JP2002331212A - 除塵脱臭フィルター - Google Patents

除塵脱臭フィルター

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JP2002331212A
JP2002331212A JP2001138044A JP2001138044A JP2002331212A JP 2002331212 A JP2002331212 A JP 2002331212A JP 2001138044 A JP2001138044 A JP 2001138044A JP 2001138044 A JP2001138044 A JP 2001138044A JP 2002331212 A JP2002331212 A JP 2002331212A
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deodorizing filter
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dust
deodorizing
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Hirosumi Ogawa
裕純 小川
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 空気中のミスト成分を高効率に集塵、分解、
脱臭し、かつ、通気抵抗の低い除塵脱臭フィルターを提
供すること 【構成】 バインダーにより保持された吸着材と吸着し
たガスを分解する触媒成分が含まれる保持用不織布と、
該保持用不織布をその間に挟持する除塵用不織布とから
なる3層の不織布からなる積層構造の脱臭フィルターに
おいて、空気流れの上流側に位置する除塵用不織布に固
体超強酸粒子を含むことを特徴とする除塵脱臭フィルタ
ー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は空調装置等に用いら
れる除塵と脱臭機能を有するフィルターに関し、特に活
性炭等の吸着材に吸着した臭気物のガス成分を、常温に
おいて活性を有する触媒、常温触媒を用いて酸化還元反
応を行い、固定化・分解することにより、活性炭等の吸
着材の吸着性能を再生し、かつ、従来、これらのフィル
ターに見られた除塵性能低下によるフィルターの寿命の
終了を大幅に延長し、集塵性能を犠牲にすることなく、
脱臭性能を長期に保持し、更に低い通気抵抗を有するも
のである。
【0002】
【従来の技術】建築物や輸送機器に用いられる空調機器
において、その空気に含まれる粉塵や悪臭のようなガス
成分を除去するために、除塵や脱臭の機能を有するフィ
ルターを用いることが多い。除塵フィルターは、空気に
含まれる粉塵を篩、慣性、遮り、拡散の作用により捕集
して空気から除去するものである。除塵の対象は大別し
て、花粉やディーゼル排ガスのすすの様な固体物質と、
タバコケムリの脂(やに)やディーゼル排ガスに含まれ
るSOF(Soluble Organic Fraction)の様な分子量の大
きな有機物のミストに分けることができる。
【0003】脱臭フィルターは、たばこ臭や排気ガス臭
に含まれる臭気物のガス成分を活性炭等の吸着材単独で
吸着脱臭するものや、長期にわたり脱臭効果を発揮させ
ようとするため酸化還元作用を持つ触媒を吸着材と併せ
用いて使用するものがある。また、除塵と脱臭を併せて
行う除塵脱臭フィルターも使用されている。例えば、図
3に示すように、フィルターに除塵部分と脱臭部分を設
け、更に脱臭部分に触媒を設けたフィルターである(特
開2000−233113号公報)。
【0004】前記のフィルターはバインダーにより保持
された吸着材が含まれる保持用不織布1と、該保持用不
織布をその間に挟持する除塵用不織布2及び3とから成
る3層の不織布から成る積層構造の脱臭フィルターであ
って除塵性能、脱臭性能、通気抵抗のフィルターに要求
される3つの性能をバランスよく成立させうる。更に触
媒成分を脱臭部分に存在させることで触媒による反応に
より吸着材の再生がなされる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
除塵脱臭フィルターにおいては、通気性を十分に確保し
つつ空気清浄を確保するために、除塵部分を脱臭部分の
後ろに設ける、或いは、除塵部分を脱臭部分の前後に設
け、前部の除塵部分は低い除塵性能を、後部の除塵部分
は高い除塵性能を持たせるといった仕様となっている。
これは脱臭部分の前に高性能な除塵部分を設けると容易
に目詰まりして寿命が尽きてしまう、あるいは圧力損失
が大きくなり実用に耐えなくなるためである。
【0006】このように従来の除塵脱臭フィルターは除
塵の対象物の少なからぬ部分が脱臭部分に到達する仕様
となっているので、集塵対象の一つであるミストが脱臭
部分にある吸着材のマクロポアの閉塞や、触媒への付着
を引き起こして吸着材の吸着性能の低下や触媒被毒の原
因となっている。たばこの煙の粒子は0.01から1μ
mで、吸着材として活性炭を採ると、そのマクロポアの
径は0.05μm以上であり、たばこ煙の粒子により、
塞がれてしまう場合がある。除塵性能を高めるために、
除塵部分の不織布を構成する繊維の少なくとも一部をエ
レクトレット処理したものとして捕集効率を高めている
が十分ではない。
【0007】また、このような触媒成分を担持した除塵
脱臭フィルターにおいては、脱臭性能が伸びるので、除
塵性能が対応せず、また除塵性能を優先しようとした場
合、フィルターとしての圧力損失が大きくなるため、空
気清浄機、エアコンのフィルターとしての所望の性能が
得られない。
【0008】本発明は上記問題点に鑑み、固体超強酸粒
子を脱臭部分の上流側にある集塵部分に設けるととも
に、所定の不織布とすることで、ミストを高効率に集塵
し、なおかつ、通気抵抗の低い除塵脱臭フィルターを提
供するものである。
【0009】更には固体超強酸粒子を集塵部分に設ける
ことで、除塵部に付着させたミストを分解して室温にて
ガス状になる成分に変換して脱臭部で吸着することで抑
制し、更に脱臭部の触媒成分で分解除去することによ
り、フィルターとしての除塵脱臭性能を長期にわたって
保持し続けることが可能な除塵脱臭フィルターを提供す
るものであり、除塵性能と脱臭性能の長期にわたる両立
を長期にわたって維持しつづけることを可能としたフィ
ルターを提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決する手
段として、本発明者らは研究を進めてきたところ、請求
項1に示すように、吸着材と吸着したガスを分解する触
媒成分が含まれる保持用不織布と、該保持用不織布をそ
の間に挟持する除塵用不織布とからなる積層構造の脱臭
フィルターにおいて、空気流れの上流側に位置する除塵
用不織布に固体超強酸粒子を含ませたことを特徴とする
除塵脱臭フィルターにより解決されることを見出した。
その構成を図1、2に示す。
【0011】また請求項2に示すように、前記空気流れ
の上流側に位置する除塵用不織布が、前記固体超強酸粒
子を5〜50g/m2含み、径が25〜40μmの繊維が
主な構成物で面密度が10〜100g/m2の不織布を用
いることを特徴とする。
【0012】また請求項3に示すように、固体超強酸粒
子が空気流れの下流側に位置する除塵用不織布にも担持
されていることを特徴とする。
【0013】また請求項4に示すように、前記上流側、
下流側のどちらかすくなくとも一方の除塵用不織布にエ
レクトレット処理された繊維が含まれていることを特徴
とする。
【0014】また請求項5に示すように、前記固体超強
酸粒子が、粒子径が20〜200nmのWO3/Zr
2,WO3/SnO2, WO3/TiO2, WO3/Fe23
いずれかであることを特徴とする。
【0015】また請求項6に示すように、前記WO3
WO3/ZrO2,WO3/SnO2, WO3/TiO2, WO3/
Fe23に対して8〜16質量%含まれている固体超強
酸粒子を用いることを特徴とする。
【0016】また請求項7に示すように、前記固体超強
酸粒子が更に白金を担持している事を特徴とする。
【0017】また請求項8に示すように、前記白金の量
が固体超強酸粒子に対して、0.1〜8質量%であるこ
とを特徴とする。
【0018】また請求項9に示すように、前記除塵フィ
ルター部で用いられる不織布は、ポリプロピレン(PP)
もしくはポリエチレンテレフタレート(PET)メルトブ
ローを主な構成物であることを特徴とする。
【0019】また請求項10に示すように、前記固体超
強酸粒子はバインダーにより不織布繊維上に固着され、
該バインダー材は珪素、アルミナの少なくともいずれか
の元素を含んでなることを特徴とする。
【0020】また請求項11に示すように、請求項1な
いし10いずれかに記載のフィルターの製造法であっ
て、固体超強酸粒子とバインダーを含むスラリーを作製
し、そのスラリーに不織布を浸漬する、或いは、スラリ
ーをスプレーコーティングして付着させ、その後乾燥さ
せる工程を含むことを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の除塵脱臭フィルターにお
いて、吸着材と吸着したガスを分解する触媒成分が含ま
れる保持用不織布と、該保持用不織布をその間に挟持す
る除塵用不織布とからなる積層構造の脱臭フィルターに
おいて、空気流れの上流側に位置する除塵用不織布に固
体超強酸粒子を、望ましくは5〜50g/m2含ませ、径
が25〜40μmの繊維が主な構成物で面密度が10〜
100g/m2の不織布であるようにすることで、低圧損
と高い集塵性能の両立が図れるとともに、脱臭部分がた
ばこのタール、脂のようなミストにより閉塞、被毒され
ることを抑制できる。
【0022】ここで超強酸とは、100%硫酸よりも酸
性度が高い、即ち、ハメットの酸度関数HO が−11.
93よりも低い化合物である。HO が-11.93より
も小さいほど、酸強度が強いことになる。
【0023】固体超強酸粒子は、除塵フィルターに存在
させることが好ましく、特に好ましいのは脱臭フィルタ
ーの上流側、最初に浄化すべき空気と接する側に存在す
る除塵フィルターに存在することが望ましい。
【0024】固体超強酸粒子が上流側除塵フィルターに
存在することで、固体超強酸粒子によって上流側除塵フ
ィルターは帯電性を有して空気中の粒子を捕捉しやすく
なる。これは固体超強酸粒子が粉体と接触すると帯電し
やすいという特性を有することに起因し、固体超強酸を
構成するW−O,Zr−O,Ti−O、Sn−O,Fe
−Oなどの誘電分極や表面に存在する水素イオンの移動
によるものと思われる。固体超強酸粒子を除塵フィルタ
ーに存在させることで、帯電効果による捕集が期待で
き、除塵フィルターの繊維のみに拠る捕集よりも高い除
塵性能が得られる。
【0025】また固体超強酸粒子が上流側除塵フィルタ
ーに位置することで、除塵部が捕集する対象物の内、タ
バコケムリの脂(やに)やディーゼル排ガスに含まれる
SOF(Soluble Organic Fraction)の様な分子量の大き
な有機物のミストをより分子量の低い、ガス状の化合物
に変換し、それを脱臭部に吸着させることが可能で、さ
らにその吸着したガスを脱臭部の触媒成分により分解す
ることによって、除塵フィルターの除塵対象物を低減
し、脱臭部への微細粒子、油分のミスト等の侵入を防
ぎ、脱臭性能の低下および再生性能の低下を防ぐことが
可能となり、更にはフィルター全体の寿命延長をも可能
とするものである。
【0026】この固体超強酸粒子の除塵フィルターへの
望ましい面密度は5〜50g/m2である。5g/m2
下では、十分な効果が得られず、50g/m2以上で
は、固体超強酸粒子の脱離が起こりやすいからである。
【0027】除塵フィルター部は、空気流れ方向に対し
て、2層の不織布から構成され、かつ、空気流れ方向に
対して、上流側に位置するフィルターは平均繊維径25
〜40μmの繊維で主に構成された不織布で、該不織布
の面密度は10〜100g/m 2であることが望ましい。
【0028】一般に除塵フィルターの通気抵抗は不織布
の繊維径が小さいほど高く、面密度が高いほど、大きく
なる。本発明の除塵脱臭フィルターは風速が0.5m/
s〜3m/sという高速で使用するので、前記範囲より
も小さな径の繊維を主成分としたり、より多い面密度と
すると圧力損失が大きくなり実用に耐えない。逆に前記
範囲よりも大きな径の繊維を主成分とすると腰がないの
でフィルターとして使用が困難となる。
【0029】また、固体超強酸粒子を下流側の除塵フィ
ルターに存在させても良く、さらに脱臭性能を向上させ
ることができる。
【0030】また、除塵フィルターにエレクトレット処
理された繊維が含まれていても良く、固体超強酸粒子に
よる帯電効果を更に高めて除塵性能を向上させることが
できる。
【0031】本発明で用いる固体超強酸は、図4に示す
ように、錫、ジルコニウム、チタン、鉄からなる群より
選ばれた少なくとも1種の酸化物の表面に、タングステ
ン酸化物を担持させた、粒子径が20〜200nmのW
3/ZrO2,WO3/SnO2, WO3/TiO2, WO3/F
23である。
【0032】この固体超強酸は粒子径が20〜200n
mであることが望ましい。できるだけ細かくして表面積
を大きく保つことが望ましいが、あまり細かくし過ぎる
と表面エネルギーが高くなるため、粒子の熱的安定性が
低下しシンタリングを起こしやすくなる。従って、活性
と熱的安定性の兼ね合いから望ましい粒子径を20〜2
00nmとした。酸化タングステン粒子の径が0.1〜
100nmで、それが錫、ジルコニウム、チタン、鉄の
酸化物粒子(粒子の径が1〜100nm)に担持されて
いることである。
【0033】また高い活性を得ることのできる、タング
ステン酸化物の割合としては、固体超強酸に対して8〜
16質量%で、望ましくは13±0.5質量%である。
16質量%よりタングステン酸化物の比率を高くする
と、タングステン単独の酸化物が生成してしまい、これ
は性能低下の原因となる。8質量%よりタングステン酸
化物の比率を低くすると、充分な性能が得られない。
【0034】固体超強酸粒子のもう一つの特性である、
捕集したミストの分解を促進するためには白金を固体超
強酸粒子に担持させることが望ましい。それにより分解
性能が高まり、除塵部分の負荷が低減する。分解したガ
スは、脱臭部分で吸着分解される。
【0035】白金の担持量は0.1から8質量%である
ことが望ましい。0.1質量%以下では効果が確認され
ず、8質量%以上にしても増やした効果が確認されな
い。
【0036】下流側に位置する除塵フィルターは、上流
側の除塵フィルターと同様でも問題ないが、より集塵性
能を高く設定してもよく、例えば平均繊維径0.5〜1
0μm、面密度10〜40g/m2の繊維を含んだ不織布
で構成してもよい。固体超強酸粒子を含む除塵部分の繊
維は、不織布に用いることのできるものであれば問題が
ないが、好ましくはポリプロピレン(PP)もしくはポリ
エチレンテレフタレート(PET)メルトブローを主な構
成物であればよい。
【0037】また、固体超強酸粒子を除塵フィルターに
安定に存在させるには固着させるためのバインダーが必
要で、珪素、アルミナの少なくとも何れかの元素を含ん
でなるものが望ましい。このようなバインダーとしては
トリエチルシラン、水酸化アルミニウムゾルなど公知の
ものを利用しうる。
【0038】本発明にて好適に用いられる固体超強酸
は、ジルコニウム、チタン、鉄からなる群より選ばれた
少なくとも1種の酸化物粒子と酸化タングステン粒子よ
りなり、概ね以下の工程を経由して製造される。
【0039】(1)液温を15〜25℃に保ちつつ攪拌
している、錫、ジルコニウム、チタン、鉄の塩化物、硝
酸塩、オキシ塩化物からなる群より選ばれた少なくとも
1種の化合物を含む水溶液に、そのpHが8.0±0.1
になるまで塩基性水溶液を滴下して沈殿物粒子を水溶液
中に生成させ、生成した粒子を水で洗浄後、乾燥する。
【0040】(2)更に液温を15〜25℃に保ちつつ
攪拌しているで得た粒子と水の縣濁液に、メタタング
ステン酸アンモニウム(化学式:(NH46(H2W12O4 0
/nH2O,WO3量:50質量%)を加え、更に攪拌した後に
水を除去する。
【0041】(3)前記粒子を空気中にて350から9
00℃で焼成する。
【0042】
【実施例】次に、本発明に係わる脱臭フィルターの実施
例について説明するが、本発明は、このような実施例の
みに限定されるものではない。
【0043】<共通の仕様>本発明で用いられる、脱臭
フィルターとしては、3層構造からなるフィルターであ
って、上下に形状保持及び除塵を目的とした不織布層と
中間に吸着材を保持することを目的とした保持層の3層
からなり、活性炭粒等吸着材の保持用不織布として30
〜50μmのポリプロピレン繊維若しくはレーヨンなど
の繊維でなる目付30〜80g/m2の不織布を用い、
活性炭粒等の吸着材を保持させた。活性炭粒としては粒
径100μm以上の活性炭からなるものであり、これら
の代替えとして、ゼオライト等の吸着性能を有する粒状
のものを適宜使用することも可能である。
【0044】これら、吸着材を不織布に固着するために
ホットメルト不織布、若しくはホットメルトパウダを用
いることが望ましいが、接着面に著しい目詰まりが見ら
れなければ接合の手段は限定されない。
【0045】(実施例1) <固体超強酸粒子の調整>20℃に保ちつつ良く攪拌し
たの水に ZrOCl2・8H2Oを解かし、これに1Nのアンモ
ニア水をpHが8.0±0.1になるまで滴下して、沈
殿物が生成することを確認した。この沈殿物を遠心分離
し、塩素イオンが検出されなくまるまでそれを繰り返し
蒸留水で洗浄する操作を行った後に、100℃にて乾燥
してZr(OH)4を得た。次に、このZr(OH)4を20℃の水に
分散させた縣濁液を攪拌し、(NH46(H2W12O40)/nH2
Oを加えて含浸する。その後、水分を室温で除去後、1
00℃で乾燥、750℃で焼成し、Wを13質量%担持
したWO3/ZrO2粒子を得た。
【0046】<脱臭フィルターの上流側の除塵部分への
WO3/ZrO2粒子の固着>除塵用不織布として、主に
繊維径が30〜35μmのポリプロピレン繊維で構成さ
れた40g/m2の目付けを有するものを用いた。WO3
/ZrO2粒子を、チッソ(株)製シランカップリング
剤、商品名「サイラエースS330」と共に水に加え
て、振動ミルにより混合粉砕し、均一なスラリー状態と
した。このスラリーに上流側に位置させる除塵用不織布
を浸漬し、エアブローして余分なスラリーを除き、WO
3/ZrO2を30g/m2担持させた。この不織布に付着
しているWO3/ZrO2の平均粒子径は43nmであ
る。
【0047】<脱臭フィルターの下流側の除塵部分>固
体超強酸粒子を担持させない以外は上流側と同様とし
た。
【0048】<脱臭フィルターの脱臭部分の作製>ヤシ
ガラ活性炭を塩化ルテニウム水溶液に浸漬し、80℃で
乾燥することで、ルテニウムを添着した活性炭の吸着材
を得た。ルテニウムの添着量は、活性炭に対して5質量
%である。上記吸着材を目通量が250g/m2になるよ
うに保持用不織布にホットメルトパウダーで固着して保
持層とした。
【0049】<脱臭フィルターの作製>保持層の上流側
に固体超強酸粒子を担持させた除塵用不織布を、下流側
に主に繊維径が30〜35μmのポリプロピレン繊維で
構成された40g/m2の目付けを有する除塵用不織布
を併せ、3層構造の除塵脱臭フィルター1とした。
【0050】(実施例2)実施例1において、固体超強
酸粒子の目付量を5g/m2とする以外は同様にして除
塵脱臭フィルター2とした。
【0051】(実施例3)実施例1において、固体超強
酸粒子の目付量を50g/m2とする以外は同様にして
除塵脱臭フィルター3とした。
【0052】(実施例4)実施例1において、上流側除
塵用不織布の面密度を90g/m2とする以外は同様に
して除塵脱臭フィルター4とした。
【0053】(実施例5)実施例1において、上流側除
塵用不織布の面密度を20g/m2とする以外は同様に
して除塵脱臭フィルター5とした。
【0054】(実施例6)実施例1において、上流側除
塵用不織布の主な繊維の径を20から25μmとする以
外は同様にして除塵脱臭フィルター6とした。
【0055】(実施例7)実施例1において、上流側除
塵用不織布の主な繊維の径を35から40μmとする以
外は同様にして除塵脱臭フィルター7とした。
【0056】(実施例8)実施例1において、下流側不
織布にも上流側不織布と同じ固体超強酸を30g/m2
担持する以外は同様にして除塵脱臭フィルター8とし
た。
【0057】(実施例9)実施例1において、上流側除
塵用不織布の繊維をエレクトレット処理する以外は同様
にして除塵脱臭フィルター9とした。
【0058】(実施例10)実施例1において、固体超
強酸粒子の酸化タングステンの量を8質量%にする以外
は同様にして除塵脱臭フィルター10とした。
【0059】(実施例11)実施例1において、固体超
強酸粒子の酸化タングステンの量を16質量%にする以
外は同様にして除塵脱臭フィルター11とした。
【0060】(実施例12)実施例1において、固体超
強酸粒子のジルコニアを錫に変更する以外は同様にして
除塵脱臭フィルター12とした。
【0061】(実施例13)実施例1において、固体超
強酸粒子のジルコニアをチタンに変更する以外は同様に
して除塵脱臭フィルター13とした。
【0062】(実施例14)実施例1において、固体超
強酸粒子のジルコニアを鉄に変更する以外は同様にして
除塵脱臭フィルター14とした。
【0063】(実施例15)実施例1において、固体超
強酸粒子を粉砕してその粒子径を25μmにする以外は
同様にして除塵脱臭フィルター15とした。
【0064】(実施例16)実施例1において、固体超
強酸粒子を粉砕してその粒子径を80μmにする以外は
同様にして除塵脱臭フィルター16とした。
【0065】(実施例17)実施例1において、固体超
強酸粒子に白金を0.5質量%担持する以外は同様にし
て除塵脱臭フィルター17とした。固体超強酸粒子を塩
化白金酸水溶液に含浸して100℃で乾燥、400℃で
焼成して、白金を担持した。
【0066】(実施例18)実施例1において、固体超
強酸粒子に白金を8質量%担持する以外は同様にして除
塵脱臭フィルター18とした。白金を担持方法は、実施
例17と同様な方法で行った。
【0067】(比較例1)実施例1において、固体超強
酸粒子を担持させない以外は同様にして脱臭フィルター
Aとした。
【0068】(比較例2)実施例1において、上流側不
織布の面密度を5g/m2とする以外は同様にして脱臭
フィルターBとした (比較例3)実施例1において、上流側不織布の面密度
を120g/m2とする以外は同様にして脱臭フィルタ
ーBとした (比較例4)実施例1において、固体超強酸の量を3g
/m2とする以外は同様にして脱臭フィルターDとした (比較例5)実施例1において、上流側不織布の繊維の
径を10μmとする以外は同様にして脱臭フィルターE
とした (比較例6)実施例1において、上流側の除塵用不織布
が固体超強酸粒子を担持された繊維に替えてエレクトレ
ット処理された繊維とすること以外は同様にして脱臭フ
ィルターFとした。
【0069】上記実施例及び比較例のフィルターの仕様
をまとめて表1に示す。さらに実施例、比較例で得たフ
ィルターを以下の試験方法で評価し、その結果を表2に
示す。
【0070】
【表1】
【0071】
【表2】
【0072】<試験方法>初期脱臭性能評価として、
0.1m3の箱にてたばこを5本燃やし、そのガスを箱
に入れたΦ50のフィルターに対して、0.1m/sの流
速で30分間循環させ、箱のアセトアルデヒド、酢酸、
アンモニア濃度を測定した。耐久性能評価は、0.1m
3の箱にてたばこを5本燃やし、そのガスを箱に入れた
Φ50のフィルターに対して、0.1m/sの流速で30
分間循環させる、これを1サイクルとして再度実験を繰
り返すことを合計5回行い、5サイクル目の、箱内のア
セトアルデヒド、酢酸、アンモニア濃度を測定した。併
せて、耐久したサンプルに試験空気速度3m/分、試験
ダストにJIS15種粉塵を用い、ダスト供給量0.5g/minで6
g供給後のダスト負荷をかけた後、試験面流速1.0m/s
での圧損を調べた。
【0073】表2の結果から明らかなように、実施例の
フィルター1〜18は、比較例のフィルターA〜Fと比較
して初期及び耐久後の脱臭性能及び通気抵抗において優
れた性能を示している。
【0074】
【発明の作用】本発明の構成の除塵脱臭フィルターにお
いて、低圧損と帯電効果による高い捕集効率を両立させ
ることが可能となり、脱臭部分へのミストの付着を抑制
できる。すなわち固体超強酸粒子がもたらす除塵フィル
ター部の帯電効果により空気中の粉塵の捕集効率が高ま
るので、圧力損失の低い不織布を使用でき、結果として
低圧損と高捕集率の両立を図れる。
【0075】また粉塵を高効率で捕集するので脱臭部分
にミストが到達しにくくなり、吸着材や触媒に悪影響を
与えにくくなる。結果として吸着材の吸着性能や触媒の
分解性能が充分に活かされる。併せて、固体超強酸粒子
により、除塵部分に付着したミスト成分が分解されて、
捕集した粉塵量を低減できる。
【0076】更に、固体超強酸粒子は捕集した粉塵の
内、ミストを分解して低分子のガスに変換して近接する
脱臭部分の吸着材や触媒に捕捉させる。それにより粉塵
の負荷量を低減するので除塵部分の寿命も延ばせる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の脱臭フィルター素子を模式的に示した
図である。
【図2】本発明の脱臭フィルターの断面の一例を示す断
面図である。
【図3】従来例のフィルターの断面の一例を示す断面図
である。
【図4】本発明の固体超強酸粒子の模式図である。
【符号の説明】
1 保持用不織布 2 上流側除塵用不織布 3 下流側除塵用不織布 4 活性炭 5 触媒 6 固体超強酸粒子 7 酸化タングステン粒子 8 ジルコニア、錫、チタン、鉄の酸化物粒子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01D 39/16 B01D 39/16 A B60H 3/06 631 B60H 3/06 631 D04H 1/40 D04H 1/40 A B D06M 11/46 D06M 101:20 11/48 101:32 11/49 F24F 1/00 371Z F24F 1/00 D06M 11/12 // D06M 101:20 101:32 Fターム(参考) 3L051 BA00 BB01 4C080 AA06 AA07 BB02 BB05 CC01 HH05 JJ06 KK02 LL03 MM02 MM05 NN27 QQ11 4D019 AA01 AA02 BA16 BB03 BB06 BB10 BC01 BC05 BC07 BC10 BD01 BD10 CA02 CB06 DA03 4L031 AA14 AA18 AB34 BA09 CB10 DA00 DA13 4L047 AA14 AA21 BA23 BB02 BB06 CB10 CC12 DA00

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸着材と吸着したガスを分解する触媒成
    分が含まれる保持用不織布と、該保持用不織布をその間
    に挟持する除塵用不織布とからなる積層構造の脱臭フィ
    ルターにおいて、空気流れの上流側に位置する除塵用不
    織布に固体超強酸粒子を含ませたことを特徴とする除塵
    脱臭フィルター。
  2. 【請求項2】 前記空気流れの上流側に位置する除塵用
    不織布が、前記固体超強酸粒子を5〜50g/m2含み、
    径が25〜40μmの繊維が主な構成物で面密度が10
    〜100g/m2の不織布を用いる、ことを特徴とする請
    求項1記載の除塵脱臭フィルター。
  3. 【請求項3】 固体超強酸粒子が空気流れの下流側に位
    置する除塵用不織布にも担持されていることを特徴とす
    る、請求項1ないし2いずれかに記載の除塵脱臭フィル
    ター。
  4. 【請求項4】 前記上流側、下流側のどちらかすくなく
    とも一方の除塵用不織布にエレクトレット処理された繊
    維が含まれていることを特徴とする、請求項1ないし3
    いずれかに記載の除塵脱臭フィルター。
  5. 【請求項5】 前記固体超強酸粒子が、粒子径が20〜
    200nmのWO3/ZrO2,WO3/SnO2, WO3/T
    iO2, WO3/Fe23のいずれかであることを特徴と
    する、請求項1ないし4いずれかに記載の除塵脱臭フィ
    ルター。
  6. 【請求項6】 前記WO3がWO3/ZrO2,WO3/Sn
    2, WO3/TiO2, WO3/Fe23に対して8〜16
    質量%含まれている固体超強酸粒子を用いることを特徴
    とする、請求項1ないし5いずれかに記載の脱臭フィル
    ター。
  7. 【請求項7】 前記固体超強酸粒子が更に白金を担持し
    ている事を特徴とする、請求項1ないし6いずれかに記
    載の除塵脱臭フィルター。
  8. 【請求項8】 前記白金の量が固体超強酸粒子に対し
    て、0.1〜8質量%であることを特徴とする請求項1
    ないし7いずれかに記載の除塵脱臭フィルター。
  9. 【請求項9】 前記除塵フィルター部で用いられる不織
    布は、ポリプロピレン(PP)もしくはポリエチレンテレ
    フタレート(PET)メルトブローを主な構成物であるこ
    とを特徴とする請求項1ないし8いずれかに記載の除塵
    脱臭フィルター。
  10. 【請求項10】 前記固体超強酸粒子はバインダーによ
    り不織布繊維上に固着され、該バインダー材は珪素、ア
    ルミナの少なくともいずれかの元素を含んでなることを
    特徴とする請求項1ないし9いずれかに記載の除塵脱臭
    フィルター。
  11. 【請求項11】 請求項1ないし10いずれかに記載の
    フィルターの製造法であって、固体超強酸粒子とバイン
    ダーを含むスラリーを作製し、そのスラリーに不織布を
    浸漬する、或いは、スラリーをスプレーコーティングし
    て付着させ、その後乾燥させる工程を含むことを特徴と
    する除塵脱臭フィルターの製造方法。
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