JP2002249979A - 消臭性敷物 - Google Patents

消臭性敷物

Info

Publication number
JP2002249979A
JP2002249979A JP2001051058A JP2001051058A JP2002249979A JP 2002249979 A JP2002249979 A JP 2002249979A JP 2001051058 A JP2001051058 A JP 2001051058A JP 2001051058 A JP2001051058 A JP 2001051058A JP 2002249979 A JP2002249979 A JP 2002249979A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
titanium oxide
oxide photocatalyst
pile
crystalline titanium
carpet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001051058A
Other languages
English (en)
Inventor
Takekazu Shimono
偉和 霜野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
BIORI KK
Original Assignee
BIORI KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by BIORI KK filed Critical BIORI KK
Priority to JP2001051058A priority Critical patent/JP2002249979A/ja
Publication of JP2002249979A publication Critical patent/JP2002249979A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Carpets (AREA)
  • Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 結晶型酸化チタン光触媒を消臭剤に用いて消
臭性敷物の実用化を図る。 【解決手段】 パイル層の表面を構成しているパイル立
毛繊維の先端部分に、バインダー(接着剤)を用いるこ
となく、リン酸カルシウムの外殻に包んで粒径結晶型酸
化チタン光触媒微粒子を吸着させる。結晶型酸化チタン
光触媒微粒子の粒径は10〜50nmとする。リン酸カ
ルシウムの微粒子全体に占める比率は5重量%以下にす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ウイルトンカーペ
ット、アキスミンスターカーペット、フック・ラッグ、
タフテッドカーペット、出入口マット、タイルカーペッ
ト、キッチンマット、電気カーペット、電気カーペット
表面カバー、炬燵敷きカーペット等の表面がパイル層に
覆われた消臭性敷物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】結晶型酸化チタン光触媒は、その強力な
還元・酸化作用がアンモニアやホルマリン等の臭気成分
を分解して無臭成分とする消臭機能を有することからし
て、それを適用して繊維製品に消臭性を付与することが
検討されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】その具体的方法として
は、結晶型酸化チタン光触媒をバインダーと共に繊維に
固着させる方法が挙げられるが、結晶型酸化チタン光触
媒の還元・酸化作用によるバインダーや繊維の劣化が危
惧される。そこで、その使用する繊維やバインダーに、
不活性物質であるゼオライトや非結晶質過酸化チタン、
リン酸カルシウム、シリコン樹脂、フッ素樹脂、メラミ
ン樹脂等を適用することが検討された。しかし、それら
の不活性物質は、繊維製品の色調や風合い(可撓性、吸
湿性、手触り等)を損ない、又、光を遮って結晶型酸化
チタン光触媒の消臭機能を損なう。このような理由で実
用上満足し得る消臭性繊維製品は得られない。
【0004】
【発明の目的】そこで従来技術を具に検討するに、不活
性物質であるリン酸カルシウムに被覆された結晶型酸化
チタン光触媒では、そのリン酸カルシウムが汚染物質の
吸着剤として生体材料や濾過材料、環境浄化フイルタ
ー、歯磨き粉、漂白剤等に使用されていることからし
て、リン酸カルシウムが結晶型酸化チタン光触媒を繊維
に吸着させるバインダーの機能をも有し、それ故に、格
別シリコン樹脂やフッ素樹脂、メラミン樹脂等のバイン
ダーを用いる必要はないものと考えられた。特に、リン
酸カルシウムを超微粒子にすれば繊維との接触面積が増
えて吸着性を増し、更に、結晶型酸化チタン光触媒の外
殻を構成するリン酸カルシウムを微量にすれば光が遮ら
れることがなく、従って、結晶型酸化チタン光触媒の消
臭機能を妨げることがなく、却って、微粒子の核である
結晶型酸化チタン光触媒の表面に微細な凹凸が出来て益
々吸着性を増し、その結果、臭気成分を捕捉して結晶型
酸化チタン光触媒の消臭作用を促すことになる。そし
て、立毛繊維が細かく分かれていて表面積の大きいパイ
ル面では、空中に漂う臭気成分が立毛繊維に触れ易く、
そこに吸着している結晶型酸化チタン光触媒が極微量で
あっても効果的に消臭機能を営む。又、立毛繊維の太さ
に比して結晶型酸化チタン光触媒が限りなく微細であれ
ば、広い立毛繊維の表面に結晶型酸化チタン光触媒が点
在する恰好になり、結晶型酸化チタン光触媒が立毛繊維
に劣化作用をなすとしても、その劣化は結晶型酸化チタ
ン光触媒の付着している極微細な一部に止まり、立毛繊
維全体が劣化することはないものと考えられた。
【0005】本発明は、かかる知見を得て完成されたも
のであり、結晶型酸化チタン光触媒による消臭性敷物の
実用化を図ろうとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明に係る消臭
性敷物は、パイル層の表面を構成しているパイル立毛繊
維の先端部分に、リン酸カルシウムの外殻に包まれた粒
径10〜50nmの結晶型酸化チタン光触媒微粒子が吸
着しており、その微粒子全体に占めるリン酸カルシウム
の比率が5重量%以下であることを第1の特徴とする。
【0007】本発明に係る消臭性敷物の第2の特徴は、
上記の第1の特徴に加えて、結晶型酸化チタン光触媒微
粒子が、パイル層全体の0.5重量%以下を占めている
点にある。
【0008】
【発明の実施の形態】結晶型酸化チタン光触媒の外殻と
してのリン酸カルシウムは、カルシウムイオンやリンイ
オンを含む疑似体液に二酸化チタン超微粒子を投入し、
その表面に析出させて生成する。そのようにして形成さ
れるリン酸カルシウムの外殻は、結晶型酸化チタン光触
媒の表面で平坦ではなく微細な多孔質の突起を成してお
り、臭気成分を捕捉する上でも、又、繊維表面に吸着す
る上でも好都合な形状をなし、その突起間の窪みにおい
て結晶型酸化チタン光触媒の強い消臭機能が営まれるこ
とになる。
【0009】結晶型酸化チタン光触媒の粒径を10〜5
0nmとするのは、通常のパイル立毛繊維の太さ(単糸
繊度)が5.5dtex乃至22.0dtexであり、
5.5dtexの立毛繊維の直径は約26μm(260
00nm)、22.0dtexの立毛繊維の直径は53
μm(53000nm)であり、nm単位で拡大された
立毛繊維の表面には微細な凹凸や隙間が認められるか
ら、その微細な凹凸や隙間に結晶型酸化チタン光触媒が
吸着して離脱し難く、その結果、バインダーが不要にな
るからである。そのように結晶型酸化チタン光触媒が超
微細であれば、たとえ結晶型酸化チタン光触媒が立毛繊
維に劣化作用をしても、その劣化は超微細な一部に止ま
り、立毛繊維全体の劣化は回避される。又、そのように
超微細にすると、結晶型酸化チタン光触媒の比表面積も
大きくなり、それによる消臭効果も高まるので、その使
用量(吸着量)も微量で済み、結晶型酸化チタン光触媒
によって立毛繊維の色調や風合いが損なわれるような不
都合も回避される。
【0010】微粒子全体に占めるリン酸カルシウムの比
率を5重量%以下にするには、先に述べた通り、リン酸
カルシウムによって完全に光が遮られて結晶型酸化チタ
ン光触媒の消臭機能が妨げられるようなことがないよう
にするため、そして、結晶型酸化チタン光触媒の表面に
臭気成分を捕捉するリン酸カルシウムの微細な多孔質の
突起が形成されるようにするためである。
【0011】微量の結晶型酸化チタン光触媒を均一にパ
イル立毛繊維に吸着させるには、結晶型酸化チタン光触
媒を水分散液に調製し、パイル布帛のパイル面に散布或
いは塗布し、又は、パイルを形成する前のパイル糸を分
散液に浸漬・絞液して付与する。
【0012】結晶型酸化チタン光触媒を配合した分散液
にパイル糸を浸漬・絞液して付与する場合、その分散液
にはモノウンデシレン酸グリセリド、塩化ステアリルト
リメチルアンモニウム、流動パラフィン、エチレングリ
コール、セチルアルコール、エタノール等を分散剤とし
て配合する。パイル糸への結晶型酸化チタン光触媒の付
着量は、0.1〜3.0重量%、好ましくは0.2〜
0.5重量%とする。
【0013】結晶型酸化チタン光触媒を配合した分散液
をパイル面に塗布する場合、その分散液には結晶型酸化
チタン光触媒の分散剤としてタモール系分散剤、例えば
アルキルナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物を配合
するとよい。パイル面への結晶型酸化チタン光触媒の付
着量は1〜10g/m2 、好ましくは1〜5g/m2
する。そうすると、一般にウイルトンカーペットでは、
厚み(パイル長)が7mm前後のパイル層の重量は概し
て1000kgであり、結晶型酸化チタン光触媒微粒子
は、パイル層全体の0.5重量%以下を占めることにな
る。パイルは、カットパイルとループパイルの何れでも
よく、又、カットパイルとループパイルが混在してパイ
ル層を形成していてもよい。
【0014】パイル層の内部では、パイル立毛繊維に光
が遮られるので、そこに結晶型酸化チタン光触媒が付着
していても消臭機能は営まれず、又、室内の臭気成分が
パイル層の内部の繊維に触れる機会も少ないので、パイ
ル層の内部に結晶型酸化チタン光触媒を介在させても格
別な消臭効果は期待されないので、結晶型酸化チタン光
触媒の有効利用を図る上でも、特に、小サイズの敷物で
あるタイルカーペット等では、パイル面に散布(スプレ
ー)或いは泡状にして塗布(フロス)して結晶型酸化チ
タン光触媒を付与することが推奨される。そのようにパ
イル面に散布或いは塗布して結晶型酸化チタン光触媒を
付与するときは、全ての敷物に対してではなく、消臭性
の要求される敷物にだけ結晶型酸化チタン光触媒を付与
することになるので、結晶型酸化チタン光触媒を付与し
た消臭性敷物の在庫負担も軽減されてコストダウンを図
ることが出来、又、消臭性敷物の多品種少量生産に応え
ることも出来る。
【0015】本発明における消臭性敷物の消臭性能は、
消臭試験と、その試験後の試験片からの臭気の放出を調
べる放出試験によって測定される。消臭性敷物の消臭性
能の耐クリーニング性については、ソーダ灰39重量部
と蛋白同化剤(米国ファイザー社製・Neodol)2
重量部とトリポリ燐酸ナトリウム20重量部と五水和性
メタ珪酸ナトリウム39重量部から成る洗剤180gf
を水19リットルに溶解した約60℃の洗浄液を、米国
製サーマックス掃除機を用い、試験の対象となる敷物
(縦横30cm×30cm)に対し、30秒間、約80
cc噴射し、同時に試料片に付着した洗浄液を吸引除去
する洗浄操作を2回繰り返して24時間自然乾燥するエ
クストラクションクリーニングを4回行ってから、消臭
試験と放出試験によって消臭性能を調べる。消臭試験
は、5000ccのテドラーバックに5cm×5cmの
試験片(敷物)を入れ、一定濃度に調整した臭気ガスを
2000cc注入し、22℃の部屋で、蛍光灯の直下約
15cm(照度11000Lux)の下に放置し、15
分間おきにガス検知管で臭気ガスの濃度を測定し、注入
した臭気ガスの減少率(消臭率、単位;%)を調べる。
放出試験は、消臭試験終了後、テドラーバック内のガス
を真空ポンプで完全に排出し、代わりに新鮮な空気を注
入し、乾燥機に入れ、15分間おきにガス検知管で臭気
ガスの濃度(単位;ppm)を測定して行われる。
【0016】
【実施例1】流動パラフィン4.8重量部、モノウンデ
シレン酸グリセリド3.0重量部、エチレングリコール
4.0重量部、セチルアルコール4.8重量部、エタノ
ール5.0重量部、塩化ステアリルトリメチルアンモニ
ウム7.0重量部、シリコーン・エマルジョン3.0重
量部との混合溶液に、微粒子全体の重量の2重量%を占
めるリン酸カルシウムの外殻に包まれた粒径分布20〜
30nmの結晶型酸化チタン光触媒微粒子を配合し、攪
拌しつつ水を加えて混合溶液全体量に対する結晶型酸化
チタン光触媒微粒子の配合量を0.3重量%に調製し、
吸尽染色機を用いて50℃にて30分間処理した528
0dtex(1320dtex単糸2本撚×2本引き揃
え)ナイロン・マルチフイラメント消臭性パイル糸を用
いて、パイル層重量1300gfg/m2 ・パイル層厚
み7mmのナイロンパイル・消臭処理ウイルトンカーペ
ットを製織した。このナイロン・マルチフイラメント消
臭性パイル糸に対する結晶型酸化チタン光触媒の付着量
は0.2重量%であった。
【0017】上記実施例1に係る消臭処理ウイルトンカ
ーペットAと、上記実施例1の消臭無処理のナイロン・
マルチフイラメントパイル糸(5280dtex)を使
用したパイル層重量1300gfg/m2 ・パイル層厚
み7mmの消臭無処理ウイルトンカーペットBと、他社
の消臭処理の施された1880dtex(940dte
x単糸2本撚)ナイロン・マルチフイラメント消臭性パ
イル糸を用いたハイカット・ローループ消臭処理他社タ
フテッドカーペットC(パイル層重量750gf/m2
・7mmカットパイル・3.5mmループパイル)の消
臭性能とその耐クリーニング性について、アンモニアを
臭気ガスに用い、消臭試験と放出試験を行った。その消
臭試験の結果は表1と図1のグラフに、放出試験の結果
は表2と図2のグラフに示す通りである。図1と図2に
おいて、「□」は洗濯前のカーペットA、「・」は洗濯
後のカーペットA、「△」はカーペットB、「△」は洗
濯前のカーペットC、「×」は洗濯後のカーペットCの
データをそれぞれ表す。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】上記実施例1に係る消臭処理ウイルトンカ
ーペットAと、前記消臭無処理ウイルトンカーペットB
と前記他社他社タフテッドカーペットCの消臭性能とそ
の耐クリーニング性について、酢酸を臭気ガスに用い、
消臭試験を行った。その消臭試験の結果は表3と図3の
グラフに示す通りである。図3において、「□」は洗濯
前のカーペットA、「・」は洗濯後のカーペットA、
「△」はカーペットB、「△」は洗濯前のカーペット
C、「×」は洗濯後のカーペットCのデータをそれぞれ
表す。
【0021】
【表3】
【0022】
【実施例2】実施例1に用いた処理溶液を用い、吸尽染
色機を用いて50℃にて30分間処理した1.7メート
ル番手(5メートル番手単糸3本撚)羊毛繊維・消臭性
パイル糸を用いて、パイル層重量1350gf/m2
パイル層厚み7mmの羊毛繊維パイル・消臭処理ウイル
トンカーペットを製織した。この羊毛繊維・消臭性パイ
ル糸に対する結晶型酸化チタン光触媒の付着量は0.2
重量%であった。
【0023】上記実施例2に係る消臭処理ウイルトンカ
ーペットDと、上記実施例2の消臭無処理の羊毛繊維パ
イル糸(5メートル番手単糸3本撚)を使用したパイル
層重量1350gfg/m2 ・パイル層厚み7mmの消
臭無処理ウイルトンカーペットEの消臭性能について、
アセトアルデヒドを臭気ガスに用い、消臭試験を行っ
た。その消臭試験の結果は表4と図4のグラフに示す通
りである。図4において、「□」はカーペットD、
「△」はカーペットEのデータをそれぞれ表す。
【0024】
【表4】
【0025】上記実施例2に係る消臭処理ウイルトンカ
ーペットDと、前記消臭無処理ウイルトンカーペットE
の消臭性能について、ピリジンを臭気ガスに用い、消臭
試験を行った。その消臭試験の結果は表5と図5のグラ
フに示す通りである。図5において、「□」はカーペッ
トD、「△」はカーペットEのデータをそれぞれ表す。
【0026】
【表5】
【0027】
【発明の効果】本発明では、消臭機能を有する結晶型酸
化チタン光触媒が、粒径10〜50nmの超微粒子であ
り、吸着剤として生体材料や濾過材料、環境浄化フイル
ター、歯磨き粉、漂白剤等に使用されているリン酸カル
シウムによって被覆されているので、バインダーを用い
ることなく立毛繊維に吸着させることが出来、消臭処理
によってパイル面の風合い(可撓性、吸湿性、手触り
等)が損なわれることがない。そして、結晶型酸化チタ
ン光触媒が超微粒子であるが故に比表面積が大きく、
又、リン酸カルシウムが汚染物質を吸着させて結晶型酸
化チタン光触媒の消臭機能を促進するので、その使用量
が微量で済み、パイル面の色調を損なうことがない。更
に、結晶型酸化チタン光触媒が超微粒子であり、その使
用量も微量なので、立毛繊維の表面に疎らに点在し、そ
れが仮に劣化作用をなすとしても、その劣化は極微細な
一部に止まり立毛繊維全体が劣化することはなく、特
に、結晶型酸化チタン光触媒の表面が不活性物質のリン
酸カルシウムに被覆されているので、立毛繊維の劣化は
回避される。
【0028】本発明の実施の際に使用されるモノウンデ
シレン酸グリセリド、塩化ステアリルトリメチルアンモ
ニウム、流動パラフィン、アルキルナフタレンスルホン
酸ホルマリン縮合物等の分散剤が結晶型酸化チタン光触
媒の立毛繊維への吸着を促すものとして一種のバインダ
ーと見ることが出来るとしても、それらは低分子量の物
質であって接着性樹脂ではなく、それらの分散剤が結晶
型酸化チタン光触媒と共に立毛繊維に吸着しているとし
ても、そのことによって本発明の技術的範囲が縮減され
ることはない。即ち、本発明において「分散剤」とは、
結晶型酸化チタン光触媒を水に分散させる助剤であり、
それが洗濯時に立毛繊維からの結晶型酸化チタン光触媒
の離脱・流失を促さないものであればよく、従って、繊
維に耐水性の機能を付与する撥水剤、撥油剤、撥水・撥
油剤、防汚剤、帯電防止剤、防炎剤、抗菌剤、柔軟剤等
の機能性繊維仕上剤も、結晶型酸化チタン光触媒を水に
分散させる助剤となるのであれば、それを「分散剤」と
して使用することが出来る。その場合には、結晶型酸化
チタン光触媒による消臭性能に加えて、それらの繊維仕
上剤の機能性も敷物に付与されることになり、本発明の
産業上の利用性が助長されることになる。
【0029】一方、表面を被覆する不活性物質のリン酸
カルシウムも微粒子全体の5重量%以下であるため、結
晶型酸化チタン光触媒がリン酸カルシウムに遮光されな
い微細な隙間に露出する恰好になり、その光触媒として
の消臭機能が格別損なわれることにもならず、却って、
リン酸カルシウムが微細な多孔質の突起を形成して臭気
成分を捕捉する機能も高まるので、結晶型酸化チタン光
触媒による消臭効果も高まる。本発明では、室内の全床
面積を占め、毛羽立っていて空気との接触面積の大きい
パイル面に結晶型酸化チタン光触媒を適用したので、そ
の消臭機能が遺憾なく発揮され、本発明の消臭性敷物は
室内空気の浄化装置としての実用価値も発揮することに
もなる。
【0030】かくして本発明によると、結晶型酸化チタ
ン光触媒によって立毛繊維が劣化したり、色調や風合い
(可撓性、吸湿性、手触り等)が損なわれることがな
く、その消臭機能が臭気成分の吸収によるのではなく臭
気成分の分解作用によるものであるから消臭効果が長期
持続し、実用上満足し得る消臭性敷物が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】敷物による臭気成分の消臭率と放置時間の関係
を示すグラフである。
【図2】敷物からの臭気成分の放出率と放置時間の関係
を示すグラフである。
【図3】敷物による臭気成分の消臭率と放置時間の関係
を示すグラフである。
【図4】敷物による臭気成分の消臭率と放置時間の関係
を示すグラフである。
【図5】敷物による臭気成分の消臭率と放置時間の関係
を示すグラフである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パイル層に覆われた消臭性敷物におい
    て、パイル層の表面を構成しているパイル立毛繊維の先
    端部分に、リン酸カルシウムの外殻に包まれた粒径10
    〜50nmの結晶型酸化チタン光触媒微粒子が吸着して
    おり、その微粒子全体に占めるリン酸カルシウムの比率
    が5重量%以下である消臭性敷物。
  2. 【請求項2】 前掲請求項1に記載の結晶型酸化チタン
    光触媒微粒子が、パイル層全体の0.5重量%以下を占
    めている前掲請求項1に記載の消臭性敷物。
JP2001051058A 2001-02-26 2001-02-26 消臭性敷物 Pending JP2002249979A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001051058A JP2002249979A (ja) 2001-02-26 2001-02-26 消臭性敷物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001051058A JP2002249979A (ja) 2001-02-26 2001-02-26 消臭性敷物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002249979A true JP2002249979A (ja) 2002-09-06

Family

ID=18911921

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001051058A Pending JP2002249979A (ja) 2001-02-26 2001-02-26 消臭性敷物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002249979A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005273068A (ja) * 2004-03-24 2005-10-06 Teijin Fibers Ltd 機能性繊維構造体およびその製造方法
JP2006271536A (ja) * 2005-03-28 2006-10-12 Niwayuu:Kk 玄関マットとその製造方法
JP2011036405A (ja) * 2009-08-11 2011-02-24 Universal Treasure Inc 制電性多機能カーペット
JP2011139908A (ja) * 2011-02-23 2011-07-21 Universal Treasure Inc 制電性多機能カーペット

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005273068A (ja) * 2004-03-24 2005-10-06 Teijin Fibers Ltd 機能性繊維構造体およびその製造方法
JP2006271536A (ja) * 2005-03-28 2006-10-12 Niwayuu:Kk 玄関マットとその製造方法
JP2011036405A (ja) * 2009-08-11 2011-02-24 Universal Treasure Inc 制電性多機能カーペット
JP4753057B2 (ja) * 2009-08-11 2011-08-17 株式会社ユニバーサルトレジャー 制電性多機能カーペット
JP2011139908A (ja) * 2011-02-23 2011-07-21 Universal Treasure Inc 制電性多機能カーペット

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2001055498A1 (fr) Structure en fibre ayant une propriete desodorisante et antibacterienne
JPWO2006046443A1 (ja) Voc除去機能を有する繊維布帛
JP2007262621A (ja) 光触媒能を有する繊維、及びこの繊維を用いた布帛、並びに、この布帛を用いた布製品
JP2002249979A (ja) 消臭性敷物
JP2008255507A (ja) 消臭布帛
JP2003336170A (ja) 繊維構造物
JP4067177B2 (ja) 消臭、抗菌および防汚機能を有する繊維布帛およびその製造方法
JP4428510B2 (ja) 光触媒を担持した、消臭機能を有する繊維布帛。
JP2006322101A (ja) 消臭布帛
JP2000119958A (ja) 機能性繊維構造物
JP2005213686A (ja) 再生セルロース繊維を含む繊維材料
JPH09286615A (ja) 酸化亜鉛微粒子付着複合体及びその製造方法
JP2000119971A (ja) 防汚性繊維構造物
JP2000354535A (ja) 消臭カーペットおよびその製造方法
JP2003070891A (ja) 脱臭フィルター及び空気清浄器
JP2004154209A (ja) マスク
JP2000328439A (ja) ポリエステル系繊維布帛物
JP4092554B2 (ja) 消臭性繊維構造物
JP3750223B2 (ja) 消臭性繊維構造物
JP2002263044A (ja) ワイピングクロス
JPH09273077A (ja) 消臭繊維の製造方法
JP2001245778A (ja) 敷物類
JP2004360084A (ja) 繊維構造物
JP2001238777A (ja) 寝装類
JP2001254281A (ja) 室内内装材料