JP2002265528A - 吸水性樹脂の製造方法 - Google Patents

吸水性樹脂の製造方法

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JP2002265528A
JP2002265528A JP2001071577A JP2001071577A JP2002265528A JP 2002265528 A JP2002265528 A JP 2002265528A JP 2001071577 A JP2001071577 A JP 2001071577A JP 2001071577 A JP2001071577 A JP 2001071577A JP 2002265528 A JP2002265528 A JP 2002265528A
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water
mass
absorbent resin
meth
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JP2001071577A
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Inventor
Kozo Kubota
耕三 窪田
Koji Nomura
幸司 野村
Koji Yamamoto
浩司 山本
Susumu Miho
享 美保
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Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸水速度が大きい吸水性樹脂の製造方法を提
供する。 【解決手段】 (メタ)アクリル酸(塩)100質量部
と、ポリオキシエチレンモノ(メタ)アクリレート0.
1〜30質量部とを少なくとも含む単量体混合物を、架
橋剤の存在下に重合させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に吸水速度が大
きいアクリル系及びメタクリル系吸水性樹脂の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、吸水性樹脂は、生理用品、紙おむ
つ、使い捨て雑巾などの衛生用品や、保水剤、土壌改質
剤などの農園芸用品、汚泥の固化、建材の露結防止、油
脂の脱水などの様々な分野で利用されている。吸水性樹
脂としては、アクリル酸塩重合体架橋物、澱粉−アクリ
ル酸グラフト共重合物、澱粉−アクリロニトリルグラフ
ト共重合体の加水分解物、ポリオキシエチレン架橋物、
カルボキシメチルセルロース架橋物などが知られてい
る。
【0003】これらの吸水性樹脂の内、アクリル酸、メ
タクリル酸及びこれらの塩(以下、これらをまとめて
(メタ)アクリル酸(塩)と表す。)を主成分として製
造される吸水性樹脂は特に重要で、従来も多数の製造方
法が提案されている。
【0004】例えば、特開昭58−71507号公報に
は、高濃度の単量体水溶液をあらかじめ加温し、重合開
始剤を添加して外部加熱を行うことなく、エンドレスベ
ルト上で連続的に重合させると共に、水分を蒸発させる
製造方法が記載されている。この方法によれば、乾燥工
程を要せず、生産性良く多孔質な樹脂が得られる。しか
し、この製造方法による場合は、吸水性樹脂の低分子量
化、水可溶分の増加、及び保水率の低下の問題がある。
【0005】特開昭63−43912号、同63−31
7519号、特開平1−156310号及び同8−25
3615号公報には、単量体水溶液にアゾビス系光増感
剤を加え、紫外線照射によって重合を開始させる吸水性
樹脂の製造方法が開示されている。この製造方法におい
ては、吸水性樹脂の吸水速度を高めるために比較的多量
の光増感剤を用いて多孔質化している。このため、吸水
性樹脂中に残存する未反応単量体及び低分子量重合体等
の水可溶分が多くなる問題がある。
【0006】水可溶分は、吸水性樹脂が水、尿、体液等
と接触する際に、吸水性樹脂外に溶出し、その使用者に
不快な粘着感を与えたり、吸収される液体等を汚染した
りするので、可及的に少なくすることが望まれている。
【0007】また、特開平7−185331号、特表平
8−509521号及びWO96/17884号公報に
は、吸水速度等の吸水性能を強化するため、重合の際に
二酸化炭素等の発泡剤を用いる微孔性ヒドロゲルの製造
方法が開示されている。しかし、この方法によれば発泡
開始時間に重合開始時間を一致させることが困難であ
り、それ故発泡度、孔径をコントロールすることが事実
上不可能となっている。
【0008】上記問題を解決するものとして、架橋剤を
含有する水溶性エチレン系不飽和単量体を、炭酸塩の存
在下にラジカル系光重合開始剤と過酸化物とを用いて紫
外線照射重合を行う吸水性樹脂の製造方法が特開平11
−302310号公報に記載されている。この方法によ
れば、吸水倍率、吸水速度、水可溶分量の何れもバラン
ス良く優れた吸水性樹脂が製造できる。
【0009】しかし、吸水性樹脂の用途によっては、特
定の機能に優れた吸水性樹脂が求められる場合もある。
このような例としては、迅速に水を吸収する必要のある
紙おむつ等の衛生用品がある。従来の吸水性樹脂の製造
方法には、このような特殊機能、特に吸水速度を高める
ことを目的とする吸水性樹脂の製造方法は見あたらな
い。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記問
題を解決するために種々検討するうちに、ポリオキシエ
チレンモノ(メタ)アクリレートを共重合した吸水性樹
脂は吸水速度が特異的に高くなることを知得した。本発
明は上記知見に基づいて完成するに至ったもので、その
目的とするところは吸水速度が特に大きい吸水性樹脂の
製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明は、以下に記載するものである。
【0012】〔1〕 (メタ)アクリル酸(塩)100
質量部と、ポリオキシエチレンモノ(メタ)アクリレー
ト0.1〜30質量部とを少なくとも含む単量体混合物
を、架橋剤の存在下に重合させることを特徴とする吸水
性樹脂の製造方法。
【0013】〔2〕 重合を炭酸塩の存在下に行う
〔1〕に記載の吸水性樹脂の製造方法。
【0014】〔3〕 重合をラジカル系光重合開始剤と
過酸化物との存在下に紫外線を照射して行う〔1〕又は
〔2〕に記載の吸水性樹脂の製造方法。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0016】本発明において使用する水溶性単量体の主
成分は(メタ)アクリル酸及びこれらの塩である。塩の種
類としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属
塩、カルシウム等のアルカリ土類塩、アンモニウム塩、
トリメチルアミン塩等の有機アミン塩等を例示できる。
【0017】(メタ)アクリル酸(塩)は、(メタ)アクリル
酸の20〜100モル%をアルカリで部分中和又は完全
中和した(メタ)アクリル酸(部分)中和物を使用するの
が好ましい。
【0018】本発明において使用する水溶性単量体の別
の主成分は下記式(1)で示すポリオキシエチレンモノ
(メタ)アクリレートである。
【0019】
【化1】
【0020】ここで、R1は水素原子又はメチル基、R2
Oはオキシエチレン基、R3は水素原子又は炭素数1〜
10の直鎖状、分枝状、又は環状アルキル基、nは1〜
100の整数を示す。
【0021】好ましいポリオキシエチレンモノ(メタ)
アクリレートとしてはn=2〜15のものである。
【0022】ポリオキシエチレンモノ(メタ)アクリレ
ートの使用量は、(メタ)アクリル酸(塩)100質量
部に対して0.1〜30質量部、好ましくは1〜10質
量部である。
【0023】上記水溶性単量体以外に、その他の水溶性
単量体を使用することができる。その他の水溶性単量体
としては、(無水)マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、
イタコン酸、2-(メタ)アクリロイルエタンスルホン酸、
2-(メタ)アクリロイルプロパンスルホン酸、2-(メタ)ア
クリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸等のアニオ
ン性単量体及びそのアルカリ金属塩、アルカリ土類塩、
アンモニウム塩、アミン塩;(メタ)アクリルアミド、N-
置換(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)
アクリレート等のノニオン性単量体;N,N-ジメチルアミ
ノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノプロ
ピル(メタ)アクリルアミド等のカチオン性単量体やそれ
らの4級化物等を挙げることができる。
【0024】その他の水溶性単量体は、(メタ)アクリ
ル酸(塩)100質量部に対し、30質量部以下を配合
することが好ましい。
【0025】また、得られる重合体の親水性を極度に阻
害しない範囲で、メチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等のア
クリル酸エステル類や酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル
等の疎水性単量体を使用しても良い。
【0026】本発明において使用する架橋剤は、N,N'-
メチレンビス(メタ)アクリルアミド、(ポリ)エチレング
リコール(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)ア
クリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリ
レート、トリアリルアミン、トリアリルシアヌレート、
グリシジル(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、(ポリ)グリセリン、プロ
ピレングリコール、ジエタノールアミン、トリメチロー
ルプロパン、ペンタエリスリトール、(ポリ)エチレング
リコールジグリシジルエーテル、(ポリ)グリセロールポ
リグリシジルエーテル、エピクロルヒドリン、エチレン
ジアミン、ポリエチレンイミン、(ポリ)塩化アルミニウ
ム、硫酸アルミニウム、塩化カルシウム、硫酸マグネシ
ウム等を例示できる。
【0027】架橋剤の使用量は、(メタ)アクリル酸
(塩)及びその他の水溶性単量体の合計100質量部に
対し、0.0001〜5質量部が好ましく、0.005
〜3質量部がより好ましい。
【0028】本発明において使用する重合開始剤として
は、公知の重合開始剤が使用でき、ラジカル系光重合開
始剤がより好ましい。
【0029】ラジカル系光重合開始剤としては、一般に
紫外線重合に利用されているベンゾイン、ベンジル、ア
セトフェノン、ベンゾフェノン及びこれらの誘導体が好
ましい。
【0030】ベンゾイン系の誘導体としては、ベンゾイ
ンメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾ
インイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエー
テルが例示できる。
【0031】アセトフェノン系の誘導体としては、ジエ
トキシアセトフェノン、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニ
ルエタン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニ
ルケトン、2-メチル-1-(4-(メチルチオ)フェニル)-2-モ
ンフォリノプロパン-1、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-
1-(4-モルフォリノフェニル)ブタノン-1、2-ヒドロキシ
-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-(4-(2-ヒド
ロキシエトキシ)-フェニル)-2-ヒドロキシジ-2-メチル-
1-プロパン-1-オンが例示できる。
【0032】ベンゾフェノン系の誘導体としては、O-ベ
ンゾイル安息香酸メチル、4-フェニルベンゾフェノン、
4-ベンゾイル-4'-メチルジフェニルサルファイド、3,
3',4,4'-テトラ(t-ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾ
フェノン、2,4,6-トリメチルベンゾフェノン、4-ベンゾ
イル-N,N-ジメチル-N-[2-(1-オキシ-2-プロペニルオキ
シ)エチル]ベンゼンメタナミニウムブロミド、(4-ベン
ゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド、4,
4'-ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4'-ジエチルアミ
ノベンゾフェノン等が例示できる。
【0033】その他のラジカル系光重合開始剤としては
アゾ化合物も利用できる。具体的には、アゾニトリル化
合物、アゾアミジン化合物、アゾアミド化合物、アルキ
ルアゾ化合物等が好ましい。
【0034】なお、これら重合開始剤は複数を併用する
ことができる。
【0035】重合開始剤の使用量は(メタ)アクリル酸
(塩)及びその他の水溶性単量体の合計100質量部に
対し、0.0001〜0.1質量部が好ましく、0.0
01〜0.01質量部がより好ましい。
【0036】このように極めて少ない使用量で重合を開
始させることによって、重合体の高重合度化が達成で
き、水可溶分の少ない吸水性樹脂が得られる。光重合開
始剤の使用量が0.0001質量部未満の場合は重合性
が極端に悪くなり、他方、0.1質量部を超えると、重
合体の低重合度化が起き、水可溶分が増加する。
【0037】本発明に於いては、前記重合開始剤と共に
過酸化物を併用することが好ましい。過酸化物を併用す
ることにより、得られる吸水性樹脂中の未反応単量体量
を低減できる。
【0038】好ましい過酸化物としては、過硫酸ナトリ
ウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過酸化水
素、t-ブチルパーオキシド、琥珀酸過酸化物、t-ブチル
パーオキシマレイン酸等の過酸化物が例示でき、それら
の1種又は2種以上組合わせて用いることもできる。
【0039】過酸化物の使用量は、水溶性単量体100
質量部に対して0.001〜10質量部が好ましく、よ
り好ましくは0.01〜1質量部である。過酸化物の使
用量が0.001質量部未満であると、未反応単量体を
十分に減少させることが困難になる。1質量部を超えて
使用すると水可溶分が増加すると共に、得られる吸水性
樹脂が着色する場合がある。
【0040】多孔質な含水ゲル状重合体を得るために、
重合系に炭酸塩を存在させることが好ましい。炭酸塩と
しては、塩又は混合塩を含むいずれの炭酸塩,炭酸水素
塩でも良い。
【0041】炭酸塩としては、炭酸ナトリウム、炭酸水
素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸
アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸マグネシウ
ム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム等及びこれらの水和
物等が例示でき、それらの1種又は2種以上を用いるこ
とができる。好ましい炭酸塩は1価カチオン、例えばナ
トリウム、カリウム、アンモニウムの炭酸塩又は炭酸水
素塩である。
【0042】炭酸塩の使用量は、水溶性単量体100質
量部に対し0.01〜10質量部が好ましく、より好ま
しくは0.1〜5質量部である。炭酸塩の使用量が0.0
1質量部未満の場合は、重合により得られる含水ゲル状
物は多孔質体としての特性を示さない。また、10質量
部以上使用すると水可溶分が増加すると共に、樹脂の吸
水倍率が減少する。
【0043】前記炭酸塩を使用する場合、気泡径及び発
泡時期をコントロールする目的で消泡剤を使用すること
が好ましい。消泡剤は、一般的に破泡剤、抑泡剤、整泡
剤等として知られているものを適宜選択することがで
る。消泡剤の具体的なものとしては、油脂、脂肪酸、低
級アルコール、高級アルコール、金属石鹸、シリコー
ン、疎水性シリカ・シリコーンコンパウンド、脂肪酸エ
ステル、ポリグリコール、ポリグリコールエステル、ポ
リエーテル、変成シリコーン、油溶系ポリマー、有機リ
ン系化合物、硫酸化脂肪酸、ポリエーテル誘導体、シリ
カ・変性シリコーンコンパウンド等が挙げられる。
【0044】消泡剤の使用量は水溶性単量体の合計10
0質量部に対し、0.001〜5質量部が好ましく、
0.01〜1質量部がより好ましい。
【0045】水溶性単量体の重合は、水溶液重合が好ま
しい。水溶性単量体濃度は、通常25〜80質量%、好
ましくは30〜50質量%である。単量体濃度が25質
量%未満の場合は、得られる含水ゲル状重合体が非常に
柔らかくなり、該ゲルを乾燥させるために細かく切断す
ることが困難となり、また、多量の水分を含んでいるの
で乾燥効率が悪くなる。
【0046】単量体濃度が80質量%を超える場合は、
反応時の温度上昇の制御が困難になり、吸水性樹脂の低
分子量化が起こる結果、水可溶分が多くなると共に、吸
水倍率が低下する。
【0047】水溶液重合系には、従来より吸水性樹脂の
製造に用いられている澱粉やセルロース等を併用しても
よい。
【0048】重合は紫外線の照射により開始させること
が好ましい。この場合、水溶性単量体水溶液中に紫外線
を均一に透過させる必要があるので、反応容器はそれに
適した形状のものが好ましい。単量体水溶液を重合して
得られる含水ゲル状重合体の切断、乾燥、粉砕行程での
作業性の効率化を考慮するとエンドレスベルトや表面積
の大きい解放容器を反応容器とすることが好ましい。
【0049】単量体水溶液の厚みは反応温度(重合体の
最高到達温度)の制御の容易さ、紫外線の透過のし易さ
から50mm以下が好ましく、20mm以下が更に好まし
い。単量体水溶液の厚みが50mmを超えると紫外線照射
が厚み方向において不均一になる。該単量体水溶液の厚
みの下限値に特に制限はない。しかし、生産性を考慮す
ると1mm以上が好ましい。
【0050】紫外線の光量は特に限定されないが、通常
100〜4000mJoule/cm2が好ましい。紫外線照射
用光源としては、公知の水銀ランプ、メタルハライドラ
ンプ等を用いることができる。照射波長も特に制限がな
く、通常重合に用いる200〜450nmの波長光が好ま
しい。紫外線照射時間は上記光量になるよう適宜決定す
る。上記条件の場合、照射ととほぼ同時に重合が開始
し、通常、10〜120秒の照射で重合は完結する。
【0051】紫外線照射前の水溶性単量体水溶液の液温
は30℃以下が好ましく、より好ましくは0℃〜20℃
である。該水溶液温度が30℃を超える場合は、反応系
の温度が高くなりすぎるため、得られる吸水性樹脂が低
分子量化し、吸水倍率の低下、水可溶分の増加を起こし
易い。単量体が重合し始めると、液温が上昇するが、優
れた吸水性樹脂を得るためには重合温度を120℃以下
に制御することが好ましく、より好ましくは100℃以
下である。
【0052】また、重合をより効率的に進めるために
は、単量体水溶液中の溶存酸素を低減させることが好ま
しい。溶存酸素を低減させるには公知の方法、即ち不活
性ガス(例えば窒素ガス)を単量体水溶液に吹き込めばよ
い。
【0053】上記のようにして得られた含水ゲル状重合
体は、切断、乾燥、粉砕等の後工程を経て吸水性樹脂と
される。
【0054】含水ゲル状重合体の切断方法としては、公
知のカッター型切断機、チョッパー型切断機、ニーダー
型切断機等を用いる方法がある。カッター型切断機はゲ
ル切断時のシェアーによるポリマーの劣化が少ないので
好ましい。
【0055】切断した含水ゲル状重合体の乾燥方法とし
ては、熱風乾燥機、流動層乾燥機、気流乾燥機、赤外線
乾燥機、誘電加熱乾燥機などの乾燥機や加熱炉を用いる
方法がある。乾燥温度は通常60〜200℃が好まし
い。
【0056】乾燥したゲルを粉砕するには振動式粉砕
機、衝撃式粉砕機、摩擦型粉砕機等の公知の粉砕装置を
利用できる。吸水性樹脂粉末の大きさは用途に応じて適
宜選択する。例えば、衛生材料として使用する場合に
は、通常10〜200メッシュ程度の粒径が好ましい。
【0057】吸水性樹脂粉末には、必要に応じ、表面処
理を施しても良い。表面処理は従来公知の方法を採用で
きる。例えば、吸水性樹脂に結合しているカルボキシレ
ート基に公知の架橋剤を反応させることにより吸水性樹
脂の表面改質をすることができる。架橋剤としては、水
溶性ジグリシジルエーテル化合物に代表されるエポキシ
化合物、多価金属、アルデヒド化合物、多価アルコール
等が例示できる。
【0058】本発明によって得られる吸水性樹脂は前記
各種用途に使用することが可能で、特に、迅速な吸水性
を要求される生理用品、紙おむつ等の衛生用品に適して
いる。
【0059】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明する。
【0060】実施例及び比較例において吸水性樹脂の評
価は、以下のようにして行った。
【0061】(吸水倍率)吸水性樹脂0.5gを容器に
入れ、さらに0.9質量%塩化ナトリウム水溶液(生理
食塩水)を100ml加えて、マグネチックスターラー
で撹拌した。30分後、容器内の吸水した樹脂をグラス
フィルターに移し、200mmHgの圧力で10分間吸
引して水切りを行った後、グラスフィルターの質量W1
(g)を測定した。また、同様の操作を吸水性樹脂を用
いないで行い、その時の質量W0(g)を測定した。次
式(a)から吸水倍率を算出した。なお、吸水性樹脂の
質量をW(g)で表す。
【0062】
【数1】 吸水倍率(g/g)=(W1―W0)/W (a) (吸水速度)吸水性樹脂2.0gを秤量し、これをマグ
ネチックスターラーで撹拌している50mlの0.9質
量%塩化ナトリウム水溶液に投入し、液面が平らになる
までの時間を測定し、この時間を吸水速度(秒)として
表した。
【0063】実施例1 アクリル酸ナトリウム223質量部、アクリル酸58質
量部、トリメチロールプロパントリアクリレート0.2
8質量部、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエ
タン−1オン0.03質量部、炭酸ナトリウム5.6質
量部、下記式(2)
【0064】
【化2】
【0065】で表されるメトキシポリエチレングリコー
ルアクリレート(商品名:ライトアクリレートMTG−
A、共栄社化学株式会社製)2.8質量部および脱イオ
ン水419質量部を仕込み、20℃に冷却した後、これ
に高圧水銀灯を照射して重合をおこない、含水ゲル状重
合体を得た。この含水ゲル状重合体を145℃で熱風乾
燥し、粉砕して粒度調整し105〜850μmの吸水性
樹脂を得た。本品の評価結果を表1に示す。
【0066】実施例2 実施例1において、前記式(2)で表されるメトキシポ
リエチレングリコールアクリレート(商品名:ライトア
クリレートMTG−A、共栄社化学株式会社製)2.8
質量部を、下記式(3)
【0067】
【化3】
【0068】で表されるメトキシポリエチレングリコー
ルアクリレート(商品名:ライトアクリレート130
A、共栄社化学株式会社製)2.8質量部に変更した以
外は、実施例1と同様にして吸水性樹脂を得た。
【0069】実施例3 実施例1において、前記式(2)で表されるメトキシポ
リエチレングリコールアクリレート(商品名:ライトア
クリレートMTG−A、共栄社化学株式会社製)2.8
質量部を、下記式(4)
【0070】
【化4】
【0071】で表されるポリエチレングリコールアクリ
レート(商品名:ブレンマーAE―400、日本油脂株
式会社製)2.8質量部に変更した以外は、実施例1と
同様にして吸水製樹脂を得た。
【0072】実施例4 実施例1において、前記式(2)で表されるメトキシポ
リエチレングリコールアクリレート(商品名:ライトア
クリレートMTG−A、共栄社化学株式会社製)2.8
質量部を、下記式(5)
【0073】
【化5】
【0074】で表されるポリエチレングリコールアクリ
レート(商品名:ブレンマーPE―350、日本油脂株
式会社製)2.8質量部に変更した以外は、実施例1と
同様にして吸水製樹脂を得た。
【0075】実施例5 実施例3において、重合時に更にノニオン系界面活性剤
(商品名:FZ―2105、日本ユニカー株式会社製)
0.06質量部使用する以外は実施例5と同様にして吸
水性樹脂を得た。
【0076】実施例6 実施例3で得られた吸水性樹脂100質量部と二酸化ケ
イ素0.5質量部をミキサーに入れて撹拌、混合した。
得られた混合物を更に撹拌しながら、エチレングリコー
ルジグリシジルエーテル0.1g、脱イオン水1.4g
からなる混合液を噴霧添加して十分に混合した。混合物
を120℃を30分間加熱乾燥することにより吸水性樹
脂を得た。
【0077】比較例1 実施例1において、前記式(2)で表されるメトキシポ
リエチレングリコールアクリレート(商品名:ライトア
クリレートMTG−A、共栄社化学株式会社製)を使用
しない以外は、実施例1と同様にして吸水性樹脂を得
た。
【0078】比較例2 比較例1で得られた吸水性樹脂100質量部と二酸化ケ
イ素0.5質量部とをミキサーに入れて撹拌、混合し
た。得られた混合物を更に撹拌しながら、エチレングリ
コールジグリシジルエーテル0.1g、脱イオン水1.
4gからなる混合液を噴霧添加して十分に混合した。混
合物を120℃を30分間加熱乾燥することにより高吸
水性樹脂を得た。
【0079】
【表1】
【0080】
【発明の効果】本発明の吸水性樹脂の製造方法によれ
ば、水溶性単量体としてポリオキシエチレンモノ(メ
タ)アクリレートを共重合するようにしたので吸水速度
が大きい吸水性樹脂が製造できる。本発明によって製造
する吸水性樹脂は、その良好な吸水速度を利用して、生
理用品、紙おむつ、使い捨て雑巾などの衛生用品や保水
剤、土壌改良剤などの農園芸用品をはじめ、汚泥の固
化、建材の結露防止、油脂中の脱水などの様々な分野で
利用できる。
【0081】本発明の製造方法において、炭酸塩の存在
下に光重合方法を採用する場合は、孔径のよく揃った、
吸水速度が高い粒子状含水ゲル状重合体を得ることがで
きる。
フロントページの続き (72)発明者 山本 浩司 愛知県名古屋市港区昭和町17番地23 東亞 合成株式会社生産技術研究所内 (72)発明者 美保 享 愛知県名古屋市港区昭和町17番地23 東亞 合成株式会社生産技術研究所内 Fターム(参考) 4J011 AA05 PA07 PA25 PA29 PA56 PA90 PA99 PB24 PB30 PB37 QA02 QA03 QA13 QA15 QA22 QA24 QA27 QA37 QB16 QB19 SA05 SA14 SA15 SA16 SA19 SA20 SA24 SA25 SA26 SA28 SA29 SA34 SA76 SA79 UA01 4J100 AJ01R AJ02P AJ09R AK32R AL08Q AL08R AL09R AL10S AL63S AL66S AM15R AM21R AM24S AN13S AQ21S BA02Q BA08Q BA08S BA31R BA56R CA03 CA04 CA05 CA23 FA02 FA03 FA27 JA19 JA57 JA60 JA64

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (メタ)アクリル酸(塩)100質量部
    と、ポリオキシエチレンモノ(メタ)アクリレート0.
    1〜30質量部とを少なくとも含む単量体混合物を、架
    橋剤の存在下に重合させることを特徴とする吸水性樹脂
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 重合を炭酸塩の存在下に行う請求項1に
    記載の吸水性樹脂の製造方法。
  3. 【請求項3】 重合をラジカル系光重合開始剤と過酸化
    物との存在下に紫外線を照射して行う請求項1又は2に
    記載の吸水性樹脂の製造方法。
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