JPH09320900A - 固体電解コンデンサ及びその製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサ及びその製造方法

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JPH09320900A
JPH09320900A JP15301396A JP15301396A JPH09320900A JP H09320900 A JPH09320900 A JP H09320900A JP 15301396 A JP15301396 A JP 15301396A JP 15301396 A JP15301396 A JP 15301396A JP H09320900 A JPH09320900 A JP H09320900A
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electrolytic capacitor
secondary alcohol
solid electrolytic
thiophene
ethylene glycol
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Kazuhiro Hatanaka
一裕 畑中
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  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電解質層が良好に形成された、低インピーダ
ンスの固体電解コンデンサを提供する。 【解決手段】 3,4−エチレンジオキシ−チオフェン
を、第二級アルコール、第三級アルコール、第二級アル
コールの誘導体のうちから選択した1種又は2種以上か
らなる溶媒中で酸化剤により重合反応させる。そのこと
によって、重合反応が良好な状態で保持され、速やかに
反応が促進し、重合度の高い、導電性の良い、酸化物誘
電体層との接着性の良好なポリ−エチレンジオキシ−チ
オフェンが電解質層として形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インピーダンス特
性に優れた固体電解コンデンサに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器のデジタル化、高周波化
に伴って、コンデンサも小型大容量で高周波領域でのイ
ンピーダンスの低いものが要求されている。
【0003】これらの要求に対しては、従来より二酸化
マンガンを電解質とする固体電解コンデンサが用いられ
てきた。しかし、この固体電解コンデンサの電解質であ
る二酸化マンガンは硝酸マンガンの熱分解により形成さ
れているが、形成された二酸化マンガンの導電率は高
く、この二酸化マンガンを用いた固体電解コンデンサで
は、近年の高周波領域で要求されるインピーダンス特性
に対しては、対応できなくなってきている。
【0004】そこで、これに対応すべく、高導電率を有
する有機半導体を固体電解質とする方法が試みられてい
る。
【0005】例えば、特開昭58─17609号公報記
載のTCNQ錯体を固体電解質として用いた固体電解コ
ンデンサ、特開昭60─37114号公報記載のポリピ
ロールを固体電解質として用いた固体電解コンデンサが
知られている。しかしながら、TCNQは耐熱性に劣
り、ポリピロールは耐電圧性に劣るという電解コンデン
サとして、大きな欠点を有している。
【0006】そこで、特開平2−15611号公報、特
開平3−114213号公報に記載されているように、
インピーダンス特性に優れ、耐熱性、耐電圧性も良好な
ポリチオフェンを固体電解質とする固体電解コンデンサ
が開発された。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ポリチ
オフェンを用いて、固体電解コンデンサを製造してみる
と、電解質層のはがれが見られ、tanδやESR特性
も良好なものが得られないということが判明した。
【0008】本発明は、チオフェンの重合反応におい
て、溶媒が蒸発しつつ流動しながら反応が進んでいる現
象が見られたことから、溶媒による重合反応への影響に
着目したもので、電解質層が良好に酸化皮膜に密着、形
成した、tanδ、ESRに優れる低インピーダンスの
固体電解コンデンサを提供することをその目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、弁作用金属の
表面に、その弁作用金属の酸化物誘電体層と、導電性高
分子からなる電解質層とを順次設けた固体電解コンデン
サであって、前記導電性高分子層からなる電解質層が、
3,4−エチレンジオキシ−チオフエンを第二級アルコ
ール、第三級アルコール、第二級アルコールの誘導体の
うちから選択した1種又は2種以上からなる溶媒中で酸
化剤により重合反応させることによって形成した、ポリ
−エチレンジオキシ−チオフエンであることを特徴とし
ている。
【0010】また、その製造方法として、弁作用金属の
表面に、その弁作用金属の酸化物誘電体層を設ける工程
と、3,4−エチレンジオキシ−チオフエンと、第二級
アルコール、第三級アルコール、第二級アルコールの誘
導体のうちから選択した1種もしくは2種以上からなる
溶媒と酸化剤の溶液を、酸化物誘電体層に付着させる工
程と、その後に加熱によって重合反応を促進させてポリ
−エチレンジオキシ−チオフエンを電解質層として酸化
物誘電体上に付着、形成する工程を有することを特徴と
している。
【0011】これらの溶媒は、重合反応中で挙動が安定
しており、重合反応中の溶液が良好な状態に保持されつ
つ、反応が速やかに促進し、重合度の高い、導電性の良
い、酸化物誘電体層との接着性の良好な電解質層が形成
されるので、電解質層が良好に酸化皮膜に密着、形成さ
れた、tanδ、ESRに優れる低インピーダンスの固
体電解コンデンサが得られる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の電解コンデンサは、図1
に示すように、弁作用金属1の表面に、その弁作用金属
1の酸化物誘電体層2を形成し、酸化物誘電体層2の上
に、3,4−エチレンジオキシ−チオフエンと、第二級
アルコール又は第三級アルコールからなる溶媒と酸化剤
の溶液を付着した後、加熱して重合させ、ポリ−エチレ
ンジオキシ−チオフエンを電解質層3として形成するこ
とによって得られる。
【0013】弁作用金属1としては、例えば、アルミニ
ウム、タンタル、ニオブ、チタン及びこれらを基質とす
る合金等、弁作用金属1を有する金属がいずれも使用で
きる。
【0014】酸化物誘電体層2は、公知の方法を用いて
設けることができる。例えば、タンタル粉末の焼結体を
用いる場合であれば、タンタル焼結体をリン酸水溶液中
で陽極酸化して、多孔質体である焼結体の表面に酸化タ
ンタルからなる酸化物誘電体層2を形成することができ
る。また、アルミニウム箔を用いる場合であれば、アル
ミニウム箔の表面を電気化学的にエッチングし、さらに
ホウ酸等の水溶液中で化成して、弁作用金属1であるア
ルミニウム箔上にアルミニウムの酸化物誘電体層2を形
成することができる。
【0015】また、コンデンサの形態としては、巻回型
アルミニウム電解コンデンサ、焼結型タンタル電解コン
デンサ、積層型アルミニウム電解コンデンサ等、巻回
型、焼結型、積層型等のいずれの形態のコンデンサにも
適応することができる。
【0016】本発明に使用する溶媒に用いる第二級アル
コールとしては、エチレングリコール、プロピレングリ
コール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキシレ
ングリコール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、
オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、
ピナコール、ヒドロベンゾイン、ベンズピナコール、シ
クロペンタンジオール、シクロヘキサンジオール、ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコールなどが挙げ
られる。また、第三級アルコールとしては、グリセリ
ン、ヘキサントリオールなどが挙げられる。
【0017】これらの中では、特に、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、が
好適である。
【0018】また、第二級アルコールの誘導体として
は、第二級アルコールエーテル類、第二級アルコールの
エステル類及び第二級アルコールエーテルのエステル類
が挙げられる。第二級アルコールエーテル類としては、
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリ
コールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブ
チルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチ
レングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコー
ルモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチ
ルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテ
ル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルなどが
挙げられる。第二級アルコールのエステル類としては、
エチレングリコールモノアセテート、エチレングリコー
ルジアセテートなどが挙げられる。第二級アルコールエ
ーテルのエステル類としては、エチレングリコールモノ
メチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエ
チルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエ
チルエーテルアセテートなどが挙げられる。
【0019】この中では、特に、エチレングリコールモ
ノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエー
テルが好適である。
【0020】なお、以上の溶媒については、第二級アル
コール、第三級アルコール、第二級アルコールエーテル
類、第二級アルコールのエステル類、第二級アルコール
エーテルのエテスル類及びその以外の第二級アルコール
の誘導体のそれぞれから選択した2種以上からなる混合
溶媒や、例えば第二級アルコールから選択した2種以上
からなる混合溶媒を用いることができる。
【0021】酸化剤としては、例えば、塩化第三鉄、過
塩素酸第三鉄、及び有機基を有する無機酸の第三鉄とし
てp−トルエンスルホン酸第三鉄、ドデシルベンゼンス
ルホン酸第三鉄など、さらには、過酸化水素、重クロム
酸カリウム、アルカリ金属過硫酸塩、過硫酸アンモニウ
ム、アルカリ金属過ほう酸塩、過マンガン酸カリウム、
過ヨウ素酸、ヨウ素酸及びテトラフルオロほう酸銅など
が挙げられる。
【0022】特に、p−トルエンスルホン酸第三鉄、ド
デシルベンゼンスルホン酸第三鉄、塩化第三鉄が好適で
ある。
【0023】以上に述べたように本発明の方法によって
製造された固体電解コンデンサにおいては、3,4−エ
チレンジオキシ−チオフエンと、第二級アルコール、第
三級アルコール、又は第二級アルコールの誘導体からな
る溶媒及び酸化剤の溶液を付着し、この溶液中で加熱に
よって、モノマーである3,4−エチレンジオキシ−チ
オフエンの重合反応を促進させて、3,4−エチレンジ
オキシ−チオフエンの重合体であるポリ−エチレンジオ
キシ−チオフエンを電解質層3として形成する。
【0024】この際に、第二級アルコール、第三級アル
コール、第二級アルコールの誘導体を溶媒として用いる
と、重合反応中に良好な状態が保持されつつ、反応が速
やかに促進し、重合度の高い、導電性の良い、酸化物誘
電体層2との接着性の良好な電解質層3が形成され、t
anδ、ESRが良好な電解コンデンサが得られる。
【0025】特に、焼結型タンタル電解コンデンサの外
部に形成された電解質層3はタンタル焼結体への密着性
も成膜性も良好である。つまり、モノマーと酸化剤と溶
媒の溶液がタンタル電解コンデンサの焼結体の多孔質部
分に十分に浸透して、酸化物誘電体層2に付着し、加
熱、重合中も良好な重合状態が保持され、速やかに重合
反応が促進し良好な電解質層3を形成することができ
る。
【0026】
【実施例】以下に実施例をあげて、本発明を更に具体的
に説明する。
【0027】(実施例1)タンタル粉末を加圧成型しタ
ンタルリードを植立させた後、高温で真空焼結した1.
9mm×2.4mmの陽極体を、リン酸水溶液中で化成
電圧61Vを印加して陽極酸化し、タンタルの酸化皮膜
を形成した。次に、3,4−エチレンジオキシ−チオフ
エン8g、p−トルエンスルホン酸第三鉄22g及びエ
チレングリコール22gを室温で混合し、この溶液中に
浸漬して酸化皮膜上に溶液を付着させた後、80℃、3
0分、加熱して重合反応を促進させ、酸化皮膜上にポリ
−エチレンジオキシ−チオフエンを形成した。次に陰極
導電層として公知の手段によりカボーン層、銀ペースト
層を順次形成する。銀ペースト層を形成後、銀ペースト
層に導電性ペーストで陽極リード線を固着する。その
後、エポキシレジンをトランスファモールドしてエポキ
シ樹脂の外装を形成し、タンタル電解コンデンサを作成
した。
【0028】(実施例2)また、上記実施例において、
エチレングリコールをエチレングリコールモノメチルエ
ーテルにかえて、同様に焼結型タンタル電解コンデンサ
を作成した。
【0029】(比較例1)また、上記実施例において、
エチレングリコールをブタノールにかえて、同様に焼結
型タンタル電解コンデンサを作成した。
【0030】実施例1〜2及び比較例1で作製した固体
電解コンデンサの特性を(表1)に示す。
【0031】
【表1】
【0032】アルミニウム箔の表面を電気化学にエッチ
ング処理した後、ホウ酸の水溶液中で化成電圧58Vを
印加して、アルミニウムエッチング箔の表面に酸化皮膜
を形成し、アルミニウム化成箔を得た。このアルミニウ
ム化成箔を陽極とし、エッチング処理した箔を陰極とし
て、セパレータを挟んで巻回し、電解コンデンサ素子を
作成した。次に、3,4−エチレンジオキシ−チオフエ
ン8g、p−トルエンスルホン酸第三鉄22g及びエチ
レングリコール22gを室温で混合し、この溶液中に電
解コンデンサ素子を浸漬してセパレータに溶液を付着さ
せた後、80℃、30分、加熱して重合反応を促進さ
せ、酸化皮膜上にポリ−エチレンジオキシ−チオフエン
を形成した。次いで、この素子にエポキシレジンをトラ
ンスファモールドしてエポキシ樹脂の外装を形成し、巻
回型アルミニウム電解コンデンサを作成した。
【0033】(比較例2)また、上記実施例において、
エチレングリコールをブタノールにかえて、同様に巻回
型アルミニウム電解コンデンサを作成した。
【0034】実施例3及び比較例2で作製した固体電解
コンデンサの特性を(表2)に示す。
【0035】
【表2】
【0036】表1、表2でわかるように、重合の際の
3,4−エチレンジオキシ−チオフエンと酸化剤の溶媒
にエチレングリコールやエチレングリコールモノメチル
エーテルを用いた場合は、焼結型タンタル電解コンデン
サにおいても、巻回型アルミニウム電解コンデンサにお
いても、ブタノールを用いた場合より、tanδ、ES
Rともに低く、低インピーダンスの固体電解コンデンサ
を得ることができる。また、焼結型タンタル電解コンデ
ンサにおいては、タンタル焼結体外部に形成された電解
質層はタンタル焼結体に非常に良好に密着しており、成
膜性も良好であり、本発明によれば、良好な電解質層が
形成されることが判る。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、第二級アルコール、第
三級アルコール、第二級アルコールの誘導体等を溶媒と
して用いることにより、重合反応中に良好な状態が保持
されつつ、反応が速やかに促進し、重合度の高い、導電
性の良い、酸化物誘電体層との接着性の良好な電解質層
が形成されるので、ポリ−エチレンジオキシ−チオフェ
ンの電解質層が良好に酸化皮膜に密着、形成された、t
anδ、ESRに優れる低インピーダンスの固体電解コ
ンデンサが得られる。
【0038】また、これらの溶媒は沸点が比較的高いの
で、高温で重合反応状態を保持することができる。した
がって、重合反応を速やかに進めることができ、重合工
程時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態による固体電解コンデン
サの構成を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 弁作用金属 2 酸化物誘電体層 3 電解質層
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年9月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、弁作用金属の
表面に、その弁作用金属の酸化物誘電体層と、導電性高
分子からなる電解質層とを順次設けた固体電解コンデン
サであって、前記導電性高分子層からなる電解質層が、
3,4−エチレンジオキシ−チオフエンを二価アルコー
ル、三価アルコール、二価アルコールの誘導体のうちか
ら選択した1種又は2種以上からなる溶媒中で酸化剤に
より重合反応させることによって形成した、ポリ−エチ
レンジオキシ−チオフエンであることを特徴としてい
る。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】また、その製造方法として、弁作用金属の
表面に、その弁作用金属の酸化物誘電体層を設ける工程
と、3,4−エチレンジオキシ−チオフエンと、二価
ルコール、三価アルコール、二価アルコールの誘導体の
うちから選択した1種もしくは2種以上からなる溶媒と
酸化剤の溶液を、酸化物誘電体層に付着させる工程と、
その後に加熱によって重合反応を促進させてポリ−エチ
レンジオキシ−チオフエンを電解質層として酸化物誘電
体上に付着、形成する工程を有することを特徴としてい
る。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の電解コンデンサは、図1
に示すように、弁作用金属1の表面に、その弁作用金属
1の酸化物誘電体層2を形成し、酸化物誘電体層2の上
に、3,4−エチレンジオキシ−チオフエンと、二価
ルコール又は三価アルコールからなる溶媒と酸化剤の溶
液を付着した後、加熱して重合させ、ポリ−エチレンジ
オキシ−チオフエンを電解質層3として形成することに
よって得られる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】本発明に使用する溶媒に用いる二価アルコ
ールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキシレン
グリコール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オ
クタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、ピ
ナコール、ヒドロベンゾイン、ベンズピナコール、シク
ロペンタンジオール、シクロヘキサンジオール、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコールなどが挙げら
れる。また、三価アルコールとしては、グリセリン、ヘ
キサントリオールなどが挙げられる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】また、二価アルコールの誘導体としては、
二価アルコールエーテル類、二価アルコールのエステル
類及び二価アルコールエーテルのエステル類が挙げられ
る。二価アルコールエーテル類としては、エチレングリ
コールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエ
チルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコ
ールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチ
ルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテ
ル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプ
ロピレングリコールモノエチルエーテルなどが挙げられ
る。二価アルコールのエステル類としては、エチレング
リコールモノアセテート、エチレングリコールジアセテ
ートなどが挙げられる。二価アルコールエーテルのエス
テル類としては、エチレングリコールモノメチルエーテ
ルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテル
アセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル
アセテートなどが挙げられる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】なお、以上の溶媒については、二価アルコ
ール、三価アルコール、二価アルコールエーテル類、
アルコールのエステル類、二価アルコールエーテルの
エテスル類及びその以外の二価アルコールの誘導体のそ
れぞれから選択した2種以上からなる混合溶媒や、例え
二価アルコールから選択した2種以上からなる混合溶
媒を用いることができる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】酸化剤としては、例えば、塩化第二鉄、過
塩素酸第二鉄、及び有機基を有する無機酸の第二鉄とし
てp−トルエンスルホン酸第二鉄、ドデシルベンゼンス
ルホン酸第二鉄など、さらには、過酸化水素、重クロム
酸カリウム、アルカリ金属過硫酸塩、過硫酸アンモニウ
ム、アルカリ金属過ほう酸塩、過マンガン酸カリウム、
過ヨウ素酸、ヨウ素酸及びテトラフルオロほう酸銅など
が挙げられる。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】特に、p−トルエンスルホン酸第二鉄、ド
デシルベンゼンスルホン酸第二鉄、塩化第二鉄が好適で
ある。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】以上に述べたように本発明の方法によって
製造された固体電解コンデンサにおいては、3,4−エ
チレンジオキシ−チオフエンと、二価アルコール、三価
アルコール、又は二価アルコールの誘導体からなる溶媒
及び酸化剤の溶液を付着し、この溶液中で加熱によっ
て、モノマーである3,4−エチレンジオキシ−チオフ
エンの重合反応を促進させて、3,4−エチレンジオキ
シ−チオフエンの重合体であるポリ−エチレンジオキシ
−チオフエンを電解質層3として形成する。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】この際に、二価アルコール、三価アルコー
ル、二価アルコールの誘導体を溶媒として用いると、重
合反応中に良好な状態が保持されつつ、反応が速やかに
促進し、重合度の高い、導電性の良い、酸化物誘電体層
2との接着性の良好な電解質層3が形成され、tan
δ、ESRが良好な電解コンデンサが得られる。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】(実施例1)タンタル粉末を加圧成型しタ
ンタルリードを植立させた後、高温で真空焼結した1.
9mm×2.4mmの陽極体を、リン酸水溶液中で化成
電圧61Vを印加して陽極酸化し、タンタルの酸化皮膜
を形成した。次に、3,4−エチレンジオキシ−チオフ
エン8g、p−トルエンスルホン酸第二鉄22g及びエ
チレングリコール22gを室温で混合し、この溶液中に
浸漬して酸化皮膜上に溶液を付着させた後、80℃、3
0分、加熱して重合反応を促進させ、酸化皮膜上にポリ
−エチレンジオキシ−チオフエンを形成した。次に陰極
導電層として公知の手段によりカボーン層、銀ペースト
層を順次形成する。銀ペースト層を形成後、銀ペースト
層に導電性ペーストで陽極リード線を固着する。その
後、エポキシレジンをトランスファモールドしてエポキ
シ樹脂の外装を形成し、タンタル電解コンデンサを作成
した。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正内容】
【0032】アルミニウム箔の表面を電気化学にエッチ
ング処理した後、ホウ酸の水溶液中で化成電圧58Vを
印加して、アルミニウムエッチング箔の表面に酸化皮膜
を形成し、アルミニウム化成箔を得た。このアルミニウ
ム化成箔を陽極とし、エッチング処理した箔を陰極とし
て、セパレータを挟んで巻回し、電解コンデンサ素子を
作成した。次に、3,4−エチレンジオキシ−チオフエ
ン8g、p−トルエンスルホン酸第二鉄22g及びエチ
レングリコール22gを室温で混合し、この溶液中に電
解コンデンサ素子を浸漬してセパレータに溶液を付着さ
せた後、80℃、30分、加熱して重合反応を促進さ
せ、酸化皮膜上にポリ−エチレンジオキシ−チオフエン
を形成した。次いで、この素子にエポキシレジンをトラ
ンスファモールドしてエポキシ樹脂の外装を形成し、巻
回型アルミニウム電解コンデンサを作成した。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正内容】
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、二価アルコール、三価
アルコール、二価アルコールの誘導体等を溶媒として用
いることにより、重合反応中に良好な状態が保持されつ
つ、反応が速やかに促進し、重合度の高い、導電性の良
い、酸化物誘電体層との接着性の良好な電解質層が形成
されるので、ポリ−エチレンジオキシ−チオフェンの電
解質層が良好に酸化皮膜に密着、形成された、tan
δ、ESRに優れる低インピーダンスの固体電解コンデ
ンサが得られる。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弁作用金属の表面に、その弁作用金属の
    酸化物誘電体層と、導電性高分子からなる電解質層とを
    順次設けた固体電解コンデンサであって、前記電解質層
    が、第二級アルコール、第三級アルコール、第二級アル
    コールの誘導体のうちから選択した1種もしくは2種以
    上からなる溶媒中で、3,4−エチレンジオキシ−チオ
    フエンを酸化剤により重合反応させることによって形成
    した、ポリ−エチレンジオキシ−チオフエンであること
    を特徴とする、固体電解コンデンサ。
  2. 【請求項2】 第二級アルコールの誘導体が、第二級ア
    ルコールエーテル類、第二級アルコールのエステル類、
    第二級アルコールエーテルのエステル類であることを特
    徴とする請求項1記載の固体電解コンデンサ。
  3. 【請求項3】 第二級アルコールが、エチレングリコー
    ル、プロピレングリコール、ヘキシレングリコールであ
    ることを特徴とする請求項1記載の固体電解コンデン
    サ。
  4. 【請求項4】 第二級アルコールエーテル類がエチレン
    グリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモ
    ノエチルエーテルであることを特徴とする請求項2記載
    の固体電解コンデンサ。
  5. 【請求項5】 酸化剤がp−トルエンスルホン酸第三
    鉄、ドデシルベンゼンスルホン酸第三鉄、塩化第三鉄で
    あることを特徴とする請求項1記載の固体電解コンデン
    サ。
  6. 【請求項6】 弁作用金属の表面に、その弁作用金属の
    酸化物誘電体層を設ける工程と、3,4−エチレンジオ
    キシ−チオフエンと、第二級アルコール、第三級アルコ
    ール、第二級アルコールの誘導体のうちから選択した1
    種もしくは2種以上からなる溶媒と酸化剤の溶液を、酸
    化物誘電体層に付着させる工程と、その後に加熱によっ
    て重合反応を促進させてポリ−エチレンジオキシ−チオ
    フエンを電解質層として酸化物誘電体上に付着、形成す
    る工程を有する固体電解コンデンサの製造方法。
  7. 【請求項7】 第二級アルコールの誘導体が、第二級ア
    ルコールエーテル類、第二級アルコールのエステル類、
    第二級アルコールエーテルのエステル類であることを特
    徴とする請求項6記載の固体電解コンデンサの製造方
    法。
  8. 【請求項8】 第二級アルコールがエチレングリコー
    ル、プロピレングリコール、ヘキシレングリコールであ
    ることを特徴とする請求項6記載の固体電解コンデンサ
    の製造方法。
  9. 【請求項9】 第二級アルコールエーテル類がエチレン
    グリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモ
    ノエチルエーテルであることを特徴とする請求項7記載
    の固体電解コンデンサの製造方法。
  10. 【請求項10】 酸化剤がp−トルエンスルホン酸第三
    鉄、ドデシルベンゼンスルホン酸第三鉄、塩化第三鉄で
    あることを特徴とする請求項6記載の固体電解コンデン
    サの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002260963A (ja) * 2000-12-28 2002-09-13 Nippon Chemicon Corp 固体電解コンデンサの製造方法及び固体電解コンデンサ
JP2007129171A (ja) * 2005-11-04 2007-05-24 Samuha Electric Co Ltd 伝導性高分子電解質組成物を用いた固体電解コンデンサの製造方法

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