JP2002254556A - 耐食性及び耐汚染性に優れた塗装鋼板 - Google Patents

耐食性及び耐汚染性に優れた塗装鋼板

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JP2002254556A JP2001062201A JP2001062201A JP2002254556A JP 2002254556 A JP2002254556 A JP 2002254556A JP 2001062201 A JP2001062201 A JP 2001062201A JP 2001062201 A JP2001062201 A JP 2001062201A JP 2002254556 A JP2002254556 A JP 2002254556A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 特定された溶融めっき層と光触媒塗膜との組
合せによって耐食性が格段に改善され、耐汚染性も良好
な塗装鋼板を提供する。 【構成】 この塗装鋼板は、Al:4〜10質量%,M
g:1〜4質量%,残部が実質的にZnの組成をもち、
Al/Zn/Zn2Mgの三元共晶組織のマトリックス
中に初晶Al相又は初晶Al相及びZn単相が混在した
組織の溶融めっき層が設けられた溶融亜鉛めっき鋼板を
塗装原板とし、光触媒塗膜が溶融めっき層の表層に形成
されている。溶融めっき層は、更にTi:0.002〜
0.1質量%,B:0.001〜0.45質量%を含む
ことができる。溶融めっき層と光触媒塗膜との間に、シ
リカ系及び/又はアルミナ系のプライマ層を設けてもよ
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光触媒作用が付与さ
れ、優れた耐食性,耐汚染性を呈する塗装鋼板に関す
る。
【0002】
【従来の技術】意匠性,耐食性,耐候性を改善するた
め、合成樹脂を主成分とする塗料組成物で外装建材の表
面を被覆することが知られている。なかでも、フッ素樹
脂,アクリルウレタン樹脂,メラミン樹脂,アクリルシ
リコーン樹脂等の架橋構造をもつ樹脂は、耐候性に優れ
た塗膜を形成することから、高耐候性樹脂として使用さ
れている。他方、汚れが比較的付着しがたく、付着した
場合でも汚れを落としやすくするため、無機酸化物を主
成分とする塗料組成物で外装建材を被覆する方法や、付
着した汚れを積極的に分解し、或いは表面の親水化によ
って雨水で汚れを洗い流す作用のある光触媒塗膜を設け
る方法も採用されている。無機酸化物や光触媒の塗膜
は、親水性表面をもち、付着した汚れが雨水で洗い流さ
れることから、比較的美麗な膜面を維持する。しかし、
内装材、外装材等に従来から使用されている溶融亜鉛め
っき鋼板を基材として親水性の塗膜を形成すると、塗膜
を浸透した雨水が基材表面に達し、錆が発生しやすくな
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】クロム酸系,リン酸塩
系等の防錆顔料を添加したプライマ層を基材表面に形成
するとき、基材の腐食が抑制される。防錆顔料を添加し
た無機塗膜又は光触媒塗膜で被覆された塗装鋼板は、防
錆顔料無添加の塗装鋼板に比較して耐食性が改善されて
いるものの、建材に要求される耐食性を十分に満足して
いない。そこで、耐食性に問題がある従来の溶融亜鉛め
っき鋼板に代えて、より優れた耐食性を示す溶融Zn−
Al系めっき鋼板を基材として使用する比率が増加して
いる。溶融Zn−Al系めっき鋼板では、Zn−Al系
めっき層のAl含有量の増加に応じて耐食性が向上す
る。しかし、環境の悪化に伴って、溶融Zn−Al系め
っき鋼板でも耐食性が不足する場合がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような問
題を解消すべく案出されたものであり、耐汚染性付与の
ために光触媒塗膜を設けた塗装鋼板において、光触媒塗
膜を降下する水分があるにも拘らず、平坦部,切断端
面,塗膜疵付き部等で優れた耐食性が維持され、耐汚染
性も良好な塗装鋼板を提供することを目的とする。
【0005】本発明の塗装鋼板は、その目的を達成する
ため、Al:4〜10質量%,Mg:1〜4質量%,残
部が実質的にZnの組成をもち、Al/Zn/Zn2
gの三元共晶組織のマトリックス中に初晶Al相又は初
晶Al相及びZn単相が混在した組織の溶融めっき層が
鋼板表面に設けられ、光触媒塗膜が溶融めっき層の表層
に形成されていることを特徴とする。溶融めっき層は、
更にTi:0.002〜0.1質量%,B:0.001
〜0.45質量%を含むことができる。
【0006】光触媒塗膜は、TiO2等の光触媒単独の
塗膜、或いは光触媒にSiO2,Al 23等を配合した
塗膜の何れでもよい。溶融めっき層と光触媒塗膜との間
に、シリカ系及び/又はアルミナ系のプライマ層を設け
てもよい。光触媒塗膜やプライマ層には、リン酸塩,モ
リブデン酸塩,クロム酸塩,シリケートから選ばれた1
種又は2種以上の防錆顔料を添加できる。
【0007】
【作用】本発明で使用される塗装原板は、Al及びMg
を含む溶融めっき層が表面に形成されているため、平坦
部の耐食性はもとより、切断端面や塗膜疵付き部におい
ても優れた耐食性を示す。たとえば、塗膜疵付き部の塗
膜下では、溶融めっき層中のAl及びMgが緻密で難溶
性の腐食生成物を生成し、安定な腐食生成物が外部から
進入してくる腐食性イオンを遮蔽する環境遮断膜として
働くため、塗膜疵付き部の近傍で塗膜剥離や錆が発生し
にくい。また、切断端面では、Al及びMgを含む溶融
めっき層の表面に光触媒塗膜を形成すると、シリカ等の
無機塗膜を形成した場合に比較して耐食性が格段に向上
する。光触媒塗膜による耐食性の向上は、次のように推
察される。
【0008】TiO2等の光触媒膜が溶融めっき層表面
に形成された塗装鋼板では、溶融めっき層の犠牲防食反
応に加えて光カソード防食反応が生起する。すなわち、
光照射によってTiO2等の光触媒膜がより卑な電極電
位となり、光触媒膜の表面で水の酸化によって酸素が発
生する。このときの電極電位がFeの浸漬電位より卑で
あるため、光触媒膜側でアノード反応,Fe側でカソー
ド反応が進行し、Feの溶出を伴った腐食が防止され
る。そのため、溶融めっき層の犠牲防食作用がなくなっ
た後でも、光照射された光触媒塗膜でアノード反応が生
起され、切断端面や塗膜疵付き部に露出しているFe素
地の腐食反応を抑制する光カソード防食効果が発現す
る。
【0009】これに対し、通常の塗膜が形成されている
塗装鋼板の場合、Zn,Al,Mgの犠牲防食作用が有
効な初期段階では切断端面に露出しているFe素地が防
食されるが、時間経過に伴った不溶性酸化物の生成によ
り犠牲防食作用が低下するためFe素地の腐食が進行す
る。光触媒粒子を分散させる塗膜にシリカ系及び/又は
アルミナ系のバインダを含ませると、溶融めっき層表面
に対する光触媒塗膜の密着性も向上し、優れた耐食性が
発現される。密着性の向上は、溶融めっき層の表面にZ
n,Al,Mg等からなる酸化物が形成されており、光
触媒塗膜中のシリカやアルミナが溶融めっき層表面の酸
化物と強固に結合することによるものと推察される。
【0010】また、シリカ系及び/又はアルミナ系から
なるプライマ層を溶融めっき層と光触媒塗膜との間に介
在させると、溶融めっき層表面に対する光触媒塗膜の密
着性が向上し、耐食性が更に改善される。リン酸塩,モ
リブデン酸塩,クロム酸塩,シリケートから選ばれた1
種又は2種以上を防錆顔料として光触媒塗膜やプライマ
層に含ませると、溶融めっき層表面の腐食生成物と相俟
って耐食性が一段と向上する。
【0011】
【実施の形態】塗装原板には、本出願人が開発したZn
−Al−Mg系めっき鋼板(特開平10−226865
号公報)や更にTi,Bを溶融めっき層に添加したZn
−Al−Mg系めっき鋼板(特開平10−306357
号公報)が使用される。Zn−Al−Mg系めっき鋼板
は、Al:4〜10質量%(好ましくは、5.0〜7.
0質量%),Mg:1〜4質量%(好ましくは、2.5
〜3.5質量%),残部が実質的にZnの組成をもち、
Al/Zn/Zn2Mgの三元共晶組織のマトリックス
中に初晶Al相又は初晶Al相及びZn単相が混在した
組織の溶融めっき層が鋼板表面に形成されている。
【0012】溶融めっき層に含まれるAlは、耐食性の
向上に有効であり、溶融めっき鋼板の製造過程で溶融め
っき浴にドロスが発生することを抑制する作用も呈す
る。耐食性の向上は、4質量%以上のAl含有で顕著に
なる。しかし、10質量%を超える過剰量のAlが溶融
めっき層に含まれると、下地鋼板と溶融めっき層との界
面に硬質,脆弱なFe−Al系合金層の成長が著しくな
り、溶融めっき層の加工性及び密着性が低下しやすい。
その結果、塗装鋼板を加工した場合、大きな塗膜割れや
塗膜剥離が生じやすくなる。
【0013】溶融めっき層に含まれるMgは、溶融めっ
き層表面に均一,緻密で安定な腐食生成物を生成し、溶
融めっき層の耐食性を著しく高める作用を呈する。耐食
性改善に及ぼすMgの影響は、1質量%以上のMg含有
で顕著になる。しかし、4質量%を超えるMgを含ませ
ても、Mg増量に見合った耐食性向上効果がなく、却っ
てマグネシア系のトップドロスがめっき浴に生じやすく
なり、光触媒塗膜を形成した後で塗装鋼板の外観が損な
われる。
【0014】規定量のAl,Mgを含むZn−Al−M
g系めっき層にZn11Mg2相が晶出すると、光沢度の
高いZn11Mg2相のため溶融めっき層の外観が劣化す
ると共に耐食性も悪くなる。Zn11Mg2相は、光触媒
塗膜形成後においても目立った模様となって現れる。溶
融めっき工程で浴温を450℃以下に調整し、めっき後
の冷却速度を10℃/秒以上に制御するとき、Zn11
2相の生成・成長が抑制され(特開平10−2268
65号公報)、表面欠陥のない美麗な溶融めっき層が形
成される。
【0015】Zn11Mg2相の生成・成長は、Ti,B
の添加によっても抑制される。Zn1 1Mg2相の生成・
成長を抑制する効果は、0.002質量%以上のTi及
び0.001質量%以上のB添加で顕著になる。しか
し、0.1質量%を超える過剰量のTiが含まれると、
溶融めっき層表面に凹凸が生じ、塗装後の外観が損なわ
れやすい。また、0.045質量%を超える過剰量のB
を添加すると、Ti−B系,Al−B系等の析出物が成
長して溶融めっき層表面に凹凸が生じ、塗装後の外観が
損なわれやすい。
【0016】Zn−Al−Mg系めっき層は、4質量%
のAl含有により腐食反応が抑えられ、Mg含有によっ
て腐食速度が更に遅くなる。そのため、平坦部の耐食性
はもとより、Al,Mgが緻密で難溶性の腐食生成物を
生成するため塗膜疵付き部の腐食も抑制される。光触媒
を分散させた塗料組成物をZn−Al−Mg系めっき鋼
板にスプレー法,ロールコート法等で塗布し、焼き付け
ることによって光触媒塗膜が形成される。光触媒塗膜に
5質量%以上の割合で光触媒を含ませると、光触媒によ
る有機物分解効果が顕著となる,耐汚染性に優れた塗膜
が形成される。光触媒にはTiO 2,ZnO,WO3,F
eTiO3,SrTiO3等があり、なかでも化学的に安
定で安価且つ高活性度のアナターゼ型TiO2が好まし
い。
【0017】塗装に先立って、Zn−Al−Mg系めっ
き鋼板は脱脂処理される。脱脂処理された溶融めっき層
表面に光触媒塗膜を直接形成することも可能であるが,
シリカ系及び/又はアルミナ系のプライマ層を介して光
触媒塗膜を設けるとき、溶融めっき層に対する光触媒塗
膜の密着性が向上する。光触媒単独の塗膜を形成できる
塗料を用いて脱脂処理後のZn−Al−Mg系めっき鋼
板を塗装すると、光カソード防食効果が高められた光触
媒塗膜が形成される。光触媒単独塗膜が形成可能な塗料
としては、光触媒粒子を分散させたゾル,加熱後に光触
媒となるアルコキシド系の塗料等がある。また、オルガ
ノシリカゾル及び/又はアルミナゾルに光触媒粒子を分
散させた塗料を使用すると、密着性に優れた光触媒塗膜
が形成される。光触媒塗膜の密着性は、オルガノシリカ
ゾル及び/又はアルミナゾルを主成分とする塗料でプラ
イマ層を形成することによって更に向上する。
【0018】リン酸塩,モリブデン酸塩,クロム酸塩,
シリケートから選ばれた1種又は2種以上の防錆顔料を
光触媒塗膜及び/又はプライマ層に含有させると、溶融
めっき層表面の緻密な腐食生成物と相俟って耐食性が一
段と向上する。防錆顔料には、クロム酸ストロンチウ
ム,クロム酸バリウム,クロム酸亜鉛等のクロム酸塩系
や、燐酸チタニウム,燐酸カルシウム,リン酸亜鉛等の
リン酸塩系、モリブデン酸塩系等がある。クロム酸スト
ロンチウムを防錆顔料にするとき、3〜40質量%の割
合でクロム酸ストロンチウムを含ませることが好まし
い。3質量%以上のクロム酸ストロンチウム添加によっ
て、重防食用途としても十分な耐食性が得られる。しか
し、過剰量の防錆顔料添加は、塗膜の密着性を低下さ
せ、実使用環境下で塗膜剥離の原因となる。
【0019】このように、Zn−Al−Mg系めっき鋼
板を塗装原板とし、溶融めっき層表面に光触媒塗膜を形
成すると、平坦部の耐食性は勿論、切断端面や塗膜疵付
き部においても優れた耐食性が発現される。しかも、光
触媒粒子による有機物分解作用が付与されるため、耐汚
染性に優れた表面となる。このようにして得られた塗装
鋼板は、内装材、外装材、道路関連資材、家電製品の表
層材やケーシング、車両の外板等、耐食性及び耐汚染性
双方の特性が要求される部材として広範な分野で使用さ
れる。
【0020】
【実施例】塗装鋼板A:種々の含有量でZn,Al,M
gを含む板厚0.4mm、片面めっき付着量120g/
2の溶融Zn−Al−Mg系めっき鋼板をゼンジミア
方式の連続溶融めっきラインで製造した。各溶融めっき
鋼板を脱脂処理した後、湯洗,水洗により洗浄し、乾燥
させた。次いで、チタンテトライソプロポキシドを主成
分とするTiO2ゾル−ゲル溶液を塗布し、400℃で
加熱焼付けすることにより,膜厚1μmの光触媒塗膜を
形成した。
【0021】塗装鋼板B:Ti,Bを含むZn−Al−
Mg系めっき鋼板を塗装原板に使用した以外は、塗装鋼
板Aと同様に光触媒塗膜を形成した。 塗装鋼板C:塗装鋼板Aと同じ塗装原板を脱脂処理した
後、トリメトキシシリケート及びコロイダルシリカをブ
チルセロソルブに添加したゾルに粒径20nmのアナタ
ーゼ型TiO2粉末を分散させた塗料を塗布し、200
℃で加熱焼付けすることにより膜厚20μm,TiO2
含有量:40質量%の光触媒塗膜を形成した。SiO2
質のプライマ層を形成する場合、トリメトキシシリケー
ト及びコロイダルシリカをブチルセロソルブに添加した
塗料を塗装した後、140℃に加熱することによってプ
ライマ層を形成した。また、Al23質のプライマ層を
形成する場合、水とブチルセロソルブの混合溶剤(水;
ブチルセロソルブ=70:30)にアルミナを分散させ
た塗料を塗布し、200℃で加熱することによりプライ
マ層を形成した。プライマ層の膜厚は、何れも10μm
とした。
【0022】塗装鋼板D:Ti,Bを添加したZn−A
l−Mg系めっき鋼板を塗装原板とし、塗装鋼板Cと同
様な方法で塗装鋼板を作製した。 塗装鋼板E:Al:6質量%,Mg:3質量%,Zn:
残部の組成をもつZn−Al−Mg系めっき層が形成さ
れた溶融亜鉛めっき鋼板を塗装原板とし、塗装鋼板Cと
同様にプライマ層及び/又は光触媒塗膜に防錆顔料を添
加した塗膜を形成した。
【0023】塗装鋼板F(比較例):溶融亜鉛(Al:
0.2質量%)めっき鋼板,溶融Zn−5質量%Alめ
っき鋼板,溶融Zn−55質量%Alめっき鋼板を塗装
原板に使用し、塗装鋼板Aと同様にして光触媒塗膜を形
成した。 塗装鋼板G(比較例):塗装鋼板A,Bと同じ塗装原板
にSiO2ゾル−ゲル溶液を塗布して、膜厚1μmのS
iO2膜を形成した。 塗装鋼板H(比較例);塗装鋼板Fと同じ塗装原板に、
塗装鋼板Cと同様にプライマ層及び光触媒塗膜を形成し
た。 塗装鋼板I(比較例):溶融亜鉛(Al:0.2質量
%)めっき鋼板を塗装原板とし、塗装鋼板Cと同様に防
錆顔料を添加したプライマ層,光触媒塗膜を形成した。
【0024】作製された各塗装鋼板から試験片を切り出
し、促進腐食試験,屋外曝露試験及び汚染試験に供し
た。
【0025】
【0026】〔促進腐食試験〕試験片の上下切断端面及
び裏面を塗料で補修し、更に平坦部の塗膜にカッターナ
イフで疵を付け、600サイクルの酸性雨複合腐食試験
(1サイクル:濃度0.1質量%,温度35℃,pH4
のNaCl腐食液を3時間噴霧→50℃×4時間乾燥→
相対湿度98%,温度50℃の湿潤雰囲気中に3時間放
置)後に、補修していない切断端面から発生した塗膜剥
離及び切断端面切り口の赤錆発生を測定した。併せて、
塗膜疵付き部からの錆発生も測定した。
【0027】塗膜剥離幅が0.5mm以下を◎,0.5
〜1.0mmを○,1.0〜2.0mmを△,2.0m
m以上を×として耐剥離性を評価した。切断端面切り口
の試験対象部の面積を基準として、酸性雨複合腐食試験
で切り口に発生した赤錆の比率(%)を求め、切り口に
赤錆が発生していないものを◎、赤錆発生面積率が5%
以下を○、5〜20%を△、20%以上を×として切断
端面の耐赤錆性を評価した。更に、同様な評価方法で塗
膜疵付き部からの錆発生が検出されなかったものを◎,
錆発生面積率が25%以下を○、25〜60%を△,5
0%以上を×として塗膜疵付き部の耐錆性を評価した。
【0028】〔屋外曝露試験〕上下切断端面及び裏面を
補修した試験片を、千葉県市川市の東京湾岸から800
mの内陸部にある曝露試験場に3年3ヶ月放置した後、
補修していない切断端面から発生した塗膜剥離の幅及び
切断端面切り口の赤錆発生を測定した。塗膜剥離幅が
0.5mm以下を◎,0.5〜1.0mmを○,1.0
〜2.0mmを△,2.0mm以上を×として耐剥離性
を評価した。切断端面切り口に赤錆が発生していないも
のを◎,赤錆発生面積率が5%以下を○,5〜20%を
△,20%以上を×として切断端面の耐赤錆性を評価し
た。
【0029】〔汚染試験〕塗装鋼板に雨筋が垂れるよう
に波板を取り付けた塗装鋼板を地面から起立させ、屋外
曝露試験と同じ試験場に3ヶ月間放置した。3ヶ月経過
後に塗装鋼板の明度Lを測定し、放置前の明度との差Δ
Lを求めた。明度差ΔLが±1以内に収まっているもの
を○,±1を超えるものを×として耐汚染性を評価し
た。
【0030】TiO2単独の光触媒塗膜を形成した塗装
鋼板について耐食性及び耐汚染性の調査結果を示した表
2から明らかなように、溶融亜鉛めっき鋼板,溶融Zn
−5質量%Al系めっき鋼板及び溶融Zn−55質量%
Al系めっき鋼板に光触媒塗膜を形成した比較例の場
合、促進腐食試験及び曝露腐食試験の何れにおいても赤
錆の発生が検出された。これに対し、溶融Zn−Al−
Mg系めっき鋼板に光触媒塗膜を形成した本発明例の塗
装鋼板では、耐食性が格段に向上しており、光触媒反応
に起因する耐汚染性にも優れていた。また、溶融Zn−
Al−Mg系めっき鋼板にSiO2単独の光触媒塗膜を
形成した比較例2で依然として赤錆の発生が検出された
ことから、高耐食性がZn−Al−Mg系めっき鋼板と
光触媒塗膜との相乗作用に由来するものであることが窺
われる。
【0031】
【0032】塗装鋼板の耐食性は、表3にみられるよう
に光触媒塗膜のバインダとしてSiO2又はAl23
使用すること、或いはSiO2又はAl23をバインダ
とするプライマ層を溶融Zn−Al−Mg系めっき層と
光触媒塗膜との間に介在させることによって一層向上し
た。表3の結果は、SiO2又はAl23を介して溶融
めっき層に対する光触媒塗膜の密着性が向上し、耐食性
が向上したことを示している。
【0033】
【0034】更に、プライマ層,光触媒塗膜に防錆顔料
を配合した塗装鋼板の耐食性及び耐汚染性を示す表4に
みられるように、光触媒反応に悪影響を及ぼすことなく
防錆顔料の添加によって耐食性が一段と向上することが
確認された。なお、本発明例では塗装原板I−1,比較
例1では塗装原板III−1を使用した。
【0035】
【0036】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の光触媒
塗装鋼板は、Zn−Al−Mg系めっき層又はTi,B
が添加されたZn−Al−Mg系めっき層が形成された
溶融亜鉛めっき鋼板に光触媒塗膜を形成している。特定
された溶融めっき層と光触媒塗膜との組合せにより、光
触媒活性に起因した光カソード防食作用によって優れた
耐食性を呈する塗装鋼板となる。また表層にある光触媒
塗膜によって有機物が分解されるため、通常の汚れは勿
論、雨筋汚れも防止され、長期間に渡って美麗な外観が
維持される。このような特徴を活用し、内装材,外装
材,家電製品の表層材や筐体等として広範な分野で使用
される塗装鋼板が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C23C 2/06 C23C 2/06 2/40 2/40 (72)発明者 中村 浩茂 千葉県市川市高谷新町7番1号 日新製鋼 株式会社技術研究所内 (72)発明者 坂戸 健二 千葉県市川市高谷新町7番1号 日新製鋼 株式会社技術研究所内 Fターム(参考) 4D075 AE03 AE07 BB87X CA33 CA34 DA03 DA06 DB02 DC02 DC10 EA12 EA19 EA41 EB01 EB57 EC02 EC15 EC60 4F100 AA04C AA04D AA04H AA19D AA20C AA20D AA20H AA21 AA33C AA33D AA33H AB03B AB09A AB10A AB12A AB18A BA03 BA04 BA10B BA10C CA13C CA13D CC00C EH71A EJ65D GB07 GB48 JA11A JB02 JB02C JB02D JL06 JL08C YY00A 4K027 AA02 AA05 AB05 AB14 AB44

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Al:4〜10質量%,Mg:1〜4質
    量%,残部が実質的にZnの組成をもち、Al/Zn/
    Zn2Mgの三元共晶組織のマトリックス中に初晶Al
    相又は初晶Al相及びZn単相が混在した組織の溶融め
    っき層が鋼板表面に設けられ、光触媒塗膜が溶融めっき
    層の表層に形成されていることを特徴とする耐食性及び
    耐汚染性に優れた塗装鋼板。
  2. 【請求項2】 溶融めっき層が更にTi:0.002〜
    0.1質量%,B:0.001〜0.45質量%を含む
    請求項1記載の塗装鋼板。
  3. 【請求項3】 シリカ系及び/又はアルミナ系のプライ
    マ層を溶融めっき層と光触媒塗膜との間に介在させた請
    求項1記載の塗装鋼板。
  4. 【請求項4】 光触媒塗膜及び/又はプライマ層がリン
    酸塩,モリブデン酸塩,クロム酸塩,シリケートから選
    ばれた1種又は2種以上の防錆顔料を含んでいる請求項
    1又は3記載の塗装鋼板。
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