JP2002263073A - 血圧計 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 手首にカフを装着し、カフを加圧することで
手首を圧迫した際に、カフ内に発生する圧力変化を検出
して血圧測定をおこなう血圧計において、被測定者への
肉体的、精神的負担を必要最小限にして血圧測定をおこ
なう。 【解決手段】 血圧測定値や機器の動作状況に関する的
確で正確なデータを、動画のキャラクター、表、グラフ
等を用いて平易に被測定者へ伝達すること、およびカフ
内へ空気を圧入する際の圧力を自己判断による必要最小
限の値へ設定可能にしたことで、血圧測定時の手首への
圧迫を必要最小限とすること、により被測定者への肉体
的、精神的負担を必要最小限に低減することを達成し
た。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、血圧計本体にカフ
が一体に形成され、人体の手首に装着され、就寝時、就
業時、等の日常生活時、または療養中の安静時等に血圧
および脈拍数を測定する血圧計に関する。

【０００２】

【従来の技術】人体の血圧測定装置として、例えば手首
に装着するカフと血圧計本体が一体化した血圧計があ
る。しかし、前記血圧計においては、血圧測定時におい
て手首を被測定人体の最高血圧より高い圧力で圧迫する
ことが必要条件であるため、手首への圧迫による不快感
から被測定者へ精神的な負担をかける。そして、この精
神的負担から血圧値が変動してしまう場合もある。そも
そも、手首に装着するカフと血圧計本体が一体化した血
圧計を使用する被測定者とは、入院を必要とはしないも
のの自己の血圧値に不安を有している人が考えられ、こ
のような被測定者は、わずかな精神的負担でも緊張の原
因となり、健康上も好ましくないと考えられる。

【０００３】また、前記血圧計は、歩行時、就業時、就
寝時、等の日常生活時に血圧を測定出来ることに特徴が
あるが、日常生活においては運動、緊張等により、統計
的なデータとしては除去する方が好ましい測定結果が測
定される場合もある。しかし従来の技術においては複数
の測定データを処理する際、これらの除去する方が好ま
しい測定結果も含めて測定データの処理をおこなってい
た。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、前述の
問題点の解決策として、被測定者が自己の血圧測定に対
し、前向きに取り組める血圧計が必要であると考えた。
そして、被測定者が血圧測定に対し前向きに取り組むた
めの要件は、 ａ．定期的な測定はもちろんだが、血圧を測定する意欲
のあるときに直ちに血圧が測定できること、 ｂ．自己の血圧の状況がどう変化して、現在どうなって
いるのかを、正確且つ平易に把握できること、 ｃ．今、おこなわれている血圧測定において、例えば、
血圧計がどの様に作動し、自分の手首にどの様な圧迫が
加えられるのか、注意事項は何か、といった情報を正確
且つ平易に被測定者へ伝達すること、等であることに想
達した。ところが、従来、血圧を測定する意欲のあると
きに直ちに血圧が測定できる血圧計として、カフと血圧
計本体が一体化し手首に装着する血圧計はあるものの、
自己の血圧の状況把握、血圧計の作動状況および注意事
項の平易な伝達等をおこなうことで、被測定者の血圧測
定に対する精神的負担を低減しようとの観点からみる
と、満足すべき血圧計はまだ提供されていない。

【０００５】

【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
めの第１の発明は、血圧計本体と、この血圧計本体に一
体に形成されたカフとを有し、被測定人体の手首にカフ
を装着し、カフへ被測定人体の最高血圧より高い圧力ま
で、空気を圧入することで手首を圧迫し、その後、減圧
していく際に、カフ内に発生する圧力変化を検出して血
圧測定、心拍数測定をおこなう血圧計であって、前記測
定された血圧、心拍数、および測定日時をデータのセッ
トとして記憶する機能を有し、前記記憶した少なくとも
２以上のデータのセットを表の形式で、血圧計本体に設
置された表示器に表示する機能を有していることを特徴
とする血圧計である。この構成を採ることによって、自
己の血圧値の状況とその変化を正確且つ平易に把握する
ことができる。すなわち、血圧、心拍数、および測定日
時をデータのセットを表形式で表示するのすることか
ら、一日の測定回数、測定の時間を血圧値とその意味を
把握することが可能となる。

【０００６】第２の発明は、第１の発明に記載の血圧計
であって、前記記憶したデータのセットをグラフおよび
数値の併記の形式で、血圧計本体に設置された表示器に
表示する機能を有していることを特徴とする血圧計であ
る。この構成を採ることで、定時測定を継続している場
合の傾向、または大掴みな傾向を知りたいときに、それ
らを容易に把握できるという効果を有する。

【０００７】第３の発明は、第１または第２の発明に記
載の血圧計であって、前記記憶したデータのセットか
ら、所望のデータのセットを消去する機能を有すること
を特徴とする血圧計である。この構成を採ることで、血
圧測定が正常に行われなかったにも拘わらず測定値が記
憶されてしまった場合、または定時測定において、血圧
測定に適した状況ではなかったにも拘わらず測定が行わ
れ測定値が記憶されてしまった場合、等においてそれら
のデータを記憶したままにしておくのは、後のデータ処
理においても、被測定者本人がデータを振り返る際にも
好ましいことではない。ここで、血圧計が所望のデータ
のセットを消去する機能を有することでこれらの問題点
を回避することが可能となった。

【０００８】第４の発明は、血圧計本体と、この血圧計
本体に一体に形成されたカフとを有し、被測定人体の手
首にカフを装着し、カフへ被測定人体の最高血圧より高
い圧力まで、空気を圧入することで手首を圧迫し、その
後、減圧していく際に、カフ内に発生する圧力変化を検
出して血圧測定、心拍数測定をおこなう血圧計であっ
て、前記、血圧、心拍測定の際、前記血圧計の動作状態
および注意事項を、前記血圧計に設置された表示器に動
画の形式で表示することを特徴とする血圧計である。こ
の構成を採ることで被測定者の精神的負担を軽減するこ
とができる。何となれば、被測定者は前述したように血
圧値に不安を持っている場合が多い上に、手首への圧迫
や、機器の作動音、等がさらに不安を与える可能性があ
る。これらの不安を軽減するには、機器の動作状況を的
確且つ親しみやすく伝えることが効果的である。本発明
においてはキャラクターを用いた動画により、被測定者
の精神的負担を軽減させている。

【０００９】第５の発明は、血圧計本体と、この血圧計
本体に一体に形成されたカフとを有し、被測定人体の手
首にカフを装着し、カフへ被測定人体の最高血圧より高
い圧力まで、空気を圧入することで手首を圧迫し、その
後、減圧していく際に、カフ内に発生する圧力変化を検
出して血圧測定、心拍数測定をおこなう血圧計であっ
て、前記、血圧計に設置された表示器に表示されるデー
タのセット、および注意事項を所望の言語で表現できる
ことを特徴とする血圧計である。この構成を採ることに
より、被測定者は最も理解しやすい言語により、血圧計
の動作状態および注意事項を受け取ることができる。

【００１０】第６の発明は、第１から第５の発明のいず
れかに記載の血圧計であって、前記、空気を圧入する際
の圧力を１５０ｍｍＨｇより３００ｍｍＨｇの範囲で設
定することが可能であることを特徴とする血圧計であ
る。この構成を採ることで、被測定者が血圧側手に際
し、手首に受ける圧迫を、自己判断による必要最小限値
に設定することができる。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、図１〜７を参照しながら発
明の実施の形態例について詳述する。尚、図１、２にお
いて対応する部分には、同一の番号を付して示した。図
１は本発明に係る、血圧計本体１（以下「本体」と記載
する。）およびカフ２の人体への装着例であり、図２は
本発明に係る本体１およびカフ２における、電子回路お
よびエアー回路のブロック図（但し、単線部分は電子回
路構成を示し、二重線部分はエアー回路の構成を示
す。）であり、図３は本発明に係る電子回路およびエア
ー回路の各動作モードの相互関連について示したブロッ
ク図であり、図４は本発明に係る電子回路およびエアー
回路が血圧測定モードにある際に表示器６に表示される
キャラクター、等の一実施例であり、図５は本発明に係
る電子回路およびエアー回路が記憶データ処理モードに
ある際に表示器６に表示される表、グラフ、等の一実施
例であり、図６は本発明に係る電子回路およびエアー回
路が装置状態設定モードにある際に表示器６に表示され
るキャラクター、表、等の一実施例であり、図７は本発
明に係る電池が消耗状態になった際に、表示器に表示さ
れる電池消耗の表示の一実施例である。

【００１２】（本発明にかかる血圧計の人体への装着）
本発明にかかる血圧計の人体への装着について図１を用
いて説明する。図１に示すように、カフ２は本体１に取
り付けられており、カフ２を人体手首に巻き付けること
で、本体１も手首に装着される。そして、本発明の実施
の形態例では、本体１上面に、測定開始キー３、操作メ
ニューキー４、記憶値読み出しキー（＋−）５、および
表示器６が備えられている。尚、前記表示器６には例え
ば１０２×６４ドットのドットマトリクスＬＣＤを用い
ることが好ましい。この構成を採ることで、後述する血
圧計の動作状態および注意事項を、表示器に動画の形式
や所望の言語で表示することが可能になる。

【００１３】（本発明にかかる血圧計の電子回路および
エアー回路のブロック図）本発明にかかる血圧計の電子
回路およびエアー回路について、図２に示すブロック図
を用いて説明する。本発明にかかる血圧計の電子回路
は、本体１の動作制御および測定結果の処理を行うマイ
クロコンピューター１１、カフ２内の空気の圧力を測定
する圧力センサー１２、測定結果を記憶する測定結果記
憶用回路１３、エアーポンプを駆動するポンプ駆動回路
１４、電動排気弁を駆動する電動排気弁駆動回路１６、
電池１９からの電気を昇降圧しさらに安定化して圧力セ
ンサー１２、マイクロコンピューター１１、表示器６へ
供給する電源制御回路１８および昇降圧安定化電源回路
２０を有している。さらにマイクロコンピューター１１
には本体１を操作するための測定開始キー３、操作メニ
ューキー４、記憶値読み出しキー５が接続され、さらに
加えて、本体１の状態や測定結果等を表示するための表
示器６が接続されている。

【００１４】本発明にかかる血圧計のエアー回路は、人
体手首に装着され、本体１を人体手首に固定するととも
に、人体手首を圧迫する機能を有するカフ２、このカフ
２内の圧力を測定する圧力センサー１２、ポンプ駆動回
路１４に制御され、カフ２内に空気を圧入するエアーポ
ンプ１５、電動排気弁駆動回路により制御され、カフ２
内に圧入された空気を適宜排気する電動排気弁１７を有
する。

【００１５】（本発明にかかる血圧計の電子回路および
エアー回路の各動作モード）本発明にかかる血圧計の電
子回路およびエアー回路の各動作モードについて、図３
を用いて説明する。本発明に係る血圧計は、初期状態で
ある時計表示モード３０と、血圧測定モード４０と、記
憶データ処理モード５０と、装置状態設定モード６０
と、および電池交換モード７０との５つの動作モードと
を有し、前記測定開始キー３と、操作メニューキー４
と、記憶値読み出しキー（＋−）５と、の操作により、
各動作モード間を移行する。以下、各動作モードの選
択、動作内容およびその際の表示例について説明する。

【００１６】（時計表示モード）本発明に係る血圧計の
初期状態において、表示器６は図３に示す時計を表示し
ている、この状態が時計表示モード３０である。

【００１７】（血圧測定モード）本発明に係る血圧計の
血圧測定モード４０の動作と、その際、表示器６に表示
されるキャラクターの表示例と、について図４を用いて
説明する。時計表示モード３０において、測定開始キー
３が押されると、まず電源ＯＮの表示４１が例えば２秒
間表示され、続けて、圧力ゼロセット表示４２が表示さ
れる。一方マイクロコンピューター１１はカフ２内の空
気圧ゼロを確認し、ポンプ駆動回路１４を通じてエアー
ポンプ１５を作動させ、後述する方法により被測定者自
身によって設定された所望の圧力までカフ２へ空気を圧
入し被測定者の手首を圧迫する。この時、表示器６には
カフの加圧中の表示４３、４４が動画の形式で表示され
る。例えば本実施の形態においては、空気ポンプを模し
たキャラクターが頭上のハンドルを上下させ、ハンドル
を押し上げた状態では、縦長長方形で明るい表情をして
いるが、押し下げた状態では、自らの内圧により体が膨
らみ且つ渋面となる、というユーモアある動画を用てい
る。上記のような動画を用いることで、被験者の緊張を
解いて落ち着かせ、肉体的、精神的負担の軽減および好
ましい測定状態の実現を目指すとともに、カフ２内の空
気圧の値を親しみやすく表示する。

【００１８】カフ２において被測定人体の最高血圧より
高い所望の圧力まで到達したら、マイクロコンピュータ
ー１１はエアーポンプ１５を停止し、電動排気弁駆動回
路１４を通じて、電動排気弁１７により適宜カフ２内の
空気を排気し始める。一方、圧力センサー１２はこのと
きのカフ２内の圧力変化、脈動を検出しマイクロコンピ
ューター１１へ伝える。マイクロコンピューター１１
は、電動排気弁駆動回路１６を通じて電動排気弁１７を
制御しながら、この圧力変化、脈動を圧力センサー１２
により測定し、この測定結果より最高、最低血圧値、心
拍数を算出する。この時、表示器６には血圧値、心拍数
測定中の表示４５、４６、４７が動画の形式で表示さ
れ、測定時の注意事項、カフ２内の圧力、等を親しみや
すく提示する。例えば本実施の形態においては、看護婦
を模したキャラクターが、心臓を模した大きさを変える
ハートマークの心拍数を聴いている、という頬笑ましい
動画を用ている。この構成を採ることで、本来被測定者
にとって、肉体的、精神的に負担である血圧測定に伴う
緊張を解いて落ち着かせ、被測定者の負担軽減と、好ま
しい測定状態をつくりだすとの効果を実現できた。

【００１９】測定が完了すると、カフ２内の圧力はゼロ
となり、表示器６には被測定者の最高、最低血圧値、心
拍数といった測定結果表示４８が表示され、併せて測定
結果記憶用回路１３に最高、最低血圧値、心拍数、およ
び測定日時をデータのセットとして記憶する。ここで何
らかの原因で測定に失敗した場合は、カフ２内の空気は
排気され、表示器６にはエラーの表示４９がされるの
で、このときは再度測定をおこなう。そして、所定時間
以上のキー未操作または測定開始キー３が押されると、
表示器６の表示は時計表示モード３０に移行する。ま
た、上記一連の動作中に再度、測定開始キー３が押され
た場合も、測定は中断され、カフ２内の空気は排気さ
れ、動作モードは初期状態となり、表示器６の表示は時
計表示モード３０に移行する。さらに、血圧測定完了時
に操作メニューキー４が押された場合、図３に示すよう
に動作モードは装置状態設定モード６０へ移行する。さ
らに加えて、血圧測定完了時に記憶値読み出しキー（＋
−）５が押された場合、図３に示すように動作モードは
記憶データ処理モード５０へ移行する。

【００２０】（記憶データ処理モード）本発明に係る血
圧計の記憶データ処理モード５０の動作とその際、表示
器６に表示される表示例について図５を用いて説明す
る。前記血圧測定モード４０の完了時、または時計表示
モード３０の際に記憶値読み出しキー（＋−）５を押す
と、血圧計の動作モードは図３に示すように記憶データ
処理モード５０へ移行する。記憶データ処理モード５０
へ移行当初は、測定日時、測定番号を含む最新の測定デ
ータ５１が表示器６に表示されるが、記憶値読み出しキ
ー（＋−）５の操作により、所望の過去のデータのセッ
トを表示させることもできる。また、操作メニューキー
４の操作により、一連の測定データのセット群を表の形
式５２、またはグラフと数値データとの併記の形式５３
で表示させることができる。さらに、記憶値読み出しキ
ー（＋−）５の操作により、一度に表示器６に表示しき
れない、所望の一連のデータのセット群をスクロール機
能により表示させることもできる。また一連のデータの
セット群における各々のデータの平均値を算出し、それ
を一連のデータのセット群５２中に併記する構成も被測
定者の健康管理の観点より好ましい。この構成を採るこ
とで、被測定者自身が注目すべき異常値の有無、発生頻
度、発生状況、等の判断が容易となり自身の健康管理に
極めて有効に活用できる。

【００２１】さらに本発明においては、一連の測定デー
タのセット群を表の形式５２、またはグラフと数値デー
タとの併記の形式５３で表示させることができる構成を
採っているので、例えばグラフにより測定データの変化
の流れを把握し、注目点については数値データ、または
表で簡便に確認できることから、この点からも自身の健
康管理に極めて有効に活用できるとともに、被測定者に
精神的安心感を与えることができる。一方、この記憶デ
ータ処理モード５０において、所定時間以上のキー未操
作または測定開始キー３が押されると、表示器６の表示
は時計表示モード３０に戻る。

【００２２】（装置状態設定モード）本発明に係る血圧
計の装置状態設定モード６０の動作とその際、表示器６
に表示される表示例について図６を用いて説明する。図
３に示すように、血圧測定モード４０において血圧測定
完了後に操作メニューキー４を押したとき、および表示
器６が時計を表示している時計表示モード３０におい
て、操作メニューキー４を押すと、動作モードは装置状
態設定モード６０へ移行する。このとき表示器６には、
メモリー選択、圧力プリセット、メモリークリアー、言
語、クロックセット、コントラスト、およびデータ転
送、等の各メニューを選択するメニューの表示６１が表
示される。ここで、操作メニューキー４を所定時間以上
押し続けた場合のみ、装置状態設定モード６０へ移行す
るチャイルドロックを設けた構成としても良い。上記各
メニューの選択は、記憶値読み出しキー（＋−）５と操
作メニューキー４との操作による。

【００２３】メモリー選択メニュー６２においては、Ｏ
ＦＦ、Ｍ１およびＭ２の３種の選択が可能である。まず
ＯＦＦとは、測定データのセットを記憶しない選択であ
る。この状態で記憶値読み出しキー（＋−）５を押して
も記憶値は何も表示されず、代わりにメモリー選択メニ
ュー６１を表示して、メモリー選択メニュー６２がＯＦ
Ｆに設定されていることをユーザーに知らせる。ここ
で、Ｍ１とは、測定データのセットをＭ１のページに記
憶する選択である。このＭ１が選択されている場合、測
定完了と同時に測定データのセットはＭ１のページに記
憶される。例えばＭ１のページには３０回分の測定デー
タのセットが記憶できる。さらにＭ２が選択されている
場合、測定データのセットはＭ２のページに記憶され
る。このＭ１とＭ２の使い分けは被測定者が適宜おこな
えばよいが、例えば、「２名の被測定者が１台の本願発
明に係る血圧計を共有する場合、各々の測定データのセ
ットを各々のページに記憶しておく。」あるいは「１月
分の測定データのセットはＭ１へ、２月分の測定データ
のセットはＭ２へ記憶する。」といった活用法が考えら
れる。

【００２４】圧力プリセットメニュー６３においては、
カフ２へ圧入される空気の最高圧力を設定する。最高圧
力の設定範囲としては、被測定者の中に最高血圧値の高
い人もいると考えられることから、１５０ｍｍＨｇより
３００ｍｍＨｇの範囲が好ましい。そしてこの構成を採
ることにより、被測定者は自身の体調により必要にして
最小限の、前記最高圧力を自ら設定することが可能とな
り、被測定者への肉体的、精神的負担を必要最小限に抑
制することができる。ここで、従来の技術において前記
最高圧力は、予め一定値に定められているか、あるいは
各種制御回路を用いて適宜可変させるものが用いられて
いた。しかし、最高圧力を予め一定値に定める場合は必
要最小限の圧力よりかなり高めに設定する必要があり、
被測定者へ肉体的負担を与える。一方、最高圧力を各種
制御回路を用いて適宜可変させるものは、測定毎に最高
圧力が変化する可能性があり、血圧値に神経質になって
いる被測定者へ精神的な負担を与えてしまう。結局、被
測定者に対し最も肉体的、精神的負担の最も少ない最高
圧力とは、被測定者自身の体調に基づき、被測定者自身
あるいは医師との相談の結果より定めた値を自ら設定す
るのが最も好ましいことであることが判明した。

【００２５】メモリークリアーメニュー６４において
は、記憶された測定データのセット群の中から所望のデ
ータのセットを消去することができる。この構成を採る
ことにより、測定エラーのデータのセットまたは測定に
不向きな体調の際に測定されてしまったデータのセット
が、被測定者の判断で適宜に消去可能となる。この結
果、前記一連の測定データのセット群を表示する際、真
に注目すべき異常値の判断を誤りなくおこなうことが可
能となる。

【００２６】言語メニュー６５においては、予め設定さ
れている複数の言語から所望の言語を選択する。そして
前記測定データのセット、注意事項等を、選択された所
望の言語、例えば、英語、独語、仏語、イタリア語、ス
ペイン語、等により表示器６に表示させる。もちろん他
の言語を適宜採用することも好ましい構成である。この
構成を採ることにより、被測定者は最も理解しやすい言
語により、血圧計の動作状態および注意事項を受け取る
ことができる。

【００２７】クロックセットメニュー６６においては、
時計表示モード３０における時刻のずれを修正する。

【００２８】コントラストメニュー６７においては、表
示器６の画面のコントラストを所望の濃度に設定する。

【００２９】データ転送メニュー６８においては、記憶
された測定データ群をパソコン等へ送信することができ
る。一方、上記各メニューにおいて、所定時間以上のキ
ー未操作または測定開始キー３が押されると、図３に示
すように表示器６の表示は時計表示モード３０に移行す
る。

【００３０】（電池交換モード）本発明に係る血圧計の
電池交換モード７０の動作と、電池１９が消耗状態にな
った際、表示器６に表示される表示例について図７を用
いて説明する。本発明に係る血圧計のマイクロコンピュ
ーター１１、表示器６および圧力センサー１２には、電
池１９で発生した電力が電源制御回路１８、昇降圧安定
化電源回路２０を経て供給される。一方、マイクロコン
ピューター１１は 、電源制御回路１８を制御して電力
のＯＮ−ＯＦＦをおこなうとともに、電池１９の消耗状
態も監視する。電池１９の消耗状態が所定の値を超えた
場合は、表示器６は図７に示す電池消耗の表示７１がさ
れる。ここで電池１９を交換すると、図３に示すように
動作モードは電池交換モード７０へ移行する。表示器６
はまず図６で示した言語メニュー６５を表示し、次にク
ロックセットメニュー６６を表示する。これら言語、ク
ロックセットの各メニュー設定が完了し、測定開始キー
３が押された場合 、または所定時間以上のキー未操作
の場合、図３に示すように、表示器６の表示は時計表示
モード３０に移行する。

【００３１】

【発明の効果】以上詳述したように、本発明は被測定人
体の手首にカフを装着し、カフへ被測定人体の最高血圧
より高い圧力まで、空気を圧入することで手首を圧迫し
た際に、カフ内に発生する圧力変化を検出して血圧測
定、心拍数測定をおこなう、カフと血圧計本体が一体化
した血圧計であって、測定された血圧、心拍数、および
測定日時のデータのセットを記憶する機能を有し、前記
記憶したデータのセットを表の形式で、血圧計本体に設
置された表示器に表示する機能、前記記憶したデータ、
装置の動作状況および血圧測定に伴う注意事項を動画の
キャラクター、グラフおよび数値の併記の形式で、血圧
計本体に設置された表示器に表示する機能、血圧測定時
の手首への圧迫を、自己判断による必要最小限とするこ
とによる、被測定者の肉体的負担と、除去すべき測定結
果は除去可能とし、的確なデータを平易に被測定者へ伝
達する機能、を持たせることにより、被測定者の血圧測
定に対する精神的負担を低減することを達成した。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明に係る、血圧計本体およびカフの人体
への装着例である。

【図２】 本発明に係る血圧計本体およびカフにおけ
る、電子回路およびエアー回路のブロック図である。但
し、単線部分は電子回路構成を示し、二重線部分はエア
ー回路の構成を示す。

【図３】 本発明に係る電子回路およびエアー回路の各
動作モードの相互関連について示したブロック図であ
る。

【図４】 本発明に係る電子回路およびエアー回路が血
圧測定モードにある際に表示器に表示されるキャラクタ
ー、等の一実施例である。

【図５】 本発明に係る電子回路およびエアー回路が記
憶データ処理モードにある際に表示器に表示される表、
グラフ、等の一実施例である。

【図６】 本発明に係る電子回路およびエアー回路が装
置状態設定モードにある際に表示器に表示されるキャラ
クター、表、等の一実施例である。

【図７】 本発明に係る電池が消耗状態になった際に、
表示器に表示される電池消耗の表示の一実施例である。

【符号の説明】

１．血圧計本体 ２．カフ ３．測定開始キー ４．操作メニューキー ５．記憶値読み出しキー（＋−） ６．表示器

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 血圧計本体と、この血圧計本体に一体に
   形成されたカフとを有し、被測定人体の手首にカフを装
   着し、カフへ被測定人体の最高血圧より高い圧力まで、
   空気を圧入することで手首を圧迫し、その後、減圧して
   いく際に、カフ内に発生する圧力変化を検出して血圧測
   定、心拍数測定をおこなう血圧計であって、 前記測定された血圧、心拍数、および測定日時をデータ
   のセットとして記憶する機能を有し、前記記憶した少な
   くとも２以上のデータのセットを表の形式で、血圧計本
   体に設置された表示器に表示する機能を有していること
   を特徴とする血圧計。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の血圧計であって、 前記記憶したデータのセットをグラフおよび数値の併記
   の形式で、血圧計本体に設置された表示器に表示する機
   能を有していることを特徴とする血圧計。
3. 【請求項３】 請求項１または２に記載の血圧計であっ
   て、 前記記憶したデータのセットから、所望のデータのセッ
   トを消去する機能を有することを特徴とする血圧計。
4. 【請求項４】 血圧計本体と、この血圧計本体に一体に
   形成されたカフとを有し、被測定人体の手首にカフを装
   着し、カフへ被測定人体の最高血圧より高い圧力まで、
   空気を圧入することで手首を圧迫し、その後、減圧して
   いく際に、カフ内に発生する圧力変化を検出して血圧測
   定、心拍数測定をおこなう血圧計であって、 前記、血圧、心拍測定の際、前記血圧計の動作状態およ
   び注意事項を、前記血圧計に設置された表示器に動画の
   形式で表示することを特徴とする血圧計。
5. 【請求項５】 血圧計本体と、この血圧計本体に一体に
   形成されたカフとを有し、被測定人体の手首にカフを装
   着し、カフへ被測定人体の最高血圧より高い圧力まで、
   空気を圧入することで手首を圧迫し、その後、減圧して
   いく際に、カフ内に発生する圧力変化を検出して血圧測
   定、心拍数測定をおこなう血圧計であって、 前記、血圧計に設置された表示器に表示されるデータの
   セット、および注意事項を所望の言語で表現できること
   を特徴とする血圧計。
6. 【請求項６】 請求項１から５のいずれかに記載の血圧
   計であって、 前記、空気を圧入する際の圧力を１５０ｍｍＨｇより３
   ００ｍｍＨｇの範囲で設定することが可能であることを
   特徴とする血圧計。