JP2002355300A - 脱臭フィルタ及び空気清浄器 - Google Patents

脱臭フィルタ及び空気清浄器

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JP2002355300A
JP2002355300A JP2002046664A JP2002046664A JP2002355300A JP 2002355300 A JP2002355300 A JP 2002355300A JP 2002046664 A JP2002046664 A JP 2002046664A JP 2002046664 A JP2002046664 A JP 2002046664A JP 2002355300 A JP2002355300 A JP 2002355300A
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sheet
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adsorbent
catalyst
filter
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Tetsuya Ueno
哲也 上野
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Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 空気が通過する際の圧損を低減して送風手段
の低出力化を図ることができると共に、脱臭効率が高い
脱臭フィルタ、及びこの脱臭フィルタを具備する空気清
浄器を提供する。 【解決手段】 通気孔を有すると共に蛇腹状又は波状に
屈曲成形され、かつ触媒3と吸着材2のうち少なくも一
方が配置された複数のシート状部材1aを、隙間なく積
層する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、室内の空気中に含
まれる粉塵や臭気等を除去することにより空気の清浄化
を行う脱臭フィルタ及びこの脱臭フィルタを具備する空
気清浄器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、空気中に含まれる臭気成分を吸着
材によって吸着させて脱臭する手段を備えた室内空気清
浄器が提供されている。このような室内空気清浄器で
は、ファンなどの送風手段によって発生する気流の送風
方向に沿って、プレフィルタ、放電極及び対向電極、除
塵フィルタ、脱臭部を順次配置し、放電極と対向電極に
て粉塵帯電部が構成されている。このような室内空気清
浄器では、プレフィルタで大きな粉塵を除去した後、放
電極と対向電極との間でコロナ放電を行うことにより粉
塵帯電部を通過する空気中の小さな粉塵を帯電させ、こ
の帯電された粉塵を除塵フィルタで捕集した後、脱臭部
に組み込んだ吸着材で脱臭を行うものであった。
【0003】このような空気清浄器における脱臭部は、
吸着材や触媒を箱形や円筒形の容器に充填して形成さ
れ、この脱臭部内に空気を通過させることより、空気と
吸着材との接触率を高めて脱臭効率を向上するようにし
ていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
従来の脱臭部では、脱臭部内を空気が通過する際に非常
に大きな圧損が発生してしまい、充分な風量を得るため
にはファンなどの送風手段として高出力のものが必要と
なって、装置が大型化し、また騒音や振動も大きくなっ
てしまうものであった。
【0005】また上記のような従来の脱臭部に代えて、
多孔質のシート状部材に吸着材や触媒等を配置して形成
される脱臭フィルタを用いれば、脱臭部を通過する際の
圧損は低減できるが、シート状部材には吸着材や触媒は
限られた量しか配置することができず、脱臭効率(1パ
ス脱臭率)が低下してしまうものであった。
【0006】本発明は上記の点に鑑みて為されたもので
あり、圧損を低減して送風手段の低出力化を図ることが
できると共に、脱臭効率が高い脱臭フィルタ、及びこの
脱臭フィルタを具備する空気清浄器を提供することを目
的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
脱臭フィルタは、通気孔を有すると共に蛇腹状又は波状
に屈曲成形され、かつ触媒3と吸着材2のうち少なくも
一方が配置された複数のシート状部材1aを、隙間なく
積層して成ることを特徴とするものである。
【0008】また請求項2の発明は、請求項1におい
て、複数のシート状部材1aを積層して一体化して成る
ことを特徴とするものである。
【0009】また請求項3の発明は、請求項1又は2に
おいて、シート状部材1aとして不織布を用いて成るこ
とを特徴とするものである。
【0010】また請求項4の発明は、請求項1乃至3の
いずれかにおいて、シート状部材1aを不織布にて形成
し、積層されたシート状部材1aのうち両側に他のシー
ト状部材1aと不織布で形成された除塵用フィルタ5の
いずれか一方がそれぞれ配置されているものは、シート
状部材1aを構成する繊維の量を、脱臭フィルタ1の最
外層に配置され且つ一面が外部に露出するシート状部材
1aの不織布よりも低減して成ることを特徴とするもの
である。
【0011】また請求項5の発明は、請求項1乃至4の
いずれかにおいて、シート状部材1aを不織布にて形成
し、シート状部材1aを構成する繊維の繊維径を、積層
された複数のシート状部材1aごとに異ならせて成るこ
とを特徴とするものである。
【0012】また請求項6の発明は、請求項1乃至5の
いずれかにおいて、シート状部材1aを不織布にて形成
し、シート状部材1aに触媒3と吸着材2のうち少なく
も一方を配置する手段として接着材を用い、積層された
シート状部材1aのうち両側に不織布がそれぞれ配置さ
れているものは、接着材の量を、脱臭フィルタ1の最外
層に配置され且つ一面が外部に露出するシート状部材1
aよりも低減して成ることを特徴とするものである。
【0013】また請求項7の発明は、請求項1乃至6の
いずれかにおいて、シート状部材1aを不織布にて形成
し、シート状部材1aに触媒3と吸着材2のうち少なく
も一方を配置する手段として接着材を用い、積層された
シート状部材1aのうち両側に他のシート状部材1aと
不織布で形成された除塵用フィルタ5のいずれか一方が
それぞれ配置されているものは、接着材の量を、脱臭フ
ィルタ1の最外層に配置され且つ一面が外部に露出する
シート状部材1aよりも低減して成ることを特徴とする
ものである。
【0014】また請求項8の発明は、請求項1乃至7の
いずれかにおいて、シート状部材1aを不織布にて形成
し、この不織布に触媒3と吸着材2のうち少なくも一方
を配置する手段として接着材を用い、接着材の成分を、
積層された複数の不織布ごとに異ならせて成ることを特
徴とするものである。
【0015】また請求項9の発明は、請求項1乃至8の
いずれかにおいて、シート状部材1aに配置される触媒
3及び吸着材2のうちの少なくとも一方の量を、積層さ
れた複数のシート状部材1aごとに異ならせて成ること
を特徴とするものである。
【0016】また請求項10の発明は、請求項1乃至9
のいずれかにおいて、シート状部材1aに配置される触
媒3と吸着材2との割合を、積層された複数のシート状
部材1aごとに異ならせて成ることを特徴とするもので
ある。
【0017】また請求項11の発明は、請求項1乃至1
0のいずれかにおいて、シート状部材1aの厚みを、積
層された複数のシート状部材1aごとに異ならせて成る
ことを特徴とするものである。
【0018】また請求項12の発明は、請求項1乃至1
1のいずれかにおいて、触媒3を吸着材2の近傍、吸着
材2の表面、及び吸着材2の内部の少なくともいずれか
に配置することを特徴とするものである。
【0019】また請求項13の発明は、請求項1乃至1
2のいずれかにおいて、触媒3として、ZnO、Cu
O、FeO、TiO2、MnO2、MgO、NiO、Al
Cl3、V25、ゼオライト及びジルコニアのうちの少
なくとも一種を用いて成ることを特徴とするものであ
る。
【0020】また本発明の請求項14に係る空気清浄器
は、請求項1乃至13のいずれかに記載の脱臭フィルタ
1と、送風手段と、触媒励起手段とを具備して成ること
を特徴とするものである。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0022】図2,3に示される空気清浄器Aは、その
外装を構成する本体ケース15内に、空気の通路(風洞
13)が形成され、また本体ケース15には、前面側に
風洞13に連通する空気流入用の開口を設けると共に背
面側に風洞13に連通する空気流出用の開口を設けるな
どして、空気が風洞13を前面側から背面側に向けて通
過できるようになっている。
【0023】この風洞13には、前面側から、背面側に
向けて、順に、触媒励起部、フィルタ部4及び送風手段
が配設されている。
【0024】送風手段としては、例えばシロッコファン
等のファン12を配設することができ、この送風手段を
運転すると図中に矢印で示すように本体ケース15の空
気流入用の開口から風洞13内に空気が流入すると共に
風洞13内の空気が本体ケース15の空気流出用の開口
から流出するように気流が発生する。
【0025】触媒励起部は、フィルタ部4の脱臭フィル
タ1に配置されている触媒3を励起する手段(触媒励起
手段)を具備するものであり、放電、加熱、光照射、超
音波照射等の方法により触媒3を励起するものを配設す
ることができる。この触媒励起部としては、例えば加熱
による場合にはヒータ等を、光照射による場合には冷陰
極管やブラックライト等を、超音波照射の場合には超音
波振動子を配設することができる。
【0026】また触媒励起部として放電によるものを配
設すると、触媒励起部を、空気中の粉塵を帯電させる粉
塵帯電手段として、また酸素ラジカル、イオン、電子等
の活性種を発生させる活性種発生手段として、また空気
中のホルムアルデヒド、アンモニア、酢酸、アセトアル
デヒド、NOx等の臭気成分を除去する脱臭手段として
も設けることができる。図示の例では触媒励起部として
放電により触媒3を励起する放電部11を配設してい
る。この放電部11は上流側導電性電極8と下流側導電
性電極9からなる放電手段を配置して構成されている。
【0027】上流側導電性電極8は下流側導電性電極9
よりも前面側に配設され、導電性線材からなる放電線を
間隔をあけて配設することにより構成されている。この
放電線は、例えば線径の細いタングステン線やピアノ線
等で形成することができる。また上流側導電性電極8
を、放電線の代わりに金網にて構成しても良い。また、
下流側導電性電極9は上流側導電性電極8の背面側に間
隔をあけて配設されており、図示の例では金網にて形成
されている。
【0028】また、下流側導電性電極9は接地されてい
ると共に、上流側導電性電極8には電源10が接続され
ており、この電源10にて上流側導電性電極8に交流又
は直流の電圧を印加することにより、上流側導電性電極
8と下流側導電性電極9との間に電位差を発生させるよ
うにしている。この上流側導電性電極8と下流側導電性
電極9との間には、電位差を発生させることによりコロ
ナ放電を生じさせるものであり、このためには上流側導
電性電極8と下流側導電性電極9との間の電位差が4〜
15kVとなるようにすることが好ましい。
【0029】フィルタ部4は、風洞13内の放電部11
とファン12との間に形成されたフィルタ取付枠14に
配設されている。
【0030】フィルタ部4は、脱臭フィルタ1と除塵フ
ィルタ5とで構成されている。図1に、風洞13内にお
けるファン12及び放電部11とフィルタ部4との位置
関係の概略を示す。脱臭フィルタ1は吸着材2及び触媒
3が配置されており、ホルムアルデヒド、アンモニア、
酢酸、アセトアルデヒド、NOx等の臭気成分を除去す
るものである。
【0031】脱臭フィルタ1は複数のシート状部材1a
を積層して構成されたものが用いられる。図示の例で
は、脱臭フィルタ1は二枚のシート状部材1aで構成さ
れているが、必要に応じて三枚以上のシート状部材1a
にて脱臭フィルタ1を構成することもできる。各シート
状部材1aとしては、空気が通過可能な多数の通気孔を
有するシート状のものを用いるものであり、また各シー
ト状部材1aには触媒3と吸着材2のうちの少なくとも
一方が配置される。ここで、触媒3としては、ZnO、
CuO、FeO、TiO2、MnO2、MgO、NiO、
AlCl3、V2 5、ゼオライト、ジルコニア等の微粒
子を用いることができる。また吸着材2としては活性
炭、ゼオライト等の微粒子を用いることができる。
【0032】各シート状部材1aに触媒3と吸着材2の
うちの少なくとも一方を配置する手段としては、適宜の
手法が用いられるが、例えば接着材(バインダー)を用
いることができる。このような接着材としては、適宜の
ものが用いられ、例えばアクリル系のもの等を用いるこ
とができる。
【0033】また、各シート状部材1aとしては蛇腹状
又は波状に屈曲成形されたものを用いるものであり、こ
れによりシート状部材1aの厚みを増大させることなく
シート状部材1aの表面積を増大し、吸着効率を向上す
ると共に圧損の発生を防止するものである。また、この
ようにシート状部材1aを屈曲成形すると、脱臭フィル
タ1における通気孔の総開口面積も増大し、空気清浄器
Aに流入された空気流の圧損を低減することができる。
これは、脱臭フィルタ1を空気が通過する際には空気の
流速が増大するものであるが、脱臭フィルタ1における
通気孔の総開口面積が大きいと脱臭フィルタ1の通過時
の空気の流速がより低減されて、脱臭フィルタ1を空気
が通過する際の抵抗を低減することができるためであ
る。
【0034】更には、脱臭フィルタ1はシート状部材1
aを複数積層して形成されていることから、脱臭フィル
タ1に配置される吸着材2や触媒3の量を向上すること
ができ、充分な脱臭効率を有して、高効率な悪臭分解が
可能となる。
【0035】また、特にシート状部材1aの材質として
不織布を用いると、脱臭フィルタ1を通過する空気の圧
損を更に低減すると共に、吸着材2や触媒3の配置量
(目付量)を広い範囲で制御することもできる。不織布
としては例えばポリエチレンテレフタレート等の有機繊
維の不織布を用いることができる。
【0036】また、シート状部材1aを積層して脱臭フ
ィルタ1を構成する際には、シート状部材1a同士を隙
間なく積層するものである。尚、図1では、便宜上、シ
ート状部材1a同士の間に隙間があるように描かれてい
るが、実際はシート状部材1a同士の間には隙間は形成
されないようにするものである。このため蛇腹状又は波
状に成形されたシート状部材1aからなる脱臭フィルタ
1を空気が通過する際に空気の流速ベクトルの方向変化
回数が少なくなり、更なる圧損の低減が可能となる。す
なわち、シート状部材1aは蛇腹状又は波状に形成され
ていることから、空気がシート状部材1aを通過する際
には空気の流速ベクトルはシート状部材1aに対して垂
直な方向に変化し、シート状部材1a通過後にシート状
部材1aを通過する前の状態に戻るように変化するもの
であり、そのため、積層されたシート状部材1aの間に
隙間が生じている場合には空気の流速ベクトルの方向が
変化する回数が増大して圧損が増大し、逆にシート状部
材1a同士を隙間なく積層すると空気の流速ベクトルの
変化の回数が低減されて圧損を低減することができるも
のである。またこのようにシート状部材1aを隙間なく
積層すると、脱臭フィルタ1を薄型化することができ
て、空気清浄器Aをより小型化することができるもので
ある。
【0037】また、積層されたシート状部材1aを部分
的に超音波融着や熱融着等によって接合するなどして、
複数のシート状部材1aを一体化すると、空気が脱臭フ
ィルタ1を通過する際に風の振動などによって積層され
たシート状部材1a間に隙間が生じるようなことを防ぐ
ことができ、圧損を更に低減することができるものであ
る。
【0038】また、シート状部材1aに吸着材2や触媒
3を配置するにあたっては、吸着材2と触媒3とをばら
ばらに分散させて配置することもできるが、図5に示す
ようにシート状部材1aに配置されている吸着材2の粒
子の近傍に触媒3の粒子を近接させて配置したり、ある
いは図4に示すように吸着材2の表面に接触させて触媒
3の粒子を配置することが好ましく、また図4に示すよ
うに、吸着材2として多孔質の粒子からなるものを用い
る場合にはこの吸着材2の粒子の細孔16内に触媒3の
粒子を配置することも好ましい。このようすると、吸着
材2に吸着された臭気成分の分子が触媒3によって効率
良く分解されて、吸着材2の吸着能力が高い状態に維持
され、脱臭フィルタ1の脱臭効率を高い状態に維持する
ことができるものである。
【0039】また、シート状部材1aを不織布にて形成
する場合、積層されたシート状部材1aのうち、両側に
他のシート状部材1aと不織布で形成された除塵用フィ
ルタ5のいずれか一方がそれぞれ配置されているもの
は、シート状部材1aを構成する不織布の繊維の量を、
脱臭フィルタ1の最外層に配置され且つ一面が外部に露
出するシート状部材1aの不織布よりも低減することが
好ましい。脱臭フィルタ1の最外層に配置され且つ一面
が外部に露出するシート状部材1aの不織布とは、除塵
用フィルタ5を脱臭フィルタ1と積層して設けない場合
には、脱臭フィルタ1の両側の最外層の各シート状部材
1aを構成する不織布であり、また除塵用フィルタ5を
脱臭フィルタ1の外層側に積層して設ける場合には、脱
臭フィルタ1の除塵用フィルタ5を設けていない側の最
外層のシート状部材1aを構成する不織布である。
【0040】また、不織布の繊維の量を低減するとは、
シート状部材1aを構成する不織布の、面積当たりの繊
維の重量を低減することをいう。
【0041】詳しく説明すると、最外層に配置され且つ
外部に露出するシート状部材1aでは、脱臭フィルタ1
の取り扱い時や、織り加工を行う際の加工時等における
外部からの摩擦による吸着材2や触媒3の脱落を防止す
るために、十分な繊維量が必要とされるが、両側に他の
シート状部材1aあるいは不織布で形成された除塵用フ
ィルタ5が配置されているシート状部材1aは、その外
面は他のシート状部材1aあるいは不織布で形成された
除塵用フィルタ5によって保護されることとなり、シー
ト状部材1aから吸着材2や触媒3が脱落しにくくな
る。そこで、このようなシート状部材1aの不織布の繊
維量を低減しても、このシート状部材1aから吸着材2
や触媒3が脱落することがなく、しかもこのように繊維
量を低減することから、このシート状部材1aにおける
圧損を低減することができ、脱臭フィルタ1全体の圧損
を低減することができるものである。
【0042】このように不織布の繊維の量を変更する場
合には、脱臭フィルタ1の最外層に配置され且つ一面が
外部に露出するシート状部材1aの不織布の繊維量を2
0〜50g/m2とし、両側に他のシート状部材1aと
不織布で形成された除塵用フィルタ5のいずれか一方が
それぞれ配置されているシート状部材1aにおける不織
布の繊維量を、脱臭フィルタ1の最外層に配置される不
織布の繊維量に対して、20〜50%分低減させること
が好ましい。
【0043】また、シート状部材1aを不織布にて形成
する場合、シート状部材1aを構成する不織布の繊維径
を、積層された複数のシート状部材1aごとに異ならせ
ることも好ましい。
【0044】詳しく説明すると、複数のシート状部材1
aごとに吸着材2や触媒3の配置量が異なる場合、全て
のシート状部材1aにおいて不織布の繊維径が同一であ
ると、吸着材2等の配置量がより多いシート状部材1a
では、この吸着材2等によって空気の流通が阻害されて
他のシート状部材1aよりも圧損が大きくなり、これに
より脱臭フィルタ1全体の圧損が大きくなってしまう。
これに対して、吸着材2等の配置量が多いシート状部材
1の不織布の繊維径をより大きく形成すると、通気孔の
径が大きくなり、吸着材2等の配置量が多くなっても十
分な空気の流通を確保することができ、脱臭フィルタ1
全体の圧損が大きくなることを防止することができるも
のである。
【0045】また、除塵用フィルタ5を脱臭フィルタ1
と積層して設けない場合における、脱臭フィルタ1の両
側の最外層の各シート状部材1aを構成する不織布、或
いは除塵用フィルタ5を脱臭フィルタ1の外層側に積層
して設ける場合における、脱臭フィルタ1の除塵用フィ
ルタ5を設けていない側の最外層のシート状部材1aの
ように、最外層に配置され且つ外部に露出するシート状
部材1aを構成する不織布は、繊維径を大きく形成する
ことにより通気孔の径を大きくすると吸着材2や脱臭材
3の保持力が十分に得られず、脱臭フィルタ1の取り扱
い時や、織り加工を行う際の加工時等における外部から
の摩擦により吸着材2や触媒3が脱落するおそれがある
ため、このようなシート状部材1aを構成する不織布の
繊維径は、より小さくなるように形成することが好まし
い。
【0046】このようにシート状部材1aを構成する不
織布の繊維径を、積層された複数のシート状部材1aご
とに異ならせる場合には、繊維径をより小さくした不織
布の繊維径を5〜20μmの範囲とし、繊維径をより大
きくした不織布の繊維径が、繊維径をより小さくした不
織布の繊維径の1.5〜3倍の範囲となることが好まし
い。
【0047】また、シート状部材1aを不織布にて形成
する場合、積層されたシート状部材1aのうち、両側に
他のシート状部材1aがそれぞれ配置されているもの
は、シート状部材1aに吸着材2や触媒3を配置するた
めに用いられる接着材の量を、脱臭フィルタ1の最外層
に配置され且つ一面が外部に露出するシート状部材1a
よりも低減させることが好ましい。ここでいう脱臭フィ
ルタ1の最外層に配置され且つ一面が外部に露出するシ
ート状部材1aとは、除塵用フィルタ5を脱臭フィルタ
1と積層して設けない場合には、脱臭フィルタ1の両側
の最外層の各シート状部材1aであり、また除塵用フィ
ルタ5を脱臭フィルタ1の外層側に積層して設ける場合
には、脱臭フィルタ1の除塵用フィルタ5を設けていな
い側の最外層のシート状部材1aである。
【0048】またここで接着材の配置量を低減すると
は、シート状部材1aに配置された吸着材2及び触媒3
の重量に対する、接着材の重量の比率(例えば吸着材2
及び触媒3の使用量1gに対する接着材のグラム数)を
低減することを意味する。
【0049】詳しく説明すると、最外層に配置され且つ
外部に露出するシート状部材1aでは、脱臭フィルタ1
の取り扱い時や、織り加工を行う際の加工時等における
外部からの摩擦による吸着材2や触媒3の脱落を防止す
るために、十分な量の接着材が必要とされるが、両側に
他のシート状部材1aが配置されているシート状部材1
aは、その外面は他のシート状部材1aによって保護さ
れることとなり、シート状部材1aから吸着材2や触媒
3が脱落しにくくなる。そこで、このようなシート状部
材1aにおいて、吸着材の量を低減しても、このシート
状部材1aから吸着材2や触媒3が脱落することがな
く、しかもこのように吸着材の量を低減することから、
このシート状部材1aにおける圧損を低減することがで
き、脱臭フィルタ1全体の圧損を低減することができる
ものである。
【0050】また、除塵用フィルタ5を脱臭フィルタ1
と積層して設ける場合には、両側に他のシート状部材1
aと不織布で形成された除塵用フィルタ5とがそれぞれ
配置されているシート状部材1aについても、上記と同
様の理由により、接着材の量を脱臭フィルタ1の最外層
に配置され且つ一面が外部に露出するシート状部材1a
よりも低減させることが好ましい。
【0051】このように接着材の量を変更する場合に
は、脱臭フィルタ1の最外層に配置され且つ一面が外部
に露出するシート状部材1aに配置された吸着材2及び
触媒3の重量1gに対して、接着材の重量を0.3〜
1.2gとし、両側に他のシート状部材1aと不織布で
形成された除塵用フィルタ5のいずれか一方がそれぞれ
配置されているシート状部材1aにおける接着材の量
を、前記の接着材の重量に対して30〜50%分低減す
ることが好ましい。
【0052】また、シート状部材1aを不織布にて形成
する場合、シート状部材1aにおける接着材の成分を、
積層された複数のシート状部材1aごとに異ならせるこ
とも好ましい。
【0053】詳しく説明すると、各シート状部材1aご
とに異なる吸着材2や触媒3を配置している場合には、
吸着材2等の種類によってはこの吸着材2等をシート状
部材1aに保持することができなかったり、十分な保持
力が発揮されないような接着材があり、このような場合
に、吸着材2等の種類に応じて、各シート状部材1aご
とに吸着材2等を十分な保持力で保持することができる
接着材を適宜選択して用いるものである。
【0054】また、最外層に配置され且つ外部に露出す
るシート状部材1aでは、脱臭フィルタ1の取り扱い時
や、織り加工を行う際の加工時等における外部からの摩
擦による吸着材2や触媒3の脱落を防止するために、膜
形成能が高くなるように成分調整された接着材を用い、
両側に他のシート状部材1aと不織布で形成された除塵
用フィルタ5のいずれか一方がそれぞれ配置されている
ものは、膜形成能がより低くなるように成分調整された
接着材を用いて、接着材の膜により空気の流通が阻害さ
れることを抑制することにより、脱臭フィルタ1全体の
圧損を低減することもできるものである。
【0055】また、脱臭フィルタ1を構成する複数の各
シート状部材1aに吸着材2や触媒3を配置するにあた
っては、各シート状部材1aごとに吸着材2と触媒3と
の配置量の割合を変更することが好ましい。すなわち、
脱臭フィルタ1を通過する空気中には複数の臭気成分が
存在し、各臭気成分ごとに、吸着材2に対する吸着され
やすさや、触媒3による分解のされやすさが異なるもの
であるが、各シート状部材1aごとに吸着材2と触媒3
との配置量の割合を変更すると、各シート状部材1aご
とに主として吸着する臭気成分を設定して、例えば吸着
材2に吸着されにくいと共に触媒3にて容易に分解され
る臭気成分を吸着除去するためのシート状部材1aでは
吸着材2の割合を大きくして確実に臭気成分を吸着でき
るようにしたり、また吸着材2には容易に吸着されるが
触媒3にて容易には分解されない臭気成分を吸着除去す
るためのシート状部材1aでは触媒3の割合を大きくし
て吸着材2に吸着された臭気成分を確実に分解するよう
にしたりして、各シート状部材1aごとに特定の臭気成
分を吸着除去するために好適な割合で吸着材2と触媒3
とを配置することができ、これにより複数種の臭気成分
を高効率で吸着除去することができるものである。
【0056】また、各シート状部材1aごとに吸着材2
及び触媒3の配置量を変更することも好ましい。すなわ
ち、上記のように各シート状部材1aごとに主として吸
着する臭気成分を設定した場合には、空気中に含まれる
複数の各臭気成分の含有量はそれぞれ異なるため、空気
中での含有量がより多い臭気成分を吸着するためのシー
ト状部材1aでは吸着材2及び触媒3の配置量をより多
くし、空気中での含有量がより少ない臭気成分を吸着す
るためのシート状部材1aでは吸着材2及び触媒3の配
置量をより少なくして、空気中に含まれる複数種の吸着
成分をそれぞれ効率良く吸着除去すると共に、脱臭フィ
ルタ1全体において過剰な量の吸着材2や触媒3が配置
されないようにし、吸着材2や触媒3の配置量の増大に
よる圧損の増大を防止することができるものである。
【0057】更には、各シート状部材1aごとにその厚
みを変更することも好ましい。すなわち、上記のように
各シート状部材1aごとに主として吸着する吸気成分を
設定した場合には、空気中での含有量がより多い臭気成
分を吸着するために吸着材2及び触媒3の配置量をより
多くしたシート状部材1aでは、シート状部材1aの厚
みをより厚くすることでシート状部材1aの表面積を大
きくして充分な量の吸着材2及び触媒3が配置できるよ
うにし、一方、空気中での含有量がより少ない臭気成分
を吸着するために吸着材2及び触媒3の配置量をより少
なくしたシート状部材1aでは、シート状部材1aの厚
みをより薄くするなどして、各シート状部材1aが吸着
除去すべき臭気成分ごとに好適な厚みになるようにし、
空気中に含まれる複数種の吸着成分をそれぞれ効率良く
吸着除去すると共に、脱臭フィルタ1全体の厚みが過剰
に増大することによる圧損の増大を防止することができ
るものである。
【0058】またフィルタ部4には、脱臭フィルタ1の
背面側に除塵フィルタ5が配設される。この除塵フィル
タ5は例えば織布や不織布等の繊維シートにて形成する
ことができる。また図示の例では、除塵フィルタ5はシ
ート状部材1aと同様に蛇腹状又は波状に屈曲成形され
て、脱臭フィルタ1の最も背面側に配設されているシー
ト状部材1aの更に背面側に隙間なく積層されている。
このようにすると、シート状部材1aを屈曲成形すると
共に隙間なく積層する場合と同様に、除塵フィルタ5の
表面積を増大させて集塵効率を向上すると共に除塵フィ
ルタ5の通気孔の総開口面積を増大させて圧損を低減す
ることができ、また空気が脱臭フィルタ1及び除塵フィ
ルタ5を通過する際の流速ベクトルの変化回数を低減し
て更に圧損を低減することができる。また除塵フィルタ
5と脱臭フィルタ1とからなるフィルタ部4がより薄型
化することにより、空気清浄器Aをより小型化すること
もできるものである。
【0059】また、フィルタ部4における脱臭用のフィ
ルタは上記のような脱臭フィルタ1のみにて構成しても
良いが、更に脱臭効率を向上するためには、図1に示す
ように、脱臭フィルタ1及び除塵フィルタ5の背面側に
補助脱臭フィルタ6を配設しても良く、この補助脱臭フ
ィルタ6としては容器7内に吸着材2や触媒3を充填し
たものを用いることができる。このような補助脱臭フィ
ルタ6を配設する場合には、その分だけフィルタ部4を
空気が通過する際の圧損が大きくなってしまうが、従来
のように脱臭用のフィルタを容器7内に吸着材2や触媒
3を充填したもののみにて構成したもの比較すれば、本
発明では既述のような脱臭フィルタ1を配設して脱臭効
率を向上すると共に圧損を低減しているため、フィルタ
部4を空気が通過する際の圧損はより低減されるもので
ある。
【0060】また、フィルタ部4が配設されているフィ
ルタ取付枠14は、図2に示すような本体ケース15内
の風洞13内に配置されている状態と、図3に示すよう
な本体ケース15の外部に突出する状態との間で、本体
ケース15に対してスライド自在に配設されており、脱
臭フィルタ1はこのフィルタ取付枠14に着脱自在に配
設されている。そのためフィルタ取付枠14が本体ケー
ス15の外部に突出している状態で脱臭フィルタ1をフ
ィルタ取付枠14に対して着脱して脱臭フィルタ1の交
換などを行い、またフィルタ取付枠14に脱臭フィルタ
1が取着されている状態でフィルタ取付枠14を本体ケ
ース15内の風洞13に配置することにより脱臭フィル
タ1を風洞13内の放電部11とファン12との間に配
設することができるものである。また、フィルタ部4を
構成する除塵フィルタ5や補助脱臭フィルタ6はフィル
タ取付枠14に固定させて配設することができるが、脱
臭フィルタ1と同様にフィルタ取付枠14に対して着脱
自在に配設することによりフィルタ部4全体をフィルタ
取付枠14に対して着脱自在に配設することもできる。
この場合には、フィルタ取付枠14が本体ケース15の
外部に突出している状態でフィルタ部4をフィルタ取付
枠14に対して着脱して脱臭フィルタ1、除塵フィルタ
5あるいは補助脱臭フィルタ6の交換などを行い、また
フィルタ取付枠14にフィルタ部4が取着されている状
態でフィルタ取付枠14を本体ケース15内の風洞13
に配置することによりフィルタ4を風洞13内の放電部
11とファン12との間に配設することができるもので
ある。
【0061】図示の例のような空気清浄器Aを用い、フ
ァン12を作動させることにより室内の空気を清浄化す
ると、本体ケース15の風洞13に流入した空気はまず
放電部11を通過する際に空気中の粉塵が帯電され、次
いでフィルタ部4を通過する際にまず脱臭フィルタ1を
通過して臭気成分が除去された後、除塵フィルタ5を通
過して空気中の帯電された粉塵が除去され、更に補助脱
臭フィルタ6を通過して更なる臭気成分の除去がなされ
る。そしてこのように清浄化された空気は、本体ケース
15外に流出される。またこのとき放電ブロック2にお
ける上流側導電性電極8と下流側導電性電極9との間に
発生するコロナ放電により酸素ラジカル、イオン、電子
等の活性種が発生し、この活性種が空気の気流と共に脱
臭フィルタ1のシート状部材1aに到達することにより
シート状部材1aに配置されている触媒3が活性化さ
れ、吸着材2に吸着された臭気成分を分解するものであ
り、このため脱臭フィルタ1の交換頻度を低減すること
ができ、あるいは脱臭フィルタ1の交換が不要となるも
のである。
【0062】
【発明の効果】上記のように本発明の請求項1に係る脱
臭フィルタは、通気孔を有すると共に蛇腹状又は波状に
屈曲成形され、かつ触媒と吸着材のうち少なくも一方が
配置された複数のシート状部材を、隙間なく積層するた
め、シート状部材から構成されていることから、脱臭フ
ィルタの表面積が増大して脱臭効率が向上すると共に、
脱臭フィルタの通気口の総開口面積が増大してシート状
部材を空気が通過する際の圧損が低減し、また複数のシ
ート状部材を隙間なく積層することから脱臭フィルタに
配置される吸着材や触媒の量を向上すると共に、空気が
脱臭フィルタを通過する際の通過流速ベクトルの方向変
化回数を低減して更なる圧損の低減が可能となる。従っ
て、ファンなどの送風手段を用いて脱臭フィルタに空気
を通過させて脱臭を行う際には高出力のファン等を用い
なくても脱臭フィルタを通過する風量を充分に維持する
ことができ、装置の小型化や低振動化を達成することが
できるものであり、しかもこのように装置を小型化する
場合であっても、高効率で空気の脱臭を行うことができ
るものである。また複数の臭気成分を吸着して脱臭を行
う場合には複数の各シート状部材ごとに吸着すべき特定
の臭気成分を設定し、複数の各シート状部材ごとに特定
の特定の臭気成分に応じた吸着材や触媒の配置量を設定
して、複数の臭気成分を高効率で除去することができる
ものである。
【0063】また請求項2の発明は、請求項1におい
て、複数のシート状部材を積層して一体化しているの
で、シート状部材同士の間に不用意に隙間が発生するこ
とを防止し、脱臭フィルタを通過する際の空気の圧損を
より確実に低減することができるものである。
【0064】また請求項3の発明は、請求項1又は2に
おいて、シート状部材として不織布を用いているので、
脱臭フィルタを通過する空気の圧損を更に低減すると共
に、吸着材や触媒の配置量を広い範囲で制御することが
できるものである。
【0065】また請求項4の発明は、請求項1乃至3の
いずれかにおいて、シート状部材を不織布にて形成し、
積層されたシート状部材のうち両側に他のシート状部材
と不織布で形成された除塵用フィルタのいずれか一方が
それぞれ配置されているものは、シート状部材を構成す
る繊維の量を、脱臭フィルタの最外層に配置され且つ一
面が外部に露出するシート状部材の不織布よりも低減す
るため、最外層に配置され且つ外部に露出するシート状
部材では、繊維の量を多くすることによって、脱臭フィ
ルタの取り扱い時や、織り加工を行う際の加工時等にお
ける外部からの摩擦による吸着材や触媒の脱落を防止す
ることができ、また両側に他のシート状部材あるいは不
織布で形成された除塵用フィルタが配置されているシー
ト状部材では、シート状部材から吸着材や触媒が脱落し
にくくなることから不織布の繊維量を低減して、このシ
ート状部材における圧損を低減することができ、これに
より脱臭フィルタ全体の圧損を低減することができるも
のである。
【0066】また請求項5の発明は、請求項1乃至4の
いずれかにおいて、シート状部材を不織布にて形成し、
シート状部材を構成する繊維の繊維径を、積層された複
数のシート状部材ごとに異ならせるため、吸着材等の配
置量がより多いシート状部材の不織布の繊維径をより大
きく形成して通気孔の径を大きくすることにより、吸着
材等の配置量が多くなっても十分な空気の流通を確保す
ることができて圧損を低減することができ、また、最外
層に配置され且つ外部に露出するシート状部材を構成す
る不織布の繊維径をより小さくなるようにして、吸着材
2や脱臭材3を十分な保持力で保持できるようにし、脱
臭フィルタの取り扱い時や、織り加工を行う際の加工時
等における外部からの摩擦により吸着材や触媒が脱落す
ることを防止することができるものである。
【0067】また請求項6の発明は、請求項1乃至5の
いずれかにおいて、シート状部材を不織布にて形成し、
シート状部材に触媒と吸着材のうち少なくも一方を配置
する手段として接着材を用い、積層されたシート状部材
のうち両側に不織布がそれぞれ配置されているものは、
接着材の量を、脱臭フィルタの最外層に配置され且つ一
面が外部に露出するシート状部材よりも低減するため、
最外層に配置され且つ外部に露出するシート状部材では
十分な量の接着材を配置することにより、脱臭フィルタ
の取り扱い時や、織り加工を行う際の加工時等における
外部からの摩擦による吸着材や触媒の脱落を防止するこ
とができ、両側に不織布が配置されているシート状部材
は吸着材や触媒が脱落しにくくなっていることから、接
着材の配置量を低減してこのシート状部材における圧損
を低減することができ、脱臭フィルタ全体の圧損を低減
することができるものである。
【0068】また請求項7の発明は、請求項1乃至6の
いずれかにおいて、シート状部材を不織布にて形成し、
シート状部材に触媒と吸着材のうち少なくも一方を配置
する手段として接着材を用い、積層されたシート状部材
のうち両側に他のシート状部材と不織布で形成された除
塵用フィルタのいずれか一方がそれぞれ配置されている
ものは、接着材の量を、脱臭フィルタの最外層に配置さ
れ且つ一面が外部に露出するシート状部材よりも低減す
るため、最外層に配置され且つ外部に露出するシート状
部材では十分な量の接着材を配置することにより、脱臭
フィルタの取り扱い時や、織り加工を行う際の加工時等
における外部からの摩擦による吸着材や触媒の脱落を防
止することができ、両側に他のシート状部材と不織布で
形成された除塵用フィルタのいずれか一方がそれぞれ配
置されているシート状部材は吸着材や触媒が脱落しにく
くなっていることから、接着材の配置量を低減してこの
シート状部材における圧損を低減することができ、脱臭
フィルタ全体の圧損を低減することができるものであ
る。
【0069】また請求項8の発明は、請求項1乃至7の
いずれかにおいて、シート状部材を不織布にて形成し、
この不織布に触媒と吸着材のうち少なくも一方を配置す
る手段として接着材を用い、接着材の成分を、積層され
た複数の不織布ごとに異ならせるため、吸着材や触媒の
種類に応じて、各シート状部材ごとに吸着材等を十分な
保持力で保持することができる接着材を用いて、吸着材
等を十分な保持力で保持することができ、また、最外層
に配置され且つ外部に露出するシート状部材では、脱臭
フィルタの取り扱い時や、織り加工を行う際の加工時等
における外部からの摩擦による吸着材や触媒の脱落を防
止するために、膜形成能が高くなるように成分調整され
た接着材を用い、両側に他のシート状部材と不織布で形
成された除塵用フィルタのいずれか一方がそれぞれ配置
されているものは、膜形成能がより低くなるように成分
調整された接着材を用いて、接着材の膜により空気の流
通が阻害されることを抑制することにより、脱臭フィル
タ全体の圧損を低減することもできるものである。
【0070】また請求項9の発明は、請求項1乃至8の
いずれかにおいて、シート状部材に配置される触媒及び
吸着材のうちの少なくとも一方の量を、積層された複数
のシート状部材ごとに異ならせているので、各シート状
部材ごとに主として吸着する臭気成分を設定した場合に
は、空気中での含有量がより多い臭気成分を吸着するた
めのシート状部材では吸着材や触媒の配置量をより多く
し、空気中での含有量がより少ない臭気成分を吸着する
ためのシート状部材では吸着材や触媒の配置量をより少
なくして、空気中に含まれる複数種の吸着成分をそれぞ
れ効率良く吸着除去すると共に、脱臭フィルタ全体にお
いて過剰な量の吸着材や触媒が配置されないようにし、
吸着材や触媒の配置量の増大による圧損の増大を更に防
止することができるものである。
【0071】また請求項10の発明は、請求項1乃至9
のいずれかにおいて、シート状部材に配置される触媒と
吸着材との割合を、積層された複数のシート状部材ごと
に異ならせているので、各シート状部材ごとに主として
吸着する臭気成分を設定した場合には、臭気成分の吸着
材に対する吸着されやすさや触媒による分解のされやす
さに応じて、各シート部状部材ごとに特定の臭気成分を
吸着除去するために好適な割合で吸着材と触媒とを配置
することができ、これにより複数種の臭気成分を高効率
で吸着除去することができるものである。
【0072】また請求項11の発明は、請求項1乃至1
0のいずれかにおいて、シート状部材の厚みを、積層さ
れた複数のシート状部材ごとに異ならせているので、各
シート状部材ごとに主として吸着する臭気成分を設定し
た場合には、空気中での含有量がより多い臭気成分を吸
着するためのシート状部材では厚みをより厚くすること
で表面積を大きくして充分な量の吸着材や触媒が配置で
きるようにし、一方、空気中での含有量がより少ない臭
気成分を吸着するためのシート状部材では吸着材や触媒
の配置量をより少なくできるのでそれに応じて必要以上
の厚みとならないように厚みをより薄くするなどして、
各シート状部材が吸着除去すべき臭気成分に応じて好適
な厚みになるようにし、空気中に含まれる複数種の臭気
成分をそれぞれ効率良く吸着除去すると共に、吸着フィ
ルタ全体の厚みが過剰に増大することによる圧損の増大
を防止することができるものである。
【0073】また請求項12の発明は、請求項1乃至1
1のいずれかにおいて、触媒を吸着材の近傍、吸着材の
表面、及び吸着材の内部の少なくともいずれかに配置す
るので、吸着材に吸着された臭気成分の分子が触媒によ
って効率良く分解されて、吸着材の吸着能力が高い状態
に維持され、脱臭フィルタの脱臭効率を高い状態に維持
することができるものである。
【0074】また請求項13の発明は、請求項1乃至1
2のいずれかにおいて、触媒として、ZnO、CuO、
FeO、TiO2、MnO2、MgO、NiO、AlCl
3、V25、ゼオライト及びジルコニアのうちの少なく
とも一種を用いているので、吸着材に吸着された臭気成
分を高効率で分解して、脱臭フィルタの脱臭効率を高い
状態に維持することができるものである。
【0075】また本発明の請求項14に係る空気清浄器
は、請求項1乃至13のいずれかに記載の脱臭フィルタ
と、送風手段と、触媒励起手段とを具備しているので、
送風手段により空気清浄器に流入した空気中の臭気成分
を脱臭フィルタに配置された吸着材に吸着すると共に吸
着材に吸着された臭気成分を触媒励起手段により活性化
された触媒により分解して、空気の脱臭を行うことがで
きるものであり、このとき脱臭フィルタの圧損が低減さ
れていると共に臭気成分の吸着性が向上されていること
から低出力の送風手段を用いても高効率で脱臭を行うこ
とができ、装置を小型化する場合であっても、高効率で
空気の脱臭を行うことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示す概略図であ
る。
【図2】本発明の実施の形態の一例を示す、全体構成の
概略図である。
【図3】同上の、他の動作を示す全体構成の概略図であ
る。
【図4】脱臭剤と触媒との配置関係を示す一部破断した
模式図である。
【図5】脱臭剤と触媒との他の配置関係を示す模式図で
ある。
【符号の説明】
A 空気清浄器 1 脱臭フィルタ 2 吸着材 3 触媒
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01D 39/14 B01D 39/14 C K 39/16 39/16 A 53/86 F24F 7/00 B F24F 7/00 B01D 53/36 H Fターム(参考) 4C080 AA05 AA07 AA09 BB02 CC01 HH01 JJ06 KK08 LL01 MM02 QQ17 4D019 AA01 BB03 BB10 BC05 BC07 BC10 BD02 CA02 4D048 AA22 AB01 AB03 BA01Y BA03Y BA07Y BA08Y BA11Y BA16Y BA23Y BA28Y BA35Y BA36Y BA38X BA41Y BA43Y BB01 CD03 CD05 EA03

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 通気孔を有すると共に蛇腹状又は波状に
    屈曲成形され、かつ触媒と吸着材のうち少なくも一方が
    配置された複数のシート状部材を、隙間なく積層して成
    ることを特徴とする脱臭フィルタ。
  2. 【請求項2】 複数のシート状部材を積層して一体化し
    て成ることを特徴とする請求項1に記載の脱臭フィル
    タ。
  3. 【請求項3】 シート状部材として不織布を用いて成る
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の脱臭フィル
    タ。
  4. 【請求項4】 シート状部材を不織布にて形成し、積層
    されたシート状部材のうち両側に他のシート状部材と不
    織布で形成された除塵用フィルタのいずれか一方がそれ
    ぞれ配置されているものは、シート状部材を構成する繊
    維の量を、脱臭フィルタの最外層に配置され且つ一面が
    外部に露出するシート状部材の不織布よりも低減して成
    ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の
    脱臭フィルタ。
  5. 【請求項5】 シート状部材を不織布にて形成し、シー
    ト状部材を構成する繊維の繊維径を、積層された複数の
    シート状部材ごとに異ならせて成ることを特徴とする請
    求項1乃至4のいずれかに記載の脱臭フィルタ。
  6. 【請求項6】 シート状部材を不織布にて形成し、シー
    ト状部材に触媒と吸着材のうち少なくも一方を配置する
    手段として接着材を用い、積層されたシート状部材のう
    ち両側に不織布がそれぞれ配置されているものは、接着
    材の量を、脱臭フィルタの最外層に配置され且つ一面が
    外部に露出するシート状部材よりも低減して成ることを
    特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の脱臭フィ
    ルタ。
  7. 【請求項7】 シート状部材を不織布にて形成し、シー
    ト状部材に触媒と吸着材のうち少なくも一方を配置する
    手段として接着材を用い、積層されたシート状部材のう
    ち両側に他のシート状部材と不織布で形成された除塵用
    フィルタのいずれか一方がそれぞれ配置されているもの
    は、接着材の量を、脱臭フィルタの最外層に配置され且
    つ一面が外部に露出するシート状部材よりも低減して成
    ることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の
    脱臭フィルタ。
  8. 【請求項8】 シート状部材を不織布にて形成し、この
    不織布に触媒と吸着材のうち少なくも一方を配置する手
    段として接着材を用い、接着材の成分を、積層された複
    数の不織布ごとに異ならせて成ることを特徴とする請求
    項1乃至7のいずれかに記載の脱臭フィルタ
  9. 【請求項9】 シート状部材に配置される触媒及び吸着
    材のうちの少なくとも一方の量を、積層された複数のシ
    ート状部材ごとに異ならせて成ることを特徴とする請求
    項1乃至8のいずれかに記載の脱臭フィルタ。
  10. 【請求項10】 シート状部材に配置される触媒と吸着
    材との割合を、積層された複数のシート状部材ごとに異
    ならせて成ることを特徴とする請求項1乃至9のいずれ
    かに記載の脱臭フィルタ。
  11. 【請求項11】 シート状部材の厚みを、積層された複
    数のシート状部材ごとに異ならせて成ることを特徴とす
    る請求項1乃至10のいずれかに記載の脱臭フィルタ。
  12. 【請求項12】 触媒を吸着材の近傍、吸着材の表面、
    及び吸着材の内部の少なくともいずれかに配置すること
    を特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の脱臭
    フィルタ。
  13. 【請求項13】 触媒として、ZnO、CuO、Fe
    O、TiO2、MnO2、MgO、NiO、AlCl3
    25、ゼオライト及びジルコニアのうちの少なくとも
    一種を用いて成ることを特徴とする請求項1乃至12の
    いずれかに記載の脱臭フィルタ。
  14. 【請求項14】 請求項1乃至13のいずれかに記載の
    脱臭フィルタと、送風手段と、触媒励起手段とを具備し
    て成ることを特徴とする空気清浄器。
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