JPH11221442A - 複合消臭集塵フィルタ - Google Patents

複合消臭集塵フィルタ

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JPH11221442A
JPH11221442A JP10025820A JP2582098A JPH11221442A JP H11221442 A JPH11221442 A JP H11221442A JP 10025820 A JP10025820 A JP 10025820A JP 2582098 A JP2582098 A JP 2582098A JP H11221442 A JPH11221442 A JP H11221442A
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filter
deodorizing
composite
photocatalyst
dust collecting
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JP10025820A
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English (en)
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Toru Watsuji
徹 和辻
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Original Assignee
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 集塵フィルタおよび脱臭フィルタの寿命を向
上させ、かつ、装置が停止状態でも臭いが発生しない複
合消臭集塵フィルタを提供する。 【解決手段】 本発明による複合消臭集塵フィルタを適
用した空気清浄器を図示する。ヘパフィルタないしウル
パフィルタ等の高効率粒子除去フィルタ6を集塵フィル
タとして用い、空気取り入れ口1側に、光を受けること
により触媒として機能する光触媒を含む第1の消臭フィ
ルタ3を配する一方、空気吹き出し口8側に、第2の消
臭フィルタ7を配して構成する。第1の消臭フィルタ3
は、消臭効率を向上させるため、光触媒に加えて、多孔
質無機材料を含ませるとより好適である。また、第2の
消臭フィルタは、遷移金属キレート化合物を含ませて、
活性炭等による臭気吸着材料との複合消臭フィルタとす
ることにより、消臭性能が安定して好適となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複合消臭集塵フィ
ルタに関し、特に、空調装置を中心とする電気機器に応
用して空気の消臭を行う消臭フィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】生活の質の高度化に伴い、住環境の快適
さを追求することが求められている。気密性の高い家屋
では、特に臭いがこもりやすく、タバコ臭、汗による臭
い、乳児の臭い等を取り除きたいという要望が強まって
いる。これに対し、空調装置を中心とする電気機器にも
脱臭・消臭の機能が取り入れられてきたが、これらは一
般に活性炭フィルタや、光触媒酸化、オゾン酸化により
機能するものであった。
【0003】また、住環境の気密性の向上により、換気
率が極端に低下したため、室内のダスト(ハウスダス
ト)が滞留しがちになっている。特に、ダストの中で
も、花粉やダニ等がアレルギーを生じさせる原因の一つ
になっている。さらに、この換気率の低下は、ウィル
ス、バクテリア等も室内に長く滞留するため、室内での
感染の原因の一つとも考えられている。このため、脱臭
と集塵を行う空調装置が望まれてきた。
【0004】集塵を行う手段としては、例えば、電気式
やイオン式のような、静電気力により集塵を行うもの
と、ファンとフィルタによって塵を取り除く機械式のも
のがあるが、何れの方式をとっても、脱臭を効果的にか
つ安全に行うためには、脱臭フィルタを用いる必要があ
った。通常、脱臭フィルタは、集塵手段の前後いずれか
に配置するが、集塵手段の手前(風上側)に配置する場
合は、臭気分子以外に、塵、ゴミ、特にニコチンやター
ルが付着し、脱臭寿命を著しく低下させるという問題が
あった。一方、脱臭フィルタを後方(風下側)に配置す
る場合は、集塵手段の方に臭気分子が吸着するため、特
にフィルタが配される装置が運転されていない場合に、
集塵手段から脱離した臭気分子によって臭いが発生する
という問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述のごと
き実状に鑑みてなされたもので、集塵フィルタおよび脱
臭フィルタの寿命を向上させ、かつ、装置が停止状態で
も臭いが発生しない複合消臭集塵フィルタを提供するこ
とをその解決すべき課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、光を
受けることにより触媒として機能する光触媒を含んでな
る第1の消臭フィルタと、粒子除去フィルタと、第2の
消臭フィルタとを有することを特徴とし、消臭・集塵寿
命が長く、煩雑にフィルタ交換する必要のない安定な機
能を実現し、臭気の再放散が起こらないフィルタが得ら
れ、特に、エアコン等の空調装置、空気清浄器などに好
適に使用でき、例えば住居等の快適な環境を実現できる
ようにしたものである。
【0007】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、前記光触媒として、酸化チタンを用いることを特徴
とし、光を受けることにより、触媒として有効に機能す
る光触媒の具体的な材料が与えられるようにしたもので
ある。
【0008】請求項3の発明は、請求項1または2の発
明において、前記第1の消臭フィルタが、さらに無機多
孔質臭気吸着材料を含み、無機多孔質臭気吸着材料と前
記光触媒とが混合された状態で用いられることを特徴と
し、第1の消臭フィルタの脱臭効率を向上させることが
可能になるようにしたものである。
【0009】請求項4の発明は、請求項1ないし3いず
れか1の発明において、前記第2の消臭フィルタが、臭
気分子に対して触媒として機能する遷移金属キレート化
合物を少なくとも含むことを特徴とし、第2の消臭フィ
ルタの消臭性能を安定化させ、消臭寿命を向上させるこ
とが可能となるようにしたものである。
【0010】請求項5の発明は、請求項4の発明におい
て、前記第2の消臭フィルタが、さらに臭気吸着材料を
含み、該臭気吸着材料と前記遷移金属キレート化合物と
が混合された状態で用いられることを特徴とし、第2の
消臭フィルタにおける均一で安定した消臭性能を得るこ
とができるようにしたものである。
【0011】請求項6の発明は、請求項1ないし5いず
れか1の発明において、前記粒子除去フィルタに、サブ
ミクロンの粒子を除去するフィルタとして機能するヘパ
フィルタ及び/またはウルパフィルタを用いることを特
徴とし、高い効率で粒子を捕捉する粒子除去フィルタの
具体的仕様が与えられるようにしたものである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明による複合消臭集塵フィル
タは、サブミクロンの粒子を除去する集塵フィルタであ
るヘパフィルタ(high efficiency particulate air fi
lter;0.3ミクロン粒子を99.7%以上除去)や、ウ
ルパフィルタ(ultra low penetration air filter;
0.1ミクロン粒子を99.999%以上除去)等の高効
率粒子除去フィルタの手前(風上側)に光触媒を用いた
第1の消臭フィルタを配設し、かつ、前記高効率粒子除
去フィルタの後方(風下側)に第2の消臭フィルタを配
設して構成する。後方の第2の消臭フィルタは、通常の
活性炭やゼオライト等の多孔質の臭気分子吸着材で十分
であるが、消臭フィルタの寿命をさらに向上させるた
め、臭気分子に対して触媒反応を示す遷移金属キレート
化合物を複合させた複合消臭フィルタ(特願平9−16
6122号)を用いることが望ましい。
【0013】塵,ゴミ,ダスト,及び臭気分子のうち、
まず、大きな塵やゴミは、プレフィルタで取り除かれ、
その後、光を受けることにより触媒として機能する光触
媒を含む第1の消臭フィルタを通過する。この第1の消
臭フィルタにおいては、光触媒反応によるOHラジカル
によって臭気分子が分解されるだけではなく、ニコチン
やタールも分解される。この第1の消臭フィルタを通り
抜けたダストは、高効率粒子除去フィルタによって除去
される。この高効率粒子除去フィルタとしては、ヘパ
(HEPA)あるいはウルパ(ULPA)フィルタを用
いる。光触媒は、その消臭速度が遅いため、光触媒によ
り分解されない臭気分子はそのまま高効率粒子除去フィ
ルタを通過するが、この高効率粒子除去フィルタの後方
(風下側)に配設された第2の消臭フィルタを通過する
ことによって、さらに臭気分子を除去することが可能と
なる。
【0014】このように、高効率粒子除去フィルタを臭
気を除去する手段で挟み込むように配することによっ
て、高効率粒子除去フィルタに吸着したニコチンやター
ルの臭気は、装置が停止状態においても再放出の問題は
生じない。また、高効率粒子除去フィルタではニコチ
ン,タール,及び臭気分子等が風上でほとんど除去・分
解されているため、高効率粒子除去フィルタの寿命も向
上する。
【0015】後方に配設された第2の消臭フィルタにお
いては、ダストやニコチン等が前方で除去されているた
め、第2の消臭フィルタ自身が消臭分子以外で汚染され
ることはなく、その消臭寿命が飛躍的に向上する。この
後方の第2の消臭フィルタとして、臭気分子に対して触
媒反応を示す遷移金属キレート化合物を複合させたもの
を用いることにより、さらに消臭寿命を向上させること
が可能となる。また、第2の消臭フィルタは、高効率粒
子除去フィルタによって、光触媒を機能させるために用
いる光源から遮光されているため、第2の消臭フィルタ
を構成する臭気分子吸着材や臭気分子分解材そのもの
が、光触媒作用によって分解されることもない。
【0016】以下に、上述した本発明の実施例を添付さ
れた図面を参照して更に詳しく説明する。なお、実施例
を説明するための全図において、同一の作用をする部分
には同一の符号を付け、その繰り返しの説明は省略す
る。
【0017】図1は、本発明による複合消臭集塵フィル
タを空気清浄器に適用した一実施例を説明するための概
略構成図で、図中、1は空気取り入れ口、2はプレイフ
ィルタ、3は第1の消臭フィルタ(光触媒としての酸化
チタンと多孔質吸着材料とを担持させたハニカムフィル
タ)、4は紫外線ランプ、5は送風機、6は高効率粒子
除去フィルタ(ヘパフィルタ)、7は第2の消臭フィル
タ(複合消臭フィルタ)、8は空気吹き出し口である。
図2は、本発明による複合消臭集塵フィルタを空気清浄
器に適用した他の実施例を説明するための概略構成図で
ある。図3は、本発明による複合消臭集塵フィルタを空
気清浄器に適用した更に他の実施例を説明するための概
略構成図で、図中、9は光触媒機能付与高効率粒子除去
フィルタで、へパフィルタの片面(空気取り入れ口側)
に光触媒と多孔質吸着剤を担持させたフィルタである。
【0018】図4は、本発明による複合消臭集塵フィル
タをエアコンに適用した一実施例を説明するための概略
構成図で、図中、10は高効率粒子除去フィルタ(ヘパ
ライクフィルタ)、11は熱交換機である。図5は、本
発明による複合消臭集塵フィルタをエアコンに適用した
他の実施例を説明するための概略構成図で、図中、12
は光触媒機能付与高効率粒子除去フィルタで、ヘパライ
クフィルタの片面(空気取り入れ口側)に光触媒と多孔
質吸着剤を担持させたフィルタである。図6は、図1に
示した実施例における消臭性能評価結果の一例を示すグ
ラフである。図7は、図4に示した実施例における消臭
性能評価結果の一例を示すグラフである。
【0019】まず、本発明の複合消臭集塵フィルタを空
気清浄器に適応した実施例について説明する。本発明の
複合消臭集塵フィルタは、光を受けることにより触媒と
して機能する光触媒を含む第1の消臭フィルタと高効率
粒子除去フィルタと第2の消臭フィルタから構成され
る。光を受けることにより触媒として機能する光触媒と
しては、酸化チタンを用いる。この酸化チタンとして
は、特にアナターゼ型結晶系のものが望ましい。また、
光触媒を機能させるための光源は、近紫外光を照射する
もの(ブラックライト)が望ましいが、基本的には、4
00(nm)以下の波長光を含む光を発する光源であれ
ばよい。従って、自然光を利用することも可能である。
さらに、光触媒を含む第1の消臭フィルタの消臭効率を
向上させるため、多孔質吸着材料をバインダーを用いて
混合する。このとき、これらの多孔質吸着材料やバイン
ダーは光触媒作用により分解されにくい無機化合物を用
いる。この多孔質吸着材料としては、ゼオライト,セピ
オライト,フライポンタイト(アルミノケイ酸亜鉛),
多孔質ケイ酸塩鉱物,及び多孔質セラミック等から選ば
れた一つあるいは複数が用いられる。ここで活性炭等の
有機材料は、光触媒の作用をうけて分解等によって劣化
するため不適である。なお、これら多孔質吸着材料は、
なるべく表面積が大きいものを選ぶことが望ましい。
【0020】高効率粒子除去フィルタとしては、ヘパ
(HEPA)またはウルパ(ULPA)フィルタを用い
ることが望ましい。また、第2の消臭フィルタとして
は、活性炭等の吸着剤のみを用いたフィルタでもよい
が、その寿命を向上させるため、活性炭やゼオライト等
の多孔質の臭気分子吸着材と、臭気分子に対して触媒反
応を示す遷移金属キレート化合物から構成される複合消
臭フィルタを用いることが望ましい。この臭気分子吸着
材としては、アルカリ添着炭,酸性添炭,活性炭,及び
ゼオライトから選ばれる少なくとも一種が用いられ、一
方、遷移金属キレート化合物としては、遷移金属ポルフ
ィリン誘導体を用いることが有効であり、特に金属フタ
ロシアニンが適している。
【0021】(第1,及び第2の実施例)以下に、図1
に示す第1の実施例,及び図2に示す第2の実施例の複
合消臭集塵フィルタの作成方法を説明する。第1の消臭
フィルタ3を作成するために、まず、酸化チタン(石原
産業(株)製ST−01),無機バインダー(テルニツ
工業(株)製),疎水性ゼオライト(銅イオン交換ゼオ
ライト),及びイオン交換水を混合し、アルミナボール
を入れたボールミルで2時間混合した。この混合液にア
ルミ製のハニカムフィルタ(200セル/inch2
を浸漬させ、引き上げてから、100度で乾燥した後、
高温炉(200度〜400度)で、1時間、加熱焼結さ
せた。光源には、ブラックライトFL6BLを用いた。
【0022】次に第2の消臭フィルタ7を作成するため
に、まず、遷移金属キレート化合物として、オクタカル
ボキシフタロシアニン鉄を用い、これをオクタカルボキ
シフタロシアニン鉄のカルボキシル基と当量の水酸化カ
リウムに溶解し、1%オクタカルボキシフタロシアニン
鉄溶液を作成した。この溶液に、通気性のある不織布を
浸漬させた後、引き上げた後、希塩酸溶液に浸漬するこ
とによって中和し、さらに風乾することにより、オクタ
カルボキシフタロシアニン鉄を担持した不織布を得た。
この不織布に、臭気分子吸着材として活性炭フィルタを
張り合わせて複合消臭フィルタを作成し、第2の消臭フ
ィルタとしこの複合消臭フィルタは、本発明者らにより
先に出願された特願平9−166122号に説明したよ
うに様々な構成をとることができる。また高効率粒子除
去フィルタ6として、ヘパフィルタを用いた。
【0023】これらのフィルタを、図1に示すように、
空気清浄器に取り付けて構成し、評価用ボックス(1メ
ートル立法)に設置した。空気清浄器の運転条件とし
て、風量を3(m3/min)に設定し、また、評価用
ボックス内の温度を25度、湿度を60%の一般的な家
屋の雰囲気に調整した。JEM1467に基づき、タバ
コ(マイルドセブン)を5本ずつ処理し、これを8回
(タバコ40本分)繰り返した後、風量0.5(m3/m
in)にして24時間光触媒の再生を行い、これを1サ
イクルとした。このサイクルを9サイクル(タバコ36
0本)繰り返した。
【0024】上記の評価ボックス内のガス濃度として、
アンモニア濃度,酢酸濃度,及びアセトアルデヒド濃度
をJEM1467に基づき、検知管により測定した。ガ
スのトータル除去率は、JEM1467らに準拠した計
算式[(アンモニア除去率+2×アセトアルデヒド除去
率+酢酸除去率)/4]によって求めた。同じ条件で、
上記空気清浄器のフィルタ構成から複合消臭フィルタ
(第2の消臭フィルタ)7を省いたもの(光触媒を含む
第1の消臭フィルタとへパフィルタとにより構成される
もの)、及び第1及び第2の消臭フィルタを省いて従来
利用されている活性炭担持の不織布をヘパフィルタに張
り合わせたものについて、同様に測定を行った。それぞ
れのフィルタ構成におけるトータル除去率をプロットし
た結果を示すものが図6である。図6に示すごとくに、
本発明のフィルタ構成によるトータル除去率が最も高
く、従って消臭性能の寿命(耐久性能)が最も高いこと
が示される。また、同様な結果が、図2に示すようなフ
ィルタ構成の空気清浄器で得られた。また、粒子除去フ
ィルタとして、ウルパフィルタを用いた場合は、ヘパフ
ィルタを用いた場合と同じトータル除去率と耐久性を得
ることができたが、圧力損失が大きいため、ヘパフィル
タを用いた場合よりも1.5倍以上大きい風量で動作さ
せる必要があった。
【0025】(第3の実施例)次いで、図3に示す第3
の実施例の複合消臭集塵フィルタの作成方法を説明す
る。まず第1及び第2の実施例の場合と同様に、酸化チ
タン(石原産業(株)製ST−01),無機バインダー
(テルニツ工業(株)製),疎水性ゼオライト(銅イオ
ン交換ゼオライト),及びイオン交換水を混合し、アル
ミナボールを入れたボールミルで2時間混合した。この
混合液をヘパフィルタの表面に塗布し、100度で1時
間乾燥させて光触媒機能付与高効率粒子除去フィルタ9
を得た。複合消臭フィルタ(第2の消臭フィルタ)7も
同様に作成した。すなわち、遷移金属キレート化合物と
してオクタカルボキシフタロシアニン鉄を用い、オクタ
カルボキシフタロシアニン鉄溶液を作成して、これに通
気性のある不織布を浸漬させた後、引き上げ、希塩酸溶
液に浸漬、中和した。さらに、これを風乾して、臭気分
子吸着材として活性炭を用いた活性炭フィルタを張り合
わせて複合消臭フィルタ7を得た。
【0026】これらのフィルタを、図3に示すように、
空気清浄器に取り付けて構成し、評価用ボックス(1メ
ートル立法)に設定した。空気清浄器の運転条件,及び
評価方法は、第1の実施例と同様に調整・設定した。ま
た、同じ条件で、上記空気清浄器のフィルタ構成から第
2の消臭フィルタを省いたもの(光触媒を塗布したヘパ
フィルタにより構成されるもの)、光触媒の塗布も第2
の消臭フィルタも省いて従来利用されている活性炭担持
の不織布をヘパフィルタに張り合わせたものについて
も、同様に測定を行った。その結果、第1及び第2の実
施例と同じように、本実施例の構成によるトータル除去
率が最も高く、消臭性能の寿命(耐久性能)も最も高い
ことが示された。また、粒子除去フィルタとして、ウル
パフィルタを用いた場合は、ヘパフィルタを用いた場合
と同じトータル除去率と耐久性を得ることができたが、
圧力損失が大きいため、ヘパフィルタを用いた場合より
も1.5倍以上大きい風量で動作させる必要があった。
【0027】(第4の実施例)次に、図4に示す第4の
実施例の複合消臭集塵フィルタの作成方法を説明する。
第1の消臭フィルタ3の作成方法は、第1及び第2の実
施例と同じで、酸化チタン,無機バインダー,疎水性ゼ
オライト,及びイオン交換水の混合液をアルミ製ハニカ
ムフィルタに浸漬させ、100度で乾燥した後、高温炉
において加熱焼結させたものである。光源も、同様にブ
ラックライトFL6BLを用いた。高効率粒子除去フィ
ルタ10は、第1ないし第3の実施例で用いたような空
気清浄器用のヘパフィルタでは、圧力損失が大きく、エ
アコンには不向きなため、ヘパの仕様(0.3ミクロン
粒子を99.97%除去)より集塵効率を下げたヘパラ
イクフィルタ(0.3ミクロン粒子を99.7%除去)を
使用した。また、第2の消臭フィルタ7も、第1及び第
2の実施例と同様に作成した。すなわち、遷移金属キレ
ート化合物としてオクタカルボキシフタロシアニン鉄を
用い、オクタカルボキシフタロシアニン鉄溶液を作成し
て、通気性のある不織布を浸漬させた後、引き上げ、希
塩酸溶液に浸漬して中和した。さらに、これを風乾し
て、臭気分子吸着材として活性炭を用いた活性炭フィル
タを張り合わせて第2の消臭フィルタ7を得た。
【0028】これらのフィルタを、図4に示すようにエ
アコンに取り付けて構成し、8畳の部屋に設置した。こ
のときのエアコンの運転条件は、風量7(m3/mi
n)に設定した。また、消臭速度は、ガスセンサを用い
て測定した。比較のために、同じ条件で、図4のエアコ
ンのフィルタ構成から第2の消臭フィルタを省いたもの
(光触媒を含む第1の消臭フィルタとヘパフィルタによ
り構成されたもの)、第1及び第2の消臭フィルタを省
いて従来利用されている活性炭担持の不織布をヘパフィ
ルタに張り合わせたものについても、同様に測定を行っ
た。それぞれのフィルタ構成における残存臭気率をプロ
ットした結果を示すものが図7である。この図7に示す
ごとくに、本実施例のフィルタ機構による消臭速度が高
く、従来の活性炭フィルタや光触媒フィルタよりも効率
の良い消臭性能が得られた。また、粒子除去フィルタと
して、ウルパフィルタを用いた場合は、ヘパフィルタを
用いた場合と同じトータル除去率と耐久性を得ることが
できたが、圧力損失が大きいため、ヘパフィルタを用い
た場合よりも1.5倍以上大きい風量で動作させる必要
があった。
【0029】(第5の実施例)次に、図5に示す実施例
の複合消臭フィルタの作成方法を説明する。光触媒機能
付与高効率粒子除去フィルタ12の作成方法は、第3の
実施例と同様で、酸化チタン,無機バインダー,疎水性
ゼオライト,及びイオン交換水の混合液をヘパライクフ
ィルタの表面に塗布し、100度で1時間乾燥した。ま
た第2の消臭フィルタ(複合消臭フィルタ)7も同様に
作成した。すなわち、遷移金属キレート化合物としてオ
クタカルボキシフタロシアニン鉄を用い、オクタカルボ
キシフタロシアニン鉄溶液を作成して、通気性のある不
織布を浸漬させた後、引き上げ、希塩酸溶液に浸漬し、
中和した。さらに、これを風乾して、臭気分子吸着材と
して活性炭を用いた活性炭フィルタを張り合わせて複合
消臭フィルタ7を得た。
【0030】これらのフィルタを、図5に示すようにエ
アコンに取り付けて構成し、8畳の部屋に設置し、第4
の実施例と同じように、風量7(m3/min)に設定
して運転し、消臭速度を測定した。比較のために、同じ
条件で、図5のエアコンのフィルタ構成から複合消臭フ
ィルタを省いたもの(光触媒機能付与高効率粒子除去フ
ィルタにより構成されたもの)、光触媒も複合消臭フィ
ルタも省いた従来利用されている活性炭担持の不織布を
ヘパフィルタに張り合わせたものについても、同様に測
定を行った。その結果、第4の実施例と同じように、本
実施例の構成による消臭速度が最も高く、従来の活性炭
フィルタや光触媒フィルタよりも効率の良い消臭性能が
得られた。また、粒子除去フィルタとして、ウルパフィ
ルタを用いた場合は、ヘパフィルタを用いた場合と同じ
トータル除去率と耐久性を得ることができたが、圧力損
失が大きいため、ヘパフィルタを用いた場合よりも1.
5倍以上大きい風量で動作させる必要があった。
【0031】
【発明の効果】請求項1の効果:光を受けることにより
触媒として機能する光触媒を含んでなる第1の消臭フィ
ルタと、高効率粒子除去フィルタと、第2の消臭フィル
タとから構成することにより、消臭・集塵寿命が長く、
煩雑にフィルタ交換する必要のない安定な機能を実現
し、臭気の再放散が起こらないフィルタが得られ、特
に、エアコン等の空調装置、空気清浄器などに好適に使
用でき、例えば住居等の快適な環境を実現できる。
【0032】請求項2の効果:請求項1の効果に加え
て、光を受けることにより、触媒として有効に機能する
光触媒の具体的な材料が与えられる。
【0033】請求項3の効果:請求項1または2の効果
に加えて、光触媒を含む第1の消臭フィルタに、無機多
孔質臭気吸着材料と光触媒とを混合して用いることによ
り、第1の消臭フィルタの脱臭効率を向上させることが
可能になる。
【0034】請求項4の効果:請求項1ないし3いずれ
か1の効果に加えて、第2の消臭フィルタに、臭気分子
に対して触媒反応を示す遷移金属キレート化合物を少な
くとも含ませることにより、第2の消臭フィルタの消臭
性能を安定化させ、消臭寿命を向上させることが可能と
なる。
【0035】請求項5の効果:請求項4の効果に加え
て、前記消臭フィルタに、多孔質臭気吸着材料と遷移金
属キレート化合物とを混合して用いるので、第2の消臭
フィルタにおける均一で安定した消臭性能を得ることが
できる。
【0036】請求項6の効果:請求項1ないし5いずれ
か1の効果に加えて、高い効率で粒子を捕捉する高効率
粒子除去フィルタの具体的仕様が与えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による複合消臭集塵フィルタを空気清浄
器に適用した一実施例を説明するための概略構成図であ
る。
【図2】本発明による複合消臭集塵フィルタを空気清浄
器に適用した他の実施例を説明するための概略構成図で
ある。
【図3】本発明による複合消臭集塵フィルタを空気清浄
器に適用した更に他の実施例を説明するための概略構成
図である。
【図4】本発明による複合消臭集塵フィルタをエアコン
に適用した一実施例を説明するための概略構成図であ
る。
【図5】本発明による複合消臭集塵フィルタをエアコン
に適用した他の実施例を説明するための概略構成図であ
る。
【図6】図1に示した実施例における消臭性能評価結果
の一例を示すグラフである。
【図7】図4に示した実施例における消臭性能評価結果
の一例を示すグラフである。
【符号の説明】
1…空気取り入れ口、2…プレフィルタ、3…第1の消
臭フィルタ(酸化チタンと多孔質吸着材料を担持させた
ハニカムフィルタ)、4…紫外線ランプ、5…送風機、
6…高効率粒子除去フィルタ(ヘパフィルタ)、7…第
2の消臭フィルタ(複合消臭フィルタ)、8…空気吹き
出し口、9…光触媒機能付与高効率粒子除去フィルタ、
10…高効率粒子除去フィルタ(ヘパライクフィル
タ)、11…熱交換機、12…光触媒機能付与高効率粒
子除去フィルタ。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61L 9/20 B01D 46/00 Z B01D 46/00 B01J 31/22 M 53/38 35/02 J 53/81 F24F 7/00 A B01J 31/22 B01D 53/34 116J 35/02 53/36 J // F24F 13/28 F24F 1/00 371A 7/00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光を受けることにより触媒として機能す
    る光触媒を含んでなる第1の消臭フィルタと、粒子除去
    フィルタと、第2の消臭フィルタとを有する複合消臭集
    塵フィルタ。
  2. 【請求項2】 前記光触媒として、酸化チタンを用いる
    ことを特徴とする請求項1記載の複合消臭集塵フィル
    タ。
  3. 【請求項3】 前記第1の消臭フィルタは、さらに無機
    多孔質臭気吸着材料を含み、該無機多孔質臭気吸着材料
    と前記光触媒とが混合された状態で用いられることを特
    徴とする請求項1または2記載の複合消臭集塵フィル
    タ。
  4. 【請求項4】 前記第2の消臭フィルタは、臭気分子に
    対して触媒として機能する遷移金属キレート化合物を少
    なくとも含むことを特徴とする請求項1ないし3いずれ
    か1記載の複合消臭集塵フィルタ。
  5. 【請求項5】 前記第2の消臭フィルタは、さらに臭気
    吸着材料を含み、該臭気吸着材料と前記遷移金属キレー
    ト化合物とが混合された状態で用いられることを特徴と
    する請求項4記載の複合消臭集塵フィルタ。
  6. 【請求項6】 前記粒子除去フィルタに、サブミクロン
    の粒子を除去するフィルタとして機能するヘパフィルタ
    及び/またはウルパフィルタを用いることを特徴とする
    請求項1ないし5いずれか1記載の複合消臭集塵フィル
    タ。
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