JP2002260843A - 有機発光デバイス - Google Patents

有機発光デバイス

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JP2002260843A
JP2002260843A JP2001056190A JP2001056190A JP2002260843A JP 2002260843 A JP2002260843 A JP 2002260843A JP 2001056190 A JP2001056190 A JP 2001056190A JP 2001056190 A JP2001056190 A JP 2001056190A JP 2002260843 A JP2002260843 A JP 2002260843A
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眞三 坪井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発光材料層から発光した光が極力無効光とな
らないようにして、発光素子の発光効率を高める。 【解決手段】 基体1上には、陽極6およびホール注入
阻止層3のパターンがストライプ状に断面矩形状に形成
されている。陽極6およびホール注入阻止層3のパター
ンの周囲は、発光材料層2により囲まれている。発光材
料層2の外側は、陰極4により囲まれている(a)。或
いは基体1上には、陰極4および電子注入阻止層10の
パターンがストライプ状に断面矩形状に形成されてい
る。陰極4および電子注入阻止層10のパターンの周囲
は、発光材料層2により囲まれ、その外側は陽極6によ
り囲まれている(b)。陽極6と陰極4により挟まれた
発光材料層2のホール・電子再結合層9で発光した光は
発光材料層端面1a或いは発光材料層上面1eより有効
光5として取り出される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2つの電極間に有
機発光材料層を挟持してなる発光素子を有する有機発光
デバイスに関し、特に表示装置に好適な有機発光デバイ
スに関するものである。
【0002】
【従来の技術】自発光素子を用いた表示装置の一つに、
エレクトロ・ルミネッセンス素子(EL素子)を用いたもの
がある。そして、EL素子は、有機材料を発光層とする有
機EL素子と、無機材料を発光層にする無機EL素子とに分
けられる。有機EL素子は、陽極と、陰極と、これら陽極
と陰極の2種の電極間に挟まれた、有機発光性化合物か
らなる薄膜の有機EL層と、からなる。陽極と陰極間に電
圧を印加すると、陽極からは正孔が、陰極からは電子が
それぞれ有機EL層に注入されて再結合し、その際に生ず
るエネルギーにより有機EL層を構成する有機発光性化合
物の分子が励起される。このようにして励起された分子
が基底状態に失活する過程で発光現象が生じる。有機EL
素子はこの発光現象を利用した発光素子である。有機EL
層は、正孔と電子が再結合して発光する発光層と呼ばれ
る有機層を少なくとも含み、必要に応じて、正孔が注入
されやすくかつ電子を移動させにくい正孔輸送層と呼ば
れる有機層、電子が注入されやすくかつ正孔を移動させ
にくい電子輸送層と呼ばれる有機層のうちの一方または
両方を含む単層構造または多層積層構造を有している。
【0003】近年、有機EL素子が盛んに研究され、実用
化されつつある。これは、インジウム錫酸化物(ITO)な
どの透明電極(ホール注入電極すなわち陽極)上にトリフ
ェニルジアミン(TPD)などのホール注入材料を蒸着して
薄膜を形成し、さらにアルミキノリノール錯体(Alq3 )
などの蛍光物質を発光層として積層し、さらにAgMgなど
の仕事関数の小さな金属電極(電子注入電極すなわち陰
極)を形成した基本構成を有する素子で、10V 前後の電
圧で数100から数10000cd/m2ときわめて高い輝度が得ら
れることで、照明や光源あるいはOA機器、家電製品、
自動車、二輪車、航空機等のディスプレイに用い得るも
のとして注目されている。このような有機EL素子は、例
えば、発光層等の有機層が、電子注入電極となる走査
(コモンライン)電極と、ホール注入電極(透明電極)とな
るデータ(セグメントライン)電極とで挟まれ、かつ透明
(ガラス)基板に形成された構造を有する。また、ディス
プレイは、縦横に敷設された走査電極とデータ電極とに
より、マトリクス状に配置された発光素子をドット表示
させ、これらのドット(画素)の集合体として、イメー
ジ、キャラクタ等の情報を表示するマトリクスディスプ
レイと、予め決められた形状、大きさの表示器として独
立に存在しているものを表示させるセグメントディスプ
レイとに大別される。
【0004】セグメントタイプのディスプレイの場合、
各表示器をそれぞれ別個独立に表示させるスタティック
駆動方式も可能であるが、マトリクスディスプレイの場
合、通常、各走査ラインおよびデータラインを時分割駆
動するダイナミックドライブ方式が採用されている。有
機EL素子の発光部を構成する発光素子としては、透明基
板/透明電極/発光層/金属電極という構成を用い、発
光層において発生した光が透明電極および透明基板を透
過して発せられる、基板面発光タイプと、基板/金属電
極/発光層/透明電極という構成を用い、発光層におい
て発生した光が透明電極を透過して基板面とは逆側の膜
面側から発せられる、膜面発光タイプとに分けられる。
基板面発光タイプの素子については、例えばAppl. Phy
s. Lett., 51, 913-915 (1987)に、膜面発光タイプの素
子については、例えば Appl. Phys. Lett., 65, 2636-2
638 (1994) に記載されている。
【0005】図25に、従来の典型的なEL素子構造を
示す。透明基板105からなる基板上に発光素子100
が形成されており、発光素子100には該素子に電流を
供給するための電流供給素子102が接続され、電流供
給素子102にはオン/オフ制御されるスイッチング素
子101が接続されている。発光素子100は、典型的
には、図示は省略するが、基板側から透明電極/ホール
注入層/発光層/電子輸送層/金属電極という構成になっ
ている。電流供給素子102およびスイッチング素子1
01としては代表的には薄膜トランジスタと呼ばれるM
OS型のトランジスタが用いられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の構造で
は、発光素子から発せられた光は透明基板105の中を
進行して透明基板表面106に到達するが、透明基板1
05の屈折率が空気中の屈折率より大きいために、臨界
角以上の入射角の光は全反射を起こして透明基板105
の外に出ることができなくなり、無効光104になる。
一方、臨界角以下の入射角の光は透明基板105の外に
出ることができ、有効光103になる。このため、通常
のEL素子は損失光の割合が大きく、投入電力に対する
発光する光の割合が20%程度と小さかった。このた
め、適正輝度を確保すると消費電力が大きくなると同時
に素子寿命が低下し、逆に消費電力を抑えると輝度が低
下するという問題があった。以上は、基板面発光タイプ
のものに対する説明であったが、膜面発光タイプの場合
にも表面保護層として一般的にシリコン酸化膜、シリコ
ン窒化膜等が用いられるため、同様の問題が起きる。
【0007】本発明の課題は、上述した従来技術の問題
点を解決することであって、その目的は、発生した光を
できるだけ多く有効光として外に取り出すことができる
ようにして、より少ない供給電力により高い輝度の得ら
れる発光素子とこれを用いた有機発光デバイスを提供で
きるようにすることにある。なお、この課題を解決する
ための本発明と類似の手段は、特許第2692671号、特開
平10-189243号公報および特開平11-214162号公報に開示
されている。このうち、特許第2692671号には、共振器
型有機薄膜EL素子において透明部材による基板上に凹
部を形成し、この凹部に、共振器構造の発光部を形成し
た構造が開示されている。しかしこの構造は、共振器を
用いることにより発光の指向性を持たせており、本願に
おいて開示するような通常構成の発光素子とは、構造も
効果も異なる。また、特開平10-189243号公報には、基
板の一主面上に、下部電極、下部絶縁層、発光層、上部
絶縁層、上部電極が積層形成されてなるEL表示装置に
おいて、前記基板の一主面にはテーパ状の凹部が複数形
成されており、前記下部電極、前記下部絶縁層、前記発
光層、前記上部絶縁層、前記上部電極の各界面が前記凹
部のテーパに平行に形成されているEL表示装置が開示
されている。しかし、この構造は基板をあらかじめ加工
しておかなければならず、製造上の困難さを有してい
た。さらには、下部電極および上部電極と発光層との間
に下部絶縁層および上部電極層を設けており、その分電
子や正孔の電極から発光層への注入効率が低下したり、
これらの層が付与される分だけ製造コストが上昇すると
いう問題があった。また、特開平11-214162号公報には
一対の電極間に発光層を含む一または二以上の有機薄膜
層を有してなる有機エレクトロルミネッセンス素子にお
いて、前記一対の電極のうち光の出射面側に位置する電
極に複数の微小突起が設けられ、該電極と対向する他方
の電極が前記発光層に対して凹面形状を有する有機エレ
クトロルミネッセンス素子が開示されている。しかし特
開平11-214162号公報には、微少突起のなす斜面の角度
については記載がなく、さらには光を取り出す際に上下
の電極のうち少なくとも一方を通過させる構造であっ
た。このため、光を取り出す際に通過させる電極として
は、光の透過率の高い材料を用いる必要があり、適用で
きる電極材料の種類が限定されるという短所があった。
本発明は、これら先行例が保有する課題を解決すると同
時に、キャリア注入阻止層の導入によりさらなる光取り
出し効率向上を図ることを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明によれば、基板上に略平行に対向配置された
一対の電極間に有機物からなる発光材料層が設けられて
なる発光素子を備えた有機発光デバイスにおいて、前記
発光材料層は基板面に対して45°以上傾いた部分を有
しており、かつ、前記発光材料層は一対の電極間に挟ま
れた基板面に対して平行な部分を有していないか有して
いる場合にはその平行な部分と少なくとも一方の電極と
の接触面にキャリアの注入を阻止するキャリア注入阻止
層が形成されていることを特徴とする有機発光デバイ
ス、が提供される。
【0009】また、上記の目的を達成するため、断面形
状が長方形若しくは台形でリブ状の第1の電極と、該第
1の電極の側面に形成された有機物からなる発光材料層
と、該発光材料層の側面に形成された第2の電極と、を
含む発光素子が基板上に形成されている有機発光デバイ
スにおいて、前記発光材料層は前記第1の電極の上面上
には形成されていないか形成されている場合にはその部
分と少なくとも一方の電極との接触面にキャリアの注入
を阻止するキャリア注入阻止層が形成されていることを
特徴とする有機発光デバイス、が提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】次に、図面を参照して本発明の実
施の形態について詳細に説明する。図1(a)は、本発
明の第1の実施の形態の発光素子の構造を示す断面図で
ある。基体1上には、陽極6およびホール注入阻止層3
のパターンが断面矩形状に複数個形成されている。ここ
で、基体とは発光素子が形成される土台となるものを意
味し、基板上に直接形成される場合は基板を、基板上に
形成された膜や素子上に形成される場合は膜や素子が含
まれる。陽極6およびホール注入阻止層3のパターン端
部は、図のように急峻に形成されている。陽極6および
ホール注入阻止層3のパターンの周囲は、発光材料層2
により囲まれ、そして発光材料層2の外側は、陰極4に
より囲まれている。図1(b)は、本発明の第2の実施
の形態の発光素子の構造を示す断面図である。基体1上
には、陰極4および電子注入阻止層10のパターンが図
のように断面矩形状に複数個形成されている。陰極4お
よび電子注入阻止層10のパターンの周囲は、発光材料
層2により囲まれ、そして発光材料層2の外側は、陽極
6により囲まれている。
【0011】これらの構造では、陽極6-陰極4間に陽
極6側が正となる電圧を印加した場合に、発光材料層2
のうち陽極側面と陰極側面との間に挟まれた発光領域2
aにおいては、陽極6からはホールが注入され、陰極4
からは電子が注入され、ホールと電子が再結合すること
によりEL発光が生じる。一方、発光材料層2のうち、
ホール注入阻止層3と陰極4とで挟まれた非発光領域2
bまたは電子注入阻止層10と陰極4とで挟まれた非発
光領域2bにおいては、ホールまたは電子の注入が行な
われない。そのため、ホールと電子の再結合も生じずE
L発光も生じない。
【0012】発光領域2aで生じた光は、発光材料層2
に閉じ込められ、その一部は陽極表面、陰極表面、ある
いは発光材料層2の内部で吸収されるが、残りの多くは
陽極と陰極の壁面を乱反射した後臨界角以下の角度で発
光材料層端面2cまたは発光材料層上面2dから有効光
5として出射される。このため、上述した従来例におい
ては、発光材料層や透明電極層に閉じ込められ無効光に
なる割合が多いのに対して、本発明の実施の形態では有
効光の割合が増加する。このように本発明に係る発光素
子は、発光材料層の電極形成面とは異なる面から光を取
り出すものであるため、両方の電極を金属により形成す
るようにしてもよい。このようにすることにより、発光
材料層から漏れる光を抑制して光の取り出し効率をより
高めることができる。また、両電極を金属により形成
し、図1(b)に示すされるように、発光材料層の上面
から光を取り出す場合には、上側電極の光取り出し部に
開口を設けるようにすることが出来る。このようにする
場合には、電極によって遮光膜を兼ねることができるた
め、コントラストの高い表示装置を安価に提供すること
が可能になる。
【0013】図1(c)は、図1(a)、図1(b)の
A部の拡大図であり、ホールと電子とが再結合される様
子を示した図である。陽極6からは矢印の方向にホール
7が注入され、陰極4からは矢印の方向に電子8が注入
され、ホール・電子再結合領域9でホール7と電子8が
再結合することにより、EL発光が生じる。図2は、図
1(a)に縦断面構造で示した第1の実施の形態の発光
素子の横断面図である。3つの陽極6が形成され、その
周囲には発光材料層2が、さらにその周囲には陰極4が
形成されている。なお、図では陽極数は3個の場合を示
したが、その数は任意に選択することができる。
【0014】図3は、本発明の第3の実施の形態におけ
る発光素子の構造を示す断面図である。図1(a)に示
した第1の実施の形態と異なる点は、陽極6およびホー
ル注入阻止層3のパターンが断面台形状に形成されてい
る点と、発光材料層2が基体1と接する発光材料層基板
接触平坦部2eを有している点である。光の取り出し効
率という点では発光材料層が垂直に形成された図1
(a)の構造の方が優れているが、特徴となっている2
点において、本構造の方が作製が容易である。つまり、
急峻な陽極6の側面に一様な厚さに発光材料層を堆積す
ることは容易ではなく、また、その堆積した発光材料層
2をエッチングにより分離する工程が必要である。しか
し、本実施の形態の構造では傾斜した側面に堆積を行う
ことができ、また発光材料層2を分離する工程を省略で
きる。
【0015】図4は、本発明の第4の実施の形態におけ
る発光素子の構造を示す断面図である。この構造は、第
3の実施の形態の構造に対して、発光材料層2のうち基
板と接している発光材料層基板接触平坦部2eをなくし
て、陽極6の下部にもホール注入阻止層3を形成したも
のである。これにより、発光材料層2のうち、基板1と
の界面近傍における発光が抑制される。この領域の発光
は、基板1への入射角度が大きくなるために、基板1に
入射する際に反射されて、無効光となる可能性が高い。
本構造では、この領域の発光が無くなるので、第1の実
施の形態の場合と比較して、発光取り出し効率の向上を
図ることができる。ここでは、陽極パターン数は3個の
場合を示したが、その数は任意に選択することができ
る。図3の構造においても、図4の場合のように陽極下
部にホール注入阻止層を形成することにより、発光効率
の向上を図ることができる。
【0016】図5は、本発明の第5の実施の形態におけ
る発光素子の構造を示す断面図である。この素子構造で
は、第3の実施の形態の構造に対して、ホール注入阻止
層3と陰極4との間の発光材料層2が削除されている。
図3の構造では発光領域において発せられた光の一部
が、この領域に導かれ減衰しており、その分発光効率の
低下につながっていたが、本構造ではその影響を防ぐこ
とができる。
【0017】図1(a)の実施の形態に対して図1(b)
に示した構造に変更したように、図3〜図5に示した実
施の形態に対して、陽極と陰極とを入れ替え、さらにホ
ール注入阻止層を電子注入素子層に変更して、膜面発光
タイプの構造に変更してもよい。また、図1(a)、図
3、図4に示した実施の形態に対して、ホール注入阻止
層3に加えて若しくはこれに代えて、これと発光材料層
3を挟んで対向する陰極の部分に電子注入阻止層を形成
するようにしてもよい。同様に、図1(b)に示した実
施の形態に対して、電子注入阻止層10に加えて若しく
はこれに代えて、これと発光材料層3を挟んで対向する
陽極の部分にホール注入阻止層を形成するようにしても
よい。
【0018】図6(a)〜(e)は、本発明に適用でき
る発光材料層の各種構成を示す図である。各構成につい
てその特徴を説明する。図では向かって左側に陽極6
を、右側に陰極4を配置した場合の構成が示されてい
る。図6(a)に示されるものでは、左から右に、ホー
ル注入輸送層20、発光層21および電子注入輸送層2
2を順次積層して、発光材料層2を構成している。ホー
ル注入輸送層20は、陽極6からのホールの注入効率を
向上させ、注入されたホールを発光層21に効率よく輸
送する働きをする。電子注入輸送層22は、陰極4から
の電子の注入効率を向上させ、注入された電子を発光層
21に効率よく輸送する働きをする。発光層21におけ
る発光量は発光層中でのホールと電子の再結合量に依存
するので、ホール注入輸送層20や電子注入輸送層22
により発光層にもたらされるホールおよび電子の量が増
大すると発光量が増大し、より高い輝度が得られるよう
になる。
【0019】図6(b)に示されるものでは、左から右
に、ホール注入層23、ホール輸送層24、発光層2
1、電子輸送層26および電子注入層25順次積層し
て、発光材料層2を構成している。この例は、図6(a)
に示したものに対して、ホール注入輸送層20をホール
注入層23とホール輸送層24に、電子注入輸送層22
を電子注入層25と電子輸送層26とに分けたものであ
る。ホール注入輸送層20の場合は、ホールが注入され
やすく、しかもホールの輸送性に優れた材料を選択する
必要があるが、ホール注入層23とホール輸送層24と
を分離することによりそれらの機能を分担することがで
きる。すなわち、ホール注入層/ホール輸送層二層膜
で、優れたホール注入輸送層として働くようにできる。
しかし、層数および材料の種類が増えることにより、製
造コストの上昇は避けられない。電子注入層25および
電子輸送層26についても同様である。発光層21中に
運び込まれる電子の量に対して、運び込まれるホールの
量が十分確保できる場合は、ホール注入層23とホール
輸送層24の積層膜の代わりにホール注入輸送層20を
用いても十分な発光量が得られる。また、発光層21中
に運び込まれる電子の量が十分確保できる場合は、電子
輸送層26と電子注入層25の積層膜の代わりに電子注
入輸送層22を用いても十分な発光量が得られる。
【0020】図6(c)に示されるものでは、ホール注
入輸送層を兼ねた発光層27および電子注入輸送層22
を左から右へ積層して、発光材料層2を構成している。
発光層としてホール注入輸送効率の良い材料を用いるこ
とにより、発光材料層がこのような2層構成でも良好な
発光量を得ることができる場合がある。層数が少なく材
料の種類も少ないので製造コストを低減できる。ただ
し、発光層に要求される性能にホール注入輸送性が加わ
るので、発色性など発光層の他の特性に制約が出る場合
がある。
【0021】図6(d)に示されるものでは、ホール注
入輸送層20と電子注入輸送層を兼ねた発光層28を左
から右へ積層して、発光材料層2を構成している。発光
層として電子注入効率の良い材料を用いることにより、
発光材料層がこのような2層構成でも良好な発光量を得
ることができる場合がある。層数が少なく材料の種類も
少ないので製造コストを低減できる。ただし、発光層に
要求される性能に電子注入輸送性が加わるので、発色性
など発光層の他の特性に制約が出る場合がある。
【0022】図6(e)に示されるものでは、発光材料
層2を、ホール注入輸送層および電子注入輸送層を兼ね
た発光層29により構成している。発光層としてホール
注入輸送効率および電子注入輸送効率の良い材料を用い
ることができれば、発光材料層がこのような単層構成で
も良好な発光量を得ることができる。1種類の材料で済
むので製造コストを低減できる。ただし、発光層に要求
される性能に電子注入輸送性およびホール注入輸送性が
加わるので、現在のところ実用上十分な発光特性は得ら
れていない。なお、陽極とホール注入輸送層等との間に
陽極バッファ層を介在させるようにしてもよい。
【0023】図7は本発明の発光素子を含む単位画素の
概略の構成を示す断面図である。発光素子182には電
流供給素子184が接続され、電流供給素子184には
スイッチング素子183が接続されている。外部から信
号が送られることにより、スイッチング素子183はオ
ン/オフして、電流供給素子184が発光素子182に
供給する電流を制御する。
【0024】図8は、図7に示した単位画素を複数個マ
トリクス状に配置した状態を示す平面図である。このよ
うに画素をマトリクス状に配置することにより2次元的
な画像を表示することが可能となる。ここでは縦6列横
3行の例を示したが、列数および行数は任意に選択する
ことができる。
【0025】図9(a)および図9(b)は、配線と発
光素子との平面的位置関係について示した図である。図
9(a)に示した例では、横方向にグランド配線186
と第2スイッチング配線187が配置されており、縦方
向に第1スイッチング配線188が配置されている。縦
方向の配線と横方向の配線により囲まれた領域内に、発
光素子182が配置されている。発光素子182は、図
示を省略した電流供給素子を介して電流源に接続され、
電流供給素子は図示を省略したスイッチング素子に接続
されている。グランド配線186は縦方向に配置される
場合もある。ここでは、発光素子182が縦2列横2列
配列された場合を示したが、横および縦方向の配列数は
適宜選択することができる。
【0026】図9(b)に示す例では、横方向に第2ス
イッチング配線187およびグランド配線186が配置
されており、縦方向に第1スイッチング配線188およ
び電流供給配線189が配置されている。縦方向の配線
と横方向の配線との間に、発光素子182が配置されて
いる。発光素子182は、図示を省略した電流供給素子
を介して電流供給配線189に接続されており、電流供
給素子は図示を省略したスイッチング素子に接続されて
いる。グランド配線186は縦方向に配置する場合もあ
る。電流供給配線189は横方向に配置する場合もあ
る。ここでは、発光素子182が縦2列横2列配列され
た場合を示したが、横および縦方向の配列数は適宜選択
することができる。
【0027】次に、図10〜図15を参照して、発光素
子、電流供給素子、スイッチング素子および第1スイッ
チング配線188、第2スイッチング配線187等の接
続関係について説明する。図10は、本発明に係る発光
素子を用いた画素の基本単位を表す回路図である。ここ
では、スイッチング素子としてはスイッチング用トラン
ジスタを、電流供給素子としては電流制御用トランジス
タをそれぞれ用いた場合を示した。第1スイッチング配
線188と第2スイッチング配線187とは、それぞれ
図のように縦方向と横方向に敷設されている。スイッチ
ング素子183のドレイン部193aは第1スイッチン
グ配線188に、ゲート194aは第2スイッチング配
線187にそれぞれ接続されている。ソース部195a
は電流供給素子184のゲート194bおよび電圧保持
用コンデンサ185の一方の端子に接続されている。電
圧保持用コンデンサ185の他方の端子はグランド19
0に接続されている。電流供給素子184のドレイン部
193bは電流源191に、ソース部195bは発光素
子182の陽極に接続されている。発光素子182の陰
極はグランド190に接続されている。
【0028】次に、この回路の動作について説明する。
第2スイッチング配線187に電圧を印加すると、スイ
ッチング素子183のゲート194aに電圧が印加され
ることによりドレイン部193aとソース部195aと
の間が導通する。この状態で第1スイッチング配線18
8に電圧を印加すると、ソース部195aに電圧が印加
され、電圧保持用コンデンサ185に電荷が貯えられ
る。これにより、第1スイッチング配線188もしくは
第2スイッチング配線187に印加する電圧をオフにし
ても、電圧保持用コンデンサ185に貯えられた電荷が
消滅するまで電流供給素子184のゲート194bには
電圧が印加され続ける。電流供給素子184のゲート1
94bに電圧が印加されることにより、ドレイン部19
3bとソース部195bとの間が導通し、電流源191
から発光素子182を通過してグランドに電流が流れ、
発光素子182が発光する。一方、第1スイッチング配
線187か第2スイッチング電線188の少なくともど
ちらかに駆動電圧が印加されない場合は、電圧保持用コ
ンデンサ185に電荷ガ蓄積されず電流供給素子184
のゲート部に電圧は印加されないので、発光素子182
を電流が流れることはなく、発光は起こらない。
【0029】図11に示す構成は、図10に示した構成
に、横方向のグランド配線186と縦方向の電流供給配
線189を追加したものである。そして、図10の電流
源191を電流供給配線189に、グランド190をグ
ランド配線186に接続したものであり、その動作は、
図10に図示したものと同様である。
【0030】図12に示すものは、図11に示した構成
に対して、第2スイッチング配線187とグランド配線
186を共通にして、共通配線192としたものであ
る。この場合の動作としては、図の上側の共通配線19
2に電圧が印加されている時には、図の上側の共通配線
192にはグランド電位が印加されるようにする。そし
て、時分割にて交互に切替えて動作させる。
【0031】図13は、図10の発光素子182の位置
を変更した場合の、画素の基本単位を表す回路図であ
る。図13において、図10での構成要素と同等のもの
には図10と同じ参照番号を付しているので重複する説
明は省略する。この回路においては、電流供給素子18
4のドレイン部193bは発光素子182の陰極側に、
ソース部195bはグランド190に接続されている。
また、発光素子182の陽極は電流供給源191に接続
されている。なお、ここではグランド配線および電流印
加配線は省略してある。また、この回路の動作は、図1
0の回路の場合と同様である。
【0032】図14に示す構成は、図13に示した構成
に、横方向のグランド配線186と縦方向の電流供給配
線189を追加したものである。そして、図13の電流
源191を電流供給配線189に、グランド190をグ
ランド配線186に接続したものであり、その動作は、
図13に図示したものと同様である。図15に示すもの
は、図14に示した構成に対して、第2スイッチング配
線187とグランド配線186を共通にして、共通配線
192としたものである。この回路の動作は図12に示
したもののそれと同様である。
【0033】図16は、本発明に係る発光素子を含む画
素を配列して構成した表示装置の概略平面図である。各
画素165は、例えば、図10から図15に示した電気
的な接続関係を有する発光素子により構成される。ここ
では代表的なものとして、図13の構成を用いた場合を
示してある。各画素165は第1スイッチング配線18
8と第2スイッチング配線187に接続されている。第
1スイッチング配線188および第2スイッチング配線
187は、電圧制御回路164に接続され、電圧制御回
路164は画像信号供給源163に接続されている。画
像信号供給源163は、画像情報メディアに記録もしく
は記憶されている画像情報を再生する装置や、入力され
た電気磁気的な情報を電気信号に変換する装置からもた
らされる電気信号を、電圧制御装置164が受け取れる
電気信号形態に変換して、電圧制御装置164に送る機
能を有する。電圧制御装置164は、画像信号供給源1
63からもたらされた電気信号を更に変換し、どの画素
165をどれだけの電流を供給するかを計算し、第1ス
イッチング配線188および第2スイッチング配線18
7に印加する電圧、時間、およびタイミングを決定す
る。これにより、画像情報に基づき発光表示装置は所望
の画像を表示できるようになる。近接した微少画素ごと
に、赤色を基調にする色、緑色を基調にする色、および
青色を基調にする色の三色が発光できるようにすること
により、カラー表示の画像表示装置を得ることができ
る。
【0034】次に、本発明を適用した発光素子のより具
体的な構造について説明する。図17は、本発明の発光
素子を適用した場合の、配線部を含む発光素子周辺部の
平面図である。ゲート線となる第2スイッチング配線1
87はスイッチング素子183のゲート194aに接続
されている。第1スイッチング配線188は、スイッチ
ング素子183のドレイン部193aに接続されてい
る。スイッチング素子183のソースは、電流供給素子
184のゲート194bに接続されるとともに、電圧保
持用コンデンサ185の片方の電極(図では185の下
側)に接続されている。電圧保持用コンデンサ185の
もう一方の電極(図では185の上側)はグランド配線1
86に接続されている。電流供給素子184のドレイン
は、電極配線160を介して発光素子の陰極4に接続さ
れている。陰極4の内側には発光材料層2が形成されて
おり、そのさらに内側には、陽極6が形成されている。
陽極6の上下面にはホール注入阻止層3が形成されてい
る。陽極6は電極配線161を介して電流供給配線18
9に接続されている。
【0035】図18(a)は、図17のA−B線で切断
した断面図である。基体1上に形成された第2層間絶縁
膜202上に陽極6およびこれを上下から挟むホール注
入阻止層3のパターンが図のように断面台形状に形成さ
れている。陽極6およびホール注入素子層3のパターン
端部の基体1表面とのなす角度は、45°以上90°以
下となるように形成されている。ここで、45°以上の
角度となるようにするのは、これ以下の角度では発光材
料層を基板面に対して傾けて形成したことの効果が低下
するからである。陽極6およびホール注入素子層3のパ
ターンの周囲は、発光材料層2により囲まれている。発
光材料層2の外側は、陰極4により囲まれている。
【0036】図18(b)は、図17のC−D線で切断
した断面図である。基体1上にはバリア層205が形成
され、その上に薄膜トランジスタ(以下、TFTと記
す)のチャンネル領域194、ドレイン領域193およ
びソース領域195が図のように形成されている。その
上には、ゲート絶縁膜198が形成され、ゲート絶縁膜
198上のTFTのチャンネル領域194上に位置する
部分にはゲート電極206が形成されている。その上に
は第1層間絶縁膜199が形成されている。第1層間絶
縁膜199とゲート絶縁膜198の、ドレイン領域19
3およびソース領域195の上に位置する部分は選択的
に除去されて、開口部が形成されている。この開口部分
にはドレイン領域193およびソース領域195と接触
するように、ドレイン電極200およびソース電極20
1が形成されている。その上にはドレイン電極200お
よびソース電極201上に開口部が形成された第2層間
絶縁膜202が形成されている。そして、ドレイン電極
200は、第2層間絶縁膜202上に延在する電極配線
160に接続され、ソース電極201は、第2層間絶縁
膜202上に延在するグランド配線186に接続されて
いる。
【0037】図19(a)は、陽極6/ホール注入阻止
層3積層膜パターンを3分割した場合の平面図である。
図19(b)は、図19(a)のA−B線で切断した断
面図である。その他の部分は図17と同様であるので重
複する説明は省略する。また、陽極6/ホール注入阻止
層3積層膜パターンの分割数は適宜選択することができ
る。発光素子を構成する各部材には代表的なものとし
て、以下のものを用いることができる。
【0038】陰極電極材料としては、特に限定するもの
ではないが、好ましくはTi、Al、AlLi,Cu、Ni、Ag、AgM
g,Au、Pt、Pd、Ir、Cr、Mo、W、Ta等が挙げられる。こ
のような陰極電極の厚さは、電子注入を十分行える一定
以上の厚さを有すれば良く、好ましくは50〜500n
m、特に50〜300nmの範囲が好ましい。陰極電極に
用いる金属の抵抗率は1x10-3〜1x10-6Ω・cm
の範囲が好ましい。陰極電極は蒸着法等によっても形成
できるが、好ましくはスパッタ法、さらにはDCスパッ
タ法により形成することが好ましい。DCスパッタ装置
の電力としては、好ましくは0.1〜10W/cm 、特に
0.5〜7W/cm の範囲が好ましい。成膜レートとして
は、0.1〜100nm/min 、特に1〜30nm/min が好
ましい。
【0039】スパッタガスとしては特に限定するもので
はなく、Ar、He、Ne、Kr、Xe等の不活性ガス、あるいは
これらの混合ガスを用いればよい。このようなスパッタ
ガスのスパッタ時における圧力としては、通常0.1〜
20Pa程度でよい。本発明においては、陽極電極を金
属によって形成することが出来るが、その場合、電極材
料としては仕事関数の大きな金属例えば、Au、Ni等を用
いることが出来る。その場合の成膜方法は、上述した陰
極電極の形成方法と同様である。陽極電極を透明導電膜
を用いて形成する場合には、好ましくは発光した光の透
過率が80%以上となるような材料および厚さを決定す
ることが好ましい。具体的には、酸化物透明導電薄膜が
好ましく、例えば、インジウム錫酸化物(ITO)、インジ
ウム亜鉛酸化物(IZO)、酸化インジウム(InO )、酸
化スズ(SnO )および酸化亜鉛(ZnO)のいずれかを主組
成としたものが好ましい。これらの酸化物はその化学量
論組成から多少偏倚していてもよい。例えば、ITOで
は、通常InO とSnO とを化学量論組成で含有する
が、酸素量は多少これから偏倚していてもよい。InO
に対しSnO の混合比は、1〜20wt%が好まし
く、さらには5〜12wt%が好ましい。InO に対し
ZnO の混合比は、12〜32wt%が好ましい。なお、
特にインジウム亜鉛酸化物(IZO)が好ましい。素子の信
頼性を向上させるために駆動電圧を低くし、高効率化を
図るために低抵抗率の陽極材料が必要であるが、このIZ
Oは成膜直後の抵抗が十分低いため、加熱処理の必要が
なく、有機EL素子が加熱により損傷を受けることもな
い。
【0040】透明導電膜である陽極電極を成膜するには
スパッタ法が好ましい。スパッタ法としてはRF電源を
用いた高周波スパッタ法等も可能であるが、成膜する陽
極電極の膜物性の制御のし易さや、成膜面の平滑度等を
考慮するとDCスパッタ法を用いることが好ましい。D
Cスパッタ装置としては、好ましくはマグネトロンDC
スパッタ装置であることが好ましく、磁場強度として
は、ターゲット上の磁束密度Bが、好ましくは500〜
2000gauss(0.05〜0.2T)、特に800〜
1500gauss(0.08〜0.15T)程度が好まし
い。ターゲット上の磁束密度は大きいほど好ましく、磁
束密度を大きくして磁場強度を強くすると、ターゲット
付近に電子を閉じこめるような電極構造をとることによ
って、プラズマ中のスパッタガスの陰極ターゲットに衝
突するイオン数が増加し、プラズマ密度が大きくなる。
プラズマ密度が大きくなると、プラズマ中で粒子同士の
衝突頻度が増し、運動エネルギーの一部が失われ、スパ
ッタされた粒子が基板上に傾斜を持って堆積することに
なる。
【0041】ターゲット上に磁場を得る方法としては、
特に限定されるものではないが、ターゲットの裏面側、
特に冷却部内に磁石を配置することが好ましい。このよ
うな磁場を与える磁石として、例えば、Fe-Nd-B、Sm-C
o、フェライト、アルニコ等が挙げられ、中でもFe-Nd-
B、Sm-Coが大きな磁束密度が得られ好ましい。バイアス
電圧としては、ターゲット基板(バイアス電極)間の電圧
が、好ましくは100〜300V 、特に150〜25
0V の範囲が好ましい。バイアス電圧が高すぎると粒
子の加速度が大きくなり、電極層にダメージを与えやす
くなる。また、バイアス電圧が低すぎるとプラズマ放電
を維持できなくなったり、プラズマ密度が低くなり、上
記効果が得難くなる。なお、磁場強度、バイアス電圧と
も上記範囲の中で、使用環境、装置の規模等に合わせて
最適な値に調整することが好ましい。
【0042】DCスパッタ装置の電力としては、好まし
くは0.1〜10W/cm、特に0.5〜7W/cmの範囲で
ある。また、成膜レートはマグネットなどの装置の条件
にもよるが、好ましくは5〜100nm/min 、特に10
〜50nm/min の範囲が好ましい。スパッタ時の成膜条
件としては、電極形成で通常使用されているガス圧、例
えば、0.1〜0.5Pa、基板-ターゲット間距離4〜1
0cmの範囲とすればよい。
【0043】スパッタガスは、通常のスパッタ装置に使
用される不活性ガスや、反応性スパッタ法ではこれに加
えてN,H,O,CH,NH等の反応性ガスが使用可
能であるが、好ましくはAr、Kr、Xeのいずれか、あるい
はこれらの少なくとも1種以上のガスを含む混合ガスを
用いることが好ましい。これらのガスは不活性ガスであ
り、かつ、比較的原子量が大きいため好ましく、特にA
r、Kr、Xe単体が好ましい。Ar、Kr、Xeガスを用いるこ
とにより、スパッタされた原子が基板まで到達する途
中、上記ガスと衝突を繰り返し、運動エネルギーを減少
させて、基板に到着する。この事からスパッタされた原
子の持つ運動エネルギーが有機EL構造体に与える物理
的ダメージが少なくなる。また、Ar、Kr、Xeの少なくと
も1種以上のガスを含む混合ガスを用いても良く、この
様な混合ガスを用いる場合、Ar、Kr、Xeの分圧の合計は
50%以上として主スパッタガスとして用いる。このよ
うにAr、Kr、Xeの少なくとも1種と任意のガスを組み合
わせた混合ガスを用いることにより、本発明の効果を維
持したまま、反応性スパッタを行うこともできる。陽極
電極の厚さは、ホール注入輸送を十分行える一定以上の
厚さを有すれば良く、好ましくは50〜500nm、さら
には50〜300nmの範囲が好ましい。また、その上限
は特に制限はないが、あまり厚いと剥離などの心配が生
じる。厚さが薄すぎると、製造時の膜強度やホール輸送
能力の点で問題がある。
【0044】次に、本発明の有機EL構造体に設けられ
る有機物層について説明する。発光層は、ホール(正孔)
および電子の注入機能、それらの輸送機能、ホールと電
子の再結合により励起子を生成させる機能を有する。発
光層には比較的電子的にニュートラルな化合物を用いる
ことが好ましい。ホール注入輸送層は、陽極電極からの
ホールの注入を容易にする機能、ホールを安定に輸送す
る機能および電子を妨げる機能を有し、電子注入輸送層
は、陰電極からの電子の注入を容易にする機能、電子を
安定に輸送する機能およびホールを妨げる機能を有する
ものであり、これらの層は、発光層に注入されるホール
や電子を増大・閉じこめさせ、再結合領域を最適化さ
せ、発光効率を改善する。
【0045】発光層の厚さ、ホール注入輸送層の厚さお
よび電子注入輸送層の厚さは特に限定されず形成方法に
よっても異なるが、通常、5〜500nm程度、特に10
〜300nmとすることが好ましい。ホール注入輸送層の
厚さおよび電子注入輸送層の厚さは、再結合・発光領域
の設計によるが、発光層の厚さと同程度もしくは1/1
0〜10倍程度とすればよい。ホールもしくは電子の各
々の注入層と輸送層を分ける場合は、注入層は1nm以
上、輸送層は1nm以上とするのが好ましい。このときの
注入層、輸送層の厚さの上限は、通常、注入層で500
nm程度、輸送層で500nm程度である。このような膜厚
については注入輸送層を2層設けるときも同じである。
【0046】本発明の発光層には発光機能を有する化合
物である蛍光性物質を含有させる。このような蛍光性物
質としては、例えば、特開昭63-264692号公報
に開示されているような化合物、例えばキナクリドン、
ルブレン、スチリル系色素等の化合物から選択される少
なくとも1種が挙げられる。また、トリス(8-キノリノ
ラト)アルミニウム等の8-キノリノールないしその誘導
体を配位子とする金属錯体色素などのキノリン誘導体、
テトラフェニルブタジエン、アントラセン、ペリレン、
コロネン、12-フタロペリノン誘導体等が挙げられ
る。さらには、特願平6-110569号のフェニルア
ントラセン誘導体、特願平6-114456号のテトラ
アリールエテン誘導体等を用いることができる。
【0047】また、それ自体で発光が可能なホスト物質
と組み合わせて使用することが好ましく、ドーパント
(不純物)としての使用が好ましい。このような場合の
発光層における化合物の含有量は0.01〜10wt% 、
さらには0.1〜5wt% であることが好ましい。ホスト
物質と組み合わせて使用することによって、ホスト物質
の発光波長特性を変化させることができ、長波長に移行
した発光が可能になるとともに、素子の発光効率や安定
性が向上する。
【0048】ホスト物質としては、キノリノラト錯体が
好ましく、さらには8-キノリノールないしその誘導体
を配位子とするアルミニウム錯体が好ましい。このよう
なアルミニウム錯体としては、特開昭63-26469
2号、特開平3-255190号、特開平5-70733
号、特開平5-258859号、特開平6-215874
号公報等に開示されているものを挙げることができる。
具体的には、まず、トリス(8-キノリノラト)アルミニ
ウム、ビス(8-キノリノラト)マグネシウム、ビス(ベン
ゾ{f}-8-キノリノラト)亜鉛、ビス(2-メチル-8-キノ
リノラト)アルミニウムオキシド、トリス(8-キノリノ
ラト)インジウム、トリス(5-メチル-8-キノリノラト)
アルミニウム、8-キノリノラトリチウム、トリス(5-
クロロ-8-キノリノラト)ガリウム、ビス(5-クロロ-8
-キノリノラト)カルシウム、5,7-ジクロル-8-キノリ
ノラトアルミニウム、トリス(5,7-ジブロモ-8-ヒド
ロキシキノリノラト)アルミニウム、ポリ[亜鉛(II)-ビ
ス(8-ヒドロキシ-5-キノリニル)メタン]、等がある。
【0049】また、8-キノリノールないしその誘導体
のほかに他の配位子を有するアルミニウム錯体であって
もよく、このようなものとしては、ビス(2-メチル-8-
キノリノラト)(フェノラト)アルミニウム(III) 、ビス
(2-メチル-8-キノリノラト)(オルト-クレゾラト)アル
ミニウム(III) 、ビス(2-メチル-8-キノリノラト)(メ
タークレゾラト)アルミニウム(III) 、ビス(2-メチル-
8-キノリノラト)(パラ-クレゾラト)アルミニウム(III)
、ビス(2-メチル-8-キノリノラト)(オルト-フェニル
フェノラト)アルミニウム(III) 、ビス(2-メチル-8-
キノリノラト)(メタ-フェニルフェノラト)アルミニウム
(III) 、ビス(2-メチル-8-キノリノラト)(パラ-フェ
ニルフェノラト)アルミニウム(III) 、ビス(2-メチル-
8-キノリノラト)(2,3-ジメチルフェノラト)アルミニ
ウム(III) 、ビス(2-メチル-8-キノリノラト)(2,6-
ジメチルフェノラト)アルミニウム(III) 、ビス(2-メ
チル-8-キノリノラト)(3,4-ジメチルフェノラト)ア
ルミニウム(III) 、ビス(2-メチル-8-キノリノラト)
(3,5-ジメチルフェノラト)アルミニウム(III) 、ビス
(2-メチル-8-キノリノラト)(3,5-ジtert-ブチルフ
ェノラト)アルミニウム(III) 、ビス(2-メチル-8-キ
ノリノラト)(2,6-ジフェニルフェノラト)アルミニウ
ム(III) 、ビス(2-メチル-8-キノリノラト)(2,4,6
-トリフェニルフェノラト)アルミニウム(III) 、ビス
(2-メチル-8-キノリノラト)(2,3,6-トリメチルフ
ェノラト)アルミニウム(III) 、ビス(2-メチル-8-キ
ノリノラト)(2,3,5,6-テトラメチルフェノラト)ア
ルミニウム(III) 、ビス(2-メチル-8-キノリノラト)
(1-ナフトラト)アルミニウム(III) 、ビス(2-メチル-
8-キノリノラト)(2-ナフトラト)アルミニウム(III)
、ビス(2,4-ジメチル-8-キノリノラト)(オルト-フ
ェニルフェノラト)アルミニウム(III) 、ビス(2,4-ジ
メチル-8-キノリノラト)(パラ-フェニルフェノラト)ア
ルミニウム(III) 、ビス(2,4-ジメチル-8-キノリノ
ラト)(メタ-フェニルフェノラト)アルミニウム(III) 、
ビス(2,4-ジメチル-8-キノリノラト)(3,5-ジメチ
ルフェノラト)アルミニウム(III) 、ビス(2,4-ジメチ
ル-8-キノリノラト)(3,5-ジtert-ブチルフェノラト)
アルミニウム(III) 、ビス(2-メチル-4-エチル-8-キ
ノリノラト)(パラ-クレゾラト)アルミニウム(III) 、ビ
ス(2-メチル-4-メトキシ-8-キノリノラト)(パラ-フ
ェニルフェノラト)アルミニウム(III) 、ビス(2-メチ
ル-5-シアノ-8-キノリノラト)(オルト-クレゾラト)ア
ルミニウム(III) 、ビス(2-メチル-6-トリフルオロメ
チル-8-キノリノラト)(2-ナフトラト)アルミニウム(I
II) 等がある。
【0050】このほか、ビス(2-メチル-8-キノリノラ
ト)アルミニウム(III) -μ-オキソ-ビス(2-メチル-8-
キノリノラト)アルミニウム(III) 、ビス(2,4-ジメチ
ル-8-キノリノラト)アルミニウム(III) -μ-オキソ-ビ
ス(2,4-ジメチル-8-キノリノラト)アルミニウム(II
I) 、ビス(4-エチル-2-メチル-8-キノリノラト)アル
ミニウム(III) -μ-オキソ-ビス(4-エチル-2-メチル-
8-キノリノラト)アルミニウム(III) 、ビス(2-メチル
-4-メトキシキノリノラト)アルミニウム(III)-μ-オキ
ソ-ビス(2-メチル-4-メトキシキノリノラト)アルミニ
ウム(III) 、ビス(5-シアノ-2-メチル-8-キノリノラ
ト)アルミニウム(III) -μ-オキソ-ビス(5-シアノ-2-
メチル-8-キノリノラト)アルミニウム(III) 、ビス(2
-メチル-5-トリフルオロメチル-8-キノリノラト)アル
ミニウム(III) -μ-オキソ-ビス(2-メチル-5-トリフ
ルオロメチル-8-キノリノラト)アルミニウム(III) 等
であってもよい。
【0051】このほかのホスト物質としては、特願平6
-110569号に記載のフェニルアントラセン誘導体
や、特願平6-114456号に記載のテトラアリール
エテン誘導体なども好ましい。発光層は電子注入輸送層
を兼ねたものであってもよく、このような場合はトリス
(8-キノリノラト)アルミニウム等を使用することが好
ましい。これらの蛍光性物質を蒸着すればよい。また、
必要に応じて発光層は、少なくとも一種以上のホール注
入輸送性化合物と少なくとも1種以上の電子注入輸送性
化合物との混合層とすることも好ましく、この混合層中
にドーパントを含有させることが好ましい。このような
混合層における化合物の含有量は、0.01〜20wt%
、さらには0.1〜15wt% とすることが好ましい。
【0052】混合層では、キャリアのホッピング伝導パ
スができるため、各キャリアは極性的に優勢な物質中を
移動し、逆の極性のキャリア注入は起こり難くなり、有
機化合物がダメージを受け難くなって、素子寿命がのび
るという利点があるが、前述のドーパントをこのような
混合層に含有させることにより、混合層自体のもつ発光
波長特性を変化させることができ、発光波長を長波長に
移行させることができるとともに、発光強度を高め、か
つ素子の安定性を向上させることができる。
【0053】混合層に用いられるホール注入輸送性化合
物および電子注入輸送性化合物は、各々、後述のホール
注入輸送層用の化合物および電子注入輸送層用の化合物
の中から選択すればよい。なかでも、ホール注入輸送層
用の化合物としては、強い蛍光を持ったアミン誘導体、
例えばホール輸送材料であるトリフェニルジアミン誘導
体、さらにはスチリルアミン誘導体、芳香族縮合環を持
つアミン誘導体を用いるのが好ましい。電子注入輸送性
の化合物としては、キノリン誘導体、さらには8-キノ
リノールないしその誘導体を配位子とする金属錯体、特
にトリス(8-キノリノラト)アルミニウム(Alq)を用い
ることが好ましい。また、上記のフェニルアントラセン
誘導体、テトラアリールエテン誘導体を用いるのも好ま
しい。ホール注入輸送層用の化合物としては、強い蛍光
を持ったアミン誘導体、例えば、上記のホール輸送材料
であるトリフェニルジアミン誘導体、さらにはスチリル
アミン誘導体、芳香族縮合環を持つアミン誘導体を用い
るのが好ましい。この場合の混合比は、それぞれのキャ
リア移動度とキャリア濃度を考慮する事で決定するが、
一般的には、ホール注入輸送性化合物の化合物/電子注
入輸送機能を有する化合物の重量比が、1/99〜99/
1、さらには10/90〜90/10、特には20/80
〜80/20程度となるようにすることが好ましい。
【0054】また、混合層の厚さは、分子層一層に相当
する厚みから、有機化合物層の膜厚未満とすることが好
ましく、具体的には1〜85nmとすることが好ましく、
さらには5〜60nm、特には5〜50nmとすることが好
ましい。また、混合層の形成方法としては、異なる蒸着
源より蒸発させる共蒸着が好ましいが、蒸気圧(蒸発温
度)が同程度あるいは非常に近い場合には、予め同じ蒸
着ボード内で混合させておき、蒸着することもできる。
混合層は化合物同士が均一に混合している方が好ましい
が、場合によっては、化合物が島状に存在するものであ
ってもよい。発光層は、一般的には、有機蛍光物質を蒸
着するか、あるいは樹脂バインダ中に分散させてコーテ
ィングすることにより、発光層を所定の厚さに形成す
る。
【0055】また、ホール注入輸送層には、例えば、特
開昭63-295695号公報、特開平2-191694
号公報、特開平3-792号公報、特開平5-23468
1号公報、特開平5-239455号公報、特開平5-2
99174号公報、特開平7-126225号公報、特
開平7-126226号公報、特開平8-100172号
公報、EP0650955A1等に記載されている各種有
機化合物を用いることができる。例えば、テトラアリー
ルベンジシン化合物(トリアリールジアミンないしトリ
フェニルジアミン:TPD)、芳香族三級アミン、ヒドラゾ
ン誘導体、カルバゾル誘導体、トリアゾル誘導体、イミ
ダゾル誘導体、アミノ基を有するオキサジアゾル誘導
体、ポリチオフェン等である。これらの化合物は2種以
上を併用してもよく、併用するときは別層にして積層し
たり、混合したりすればよい。
【0056】ホール注入輸送層をホール注入層とホール
輸送層とに分けて積層する場合は、ホール注入輸送層用
の化合物のなかから好ましい組合せを選択して用いるこ
とができる。このとき、陽極電極(ITO等)側からイオン
化ポテンシャルの小さい化合物の層の順に積層すること
が好ましい。また陽極電極表面には薄膜性の良好な化合
物を用いることが好ましい。このような積層順について
は、ホール注入輸送層を2層以上設けるときも同様であ
る。このような積層順とすることによって、駆動電圧が
低下し、電流リークの発生やダークスポットの発生・成
長を防ぐことができる。また、素子化する場合、蒸着法
を用いているので1〜10nm程度の薄い膜も、均一かつ
ピンホールフリーとすることができるため、ホール注入
層にイオン化ポテンシャルが小さく、可視部に吸収をも
つような化合物を用いても、発光色の色調変化や再吸収
による効率の低下を防ぐことができる。ホール注入輸送
層は、発光層等と同様に上記の化合物を蒸着することに
より形成することができる。
【0057】また、必要に応じて設けられる電子注入輸
送層には、トリス(8-キノリノラト)アルミニウム(Alq
)等の8-キノリノールなしいその誘導体を配位子とす
る有機金属錯体などのキノリン誘導体、オキサジアゾル
誘導体、ペリレン誘導体、ピリジン誘導体、ピリミジン
誘導体、キノキサリン誘導体、ジフェニルキノン誘導
体、ニトロ置換フルオレン誘導体等を用いることができ
る。電子注入輸送層は発光層を兼ねたものであってもよ
く、このような場合はトリス(8-キノリノラト)アルミ
ニウム等を使用することが好ましい。電子注入輸送層の
形成は発光層と同様に蒸着法等によればよい。
【0058】電子注入輸送層を電子注入層と電子輸送層
とに分けて積層する場合には、電子注入輸送層用の化合
物の中から好ましい組み合わせを選択して用いることが
できる。このとき、陰電極側から電子親和力の値の大き
い化合物の順に積層することが好ましい。このような積
層順については電子注入輸送層を2層以上設けるときも
同様である。さらには、エヌ・ティー・エス社出版の
“有機EL素子とその工業化最前線”48から49ペー
ジ、69から70ページ、および86から89ページに
記載されているように、高分子系の発光材料として共役
系高分子有機化合物の前駆体と少なくとも1種の蛍光物
質を含む材料。前駆体としては例えばPPV(ポリパラフ
ェニレンビニレン)、Ro-PPV、CN-PPV、MEH−PPV、DMOS
-PPV等のポリパラフェニレンビニレン誘導体、PAT、PCH
MT、POPT、PTOPT、PDCHT、PCHT、POPT等のポリチオフェ
ン誘導体、PPP(ポリパラフェニレン)、RO-PPP、FP-PP
P、PDAF等のポリパラフェニレン誘導体、PMPS、PPS、PM
rPrS、PNPS、PBPS等のポリシラン誘導体、PAPA、PDPA等
のポリアセチレン誘導体、PdPhQx、PQx、PVK、PPD等の
その他誘導体、あるいはそれらにPerylene(ペリレ
ン)、Qd-1、Coumarine6(クマリン6)、Qd-3、Qd-2、
DCM1、BCzVBi、Rubrene、TPP、DCM2、Coumarin540(ク
マリン540)、Rhodamine6G(ローダミン6G)、Qui
nacridone(キナクリドン)、Sq、Pyazoline(ピアゾリ
ン)、Decacyclene(デカシクレン)、Phenoxazone(フ
ェノザゾーネ)、Euなどの色素を添加した材料を用いる
こともできる。基板材料としては特に限定するものでは
なく、積層する導電体層の材質等により適宜決めること
ができ、例えば、Al等の金属材料や、ガラス、石英や樹
脂等の透明ないし半透明材料、あるいは不透明であって
もよく、この場合はガラス等のほか、アルミナ等のセラ
ミックス、ステンレス等の金属シートに表面酸化などの
絶縁処理を施したもの、フェノール樹脂等の熱硬化性樹
脂、ポリカーボネイト等の熱可塑性樹脂などを用いるこ
とができる。
【0059】本発明の有機EL発光素子体は、通常、直
流駆動型のEL素子として用いられるが、交流駆動また
はパルス駆動とすることもできる。印加電圧は、通常、
5〜20V 程度とされる。陽極バッファ層には銅フタ
ロシアニン(CuPc)、m-MTDATAに代表されるスターバース
とアミンと呼ばれる高分子アリールアミンが低分子系で
は良く用いられる。また。トリフェニルアミン誘導体に
ルイス酸を作用させラジカルカチオンを形成し、導電性
を高くした層を用いることもできる。また、高分子系で
はポリアニリン(PAni)、ポリチオフェン(PEDOT)等の導
電性ポリマーを用いることができる。陽極バッファ層
は、発光層等と同様に上記の化合物を蒸着することによ
り形成することができる。
【0060】スイッチング素子もしくは電流供給素子に
はトランジスタもしくはトランジスタをベースにする素
子が用いられる。スイッチング配線、電流印加配線、第
2スイッチング配線、共通配線、グランド配線には、A
l、Cu、Ta、Ru、WSiなドが用いられる。スパッタ法、蒸
着法、またはCVD法により形成される。また、スイッチ
ング用トランジスタ、および電流制御用トランジスタの
ソース電極、ドレイン電極、およびゲート電極には、A
l、Cu、Ta、Ru、WSiなドを用いることができる。スパッ
タ法、蒸着法、またはCVD法により形成される。ゲート
絶縁膜、第1層間絶縁膜、第2層間絶縁膜、およびバリ
ア層にはAl酸化物、Al窒化物、Si酸化物、Si窒化物ある
いはこれらの混合物を用いることができる。また、ホー
ル注入阻止層と電子注入阻止層の材料としては、無機ま
たは有機の絶縁材料が有利に利用できるが、これに限定
されず、ホールないし電子に対するバリア性の高い材料
であれば、用いることができる。例えば、ホール注入阻
止層として、発光材料層と仕事関数の差がほとんどない
かこれより仕事関数の小さい金属材料を用いてもよい。
陽極をITOなどの透明導電膜を用いて形成下場合に
は、ホール注入阻止層をAlやAl合金などの反射率の高い
金属材料を用いて形成した場合には、光の取り出し効率
をより高めることができる。
【0061】次に、本発明に係る発光素子とその駆動回
路〔図19、図18(b)に示した構造〕の代表的な製
造方法について説明する。図20〜図24は、発光素子
およびその駆動回路の製造方法を工程順に示した断面図
と平面図である。まず、基体1を用意する。基体1は典
型的には無アルカリガラスである〔図20(a)〕。次
に、この基体1上に、バリア層205をスパッタ法やCV
D(chemical vapor deposition)法により形成する〔図2
0(b)〕。次に、その上に、スパッタ法やCVD法、典型
的には500℃程度の温度を印加したLP(low pressure)
CVD法によりシリコン膜162を形成し、レーザ照射に
より多結晶化させる〔図20(c)〕。次に,ゲート絶
縁膜198をスパッタ法やCVD法により形成する。典型
的にはリモートプラズマCVD法によりSiOを成膜して形
成する〔図20(d)〕。次に、その上にゲート電極2
06のパターンを形成する。ゲート電極のパターンは、
例えばスパッタ法や蒸着法によりゲート電極膜、典型的
にはWSiを成膜した上に、フォトレジストをスピンコー
トにより塗布し、光学マスクを用いた露光と現像により
フォトレジストをパターン化し、その上からイオンミリ
ングによりフォトレジストパターンの無い部分のゲート
電極膜を取り除き、最後にフォトレジストを溶媒に溶解
させる等の方法で取り除くことにより形成する。この図
には図示されていないが、このとき同時にゲート電極2
06の延長部に電圧保持コンデンサ185の下部電極が
形成される〔図21(e)〕。次に、シリコン形成部以
外をレジストで覆った後にボロンやリンをイオンドーピ
ングし、ドーピングイオンを活性化させるための熱処理
を典型的には550℃程度の温度で行って、ドレイン領
域193およびソース領域195を形成する。シリコン
膜のイオンドーピングされなかった領域はチャネル領域
194となる〔図21(f)〕。次に、スパッタ法やCVD
法により典型的にはSiOを成膜して第1層間絶縁膜1
99を形成する。次に、フォトリソグラフィ法およびド
ライエッチング法を用いて第1層間絶縁膜199および
ゲート絶縁膜198を選択的に除去してソース・ドレイ
ン領域上にコンタクトホールを形成する〔図21
(g)〕。次に、典型的にはAlをスパッタ法等により堆積
しこれをフォトリソグラフィ法およびドライエッチング
法によりパターニングしてドレイン電極200およびソ
ース電極201を形成する。このとき同時に電流供給配
線189とこれから分岐する電極配線161が形成され
る〔図22(h)〕〔図23(j)参照〕。次に、この上
に、典型的にはSiOを堆積して第2層間絶縁膜202
を形成する〔図22(i)〕。
【0062】この段階における素子構造の上面概略図
は、図23(j)のようになる。但し、全面が第2層間絶
縁膜(202)により覆われているがその図示は省略さ
れている。第2層間絶縁膜(202)上にホール注入阻
止材料層を形成し、これをパターニングして、ストライ
プ状に下部ホール注入阻止層3aを形成する〔図23
(k)〕。次に、第2層間絶縁膜(202)を選択的に除
去して電極配線161の一部表面を露出させる。そし
て、透明導電膜およびホール注入阻止材料層を堆積し、
これらを下部ホール注入阻止層3aの上に重なるように
パターニングして、一端が電極配線161に接触する陽
極6および上部ホール注入阻止層3bを形成する〔図2
4(l)〕。次に、発光材料層2を形成する。発光材料層
2は、典型的にはマスクを用いての蒸着法若しくはスパ
ッタ法により形成する。蒸着の場合は、成膜時の発光材
料の直進性が強いので、基体とるつぼとの間の角度を傾
けることにより、下部ホール注入阻止層3a/陽極6/
上部ホール注入阻止層3bのパターンの側面にも発光材
料が成膜されるよう工夫する必要がある場合がある。次
に、第2層間絶縁膜(202)を選択的に除去してドレ
イン電極200、ソース電極201の表面を露出させ
る。そして、蒸着法もしくはスパッタ法によりAlもしく
はAlLiを堆積しこれをパターニングして、陰極4とこれ
をドレイン電極200に接続する電極配線160を形成
する。このとき同時にソース電極に接続されるグランド
配線186も形成される。陰極4や配線は、マスクを用
いて形成してもよい。これら陰極4や配線を結合形成す
るための金属層を蒸着によって形成する場合は、成膜時
の金属材料の直進性が強いので、基体とるつぼとの間の
角度を傾けることにより、パターン側面にも陰極が成膜
されるよう工夫する必要がある〔図24(m)〕。上述し
た製造方法では、陰極4と電極配線161やグランド配
線186を同時に形成していたが、陰極4と電極配線1
61およびグランド配線186を別々の工程で形成する
ようにし、例えば陰極4をAlLiにより、また電極配線1
61およびグランド配線186をAlにより形成するよう
にしてもよい。
【0063】
【実施例】図7、図8、図13、図16、図18
(b)、図19(a)、図19(b)に示した構成を同
時に有する発光素子を用いて発光表示装置を試作した。
一つの単位素子の大きさは10μmx10μm、表示部の
大きさは40mmx40mmである。これらの素子を試作す
る際に、基体には無アルカリガラスを、金属電極層とし
てはAlLiを、正孔注入層としてはα-NPD、電子輸送層と
兼ねられた発光層としてはAlq3を用いた。陽極バッファ
層には、ポリアニリンを用いた。透明電極層にはIn酸化
物とSn酸化物との混合物(In-xSnxO-y)を用いた。第
2スイッチング配線はWsiを、電極供給配線、第1スイ
ッチング配線およびグランド配線はをAlを用いて形成し
た。同様の材料を用いて、図25に従来例として示した
構造を有する発光表示装置も試作した。
【0064】これら二種類の発光表示装置の透明電極か
らなる陽極部に5ボルトの電位を印加し、さらにすベて
の第1スイッチング配線および第2スイッチング配線に
5ボルトの電位を印加することにより、すベての素子を
発光させその輝度を比較したところ、本発明を適用した
発光表示装置は従来の発光表示装置と比較して約30パ
ーセント輝度が高いという結果が得られた。本発明を適
用した発光表示装置は、発光材料層の端面から発光が生
じるため、発光が基板内に閉じ込められて伝播するよう
なモードが生じず、損失が低減されることから、結果と
して発光効率が向上するため、発光表示装置の発光輝度
が向上したものである。
【0065】以上、本発明の好ましい実施例について説
明したが、本発明は、これら実施例に限定されるもので
はなく、本発明の要旨を逸脱することのない範囲内にお
いて適宜の変更が可能なものである。なお、本発明に係
る発光素子は、表示装置のみならず、照明や光源に用い
ることができるものである。
【0066】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による有機
発光デバイスは、有機発光材料層の端面から光を取り出
すようにしたものであるので、透明ガラス基板と空気と
の界面における光の入射角を小さく抑えることができ
る。従って、本発明によれば、透明ガラス基板と空気と
の界面での光の全反射を防止することができ、光の取り
出し効率を高めることができる。また、透明導電膜を介
することなく光を取り出すようにしたものであるので、
透明導電膜での光の吸収を回避して光の利用効率を一層
高めることができる。さらに、電極と有機発光材料との
水平な接触面にキャリア注入阻止層を設けたものである
ので、無駄な発光を抑制して発光素子の発光効率を高め
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1、第2の実施の形態の発光素子
の断面図と部分拡大図。
【図2】 本発明の第1の実施の形態の発光素子の横断
面図。
【図3】 本発明の第3の実施の形態の発光素子の断面
図。
【図4】 本発明の第4の実施の形態の発光素子の断面
図。
【図5】 本発明の第5の実施の形態の発光素子の断面
図。
【図6】 本発明に適用できる発光材料層の構成を示す
断面図。
【図7】 本発明の単位画素の断面を示す概念図。
【図8】 本発明の単位画素を複数個マトリクス状に配
置した状態を示す平面図。
【図9】 本発明の発光素子と配線との関係を示す平面
概略図。
【図10】 本発明の発光素子と配線の電気的接続関係
を示す回路図。
【図11】 本発明の発光素子と配線の電気的接続関係
を示す回路図。
【図12】 本発明の発光素子と配線の電気的接続関係
を示す回路図。
【図13】 本発明の発光素子と配線の電気的接続関係
を示す回路図。
【図14】 本発明の発光素子と配線の電気的接続関係
を示す回路図。
【図15】 本発明の発光素子と配線の電気的接続関係
を示す回路図。
【図16】 本発明の発光素子を用いて構成した表示装
置を示す平面図。
【図17】 本発明の発光素子を用いて構成した画素の
平面図。
【図18】 図17に示される画素の発光素子部とTF
T部での断面図。
【図19】 本発明の発光素子を用いて構成した画素の
平面図と断面図。
【図20】 本発明の発光素子を用いて構成する画素の
製造工程を工程順に示す断面図(その1)。
【図21】 本発明の発光素子を用いて構成する画素の
製造工程を工程順に示す断面図(その2)。
【図22】 本発明の発光素子を用いて構成する画素の
製造工程を工程順に示す断面図(その3)。
【図23】 本発明の発光素子を用いて構成する画素の
製造工程を工程順に示す平面図と断面図(その1)。
【図24】 本発明の発光素子を用いて構成する画素の
製造工程を工程順に示す平面図と断面図(その2)。
【図25】 従来の発光素子の代表的構成を示す概念
図。
【符号の説明】
1…基体、 2…発光材料層、 2a…発光領域、
2b…非発光領域、2c…発光材料層端面、 2d
…発光材料層上面、 2e…発光材料層基板接触平坦
部、 3…ホール注入阻止層、 3a…下部ホー
ル注入阻止層、 3b…上部ホール注入阻止層、
4…陰極、 5…有効光、 6…陽極、 7…ホ
ール、 8…電子、 9…ホール・電子再結合領
域、10…電子注入阻止層、 20…ホール注入輸送
層、 21…発光層、22…電子注入輸送層、 2
3…ホール注入層、 24…ホール輸送層、25…電
子注入層、 26…電子輸送層、 27…ホール注
入輸送層を兼ねた発光層、 28…電子注入輸送層を
兼ねた発光層、 29…ホール注入輸送層および電子
注入輸送層を兼ねた発光層、 100…発光素子、
101…スイッチング素子、 102…電流供給素
子、 103…有効光、 104…無効光、 1
05…透明基板、 106…透明基板表面、 16
0、161…電極配線、 162…シリコン膜、
163…画像信号供給源、164…電圧制御装置、
165…画素、 182…発光素子、 183…ス
イッチング素子、 184…電流供給素子、 18
5…電圧保持コンデンサ、 186…グランド配線、
187…第2スイッチング配線、188…第1スイ
ッチング配線、 189…電流供給配線、 190
…グランド、 191…電流源、 192…共通配
線、 193…ドレイン領域、 193a、193
b…ドレイン部、 194…チャネル領域、 19
4a、194b…ゲート、 195…ソース領域、
195a、195b…ソース部、 198…ゲート
絶縁膜、 199…第1層間絶縁膜、 200…ド
レイン電極、 201…ソース電極、 202…第
2層間絶縁膜、205…バリア層、 206…ゲート
電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G09G 3/30 G09G 3/30 J H05B 33/12 H05B 33/12 B 33/14 33/14 A 33/22 33/22 Z D B 33/26 33/26 Z (72)発明者 坪井 眞三 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内 (72)発明者 小田 敦 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内 Fターム(参考) 3K007 AB03 AB04 BA06 CA01 DA01 DB03 EB00 GA04 5C080 AA06 BB05 DD26 DD30 EE28 JJ02 JJ03 JJ06 5C094 AA08 AA10 BA03 BA12 BA27 CA19 CA24 DA13 DB04 EA04 EA06 EB02 FA01 FA02 FB01 FB02 FB20 GB10

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に略平行に対向配置された一対の
    電極間に有機物からなる発光材料層が設けられてなる発
    光素子を備えた有機発光デバイスにおいて、前記発光材
    料層は基板面に対して45°以上傾いた部分を有してお
    り、かつ、両電極が基板の表面と平行な面で対向してい
    る部分において、少なくとも一方の電極の他方の電極と
    対向する面上にキャリアの注入を阻止するキャリア注入
    阻止層が形成されていることを特徴とする有機発光デバ
    イス。
  2. 【請求項2】 基板上に略平行に対向配置された一対の
    電極間に有機物からなる発光材料層が設けられてなる発
    光素子を備えた有機発光デバイスにおいて、前記発光材
    料層は基板面に対して45°以上傾いた部分を有してお
    り、かつ、前記発光材料層からの光をいずれの電極をも
    通すことなく取り出すようにしたことを特徴とする有機
    発光デバイス。
  3. 【請求項3】 断面形状が長方形若しくは台形でリブ状
    の第1の電極と、該第1の電極の側面に形成された有機
    物からなる発光材料層と、該発光材料層の側面に形成さ
    れた第2の電極と、を含む発光素子が基板上に形成され
    ている有機発光デバイスにおいて、両電極が基板の表面
    と平行な面で対向している部分において、少なくとも一
    方の電極の他方の電極と対向する面上にキャリアの注入
    を阻止するキャリア注入阻止層が形成されていることを
    特徴とする有機発光デバイス。
  4. 【請求項4】 断面形状が長方形若しくは台形でリブ状
    の第1の電極と、該第1の電極の側面に形成された有機
    物からなる発光材料層と、該発光材料層の側面に形成さ
    れた第2の電極と、を含む発光素子が基板上に形成され
    ている有機発光デバイスにおいて、前記発光材料層から
    の光を前記第1、第2のいずれの電極をも通すことなく
    取り出すようにしたことを特徴とする有機発光デバイ
    ス。
  5. 【請求項5】 一つの発光素子に対して前記第1の電極
    は平行に複数本形成されていることを特徴とする請求項
    3または4記載の有機発光デバイス。
  6. 【請求項6】 二つの前記第1の電極間には基板面に平
    行な発光材料層は形成されていないことを特徴とする請
    求項5記載の有機発光デバイス。
  7. 【請求項7】 前記第1の電極の底面と前記基板との間
    にはキャリア注入阻止層が形成されていることを特徴と
    する請求項5記載の有機発光デバイス。
  8. 【請求項8】 両電極が基板の表面と平行な面で対向し
    ている部分においては、両電極間には発光材料層が形成
    されていないことを特徴とする請求項1〜7のいずれか
    に記載の有機発光デバイス。
  9. 【請求項9】 前記有機発光材料層が、ホール注入輸送
    層および電子注入輸送層を兼ねた発光層、ホール注入輸
    送層と電子注入輸送層を兼ねた発光層との積層体、電子
    注入輸送層とホール注入輸送層を兼ねた発光層との積層
    体、ホール注入層とホール輸送層と発光層と電子輸送層
    と電子注入層との積層体、ホール注入輸送層と発光層と
    電子輸送層と電子注入層との積層体、ホール注入層とホ
    ール輸送層と発光層と電子注入輸送層との積層体、ホー
    ル注入輸送層と発光層と電子注入輸送層との積層体、の
    中のいずれかであることを特徴とする請求項1〜8のい
    ずれかに記載の有機発光デバイス。
  10. 【請求項10】 両電極がともに金属により形成されて
    いることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の
    有機発光デバイス。
  11. 【請求項11】 いずれか一方の電極の光取り出し部に
    は開口が形成されていることを特徴とする請求項10記
    載の有機発光デバイス。
  12. 【請求項12】 前記発光材料層の陽極が形成される側
    に接して形成される前記キャリア注入阻止層が金属によ
    り形成されていることを特徴とする請求項1〜9のいず
    れかに記載の有機発光デバイス。
  13. 【請求項13】 前記基板上に複数の前記発光素子がマ
    トリクス状に配列されていることを特徴とする請求項1
    〜12のいずれかに記載の有機発光デバイス。
  14. 【請求項14】 前記各発光素子には、これに電流を供
    給する電流供給用トランジスタとこの電流供給用トラン
    ジスタを制御するスイッチングトランジスタとが付設さ
    れており、アクティブマトリクス方式にて駆動されるこ
    とを特徴とする請求項13記載の有機発光デバイス。
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