JP2002250356A - 密封転がり軸受 - Google Patents

密封転がり軸受

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JP2002250356A
JP2002250356A JP2001050884A JP2001050884A JP2002250356A JP 2002250356 A JP2002250356 A JP 2002250356A JP 2001050884 A JP2001050884 A JP 2001050884A JP 2001050884 A JP2001050884 A JP 2001050884A JP 2002250356 A JP2002250356 A JP 2002250356A
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JP
Japan
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lip
sealing plate
ring
grease
retainer
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JP2001050884A
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English (en)
Inventor
Hirotsuna Nawamoto
大綱 縄本
Hideto Yui
秀人 由井
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NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】冠形保持器を備えた軸受内に封入されるグリー
スの流動性を向上せしめ、潤滑に寄与せしめた転がり軸
受を提供することである。 【解決手段】保持器6の爪部6bと対向する密封板9
は、内径9b側が回転輪たる内輪3に固定されており、
内輪3の回転で密封板9が回転し、該密封板9の回転に
よって発生する遠心力により、軸受空間16に存するグ
リースが流動し、また内方に位置するリップ10形状に
沿って外輪軌道面の接触部に効率よく供給される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冠形保持器を備え
たグリース潤滑される密封転がり軸受に関し、自動車や
各種動力装置の回転運動箇所等、特に内輪回転で使用さ
れる密封転がり軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】各種回転支持部を構成するために、転が
り軸受が広く使用されている。転がり軸受は、一般的に
は、内周面に外輪軌道を有する外輪と、外周面に内輪軌
道を有する内輪と、これら外輪軌道と内輪軌道との間に
転動自在に設けた複数の玉と、上記外輪の内周面と内輪
の外周面との間に設けて、上記複数の玉を転動自在に保
持する保持器と、グリースを密封しているシールとを備
えて構成されている。
【0003】図5は、この様な一般的な転がり軸受を示
している。ここでは、保持器に冠形保持器400を使用
しているが、その他もみ抜き形保持器や、波形保持器も
使用されている。図5に示したような冠形保持器(プラ
スチック保持器)400は、波形プレス保持器に比べ
て、自己潤滑性、低摩擦特性、軽量、耐食性、低騒音な
どの点に優れるという特徴を有しており、高速環境下で
は好んで使用される。また、グリースを軸受内部に密封
するために用いられるシール500(600)は、殆ど
の場合、外径側501が外輪(非回転側軌道輪)100
に装着固定され、内径側(シール摺接側)502に二又
または複数のリップ503を有し、該リップ503は内
輪(回転側軌道輪)200の軸方向端部に形成されたシ
ール溝201に位置している。
【0004】前記リップ503において、内方に位置す
るリップ503aはシール溝201の側壁面である斜面
201aに摺接し、外方のリップ503bはシール溝2
01との間でラビリンス800を形成する。その他に
も、外方リップがシール溝の側壁面である斜面に摺接
し、内方リップがシール溝との間でラビリンスを形成し
ている場合もある。以上のように、図5に示したような
転がり軸受が、各種回転機器支持部で使用されており、
そのシール構造は上述した通り一般的には外輪100側
で装着固定され、高速回転環境下では、好んで冠形保持
器(プラスチック保持器)が使用される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記シール
500構造と前記冠形保持器400とを組み合わせて使
用すると、保持器400の爪側端部401とそれに対向
するシール内面504で囲まれた軸受空間700に存在
するグリースは殆ど流動せず、潤滑への寄与率が低いの
ではないかと以前から懸念されていた。
【0006】そこで発明者らがそのことを確認するため
に、シール500をアクリルで作成し、染料を混ぜたグ
リースを前記シール500上に封入し、前記軸受内輪2
00を回転させてグリース挙動を目視または高速度ビデ
オカメラで観察した。その結果、前記空間700に存在
するグリースは殆ど流動していないことが分かった。ま
た逆に、保持器背面側端部402とそれに対向するシー
ル600の内面604との間に存在するグリースは流動
し潤滑への寄与率が高いことが分かった。
【0007】本発明は、従来技術の有するこのような問
題点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、
冠形保持器を備えた軸受内に封入されるグリースの流動
性を向上せしめ、潤滑に寄与せしめた転がり軸受を提供
することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
に本発明がなした技術的手段は、軌道輪間に転動自在に
組み込まれる複数の玉と、上記軌道輪間に設けて、上記
複数の玉を転動自在に保持する冠形保持器と、グリース
を密封している密封板とを備えて構成される転がり軸受
において、少なくとも保持器の爪側端部と対向する密封
板が、回転する軌道輪側に固定されていることである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明転がり軸受の一実施
形態を図に基づいて説明する。
【0010】「第一実施形態」図1に第一実施形態を示
している。本実施形態の場合、内周面に外輪軌道1aを
有する外輪1と、外周面に内輪軌道3aを有する内輪3
と、これら外輪軌道1aと内輪軌道3aとの間に転動自
在に組み込んだ複数の玉5と、上記外輪1の内周面と内
輪3の外周面との間に設け、上記複数の玉5を転動自在
に保持する冠形保持器(プラスチック保持器)6と、軸
受両側に設け、グリースを密封するための密封板(シー
ル若しくはシールド)7,9から構成され、内輪回転で
使用される。そしてグリースを軸受内に密封している。
なお、本実施形態において、外輪1・内輪3・玉5・冠
形保持器6・グリースは、周知構造若しくは材質などが
適宜選択可能で、本発明の範囲内において設計変更可能
である。
【0011】冠形保持器6は、環状本体部6aと、環状
本体部6aの円周数ヶ所から軸方向一側へ突出する爪部
6bと、周方向で隣り合う各爪部6b間に設けられる玉
収容用のポケット6cとを備えている。冠形保持器6
は、図示例に限定解釈されるものではなく、冠形保持器
として周知のものが本発明の範囲内で使用可能である。
【0012】本実施形態において密封板7,9は、上述
の通り軸受の両側に設けられており、保持器6の背面側
端部6dに対向する密封板7と、保持器6の爪側端部6
eに対向する密封板9とで構成されている。
【0013】保持器6の背面側端部6dに対向する密封
板7は、外径7a側(固定側)が外輪(非回転側軌道
輪)1に装着固定され、内径7b側(シール摺接側)に
二又のリップ8を有し、該リップ8が内輪(回転側軌道
輪)3の軸方向端部に形成されたシール溝4に位置して
いる。前記リップ8において、内方に位置するリップ8
aはシール溝4の側壁面である斜面4aに摺接し、外方
のリップ8bはシール溝4との間でラビリンス12を形
成する。
【0014】一方、保持器6の爪側端部6eに対向する
密封板9は、内径9b側(固定側)が内輪(回転側軌道
輪)3に装着固定され、外径9a側(シール摺接側)に
三又のリップ10を有し、該リップ10が外輪(非回転
側軌道輪)1の軸方向端部に形成されたシール溝2に位
置している。前記リップ10において、内方に位置する
リップ10aは、その半径方向断面が三角形状(テーパ
ー形状)になっており、外輪肩部内周面と若干の隙間1
5を持って対向位置している。また、中央に位置するリ
ップ10cは、シール溝2の側壁面である斜面2aに摺
接している。そして外方のリップ10bはシール溝2と
の間でラビリンス13を形成している。
【0015】従って、保持器6の爪側端部6eとそれに
対向する密封板9で囲まれた空間16に存在するグリー
スは、前記密封板9が回転することによって発生する遠
心力によって流動し、また内方に位置するリップ形状に
沿って外輪軌道面の接触部に効率よく供給される。以上
のように本実施形態では、保持器6の爪側端部6eに対
向する密封板9を内輪(回転側軌道輪)3に装着固定し
たため、上述したようなグリース滞留の問題が解決さ
れ、従来形状の転がり軸受に比べてグリース寿命の向上
が期待できる。
【0016】なお、本実施形態において保持器6の爪側
端部6eと対向する密封板9と、保持器6の背面側端部
6dに対向する密封板7の夫々の構造・材質は如何なる
ものであってもよく、少なくとも保持器6の爪側端部6
eに対向する密封板9が回転する軌道輪側に固定される
構成を有するものであれば特に限定解釈されない。すな
わち、例えば、本実施形態における両密封板7,9を双
方共に回転する軌道輪(内輪3)側に装着固定する構成
としてもよい。また、リップ10の形状は任意で良く、
リップ10は接触若しくは非接触のいずれをも採用可能
である。また、本実施形態では芯金11を有する密封板
としたが、芯金11を有しない密封板であっても勿論本
発明の範囲内である。なお、回転側軌道輪(内輪3)に
固定される密封板9の固定部(内径9b側)および非回
転側軌道輪(外輪1)に固定される密封板7の固定部
(外径7a側)は、該回転側軌道輪にかしめ固定される
ものであっても、嵌合固定されるものであってもよく、
その固定方法は特に限定解釈されず任意である。
【0017】また、本実施形態では、内輪回転の場合を
もって説明するが、外輪回転の場合であっても、保持器
6の爪側端部6eと対向する側の密封板9を回転する軌
道輪(外輪1)側に固定するものであれば本発明の範囲
内であることはいうまでもない。
【0018】「第二実施形態」図2に本発明の第二実施
形態を示している。本実施形態の場合、上記第一実施形
態と同様に、保持器6の爪側端部6eに対向する密封板
9は、内径9b側を内輪(回転側軌道輪)3に装着固定
し、外径9a側(シール摺接側)に三又のリップ10を
有し、該リップ10を外輪(非回転側軌道輪)1の軸方
向端部に形成されたシール溝2に位置している。
【0019】但し、前記リップ10において、内方に位
置するリップ10aは、その半径方向断面が三角形状
(テーパー形状)になっており、外輪肩部内周面と隙間
15を持って対向位置している。また中央に位置するリ
ップ10cは、シール溝2との間でラビリンス14を形
成している。そして外方のリップ10bは、シール溝2
の側壁面である斜面2bに摺接している。その他の構成
及び作用効果は上述の第一実施形態と同様である。
【0020】「第三実施形態」図3に本発明の第三実施
形態を示している。本実施形態の場合、上記第一実施形
態と同様に、保持器6の爪側端部6eに対向する密封板
9は、内径9b側を内輪(回転側軌道輪)3に装着固定
し、外径9a側(シール摺接側)に三又のリップ10を
有し、該リップ10を外輪(非回転側軌道輪)1の軸方
向端部に形成されたシール溝2に位置している。但し、
前記リップ10において、内方に位置するリップ10a
は、その半径方向断面が三角形状(テーパー形状)にな
っており、外輪肩部内周面と隙間15を持って対向位置
している。また中央に位置するリップ10cと外方のリ
ップ10bは、シール溝2の側壁面である斜面2a,2
bにそれぞれ摺接している。その他の構成及び作用効果
は上述の第一実施形態と同様である。
【0021】「第四実施形態」図4に本発明の第四実施
形態を示している。本実施形態の場合、上記第一実施形
態と同様に、保持器6の爪側端部6eに対向する密封板
9は、内径9b側を内輪(回転側軌道輪)3に装着固定
し、外径9a側(シール摺接側)に三又のリップ10を
有し、該リップ10を外輪(非回転側軌道輪)1の軸方
向端部に形成されたシール溝2に位置している。但し、
前記リップ10において、内方に位置するリップ10a
は、その半径方向断面が三角形状(テーパー形状)にな
っており、外輪肩部内周面と隙間15を持って対向位置
している。また中央に位置するリップ10cと外方のリ
ップ10bは、シール溝2の側壁面である斜面2a,2
bにそれぞれ摺接している(第三実施形態と同形状)。
【0022】更に本実施形態では、保持器6の爪部6b
側の外輪肩部内周面には、周方向に連続した断面視略半
円状のグリース溜り用の溝17を設けている。従って、
前記溝17がグリースの軸方向流動を抑制する機能を果
たすために、リップ10でのグリース漏洩防止機能が向
上し、上記各実施形態よりもグリース寿命向上が期待で
きる。このグリース溜り用の溝17は、本実施形態のよ
うに周方向に連続して凹設されているものであっても良
いが、周方向に一つ若しくは断続的に複数個凹設してい
るものであってもよく、またその凹設形状も特に限定さ
れず上述の作用効果を発揮し得る構成であれば全て本発
明の範囲内である。その他の構成及び作用効果は上述の
第一実施形態と同様である。
【0023】
【発明の効果】本発明の転がり軸受は、上述の通り、外
輪と内輪との間に、冠形保持器(プラスチック保持器)
に保持される玉を有し、グリースによって潤滑される転
がり軸受において、少なくとも保持器の爪側端部と対向
する密封板は回転側軌道輪に装着固定され、シール摺接
側に有する二又または複数のリップを、非回転側軌道輪
の軸方向端部に形成されたシール溝に位置している。従
って、冠形保持器を有し、該保持器の爪側端部と対向す
る密封板が、非回転側軌道輪に装着固定される従来構造
軸受において発生する種々の問題を解決することができ
る。すなわち、シール付の密封転がり軸受において本発
明の転がり軸受を使用すれば、グリース寿命向上の効果
が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明転がり軸受の第一実施形態を示す断面
図。
【図2】第二実施形態を示す断面図。
【図3】第三実施形態を示す断面図。
【図4】第四実施形態を示す断面図。
【図5】従来技術の転がり軸受を示す断面図。
【符号の説明】
1:外輪(非回転側軌道輪) 3:内輪(回転側軌道輪) 5:玉 6:保持器 6b:爪部 6d:背面側端部 6e:爪側端部 7:密封板(保持器背面対向側) 9:密封板(保持器爪部対向側) 16:空間(密封板9と保持器爪部6bとの間の空間)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3J016 AA02 BB03 CA03 3J101 AA02 AA32 AA42 AA52 AA62 BA25 BA44 CA13 DA14 FA32 GA01 GA24

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軌道輪間に転動自在に組み込まれる複数の
    玉と、上記軌道輪間に設けて、上記複数の玉を転動自在
    に保持する冠形保持器と、グリースを密封している密封
    板とを備えて構成される転がり軸受において、少なくと
    も保持器の爪側端部と対向する密封板が、回転する軌道
    輪側に固定されていることを特徴とする密封転がり軸
    受。
JP2001050884A 2001-02-26 2001-02-26 密封転がり軸受 Pending JP2002250356A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102192239A (zh) * 2011-04-20 2011-09-21 江苏钱潮轴承有限公司 一种汽车中间支架传动球轴承

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