JP2002260963A - 固体電解コンデンサの製造方法及び固体電解コンデンサ - Google Patents
固体電解コンデンサの製造方法及び固体電解コンデンサInfo
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Abstract
電解コンデンサを得ることができる固体電解コンデンサ
の製造方法を提供する。 【解決手段】 陽極箔を陰極箔及びセパレータと共に巻
回してコンデンサ素子を形成する。一方、所定の容器に
一定量の重合性モノマーと一定量の酸化剤を所定の溶媒
と共に入れて混合する。そして、これらの混合の程度が
重合性モノマーの二量化が5%以上進行した時点で、コ
ンデンサ素子をこの混合液に浸漬し、コンデンサ素子内
で導電性ポリマーの重合反応を発生させ、固体電解質層
を形成する。そして、このコンデンサ素子を外装ケース
に挿入し、固体電解コンデンサを完成する。
Description
サの製造方法及び固体電解コンデンサに係り、特に、コ
ンデンサ素子にモノマー溶液と酸化剤溶液を含浸する際
の方法及び条件に改良を施した固体電解コンデンサの製
造方法及び固体電解コンデンサに関するものである。
な弁作用を有する金属を利用した電解コンデンサは、陽
極側対向電極としての弁作用金属を焼結体あるいはエッ
チング箔等の形状にして誘電体を拡面化することによ
り、小型で大きな容量を得ることができることから、広
く一般に用いられている。特に、電解質に固体電解質を
用いた固体電解コンデンサは、小型、大容量、低等価直
列抵抗であることに加えて、チップ化しやすく、表面実
装に適している等の特質を備えていることから、電子機
器の小型化、高機能化、低コスト化に欠かせないものと
なっている。
型、大容量用途としては、一般に、アルミニウム等の弁
作用金属からなる陽極箔と陰極箔をセパレータを介在さ
せて巻回してコンデンサ素子を形成し、このコンデンサ
素子に駆動用電解液を含浸し、アルミニウム等の金属製
ケースや合成樹脂製のケースにコンデンサ素子を収納
し、密閉した構造を有している。なお、陽極材料として
は、アルミニウムを初めとしてタンタル、ニオブ、チタ
ン等が使用され、陰極材料には、陽極材料と同種の金属
が用いられる。
体電解質としては、二酸化マンガンや7、7、8、8−
テトラシアノキノジメタン(TCNQ)錯体が知られて
いるが、近年、反応速度が緩やかで、かつ陽極電極の酸
化皮膜層との密着性に優れたポリエチレンジオキシチオ
フェン(以下、PEDTと記す)等の導電性ポリマーに
着目した技術(特開平2−15611号公報)が存在し
ている。
DT等の導電性ポリマーからなる固体電解質層を形成す
るタイプの固体電解コンデンサは、以下のようにして作
製される。まず、アルミニウム等の弁作用金属からなる
陽極箔の表面を塩化物水溶液中での電気化学的なエッチ
ング処理により粗面化して、多数のエッチングピットを
形成した後、ホウ酸アンモニウム等の水溶液中で電圧を
印加して誘電体となる酸化皮膜層を形成する(化成)。
陽極箔と同様に、陰極箔もアルミニウム等の弁作用金属
からなるが、その表面にはエッチング処理を施すのみで
ある。
れた陽極箔とエッチングピットのみが形成された陰極箔
とを、セパレータを介して巻回してコンデンサ素子を形
成する。続いて、修復化成を施したコンデンサ素子に、
3,4−エチレンジオキシチオフェン(以下、EDTと
記す)等の重合性モノマーと酸化剤溶液をそれぞれ吐出
して、コンデンサ素子内でEDT等の重合性モノマーの
重合反応を促進し、PEDT等の導電性ポリマーからな
る固体電解質層を生成する。
入し、外装ケース内にエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を
付着して熱硬化させることによって、コンデンサ素子の
外周に外装樹脂を被覆し(樹脂封止)、固体電解コンデ
ンサを完成する。なお、このように樹脂封止を行うと、
酸化皮膜層が損傷して漏れ電流特性が低下するため、樹
脂封止後に、コンデンサ定格電圧に応じた電圧を印加し
て高温のエージングを行うことにより酸化皮膜層を修復
し、特性の向上を図っている。
ような製造方法では、コンデンサ素子にEDT等の重合
性モノマーを吐出→乾燥→酸化剤を吐出→重合という工
程が必要となり、工程が煩雑なものとなるため、EDT
溶液等の重合性モノマー溶液と酸化剤溶液を予め混合し
て含浸させる方法が用いられているが、混合の状態によ
って得られる特性がばらつくという問題点があった。
点を解決するために提案されたものであり、その目的
は、簡便な製造工程で、良好な特性を有する固体電解コ
ンデンサを得ることができる固体電解コンデンサの製造
方法及び固体電解コンデンサを提供することにある。
を解決すべく、簡便な製造工程で、良好な特性を有する
固体電解コンデンサを得ることができる固体電解コンデ
ンサの製造方法について鋭意検討を重ねた結果、本発明
を完成するに至ったものである。すなわち、一定量の重
合性モノマーと一定量の酸化剤を所定の溶媒と共に混合
すると、この混合の過程で、モノマーと酸化剤が接触し
て重合も進行する、言い換えれば、モノマーと酸化剤の
混合が進みながらも、2つのモノマーが重合して二量体
を形成し、さらに三量体となり、さらなる重合が進行す
るという状況になる。
二量化の進行度とそれを含浸した固体電解コンデンサの
特性を検討したところ、重合性モノマーの二量化が5%
以上進行した時点、さらに好ましくは40%以上進行し
た時点で、コンデンサ素子に含浸すると良好な特性が得
られることが判明したものである。以下、本発明につい
て詳述する。
を陰極箔及びセパレータと共に巻回してコンデンサ素子
を形成する。一方、所定の容器に一定量の重合性モノマ
ーと一定量の酸化剤を所定の溶媒と共に入れて混合す
る。そして、これらの混合の程度が重合性モノマーの二
量化が5%以上進行した時点で、コンデンサ素子をこの
混合液に浸漬し、コンデンサ素子内で導電性ポリマーの
重合反応を発生させ、固体電解質層を形成する。そし
て、このコンデンサ素子を外装ケースに挿入し、固体電
解コンデンサを完成する。なお、コンデンサ素子を混合
液に浸漬する際に、10〜360mmHg程度の減圧状
態とすることが望ましい。
合性モノマーとしては、所定の酸化剤と混合することに
よって緩やかな重合反応を行って導電性ポリマーを形成
するものが好ましく、以下に述べるEDTの他に、下記
の構造式で表されるチオフェン誘導体を用いることがで
きる。従って、急速に重合反応が進行するピロール等は
好ましくない。
EDTを用いた場合、コンデンサ素子に含浸するEDT
としては、EDTモノマーを用いることができるが、E
DTと揮発性溶媒とを1:0〜1:3の体積比で混合し
たモノマー溶液を用いることもできる。前記揮発性溶媒
としては、ペンタン等の炭化水素類、テトラヒドロフラ
ン等のエーテル類、ギ酸エチル等のエステル類、アセト
ン等のケトン類、メタノール等のアルコール類、アセト
ニトリル等の窒素化合物等を用いることができるが、な
かでも、メタノール、エタノール、アセトン等が好まし
い。
したパラトルエンスルホン酸第二鉄、過ヨウ素酸もしく
はヨウ素酸の水溶液を用いることができる。この場合、
ブタノールとパラトルエンスルホン酸第二鉄の比率は任
意で良いが、本発明においては30〜60%溶液を用い
ている。なお、EDTと酸化剤(溶媒を含まず)の混合
比は、重量比で1:0.9〜1:2.2の範囲が好適で
あり、1:1.3〜1:2.0の範囲がより好適であ
る。
ンサ素子に含浸する方法としては、混合液にコンデンサ
素子を浸漬する方法、混合液を吐出法等によってコンデ
ンサ素子に注入する方法等を用いることができるが、本
発明においては、浸漬法がより好ましい。この場合、所
定の容器に一定量のモノマーと一定量の酸化剤を所定の
溶媒と共に注入し、その後に混合して、この容器にコン
デンサ素子を浸漬して含浸する方法が、容器内では混合
が良好に進行し、工程的に簡便であるためより好まし
い。
は特に限定されないが、底面及び開口部の面積はコンデ
ンサ素子の底面積の1.05〜1.35倍が望ましく、
1.1〜1.25倍がより望ましい。容器内の混合液は
コンデンサ素子の底面及び上面から素子内に浸漬される
が、その浸漬の程度は、コンデンサ素子を混合液に浸漬
する時の押圧力によって異なる。そのため、上記の範囲
外では、浸漬時の押圧力による浸漬状態が好ましい状態
にならず、浸漬量が少なくなり、その結果、形成される
導電性ポリマーの量が少なくなって特性が低下するから
である。
する混合液の量は、モノマー、酸化剤の総量がコンデン
サ素子の空隙容積(コンデンサ素子内の空間部の容積)
の0.4倍以上であることが望ましく、0.6倍以上で
あることがより望ましい。この範囲未満では、混合液が
不十分であり、十分な量のポリマーを形成することがで
きないからである。また、コンデンサ素子を浸漬した時
に、混合液の液面がコンデンサ素子の上面位置になるこ
とが好ましい。さらに、減圧状態で含浸する場合は、減
圧効果を得るために混合液の液面がコンデンサ素子の上
面を越えることが好ましい。
と酸化剤溶液を注入する方法が好適である。すなわち、
予め酸化剤と溶媒を混合して酸化剤溶液を作成し、この
酸化剤溶液とモノマーを注入する。この方法によって
も、本発明の方法によって均一に混合することができ
る。さらに、モノマーと酸化剤の注入順序は、注入量の
少ないモノマーを先に注入することが望ましい。
定の溶媒と共に混合する方法としては、振動、撹拌、超
音波等を用いることができるが、なかでも、工程的には
振動を用いるのが簡便で好ましい。振動は横振動、縦振
動、斜め振動、さらには円運動、楕円運動やこれらの混
じった振動を用いることができ、これらの振動によって
混合を促進させることができる。さらに、重合性モノマ
ーと酸化剤を容器内に注入する工程においても振動を加
えると、この工程でも混合が進行するので好適である。
方式、超音波振動等、振動を与えることができるもので
あればその方式は問わないが、均一な振動を与えること
ができるモーター方式等が好適である。また、振動する
工程における温度は5〜35℃が好ましく、15〜30
℃がより好ましい。5℃未満では混合液が良好に混合せ
ず、35℃を越えると振動中に重合が進行して、良好な
状態で混合液をコンデンサ素子に含浸することができな
いからである。
ることが好適である。この振幅未満では混合があまり進
行せず、その間に重合が進行して粘度が上昇し、良好な
状態で混合液を含浸することができなくなるからであ
る。また、振動時間は1秒〜1分が好適であり、5〜1
5秒がより好適である。振動時間が短すぎると、混合が
不十分なために良好な混合液が含浸されず、コンデンサ
の特性が低下し、振動時間が長すぎると、重合が進みす
ぎて混合液の粘度が上昇し、含浸性が低下するからであ
る。
は、容器中の混合液の液量、振動の周波数、振幅の大き
さ、振動時間等によって異なる。例えば、150mgの
混合液に対しては、振動の周波数が50Hz、振幅が4
mmの場合、振動時間は10秒が望ましい。
期)コンデンサ素子を混合液に浸漬する時期は、重合性
モノマーの二量化が5%以上進行した時点、さらに好ま
しくは40%以上進行した時点が望ましい。この状態に
おいては、重合性モノマー及びその二量体もしくはそれ
以上の重合体と酸化剤が均一に混ざり合い、重合反応は
それほど進行しないからである。その理由は、重合性モ
ノマーと酸化剤の反応は基本的には緩やかであるため、
常温付近では重合性モノマーと酸化剤の接触によって二
量化以上が進行するが、その後一挙にポリマー化するの
ではなく、二量化もしくはそれ以上の重合体と未反応の
酸化剤が混ざり合った状態が一定期間存在し、重合反応
が緩やかに進行するためであると考えられる。
漬する時間は、コンデンサ素子の大きさによって決まる
が、φ5×2L程度のコンデンサ素子では5秒以上、φ
8×4L程度のコンデンサ素子では10秒以上が望まし
く、最低でも5秒間は浸漬することが必要である。な
お、長時間浸漬しても特性上の弊害はない。
される混合液の量が増大し、コンデンサ素子内で形成さ
れる導電性ポリマーの量が増大することによるものと思
われるが、ESR特性が向上するので好適である。減圧
する方法は、第一にコンデンサ素子を減圧下に保持した
後に混合液に含浸する方法、第二にコンデンサ素子を混
合液に含浸した状態で減圧する方法、第三にコンデンサ
素子を混合液に含浸した後にコンデンサ素子を混合液か
ら引き上げて減圧状態で保持する方法があるが、これら
の中でも第三の方法が簡便で好ましい。
g程度の減圧状態とすることが望ましい。その理由は、
揮発性溶媒の残留量が少なくなるため、コンデンサ素子
内部でのポリマーの密度が高くなり、熱安定性等の特性
の向上を図ることができるからである。また、電極箔の
ピット内部にも混合液が入りやすくなるため、静電容量
のアップを図ることができるからである。
るセパレータとしては、耐熱性樹脂からなるセパレータ
が好ましい。ここで、耐熱性樹脂で構成されたセパレー
タとは、耐熱性樹脂からなる繊維を用いた不織布や、耐
熱性樹脂を用いた多孔質フィルム等から構成されたセパ
レータをいう。さらに、これらのセパレータとして、重
合反応後に残った酸化剤又はその酸化剤が分解して生成
する酸と高温下で反応しない樹脂を用いると好適であ
る。この耐熱性樹脂としては、ポリエステル、アラミ
ド、ポリフエニレンサルファイド、ナイロン、ポリイミ
ド等があげられる。なかでも、m−アラミド、ポリエチ
レンテレフタレート(PET)からなる主体繊維を用い
たセパレータが好ましい。
なかでも重合反応後に残った酸化剤又はその酸化剤が分
解して生成する酸と高温下で反応しない樹脂から構成す
ることにより、良好な結果が得られたのは、以下の理由
によると考えられる。すなわち、通常は半田リフロー時
の熱によって特性が低下するが、酸化剤の量を増大する
ことによって耐熱性が向上する。しかし、酸化剤の量を
増大するとモノマーの量が相対的に減少するので、静電
容量等の特性が低下する。しかしながら、セパレータと
して耐熱性樹脂を用いると、半田リフロー時の耐熱性が
向上するので、混合液の酸化剤を増大する必要がなくな
り、このことによって静電容量等の特性が向上する。
しては、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アン
モニウム等のリン酸系の化成液、ホウ酸アンモニウム等
のホウ酸系の化成液、アジピン酸アンモニウム等のアジ
ピン酸系の化成液を用いることができるが、なかでも、
リン酸二水素アンモニウムを用いることが望ましい。ま
た、浸漬時間は、5〜120分が望ましい。
マーと酸化剤及び所定の溶媒の混合液においては、重合
性モノマーの二量化が5%以上進行した時点で、重合性
モノマー及びその二量体もしくはそれ以上の重合体と酸
化剤が均一に混ざり合い、重合反応はそれほど進行しな
いため、この混合液がコンデンサ素子に含浸するのに最
適な状態となっている。そのため、上記のような本発明
の製造方法によれば、重合性モノマーと酸化剤と溶媒を
混合した混合液を、含浸に最も適した状態でコンデンサ
素子に含浸することができるので、良好な特性を有する
固体電解コンデンサを得ることができる。
ンサ素子を混合液に浸漬するので、コンデンサ素子が大
きくなっても、コンデンサ素子の外表面の全体から混合
液を浸透させることができるので、均一な浸透が可能に
なる。さらに、本発明によれば、重合性モノマーと酸化
剤から導電性ポリマーを形成する重合方法と巻回型のコ
ンデンサ素子を用い、上記のような製造方法を用いるこ
とによって、簡便な製造工程で、良好な特性を有する固
体電解コンデンサを得ることができる固体電解コンデン
サの製造方法を提供することができる。
変形して用いることもできる。すなわち、まず、数個の
コンデンサ素子のリード線を搬送パレットに取り付け、
これを1ロットとする。また、このコンデンサ素子の数
と同じ数の容器に上記のようにして混合液を作成する。
そして、このパレットのコンデンサ素子を同時に容器中
の混合液に浸漬する。このような工程とすれば、数個の
コンデンサが一連の工程で作成できるので、生産効率の
向上を図ることができる。
び比較例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。な
お、本発明に係る実施例1〜実施例3は、重合性モノマ
ーとしてEDT、酸化剤溶液としてパラトルエンスルホ
ン酸第二鉄のブタノール溶液を用い、実施例1は、m−
アラミドからなる主体繊維により構成したセパレータを
用いてコンデンサ素子を形成し、実施例2は、PETか
らなる主体繊維により構成したセパレータを用いてコン
デンサ素子を形成し、実施例3は、実施例1と同様のセ
パレータを用い、浸漬中に減圧したものである。また、
実施例4及び実施例5は重合性モノマーとしてそれぞれ
下記の構造式のものを用い、m−アラミドからなる主体
繊維により構成したセパレータを用いてコンデンサ素子
を形成したものである。
主体繊維により構成したセパレータを用い、混合液とし
てピロールと過硫酸アンモニウムを用い、これらを容器
内に注入した後、振動を加えなかったものであり、比較
例2は、実施例1〜実施例3と同様に、EDTとパラト
ルエンスルホン酸第二鉄のブタノール溶液を用い、混合
液中へのコンデンサ素子の浸漬時期を、EDTの二量化
の進行度が5%未満の時期としたものである。また、比
較例3及び比較例4は、それぞれ実施例4及び実施例5
と同じ重合性モノマーを用い、混合液中へのコンデンサ
素子の浸漬時期を、重合性モノマーの二量化の進行度が
5%未満の時期としたものである。
た陽極箔と陰極箔に電極引き出し手段を接続し、両電極
箔をm−アラミドからなる主体繊維により構成したセパ
レータを介して巻回して、素子形状が8φ×4Lのコン
デンサ素子を形成した。そして、このコンデンサ素子を
リン酸二水素アンモニウム水溶液に40分間浸漬して、
修復化成を行った。一方、カップ状の容器に一定量のE
DTと一定量の45%のパラトルエンスルホン酸第二鉄
のブタノール溶液を注入し、常温で横2mm、縦1.5
mmの振動を10秒間与えた。その後、コンデンサ素子
を上記混合液に10秒間浸漬し、100℃、1時間加熱
して、コンデンサ素子内でPEDTの重合反応を発生さ
せ、固体電解質層を形成した。そして、このコンデンサ
素子を有底筒状のアルミニウムケースに挿入し、開口部
を絞り加工によってゴム封口してエージングを行い、固
体電解コンデンサを形成した。なお、EDTモノマーと
酸化剤との配合比は、1:1.3とした。また、この固
体電解コンデンサの定格電圧は6.3WV、定格容量は
100μFである。
た陽極箔と陰極箔に電極引き出し手段を接続し、両電極
箔をPETからなる主体繊維により構成したセパレータ
を介して巻回して、素子形状が8φ×4Lのコンデンサ
素子を形成した。その他の条件及び工程は、実施例1と
同様である。 (実施例3)実施例1と同様にしてコンデンサ素子を形
成し、このコンデンサ素子を混合液に浸漬する際に、1
0〜200mmHg程度の減圧状態とした。その他の条
件及び工程は、実施例1と同様である。
構造式のものを用い、m−アラミドからなる主体繊維に
より構成したセパレータを用いてコンデンサ素子を形成
した。その他の条件及び工程は、実施例1と同様であ
る。
構造式のものを用い、m−アラミドからなる主体繊維に
より構成したセパレータを用いてコンデンサ素子を形成
した。その他の条件及び工程は、実施例1と同様であ
る。
た陽極箔と陰極箔に電極引き出し手段を接続し、両電極
箔をm−アラミドからなるセパレータを介して巻回し
て、素子形状が8φ×4Lのコンデンサ素子を形成し
た。そして、このコンデンサ素子をリン酸二水素アンモ
ニウム水溶液に40分間浸漬して、修復化成を行った。
また、混合液としてピロールと過硫酸アンモニウムを用
い、これらをカップ状の容器に注入した後、振動を加え
ずに混合し、この混合液中に上記のコンデンサ素子を浸
漬し、常温放置して、ポリピロールからなる固体電解質
層を形成した。その後、コンデンサ素子の表面を樹脂で
被覆した後、有底筒状のアルミニウムケースに挿入し、
開口部を絞り加工によってゴム封口して、エージングを
行い、固体電解コンデンサを形成した。なお、この固体
電解コンデンサの定格電圧は6.3WV、定格容量は1
00μFである。
に、EDTとパラトルエンスルホン酸第二鉄のブタノー
ル溶液を用い、混合液中へのコンデンサ素子の浸漬時期
を、EDTの二量化の進行度が5%未満の時期としたも
のである。その他の条件及び工程は、実施例1と同様で
ある。 (比較例3)実施例4と同様の重合性モノマーを用い、
混合液中へのコンデンサ素子の浸漬時期を、重合性モノ
マーの二量化の進行度が5%未満の時期としたものであ
る。その他の条件及び工程は、実施例1と同様である。 (比較例4)実施例5と同様の重合性モノマーを用い、
混合液中へのコンデンサ素子の浸漬時期を、重合性モノ
マーの二量化の進行度が5%未満の時期としたものであ
る。その他の条件及び工程は、実施例1と同様である。
施例1〜5及び比較例1〜4の各固体電解コンデンサに
ついて、電気的特性を調べたところ、表1に示したよう
な結果が得られた。
施例1〜5の固体電解コンデンサの特性はいずれも良好
であるが、ピロールを用いた比較例1では満足な特性が
得られなかった。これは、モノマーと酸化剤を注入した
時点で急速に重合が始まり、十分な量の混合液がコンデ
ンサ素子に含浸されなかったためと考えられる。なお、
比較例1において、振動を加えた場合、特性はさらに低
下した。
トルエンスルホン酸第二鉄のブタノール溶液を用いてい
るものの、混合液中へのコンデンサ素子の浸漬時期を本
発明の範囲外とした比較例2においては、静電容量が低
下し、tanδ、ESR共に満足した特性が得られなか
った。さらに、それぞれ実施例4及び実施例5と同じ重
合性モノマーを用いているものの、混合液中へのコンデ
ンサ素子の浸漬時期を本発明の範囲外とした比較例3及
び比較例4においても、静電容量が低下し、tanδ、
ESR共に満足した特性が得られなかった。
なかった実施例1とを比較すると、実施例3の方がより
優れた結果が得られた。このことから、混合液に浸漬す
る際に減圧する方がより有効であることが示された。さ
らに、実施例1〜5についてリフロー試験を行ったとこ
ろ、いずれも良好な結果が得られた。なお、リフロー試
験条件は、ピーク温度250℃、230℃以上30秒、
2回のリフロー半田を行ったものである。
便な製造工程で、良好な特性を有する固体電解コンデン
サを得ることができる固体電解コンデンサの製造方法及
び固体電解コンデンサを提供することができる。
Claims (11)
- 【請求項1】 陽極電極箔と陰極電極箔とをセパレータ
を介して巻回したコンデンサ素子に、緩やかな重合反応
を示す重合性モノマーと酸化剤とを含浸して導電性ポリ
マーからなる固体電解質層を形成してなる固体電解コン
デンサの製造方法において、 一定量の重合性モノマーと一定量の酸化剤を所定の溶媒
と共に混合し、前記重合性モノマーの二量化が5%以上
進行した後に、前記コンデンサ素子にこの混合液を含浸
して固体電解質層を形成することを特徴とする固体電解
コンデンサの製造方法。 - 【請求項2】 前記コンデンサ素子に前記混合液を含浸
する方法が、前記混合液にコンデンサ素子を浸漬する方
法であることを特徴とする請求項1に記載の固体電解コ
ンデンサの製造方法。 - 【請求項3】 前記重合性モノマーと酸化剤を所定の溶
媒と共に混合する方法が、振動によるものであることを
特徴とする請求項1又は請求項2に記載の固体電解コン
デンサの製造方法。 - 【請求項4】 前記重合性モノマーと酸化剤を所定の溶
媒と共に混合する方法が、撹拌によるものであることを
特徴とする請求項1又は請求項2に記載の固体電解コン
デンサの製造方法。 - 【請求項5】 前記重合性モノマーと酸化剤を所定の溶
媒と共に混合する方法が、超音波によるものであること
を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の固体電解コ
ンデンサの製造方法。 - 【請求項6】 前記重合性モノマーと酸化剤を所定の溶
媒と共に混合する工程における温度が、5〜35℃であ
ることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一
に記載の固体電解コンデンサの製造方法。 - 【請求項7】 前記コンデンサ素子に前記混合液を含浸
する工程において、減圧状態とすることを特徴とする請
求項1乃至請求項6のいずれか一に記載の固体電解コン
デンサの製造方法。 - 【請求項8】 前記重合性モノマーが、チオフェン又は
その誘導体であることを特徴とする請求項1乃至請求項
7のいずれか一に記載の固体電解コンデンサの製造方
法。 - 【請求項9】 前記チオフェン誘導体が、3,4−エチ
レンジオキシチオフェンであることを特徴とする請求項
8に記載の固体電解コンデンサの製造方法。 - 【請求項10】 請求項1乃至請求項9のいずれか一に
記載の固体電解コンデンサの製造方法によって形成した
ことを特徴とする固体電解コンデンサ。 - 【請求項11】 前記セパレータが、耐熱性樹脂から構
成されていることを特徴とする請求項10に記載の固体
電解コンデンサ。
Priority Applications (1)
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