JP2002170688A - 有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents
有機エレクトロルミネッセンス素子Info
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Abstract
極を有する有機EL素子を提供する。 【解決手段】 基板2上に順次積層した陽極4と、有機
化合物薄膜よりなる少なくとも一層以上の電荷キャリア
輸送層51及び発光層52を含む有機エレクトロルミネ
ッセンス層5と、陰極6とからなる有機エレクトロルミ
ネッセンス素子1であって、陽極4は、発光層52で発
光した光を外部に取り出すための開口部3aを有する金
属層3とこの金属層3を覆って積層された透明導電膜4
aからなり、かつ金属層3の比抵抗は、透明導電膜4a
よりも低い。
Description
とにより発光する物質のエレクトロルミネッセンス(以
下、ELという)を利用した有機EL素子の電極構造に
関する。
トラセン等の単結晶において、キャリア注入によるEL
発光現象の発見から研究が始まった。今では、エリアカ
ラーの車載オーディオ用表示パネルが実用化され、フル
カラーを用いた携帯端末機器やパーソナルコンピュータ
のディスプレイ等に応用展開が図られている。
を有している。図5において、20は有機EL素子であ
り、透明ガラス基板21の表面にITO(indium
tin oxide)等の透明導電膜からなる陽極2
2、有機膜からなるホール輸送層23、電子輸送性の発
光層24、アルミニウム(Al)等の金属膜からなる陰
極25を順次積層した構成を有する。ホール輸送層23
としては、例えば、アリールジアミン化合物が、また、
発光層24としては、例えば、トリス(8−キノール)
アルミニウム有機金属錯体(Alq3)等が適用され
る。
圧Eを印加すると、陽極22からホールが注入され、ホ
ール輸送層23によって輸送される。一方、陰極25か
らは電子が注入され、電子は電子輸送性の発光層24に
よって輸送される。そして、上記ホールと電子はホール
輸送層23と発光層24の界面に達し、この界面近傍で
ホール及び電子が再結合する。このとき、ホールと電子
との結合エネルギーが発光層24中の発光色素分子へ移
動し、色素分子を励起させる励起状態から基底状態に戻
る際、光に変換されて放出される。ここでは、発光層2
4がAlq3であるため緑色の発光となる。こうして発
生した光は、透明導電膜からなる陽極22を介して、透
明ガラス基板21から外部に取り出される。
素子の模式図であり、表示パネルを構成させたものであ
る。図6において、(a)は有機EL素子の概略断面図
であり、(b)はその平面図である。図6において、3
0はパッシブマトリクス型の有機EL素子であり、一枚
のガラス基板31上に順次積層された透明導電膜からな
るストライプ状の陽極32と、有機EL層35と、スト
ライプ状の陰極36とを備えている。有機EL層35
は、ガラス基板31側から順にホール輸送層33、電子
輸送性の発光層34が積層されている。陰極36は、陽
極32と直交するように形成され、陽極32と陰極36
の交差部が画素37を構成している。
と、上述したようにホール輸送層33と発光層34との
界面において、ホールと電子とが再結合することによっ
て発生した光が陽極32を介して透明ガラス基板31側
から外部に取り出される。この際、陽極32及び陰極3
6間に印加する電圧を映像信号に応じて制御すれば、透
明ガラス基板31から取り出される光によって映像が表
示されることとなる。
おいて、ストライプ状に配置した陽極32及び陰極36
の抵抗値が大きい場合には、これらの電極32、36に
おける電圧降下が大きくなり、これらの電極32、36
間に必要な電圧が印加されないこととなる。特に、陽極
32に適用されるITO等の透明導電膜の比抵抗は一般
に大きいため、この陽極32における電圧降下が重要な
問題となっていた。この問題を解決するために、特開平
4−254887号公報に開示の有機EL素子は、陽極
の比抵抗が1×10-5Ω・cm以下、例えば、Al等の
金属膜と透明導電膜を積層形成して、陽極の抵抗値を下
げている。
技術は、有機EL膜で発光した光を外部に取り出さすた
めの取り出し口となる陽極の透明導電膜を、透過率の低
いAl等の金属膜で覆っているため出射光量が低下し、
表示輝度が低下する問題を有している。本発明は、懸か
る課題を解決するためになされたものであり、出射光量
の低下を招くことのない低抵抗な陽極を有する有機エレ
クトロルミネッセンス素子を提供することを目的とす
る。
明は、基板上に陽極と、有機化合物薄膜よりなる少なく
とも一層以上の電荷キャリア輸送層及び発光層を含む有
機エレクトロルミネッセンス層と、陰極とを順次積層し
てなる有機エレクトロルミネッセンス素子であって、前
記陽極は、前記発光層で発光した光を外部に取り出すた
めの開口部を有する金属層とこの金属層を覆って積層さ
れた透明導電膜からなり、かつ前記金属層の比抵抗は、
前記透明導電膜よりも低いことを特徴とする有機エレク
トロルミネッセンス素子を提供する。第2の発明は、前
記基板が透明ガラス基板からなり、かつ前記陽極は、ス
トライプ状に配置され、前記陰極は、前記陽極に直交す
るようにストライプ状に配置されていることを特徴とす
る請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を
提供する。第3の発明は、基板上に陰極と、有機化合物
薄膜よりなる少なくとも一層以上の電荷キャリア輸送層
及び発光層を含む有機エレクトロルミネッセンス層と、
陽極とを順次積層してなる有機エレクトロルミネッセン
ス素子であって、前記基板は、アクティブマトリクス駆
動層を備えたシリコン基板であり、かつ前記陰極は、所
定の画素サイズを有してマトリクス状に配置され、前記
陽極は、透明導電膜とこの透明導電膜を覆い、かつ前記
陰極に対応する部分以外に前記発光層で発光した光を外
部に取り出すための開口部を有する金属層とからなるこ
とを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子を提
供する。
至図4を参照して説明する。図1は、本発明の第1実施
形態を模式的に示した概略断面図である。図1におい
て、1は有機EL素子であり、透明ガラス基板2上に、
開口部3aを有する金属層3及びこの金属層3を覆って
積層されたITO等の透明導電膜4aからなり、かつ金
属層3の比抵抗が透明導電膜4aよりも低い陽極4と、
有機化合物薄膜よりなる有機EL層5と、Al等の金属
膜からなる陰極6とを順次積層した構成を有する。
側からホール輸送層51と、電子輸送性の発光層52と
を順次積層した構成をなしている。金属層3を含む陽極
4と陰極6はそれぞれストライプ形状を有して互いに直
交して配置され、パッシブマトリクス型の有機EL素子
を構成している。この場合、陽極4と陰極6の交差部が
画素7となる。更に、金属層3は、良好な導電性を有
し、透明ガラス基板2に密着形成されている。そして、
上記金属層3には、有機EL層5の発光層52で発光し
た光を外部に取り出すための開口部3aが画素7に対応
した部分に形成されている。
子は次のように動作する。陽極4と陰極6間に電圧が印
加されると、前述したように陽極4からホールが注入さ
れ、ホールはホール輸送層51によって陰極6方向に輸
送される。一方、陰極6からは電子が注入され、電子は
電子輸送性の発光層52によって陽極4方向に輸送され
る。そして、ホールと電子はホール輸送層51と発光層
52の界面近傍で再結合する。このとき、ホールと電子
との結合エネルギーが発光層52中の発光色素分子へ移
動し、色素分子を励起させる励起状態から基底状態に戻
る際、光に変換されて、この光が放出される。
は、陽極4の透明導電膜4a及び金属層3の開口部3a
を介して透明ガラス基板2側から外部に取り出される。
本発明の第1実施形態によれば、陽極4は、透明ガラス
基板2上に導電性の良好な金属層3を密着して備えてい
るので、陽極4の抵抗値が低下する。それ故、陽極4に
おける電圧降下が抑制され、対向する陽極4と陰極6と
の間には必要な電圧が印加されることになり、画素7部
において所定の発光強度を得ることができる。さらに、
画素7に対応した金属層3には所定のサイズの開口部3
aが設けられているので、画素7で発光した光のほぼ全
てを上記開口部3aを介して外部に取り出すことができ
るため、高輝度な有機EL素子の提供が可能となる。
示した概略断面図である。図2の有機EL素子は、基板
側に陰極を形成し、陽極を最表面として、陰極と反対の
基板側から有機EL層で発光した光を取り出すようにし
たアクティブマトリクス型の有機EL素子である図2に
おいて、10は第2実施形態の有機EL素子であり、シ
リコン基板11面に形成されたアクティブマトリクス駆
動部12上にAl等の金属膜からなる陰極13と、有機
EL層14と、陽極15とを順次積層した構成を有して
いる。また、有機EL層14は、シリコン基板11側か
ら見て、電子輸送性の発光層141とホール輸送層14
2とを順次積層した構成をなしており、陽極15は、シ
リコン基板11側から見て、ITO等の透明導電膜15
aと、Al等の金属層16とを積層した構成を有し、金
属膜16には、有機EL層14で発光した光を外部に取
り出すための開口部16aが画素17に対応した部分に
形成されている。
12上に所定の画素サイズを有してマトリクス状に配置
されており、陽極15は共通電極を構成している。そし
て、陰極13と陽極15との対向部が画素17を構成す
る。
1実施形態と同様であるので繰り返しての説明は避ける
が,陽極15は画素17の対応部分を除いて金属層16
を密着して備えているため、陽極15の抵抗値が低下す
る。それ故、陽極15における電圧降下が抑制され、互
いに対向する陽極15と陰極13間には必要な電圧が印
加されることになり、画素17部分において所定の発光
強度を得ることができる。さらにまた、有機EL層14
で発光した光のほとんど全てが、シリコン基板11の最
表面に備えた陽極15の透明導電膜15aを透過して金
属層16に設けた開口部16aから外部に取り出され
る。従って、高輝度な有機EL素子を提供することがで
きる。
来例と比較してその効果を述べる。なお、ここで説明す
る実施例は、図1のパッシブマトリクス型有機EL素子
に対する適用例である。
1の構成を有するものであり、次のようにして形成した
ものである。即ち、透明ガラス基板1上に、金属層3と
して画素7に対応した所定サイズの開口部3aを備えた
Alの薄膜を15nmの厚みで形成し、さらにその上に
ストライプ状のITO膜を80nmの厚みで金属層3上
に形成して陽極4を作製する。このITO膜は成膜後、
400Wの酸素プラズマ中で1分間アッシング処理され
る。
´−ビス[N―(1−ナフチル)−N―フェニルアミ
ノ]ビフェニル)の50nm厚の膜を適用し、電子輸送
性発光層52としてはAlq3の50nm厚の膜を適用
した。また、陰極6としては80nmの厚みのAlを、
上記開口部3aに対応する位置で陽極4と直交させてス
トライプ状に形成した。
実施例1においてAlの金属層3を50nm厚の銅(C
u)に置き換えたものであり、その他の要素については
実施例1と同一としたものである。
実施例1においてAlの金属層3を40nm厚の金(A
u)に置き換えたものであり、その他の要素については
実施例1と同一としたものである。
実施例1において隣接画素間のAl金属層3を画素7間
方向に50%減じて、実質的に開口部3aのサイズを大
きくしたものであり、その他の要素については実施例1
と同一としたものである。
図3に陽極4を拡大して示しているように画素7間の5
0%を金属層3のみで形成し、画素対応部をITOの透
明導電膜4aで形成したものである。金属膜3とITO
の透明電極膜4aとは10μm程度のオーバーラップ部
を有する。上記陽極4を除いて、他の要素については実
施例1と同一としている。
実施例1の素子から金属層3を除去したものであり、そ
の他の要素については実施例1と同一としたものであ
る。
実施例1の素子において金属層3が開口部3aを備えて
いないものであり、その他の要素については実施例1と
同一としたものである。
実施例1において隣接画素間のAl金属層3を画素7間
方向に70%減じたものであり、その他の要素について
は実施例1と同一として形成したものである。
件の基で試験し比較された。その結果を図4に示す。図
4は各有機EL素子の陽極の抵抗値と2500cd/m
2の輝度を得るのに必要な電圧について比較した図であ
る。図4の実施例1乃至3の有機EL素子と比較例1の
有機EL素子とを比較した場合、前者の駆動電圧は8〜
9Vであるのに対して後者は15V必要である。即ち、
実施例1乃至3の有機EL素子の方が同一の輝度を得る
のに必要な駆動電圧が低くなっていることが分かる。こ
れは、陽極4が透明導電膜4aに密着して良導体である
金属層3を備えているため、陽極4の抵抗値が低下した
ためであると考えられる(実施例1乃至3は1.8〜
2.4Ωであるのに対し、比較例1は22Ω)。
L素子の比較から金属層3に開口部3aを備えた効果が
確認される。即ち、比較例2の有機EL素子は、陽極4
が透明導電膜4aに密着して金属層3を備えているため
その抵抗値は2Ωと低いが、金属層3が画素対応部に開
口部がないために、有機EL層5で発光した光の透過が
金属層3で制限され、それ故、必要輝度を得るための駆
動電圧が20V以上と高くなっている。これに対し、実
施例1乃至5の有機EL素子は金属層3が開口部3aを
備えるために、有機EL層5の発光層52で発光した光
は何ら制限を受けることなく外部に取り出すことができ
る。それ故、所定の輝度を得るための駆動電圧が8〜1
0Vと低くい。
より隣接画素間における金属層3の占める割合に限界が
あることが分かる。即ち、実施例1乃至3と実施例4の
比較では、所定の輝度を得るための駆動電圧は共に8〜
10V程度であり、実施例4のように隣接画素間の金属
層3を画素7間方向に50%まで減じても(金属層3の
形成領域が画素間の50%の意)駆動電圧に大きな変化
はない。ところが、比較例3のように隣接画素間の金属
層3を画素7間方向に70%まで減じると(金属層3の
形成領域が画素間の30%の意)駆動電圧が13Vに高
くなる。これより、金属層3の形成領域は画素7間の4
0%以上、好ましくは50%以上とするのがよいことが
わかる。
両者の駆動電圧には明らかな差が見られず(実施例4は
10Vであり、実施例5は9.5Vであった)、画素7
間の陽極構成の差異は有機EL素子の発光効率には何ら
影響を及ぼしていないことが分かる。即ち、画素7間の
抵抗値は金属層3が支配していると考えられる。なお、
本発明は上記の実施例に限定されるものでなく、本発明
の技術的範囲に属するもの全てに適用できるものであ
る。
に、基板上に陽極と、有機化合物薄膜よりなる少なくと
も一層以上の電荷キャリア輸送層及び発光層を含む有機
エレクトロルミネッセンス層と、陰極とを順次積層して
なる有機エレクトロルミネッセンス素子であって、前記
陽極は、前記発光層で発光した光を外部に取り出すため
の開口部を有する金属層とこの金属層を覆って積層され
た透明導電膜からなり、かつ前記金属層の比抵抗は、前
記透明導電膜よりも低いので、当該陽極全体の抵抗値を
低下させることができ、有機エレクトロルミネッセンス
発光を効率よく行わせることができる。さらに、画素に
対応した部分であって上記金属層に開口部を設けたこと
によって、有機エレクトロルミネッセンス層で発光した
光を何ら損なうことなく外部に取り出すことができるの
で、高輝度な有機EL素子を得ることができる。また、
前記基板が透明ガラス基板からなり、かつ前記陽極は、
ストライプ状に配置され、前記陰極は、前記陽極に直交
するようにストライプ状に配置されているので、高効率
で高輝度なパッシブマトリクス型の有機エレクトロルミ
ネッセンス素子が提供できる。更にまた、基板上に陰極
と、有機化合物薄膜よりなる少なくとも一層以上の電荷
キャリア輸送層及び発光層を含む有機エレクトロルミネ
ッセンス層と、陽極とを順次積層してなる有機エレクト
ロルミネッセンス素子であって、前記基板は、アクティ
ブマトリクス駆動層を備えたシリコン基板であり、かつ
前記陰極は、所定の画素サイズを有してマトリクス状に
配置され、前記陽極は、透明導電膜とこの透明導電膜を
覆い、かつ前記陰極に対応する部分以外に前記発光層で
発光した光を外部に取り出すための開口部を有する金属
層とからなるので、高精細、高効率、高輝度なアクティ
ブマトリクス型の有機エレクトロルミネッセンス素子を
得ることができる。
面図である。
面図である。
る。
2500cd/m2の輝度を得るのに必要な電圧を比較
した図である。
である。
るための略示図である。
明ガラス基板、3,16…金属層、3a,16a…開口
部、4,15…陽極、4a,15a…透明導電膜、6,
13…陰極,11…シリコン基板、12…アクティブマ
トリクス駆動層、51,142…ホール輸送層(電荷キ
ャリア輸送層)、52,141…発光層
Claims (3)
- 【請求項1】基板上に陽極と、有機化合物薄膜よりなる
少なくとも一層以上の電荷キャリア輸送層及び発光層を
含む有機エレクトロルミネッセンス層と、陰極とを順次
積層してなる有機エレクトロルミネッセンス素子であっ
て、 前記陽極は、前記発光層で発光した光を外部に取り出す
ための開口部を有する金属層とこの金属層を覆って積層
された透明導電膜からなり、かつ前記金属層の比抵抗
は、前記透明導電膜よりも低いことを特徴とする有機エ
レクトロルミネッセンス素子。 - 【請求項2】前記基板が透明ガラス基板からなり、かつ
前記陽極は、ストライプ状に配置され、前記陰極は、前
記陽極に直交するようにストライプ状に配置されている
ことを特徴とする請求項1記載の有機エレクトロルミネ
ッセンス素子。 - 【請求項3】基板上に陰極と、有機化合物薄膜よりなる
少なくとも一層以上の電荷キャリア輸送層及び発光層を
含む有機エレクトロルミネッセンス層と、陽極とを順次
積層してなる有機エレクトロルミネッセンス素子であっ
て、 前記基板は、アクティブマトリクス駆動層を備えたシリ
コン基板であり、かつ前記陰極は、所定の画素サイズを
有してマトリクス状に配置され、前記陽極は、透明導電
膜とこの透明導電膜を覆い、かつ前記陰極に対応する部
分以外に前記発光層で発光した光を外部に取り出すため
の開口部を有する金属層とからなることを特徴とする有
機エレクトロルミネッセンス素子。
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