JP3143350B2 - 有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子

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JP3143350B2
JP3143350B2 JP07042382A JP4238295A JP3143350B2 JP 3143350 B2 JP3143350 B2 JP 3143350B2 JP 07042382 A JP07042382 A JP 07042382A JP 4238295 A JP4238295 A JP 4238295A JP 3143350 B2 JP3143350 B2 JP 3143350B2
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孝介 竹内
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ホール注入電極と電
子注入電極との間に、少なくとも有機材料を用いたキャ
リア輸送層と発光層とが積層された有機エレクトロルミ
ネッセンス素子に係り、特に、複数色の発光が簡単かつ
効率よく行なえる有機エレクトロルミネッセンス素子に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、情報機器の多様化等にともなっ
て、従来より一般に使用されているCRTに比べて消費
電力や空間占有面積が少ない平面表示素子のニーズが高
まり、このような平面表示素子の一つとしてエレクトロ
ルミネッセンス素子(以下、EL素子と略す。)が注目
されている。
【0003】そして、このEL素子は使用する材料によ
って無機EL素子と有機EL素子に大別され、無機EL
素子においては、一般に発光部に高電界を作用させ、電
子をこの高電界中で加速して発光中心に衝突させ、これ
により発光中心を励起させて発光させるようになってい
る一方、有機EL素子においては、電子注入電極とホー
ル注入電極とからそれぞれ電子とホールとを発光部内に
注入させ、このように注入された電子とホールとを発光
中心で再結合させて、有機材料を励起させ、この有機材
料が励起状態から基底状態に戻るときに蛍光を発光する
ようになっている。
【0004】ここで、無機EL素子においては、上記の
ように高電界を作用させるため、その駆動電圧として1
00〜200Vと高い電圧を必要とするのに対し、上記
の有機EL素子においては、5〜20V程度の低い電圧
で駆動できるという利点があり、近年、このような有機
EL素子について様々な研究が行なわれるようになっ
た。
【0005】そして、このような有機EL素子における
素子構造としては、ホール注入電極と電子注入電極との
間にホール輸送層と発光層と電子輸送層とを積層させた
DH構造と称される三層構造のものや、ホール注入電極
と電子注入電極との間にホール輸送層と電子輸送性に富
む発光層とが積層されたSH−A構造と称される二層構
造のものや、ホール注入電極と電子注入電極との間にホ
ール輸送性に富む発光層と電子輸送層とが積層されたS
H−B構造と称される二層構造のものが知られていた。
【0006】また、上記のような有機EL素子において
は、発光材料である螢光物質を適当に選択することによ
って適当な色彩に発光する発光素子を得ることができ、
近年においては、交通標識等の表示装置やマルチカラー
やフルカラーの表示装置等としても利用するために、有
機EL素子を用いて同時に複数色の発光が得られるよう
にするための研究が行なわれるようになった。
【0007】そして、従来においては、このように有機
EL素子を用いて複数色の発光が得られるようにするた
め、例えば、特開平3−187192号公報において
は、ホール注入電極と電子注入電極との間に発光層を設
けるにあたり、マスクを用いて発光ピーク波長が異なる
複数の発光層が重ならないように上手く接合させて、同
一平面上に複数の発光層をモザイク状に形成し、それぞ
れの発光層からそれぞれ異なった色彩の発光が得られる
ようにしたものが提案されている。
【0008】しかし、上記のようにマスクを用いて発光
層相互が重ならないように上手く接合させて、同一平面
上に複数の発光層を形成することは非常に困難であり、
発光層相互の接合部分において発光層相互が重なりあ
い、これによって発光輝度が低下したり発光色が変化し
たりするという問題があり、また発光層相互の接合部分
に隙間が生じ、その隙間を通して電流がリークして発光
が得られなくなる等の問題があった。
【0009】また、特開平6−68977号公報におい
ては、発光ピーク波長の異なる複数の有機EL素子をそ
れぞれの発光部が重ならないように積み重ね、それぞれ
の有機EL素子を発光させて、異なった色彩の発光が得
られるようにしたものが提案されている。
【0010】しかし、同公報に示されるものにおいて
は、有機EL素子を複数積み重ねるため、光を取り出す
面から離れた位置にある有機EL素子において発光され
た光は他の有機EL素子を通って導かれるため、途中に
おける他の有機EL素子によってこの光が吸収された
り、反射されたり、拡散されたりし、これによって光の
取出側の面に導かれる光の輝度が著しく低下すると共
に、有機EL素子から発光された光の色が途中で変化す
ることもあり、十分な輝度をもつ適切な複数色の発光が
得られない等の問題があった。
【0011】さらに、米国特許第5294870号公報
においては、発光層において青色の発光を行なう有機E
L素子を用い、この有機EL素子において発光された光
を取り出す側の面に、青色の光を吸収して緑色の光や、
赤色の光を出す各蛍光層を設け、これによって複数色の
光を得るようにしたものが提案されている。
【0012】しかし、同公報のものにおいても、発光層
において発光された低エネルギーの可視光を有機EL素
子に設けられた透明電極やガラス基板を通して各蛍光層
に導くため、蛍光層に導かれる光が弱く、また蛍光層に
導かれる間に発光された光が透明電極やガラス基板で反
射されたり、吸収されたり、拡散されたりしてさらに弱
くなり、各蛍光層における螢光物質を十分に励起させる
ことが困難で、各蛍光層において緑色や赤色の光を十分
に発光させることができず、十分な輝度をもつ複数色の
光が得られない等の問題があった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、有機EL
素子を用いて複数色の発光を行なう場合における上記の
ような問題を解決することを課題とするものであり、十
分な輝度をもつ複数色の発光が簡単かつ効率良く行なえ
る有機EL素子を提供するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】この発明においては、上
記のような課題を解決するため、ホール注入電極と電子
注入電極との間に、少なくとも有機材料を用いたキャリ
ア輸送層と発光層とが積層された有機エレクトロルミネ
ッセンス素子において、上記の発光層と積層されるよう
にして、この発光層における発光ピーク波長と異なった
発光ピーク波長をもつ発光部を部分的に設けるようにし
たのである。
【0015】ここで、この発明の有機EL素子において
は、そのホール注入電極として、金やITO(インジウ
ム−スズ酸化物)等の仕事関数の大きな材料を用いるよ
うにする一方、電子注入電極としては、マグネシウム等
の仕事関数の小さな電極材料を用いるようにし、EL光
を取り出すために、少なくとも一方の電極を透明する必
要があり、一般にはホール注入電極に透明で仕事関数の
大きいITOを用いるようにする。
【0016】また、この発明における有機EL素子の素
子構造は、ホール注入電極と電子注入電極との間にホー
ル輸送層と発光層と電子輸送層とが積層されたDH構造
のものにおいて、発光層における発光ピーク波長と異な
った発光ピーク波長をもつ発光部を部分的に設けたもの
であってもよいが、素子構造が簡単で容易に製造できる
ようにすると共に、発光部において十分な輝度をもつ発
光が得られるようにするため、ホール注入電極と電子注
入電極との間に、ホール輸送層と電子輸送性の発光層と
が積層されたSH−A構造のものや、ホール輸送性の発
光層と電子輸送層とが積層されたSH−B構造のものに
おいて、その発光層における発光ピーク波長と異なった
発光ピーク波長をもつ発光部を、その発光層と積層され
るようにして部分的に設けるようにすることが好まし
い。
【0017】また、この発明の有機EL素子において、
発光層における発光ピーク波長と異なった発光ピーク波
長をもつ発光部を設ける場合、この発光部において発光
された光が発光層等で吸収されて減少しないようにする
ため、この発光部における発光ピーク波長が発光層にお
ける発光ピーク波長より長波長になるようにすることが
好ましい。
【0018】さらに、この発明の有機EL素子において
は、発光層と発光ピーク波長が異なる数種類の発光部を
設けることができ、例えば、発光層が青色に発光する場
合、赤色に発光する発光部と、緑色に発光する発光部と
を設けるようにすることも可能であり、またこの発光部
は単独の発光材料で構成されたものの他、電子輸送性材
料やホール輸送性材料に発光材料を含有させたものであ
ってもよく、発光材料を含有させる電子輸送性材料やホ
ール輸送性材料としては、電子輸送層や、ホール輸送層
や、電子輸送性或いはホール輸送性の発光層に使用した
ものと同じ電子輸送性材料やホール輸送性材料を使用す
ることができる。
【0019】
【作用】この発明における有機エレクトロルミネッセン
ス素子においては、上記のようにホール注入電極と電子
注入電極との間において、発光層における発光ピーク波
長と異なった発光ピーク波長をもつ発光部を、発光層に
積層されるようにして部分的に設けているため、この発
光部が設けられていない部分においては、上記の発光層
が発光する一方、この発光部が設けられた部分において
は、上記の発光層が発光部に電子やホールを輸送するキ
ャリア輸送層として作用し、この発光層が発光せずに、
上記の発光部が発光するようになり、発光部が設けられ
ていない部分と発光部が設けられた部分とにおいてそれ
ぞれ異なった色彩の発光が行なわれるようになり、発光
部を文字や絵等の適当な形状に形成することによって様
々な表示が可能になる。
【0020】また、この発光部において発光される光の
発光ピーク波長が発光層における発光ピーク波長より長
波長になるようにすると、この発光部において発光され
た光が発光層で吸収されて減少するということが少な
く、発光部から十分な輝度をもつ光が得られるようにな
る。
【0021】また、発光ピーク波長が異なる数種類の発
光部を設けるようにした場合、マトリクス電極による駆
動や液晶フィルターのON,OFF制御によって、マル
チカラーの表示が行なえると共に、例えば、発光層が青
色に発光する場合、発光部として、赤色に発光する発光
部と、緑色に発光する発光部とを設けると、青、緑、赤
の三原色の光を得ることができ、フルカラー表示も行な
えるようになる。
【0022】また、上記の発光部をホール輸送層と電子
輸送性の発光層とが積層されたSH−A構造のものや、
ホール輸送性の発光層と電子輸送層とが積層されたSH
−B構造のものに設けるようにした場合、ホール輸送層
と発光層と電子輸送層とが積層されたDH構造のものに
設ける場合に比べて、その素子構造が簡単で製造が容易
になると共に、発光部に対するホールや電子の輸送及び
注入が効率よく行なわれて、十分な輝度をもつ発光が得
られるようになる。
【0023】
【実施例】以下、この発明の実施例を添付図面に基づい
て具体的に説明する。
【0024】(実施例1)この実施例における有機EL
素子においては、図1に示すように、ガラス基板1上に
ITOで膜厚が2000Åになった透明なホール注入電
極2が形成され、このホール注入電極2上に下記の化1
に示すN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メ
チルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジ
アミン(以下、MTPDとする。)からなるホール輸送
材料で膜厚が500Åのホール輸送層3が形成され、こ
のホール輸送層3上に下記の化2に示すルブレンからな
る発光材料で膜厚が100Åの発光部4が部分的に形成
され、またこの発光部4及び上記ホール輸送層3の上に
下記化3に示すトリス(8−ヒドロキシキノリン)アル
ミニウム(以下、Alq3 とする。)からなる電子輸送
性の発光材料で膜厚が500Åの電子輸送性の発光層5
aが形成され、さらにこの発光層5a上にマグネシウム
・インジウム合金で構成された膜厚が2000Åの電子
注入電極6が形成された構造になっている。そして、上
記のホール注入電極2とこの電子注入電極6とにそれぞ
れリード線10を接続して、ホール注入電極2に+、電
子注入電極6に−のバイアス電圧を印加させるようにな
っている。
【0025】
【化1】
【0026】
【化2】
【0027】
【化3】
【0028】次に、この実施例の有機EL素子を製造す
る方法を具体的に説明する。
【0029】まず、表面にITOで構成されたホール注
入電極2が形成されたガラス基板1を中性洗剤により洗
浄した後、これをアセトン中で20分間、エタノール中
で20分間それぞれ超音波洗浄を行なった。次いで、ガ
ラス基板1上に形成された上記のホール注入電極2上に
前記のMTPDを真空蒸着させてホール輸送層3を形成
した。そして、このホール輸送層3上の一部にメタルマ
スクを用いて前記のルブレンを真空蒸着させて発光部4
を形成し、その後、この発光部4と発光部4が設けられ
ていないホール輸送層3との上に前記のAlq3 を真空
蒸着させて電子輸送性の発光層5aを形成し、更にこの
発光層5a上にマグネシウム・インジウム合金からなる
電子注入電極6を真空蒸着により形成した。なお、これ
らの真空蒸着は何れもモリブデンボートを用いた抵抗加
熱法によって行ない、真空度1×10-5Torr以下、
基板温度20〜30℃の条件で行なった。
【0030】そして、この実施例の有機EL素子におけ
るホール注入電極2と電子注入電極6との間に10Vの
電圧を印加すると、発光部4を形成した部分において
は、輝度1000cd/m2 ,発光ピーク波長560n
mの黄色発光が得られる一方、発光部4が形成されてい
ない部分においては、輝度1500cd/m2 ,発光ピ
ーク波長520nmの緑色発光が得られ、同時に黄色と
緑色との発光を得ることができた。なお、発光スペクト
ルにより、発光部4を形成した部分における黄色発光は
発光部4に用いたルブレンによるものであることが、発
光部4が形成されていない部分における緑色発光は発光
層5aに用いたAlq3 によるものであることが確認さ
れた。
【0031】(実施例2)この実施例における有機EL
素子においては、図2に示すように、ガラス基板1上に
ITOで膜厚が2000Åになった透明なホール注入電
極2を形成し、このホール注入電極2上に下記の化4に
示すピラゾリン化合物(以下、PYR−9とする。)か
らなるホール輸送性の発光材料で膜厚が500Åのホー
ル輸送性の発光層5bを形成し、この発光層5b上に上
記のルブレンを用いて膜厚が100Åの発光部4を部分
的に形成し、この発光部4及び上記の発光層5bの上に
下記化5に示すオキサジアゾール化合物(以下、OXD
−7とする。)からなる電子輸送材料で膜厚が500Å
の電子輸送層7を形成し、さらにこの電子輸送層7上に
マグネシウム・インジウム合金を用いて膜厚が2000
Åの電子注入電極6を形成した。
【0032】
【化4】
【0033】
【化5】
【0034】そして、この実施例の有機EL素子におけ
るホール注入電極2と電子注入電極6との間に10Vの
電圧を印加すると、発光部4を形成した部分において
は、輝度1000cd/m2 ,発光ピーク波長560n
mの黄色発光が得られる一方、発光部4が形成されてい
ない部分においては、輝度2000cd/m2 ,発光ピ
ーク波長490nmの青緑色発光が得られ、同時に黄色
と青緑色との発光を得ることができた。なお、発光スペ
クトルにより、発光部4を形成した部分における黄色発
光は発光部4に用いたルブレンによるものであること
が、発光部4が形成されていない部分における青緑色発
光は発光層5bな用いたPYR−9によるものであるこ
とが確認された。
【0035】(実施例3)この実施例の有機EL素子に
おいては、上記実施例1における有機EL素子におい
て、ホール輸送材料に下記の化6に示すN,N’−ジフ
ェニル−N,N’−ビス(4−メチルフェニル)−1,
1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(以下、PTP
Dとする。)を使用してホール輸送層3を形成すると共
に、このホール輸送層3の上に、前記のホール輸送材料
であるMTPDに対してルブレンが5重量%含有される
ように両者を共蒸着させて発光部4を部分的に形成し、
それ以外については、上記実施例1と同様にして有機E
L素子を得た。
【0036】
【化6】
【0037】そして、この実施例の有機EL素子におけ
るホール注入電極2と電子注入電極6との間に10Vの
電圧を印加すると、発光部4を形成した部分において
は、輝度1500cd/m2 ,発光ピーク波長560n
mの黄色発光が得られる一方、発光部4が形成されてい
ない部分においては、輝度1600cd/m2 ,発光ピ
ーク波長520nmの緑色発光が得られ、同時に黄色と
緑色との発光を得ることができた。なお、発光スペクト
ルにより、発光部4を形成した部分における黄色発光は
発光部4に用いたルブレンによるものであることが、発
光部4が形成されていない部分における緑色発光は発光
層5aに用いたAlq3 によるものであることが確認さ
れた。
【0038】(実施例4)この実施例の有機EL素子に
おいては、上記実施例2における有機EL素子におい
て、PYR−9を用いたホール輸送性の発光層5b上
に、前記のホール輸送材料であるMTPDに対して前記
のルブレンが5重量%含有されるように両者を共蒸着さ
せて発光部4を部分的に形成し、それ以外については、
上記実施例2と同様にして有機EL素子を得た。
【0039】そして、この実施例の有機EL素子におけ
るホール注入電極2と電子注入電極6との間に10Vの
電圧を印加すると、発光部4を形成した部分において
は、輝度1500cd/m2 ,発光ピーク波長560n
mの黄色発光が得られる一方、発光部4が形成されてい
ない部分においては、輝度2000cd/m2 ,発光ピ
ーク波長490nmの青緑色発光が得られ、同時に黄色
と青緑色との発光を得ることができた。なお、発光スペ
クトルにより、発光部4を形成した部分における黄色発
光は発光部4に用いたルブレンによるものであること
が、発光部4が形成されていない部分における青緑色発
光は発光層5bに用いたPYR−9によるものであるこ
とが確認された。
【0040】(実施例5)この実施例の有機EL素子に
おいては、上記実施例1における有機EL素子におい
て、MTPDを用いたホール輸送層3の上に、このホー
ル輸送層3と同じMTPDに対して前記のルブレンが5
重量%含有されるように両者を共蒸着させて発光部4を
部分的に形成し、それ以外については、上記実施例1と
同様にして有機EL素子を得た。
【0041】そして、この実施例の有機EL素子におけ
るホール注入電極2と電子注入電極6との間に10Vの
電圧を印加すると、発光部4を形成した部分において
は、輝度1300cd/m2 ,発光ピーク波長560n
mの黄色発光が得られる一方、発光部4が形成されてい
ない部分においては、輝度1500cd/m2 ,発光ピ
ーク波長520nmの緑色発光が得られ、同時に黄色と
緑色との発光を得ることができた。なお、発光スペクト
ルにより、発光部4を形成した部分における黄色発光は
発光部4に用いたルブレンによるものであることが、発
光部4が形成されていない部分における緑色発光は発光
層5aに用いたAlq3 によるものであることが確認さ
れた。
【0042】(実施例6)この実施例の有機EL素子に
おいては、上記実施例2における有機EL素子におい
て、PYR−9を用いたホール輸送性の発光層5b上
に、この発光層5bと同じPYR−9に対して前記のル
ブレンが5重量%含有されるように両者を共蒸着させて
発光部4を部分的に形成し、それ以外については、上記
実施例2と同様にして有機EL素子を得た。
【0043】そして、この実施例の有機EL素子におけ
るホール注入電極2と電子注入電極6との間に10Vの
電圧を印加すると、発光部4を形成した部分において
は、輝度1500cd/m2 ,発光ピーク波長560n
mの黄色発光が得られる一方、発光部4が形成されてい
ない部分においては、輝度2000cd/m2 ,発光ピ
ーク波長490nmの青緑色発光が得られ、同時に黄色
と青緑色との発光を得ることができた。なお、発光スペ
クトルにより、発光部4を形成した部分における黄色発
光は発光部4に用いたルブレンによるものであること
が、発光部4が形成されていない部分における青緑色発
光は発光層5bに用いたPYR−9によるものであるこ
とが確認された。
【0044】(実施例7)この実施例の有機EL素子に
おいては、上記実施例1における有機EL素子におい
て、そのホール輸送層3の上に、前記の電子輸送性のA
lq3 に対して前記のルブレンが5重量%含有されるよ
うに両者を共蒸着させて発光部4を部分的に形成し、こ
の発光部4と発光部4が設けられていないホール輸送層
3との上に、下記の化7に示すビス(10−ヒドロキシ
[h]ベンゾキノリン)ベリリウム(以下、BeBq2
とする。)からなる電子輸送性の発光材料を用いて電子
輸送性の発光層5aを形成し、それ以外については、上
記実施例1と同様にして有機EL素子を得た。
【0045】
【化7】
【0046】そして、この実施例の有機EL素子におけ
るホール注入電極2と電子注入電極6との間に10Vの
電圧を印加すると、発光部4を形成した部分において
は、輝度800cd/m2 ,発光ピーク波長560nm
の黄色発光が得られる一方、発光部4が形成されていな
い部分においては、輝度1500cd/m2 ,発光ピー
ク波長520nmの緑色発光が得られ、同時に黄色と緑
色との発光を得ることができた。なお、発光スペクトル
により、発光部4を形成した部分における黄色発光は発
光部4に用いたルブレンによるものであることが、発光
部4が形成されていない部分における緑色発光は発光層
5aに用いたBeBq2 によるものであることが確認さ
れた。
【0047】(実施例8)この実施例の有機EL素子に
おいては、上記実施例2における有機EL素子におい
て、PYR−9を用いた上記のホール輸送性の発光層5
b上に、電子輸送性のAlq3 に対して前記のルブレン
が5重量%含有されるように両者を共蒸着させて発光部
4を部分的に形成し、それ以外については、上記実施例
2と同様にして有機EL素子を得た。
【0048】そして、この実施例の有機EL素子におけ
るホール注入電極2と電子注入電極6との間に10Vの
電圧を印加すると、発光部4を形成した部分において
は、輝度800cd/m2 ,発光ピーク波長560nm
の黄色発光が得られる一方、発光部4が形成されていな
い部分においては、輝度2000cd/m2 ,発光ピー
ク波長490nmの青緑色発光が得られ、同時に黄色と
青緑色との発光を得ることができた。なお、発光スペク
トルにより、発光部4を形成した部分における黄色発光
は発光部4に用いたルブレンによるものであることが、
発光部4が形成されていない部分における青緑色発光は
発光層5bに用いたPYR−9によるものであることが
確認された。
【0049】(実施例9)この実施例の有機EL素子に
おいては、上記実施例1における有機EL素子におい
て、そのホール輸送層3の上に、電子輸送性の発光層5
aと同じAlq3 を用い、このAlq3 に対して前記の
ルブレンが5重量%含有されるように両者を共蒸着させ
て発光部4を部分的に形成し、それ以外については、上
記実施例1と同様にして有機EL素子を得た。
【0050】そして、この実施例の有機EL素子におけ
るホール注入電極2と電子注入電極6との間に10Vの
電圧を印加すると、発光部4を形成した部分において
は、輝度700cd/m2 ,発光ピーク波長560nm
の黄色発光が得られる一方、発光部4が形成されていな
い部分においては、輝度1500cd/m2 ,発光ピー
ク波長520nmの緑色発光が得られ、同時に黄色と緑
色との発光を得ることができた。なお、発光スペクトル
により、発光部4を形成した部分における黄色発光は発
光部4に用いたルブレンによるものであることが、発光
部4が形成されていない部分における緑色発光は発光層
5aに用いたAlq3 によるものであることが確認され
た。
【0051】(実施例10)この実施例の有機EL素子
においては、上記実施例2における有機EL素子におい
て、PYR−9を用いた上記のホール輸送性の発光層5
b上に、電子輸送層7と同じOXD−7を使用し、この
OXD−7に対して前記のルブレンが5重量%含有され
るように両者を共蒸着させて発光部4を部分的に形成
し、それ以外については、上記実施例2と同様にして有
機EL素子を得た。
【0052】そして、この実施例の有機EL素子におけ
るホール注入電極2と電子注入電極6との間に10Vの
電圧を印加すると、発光部4を形成した部分において
は、輝度800cd/m2 ,発光ピーク波長560nm
の黄色発光が得られる一方、発光部4が形成されていな
い部分においては、輝度2000cd/m2 ,発光ピー
ク波長490nmの青緑色発光が得られ、同時に黄色と
青緑色との発光を得ることができた。なお、発光スペク
トルにより、発光部4を形成した部分における黄色発光
は発光部4に用いたルブレンによるものであることが、
発光部4が形成されていない部分における青緑色発光は
発光層5bに用いたPYR−9によるものであることが
確認された。
【0053】(実施例11)この実施例における有機E
L素子においては、図3に示すように、ガラス基板1上
にITOからなる膜厚が2000Åの透明なホール注入
電極2が形成され、このホール注入電極2上に前記のM
TPDで膜厚が500Åのホール輸送層3が形成され、
このホール輸送層3上に前記のルブレンからなる発光材
料で膜厚が100Åの発光部4が部分的に形成されると
共に、この発光部4と上記ホール輸送層3との上に下記
化8に示す1AZM−Hexからなる電子輸送性の発光
材料で膜厚が100Åの電子輸送性の発光層5aが形成
され、この発光層5a上に前記のOXD−7で膜厚が5
00Åの電子輸送層7が形成され、さらにこの電子輸送
層7上にマグネシウム・インジウム合金で膜厚が200
0Åの電子注入電極6が形成された構造になっている。
そして、上記のホール注入電極2とこの電子注入電極6
とにそれぞれリード線10を接続させて、ホール注入電
極2に+、電子注入電極6に−のバイアス電圧を印加さ
せるようになっている。
【0054】
【化8】
【0055】次に、この実施例の有機EL素子を製造す
る方法を具体的に説明する。
【0056】まず、表面にITOで構成されたホール注
入電極2が形成されたガラス基板1を中性洗剤により洗
浄した後、これをアセトン中で20分間、エタノール中
で20分間それぞれ超音波洗浄を行なった。次いで、ガ
ラス基板1上に形成された上記のホール注入電極2上に
前記のMTPDを真空蒸着させてホール輸送層3を形成
した。そして、このホール輸送層3上の一部にメタルマ
スクを用いて前記のルブレンを真空蒸着させて発光部4
を形成し、その後、この発光部4と発光部4が設けられ
ていないホール輸送層3との上に前記の1AZM−He
xを真空蒸着させて電子輸送性の発光層5aを形成し、
次いでこの発光層5a上に前記のOXD−7を真空蒸着
させて電子輸送層7を形成し、さらにこの電子輸送層7
上にマグネシウム・インジウム合金からなる電子注入電
極6を真空蒸着により形成した。なお、これらの真空蒸
着は何れもモリブデンボートを用いた抵抗加熱法によっ
て行ない、真空度1×10-5Torr以下、基板温度2
0〜30℃の条件で行なった。
【0057】そして、この実施例の有機EL素子におけ
るホール注入電極2と電子注入電極6との間に10Vの
電圧を印加すると、発光部4を形成した部分において
は、輝度500cd/m2 ,発光ピーク波長560nm
の黄色発光が得られる一方、発光部4が形成されていな
い部分においては、輝度800cd/m2 ,発光ピーク
波長460nmの青色発光が得られ、同時に黄色と青色
との発光を得ることができた。なお、発光スペクトルに
より、発光部4を形成した部分における黄色発光は発光
部4に用いたルブレンによるものであることが、発光部
4が形成されていない部分における青色発光は発光層5
aに用いた1AZM−Hexによるものであることが確
認された。
【0058】(実施例12)この実施例における有機E
L素子においては、図4に示すように、ガラス基板1上
にITOからなる膜厚が2000Åの透明なホール注入
電極2が形成され、このホール注入電極2上に前記のM
TPDで膜厚が500Åのホール輸送層3が形成され、
またこのホール輸送層3上の一部に前記のAlq3 から
なる電子輸送性の発光材料を用いて膜厚が100Åの第
1発光部4aが部分的に形成されると共に、このホール
輸送層3上の他の部分に前記の1AZM−Hexに対し
て下記の化9に示すEu(TTA)3 phenが5重量
%含有された膜厚が100Åの第2発光部4bが部分的
に形成され、この第1,第2の各発光部4a,4b及び
上記ホール輸送層3の上に上記の1AZM−Hexから
なる電子輸送性の発光材料で膜厚が500Åの電子輸送
性の発光層5aが形成され、さらにこの発光層5a上に
マグネシウム・インジウム合金で膜厚が2000Åの電
子注入電極6が形成された構造になっている。そして、
上記のホール注入電極2とこの電子注入電極6とにそれ
ぞれリード線10を接続させて、ホール注入電極2に
+、電子注入電極6に−のバイアス電圧を印加させるよ
うになっている。
【0059】
【化9】
【0060】次に、この実施例の有機EL素子を製造す
る方法を具体的に説明する。
【0061】まず、表面にITOで構成されたホール注
入電極2が形成されたガラス基板1を中性洗剤により洗
浄した後、これをアセトン中で20分間、エタノール中
で20分間それぞれ超音波洗浄を行なった。次いで、ガ
ラス基板1の上に形成された上記のホール注入電極2上
に前記のMTPDを真空蒸着させてホール輸送層3を形
成した。そして、このホール輸送層3上の一部にメタル
マスクを用いて上記のAlq3 を真空蒸着させて第1発
光部4aを部分的に形成した後、さらに第1発光部4a
が形成されていないホール輸送層3上の一部に1AZM
−Hexに対してEu(TTA)3 phenが5重量%
含有されるように両者を共蒸着させて第2発光部4bを
部分的に形成した。次いで、上記の第1及び第2の各発
光部4a,4bとこれらの発光部4a,4bが設けられ
ていないホール輸送層3との上に、前記の1AZM−H
exを真空蒸着させて電子輸送性の発光層5aを形成
し、更にこの発光層5a上にマグネシウム・インジウム
合金からなる電子注入電極6を真空蒸着により形成し
た。なお、これらの真空蒸着は何れもモリブデンボート
を用いた抵抗加熱法によって行ない、真空度1×10-5
Torr以下、基板温度20〜30℃の条件で行なっ
た。
【0062】そして、この実施例の有機EL素子におけ
るホール注入電極2と電子注入電極6との間に12Vの
電圧を印加すると、第1発光部4aを形成した部分にお
いては、輝度800cd/m2 ,発光ピーク波長520
nm,CIE色度座標がx=0.33,y=0.60の
緑色発光が、また第2発光部4bを形成した部分におい
ては、輝度100cd/m2 ,発光ピーク波長615n
m,CIE色度座標がx=0.66,y=0.33の赤
色発光が、さらにこれらの発光部4a,4bが設けられ
ていない部分においては、輝度1000cd/m2 ,発
光ピーク波長460nm,CIE色度座標がx=0.1
0,y=0.12の青色発光が得られ、同時に緑色と赤
色と青色の三原色の発光を得ることができた。なお、発
光スペクトルにより、第1発光部4aを形成した部分に
おける緑色発光はこの第1発光部4aに用いたAlq3
によるものであることが、第2発光部4bを形成した部
分における赤色発光はこの第2発光部4bに用いたEu
(TTA)3 phenによるものであることが、これら
の発光部4a,4bが設けられていない部分における青
色発光は発光層5aに用いた1AZM−Hexによるも
のであることが確認された。
【0063】(実施例13)この実施例の有機EL素子
を製造するにあたっては、図5に示すように、ガラス基
板1上にITOからなるホール注入電極2を線幅d1
0.4mm,中心間隔d2 が0.5mmになるようにし
てストライプ状に形成した後、これを中性洗剤により洗
浄し、さらにアセトン中で20分間、エタノール中で2
0分間それぞれ超音波洗浄を行なった。
【0064】次に、図6に示すように、ホール注入電極
2が形成されたガラス基板1上に前記のMTPDを真空
蒸着させてホール輸送層3を形成した。
【0065】そして、図7に示すように0.5mm角の
穴11が0.5mm間隔で縦,横に並んで開口されたメ
タルマスク11を用い、このメタルマスク11における
0.5mm角の穴11aの中心とホール注入電極2のス
トライプの中心が重なるようにして、図8に示すよう
に、上記のホール輸送層3上に前記のAlq3 を真空蒸
着させて、メタルマスク11の各穴11aの部分に対応
した第1発光部4aを形成した。
【0066】次に、上記のメタルマスク11における
0.5mm角の各穴11aの位置をずらせ、0.5mm
角の各穴11aの中心が、第1発光部4aが形成されて
いないホール注入電極2のストライプの中心と重なり、
かつメタルマスク11の各穴11aが上記の第1発光部
4aと市松模様状に並び4つの第1発光部4aによって
形成される四角形の中心に位置するようにして、図9に
示すように、上記のホール輸送層3上に1AZM−He
xに対してEu(TTA)3 phenが5重量%含有さ
れるように両者を共蒸着させてメタルマスク11の各穴
11に対応した第2発光部4bを形成した。
【0067】そして、このように第1及び第2の発光部
4a,4bが形成された領域を含むホール輸送層3上に
1AZM−Hexを真空蒸着させて、図10に示すよう
に、電子輸送性の発光層5aを形成し、さらにこの発光
層5a上に真空蒸着によりマグネシウム・インジウム合
金からなる電子注入電極6を、図11に示すように、前
記のホール注入電極2と直交する方向において、ホール
注入電極2の場合と同様に線幅d1 が0.4mm,中心
間隔d2 が0.5mmになるようにしてストライプ状に
形成し、このストライプ状になった電子注入電極6の中
心が第1及び第2の発光部4a,4bのドットの中心と
重なるように形成した。
【0068】なお、前記の各真空蒸着は何れもモリブデ
ンボートを用いた抵抗加熱法によって行ない、真空度1
×10-5Torr以下、基板温度20〜30℃という条
件で行なった。
【0069】このようにして作成したこの実施例の有機
EL素子からなるディスプレイパネルにおいては、上記
の第1発光部4aを形成した部分ではAlq3 による緑
色発光が、第2発光部4bを形成した部分ではEu(T
TA)3 phenによる赤色発光が、これらの発光部4
a,4bが設けられていない部分では1AZM−Hex
よる青色発光が得られ、図12に示すように、緑,赤,
青の発光部分が交互に配置された構造になっていた。
【0070】そして、このディスプレイパネルを駆動さ
せたところ、上記の三原色を組み合わせた種々の発光色
による種々の形状の画像表示を行なうことができた。ま
た、このディスプレイパネルの三原色は、図13のCI
E色度図に示すように、現在用いられているCRTのも
のと比べて遜色なく、フルカラーディスプレイとして十
分実用に耐えるものであった。
【0071】なお、この発明における有機EL素子にお
いては、発光材料として、上記の各実施例において使用
したもの以外に、公知の様々な発光材料を使用すること
ができ、例えば、下記の表1に示すような発光色及び発
光ピーク波長を有する、化10に示したテトラフェニル
ブタジエン,化11に示したクマリン343,化12に
示したクマリン6,化13に示したキナクリドン,化1
4に示したNK−757,化15に示したDCM,化1
6に示したZn(ac)2 等を用いることができる。
【0072】
【表1】
【0073】
【化10】
【0074】
【化11】
【0075】
【化12】
【0076】
【化13】
【0077】
【化14】
【0078】
【化15】
【0079】
【化16】
【0080】また、上記の各実施例においては、ホール
注入電極2や電子注入電極6と接触するホール輸送層3
や電子輸送層7等を単層としたが、ホールや電子の注入
及び輸送性を高めるために、ホール注入電極2と接触す
る層を、イオン化ポテンシャルの異なる複数のホール輸
送材料を用いた積層又は混合層にしたり、また電子注入
電極6と接触する層を、電子親和力の異なる複数の電子
輸送材料を用いた積層又は混合層にすることもできる。
【0081】また、上記の各実施例においては、各発光
部4,4a,4bの膜厚を100Åにし、他の層に比べ
て非常に薄くしたが、これは発光部4,4a,4bを形
成した部分が他の部分より厚くなって抵抗が増加し、こ
れによって輝度が低下するのを極力抑えるためである。
しかし、各発光部4,4a,4bの膜厚はこれに限定さ
れるものではなく、発光部4,4a,4bにおける光の
輝度に比べて他の発光領域における光の輝度が低い場合
には、この発光部4,4a,4bの膜厚を厚くして輝度
を低くする等、他の発光領域とのバランスや表示の効果
を考えて適当な膜厚に変えることができる。
【0082】また、ホール輸送性材料や電子輸送性材料
に発光材料を含有させて発光部4,4a,4bを形成す
るにあたり、前記の実施例においては、発光材料の含有
量を5重量%にしたが、発光材料を含有させる量はこれ
に限定されず、使用する発光材料等の性質に合わせ、ま
た発光色や輝度を調整するために、必要に応じて変更さ
せることができる。
【0083】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明における
有機EL素子においては、ホール注入電極と電子注入電
極との間において、発光層と積層させるようにして、こ
の発光層における発光ピーク波長と異なった発光ピーク
波長をもつ発光部を部分的に設け、発光層とこの発光部
とにおいてそれぞれ異なった色彩の発光が行なわれるよ
うにしたため、この発光部を文字や絵等の適当な形状に
形成することにより表示品位の高い様々な表示が可能に
なり、これを交通標識や案内板等として好適に利用でき
るようになった。
【0084】また、この発明における有機EL素子にお
いて、上記の発光部における発光ピーク波長が発光層に
おける発光ピーク波長より長波長になるようにすると、
この発光部において発光された光が発光層等で吸収され
て減少するということが少なく、発光部から十分な輝度
をもつ光が得られるようになった。
【0085】また、この発明における有機EL素子にお
いて、発光ピーク波長が異なる複数の種類の発光部を設
けることにより、十分な輝度をもつと共に表示品位の高
いマルチカラーの表示やフルカラーの表示が簡単に行な
えるようになった。
【0086】また、この発明における有機EL素子にお
いて、上記の発光部をホール輸送層と電子輸送性の発光
層とが積層されたSH−A構造のものや、ホール輸送性
に富む発光層と電子輸送層とが積層されたSH−B構造
のものに設けた場合、その素子構造が簡単で、その製造
が容易になると共に、発光部へのホールや電子の輸送及
び注入も効率よく行なわれ、より十分な輝度をもつ発光
が得られるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1,3,5,7及び9におけ
る各有機EL素子の素子構造を示した概略断面図であ
る。
【図2】この発明の実施例2,4,6,8及び10にお
ける各有機EL素子の素子構造を示した概略断面図であ
る。
【図3】この発明の実施例11における有機EL素子の
素子構造を示した概略断面図である。
【図4】この発明の実施例12における有機EL素子の
素子構造を示した概略断面図である。
【図5】この発明の実施例13における有機EL素子を
製造するにあたって、ガラス基板上にホール注入電極を
ストライプ状に形成した状態を示した平面図である。
【図6】この発明の実施例13における有機EL素子を
製造するにあたって、上記のホール注入電極上にホール
輸送層を形成した状態を示した平面図である。
【図7】この発明の実施例13における有機EL素子を
製造するのに使用したメタルマスクの平面図である。
【図8】この発明の実施例13における有機EL素子を
製造するにあたって、上記のホール輸送層上にメタルマ
スクを用いて部分的に第1発光部を形成した状態を示し
た平面図である。
【図9】この発明の実施例13における有機EL素子を
製造するにあたって、上記のホール輸送層上にメタルマ
スクを用いて部分的に第2発光部を形成した状態を示し
た平面図である。
【図10】この発明の実施例13における有機EL素子
を製造するにあたって、第1及び第2の発光部が形成さ
れたホール輸送層上に電子輸送性の発光層を形成した状
態を示した平面図である。
【図11】この発明の実施例13における有機EL素子
を製造するにあたって、上記の電子輸送性の発光層上に
電子注入電極をストライプ状に形成した状態を示した平
面図である。
【図12】この発明の実施例13の有機EL素子におけ
る各発光部分の色彩を示した平面図である。
【図13】この発明の実施例13の有機EL素子からな
るディスプレイパネルと現在のCRTとを比較したCI
E色度図である。
【符号の説明】
1 ガラス基板 2 ホール注入電極 3 ホール輸送層 4,4a,4b 発光部 5a,5b 発光層 6 電子注入電極 7 電子輸送層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹内 孝介 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内 (72)発明者 柴田 賢一 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−216790(JP,A) 特開 平6−158038(JP,A) 特開 平6−9953(JP,A) 特開 平8−315986(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05B 33/00 - 33/28

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホール注入電極と電子注入電極との間
    に、少なくとも有機材料を用いたキャリア輸送層と発光
    層とが積層された有機エレクトロルミネッセンス素子に
    おいて、上記の発光層と積層されるようにして、この発
    光層における発光ピーク波長と異なった発光ピーク波長
    をもつ発光部が部分的に設けられていることを特徴とす
    る有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2. 【請求項2】 ホール注入電極と電子注入電極との間
    に、少なくとも有機材料を用いたホール輸送層と電子輸
    送性の発光層とが、或はホール輸送性の発光層と電子輸
    送層とが積層された有機エレクトロルミネッセンス素子
    において、上記の発光層と積層されるようにして、この
    発光層における発光ピーク波長と異なった発光ピーク波
    長をもつ発光部が部分的に設けられていることを特徴と
    する有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の有機エレクトロ
    ルミネッセンス素子において、発光部における発光ピー
    ク波長が発光層における発光ピーク波長より長波長であ
    ることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素
    子。
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