に固定することができる。ナット設置ボルト2
2は、ナット固定後に適時ナット15から取り外すもの
である。
【0029】(2)接合部位が作業者の手の届くところ
にある場合には、上記したナット設置ボルトを用いるこ
となく、ナット15を箱形断面柱1の内部側に固定する
ことができる。
【0030】[箱形断面柱内とスプリットティの高力ボ
ルト接合工法]上記のようにして、内部側にナット15
を固定した後の箱形断面柱1とスプリットティ2の高力
ボルト接合工法について、図8(a)〜(c)に基づい
て説明する。図7(c)に示すように、ナット保持部品
16を用いてナット15を箱形断面柱1の内部側に固定
し、ナット設置ボルト22をナット15から取り外した
状態で、図8(a)に示すように箱形断面柱1の外側に
スプリットティ2を箱形断面柱1とスプリットティ2の
ボルト孔17(双方のボルト孔17の孔径は必ずしも同
じでなくてもよい)を合わせるように当接し、座金20
を挿入したトルシア形高力ボルト6αを、図8(b)に
示すように、スプリットティ2の外側からスプリットテ
ィ2のボルト孔17、ナット保持部品16のスリーブ部
16a内を経由して挿入し、雄ネジ6sを箱形断面柱1
の内部に固定したナット15の小径の雌ネジ15sに螺
合して一次締めを行う。
【0031】一次締めを行った後、図8(c)に示すよ
うに、インナースリーブ21iとアウタースリーブ21
oを連動して動作させる機構を備えた締結具21によっ
て本締め付けを行う。締結具21は、例えば図37に示
す公知の締付具14と基本的には同様の原理を利用した
ものであるが、トルシア形高力ボルト6αのピンテール
18を掴み回転させるインナースリーブ21iと、トル
シア形高力ボルト6αの頭部6tの座面6fに当接され
た座金20に係合するアウタースリーブ21oを連動的
に動作させる機構を備えたものであり、公知の締付具1
4と同じものではない。
【0032】この締結具21でトルシア形高力ボルト6
αを締め付ける場合には、インナースリーブ21iでト
ルシア形高力ボルト6αの頭部6tに形成したピンテー
ル18を掴み、アウタースリーブ21oを座金20に係
合して、ピンテール18を回し、アウタースリーブ21
oを介して座金20からの反力としての回転トルクによ
って、ピンテール18の破断溝によるブレークネック1
9を所定の破断トルクで破断させるものであり、ボルト
に対する導入張力を容易にコントロールして安定した高
力ボルト接合構造を実現することができる。なお、ナッ
ト保持部品16は、トルシア形高力ボルト6αの締め付
けを完了した状態では不要なものであるが、そのまま残
しておいても支障はない。
【0033】この実施例1のトルシア形高力ボルト6α
を使用した、箱形断面柱1とスプリットティ2のボルト
接合構造においては、外部側でボルトの締め付けが行え
るので、建て方現場でも高価なワンサイドボルトを使用
する必要がなく、コストの大幅低減が可能である。ま
た、ボルトの締め付け作業を、柱の建て方現場で箱形断
面柱1にH形断面梁をスプリットティ2を介して取り付
ける際に並行して行えることから、H形断面梁の取り付
け作業に制約を与えることがなく、良好な施工性を確保
できる。また、頭部6t側にトルクコントロール用のピ
ンテール18を有するトルシア形高力ボルト6αを用い
ているので、箱形断面柱1の内部側にナット15を固定
し、外部側でボルト頭部6t側を回して締め付ける場合
には、ボルトに対する導入張力を容易にコントロールす
ることができ、安定した接合構造を実現することが可能
になる。
【0034】(実施例2)以下に、本発明の実施例2を
図9〜図13に基づいて詳細に説明する。この実施例2
は、実施例1とは、ナット15の固定方法(構造)にお
いて異なる。実施例1と共通する部分については、詳細
説明を省略する。図9は、本発明による箱形断面柱1と
スプリットティ2の高力ボルト接合構造例において、ト
ルシア形高力ボルト6αによる接合を完了した状態を示
している。図9において、15は箱形断面柱1の内部側
に固定された雌ネジ15sを有するナットで、図10
(a)、(b)に示すように、ここでは座金相当部15
zと一体に成形した形状で、座金相当部15zにスリー
ブ25を固定したものである。
【0035】このスリーブ25は金属製であり、基端部
を座金相当部15zの孔内に嵌入・接着して固定したも
ので、ボルト孔17より僅かに小径の外径を有して箱形
断面柱1のボルト孔17に挿入されており、このスリー
ブ25には、箱形断面柱1の外側からボルト孔17に挿
入されたナット保持部品26のスリーブ部26aが内挿
され、スリーブ25の内周面とスリーブ26a部外周面
が接着剤bにより接合されている。ナット保持部品26
は金属製のものであり、図11(a)、(b)に示すよ
うにスリーブ部26aと鍔部26bからなるものであ
り、スリーブ部26aの内径は、トルシア形高力ボルト
6αの軸径より僅かに大径であり、雄ネジ6s部を容易
に挿入可能である。
【0036】また、鍔部26bは、ナット15を箱形断
面柱1の外面に係止するものであるが、ここでは、その
表裏面が接合面になるため、安定した接合面とするため
に外径doがトルシア形高力ボルト6αの軸径の2〜3
倍の径に設定されている。スリーブ部26aは、ナット
15側のスリーブ25に挿入容易にするために僅かに先
細りの形状にしてもよい。このナット保持部品26のス
リーブ部26aが箱形断面柱1の外面側から座金相当部
15zに固定したスリーブ25に内挿・接着され、鍔部
26bが箱形断面柱1の外面に係止されることによっ
て、ナット15がスリーブ25、ナット保持部品26を
介して箱形断面柱1の内部側に確実に固定される。
【0037】トルシア形高力ボルト6αは、座金20を
挿入したもので、実施例1と同様のものであり、箱形断
面柱1の外側に当接されたスプリットティ2の外側から
ボルト孔17に挿入され、雄ネジ6sを箱形断面柱1の
内部側に固定されたナット15の雌ネジ15sに螺合し
て、実施例1と同様の締結具21により頭部6t側で締
め付けることにより、箱形断面柱1とスプリットティ2
を接合したものである。なお、ナット15側のスリーブ
25とナット保持部品26は、トルシア形高力ボルト6
αの締め付けを完了した状態では不要なものであるが、
そのまま残しておいても支障はない。
【0038】この実施例2の箱形断面柱1とスプリット
ティ2のボルト接合構造を得るための接合工法につい
て、図12及び図13(a)〜(c)に基づいて説明す
る。 [箱形断面柱内部へのナット固定方法]実施例1と同様
の装置とナット設置ボルト22を用いる方法であり、図
12に示すように、ナット設置ボルト22の雄ネジ22
sに、座金相当部15zにスリーブ25を固定したナッ
ト15の雌ネジ15sを螺合し、このナット設置ボルト
22を箱形断面柱1の内部の所定位置に搬送する。図1
3(a)に示すように、箱形断面柱1のボルト孔17の
外部側から、予めナット保持部品26のスリーブ部26
aを挿通した引出治具24の把持部24aを挿入してナ
ット設置ボルト22の把持部22aを把持して引上げ、
図13(b)に示すように、ナット15側のスリーブ2
5を箱形断面柱1のボルト孔17に挿入しナット15の
座金相当部15zを箱形断面柱1の内面に押し付ける。
【0039】この状態で、ナット保持部品26のスリー
ブ部26aを箱形断面柱1の外側からボルト孔17に挿
入してナット側のスリーブ25に内挿し、スリーブ部2
6aの外周面をナット側のスリーブ25の内周面に接着
剤bで接着する。十分に接着された状態になってから、
図13(c)に示すようにナット設置ボルト22の把持
部22aを回してナット設置ボルト22をナット15か
ら取り外す。このようにして、箱形断面柱1の内部側に
スリーブ25とナット保持部品26を介してナット15
を固定することができる。
【0040】なお、接着力の発現が不十分な状態で現場
に搬送する場合などには、搬送途中の衝撃による脱落防
止のために、図5(b)に示す軸部に全ネジ23sを有
するナット設置ボルト23を用い、このナット設置ボル
ト23を取り外さないで、外部側からナット設置ボルト
23に仮止めナットを螺合して手締め程度で締め付けて
現場に搬送することもできる。また、この実施例2で
は、ナット15側のスリーブ25とナット保持部品26
のスリーブ26aを接着・固定しているが、スリーブ2
5の内周に雌ネジを形成し、スリーブ26aの外周に雄
ネジを形成して螺合・固定したり、スリーブ25の内周
と、スリーブ部26aの外周に嵌合部(凹凸)を形成し
て嵌合・回動して係止・固定するようにしてもよい。
【0041】[箱形断面柱内とスプリットティの高力ボ
ルト接合工法]上記のようにして、箱形断面柱1の内部
側にナット15を固定した後の箱形断面柱1とスプリッ
トティ2の高力ボルト接合工法については、実施例1の
場合と概ね同様につき、説明を省略する。この実施例2
のトルシア形高力ボルト6αを使用した、箱形断面柱1
とスプリットティ2のボルト接合構造においては、実施
例1の場合に比較して部品数増に加え接着施工負担がや
や大きいが、概ね同様の効果が得られる。
【0042】(実施例3)以下に、本発明の実施例3を
図14〜図17に基づいて詳細に説明する。この実施例
3は、実施例1、2とはナット15の固定方法(構造)
において異なる。実施例1、2と共通する部分について
は詳細説明を省略する。図14は、本発明による箱形断
面柱1とスプリットティ2の高力ボルト接合構造例にお
いて、トルシア形高力ボルト6αによる接合を完了した
状態を示している。図14において、15は箱形断面柱
1の内部側に接着・固定された雌ネジ15sを有するナ
ットで、図15(a)、(b)に示すように座金相当部
15zと一体に成型した形状であり、箱形断面柱1の内
部側に接着剤bで接着され固定されている。トルシア形
高力ボルトαは、座金20を挿入したもので実施例1、
2と同様のものであり、箱形断面柱1の外側に当接され
たスプリットティ2の外側からボルト孔17に挿入さ
れ、雄ネジ6sを箱形断面柱1の内部側に接着・固定さ
れたナット15の雌ネジ15sに螺合して、実施例1と
同様、締結具21により頭部6t側で締め付けることに
より、箱形断面柱1とスプリットティ2を接合したもの
である。
【0043】この実施例3の箱形断面柱1とスプリット
ティ2のボルト接合構造を得るための接合工法につい
て、図16及び図17(a)〜(c)に基づいて説明す
る。 [箱形断面柱内部へのナット固定方法]実施例1、2と
同様の装置とナット設置ボルト22を用いる方法であ
り、図16に示すように、ナット設置ボルト22の雄ネ
ジ22sに、座金相当部15zの座面に接着剤bを施し
たナット15の雌ネジ15sを螺合し、このナット設置
ボルトを箱形断面柱1の内部の所定位置に搬送する。
【0044】図17(a)に示すように、箱形断面柱1
のボルト孔17の外部側から引出治具24の把持部24
aを挿入して、ナット設置ボルト22の把持部22aを
把持して引上げ、図17(b)に示すように、ナット1
5の座金相当部15zを箱形断面柱1の内面に押し付け
座面を接着剤bで接着・固定する。十分に接着・固定さ
れた状態になってから、図17(c)に示すように、ナ
ット設置ボルト22の把持部22aを回してナット設置
ボルト22をナット15から取り外す。このようにし
て、箱形断面柱1の内部側にナット15を固定すること
ができる。なお、接着力の発現が不十分な状態で現場に
搬送する場合などには、搬送途中の衝撃による脱落防止
のために、例えば、図18に示すように、軸部に全ネジ
23sを有するナット設置ボルト23を用い、このナッ
ト設置ボルト23を取り外さないで、外部側からナット
設置ボルト23に仮止めナット27を螺合して手締め程
度で締め付けて現場に搬送することもできる。
【0045】[箱形断面柱内とスプリットティの高力ボ
ルト接合工法]上記のようにして、箱形断面柱1の内部
側にナット15を固定した後の箱形断面柱1内とスプリ
ットティ2の高力ボルト接合工法については、実施例1
〜2の場合と概ね同様につき、説明を省略する。この実
施例3のトルシア形高力ボルト6αを使用した、箱形断
面柱1とスプリットティ2のボルト接合構造において
は、ナット15を箱形断面柱1の内部側に接着・固定す
るものであるため、実施例1、2に比較して、スリーブ
やナット保持部品を用いる必要がなく、構造が簡易であ
り、ナットの固定作業も簡易である。他の効果は、実施
例1、2の場合と概ね同様である。
【0046】(実施例4)以下に、本発明の実施例4を
図19〜図21に基づいて詳細に説明する。この実施例
4は、箱形断面柱1とスプリットティ2の高力ボルト接
合構造に本発明を適用した場合のものである。図19
は、本発明による箱形断面柱3とスプリットティ2の高
力ボルト接合構造例において、ボルト接合を完了した状
態を示している。この実施例4は、箱形断面柱1の内部
側へのナット固定構造において実施例1〜実施例3と異
なるものである。他の共通部分の詳細説明は一部省略す
る。
【0047】図19において、15は箱形断面柱1の内
部側に固定された雌ネジ15sを有するナットで、実施
例1〜3と同様、座金相当部と一体に成形した形状で、
座金相当部15zにスリーブ28を固定したものであ
る。このスリーブ28は金属製であり、基端部を座金相
当部15zの孔内に嵌入・接着して固定したもので、ボ
ルト孔17より僅かに小径の外径を有し箱形断面柱1の
ボルト孔17に嵌入され外周面が接着剤bにより接着さ
れている。
【0048】トルシア形高力ボルト6αは、座金20を
挿入したもので、実施例1〜3と同様のものであり、箱
形断面柱1の外側に当接されたスプリットティ2の外側
からボルト孔17に挿入され、雄ネジ6sをスプリット
ティ2のボルト孔17、スリーブ28の孔内を経由して
箱形断面柱1の内部側に接着・固定されたナット15の
雌ネジ15sに螺合し、実施例1〜3と同様、締結具2
1により頭部側で締め付けることにより、箱形断面柱1
とスプリットティ2を接合したものである。
【0049】この実施例4の箱形断面柱1とスプリット
ティ2のボルト接合構造を得るための接合工法につい
て、図20及び図21(a)〜(c)に基づいて説明す
る。 [箱形断面柱内部へのナット固定方法]実施例1〜3と
同様の装置とナット設置ボルト22を用いる方法であ
り、図20に示すように、ナット設置ボルト22の雄ネ
ジ22sに、座金相当部15zに外周面に接着剤bを施
したスリーブ28を固定したナット15の雌ネジ15s
を螺合し、箱形断面柱1の内部の所定位置に搬送する。
【0050】図21(a)に示すように、ボルト孔17
の外部側から引出治具24の把持部24aを挿入してナ
ット設置ボルト22の把持部22aを把持して引上げ、
図21(b)に示すように、ナット15の座面相当部1
5zを箱形断面柱1の内面に押し付けた状態で、スリー
ブ28の外周面を箱形断面柱1のボルト孔17の内面に
接着剤bにより接着・固定する。十分に接着・固定され
た状態になってから、図21(c)に示すように、ナッ
ト設置ボルト22の把持部22aを回してナット設置ボ
ルト22をナット15から取り外す。このようにして、
箱形断面柱1の内部側にナット15を固定することがで
きる。接着力の発現が不十分の状態で現場に搬送する場
合などには、搬送途中の衝撃による脱落防止のために、
例えば、前記図18に示すように、軸部に全ネジ23s
を有するナット設置ボルト23を用い、ナット設置ボル
ト23を取り外さないで、外部側からナット設置ボルト
22に仮止めナット27を螺合して手締め程度で締め付
けて現場に搬送することもできる。
【0051】[箱形断面柱とスプリットティの高力ボル
ト接合工法]上記のようにして箱形断面柱1の内部側に
ナット15を固定した後の箱形断面柱1とスプリットテ
ィ2の高力ボルト接合工法については、実施例1〜3の
場合と概ね同様であるので説明を省略する。この実施例
4のトルシア形高力ボルト6αを使用した箱形断面柱1
とスプリットティ2のボルト接合構造においては、箱形
断面柱1の内部側へのナット15の固定は、ナット15
側のスリーブ28を箱形断面柱1のボルト孔17に嵌入
して、その外周面を接着・固定するようにしており、ナ
ット保持部品を用いる実施例1、2に比較して、構造が
簡易であり、ナットの固定作業も簡易である。他の効果
は、実施例1〜3の場合と同様である。
【0052】(実施例5)以下に、本発明の実施例5を
図22〜図25に基づいて詳細に説明する。この実施例
5は、箱形断面柱1とスプリットティ2の高力ボルト接
合構造に本発明を適用した場合のものである。図22
は、本発明による箱形断面柱1とスプリットティ2の高
力ボルト接合構造例において、ボルト接合を完了した状
態を示している。この実施例5は、箱形断面柱1の内部
側へのナット固定構造において実施例1〜実施例4と異
なるものである。他の共通部分の詳細説明は一部省略す
る。
【0053】図22において、15は箱形断面柱1の内
部側に固定された雌ネジ15sを有するナットで、実施
例1〜4と同様、座金相当部15zと一体に成形した形
状であり、図23(a)、(b)に示すように座金相当
部15zにスリーブ29を固定したものである。このス
リーブ29は金属製であり、基端部を座金相当部15z
の孔内に嵌入・接着したもので、ボルト孔17より僅か
に小径の外径を有し先端部側に複数の突起部29kを形
成したものである。この突起部29kは、先端部を拡開
・折曲するものであり、スリーブ29を箱形断面柱1の
ボルト孔17に挿入した後、箱形断面柱1の外側に突出
した突起部29kを拡開・折曲して係止することによっ
て、ナット15を箱形断面柱1の内部側に固定してい
る。
【0054】トルシア形高力ボルト6αは、座金20を
挿入したもので、実施例1〜4と同様のもので、箱形断
面柱1の外側に当接されたスプリットティ2の外側から
ボルト孔17に挿入され、スプリットティ2のボルト孔
17、スリーブ29の孔内経由で、雄ネジ6sを箱形断
面柱1の内部側に接着・固定されたナット15の雌ネジ
15sに螺合して、実施例1と同様、締結具21により
頭部側で締め付けることにより、箱形断面柱1とスプリ
ットティ2を接合したものである。
【0055】この実施例5の箱形断面柱1とスプリット
ティ2の高力ボルト接合構造を得るための接合工法につ
いて、図24及び図25(a)〜(c)に基づいて説明
する。 [箱形断面柱内部へのナット固定方法]実施例1〜4と
同様の装置とナット設置ボルトを用いる方法であり、図
24に示すように、ナット設置ボルト22の雄ネジ22
sに、座金相当部15zを一体に成形したナット15の
雌ネジ15sに螺合し、箱形断面柱1の内部の所定位置
に搬送する。
【0056】図25(a)に示すように、箱形断面柱1
のボルト孔17の外部側から引出治具24の把持部24
aを挿入して、ナット設置ボルト22の把持部22aを
把持して引上げ、図25(b)に示すように、ナット1
5の座面相当部15zの座面を箱形断面柱1の内面に押
し付けた状態で、箱形断面柱1の外側に突出したスリー
ブ29の先端の突起部29kを適宜の折曲治具30を用
いて拡開・折曲させて箱形断面柱1の外面に係止・固定
する。係止・固定後、図25(c)に示すように、ナッ
ト設置ボルト22の把持部22aを回してナット設置ボ
ルト22をナット15から取り外す。このようにして、
箱形断面柱1の内部側にナット15を固定することがで
きる。
【0057】[箱形断面柱とスプリットティの高力ボル
ト接合工法]上記のようにして、箱形断面柱1の内部側
にナット15を固定した後の箱形断面柱1とスプリット
ティ2の高力ボルト接合工法については、実施例1〜実
施例4の場合と概ね同様であるので説明を省略する。こ
の実施例5のトルシア形高力ボルト6αを使用した箱形
断面柱1とスプリットティ2のボルト接合構造において
は、箱形断面柱1の内部側へのナット15の固定は、ナ
ット15側のスリーブ29を箱形断面柱1のボルト孔1
7に挿入して、その突起部29kを拡開・折曲して、係
止・固定するようにしており、接着施工が少なく固定作
業が簡易である。他の効果は、基本的には、実施例1〜
4の場合と概ね同様である。
【0058】(実施例6)以下に、本発明の実施例6を
図26〜図29に基づいて詳細に説明する。この実施例
6は、箱形断面柱1とスプリット2の高力ボルト接合構
造に本発明を適用した場合のものである。図26は、本
発明による箱形断面柱1とスプリット2の高力ボルト接
合構造例において、トルシア形高力ボルト6αによる接
合を完了した状態を示している。この実施例6は、箱形
断面柱1の内部側へのナット固定構造において実施例1
〜実施例5と異なるものである。他の共通部分の詳細説
明は一部省略する。
【0059】図26において、15は箱形断面柱1の内
部側に固定された雌ネジ15sを有するナットで、座金
相当部15zと一体に形成した形状であり、図27
(a)、(b)に示すように座金相当部15zの外周
に、ナット保持部品31の複数の係止脚32の係止部を
係合したものである。このナット保持部品31は金属製
であり、ボルト孔17より僅かに小径の外径を有するス
リーブ部31aの先端部側に複数の突起部31kが形成
されたものである。係止脚32は容易に弾性変形し係止
部をナット15の座金相当部15zの外周に容易に着脱
可能である。この係止脚32は箱形断面柱1の内部側お
よびナット(座金相当部)との接合面を有するものであ
るため、十分な摩擦力を確保できる面積を有し接合面に
高摩擦処理を施すことが好ましい。
【0060】また、突起部31kは、先端部を拡開・折
曲するものであり、スリーブ部31aを箱形断面柱1の
ボルト孔17に挿入した後、箱形断面柱1の外側に、突
出した突起部31kを拡開・折曲して係止することによ
って、ナット15を箱形断面柱1の内部側に固定してい
る。トルシア形高力ボルト6αは、座金20を挿入した
もので、実施例1〜5と同様のものであり、箱形断面柱
1の外側に当接されたスプリットティ2の外側からボル
ト孔17に挿入され、スプリットティ2のボルト孔1
7、ナット保持部品31のスリーブ部31aの孔内経由
で、雄ネジ6sを箱形断面柱1の内部側に固定されたナ
ット15の雌ネジ15sに螺合して、実施例1と同様、
締結具21により頭部側で締め付けることにより、箱形
断面柱1とスプリット2を接合したものである。
【0061】この実施例6の箱形断面柱1とスプリット
ティ2の高力ボルト接合構造を得るための接合工法につ
いて、図28及び図29(a)〜(c)に基づいて説明
する。 [箱形断面柱内部へのナット固定方法]実施例1〜実施
例5と同様の装置とナット設置ボルトを用いる方法であ
り、図28に示すように、ナット設置ボルト22の雄ネ
ジ22sに、座金相当部15zの外周にナット保持部品
31の複数の係止脚32の係止部を係合したナット15
の雌ネジ15sを螺合して、箱形断面柱1内部の所定位
置に搬送する。
【0062】図29(a)に示すように、ボルト孔17
の外部側から引出治具24の把持部24aを挿入してナ
ット設置ボルト22の把持部22aを把持して引上げ、
図29(b)に示すように、ナット保持部品31の係止
脚32を箱形断面柱1の内面に押し付けた状態で、箱形
断面柱1の外側に突出したナット保持部品31の突起部
31kを折曲治具30を用いて拡開・折曲させて箱形断
面柱1の外面に係止・固定する。係止・固定後、図29
(c)に示すように、ナット設置ボルト22の把持部2
2aを回してナット設置ボルト22をナット15から取
り外す。このようにして、箱形断面柱1の内部側にナッ
ト15を固定することができる。
【0063】[箱形断面柱とスプリットティの高力ボル
ト接合工法]上記のようにして、箱形断面柱1の内部側
にナット15を固定した後の箱形断面柱1とスプリット
ティ2の高力ボルト接合工法については、実施例1〜5
と概ね共通するので、説明を省略する。この実施例6の
トルシア形高力ボルト6αを使用した箱形断面柱1とス
プリットティ2のボルト接合構造においては、箱形断面
柱1の内部側へのナット15の固定は、係止脚32とス
リーブ部31aと突起部31kからなるナット保持部品
31を用い、ナット15の座金相当部15zの外周部に
係止脚32を係合し、突起部31kを箱形断面柱1の外
側に拡開・折曲させて係止・固定するようにしており、
ナット15側へナット保持部品31を容易に着脱可能に
係合・固定でき、接着剤bを用いる実施例2、3、4に
比較して、接着剤施工を必要としないので、ナットの固
定作業も簡易である。他の効果は、基本的には、実施例
1〜5の場合と概ね同様である。
【0064】(実施例7)以下に、本発明の実施例7を
図30〜図34に基づいて詳細に説明する。この実施例
7は、実施例1〜6とは、ナット・座金構造とナット固
定方法(構造)において異なるものである。図30は、
本発明による箱形断面柱1とスプリットティ2の高力ボ
ルト接合構造例において、トルシア形高力ボルト6αに
よる接合を完了した状態を示している。実施例1と共通
する部分については、詳細説明を省略する。図30にお
いて、33は箱形断面柱1の内部側に固定されたナット
であり、図31(a)、(b)に示すように、雌ネジ3
3sを有するもので座金34が溶接(例えば、スポット
溶接sw)により固定されている。
【0065】座金34は、図31に示すように、係合孔
34aのスプリットティ2側に係止縁34eが形成され
たものであり、この係止縁34eは箱形断面柱1のボル
ト孔17と同径または僅かに小径の内径を有し、箱形断
面柱1の外部側からボルト孔17に挿入されたナット保
持部品35の係止鉤35fを係止するようになってい
る。このナット保持部品35はプラスチック製であり、
図32に示すように、スリット(切込でも可)st付き
のスリーブ部35aと鍔部35bからなり、スリーブ部
35aの先端部に係止鉤35fを形成したものであり、
係止鉤35fの外径do、内径diは、スリットstに
よる効果で弾性的に拡縮可能である。
【0066】スリーブ部35a内には、トルシア形高力
ボルト6αの雄ネジ6s部を容易に挿入可能である。こ
こでは、鍔部35bは箱形断面柱1の外面に係止するも
のであるが、その表裏面が接合面になる場合には、安定
した接合面とするために鍔部35bを金属製にして外径
Dをトルシア形高力ボルト6αの軸径の2〜3倍程度に
することも有効である。このナット保持部品35のスリ
ーブ部35aは、箱形断面柱1の外側から挿入され、鍔
部35bが箱形断面柱1の外面に係止され、スリーブ3
5a先端部の係止鉤35fが箱形断面柱1の内部側に当
接された座金34の係合孔34aの係止縁34eに押し
込み係止されることにより、座金34に固定されたナッ
ト33が箱形断面柱1の内部側に確実に固定されてい
る。
【0067】トルシア形高力ボルト6αは、座金20を
挿入したもので、実施例1〜6と同様のものであり、雄
ネジ6s部は、箱形断面柱1の外側に当接されたスプリ
ットティ2の外側からボルト孔17に挿入され、スプリ
ットティ2のボルト孔17、ナット保持部品35のスリ
ーブ部35a内、座金34の係合孔34a内を経て箱形
断面柱1の内部側に固定されたナット33の雌ネジ33
sに螺合することによって、箱形断面柱1とスプリット
ティ2が確実に接合されている。なお、ナット保持部品
35は、箱形断面柱1とスプリットティ2の接合が完了
した状態では不要なものであるが、そのまま残しておい
ても支障はない。
【0068】この実施例7の箱形断面柱1とスプリット
ティ2のボルト接合構造を得るための接合工法につい
て、図33及び図34(a)〜(d)に基づいて説明す
る。 [箱形断面柱内部へのナット固定方法]実施例1〜6と
同様の装置とナット設置ボルトを用いる方法であり、図
33に示すように、ナット設置ボルト22の雄ネジ22
sに、座面側に座金34を溶接したナット33の雌ネジ
33sを螺合して箱形断面柱1の内部の所定位置に搬送
する。
【0069】図34(a)に示すように、箱形断面柱1
のボルト孔17の外部側から、予めナット保持部品35
を挿通した引出治具24の把持部24aを挿入して、ナ
ット設置ボルト22の把持部22aを把持して引上げ、
図34(b)に示すように、ナット保持部品35のスリ
ーブ部35aを箱形断面柱1のボルト孔17に挿入し、
ナット33を固定した座金34の座面を箱形断面柱1の
内面に押し付けた状態で、図34(c)に示すように、
ナット保持部品35のスリーブ部35aを押し込む。ス
リーブ部35aを押し込むと、スリットst効果で係止
鉤35fの外径が縮径して座金34の係止縁34eを通
過し、通過と同時に、図34(d)に示すように、係止
鉤35fの外径が拡径(復元)して座金34の係合孔3
4aの係止縁34eに係止し、ナット33は箱形断面柱
1の内部側に確実に固定される。ナット33を固定後、
ナット設置ボルト22を回してナット33から取り外
す。
【0070】[箱形断面柱内とスプリットティの高力ボ
ルト接合工法]上記のようにして、箱形断面柱1の内部
側にナット33を固定した後の箱形断面柱1とスプリッ
トティ2の高力ボルト接合工法については、実施例1〜
6の場合と概ね同様につき、説明を省略する。この実施
例7のトルシア形高力ボルト6αを使用した、箱形断面
柱1とスプリットティ2のボルト接合構造においては、
実施例1の場合に比較して、座金の加工、ナット33と
座金34の固定、ナット保持部品の加工が必要である
が、ナットの固定作業は簡易である。ナットを箱形断面
柱の内部に固定して得られる効果については他の実施例
1〜6と概ね同様である。
【0071】上記の実施例1〜6においては、ナット1
5を座金相当部15zと一体に成形しているが、ナット
と座金を独立して成形した後一体化させてもよいし、ナ
ットのみを単独で用いてもよい。また、上記実施例2、
4、5においては、ナット(座金相当部)にナット保持
部品としてスリーブを嵌入・接着により固定している
が、ナット(座金相当部)に挿し込むスリーブの基部に
スリットを形成してスリットの径を弾性的に拡縮可能に
して、圧入して固定するようにしてもよい。この場合、
接着を併用してもよい。あるいは、実施例1の場合のよ
うに螺合してもよい。
【0072】本発明は、上記の実施例の内容のみに限定
されるものではない。例えば、上記の実施例は、本発明
を角形断面の箱形断面材を柱材として用い、この柱材に
接合金物としてのスプリットティを高力ボルト接合する
場合のものであるが、本発明は、例えば円形鋼管(箱形
断面材)を柱材として用い、接合金物としてのスプリッ
トティを高力ボルト接合する場合にも適用可能である。
この場合、座金(座金相当部)の座面、スプリットティ
の箱形断面柱との接合面を曲面に形成することによって
対応可能である。また、箱形断面材を梁材として用いて
接合金物と高力ボルト接合する場合にも本発明の適用が
可能であり、箱形断面材とスプリットティ以外の接合金
物や梁材の高力ボルト接合においても適用可能である。
【0073】上記の実施例における箱形断面柱とスプリ
ットティのボルト接合構造を得るための、ナット固定作
業は、基本的には、工場で行うものであるが、建て方現
場で建て方前に行うこともできる。また、ボルトの締め
付け作業は、工場で完了させてもよいし、建て方現場で
建て方前または建て方の際に行うこともできる。また、
上記の実施例における箱形断面柱とスプリットティのボ
ルト接合構造では、箱形断面柱の内部へのナット固定方
法として、特開2000−213070号公報記載のボ
ルト搬送装置と引出治具とナット設置ボルトを用いるナ
ット固定方法を一例的に記載したが、他のナット固定方
法を用いてもよい。
【0074】また、高力ボルトとしては、トルシア形の
高力ボルト6αに限定されるものではなく、ボルト頭部
側で締め付ける他の高力ボルトを用いてもよいし、その
場合には、座金20の使用は不可欠ではない。また、高
力ボルトの頭部形成条件、ピンテールおよび破断溝(ブ
レークネック)の形成条件、ネジ形成条件、頭部側の座
金形成条件、ナットおよび座金形成条件、ナット保持構
造(ナットとスリーブとの固定手段、材質を含む)、各
接合面に対する高摩擦処理などについては、接合対象
物、接合部位、材料強度、設計強度などに応じて、上記
請求項に記載した事項を満足する範囲内で変更のあるも
のである。
【0075】
【発明の効果】本発明のボルト接合構造は、例えば、箱
形断面柱とスプリットティのボルト接合において、特殊
で高価なワンサイドボルトを用いない高力ボルトのみに
よるボルト接合が可能になることから、以下の効果が期
待できる。 (1)柱梁接合部の建設コストの低減が図れる。 (2)より大型構造物の柱梁接合が高力ボルト引張接合
によって可能になる。その結果、溶接構造とせざるを得
なかった接合部が高力ボルトで行えるために、より力学
品質の安定が図れ、施工性がよく、構造安全性の高い構
造物ができる。 (3)外部側でボルトの頭部側を回して締め付ける場合
にボルトに対する導入張力を容易にコントロールできる
トルシア形高力ボルトを用いることもでき、高強度で安
定したボルト接合構造を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における箱形断面柱とスプリ
ットティのトルシア形高力ボルトによる接合構造例で、
本締め付けが完了した状態を示す一部切欠断面側面説明
図。
【図2】(a)図は、図1で用いたナットの構造例を示
す一部切欠断面側面説明図、(b)図は、(a)図のA
a−Ab矢視説明図。
【図3】(a)図は、図1で用いたナット保持部品の正
面説明図、(b)図は、(a)図の一部切欠断面側面説
明図。
【図4】(a)図は、図1で用いたトルシア形高力ボル
トとボルト頭部側の座金の構造例を示す側面説明図、
(b)図は、(a)図のBa−Bb矢視説明図。
【図5】(a)図は、箱形断面柱の内部側にナットを固
定するために用いるナット設置ボルトの構造例を示す側
面説明図、(b)図は、他のナット設置ボルトの構造例
を示す側面説明図。
【図6】図1の高力ボルト接合構造を得る過程での固定
方法例に用いるナット設置ボルトにナットを螺合した状
態を示す側面説明図。
【図7】図1の高力ボルト接合構造を得る過程での図5
のナット設置ボルトを用いたナットの固定手順を示す説
明図で、(a)図は、図6のナット設置ボルトを箱形断
面柱のボルト孔に挿入した状態を示す一部切欠断面側面
説明図、(b)図は、ナット設置ボルトを箱形断面柱の
ボルト孔に挿入しナット側のスリーブに外部側からナッ
ト保持部品を内装している状態を示す一部切欠断面側面
説明図、(c)図は、ナットにナット保持部品を螺合し
ナット設置ボルトをナットから外した状態を示す一部切
欠断面側面説明図。
【図8】図1の高力ボルト接合構造を得る過程でのナッ
トを保持部品で固定した箱形断面柱とスプリットティの
高力ボルト接合工法例を示す説明図で、(a)図は、箱
形断面柱にスプリットティを当接した状態を示す側断面
説明図、(b)図は、スプリットティの外面側から座金
を挿通したトルシア形高力ボルトをボルト孔に挿入して
いる状態を示す側断面説明図、(c)図は、トルシア形
高力ボルトをインナースリーブとアウタースリーブを連
動動作させる締結具で本締め付けしている状態(締め付
け完了直前)を示す側断面説明図。
【図9】本発明の実施例2における箱形断面柱とスプリ
ットティのトルシア形高力ボルトによる接合構造例で本
締め付けが完了した状態を示す側断面説明図。
【図10】(a)図は、図9で用いたスリーブ付きナッ
トの構造例を示す一部断面側面説明図、(b)図は、
(a)図のCa−Cb矢視説明図。
【図11】(a)図は、図9で用いたナット保持部品の
正面説明図、(b)図は、(a)図の一部切欠断面側面
説明図。
【図12】図9の高力ボルト接合構造を得る過程でのナ
ットの固定方法例に用いるナット設置ボルトにナットを
螺合した状態を示す側面説明図。
【図13】図9の高力ボルト接合構造を得る過程でのナ
ット設置ボルトを用いたナットの固定手順を示す説明図
で、(a)図は、ナット設置ボルトを箱形断面柱のボル
ト孔に挿入した状態を示す一部切欠断面側面説明図、
(b)図は、ナット設置ボルトを引っ張ってナット保持
部品をナット側のスリーブに内挿している状態を示す一
部切欠断面側面説明図、(c)図は、箱形断面柱にナッ
トをナット保持部品で固定後、ナット設置ボルトをナッ
トから外した状態を示す側断面説明図。
【図14】本発明の実施例3における箱形断面柱とスプ
リットティのトルシア形高力ボルトによる接合構造例で
本締め付けが完了した状態を示す側断面説明図。
【図15】(a)図は、図14で用いたナットの構造例
を示す側面説明図、(b)図は、(a)図のDa−Db
矢視説明図。
【図16】図14の高力ボルト接合構造を得る過程での
ナットの固定方法例に用いるナット設置ボルトにナット
を螺合した状態を示す側面説明図。
【図17】図14の高力ボルト接合構造を得る過程での
ナット設置ボルトを用いたナットの固定手順を示す説明
図で、(a)図は、ナット設置ボルトを箱形断面柱のボ
ルト孔に挿入した状態を示す一部切欠断面側面説明図、
(b)図は、ナット設置ボルトを引っ張ってナットの座
金相当部を箱形断面柱の内面に接着している状態を示す
一部切欠断面側面説明図、(c)図は、箱形断面柱にナ
ットを接着・固定後、ナット設置ボルトをナットから外
した状態を示す一部切欠断面側面説明図。
【図18】図17(b)の状態を経てナット設置ボルト
に仮止ナットを螺合し軽く締め付けた場合の状態例を示
す側断面説明図。
【図19】本発明の実施例4における箱形断面柱とスプ
リットティのトルシア形高力ボルトによる接合構造例で
本締め付けが完了した状態を示す側断面説明図。
【図20】図19の高力ボルト接合構造を得る過程での
ナットの固定方法例に用いるナット設置ボルトに、スリ
ーブを固着したナットを螺合した状態を示す側面説明
図。
【図21】図19の高力ボルト接合構造を得る過程での
ナット設置ボルトを用いたナットの固定方法(手順)例
を示す説明図で、(a)図は、ナット設置ボルトを箱形
断面柱のボルト孔に挿入した状態を示す一部切欠断面側
面説明図、(b)図は、ナット設置ボルトを引っ張って
ナットの座金相当部に固着したスリーブを箱形断面柱の
ボルト孔に接着している状態を示す一部切欠断面側面説
明図、(c)図は、箱形断面柱にナットを固定後、ナッ
ト設置ボルトをナットから外した状態を示す一部切欠断
面側面説明図。
【図22】本発明の実施例5における箱形断面柱とスプ
リットティのトルシア形高力ボルトによる接合構造例で
本締め付けが完了した状態を示す側断面説明図。
【図23】(a)図は、図22で用いたスリーブ付きナ
ットの構造例を示す一部断面側面説明図、(b)図は、
(a)図のEa−Eb矢視説明図。
【図24】図22の高力ボルト接合構造を得る過程での
ナットの固定方法例に用いるナット設置ボルトに、スリ
ーブを固着したナットを螺合した状態を示一部切欠断面
側面説明図。
【図25】図22の高力ボルト接合構造を得る過程での
ナット設置ボルトを用いたナットの固定手順を示す説明
図で、(a)図は、ナット設置ボルトを箱形断面柱のボ
ルト孔に挿入した状態を示す一部切欠断面側面説明図、
(b)図は、ナット設置ボルトを引っ張って箱形断面柱
の外面に突出させたスリーブの突起部を治具で拡開・折
曲を開始する状態を示す一部切欠断面側面説明図、
(c)図は、箱形断面柱の外面にナット側スリーブの突
起部を拡開・折曲して係止・固定後、ナット設置ボルト
をナットから外した状態を示す一部切欠断面側面説明
図。
【図26】本発明の実施例6における箱形断面柱とスプ
リットティのトルシア形高力ボルトによる接合構造例で
本締め付けが完了した状態を示す側断面説明図。
【図27】(a)図は、図26で用いたナットとナット
保持部品の構造例を示す一部断面側面説明図、(b)図
は、(a)図のFa−Fb矢視説明図。
【図28】図26の高力ボルト接合構造を得る過程での
ナットの固定方法例に用いるナット設置ボルトに、ナッ
ト保持部品を固着したナットを螺合した状態を示す側面
説明図。
【図29】図26の高力ボルト接合構造を得る過程での
ナット設置ボルトを用いたナットの固定手順を示す説明
図で、(a)図は、ナット設置ボルトを箱形断面柱のボ
ルト孔に挿入した状態を示す一部切欠断面側面説明図、
(b)図は、ナット設置ボルトを引っ張って箱形断面柱
の外面に突出させたナット保持部品の突起部を治具で拡
開・折曲を開始する状態を示す一部切欠断面側面説明
図、(c)図は、箱形断面柱の外面にナット保持部品の
スリーブの突起部を拡開・折曲して係止・固定後、ナッ
ト設置ボルトをナットから外した状態を示す側断面説明
図。
【図30】本発明の実施例7における箱形断面柱とスプ
リットティのトルシア形高力ボルトによる接合構造例で
本締め付けが完了した状態を示す側断面説明図。
【図31】(a)図は、図30で用いたナットの構造例
を示す一部断面側面説明図、(b)図は、(a)図のG
a−Gb矢視説明図。
【図32】(a)図は、図30で用いたナット保持部品
の構造例を示す一部断面側面説明図、(b)図は、
(a)図の側面説明図。
【図33】図30の高力ボルト接合構造を得る過程での
ナットの固定方法例に用いるナット設置ボルトに、ナッ
ト保持部品を固着したナットを螺合した状態を示す側面
説明図。
【図34】図30の高力ボルト接合構造を得る過程での
ナット設置ボルトを用いたナットの固定手順を示す説明
図で、(a)図は、ナット設置ボルトを箱形断面柱のボ
ルト孔に挿入した状態を示す一部切欠断面側面説明図、
(b)図は、ナット設置ボルトを引っ張って箱形断面柱
の外面に突出させたナット設置ボルトに挿通したナット
保持部品をボルト孔に挿入している状態を示す一部切欠
断面側面説明図、(c)図は、ナット保持部品の係止鉤
が座金の係止縁を通過中の状態を示す一部切欠断面側面
説明図、(d)図は、箱形断面柱にナットを固定後、ナ
ット設置ボルトをナットから外した状態を示す一部切欠
断面側面説明図。
【図35】従来の箱形断面柱とH形断面梁の高力ボルト
接合構造例を示す立体説明図。
【図36】従来のトルシア高力ボルト(a)、ナット
(b)、座金(c)のセット例を示す説明図。
【図37】従来のトルシア高力ボルトによるボルト接合
構造例でのボルト締め付け方法例を示す側断面説明図
で、(a)図は、ナットを1次締め付けした状態を示
し、(b)図は、インナースリーブとアウタースリーブ
を連動動作させる締結具で本締め付けしている状態を示
し、(c)図は、締結具で本締めを完了した状態を示
す。
【符号の説明】
1 箱形断面柱 2 スプリッ
トティ 3 ワンサイドボルト 4 H形断面
梁 5 高力ボルト 6α トルシア
形高力ボルト 6 トルシア形高力ボルト(従来型) 6s 雄ネジ 6t ボルト頭
部 6f ボルト頭部座面 7 ナット 8 座金 9 ピンテー
ル 10 ブレークネック 11、12
鋼材 13 ボルト孔 14 締結具 14i インナースリーブ 14o アウタ
ースリーブ 15 ナット 15s 雌ネジ
(ナット) 15z 座金相当部 16 ナット
保持部品 16a スリーブ部(ナット側) 16b 鍔部 16s 雄ネジ(スリーブ部) 17 ボルト
孔 18 ピンテール 19 ブレー
クネック 20 座金 21 締結具 22i インナースリーブ 21o アウタ
ースリーブ 22 ナット設置ボルト 22s 雄ネジ 22a 把持部 23 ナット
設置ボルト 23s 雄ネジ 23a 把持部 24 引出治具 24a 把持部
(引出治具) 25 スリーブ 26 ナット
保持部品 26a スリーブ部 26b 鍔部 27 仮止ナット 28 スリー
ブ 29 スリーブ部 29k 突起部 30 折曲治具 31 ナット
保持部品 31a スリーブ部 31k 突起部 32 係止脚 33 ナット 33s 雌ネジ 34 座金 34a 係合孔 34e 係止縁 35 ナット保持部品 35a スリー
ブ部 35b 鍔部 35f 係止鉤 sw スポット溶接 st スリッ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16B 31/02 F16B 31/02 B (72)発明者 永田 匡宏 東京都千代田区大手町2−6−3 新日本 製鐵株式会社内 (72)発明者 玉崎 英俊 福岡県行橋市西泉4−3−2 日鐵ボルテ ン株式會社内 (72)発明者 宮川 敏夫 福岡県行橋市西泉4−3−2 日鐵ボルテ ン株式會社内 Fターム(参考) 2E125 AA04 AA14 AB01 AB16 AC15 AC16 AG12 AG14 AG41 AG57 BB02 BB05 BB12 BB22 BB37 BD01 BE02 BE06 BE08 BF04 BF06 CA03 CA06 CA09 CA23 EA17 EA33 EB02

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 箱形断面材と接合金物の高力ボルト接合
    部位の少なくとも複数部位で、箱形断面材の内部側に当
    接したナットの雌ねじ端に、この雌ねじ径より大径の雌
    ねじが別設され、外部側からボルト孔に挿入されたナッ
    ト保持部品のスリーブの雄ねじが螺合されることによっ
    て、ナットが箱形断面材の内部側に固定され、高力ボル
    トが箱形断面材の外側に当接した接合金物の外部側から
    ボルト孔に挿入され、雄ネジ部が箱形断面材の内部側に
    固定されたナットと螺合されていることを特徴とする箱
    形断面材と接合金物の高力ボルト接合構造。
  2. 【請求項2】 箱形断面材と接合金物の高力ボルト接合
    部位の少なくとも複数部位で、箱形断面材の内部側に配
    置したナット側にスリーブが固着され、このスリーブが
    箱形断面材の内部側からボルト孔に挿入され外部側にあ
    るナット保持部品のスリーブと接合されることによっ
    て、ナットが箱形断面材の内部側に固定され、高力ボル
    トが箱形断面材の外側に当接された接合金物の外部側か
    らボルト孔に挿入され、雄ネジ部が箱形断面材の内部側
    に固定されたナットと螺合されていることを特徴とする
    箱形断面材と接合金物の高力ボルト接合構造。
  3. 【請求項3】 箱形断面材と接合金物の高力ボルト接合
    部位の少なくとも複数部位で、ナットに、長さ方向にス
    リットを形成して外径を弾性的に拡縮可能にしたスリー
    ブが固着され、このスリーブのスリット形成領域が箱形
    断面材の内部側からボルト孔に圧入されることによっ
    て、ナットが箱形断面材の内部側に固定され、高力ボル
    トが箱形断面材の外側に当接された接合金物の外部側か
    らボルト孔に挿入され雄ネジ部が箱形断面材の内部側に
    固定されたナットと螺合されていることを特徴とする箱
    形断面材と接合金物の高力ボルト接合構造。
  4. 【請求項4】 箱形断面材と接合金物の高力ボルト接合
    部位の少なくとも複数部位で、ナットに、先端に係止用
    突起部を有するスリーブが固着され、このスリーブが箱
    形断面材の内部側からボルト孔に挿入され箱形断面材の
    外部側に突出したスリーブの係止用突起部が拡開・折曲
    されて箱形断面材の外部側に係止されることによって、
    ナットが箱形断面材の内部側に固定され、高力ボルトが
    箱形断面材の外側に当接された接合金物の外部側からボ
    ルト孔に挿入され、雄ネジ部が箱形断面材の内部側に固
    定されたナットと螺合されていることを特徴とする箱形
    断面材と接合金物の高力ボルト接合構造。
  5. 【請求項5】 箱形断面材と接合金物の高力ボルト接合
    部位の少なくとも複数部位で、ナットの外周部にナット
    保持部品の係止爪が係合され、このナット保持部品のス
    リーブが、箱形断面材の内部側からボルト孔に挿入され
    外部側に突出した先端部が拡開・折曲され箱形断面材の
    外部側に係止させることによって、ナットが箱形断面材
    の内部側に固定され、高力ボルトが箱形断面材の外側に
    当接された接合金物の外部側からボルト孔に挿入され、
    雄ネジ部が箱形断面材の内部側に固定されたナットと螺
    合されていることを特徴とする箱形断面材と接合金物の
    高力ボルト接合構造。
  6. 【請求項6】 箱形断面材と接合金物の高力ボルト接合
    部位の少なくとも複数部位で、ナットが箱形断面材の内
    部側に接着により固定され、高力ボルトが箱形断面材の
    外側に当接された接合金物の外部側からボルト孔に挿入
    され、雄ネジ部が箱形断面材の内部側に固定したナット
    と螺合されていることを特徴とする箱形断面材と接合金
    物の高力ボルト接合構造。
  7. 【請求項7】 箱形断面材と接合金物の高力ボルト接合
    部位の少なくとも複数部位で、箱形断面材の内部側に当
    接したナットの雌ねじ端に、係止縁を有する係合孔が設
    けられ、この係止縁に、ボルト孔に挿入されたナット保
    持部品のスリーブ先端の係止鉤が押し込まれ係止される
    ことによって、ナットが箱形断面材の内部側に固定さ
    れ、高力ボルトが箱形断面材の外側に当接した接合金物
    の外部側からボルト孔に挿入され雄ネジ部が箱形断面材
    の内部側に固定されたナットと螺合されていることを特
    徴とする箱形断面材と接合金物の高力ボルト接合構造。
  8. 【請求項8】 用いられた高力ボルトが、頭部にトルク
    コントロール機構を備え頭部座面に座金を当接して使用
    するものであることを特徴とする請求項1〜請求項7の
    いずれかに記載の箱形断面材と接合金物の高力ボルト接
    合構造。
  9. 【請求項9】 箱形断面材と接合金物の高力ボルト接合
    部位の少なくとも複数部位で、箱形断面材の内部側に配
    置するナットの雌ねじに、ナット設置ボルトの雄ねじを
    螺合して、ナット設置ボルトを箱形断面材の内部側から
    ボルト孔に挿入して外部側に突出させた状態で、ナット
    設置ボルトに外部側から挿入したナット保持部品により
    箱形断面材の内部側にナットを固定することを特徴とす
    る箱形断面材内部側へのナット固定方法。
  10. 【請求項10】 箱形断面材と接合金物の高力ボルト接
    合部位の少なくとも複数部位で、箱形断面材の内部側に
    配置するナットの雌ねじに、ナット設置ボルトの雄ねじ
    を螺合して、ナット設置ボルトを箱形断面材の内部側か
    らボルト孔に挿入し外部側に突出させた状態を保持し
    て、箱形断面材の内部側にナットを接着により固定する
    ことを特徴とする箱形断面材内部側へのナット固定方
    法。
  11. 【請求項11】 ナットを箱形断面材の内部側に固定し
    た後、ナット設置ボルトを回転させて取り外すことを特
    徴とする請求項9または請求項10に記載の箱形断面材
    内部側へのナット固定方法。
  12. 【請求項12】 ナットを箱形断面材の内部側に固定し
    た後、ナット設置ボルトに箱形断面材の外部側から仮止
    めナットを螺合して締め付け、ナット設置ボルトを仮止
    めして置くことを特徴とする請求項9または請求項10
    に記載の箱形断面材内部側へのナット固定方法。
JP2001064262A 2000-12-18 2001-03-08 高力ボルト接合構造およびナット固定方法 Expired - Lifetime JP4171183B2 (ja)

Priority Applications (9)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001064262A JP4171183B2 (ja) 2001-03-08 2001-03-08 高力ボルト接合構造およびナット固定方法
PCT/JP2001/011108 WO2002050439A1 (fr) 2000-12-18 2001-12-18 Structure de raccordement d'un boulon a resistance elevee, procede de fixation d'un ecrou a ladite structure, boulon a resistance elevee et a couple, et procede de raccordement utilisant ledit boulon
CNB018072224A CN1229580C (zh) 2000-12-18 2001-12-18 强力螺栓连接结构及其螺母固定方法、以及扭剪形强力螺栓及使用其的连接方法
KR1020027010818A KR100618660B1 (ko) 2000-12-18 2001-12-18 고장력 볼트 접합 구조 및 그 접합 구조용 너트의 고정 방법
TW090131377A TW531597B (en) 2000-12-18 2001-12-18 High strength bolt joining structure, a method for fixing a nut thereof, torque-shear type high strength bolt and a method for joining using the same
US10/204,206 US7204667B2 (en) 2000-12-18 2001-12-18 High strength bolted structure and method of securing nut and torque-shear type high strength bolt and joining method using same
KR1020067009729A KR20060060066A (ko) 2000-12-18 2001-12-18 톨시아형 고장력 볼트 및 그 고장력 볼트를 사용한 볼트접합 방법
HK03105205.7A HK1052958B (zh) 2000-12-18 2003-07-18 强力螺栓連接結構及其螺母固定方法、以及扭剪形强力螺栓及使用其的連接方法
US11/728,092 US20070177958A1 (en) 2000-12-18 2007-03-22 High strength bolted structure and method of securing nut and torque-shear type high strength bolt and joining method using same

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001064262A JP4171183B2 (ja) 2001-03-08 2001-03-08 高力ボルト接合構造およびナット固定方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002266830A true JP2002266830A (ja) 2002-09-18
JP4171183B2 JP4171183B2 (ja) 2008-10-22

Family

ID=18923103

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001064262A Expired - Lifetime JP4171183B2 (ja) 2000-12-18 2001-03-08 高力ボルト接合構造およびナット固定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4171183B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006312839A (ja) * 2005-05-09 2006-11-16 Kajima Corp ボルト接合構造及びボルト接合装置
WO2011122614A1 (ja) * 2010-03-29 2011-10-06 昭和シェル石油株式会社 嵌入爪付金具
JP2011231911A (ja) * 2010-04-30 2011-11-17 Hamanaka Nut Kk 締結構造
JP2014205976A (ja) * 2013-04-11 2014-10-30 公益財団法人鉄道総合技術研究所 機械施工に対応したレール締結装置用締結ボルトの構造
WO2016104850A1 (ko) * 2014-12-24 2016-06-30 (주)피에스테크 토크 쉐어 볼트 및 볼트 조립체
CN108799297A (zh) * 2018-08-13 2018-11-13 上海同派建筑科技有限公司 一种自复位单边螺栓紧固件体系
CN110255879A (zh) * 2019-06-28 2019-09-20 吴江南玻玻璃有限公司 管道锁紧机构及管道与辊同步转动装置
CN110255879B (zh) * 2019-06-28 2024-05-03 吴江南玻玻璃有限公司 管道锁紧机构及管道与辊同步转动装置

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006312839A (ja) * 2005-05-09 2006-11-16 Kajima Corp ボルト接合構造及びボルト接合装置
JP4661334B2 (ja) * 2005-05-09 2011-03-30 鹿島建設株式会社 ボルト接合構造
WO2011122614A1 (ja) * 2010-03-29 2011-10-06 昭和シェル石油株式会社 嵌入爪付金具
JP2011208654A (ja) * 2010-03-29 2011-10-20 Showa Shell Sekiyu Kk 嵌入爪付金具
JP2011231911A (ja) * 2010-04-30 2011-11-17 Hamanaka Nut Kk 締結構造
JP2014205976A (ja) * 2013-04-11 2014-10-30 公益財団法人鉄道総合技術研究所 機械施工に対応したレール締結装置用締結ボルトの構造
WO2016104850A1 (ko) * 2014-12-24 2016-06-30 (주)피에스테크 토크 쉐어 볼트 및 볼트 조립체
CN108799297A (zh) * 2018-08-13 2018-11-13 上海同派建筑科技有限公司 一种自复位单边螺栓紧固件体系
CN110255879A (zh) * 2019-06-28 2019-09-20 吴江南玻玻璃有限公司 管道锁紧机构及管道与辊同步转动装置
CN110255879B (zh) * 2019-06-28 2024-05-03 吴江南玻玻璃有限公司 管道锁紧机构及管道与辊同步转动装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP4171183B2 (ja) 2008-10-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100618660B1 (ko) 고장력 볼트 접합 구조 및 그 접합 구조용 너트의 고정 방법
EP0804688B1 (en) Blind fastener and blind fixing method
JP2005214415A (ja) 急速締結ナット
JP3854194B2 (ja) コンクリート充填鋼管柱とh形断面梁の高力ボルト接合構造および高力アンカーボルト
JP2002266830A (ja) 高力ボルト接合構造およびナット固定方法
JP4235354B2 (ja) トルシア形高力ボルト及びボルト接合方法
KR20160078046A (ko) 토크 쉐어 볼트 및 볼트 조립체
JP3369737B2 (ja) 鋼管柱相互のワンサイドボルト接合構造
JP2702887B2 (ja) ワンサイドボルト使用角形鋼管柱接合方法および接合構造
JP2826269B2 (ja) ワンサイドボルト使用柱・梁接合構造
JP4661334B2 (ja) ボルト接合構造
JP2006046007A (ja) 継手用部材
JP3840286B2 (ja) ワンサイドボルト
JPH10220432A (ja) 締結具
JP3934015B2 (ja) 高力ボルト接合構造およびナット保持具
JP2004011328A (ja) コンクリート充填鋼管柱とh形断面梁の高力ボルト接合構造
JP2004107992A (ja) 鋼管柱と接合金物の長締め高力ボルト接合構造および長締めボルト
JPH10227308A (ja) 締結具
JP3301435B1 (ja) ボルト接合構造、及びこの接合構造に用いるボルト部品
JP2003082759A (ja) 高力ボルトの仮固定治具
JP3307203B2 (ja) 閉断面柱材のボルト接合方法
JP2003193571A (ja) 建築物等の構造柱、横梁等木材の締め付け接続金具及び接続機構
JPH0742236A (ja) 柱と柱の接合構造
JP2002005138A (ja) 片締め式ボルト締結装置
JPH0728247Y2 (ja) 柱と梁の接合構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050527

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080422

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080620

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080722

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080808

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110815

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4171183

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110815

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120815

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130815

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130815

Year of fee payment: 5

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130815

Year of fee payment: 5

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130815

Year of fee payment: 5

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term