JP2004154209A - マスク - Google Patents

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恵美子 石川
Shingo Matsumoto
真吾 松本
Jun Sato
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Abstract

【課題】防塵、花粉の吸い込みを軽減させ、なおかつ着用快適性を損なわないマスクを提供する。
【解決手段】カバーファクター1600以上の織物もしくはカバーファクター35以上の編物が表層、内層に粗密度織物を4〜10枚積層した状態となるように配置されたマスク。
【選択図】図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は防塵、花粉あるいは風邪やアレルギー性などの呼吸器系疾患の予防などのために、口や鼻孔周辺を被包するマスクに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、風邪やアレルギー性などの呼吸器系疾患時や花粉飛来時、また、塵やホコリが発生する時等には、一般的に口や鼻孔周辺をマスクで被包して飛散浮遊している花粉や塵の吸い込みを防止することが多かった。
【0003】
市販されているマスクは、概ね矩形に縫製したガーゼ生地などの両端に紐、又はゴムからなる耳掛け部から構成されているものが一般的である。
【0004】
一方、特許公報においては、症状を緩和することを目的として種々の薬剤を添加しているマスクが掲載されている。例えば、実用新案登録第3021786号(特許文献1)においては、有機物質プロポリス(Propolis)を含浸または添付した吸着部材を添当したマスクが、また、同第3016460号(特許文献2)にはシソの葉の粉末を付着、あるいはその抽出液を含浸、又はそのチップを包被したものを介在させてなるマスクが、また、同第3020700号(特許文献3)には善玉バイオ菌を付着せしめたバイオリボンを付設したマスクが夫夫掲載されている。しかしながら、そのいずれもがガーゼ粗布に加工しているため、花粉や塵の吸い込みを防止する効果は低かった。また、洗濯できない物質を添加している場合もあり、取り扱い性に問題もあった。
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3021786号
【0006】
【特許文献2】実用新案登録第3016460号
【0007】
【特許文献3】実用新案登録第3020700号
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、粉塵や花粉の吸い込みを低減し、かつ使用中の快適性を損なわないマスクを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、カバーファクター1600以上の織物が表層となるように配置されたことを特徴とするマスクである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明のマスクについて、一態様を示す図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0011】
図1は本発明のマスクの一態様を示す表面図、図2は裏面図である。図3は図1中に示すAの断面図、図4はBの断面図である。
【0012】
本発明は、前記課題、すなわち粉塵や花粉の吸い込みを防止し、かつ使用中の快適性を損なわないマスクについて鋭意検討した結果、カバーファクター1600以上の織物やカバーファクター35以上の編物が表層となるように配置することにより、かかる課題を解決できることを究明したものである。
【0013】
本発明でいう織物のカバーファクター(K1)とは、織物の被覆率を現したもので、繊度と密度から算出し、タテ糸とヨコ糸のカバーファクターの和で示す。カバーファクター(K1)は次計算式で求める。
【0014】
【数1】
Figure 2004154209
【0015】
Nw:経糸密度(本/2.54cm)
Nf:緯糸密度(本/2.54cm)
Dw:経糸繊度(dtex)
Df:緯糸繊度(dtex)
また、本発明でいう編物のカバーファクター(K2)とは、編物の被覆率を現したもので、JIS L1018 の編目長及びカバーファクターの方法に準じて次の計算式で求める。
【0016】
【数2】
Figure 2004154209
【0017】
NT:繊度 (dtex)
Sl:編目長(cm)
本発明のマスクは、カバーファクターが織物では1600以上、編物では35以上の布帛が表層となるように配置することが好ましいが、密度決定に際しては、トータル繊度、単糸繊度、組織等を考慮して決定することが必要である。カバーファクターが織物では1600、編物では35より小さくなると、通気量が大きくなりすぎ、粉塵や花粉の吸い込みを防止できなくなる。逆にカバーファクターが織物では2600以上、編物では50以上の布帛では、通気量が低くなりすぎ、息苦しさを覚え、長時間の使用に耐えられにくくなる傾向がある。
【0018】
本発明のマスクの表層(図中、符号1)に使用する布帛を構成する繊維は、合成繊維、天然繊維、あるいは長繊維、短繊維の区別なく使用することができ、特に限定されるものではないが、好ましくはポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、アクリル系繊維のいずれかの合成繊維を25重量%以上、より好ましくは50重量%以上含む繊維から構成されているものが寸法安定性、易取り扱い性の面で良い。さらに好ましくはポリエステル成分とポリアミド成分が0.05〜0.95:0.95〜0.05の接合比率で構成されたフィブリル化型複合繊維フィラメントを用いて平織物で製織されている高密度織編物や、単糸繊度0.5デシテックス以下の極細と呼ばれる糸を使用した高密度織編物を使用することが風合い、機能性の点から好ましい。合成繊維以外では、たとえばアセテート、レーヨン等の半合成繊維、羊毛、絹、木綿、麻等の天然繊維のいずれが含まれていてもよい。
【0019】
さらに、布帛表面に、ポリフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルの重合単位を必須とする共重合体をコーティングすることにより、布帛表面に花粉や粉塵を付着しにくくすることができる。
【0020】
また、図2に示すように、本発明のマスク表層1の内側に内層3を設けることにより、表層1で粉塵や花粉の吸い込みを防止し、内層3で肌触りや吸湿性を向上させることができ、機能性と着用快適性の両者を満足させることができる。内層3としては、粗密度布帛を4〜10枚積層した状態で用いることが好ましい。粗密度布帛とは、タテヨコ密度が各々40本/2.54cm程度のガーゼ等のような粗密度の布帛をいい、吸湿・吸水性、肌触りの点から綿100%のガーゼ織物を使用することがより好ましい。この場合、ガーゼ織物1枚では十分な吸湿・吸水性を発揮することができず、加えて生地にハリコシがないため、マスクの形状を充分に保持しにくい。そのためガーゼ織物を4〜10枚積層することが好ましく、肌触り、美観などからより好ましくは6〜10枚程度積層することが好ましい。
【0021】
さらに、最内層には、取り外しが可能な口当て片4を付設することにより、唾液や女性であれば口紅で汚れた場合に交換でき、清潔を保つことが可能である。該口当て片4の素材は、織物、編物、不織布、紙、フィルムなどいずれも使用することができる。これらの中でも特に不織布は、交換のしやすさ、ハリコシ、保型性、保管のしやすさ、価格面などの点から、より好ましい。
【0022】
また、本発明では、口当て片4をマスク内に固定するための付設部を四辺のいずれかに設けることにより、使用中にマスクの中で口当て片がずれたり、マスク本体からずり落ちたりすることを防止することができる。付設部は図3に示すように上下辺の部分に、マスク上辺付設部5、マスク下辺付設部6を設置したり、図4に示すように左右辺の部分に、マスク左辺付設部7、マスク右辺付設部8を設けることも好ましい。また、下辺の部分にマスク下辺付設部6のみ、左右の付設部7、8とマスクした辺付設部6とを設けることも好ましいが、少ない箇所で固定するには上下辺の部分にマスク上辺付設部5、マスク下辺付設部6を設置することが好ましい。設置方法としては、上下辺の端面を5mm〜20mm程度内層に向かって折り曲げて左右辺の縫目で固定するのが簡単で美観も良く好ましい。より確実に固定する場合は、口当て片4やマスク内側に面ファスナーや接着テープのような係止具を付着させてもよいし、縫糸で縫い付けてもよい。
【0023】
本発明のマスクの表層、内層、最内層に使用する素材の繊維表面にアルキルシリケート系樹脂、シリコーン系樹脂およびフッ素系樹脂から選ばれた少なくとも1種のバインダーと、光触媒剤を付着させることにより、抗菌性、消臭性が向上し、着用快適性に効果がある。さらに、左右両端に付帯する耳掛け紐やゴム2にも光触媒加工をすることにより、マスク全体の抗菌性、消臭性、着用快適性が格段に向上する。
【0024】
光触媒とは、紫外線により励起され強い酸化力によって有機物を酸化分解する特性を有するものであり、具体的には、アナターゼ型、ルチル型と呼ばれる結晶型の構造をもつものをいう。かかる光触媒は、消臭性、着色物分解除去性(防汚性)、殺菌性(抗菌、防カビ)を有するものである。
【0025】
かかる光触媒剤の作用は、皮膚下のエクリン腺、アポクリン腺から出た水分に皮膚の周囲にある常在菌により汗の臭い(主成分:アンモニアやイソ吉草酸)が発生し、この臭いに光触媒剤で励起された・OH基(水酸基ラジカル)が汗の主成分に触れ、これをCO(炭酸ガス)とHO(水)に分解して消臭すると考えられている。また、加齢臭(中高年臭)では、主成分であるノネナールを、老人臭(中高年臭)では、主成分であるインドール、スカトールを 、糞尿臭では、主成分であるアンモニアを、他の体臭では、主成分であるアセトアルデヒド、メチルメルカプタンを、タバコ臭では、主成分であるニコチンを、それぞれ同様に光触媒剤で分解することができるのである。
【0026】
本発明において、光触媒剤の中でも、チタンとケイ素の複合酸化物が好ましく使用されるが、かかる複合酸化物は、特公平5−55184号公報に記載された方法で製造した触媒を用いればよい。一般に、チタンとケイ素からなる二元系複合酸化物は、例えば、触媒(第17巻、No.3、72頁、1975年、触媒学会発行)に記載されているように、固体酸として知られ、チタンとケイ素の割合は、酸化物に換算して酸化チタンが20〜95モル%、酸化ケイ素が5〜80モル%の範囲にあるものが、消臭効果の点で好ましい結果を与える。
【0027】
本発明においては、たとえばチタンとケイ素の複合酸化物の如き光触媒剤を繊維表面に付着させるため、アルキルシリケート系樹脂、シリコーン系樹脂およびフッ素系樹脂から選ばれた少なくとも1種のバインダーを用いる。かかるバインダーの存在により、有機系樹脂特有の光触媒剤の酸化による分解、着色、臭気の発生を防止することができる。
【0028】
本発明に好ましく用いられるアルキルシリケートは、下記のように主にSi−Oの結合部分と直鎖または分岐のある飽和アルキルから成り、その両端にOH基をもつものである。
OH−(Si−O)−R−OH
式中、Rは、炭素数1〜10の直鎖または分岐のある飽和アルキレン基であり、nは1以上の整数を意味し、無機性を高めるために、好ましくは1000〜10000の範囲である。
【0029】
かかるアルキレン基は、メチレン、エチレン、プロピレン、イソプロピレン等、直鎖または分岐のある飽和アルキレン基である。
【0030】
かかる樹脂の付着量は、風合いを良くする点から、塗布法では、繊維に対して0.05〜30重量%が好ましく、また、含浸法では、繊維に対して0.05〜10重量%が好ましい。
【0031】
また、シリコーン系樹脂としては、シリコーンレジンもしくはシリコーンワニスという分類に属する縮合架橋型樹脂を使用することができ、かかる樹脂には、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシランなどの縮合架橋型樹脂に用いられる化合物を、単独または数種配合して、縮合して得られるものも含まれる。これらは、3次元構造の樹脂を形成し、シリコーン樹脂の中でも、最も耐熱性や耐薬品性に優れたものである。かかる樹脂の付着量は、風合いを良くする観点から、塗布法では、繊維に対して0.05〜100重量%が好ましく、また、含浸法では、繊維に対して0.05〜30重量%が好ましい。
【0032】
また、フッ素系樹脂としては、ビニルエーテルおよび/またはビニルエステルと、フルオロオレフィン重合性化合物とを重合性成分とした樹脂が、非常に優れた特性を持っていて好ましく使用される。例えば、ポリフッ化ビニルやポリ四フッ化エチレン、四フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエステルやビニルエステル−フルオロオレフィンなどが分解、劣化が少ないので好ましく使用される。かかる樹脂の付着量は、風合いを良くする観点から、塗布法では、繊維に対して0.05〜100重量%が好ましく、また、含浸法では、繊維に対して0.05〜30重量%が好ましい。
【0033】
かかるシリコーン系樹脂及びフッ素系樹脂と、通常よく使用されるアクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などとの違いは、熱や薬品の作用で分解されやすい炭化水素基をほとんど含まず、シリコーン系樹脂はSi−O結合、フッ素系樹脂はF−C結合を主体に構成されており、末端基や側鎖に少量のメチル基やフェニル基が炭化水素として含まれる程度であるところにある。
【0034】
また、かかるバインダーに、ゼオライトをさらに添加すると、抗菌性能を更に高める効果があるので好ましい。すなわち、臭い成分の吸着力の向上と構造物中の無機系成分比を増加させ、光触媒剤による分解を抑制する作用がある。かかるゼオライトとして、金、白金、銀、パラジウム等の貴金属を、好ましくは0.01〜5重量%の範囲で担持したものを用いると、更に抗菌効果が向上するという機能を発揮する。かかるゼオライトの付着量は、繊維に対して、塗布法では好ましくは0.01〜10重量%であり、また、含浸法では、風合いの点から、好ましくは0.01〜5重量%の範囲に制御するのがよい。
【0035】
次に、上述のバインダーにシランカップリング剤などのカップリング剤をさらに添加すると、無機物と有機物の接着力を向上させることができる。かかるカップリング剤より、繊維、バインダー、光触媒剤の相互間に化学的結合力が働き、洗濯耐久性を著しく向上させる効果を発揮する。かかるカップリング剤の付着量は、繊維に対して、塗布法では好ましくは0.01〜30重量%であり、また、含浸法では、風合いの点から、好ましくは0.01〜10重量%の範囲に制御するのがよい。
【0036】
本発明においては、かかる光触媒を表面上に固定するために、特定の中間層を設けてもよい。
【0037】
この中間層としては、過酸化チタン粒子層、ゼオライトの層、ゼオライトをシリコーン系もしくはフッ素系樹脂で固定した層、アルキルシリケートの層が好ましく用いられる。これらいずかの中間層を用いることにより、有機系樹脂特有の光触媒の酸化による分解、着色、臭気の発生をより効果的に防止することができる。
【0038】
次に、上記光触媒を布帛に付着させる方法について説明する。
【0039】
その一例は、アルキルシリケート系樹脂、シリコーン系樹脂およびフッ素系樹脂から選ばれる少なくとも1種をバインダーとし、好ましくはゼオライト微粒子を添加する。次いでチタンとケイ素の複合酸化物の水溶液を混合し、これを加工液とする。次いで、この加工液に布帛を含浸させた後、マングルロールで絞り、ドライキュアの工程を経るか、あるいはこの加工液を適当な粘度に調整して、ナイフコーターやグラビアロールコータ、捺染などで塗布した後、200℃以下の温度で固定する。
【0040】
他の一例は、中間層として過酸化チタン粒子層を用いる場合の処理法として、ゾル状態からゲル状態に状態を変化させている途中の性状を示す過酸化チタンを含む処理液を、布帛に含浸させた後、マングルロールで絞り、200℃以下の温度で固定する。あるいはこの処理液を適当な粘度に調整して、ナイフコーターやグラビアロールコーターなどで、塗布した後200℃以下の温度で固定することによって、過酸化チタン層(中間層)を有する布帛が得られる。
【0041】
また、中間層としてゼオライト微粒子の層を設ける場合は、ゼオライトの微粒子を物理的蒸着法(PVD法)によって、布帛に蒸着させる方法が適用可能である。
【0042】
中間層としてシリコーン系もしくはフッ素系樹脂で固定されたゼオライト微粒子層を設ける場合は、ゼオライト微粒子と水溶解性のシリコーン系樹脂もしくはフッ素系樹脂を含む処理液中に布帛を含浸させた後、マングルロールで絞り、200℃以下の温度で固定する。あるいはこの水溶液を適当な粘度に調整して、ナイフコーターやグラビアロールコーターなどで、塗布した後200℃以下の温度で固定する。
【0043】
中間層としてアルキルシリケート層を設ける場合は、アルキルシリケートの水溶液に、反応をより安定的なものにするために、アルコールと塩酸、硫酸、酢酸等を加え、pHを2〜4にする。そしてこの溶液をよく攪拌する。布帛をこの水溶液中に含浸させた後、マングルロールで絞り、200℃以下の温度で固定する。あるいはこの水溶液を適当な粘度に調整して、ナイフコーターやグラビアロールコーターなどで、塗布した後200℃以下の温度で固定する。
【0044】
上記の方法により得られた布帛を、チタンとケイ素の複合酸化物の水分散液に含浸させ、パッド−ドライ−キュアの工程を経ると、光触媒を繊維に固着させることができる。また、チタンとケイ素の複合酸化物の水分散液にシリコーン系もしくはフッ素系樹脂を混合させても固着させることができる。
【0045】
【実施例】
以下、本発明のマスクについて実施例ならびに比較例をあげてさらに具体的に説明する。
【0046】
まず、実施例中での品質評価は次の方法を用いた。
【0047】
(1)着用感
実着用による官能評価とした。その評価基準を表1に示す。
【0048】
(2)洗濯による外観変化
JIS L0217 106の手洗い洗濯の方法に準じて洗濯し、外観変化を観察した。30℃の湯を5L入れたたらいに12mlの中性洗剤を溶かし、浴中で20回押し洗い後、軽く脱水し、2回すすいで形を整えて平干し、外観形状の変化を評価した。その評価基準を表1に併記した。
【0049】
【表1】
Figure 2004154209
【0050】
(3)通塵捕集効率
JIS B9923に規定の顕微鏡法を基本とし、次の点を変更して測定した。
空気中の塵埃が1ftあたり0.1μm以上の粒子が10個以下であるクリーンルームにおいて、室外で線香1本に火を付けその煙を含む空気をホースで引き込み、ホースの先に内径17.5cm、長さ30cmの中央部にサンプルがシールして装着できるアクリル樹脂製の筒を取り付け、サンプルを通過した空気に含まれる塵埃を0.17μm以上、0.30μm以上、0.50μm以上の粒子の3段階に分け、光散乱式自動粒子計測器(日立電子エンジニアリング(株)製レーザーダストモニタTS−6500を使用した)で計測した。
【0051】
ただし、空気の吸引量の測定条件はJIS B9923と同じとした。また、サンプルは、マスク製品を想定した重ね方、および枚数となるよう縫い合わせたものを用いた。さらに切り端がほつれないように糸端の始末をした後、クリーンルーム内に設置した洗濯機にて純水で5分間すすぎを行ない、同じくクリーンルーム内に設置したタンブルドライヤーで乾燥し、サンプルに付着している塵埃を除去した後、測定に供した。
【0052】
通塵捕集効率は、サンプルを装着しない場合と比較した次式により計算する。
【0053】
F=(A/B)×100
F:通塵捕集効率(%)
A:サンプルを装着した場合の塵埃粒子の数(個/ft
B:サンプルを装着しない場合の塵埃粒子の数(個/ft
(4)通気性
JIS L1096 8.27.1通気性A法(フラジール形法)に準じて測定した。フラジール試験機を用い、円筒の一端に試験片を取り付けた後、加減抵抗器によって傾斜形気圧計が125Paの圧力を示すように吸い込みファンを調整し、その時の垂直形気圧計の示す圧力と使用した空気孔の種類とから試験片を通過する空気量(cm/cm・s)を求める。使用するサンプルは、マスク製品を想定した重ね方、および枚数となるよう重ねた状態で測定した。
【0054】
(実施例1)
ナイロン70%ポリエステル30%のフィブリル化型複合繊維フィラメント糸111デシテックス、48フィラメント(放射状6分割)のPOYを用いて下記条件で仮撚り加工し、フィブリル化型複合繊維を製造した。
加工速度 400m/分
延伸倍率 1.9倍
仮撚数 3400T/m
セット温度 70℃
上述の仮撚加工糸をヨコ糸に使用し、タテ糸に78デシテックス、34フィラメントのポリアミド糸を用いて平織物とした。通常の染色仕上げ加工をした後、マスク表層となるよう2枚裁断し、下記仕上がり寸法になるよう縫製した。
【0055】
太さ60/3の綿糸を用いてタテヨコ40本/2.54cmのガーゼ平織物を得、これを裁断して下記仕上がり寸法となるよう8枚積層してマスク内層とした。
【0056】
マスク表層仕上がり寸法:タテ95mm×ヨコ135mm
マスク内層仕上がり寸法:タテ80mm×ヨコ120mm
得られた平織物2枚を重ねたマスク表層と、内層の生地を重ねて左右両端を内層側に折り、耳掛け用ゴムを挟み込んでマスクに仕上げた。このマスクについて、着用感、洗濯による外観変化、通塵捕集効率、通気性について評価した結果を表2に示した。
【0057】
(実施例2)
タテ75mm×ヨコ100mmに裁断したレーヨン100%の不織布を、実施例1で得たマスクの最内層に口当て片として配したマスクについて、着用感、審美性、洗濯による外観変化、通塵捕集効率、通気性について評価した結果を表2に示した。
【0058】
(実施例3)
78デシテックス、48フィラメントのナイロンフィラメント糸を用い、組織天竺の丸編物を製編した。通常のナイロン染色仕上げ加工をした後、マスク表層となるよう2枚裁断し、この2枚を表層として用いた以外は、実施例1と同様の方法でマスクを得た。このマスクについて、着用感、洗濯による外観変化、通塵捕集効率、通気性について評価した結果を表2に示した。
【0059】
(実施例4)
タテ糸に56デシテックス、48フィラメントのポリエステル糸、ヨコ糸に84デシテックス、72フィラメントのポリエステル糸を用いた平織物に、通常の染色仕上げ加工をした後、マスク表層となるよう2枚裁断し、下記仕上がり寸法になるよう縫製した。
【0060】
マスク表層仕上がり寸法:タテ95mm×ヨコ135mm
マスク表層の左右両端を内層側に折り、耳掛け用ゴムを挟み込んでマスクに仕上げた。このマスクについて、着用感、洗濯による外観変化、通塵捕集効率、通気性について評価した結果を表2に示した。
【0061】
(実施例5)
実施例2で用いた3種類の布帛に次の工程で光触媒剤を付着させた。
【0062】
四塩化チタンTiClの30重量%溶液に、水酸化ナトリウムNaOHの5重量%溶液を加え、しばらく放置したのち、水酸化チタンTi(OH)を得た。これを25重量%の過酸化水素水で処理し、非結晶質過酸化チタンゾルを得た。
【0063】
これに、前記布帛を浸し、マングルロールでピックアップ80重量%で絞り、120℃で2分乾燥した後、190℃で1分間熱処理し、繊維表面に非結晶質過酸化チタン粒子層を有する織物を得た。
【0064】
次に、この布帛を、チタン、ケイ素複合酸化物水分散液(粒子径12nm、比表面積150m/g、:日本触媒株式会社製)に含浸し、マングルロールで絞り、100℃で1分乾燥した後、195℃で30秒の加熱処理をして、光触媒を有する処理布を得た。この処理布を用いて実施例2と同様に裁断、縫製したマスクについて、着用感、審美性、洗濯による外観変化、通塵捕集効率、通気性について評価した結果を表2に示した。
【0065】
(実施例6)
実施例1で用いたフィブリル化型複合繊維フィラメント使いの平織物をマスク表層となるよう2枚重ね、ガーゼ織物をマスク内層となるよう8枚重ねて、各々下記仕上がり寸法に縫製した。
【0066】
マスク表層仕上がり寸法:タテ115mm×ヨコ175mm
マスク内層仕上がり寸法:タテ80mm×ヨコ120mm
続いて平織物の上に内層となるガーゼ織物をのせ、平織物上辺と下辺を各々10mm内層に向かい折り曲げた。次に平織物の左右辺を内層側に折り、耳掛け用ゴムを挟み込んでマスクに仕上げた。このマスクについて、着用感、洗濯による外観変化、通塵捕集効率、通気性について評価した結果を表2に示した。
【0067】
(実施例7)
84デシテックス、72フィラメントのポリエステル糸をタテ糸ヨコ糸に用いて平織物を得、通常条件で精錬、染色、乾燥した。
【0068】
次いで、パーフルオロアルキルエチルアクリレート12wt%、ポリオキシエチレングリコールモノメタクリレートおよびポリオキシプロピレングリコールモノメタクリレート8wt%を含有した共重合体50g/lおよびヘキサメチロールメラミン樹脂であるスミテックスレジンMC3g/lおよび触媒として有機アミンからなる触媒2g/l、トリメチロールプロパン・トリレンジイソシアナート・アルケンオキシムアダクトブロックイソシアネート3g/lからなる処理液に試験布を浸漬したのち絞り率80%で絞り、130℃で乾燥後さらに175℃で45秒間乾熱処理を行った。この生地を用いて実施例1と同様に裁断、縫製したマスクについて、着用感、審美性、洗濯による外観変化、通塵捕集効率、通気性について評価した結果を表2に示した。
【0069】
(比較例1)
84デシテックス、24フィラメントのポリエステル100%のフィラメント糸をタテヨコに用いて平織物とした。通常の染色仕上げ加工をした後、マスク表層となるよう2枚裁断し、下記仕上がり寸法になるよう縫製した。
【0070】
太さ60/3の綿糸を用いてタテヨコ40本/2.54cmのガーゼ平織物を得、これを裁断して下記仕上がり寸法となるよう8枚積層してマスク内層とした。
【0071】
マスク表層仕上がり寸法:タテ95mm×ヨコ135mm
マスク内層仕上がり寸法:タテ80mm×ヨコ120mm
マスク表層と内層の生地を重ねて左右両端を内層側に折り、耳掛け用ゴムを挟み込んでマスクに仕上げた。このマスクについて、着用感、洗濯による外観変化、通塵捕集効率、通気性について評価した結果を表2に示した。
【0072】
(比較例2)
太さ60/3の綿糸を用いてタテヨコ40本/2.54cmのガーゼ平織物を得、これを裁断して8枚積層し、左右両端を内側に折り、耳掛け用ゴムを挟み込んでタテ80mm×ヨコ120mmのマスクに仕上げた。このマスクについて、着用感、洗濯による外観変化、通塵捕集効率、通気性について評価した結果を表2に示した。
【0073】
(比較例3)
目付18g/mのポリプロピレン繊維で構成されたメルトブロー不織布を4枚重ね、左右両端を内側に折り、耳掛け用ゴムを挟み込んでタテ90mm×ヨコ170mmのマスクに仕上げた。このマスクについて、着用感、洗濯による外観変化、通塵捕集効率、通気性について評価した結果を表2に示した。
【0074】
【表2】
Figure 2004154209
【0075】
【発明の効果】
本発明におけるマスクは、使用素材の選択や組み合わせに工夫をこらしているので、花粉や粉塵の吸い込みを著しく減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマスクの一態様を示す表面図である。
【図2】本発明のマスクの一態様を示す裏面図である。
【図3】本発明のマスクの図1中のA線で切り離した時の断面図である。
【図4】本発明のマスクの図1中のB線で切り離した時の断面図である。
【符号の説明】
1:マスク表層
2:耳掛け用ゴム
3:内層
4:口当て片
5:マスク上辺付設部
6:マスク下辺付設部
7:マスク左辺付設部
8:マスク右辺付設部

Claims (6)

  1. カバーファクター1600以上の織物が表層となるように配置されたことを特徴とするマスク。
  2. カバーファクター35以上の編物が表層となるように配置されたことを特徴とするマスク。
  3. 内層に粗密度布帛を4〜10枚積層した状態で配したことを特徴とする請求項1または2記載のマスク。
  4. 取り外しが可能な口当て片を最内層に付設したことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のマスク。
  5. 四辺のいずれかに、口当て片の付設部を設けたことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のマスク。
  6. 繊維表面に、アルキルシリケート系樹脂、シリコーン系樹脂およびフッ素系樹脂から選ばれた少なくとも1種のバインダーと、光触媒剤を有することを特徴とする請求項1から5記載のいずれかに記載のマスク。
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