JP3934015B2 - 高力ボルト接合構造およびナット保持具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として建築構造物や土木構造物を構築する場合において、鋼材などの接合対象部材を複数の頭部締め高力ボルトとナットを用いて接合する高力ボルト接合構造に関するものであり、より具体的には、高力ボルトの先端部側になる接合対象部材に予めナットを固定しておき、高力ボルトの頭部側になる接合対象部材側からボルト孔に高力ボルトを挿入して、予め固定したナットに螺着して頭部締めする高力ボルト接合構造、およびナットの保持具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、例えば鋼構造建築物を構築する際には、柱材として角形鋼管柱などの鋼管柱を用い、梁材としてH形鋼梁などのH形断面梁を用いた両方向ラーメン構造が多用されており、例えば、両方向ラーメン構造を得るための鋼管柱とH形断面梁との接合には、通しダイアフラム形式が一般的に採用されており、鋼管柱とダイアフラムの接合、ダイアフラムとH形断面梁の取付部との接合は溶接によって行われ、取付部とH形断面梁とは、添板を介してボルトによって接合していた。
このような、通しダイアフラム形式の接合構造においては、H形断面梁に曲げモーメントが作用した場合に生じる上下フランジでの圧縮力および引張力を、接合部の剛性を低下させずに鋼管柱に伝達させることができるものの、その構造は複雑であるため、加工工数が多大となる。また、ダイアフラムを鋼管柱およびコラムコアに溶接する必要があり、溶接量が多くなるとともに、高度の溶接技能が必要になる。
【0003】
そのため、最近では、図16に示すように、ダイアフラムを用いず鋼管柱1に、例えばスプリットティ2を特殊構造で高価なワンサイドボルト3(図示省略)で接合し、このスプリットティ2にH形断面梁4を、高耐力の高力ボルト5で接合する、溶接負担を用いない高力ボルト接合構造が採用されるようになってきている。
このような高力ボルト接合構造において、鋼管柱1にスプリットティ2を接合する場合には、一般の高力ボルト(例えばJIS B1186に規定される摩擦接合用高六角ボルトや日本鋼構造境界規格の構造用トルシア形高力ボルトなど)を用いた、通常の施工方法では施工不可能であることから、鋼管柱の外部側から施工が可能なワンサイドボルトが開発され実用に供されるようになった。
【0004】
しかし、ワンサイドボルト3を使用した接合構造は高価であり費用が嵩むとともに、ボルト自体の強度に限界があることに加え、ボルトに対するトルク導入が容易ではなく、大型構造の柱梁接合構造において安定したボルト接合構造を実現することができなかった。
そのため、柱の建て込み前に、工場または現場で事前に鋼管柱の内部から一般的な高力ボルトを、特殊な道具により鋼管柱に設けられたボルト孔に挿入し、スプリットティを鋼管柱に固定する方法も提案されている。この方法は、ワンサイドボルトに比較してコスト面や強度は改善できているが、上下のスプリットティは、梁を取り付ける前の柱に固定されていることから、柱の搬送方法や現場での梁の取り付け作業方法に制約があり、施工スピードが落ちるという問題があり、結果的に建設コストの上昇につながるという問題がある。
そのため、H形断面梁の下フランジを取り付ける下側のスプリットティのみを工場で取り付け、上側のスプリットティは現場でH形断面梁の取り付けを行う際にボルトを外部側から挿入して取り付けられるように、予め工場で鋼管柱1の内部側にナットのみを固定しておく方法も採用されている。
【0005】
例えば、特開平6−33929号、特開平6−101284号、特開平7−145638号公報では、例えば、図17(a)に示すように、予め、ナット6をカラー8を介して鋼管柱1の内部側に固定し、図17(b)に示すように、頭部締めボルト7を外部側からスプリットティ2のボルト孔2aに挿入して頭部締めで締め付けを行うことが開示されているが、このようなボルト接合構造においては、ナット6にカラー8を一体成型して、このカラーを鋼管柱1の内部側からボルト孔1aに押し込み変形させる必要があるため、狭隘な鋼管柱の内部側で大きい力を付与する必要があり施工性に難がある。
また、ナット6が鋼管柱1の内部側にあるため、従来型のトルシア高力ボルトを使用できないことから、ボルトに対して簡便なトルク導入ができず、安定したボルト接合構造の実現が難しかった。
【0006】
一方、このような問題を解消する一つの方法として、例えば図18に示すように、予めナット6にスリーブ状で先端部を折り曲げて係止部9aを形成可能なナット保持部品9を固定し、鋼管柱1の内部に、例えば特殊な装置(ボルト搬送装置と引出治具にナット設置ボルトを組み合わせ使用するもの・・図示省略)を用いて搬送して、ナット保持部品9をボルト孔1aに挿入し、外部側に突出した先端部を折り曲げて鋼管柱1の外部側に係止することによりナット6を鋼管柱1の内部側に固定する方法が提案され、併せて、従来のトルシア形高力ボルトと異なる、頭部側にトルク導入機構11を有する新規な頭部トルシア形高力ボルト10とその締付方法などが特願2001−064262号の発明に提案されている。
【0007】
この先願の発明においては、ナットの固定が容易にでき、頭部側にトルク導入機構11を有する頭部トルシア形高力ボルト10を用いることによって、トルク導入が可能で、強固で安定な高力ボルト接合構造の実現することができる。しかし、ナット保持部品9の周方向の固定が必ずしも十分とは言えない場合もあり、頭部トルシア形高力ボルト10をナットに螺着して締め付ける場合、固定されたナットが締め付け初期において共廻りして高力ボルトの円滑な締め付けができない場合もある。また、上記各従来例もそうであるが、ナットの固定作業は、基本的には一個単位で行われるため、ナット固定の作業効率が低いという問題もある。
上記のような問題は、例えば高力ボルトを頭部締めする場合に、高力ボルトの頭部側から手の届かない位置にナットが配置され、ナットの締め付けが困難な高力ボルト接合構造においても同様の問題があり、その解決策が求められている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、複数の頭部締め高力ボルトとナットを用いた高力ボルト接合構造、例えば、鋼管柱とスプリットティの高力ボルト接合構造や、壁部材、床部材橋桁材などの高力ボルト接合構造などにおいて、ナットを締め付け困難な内部側の所定位置に固定する場合に、ナットを複数単位で容易に固定可能であり、固定されたナットの位置ずれおよび共廻りをより確実に防止可能な高力ボルト接合構造および共廻りを防止可能に固定可能なナット保持具を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の目的を達成するために、以下の(1)〜(5)を要旨とするものである。
(1)当接した接合対象部材の複数のボルト孔に、それぞれ、高力ボルトを挿入し、その先端部側になる接合対象部材の反対側に固定したナットに螺着して頭部締めする高力ボルト接合構造において、頭部締め時に頭部締め側から手の届かない位置に配置するナットを、複数単位でナット保持具の所定の位置に位置ずれおよび共廻りしないように装着し、このナット保持具は、薄鋼板の曲げ加工により得られるものであり、長方形の板状部を有し、前記板状部に設けられたフラット面係止部及び角部係止部で、板状部の縦方向に整列する前記ナットの対向する2面及び角部をそれぞれ挟持してナットを保持し、各ナットが各ボルトに螺着可能な位置になるように高力ボルトの先端部側になる接合対象部材の反対側の所定の位置に配置・固定し、各高力ボルトを各ナットに螺着して頭締めすることを特徴とする高力ボルト接合構造。
(2)当接した鋼管柱とスプリットティの垂直板のボルト孔に、それぞれ高力ボルトを挿入し、各高力ボルトを、鋼管柱の内部側に固定したナットに螺着して頭部締めする鋼管柱とスプリットティの高力ボルト接合構造において、鋼管柱の内部側に配置するナットを、複数単位でナット保持具の所定の位置に位置ずれおよび共廻りしないように装着し、前記ナット保持具は、薄鋼板の曲げ加工により得られるものであり、長方形の板状部を有し、前記板状部に設けられたフラット面係止部及び角部係止部で、板状部の縦方向に整列する前記ナットの対向する2面及び角部をそれぞれ挟持してナットを保持し、各ナットが各ボルトに螺着可能な位置になるように鋼管柱の内部側の所定の位置に配置・固定し、各高力ボルトを各ナットに螺着して頭締めすることを特徴とする鋼管柱とスプリットティの高力ボルト接合構造。
(3)ナット保持具に係止されたナットの座面に、座金が当接・固定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の高力ボルト接合構造。
(4)ナット保持具に係止されたナット座面に、座金が当接・固定され、前記座金が、ナット保持具との係止部と接合対象部材または鋼管柱のボルト孔に挿入・固定されたナット保持部品の係止部との係止部を有する変断面座金であり、ナットの座面に当接された状態でナット保持具と接合対象部材または鋼管柱のボルト孔に挿入・固定されたナット保持部品の係止部に係止されていることを特徴とする請求項1から2のいずれかに記載の高力ボルト接合構造。
(5)板状部に複数のボルト孔を有し、各ボルト孔にねじ孔を合わせて配置する各ナットの位置ずれと共廻りを防止する複数の係止部と、ナットの座面と接合対象部材または鋼管柱間に介在させる変断面座金との係止部を形成し、複数のナットと変断面座金を有し、当該変断面座金が、接合対象部材または鋼管柱のボルト孔に挿入・固定されたナット保持部品の係止部との係止部を形成し、複数のナットと変断面座金を、高力ボルトの挿入位置に対応する所定の位置に組み込んだことを特徴とするナット保持具。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明は、複数の頭部締め高力ボルトとナットを用いた高力ボルト接合構造において、当接された接合対象部材のボルト孔に挿入した高力ボルトの先端部側になる接合対象部材に、予めナットを固定しておき、このナットを固定した接合対象部材に当接した接合対象部材の外部側からボルト孔に高力ボルトを挿入してナットに螺着し、例えば、頭部側にトルク導入機構を有する頭部締めする高力ボルト接合構造において適用されるものである。
本発明は、基本的には、高力ボルトの先端部側にある接合対象部材側の締め付けが困難な位置に固定するナットを、予め複数単位でナット保持具の所定の位置に共廻りしないように装着し、このナット保持具を、各ナットが各ボルトに螺着可能な位置になるように高力ボルトの先端部側になる接合対象部材の外側の所定の位置に配置・固定し、各高力ボルトを各ナットに螺着して頭締めするようにした高力ボルト接合構造と、この高力ボルト接合構造で用いるナット保持具である。
【0011】
このナット保持具は、例えば薄鋼板の曲げ加工、樹脂成形などにより得られるものであり、板状部に複数のボルト孔を有し、各ボルト孔にねじ孔を合わせて配置する各ナットの位置ずれを防止する複数の係止部と、ナットの座面と接合対象部材または鋼管柱間に介在させる変断面座金との係止部を形成し、複数のナット(座金を必要とする場合は変断面座金も一緒)を、高力ボルトの挿入位置に対応する所定の位置に、位置ずれや共廻りしないように、横並びまたは縦並びで1列または複数列装着するものである。
このナット保持具は、装着した複数のナットのねじ孔が高力ボルトの先端部側になる接合対象部材のボルト孔に対応する位置に固定することにより、複数のナットを容易に固定することができる。
【0012】
このナット保持具に組み込むナット(変断面座金)の数は2個以上で、接合対象部材および高力ボルトの本数と配置条件に応じて選択するものである。このナット保持具の形状は、ナットの数と配置に応じて選択するが、基本形は、方形(縦列または横列)、H形、X形、十字形、ドーナツ形などであるが、例えば鋼管柱とスプリットティの高力ボルト接合構造では、複数面に複数段(列)のナット固定が必要であるため、ナット固定作業の効率化のため、ナット保持具を、複数面、複数段(列)分を合体した構造を考慮することができる。
このナット保持具の固定方法としては、このナット保持具の固定位置によって選択するが、工場製作や現場施工のあるタイミングで、作業者がナット固定側に寄り付ける場合には、少なくとも2カ所をスポット溶接や接着により固定する方法が簡易である。
また、接合対象部材が例えば鋼管柱とスプリットティである場合で、ナットの固定位置が鋼管柱の内部の奥など手の届かないところにある場合には、例えば、ナットを保持したナット保持具(複数であってもよい)をセットした、走行可能な台車(電動式、手動式のいずれでもよい)を鋼管柱の内部に挿入して、所定位置に位置決めし、鋼管柱に当接したスプリットティの外部側からボルト孔に、外部側に鍔部を有し先端部に係止爪を有するナット保持部品を挿入して、鋼管柱内の台車上にセットされたナット保持具側に係止・固定し、このナット保持具と係止を解除した台車を鋼管柱の外部に引き出すようにしてもよい。
【0013】
また、台車に代えて棒材を用いることもでき、この場合には、棒材にナット保持具をセットして、棒材の操作により鋼管柱の内部の所定位置にナット保持具を位置決めし、鋼管柱に当接したスプリットティの外部側からボルト孔に、外部側に鍔部を有し先端部に係止爪を有するナット保持部品を挿入して、鋼管柱内の台車上にセットされたナット保持具側に係止・固定し、このナット保持具と係止を解除した棒材を引き出すようにしてもよいし、この棒材を鋼管柱の外部側に内部に溶接などによって固定して残留させるようにしてもよい。
上記いずれの場合も、1個のナット保持具につき少なくとも2個のナットについて、ナットの孔内または座金使用の場合には座金の孔内にナット保持部品の係止爪と係止・固定することによって、ナット保持具を2点以上の箇所でより安定的に固定することができる。
【0014】
スプリットティは、鋼管柱の1〜4側面において、上下方向に複数取り付けられることから、棒材や搬送装置の出し入れ、ナット保持具の固定などのナットの固定作業負担を軽減するために、極力、ナット保持具にできるだけ多くのナットを組み込みナット保持具の数を少なくすることが望ましい。
なお、通常、ナットの座面に座金を当接するが、この座金をナットと一体に形成した場合またはナットと座金を別途製作して溶接や嵌合により固定した場合には、ナット、座金(または座金相当部)のいずれか一方をナット保持具に係止すればよいが、単独にしてナット座面に当接する場合には、ナット、座金の双方をナット保持具に係止する。
本発明で用いる高力ボルトは、頭部締めするものであり、例えば特願2001−064262号の発明に記載されるような、頭部側にトルク導入機構を有するトルシア高力ボルトを用い、従来の締付具とは異なる特殊な締結具を用いることにより、トルク導入が可能な高力ボルト締結ができる。ただし、このようなトルシア高力ボルトを用いることは必須条件ではない。
【0015】
【実施例】
[実施例1]
以下に、本発明の実施例1を図1〜図8に基づいて詳細に説明する。
この実施例1は、図1(a)、(b)、(c)に示すように、角形断面の鋼管柱(以下「鋼管柱」という。)1に、接合金物であるスプリットティ2を頭部トルシア形高力ボルト10により接合し、スプリットティ2に梁材であるH形断面梁4を高力ボルト5により取り付ける鋼管柱とH形断面梁の高力ボルト接合構造において、鋼管柱1とスプリットティ2の高力ボルト接合構造に本発明を適用した場合のものである。通常、H形断面梁4は、鋼管柱1の1〜4側面に取り付けられるものであるが、ここでは、相対する2側面に取り付ける場合を図示して説明する。
図1は、H形断面梁4を鋼管柱1の取り付けを完了した状態を示すもので、(a)図は、平面断面説明図、(b)図は、(a)図のAa−Ab矢視説明図、(b)図は、(a)図の正面説明図である。
図1において、12はナット保持具で、鋼管柱1スプリットティ2を接合する頭部トルシア形高力ボルト10に螺合する、スプリットティ2単位の上下2個のナット61、62を鋼管柱1の内部側に固定し、頭部トルシア形高力ボルト10を締め付ける際のナット6の共回りを防止するものである。
【0016】
図2は、鋼管柱1とスプリットティ2の高力ボルト接合構造例の要部の拡大説明図であって、(a)図は、図1(b)の部分拡大図、(b)図は、図1(c)の一部切欠断面部分拡大説明図、(c)図は、図1(a)の部分拡大説明図である。
図2は、2組のナット61、62と変断面座金13を、ナット保持具12に装着して鋼管柱1の内部側の所定位置に配置し、鋼管柱1の外部側からボルト孔1aに挿入したナット保持部品14を変断面座金13に係止することにより、鋼管柱1の内部側に固定しておき、鋼管柱1の外側にスプリットティ2を当接して、頭部側にトルク導入機構11を備え頭部座面10aに座金15を当接したトルシア形高力ボルト(以下「頭部トルシア形高力ボルト」という。)10をスプリットティ2のボルト孔2a、鋼管柱1のボルト孔1aに挿入し、鋼管柱1の内部側に固定された変断面座金13を経てナット61、62に螺着して、この頭部トルシア形高力ボルト10を特殊な締付具(図示省略)によりトルク導入して締め付けを完了した状態を示している。
【0017】
H形断面梁4をスプリットティ2を介して鋼管柱1に取り付ける場合には、スプリットティ2は1本のH形断面梁4に対して上下一対用いられるものであり、通常、1個のスプリットティ2は、2列×2本=4本の高力ボルトによって鋼管柱1に接合されるものであるが、ここでは、その内の縦列1列×2本=2本の頭部トルシア形高力ボルト10による接合構造例で代表説明する。
鋼管柱1の内部側に固定されたナット61、62は、通常の六角ナットであるが、座面に変断面座金13と当接したものである。この変断面座金13は、詳しくは図4(a)、(b)に示すように、孔13a内周部に係止部13bを有し、外周部に係止部13cを有するものである。
ナット保持具12は、複数のナット61、62と変断面座金13を装着するものであり、より詳しくは図3(a)、(b)、(c)に示すように、薄鋼板からなる板状部12aに複数のボルト孔12bを有し、各ボルト孔に雌ねじを合わせて配置する各ナット61、62の位置ずれを防止するフラット面係止部12cと、折り曲げ式の角部係止部12dと12eを形成し、さらに、変断面座金13の外周部の係止部13bに係止する係止鉤12fを形成したものである。図中12sはスリットであり、角部係止部12eを折り曲げた状態では孔12oが形成される。
【0018】
ナット保持部品14は、図6(a)、(b)に示すように、スリーブ部14aと鍔部14bからなり、ボルト挿入孔14eを有するスリーブ部14a先端部には、鋼管柱1の内部側に当接された変断面座金13の孔内に形成した係止部13bに係止する係止鉤14cを有し、切欠部14d効果で、係止鉤13c部の径を弾性的に縮径させ復元可能である。このナット保持部品14は、スリーブ部14を外部側からボルト孔に挿入し、先端の係止鉤13cを鋼管柱1の内部側に当接された変断面座金13の孔13a内に形成した係止部13bに係止することにより、変断面座金13を鋼管柱1の内部側に固定することができる。
頭部トルシア形高力ボルト10は、図5(a)、(b)に示すように、ナット61、62の雌ネジに螺合する雄ネジ10sを有するものであり、頭部10tに張力導入用のピンテール11を形成し頭部10tとピンテール11間に破断溝によるブレークネック11aを形成したものであり、前記従来のトルシア形高力ボルトとは異なるものである。
【0019】
この頭部トルシア形高力ボルト10の頭部10tの座面10fに外周形状が六角形の座金15が介挿・当接されているが、この座金15は、ボルト頭部10tの外径より大径にして、締結具(図示省略)で締め付ける際にボルト頭部10tと干渉しないようにしたものである。頭部トルシア形高力ボルト10を締結具で締め付ける際には、座金15を締結具のアウタースリーブに係合させ、締結具のインナースリーブでボルト頭部10tのピンテール11を掴み回して、座金15からの反力としての回転トルクによってブレークネック11aを所定の破断トルクで破断させて、ボルトに対する導入張力をコントロールすることができる。
【0020】
この実施例1の鋼管柱1とスプリットティ2のボルト接合構造を得るための接合工法例について図7(a)、(b)に基づいて説明する。ここでは、2組のナット61、62および変断面座金13を装着したナット保持具12は、台車17に着脱可能に装着して鋼管柱1の内部に挿入して鋼管柱1の内部の所定位置に固定するようにした。
図7(a)は、ナット61、62と変断面座金13を装着した、2個のナット保持具12を、ナット設置台車17に装着(搭載)して、ナット設置台車17を操作棒19の操作により鋼管柱1の内部に挿入して所定位置に位置決めし、ナット保持部品14を鋼管柱1の外部側からボルト孔1aに挿入しナット保持具12に装着されたナット61、62および変断面座金13を鋼管柱1の内部側に固定する状態を一部断面側面図で示したものである。(b)図は、(a)図のAa−Ab矢視説明図である。
【0021】
(1)ナット保持具へのナットおよび変断面座金の装着
ナット61、62に変断面座金13を当接し、図3(a)、(b)、(c)に示すように、所定位置に2つのボルト孔12oを有する各ナット保持具12の両側の所定位置に、2個のナット61、62を押し込み、係止部12d、12eを内側に折り曲げることにより、この折り曲げた係止部12d、12eと両側の係止部12cにより、ナット6を四方から固定するとともに、ナット保持具12の両側の係止鉤12fを変断面座金13の外周の係止部13cに係止して、ナット保持具12にナット61、62および変断面座金13を装着する。
【0022】
(2)鋼管柱内部へのナットおよび変断面座金の設置
(1)でナットおよび変断面座金を装着した2個のナット保持具12は、図7(a)、(b)に示すように、例えばナット設置台車17の挟持部18によって挟持して、倒した状態の鋼管柱1の内部に挿入してナット61、62および変断面座金13のボルト孔13aを鋼管柱1のボルト孔1aに合わせてナット設置台車17を位置決めする。
このナット設置台車17は、より具体的には、挿入距離の確認目盛りを有する操作棒19で操作して走行させるものであり、ナット保持具12の挟持部18を有する搭載台20と、この搭載台20を昇降可能な昇降装置21を有するものである。図中、22は車輪、23は、サイドローラでナット設置台車17の横ぶれ位置ずれ)を防止して走行を円滑化するためのものである。
【0023】
(3)ナットおよび変断面座金の鋼管柱内部への固定
(2)で、ナット設置台車17を位置決めした後に昇降装置21により搭載台20をナット保持具12を上昇させてボルト孔1aに近接させた状態で、外部側からボルト孔1aに、ナット保持部品14を挿通したナット固定棒24を挿入して、ナット保持部品14を押し込むことにより、その先端の係止鉤14cをナット保持具12に装着された変断面座金13の孔13a内周部の係止部13bに係止する。
変断面座金13の孔の入口径は、係止鉤14c部の外径より小さくなっており、係止鉤14c部を変断面座金13の孔内に押し込むことにより、係止鉤14c部を変断面座金13の孔の入口で弾性的に縮径した後、入口通過後に径を復元(拡径)させることにより係止鉤14cを変断面座金13の孔内の係止部13bに確実に係止することで、ナット保持部品14の鍔14cは鋼管柱1の外面に係止した状態になり、ナット61、62および変断面座金13は、ナット保持具12とともに鋼管柱1内部に固定することができる。この後、ナット固定棒2を引き抜く。このように、ナット固定棒24の操作を繰り返すことによって、2個のナット保持具12に装着した各ナット61、62および変断面座13をナット保持具12とともに鋼管柱1の内部側に固定する。
上記(1)〜(3)の作業は、主として工場で行い、施工現場に搬送する。
【0024】
(4)鋼管柱1とスプリットティ2との接合
(3)でナット61、62および変断面座金13を、ナット保持具12に装着した状態で鋼管柱1の内部側に固定し、図8に示すように、鋼管柱1の外部側にスプリットティ2を、ボルト孔2aを鋼管柱1のボルト孔aに合わせた状態で当接し、座金15を介挿した頭部トルシア形高力ボルト10を、スプリットティ2の外部側からボルト孔2a、鋼管柱1のボルト孔1aに挿入されたナット保持部品14のスリーブ14a、変断面座金13経由で挿入し、先端の雄ねじ10sをナット61、62の雌ねじに螺着して、頭部トルシア形高力ボルト10を、頭部側で締結具で締め付けることによって、鋼管柱1とスプリットティ2とを高力ボルト接合する。
この場合、ナット61、62は、ナット保持具12によって固定されているため、共廻りすることはなく、円滑な締め付けが可能である。また、ここで用いている頭部トルシア形高力ボルト10は、頭部側にトルク導入機構を有するので、頭部側で締め付けてトルク導入した締め付けが可能である。
このようにして、図1に示すような鋼管柱1とスプリットティ2の頭部トルシア形高力ボルト10による高力ボルト接合構造を得ることができる。(4)の作業は、主として施工現場で行う。
【0025】
[実施例2]
以下に、本発明の実施例2を図9、図10に基づいて詳細に説明する。この実施例2では、ナット保持具の他の構造例に係わるものである。
このナット保持具121は、側面を傾斜面12tにして、この傾斜面にナット61、62のフラット面を係止する折り曲げ式の係止部12iを形成した点で、実施例1のナット保持具12とは異なっており、この係止部12iの係止内容が異なるが、他の部分は基本的には、実施例1と概ね共通するので、
(1)ナット保持具へのナットおよび変断面座金の装着
(2)鋼管柱内部へのナットおよび変断面座金の設置
(ナット設置台車17の構造はナット保持具121の構造(形状)に合わせて変更が必要)
(3)ナットおよび変断面座金の鋼管柱の内部への固定
(4)鋼管柱とスプリットティとの接合
などの詳細説明は省略する。
この実施例2のナット保持具を用いた高力ボルト接合構造を図10に示す。この実施例2のナット保持具を用いた高力ボルト接合構造における作用効果は、実施例1のナット保持具を用いた場合と大差はない。
【0026】
[実施例3]
以下に、本発明の実施例3を図11、図12に基づいて詳細に説明する。この実施例3では、ナット保持具の他の構造例に係わるものである。
このナット保持具122は、側面を傾斜面12tにして、この傾斜面にナット61、62のフラット面を係止する折り曲げ式の係止部12iを形成したが、側端部に変断面座金131との係止鉤を有しないことから、側面部に変断面座金131の周端部が嵌入するスリット12tを設けて、変断面座金131に係止してナット61、62と変断面座金131を固定するようにした点において、実施例1、2のナット保持具12、121とは異なっており、係止内容が異なるが、他の部分は基本的には、実施例1、実施例2と概ね共通するので、
(1)ナット保持具へのナットおよび変断面座金の装着
(2)鋼管柱内部へのナットおよび変断面座金の設置
(ナット設置台車17の装着部18の構造(形状)は、ナット保持具122の構造(形状)に合わせて変更が必要)
(3)ナットおよび変断面座金の鋼管柱の内部への固定
(4)鋼管柱とスプリットティとの接合
などの詳細説明は省略する。
この実施例3のナット保持具122を用いた高力ボルト接合構造を図12に示す。この実施例3のナット保持具122を用いた高力ボルト接合構造における作用効果は、実施例1、実施例2のナット保持具12、121を用いた場合と大差はない。
【0027】
[実施例4]
以下に、本発明の実施例4を図13〜図15に基づいて詳細に説明する。
この実施例4は、例えば、図13(a)に示すように、一定の間隔で並置した一対のH形断面材25のフランジ25fの上面に鋼板26を当接して、鋼板26の外部側から頭部トルシア形高力ボルト10を挿入し、一対のH形断面材25の上フランジ25fの下面側に予めナット保持具123に変断面座金27とともに装着した状態で固定した複数のナット(ここでは4個)6に螺合・締結する、H形断面材25と鋼板26による組立部材のボルト接合構造において、本発明を適用した場合のものである。図13(b)は、図13(a)のA部を拡大して示したものである。
【0028】
図14(a)は、図13(a)のAa−Ab矢視断面説明図で、例えば4個のナット6と各変断面座金13を、ナット保持具123に横並びに配置して係止・固定し、このナット保持具123を、H形断面材25のフランジ25fの下面に配置してスポット溶接wにより固定しておき、H形断面材25のフランジ25fの上面に鋼板26を当接して、鋼板26の外部側から各ボルト孔26aに、それぞれ、座金15を介挿入した頭部トルクシア形高力ボルト10を挿入し、H形断面材25のフランジ25fのボルト孔25a経由で、フランジ25fの下面に予め固定した変断面座金27を経てナット6に螺着して、この頭部トルシア形高力ボルト10を特殊な締付具によりトルク導入して締め付けを完了した状態を示している。
一対のH形断面材25と鋼板26のボルト接合前には、内部側になるH形断面材25の上フランジ25fの下面側25は解放空間にあるため、ナット6および変断面座金27をナット保持具123の固定が容易にできる。ここで用いた変断面座金27は、ボルト孔27aを有し外周部にナット保持具123の係止鉤12fとの係止部27bを有するものである。
【0029】
ナット保持具123は、4個のナット6と変断面座金27を共廻りしないように係止・装着するものであり、図15(a)、(b)、(c)に示すように、薄鋼板からなる板状部12aに4個のボルト孔12bを有し、各ボルト孔12bに雌ねじを合わせて配置する各ナット6の位置ずれを防止するフラット面係止部12cと、折り曲げ式の角部係止部12dと12e、または12eと12eを形成し、さらに、変断面座金27の外周部の係止部27bに係止する係止鉤12fを形成したものであり、側端部をスポット溶接wでH形断面材25のフランジ25fの下面に固定するものである。図中12sはスリットであり、角部係止部12eを折り曲げた状態では図14(a)に示すように、孔12oが形成される。
【0030】
この実施例4のH形断面材25と鋼板26の高力ボルト接合構造を得るための施工例について図15(a)、(b)、(c)により説明する。ナット6と変断面座金27は、破線で示す。
(1)ナット保持具へのナットおよび変断面座金の装着
4個のナットにそれぞれ変断面座金27を当接して、ナット保持具123の両端から所定位置まで押し込み、図15(c)に示すように、両端側では係止部12dと12eを、また、その間では両側の角部係止部12eと12eを内側に折り曲げることにより、この折り曲げた係止部12d、12eと両側のフラット面係止部12cにより、ナット6を四方から固定するとともに、ナット保持具12の両側の係止鉤12fを変断面座金27の外周の係止部27bに係止して、ナット保持具123とナット6と変断面座金27を固定する。
【0031】
(2)H形断面材へのナットおよび変断面座金の固定
(1)でナットおよび変断面座金を装着したナット保持具123を、頭部トルシア形高力ボルト10の締め付け時に手の届かない内部側になるH形断面材25のフランジ25fの下面が解放空間にある状態で、予め4個のナット6および変断面座金27のボルト孔27aをH形断面材25のフランジ25fのボルト孔25aに合うように配置し、H形断面材25のフランジ25fの下面にスポット溶接wにより側端部の複数箇所で固定する。このようにして、4個のナット6および変断面座金27を、ナット保持具123に装着した状態でH形断面材25のフランジ25fの下面に固定する。
【0032】
(3)H形断面材と鋼板との高力ボルト接合
(2)で4個のナット6および変断面座金27を、ナット保持具123に装着した状態でH形断面材25のフランジ25fの下面に固定したH形断面材25のフランジ25fの上面に鋼板26を、ボルト孔26aH形断面材25のフランジ25fのボルト孔25aに合うように当接し、座金15を介挿した頭部トルシア形高力ボルト10を、鋼板26の外部側からボルト孔26a、25aに挿通させ、先端の雄ねじ10sをH形断面材25のフランジ25fの下面に固定したナット6の雌ねじに螺着して、頭部トルシア形高力ボルト10を、頭部側で締結具(図示省略)で締め付けることによって、H形断面材25のフランジ25fの上面に鋼板26を高力ボルト接合する。この際、ナット6は、H形断面材25のフランジ25fの下面にスポット溶接wで固定されたナット保持具123によって固定されているため、共廻りすることはなく、円滑な締め付けが可能である。
【0033】
本発明は、上記の実施例の内容のみに限定されるものではない。例えば、上記の実施例は、鋼管柱とスプリットティの高力ボルト接合構造やH形断面材25と鋼板26の高力ボルト接合構造に適用した場合のものであるが、建て込みの際に、外部側からナット締め付けが困難なところ(手の届かないところ)に接合部位がある他の鋼材の高力ボルト接合構造においても適用可能である。また、上記の実施例におけるナット固定作業は、基本的には、工場で行うものであるが、建て込み現場で建て込み前に行うこともできる。また、頭部トルシア形高力ボルトの締め付け作業は、工場で完了させてもよいし、建て込み現場で建て込み前または建て込みの際に行こともできる。
なお、ナットと座金の形成条件、ナット保持具の構造条件、ナット保持具に装着するナットの数、ナットおよび変断面座金とナット保持具と固定手段、ナット保持具の固定手段、ナット保持部品を使用の場合のナット保持部品の構造条件、変断面座金との係止(固定)手段などについては、接合対象物、ナットの配置条件に応じて、上記請求項を満足する範囲内で変更のあるものである。
【0034】
【発明の効果】
本発明は、例えば、鋼管柱とスプリットティのボルト接合構造、あるいは建て込みの際に、外部側からナット締め付けが困難なところ(手の届かないところ)に接合部位がある他の鋼材の高力ボルト接合構造において、頭部締め高力ボルトを用い、ナットを内部側に固定する場合に、ナットを複数単位でナット保持具に装着して、このナット保持具を内部側に係止・固定することから、複数のナットを同時的に所定の位置に固定することができ、固定作業負担を軽減するとともに、締め付け時の各ナットの共廻りを確実に防止して、円滑で安定した高力ボルトの締め付けが可能である。
また、頭部トルシア形高力ボルトを用いた場合には、このボルトに対する導入張力を頭部側で容易にコントロールすることができ、より高強度で安定したボルト接合構造を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の実施例1における鋼管柱とスプリットティの高力ボルト接合構造例で締め付けが完了した状態を示す一部断面平面説明図、(b)は、(a)のAa−Ab矢視説明図、(c)は、(a)のBa−Bb矢視断面説明図。
【図2】(a)は、図1(b)の部分拡大説明図、(b)は、図1(c)の部分拡大説明図、(c)は、図1(a)の部分拡大説明図。
【図3】(a)は、実施例1で用いたナット保持具の端面説明図、(b)は、(a)の正面説明図、(c)は、(b)のAa−Ab矢視断面説明図。
【図4】(a)は、実施例1で用いた変断面座金の構造例を示す正面説明図、(b)は、(a)の一部断面側面説明図。
【図5】(a)は、実施例1〜実施例4で用いた頭部トルシア形高力ボルトとボルト頭部側の座金の構造例を示す正面説明図、(b)は、(a)の側面説明図。
【図6】(a)は、実施例1〜実施例3で用いたナット保持部品の正面説明図、(b)は、(a)の一部断面側面説明図。
【図7】(a)は、実施例1で用いたナット設置台車と、ナット保持具の装着状態例を示す側断面説明図、(b)は、(a)のAa−Ab矢視説明図、(c)は、ナット設置台車の他の車輪部構造例を示す説明図((a)のAa−Ab矢視説明図で示す)。
【図8】実施例1での鋼管柱とスプリットティの高力ボルト接合施工例を示す一部断面側面説明図。
【図9】(a)は、実施例2のナット保持具の構造例を示す端面説明図、(b)は、(a)の正面説明図、(c)は、(b)のAa−Ab矢視断面説明図。
【図10】実施例2のナット保持具を用いた鋼管柱とスプリットティの高力ボルト接合構造例で締め付けが完了した状態を示す一部断面側面説明図。
【図11】(a)は、実施例3のナット保持具の構造例を示す端面説明図、(b)は、(a)の正面説明図、(c)は、(b)のAa−Ab矢視断面説明図。
【図12】実施例3のナット保持具を用いた鋼管柱とスプリットティの高力ボルト接合構造例で締め付けが完了した状態を示す一部断面側面説明図。
【図13】(a)は、本発明の実施例4におけるH形断面材と鋼板の高力ボルト接合構造例で締め付けが完了した状態を示す一部断面側面説明図、(b)は、(a)のA部部分拡大説明図。
【図14】(a)は、図13のAa−Ab矢視断面説明図、(b)は、(a)のBa−矢視断面説明図。
【図15】(a)は、実施例4で用いたナット保持具の端面説明図、(b)は、(a)の正面説明図、(c)は、(b)のAa−Ab矢視断面説明図。
【図16】従来の鋼管柱とH形断面梁の高力ボルト接合構造例を示す立体説明図。
【図17】(a)は、従来の鋼管柱内部へのナット固定構造例を示す側断面説明図、(b)は、(a)のナット固定による鋼管柱とスプリットティの高力ボルト接合構造例を示す側断面説明図。
【図18】従来の他の鋼管柱内部へのナット固定構造例を示す側断面説明図。
【符号の説明】
1 鋼管柱 1a ボルト孔
2 スプリットティ 2a ボルト孔
3 ワンサイドボルト 4 H形断面梁
5 高力ボルト(従来形トルシア形高力ボルト)
6、61、62 ナット 7 頭部締め高力ボルト
8 カラー(ナット固定用) 9 ナット保持部品
10 頭部トルシア高力ボルト 10s 雄ねじ
10a 座面 10t 頭部
10t 頭部 11 ピンテール
11a ブレークネック
12、121、122、、123 ナット保持具
12a 板状部 12b ボルト孔
12c フラット面係止部 12d、12e 角部係止部
12f 係止鉤 12i 係止部
12s スリット 12o 孔
12t 傾斜面 13、131 変断面座金
13a ボルト孔 13b 孔内係止部
13c 外周係止部 14 ナット保持部品
14a スリーブ部 14b 鍔部
14c 係止鉤 14e ボルト孔
15 座金 15a ボルト孔
17 ナット設置台車 18 装着部
19 操作棒 20 搭載台
21 昇降装置 22 車輪
23 ガイドローラ 24 固定棒
25 H形断面材 25f フランジ
25a ボルト孔 25u ウエブ
26 鋼板 26a ボルト孔
27 変断面座金 27a ボルト孔
27b 外周係止部
Claims (5)
- 当接した接合対象部材の複数のボルト孔に、それぞれ、高力ボルトを挿入し、その先端部側になる接合対象部材の反対側に固定したナットに螺着して頭部締めする高力ボルト接合構造において、頭部締め時に頭部締め側から手の届かない位置に配置するナットを、複数単位でナット保持具の所定の位置に位置ずれおよび共廻りしないように装着し、このナット保持具は、薄鋼板の曲げ加工により得られるものであり、長方形の板状部を有し、前記板状部に設けられたフラット面係止部及び角部係止部で、板状部の縦方向に整列する前記ナットの対向する2面及び角部をそれぞれ挟持してナットを保持し、各ナットが各ボルトに螺着可能な位置になるように高力ボルトの先端部側になる接合対象部材の反対側の所定の位置に配置・固定し、各高力ボルトを各ナットに螺着して頭締めすることを特徴とする高力ボルト接合構造。
- 当接した鋼管柱とスプリットティの垂直板のボルト孔に、それぞれ高力ボルトを挿入し、各高力ボルトを、鋼管柱の内部側に固定したナットに螺着して頭部締めする鋼管柱とスプリットティの高力ボルト接合構造において、鋼管柱の内部側に配置するナットを、複数単位でナット保持具の所定の位置に位置ずれおよび共廻りしないように装着し、前記ナット保持具は、薄鋼板の曲げ加工により得られるものであり、長方形の板状部を有し、前記板状部に設けられたフラット面係止部及び角部係止部で、板状部の縦方向に整列する前記ナットの対向する2面及び角部をそれぞれ挟持してナットを保持し、各ナットが各ボルトに螺着可能な位置になるように鋼管柱の内部側の所定の位置に配置・固定し、各高力ボルトを各ナットに螺着して頭締めすることを特徴とする鋼管柱とスプリットティの高力ボルト接合構造。
- ナット保持具に係止されたナットの座面に、座金が当接・固定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の高力ボルト接合構造。
- ナット保持具に係止されたナット座面に、座金が当接・固定され、前記座金が、ナット保持具との係止部と接合対象部材または鋼管柱のボルト孔に挿入・固定されたナット保持部品の係止部との係止部を有する変断面座金であり、ナットの座面に当接された状態でナット保持具と接合対象部材または鋼管柱のボルト孔に挿入・固定されたナット保持部品の係止部に係止されていることを特徴とする請求項1から2のいずれかに記載の高力ボルト接合構造。
- 板状部に複数のボルト孔を有し、各ボルト孔にねじ孔を合わせて配置する各ナットの位置ずれと共廻りを防止する複数の係止部と、ナットの座面と接合対象部材または鋼管柱間に介在させる変断面座金との係止部を形成し、複数のナットと変断面座金を有し、当該変断面座金が、接合対象部材または鋼管柱のボルト孔に挿入・固定されたナット保持部品の係止部との係止部を形成し、複数のナットと変断面座金を、高力ボルトの挿入位置に対応する所定の位置に組み込んだことを特徴とするナット保持具。
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