JP2003070891A - 脱臭フィルター及び空気清浄器 - Google Patents

脱臭フィルター及び空気清浄器

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JP2003070891A
JP2003070891A JP2001262879A JP2001262879A JP2003070891A JP 2003070891 A JP2003070891 A JP 2003070891A JP 2001262879 A JP2001262879 A JP 2001262879A JP 2001262879 A JP2001262879 A JP 2001262879A JP 2003070891 A JP2003070891 A JP 2003070891A
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deodorizing filter
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deodorizing
adhesive
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Tomohiro Yamaguchi
友宏 山口
Tadao Kawamura
忠勇 河村
Masaaki Nagashima
雅明 長島
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Japan Vilene Co Ltd
Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Japan Vilene Co Ltd
Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アンモニアや酢酸などの他に、アセトアルデ
ヒドに対する脱臭性能にも優れた脱臭フィルターを提供
する。 【解決手段】 二酸化珪素と酸化亜鉛との複塩からなる
吸着剤1と、酸化触媒2を、接着剤で不織布基材3に固
着して、消臭フィルターを形成する。二酸化珪素と酸化
亜鉛との複塩からなる吸着剤及び酸化触媒の作用によっ
て、アンモニアや酢酸などの他に、アセトアルデヒドを
性能高く除去することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気中の臭気を脱
臭するために用いられる脱臭フィルター及び、この脱臭
フィルターを用いて室内空気の清浄化を行なうようにし
た空気清浄器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】空気中の粉塵や臭気成分を除去する機能
を備えた家庭用空気清浄器として、従来から種々のもの
が提供されている。この空気清浄器において、空気中の
臭気成分の除去は脱臭フィルターに空気を通過させるこ
とによって行なう方式のものが主流であり、この脱臭フ
ィルターとしては、不織布に吸着剤を接着剤で固着させ
て形成したものが主流である。
【0003】そして脱臭フィルターにおいて、不織布に
接着剤で固着させる吸着剤として、例えば二酸化珪素と
酸化亜鉛と酸化アルミニウムの複合物(8.6SiO2
・Al23・4.8ZnO・nH2O)を用いることが
行なわれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の二酸化珪素と酸
化亜鉛と酸化アルミニウムの複合物からなる吸着剤を用
いて作製した脱臭フィルターでは、臭気成分のうち、ア
ンモニアや酢酸などに対しては十分な脱臭性能を発揮す
るが、タバコ臭に含まれるアセトアルデヒドに対する脱
臭性能は不十分であるという問題を有するものであっ
た。
【0005】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、アンモニアや酢酸などの他に、アセトアルデヒド
に対する脱臭性能にも優れた脱臭フィルターを提供する
ことを目的とするものであり、さらにこの脱臭フィルタ
ーの性能を効果的に発揮させて空気清浄を行なうことが
できる空気清浄器を提供することを目的とするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
脱臭フィルターは、二酸化珪素と酸化亜鉛との複塩から
なる吸着剤と、酸化触媒とが、接着剤で不織布基材に固
着されていることを特徴とするものである。
【0007】また請求項2の発明は、請求項1におい
て、酸化触媒が酸化チタンであることを特徴とするもの
である。
【0008】また請求項3の発明は、請求項1又は2に
おいて、接着剤がエマルジョン型接着剤であることを特
徴とするものである。
【0009】また請求項4の発明は、請求項1乃至3の
いずれかにおいて、不織布基材はプリーツ加工されてい
ることを特徴とするものである。
【0010】本発明の請求項5に係る空気清浄器は、放
電により活性酸素を発生させる放電部を有する空気清浄
器において、放電部よりも空気の流れの下流側に上記の
請求項1乃至4のいずれかに記載の脱臭フィルターを設
けて成ることを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0012】図1は本発明に係る脱臭フィルターの一例
を示すものであり、脱臭層10と除塵層11とから二層
構造に形成してある。脱臭層10は不織布基材3に接着
剤で吸着剤1と酸化触媒2を固着させることによって形
成されるものである。
【0013】そして本発明では、この吸着剤として二酸
化珪素と酸化亜鉛の複塩を用いることを特徴とするもの
である。この二酸化珪素と酸化亜鉛の複塩は化学構造式
がxSiO2・yZnO・zH2O(又はOH)で示され
るものである。また本発明では、この吸着剤と併用して
酸化触媒を用いることを特徴とするものである。酸化触
媒としては、二酸化マンガン、酸化ニッケル、酸化銅、
酸化チタン、酸化亜鉛、銀などを用いることができる
が、これらのなかでも、アナターゼ型の酸化チタンを用
いるのが望ましい。
【0014】二酸化珪素と酸化亜鉛の複塩からなる吸着
剤や、酸化触媒は、その粒径が0.007〜250μm
の範囲の粒子であることが好ましく、二酸化珪素と酸化
亜鉛の複塩からなる吸着剤の粒径が、酸化触媒の粒径よ
りも大きい組み合わせのものが望ましい。また不織布基
材3への吸着剤1や酸化触媒2の固着量は、二酸化珪素
と酸化亜鉛の複塩からなる吸着剤1については0.1〜
30g/m2、酸化チタンからなる酸化触媒2について
は0.1〜10g/m2の範囲が好ましい。従って吸着
剤1と酸化触媒2の比率は0.1:10〜30:0.1
の質量比の範囲が好ましい。吸着剤1や酸化触媒2の固
着量が0.1g/m2未満であると、脱臭性能を十分に
得ることができなくなるおそれがある。吸着剤1の固着
量が30g/m2を超える場合や、酸化触媒2の固着量
が10g/m2を超える場合は、製造が困難になる等の
問題があるので好ましくないのであるが、吸着剤1や酸
化触媒2の固着量の上限は特に制限されるものではな
く、これらを超えて吸着剤1や酸化触媒2を固着させて
も差し支えない。
【0015】不織布基材3に吸着剤1と酸化触媒2を接
着剤で固着させて脱臭層10を形成するにあたっては、
不織布基材3に、吸着剤1と酸化触媒2及び接着剤を混
合した溶液を含浸させ、これを乾燥することによって行
なうことができる。あるいは、不織布を構成する繊維
と、吸着剤1と酸化触媒2、及び接着剤を混合したスラ
リーを調製し、このスラリーを抄造することによって、
不織布基材3を作製する際に同時に脱臭層10を形成す
るようにすることによっても行なうことができる。
【0016】ここで、不織布基材3を構成する繊維とし
ては、例えば、ポリクラール繊維、ビニリデン繊維、ポ
リ塩化ビニル繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊
維、アクリル繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリプ
ロピレン繊維、ポリエチレン繊維、或いは断面形状が芯
鞘型、偏芯型、サイドバイサイド型、海島型、菊花型、
積層バイメタル型の複数の樹脂成分からなる複合繊維な
どの合成繊維や、これら合成繊維に芳香剤、抗菌性や防
黴性などの機能を有する繊維や、レーヨン、ビスコース
などの再生繊維や、アセテートなどの半合成繊維や、炭
素繊維、ガラス繊維などの無機繊維などを使用すること
ができる。こられの中でも、ポリクラール繊維、ビニリ
デン繊維、ポリ塩化ビニル繊維は難燃性に優れており、
ポリエステル繊維は耐薬品性や耐熱性に優れているの
で、好適に使用することができる。
【0017】不織布基材3を構成するこれらの繊維は、
平均繊維径が10〜25μmのものが好ましい。平均繊
維径が10μm未満であると、単位繊維目付け当たりの
繊維本数が多くなるので、脱臭フィルターに空気を通過
させる際の圧力損失が大きくなる。逆に平均繊維径が2
5μmを超えると、単位繊維目付け当たりの繊維本数が
少なくなり過ぎて、脱臭フィルターを構成する不織布基
材3の強度が低下するおそれがある。
【0018】そして上記のような繊維から不織布基材3
を作製するにあたっては、例えばカード法、エアレイ
法、湿式法、スパンバンド法などにより得た繊維ウェブ
を、ニードルや水流による絡合処理、繊維の熱融着を利
用した全面的又は部分的な押圧下或いは無押圧下での熱
融着処理、接着剤による全面的又は部分的な接着処理な
どをすることによって、行なうことができるものであ
る。
【0019】この不織布基材3は繊維目付けが70〜9
0g/m2、厚みが0.2〜0.4mmの範囲のもの、
すなわち見掛け密度が0.175〜0.45g/cm3
の範囲のものが好ましい。不織布基材3の見掛け密度が
0.175g/cm3未満であると、単位面積当たりの
繊維本数が少ないために基材強度が不足し、見掛け密度
が0.45g/cm3を超えると、単位面積当たりの繊
維本数が多くなるために圧力損失が大きくなるおそれが
ある。
【0020】また、不織布基材3に吸着剤1や酸化触媒
2を固着する接着剤としては、エマルジョン型、溶液
型、ホットメルト型の各種の接着剤を用いることがで
き、また不織布基材3を作製する際の接着剤を用いるこ
ともできるが、エマルジョン型接着剤は吸着剤1や酸化
触媒2の脱臭性能を低下させることが少ないので、エマ
ルジョン型接着剤を好適に使用することができる。
【0021】このエマルジョン型接着剤としては、例え
ば、アクリル系、塩化ビニル系、塩化ビニリデン系、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体系、ポリ酢酸ビニル系、合
成ゴム系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミ
ド系などのものを用いることができるが、なかでも塩化
ビニル樹脂と塩化ビニリデン樹脂をブレンドしたエマル
ジョン型接着剤を用いるのが好ましい。塩化ビニル樹脂
は剛性を付与することができる特性を有すると共に、塩
化ビニリデン樹脂は剛性を低下させるが難燃性を付与す
ることができる特性を有するので、後述のように脱臭フ
ィルターにプリーツ加工を施すことが容易になるように
塩化ビニル樹脂で剛性を付与しつつ、塩化ビニリデン樹
脂によって不織布基材3に難燃性を付与することができ
るものである。剛性と難燃性の両方の特性を過不足なく
得るためには、塩化ビニル樹脂と塩化ビニリデン樹脂と
は0.5:1.5〜1.5:0.5の質量比の割合でブ
レンドして用いるのが好ましい。
【0022】そして接着剤と吸着剤1及び酸化触媒2の
割合は、質量比率で、接着剤が固形分換算で1に対し
て、吸着剤1と酸化触媒2の合計量が0.5〜1.3の
範囲になるように設定するのが好ましい。接着剤量がこ
れより少なくなると、接着剤による吸着剤1や酸化触媒
2の固着が不十分になって、不織布基材3から吸着剤1
や酸化触媒2が脱落し易くなり、接着剤量がこれより多
くなると、吸着剤1や酸化触媒2が接着剤で被覆される
面積が多くなって脱臭性能が低下するおそれがある。
【0023】また、除塵層11は、空気中の塵を捕集し
て除去するためのものであり、不織布12によって形成
してある。この除塵層11を形成する不織布12は、構
成繊維として既述のものを用い、既述と同様の方法で作
製することができるものであるが、平均繊維径は0.5
〜3μmのものが好ましい。平均繊維径が0.5μm未
満であると、単位繊維目付け当たりの繊維本数が多くな
るので圧力損失が大きくなり、平均繊維径が3μmを超
えると、単位繊維目付け当たりの繊維本数が少なくなっ
て除塵性能が低下するおそれがある。またこの不織布1
2は繊維目付けが30〜40g/m2、厚みが0.25
〜0.35mmの範囲のもの、すなわち見掛け密度が
0.86〜1.6g/cm3の範囲のものが好ましい。
見掛け密度が0.86g/cm3未満であると、単位面
積当たりの繊維本数が少なくなって防塵性能が低下し、
見掛け密度が1.6g/cm3を超えると、単位面積当
たりの繊維本数が多くなって圧力損失が大きくなるおそ
れがある。この除塵層11を形成する不織布12は、帯
電加工を行なって静電気を帯びさせておくのが好まし
い。
【0024】そして、上記の脱臭層10を形成する不織
布基材3と除塵層11を形成する不織布12を重ね、両
者を接合して一体化することによって、本発明に係る脱
臭フィルターAを作製することができるものである。脱
臭層10と除塵層11の接合は、例えば超音波溶着によ
って行なうことができる。また脱臭フィルターAは平板
状のまま使用することもできるが、図1に示すように、
プリーツ加工することによって葛折れ形状に形成して使
用するのが好ましい。このようにプリーツ加工すること
によって脱臭フィルターAの表面積を増加させることが
でき、脱臭性能や塵の捕集効率を向上させることができ
るものである。
【0025】しかして、図1のように作製される本発明
の脱臭フィルターAに、矢印で示すように空気を脱臭層
10から除塵層11へと通過させることによって、空気
中の臭気成分を脱臭層10で除去して脱臭すると共に除
塵層11で空気中の塵を除去し、空気を清浄化すること
ができるものである。除塵層11を構成する不織布12
は帯電加工をして静電気を帯びるようにしてあるので、
静電集塵によって除塵することができ、除塵性能を高く
得ることができるものである。
【0026】ここで、脱臭層10を構成する不織布基材
3に固着した二酸化珪素と酸化亜鉛との複塩からなる吸
着剤1と、酸化チタンからなる酸化触媒2による脱臭の
機構を説明する(図2を参照されたい)。二酸化珪素と
酸化亜鉛との複塩は既述のように化学構造式がxSiO
2・yZnO・zH2O(又はOH)で示されるものであ
り、常に5〜15質量%程度の水分を保っており、この
複塩からなる吸着剤1の粒子の表面は大気に由来するこ
の水分13で保湿された状態になっている。また吸着剤
1の粒子の表面には、二酸化珪素(−Si−O-)によ
るイオン(−O-)や水分13によるイオン(−O-)が
多数存在する。さらに、吸着剤1の粒子の表面には粒径
の小さい酸化チタンからなる酸化触媒2の粒子が付着し
ている。この酸化チタンからなる酸化触媒2の粒子表面
には酸化チタン(−Si−O-)によるイオン(−O-
や上記の水分13によるイオン(−O-)が多数存在す
る。
【0027】そして例えばタバコの臭い成分のうち、ア
ンモニア(NH3)は、イオン(−O-)とアンモニウム
イオン(−NH4 +)との化学的結合で吸着剤1の粒子の
表面や酸化触媒2の粒子の表面に吸着され、さらに吸着
剤1の粒子に保湿されている水分13に溶解して吸着さ
れる。またタバコの臭い成分のうち、酢酸(CH3CO
OH)は二酸化珪素と酸化亜鉛との複塩からなる吸着剤
1の酸化亜鉛(Zn +−O-)との化学的結合で吸着剤1
の粒子の表面や酸化触媒2の粒子の表面に吸着され、一
部は水分13に溶解して吸着される。また、タバコの臭
い成分のうち、アセトアルデヒド(CH3CHO)はイ
オン(−O-)との化学的結合で吸着剤1の粒子の表面
に吸着されると共に一部が酸化触媒2の粒子の表面に吸
着され、さらに吸着剤1の粒子に保湿されている水分1
3に溶解して吸着される。このようにして、タバコの臭
い成分であるアンモニア、酢酸、アセトアルデヒドをそ
れぞれ吸着して脱臭することができるものである。
【0028】次に、上記のようにして作製される脱臭フ
ィルターAを用いた空気清浄器について説明する。図3
は空気清浄器の一例の概略構造を示すものであり、ケー
シング16の前部内に放電部4が、ケーシング16の後
部内にファンなどの送風機17が設けてある。放電部4
は放電極18と表面に酸化チタンを蒸着した対向電極板
19とで形成してあり、放電極18と対向電極板19の
間に4〜15kV程度の交流あるいは直流の電圧を印加
してコロナ放電をさせることによって、プラズマを発生
させるものであり、この空気のプラズマから酸素ラジカ
ルなどの活性酸素が生成されるようになっている。脱臭
フィルターAは放電部4と送風機17の間に配置するよ
うにしてあり、脱臭フィルターAの背面側には活性炭を
充填した吸着層20が設けてある。
【0029】そして送風機17を作動させることによっ
て、室内の空気は図3の矢印のように、ケーシング16
の前面の流入口からケーシング16内に導入され、放電
部4を通って、脱臭フィルターA及び吸着層20を通過
した後、ケーシング16の上面の排出口から排出され
る。このように空気が脱臭フィルターAを通過する際
に、空気中のタバコの臭い成分であるアンモニア、酢
酸、アセトアルデヒドは既述のメカニズムで脱臭フィル
ターAに吸着され、脱臭される。このとき、放電部4に
おいて発生した酸素ラジカルなどの活性酸素の作用によ
っても臭いの成分は分解され、脱臭がなされる。またこ
の放電部4で発生した酸素ラジカルなどの活性酸素は空
気の流れによって脱臭フィルターAに供給されるもので
あり、酸化チタンからなる酸化触媒2がこの活性酸素に
よって励起されて活性化される。このように酸化触媒が
活性化されると、酸化触媒2による酸化分解作用で臭い
成分の分子を酸化分解し、臭いの成分を吸着する他に酸
化分解することによっても除去して、脱臭することがで
きるものである。また、吸着剤1や酸化触媒2の表面に
吸着された臭いの成分をこのように酸化触媒2の作用で
酸化分解することによって、吸着剤1や酸化触媒2によ
る臭い成分の吸着能を再生することができるものであ
り、脱臭性能を高めることができるものである。
【0030】
【実施例】次に、本発明を実施例によって具体的に説明
する。
【0031】(実施例1)繊維径10〜20μm、繊維
長35〜65mmのポリエステル繊維(PET)をカー
ド機によって開繊した繊維ウェブをクロスレイヤーによ
り交差積層させ、繊維目付け35g/m2の繊維ウェブ
を得た。
【0032】次に、二酸化珪素と酸化亜鉛の複塩からな
る60メッシュパスの粒径の吸着剤(化学構造式:Si
2・yZnO・zH2O(又はOH)、SiO2約60
質量%、ZnO約22質量%、水15質量%以下)20
質量部と酸化チタンからなる粒径7nmの酸化触媒5質
量部を配合すると共に、これに塩化ビニル樹脂と塩化ビ
ニリデン樹脂とを1:1の質量比でブレンドしたエマル
ジョン接着剤を固形分換算で20質量部混合することに
よって、混合水溶液を調製した。そして上記の繊維ウェ
ブにこの混合水溶液を含浸し、150℃で3分間乾燥す
ることによって、吸着剤と酸化触媒を接着剤で固着した
不織布基材を得た。
【0033】この不織布基材は見掛け密度(吸着剤と酸
化触媒と接着剤を除く見掛け密度)が0.26g/m3
であり、吸着剤の固着量は5g/m2、酸化触媒の固着
量は20g/m2、接着剤の付着量は20g/m2であっ
た。
【0034】そして、ポリプロピレンの溶融紡糸繊維か
らなる不織布に帯電加工を施し、この不織布に上記の吸
着剤と酸化触媒を固着した不織布基材を重ね、これを超
音波溶着して貼り合わせ、さらにこれを山間隔3mm、
折りピッチ28mmでプリーツ加工することによって、
脱臭面積が1.4m2の脱臭フィルターを作製した。
【0035】(比較例1)二酸化珪素と酸化亜鉛と酸化
アルミニウムの複合物からなる粒径3〜5μmの吸着剤
(化学構造式:8.6SiO2・Al23・4.8Zn
O・nH2O、SiO246.8質量%、ZnO34.2
質量%、Al239.0質量%、Ig−Loss10.
0質量%)25質量部に、塩化ビニル樹脂と塩化ビニリ
デン樹脂とを1:1の質量比でブレンドしたエマルジョ
ン接着剤を固形分換算で20質量部混合することによっ
て、混合水溶液を調製した。そして実施例1と同様にし
て調製した繊維ウェブにこの混合水溶液を含浸し、15
0℃で3分間乾燥することによって、吸着剤を接着剤で
固着した不織布基材を得た。
【0036】この不織布基材は見掛け密度(吸着剤と接
着剤を除く見掛け密度)が0.26g/m3であり、吸
着剤の固着量は25g/m2、接着剤の付着量は20g
/m2であった。そしてこの不織布基材を用い、実施例
1と同様にして脱臭フィルターを作製した。
【0037】上記のように実施例1及び比較例1で得た
脱臭フィルターについて、次の脱臭試験を行なった。ア
ンモニア濃度50ppm、酢酸濃度10ppm、アセト
アルデヒド濃度40ppmのガスを通過速度が0.7c
m/secになるように発生させ、ガスの通過面積が4
5×65mmになるように実施例1及び比較例1の脱臭
フィルターをセットし、脱臭フィルターの通過の前後の
ガス中のアンモニア濃度、酢酸濃度、アセトアルデヒド
濃度をそれぞれ、ガステック社製検知管を用いて測定し
た。そして測定結果から、次式に基づいて1パス除去率
を算出した。結果を表1に示す。
【0038】1パス除去率=(初期濃度[ppm]−通過後
の濃度[ppm])/初期濃度[ppm]
【0039】
【表1】
【0040】表1にみられるように、実施例1の脱臭フ
ィルターは、アンモニア及び酢酸の脱臭性能を高く保持
しつつ、アセトアルデヒドの脱臭性能が向上しているこ
とが確認される。
【0041】次に、実施例1で得た脱臭フィルターを図
3のような空気清浄器に取り付けて、次の脱臭試験を行
なった。予め2.5m3のチャンバー内でタバコを13
本燃焼させてよく攪拌しておき、放電部の放電極と対向
電極板との間に6.5kVの直流電圧を印加して活性酸
素を発生させながら、タバコの燃焼ガスを通過風量3.
5m3/minで通過するように空気清浄器を運転した
(実施例2)。
【0042】また比較のために、放電部を取り除いた空
気清浄器に実施例1の脱臭フィルターを取り付けたもの
についても同様な脱臭試験を行なった(比較例2)。
【0043】そして運転前と30分運転後のガス中のア
ンモニア濃度、酢酸濃度、アセトアルデヒド濃度をそれ
ぞれ、ガステック社製検知管を用いて測定し、30分運
転後のアンモニア、酢酸、アセトアルデヒドの残存率を
算出した。結果を表2に示す。
【0044】
【表2】
【0045】表2にみられるように、活性酸素を発生さ
せる空気清浄器で脱臭フィルターを使用することによっ
て、各成分の脱臭能力が向上し、特にアセトアルデヒド
の脱臭能力が高まることが確認される。
【0046】
【発明の効果】上記のように本発明の請求項1に係る脱
臭フィルターは、二酸化珪素と酸化亜鉛との複塩からな
る吸着剤と、酸化触媒とが、接着剤で不織布基材に固着
されているので、二酸化珪素と酸化亜鉛との複塩からな
る吸着剤及び酸化触媒の作用によって臭いの成分を除去
して脱臭することができるものであり、特にアンモニア
や酢酸などの他に、アセトアルデヒドに対する脱臭性能
に優れているものである。
【0047】また請求項2の発明は、上記の酸化触媒が
酸化チタンであるので、酸化チタンの優れた臭気成分除
去作用で、脱臭性能を高く得ることができるものであ
る。
【0048】また請求項3の発明は、上記の接着剤がエ
マルジョン型接着剤であるので、吸着剤や酸化触媒の脱
臭性能を低下させることが少なく、脱臭性能を高く保持
することができるものである。
【0049】また請求項4の発明は、上記の不織布基材
はプリーツ加工されているので、空気が通過する表面積
を増加させることができ、脱臭性能を向上させることが
できるものである。
【0050】また、本発明の請求項5に係る空気清浄器
は、放電により活性酸素を発生させる放電部を有する空
気清浄器において、放電部よりも空気の流れの下流側に
上記の請求項1乃至4のいずれかに記載の脱臭フィルタ
ーを設けたので、脱臭フィルターによる脱臭の他に、放
電部で発生する活性酸素による臭気成分の分解によって
も脱臭を行なうことができ、しかも放電部で発生した活
性酸素によって脱臭フィルターの酸化触媒を活性化させ
て、酸化触媒による酸化分解作用で臭気成分を分解する
ことができ、脱臭フィルターの性能を効果的に発揮させ
て空気清浄を行なうことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る脱臭フィルターの実施の形態の一
例を示す断面図である。
【図2】同上の吸着剤と酸化触媒による臭気成分の除去
のメカニズムを説明する図である。
【図3】本発明に係る空気清浄器の実施の形態の一例を
示す概略図である。
【符号の説明】
1 吸着剤 2 酸化触媒 3 不織布基材 4 放電部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01D 53/86 B01J 20/10 C 4G066 B01J 20/10 D04H 1/40 B 4L031 D04H 1/40 D06J 1/00 4L047 D06J 1/00 F24F 7/00 A D06M 11/44 B01D 53/36 H 11/46 D06M 11/12 11/79 F24F 7/00 (72)発明者 河村 忠勇 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内 (72)発明者 長島 雅明 滋賀県守山市勝部四丁目1番11号 日本バ イリーン株式会社滋賀工場内 Fターム(参考) 3B154 AA07 AA09 AB22 BA36 BB12 DA30 4C080 AA05 AA07 AA09 BB02 CC02 CC08 CC12 HH05 JJ05 JJ06 KK08 LL10 MM02 MM06 NN02 NN06 NN22 NN25 NN26 NN27 QQ03 QQ17 4D012 CA09 CA10 CB03 CD10 CG01 CG03 CH01 4D019 AA01 BA13 BB03 BC05 BC07 CA02 CB04 4D048 AA22 AB01 AB03 BA06X BA07X BA16X BA41X BA42X BB08 CD01 CD05 EA03 4G066 AA18B AA22B AA23B AC11C BA02 BA05 BA16 CA02 CA29 CA52 DA03 GA40 4L031 AA18 AB34 BA09 BA20 DA12 DA13 4L047 AA03 AA05 AA12 AA14 AA15 AA16 AA17 AA21 AA23 AA27 AA28 AA29 BA04 BA08 BA12 CA05 CA18 CB10 CC12

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二酸化珪素と酸化亜鉛との複塩からなる
    吸着剤と、酸化触媒とが、接着剤で不織布基材に固着さ
    れていることを特徴とする脱臭フィルター。
  2. 【請求項2】 酸化触媒が酸化チタンであることを特徴
    とする請求項1に記載の脱臭フィルター。
  3. 【請求項3】 接着剤がエマルジョン型接着剤であるこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載の脱臭フィルタ
    ー。
  4. 【請求項4】 不織布基材はプリーツ加工されているこ
    とを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の脱臭
    フィルター。
  5. 【請求項5】 放電により活性酸素を発生させる放電部
    を有する空気清浄器において、放電部よりも空気の流れ
    の下流側に請求項1乃至4のいずれかに記載の脱臭フィ
    ルターを設けて成ることを特徴とする空気清浄器。
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