JP2022034749A - 機能性マスク - Google Patents

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【課題】ウィルス遮断機能を有しながらも、洗濯をして繰り返し使うことができ、着用に際してくしゃみや繰り返される呼吸により生じる分泌物や水分を速やかに排出することにより、快適な着用環境を保つことのできる機能性マスクを提供すること。【解決手段】ウィルスの遮断機能と吸汗速乾機能、抗菌消臭ないし肌美容機能とを兼ね備えた機能性マスクに関するものであり、表面織物13と、裏面織物14と、前記表面織物13と裏面織物14との間に交差して編織される中間織物15と、からなる3重織構造の外皮生地11と、繊維用撥水剤と、抗菌・脱臭に効果・効能があるか、あるいは、肌美容に効果・効能がある機能性オイルをマイクロカプセル化処理して得られる機能性マイクロカプセル及び繊維生地加工用の水性バインダを含有する組成物を一方の表面にコーティング及び乾燥処理する。【選択図】図5

Description

本発明は、ウィルスの遮断機能と吸汗速乾機能、抗菌消臭ないし肌美容機能とを兼ね備えた機能性マスクに関する。
現在、広く韓国で市場に出回っているウィルス遮断用マスクは、薬局で販売されるKF80、KF94などの使い捨てマスクが主流をなしているため、ウィルスの急激な伝搬により爆増する需要に応えて円滑に供給できない場合があり、特に、使い捨てマスクの属性からみて、数回使った後には汚れたりフィルタの機能が失われたりすることにより使い続けることができないという問題があった。
また、マスクを着用した状態で咳をしたりくしゃみをしたりする場合、マスクの裏面に分泌物が付いたり、対話をしたり単に呼吸のみをしたりする場合であっても、マスクの裏面に水分が溜まって着用者に不快感を与えてしまったりするという問題があった。
特に、ウィルス遮断用マスクは、ほとんどが使い捨てタイプであるため、前述したように分泌物が付いたり水分が溜まったりする場合に、これを廃棄し、新たな製品に取り替えると、その分、経済的や資源的に無駄使いになるため、これもまた問題として指摘されていた。
韓国登録特許第1228704号公報(登録日:2013年1月25日) 韓国登録特許第1563040号公報(登録日:2015年10月19日) 韓国登録第2069880号公報(登録日:2020年1月17日)
そこで、本発明の目的は、ウィルス遮断機能を有しながらも、洗濯をして繰り返し使うことができ、着用に際してくしゃみや繰り返される呼吸により生じる分泌物や水分を速やかに排出することにより、快適な着用環境を保つことのできる機能性マスクを提供することである。
上記目的を達成するために、本発明は、機能性マスクであって、表面織物と、裏面織物と、前記表面織物と裏面織物との間に交差して編織される中間織物と、からなる3重織構造の外皮生地と;繊維用撥水剤と、抗菌・脱臭に効果・効能があるか、あるいは、肌美容に効果・効能がある機能性オイルをマイクロカプセル化処理して得られる機能性マイクロカプセル及び繊維生地加工用の水性バインダを含有する組成物を一方の表面にコーティング及び乾燥処理を施すことにより得られ、他方の表面が前記裏面織物の表面に付着することにより前記外皮生地と貼り合わせられる内皮生地と;を含むことを特徴とする機能性マスクを提供する。
ここで、前記中間織物は、互いに千鳥状に交差して前記表面織物と裏面織物との間に編織される第1の中間織物と第2の中間織物とから構成されてもよい。
また、前記外皮生地の表面織物、裏面織物及び中間織物は、いずれも極細糸合成繊維からなり、前記内皮生地は、極細糸の天然素材繊維からなつてもよい。
この場合、前記天然素材繊維は、テンセル(Tencel(登録商標))またはレーヨン(Rayon)であってもよい。
一方、前記機能性マイクロカプセルは、フィトンチッドオイルをマイクロカプセル化処理して得られるフィトンチッドマイクロカプセル、ワサビオイルをマイクロカプセル化処理して得られるワサビマイクロカプセル、肌美容に効果・効能のある成分が溶解されたオイルをマイクロカプセル化処理して得られる肌美容マイクロカプセルのうちの少なくとも一種を含んでもよい。
このとき、前記機能性マイクロカプセルは、前記フィトンチッドマイクロカプセルと前記ワサビマイクロカプセルのうちの少なくとも一方を必須的に含んでもよい。
一方、前記内皮生地の一方の表面には、前記組成物のコーティング及び乾燥処理により平面的に分布するコーティングセル(cell)と隣り合うコーティングセル間の境界をなす所定の幅の未コーティングチャンネル(channel)が形成されることにより、前記コーティングセルは撥水部をなし、前記未コーティングチャンネルは吸収部をなすようにしてもよい。
以上述べたように、本発明に係る機能性マスクによれば、3重織構造の外皮生地に内皮生地が付加されて合計で4重織の断面構造を有するフィルタ層を構成することにより、ウィルスの遮断機能を有するマスクを提供しながらも、洗濯をして繰り返し的に使うことが可能である。特に、前記内皮生地の表面に繊維用撥水剤がコーティングされることにより、水分の吸収及び排出が速やかに行われるようにすることで、快適な着用環境を保つことができ、これに加えて、前記内皮生地の表面に機能性マイクロカプセルが一緒にコーティングされることにより、抗菌消臭及び/又は肌美容の効果・効能をも達成することができる。とりわけ、前記機能性マイクロカプセルは、機能性物質を徐々に放出するいわゆる徐放効果があるので、マスクを数十回にわたって繰り返し洗濯して使っても、その効果を持続的に発揮することができる。
本発明の実施形態に係る機能性マスクの折り畳まれた様子を示す正面図である。 図1の機能性マスクの拡開された様子を示す正面図である。 図1の機能性マスクを着用した様子を示す側面図である。 図1の機能性マスクを着用した様子を示す正面図である。 本発明の実施形態に係る機能性マスクの織物構造を図式的に示す拡大断面図である。 図5の外皮生地のマスクの性能試験結果を示す図である。 図5の内皮生地にコーティング処理される組成物の一つの成分であるワサビマイクロカプセルの1,000倍の拡大写真である。 図7のワサビマイクロカプセルが図5の内皮生地にコーティング処理される前及びコーティング処理された後の500~20,000倍の拡大写真である。 組成物がコーティング処理された図5の内皮生地に水分を噴霧した様子の拡大図である。 図9の内皮生地の吸汗速乾の試験結果(裏面から表面への向き)を示す図である。 図9の内皮生地の吸汗速乾の試験結果(表面から裏面への向き)を示す図である。 図9の内皮生地の洗濯後の抗菌力の維持有無の試験結果を示す図である。
本発明の実施形態に係る機能性マスク10は、図1及び図2に示すように、着用者の鼻と口及び両頬の部位を覆うように左右方向に延設される中央の顔面部10aと、この顔面部10aの左右に延びる両側の端部に生地(布地)を貫通して形成される左右一対の耳挿入孔10bと、各耳挿入孔10bの外周縁をなす左右一対の耳掛け紐10cと、を備えてなる。
図3及び図4は、上記の如き機能性マスク10を着用した様子を示すものであって、左右対称をなす顔面部10aの中心線に沿って上端部10d(図1参照)が着用者の鼻の背を完全に覆う位置まで上がり、下端部10e(図1参照)が着用者の顎の下まで下がって顎を完全に覆う位置に至る。このような顔面部10aの形状により、マスク10が剥がれ難くなるとともに、縁端の部分において顔面と密着されることにより、隙間を介してウィルスをはじめとする外部の空気が流入することを遮断することができる。
上記のような機能性マスク10は、図5に示すように、外皮生地(表地)11と内皮生地(裏地)12とが接着剤を介して貼り合わせられて一体化される積層構造を有する。このとき、外皮生地11は、表面織物13と裏面織物14との間に中間織物15が交差して編織されてなる3重織構造であって、特に、中間織物15は、第1の中間織物15aと第2の中間織物15bとから構成して、互いに千鳥状に交差して表面織物13と裏面織物14との間に編織されるようにすることにより、フィルタの機能を向上させることができる。
外皮生地11を構成する表面織物13と、裏面織物14及び中間織物15は、いずれも極細糸繊維からなることが好ましい。内皮生地12もまた、極細糸繊維からなることが好ましく、これに加えて、肌に直接当たる部位となる点を考慮して、肌のトラブルを引き起こさないように天然素材繊維からなることが好ましい。そのような天然素材繊維の例として、テンセル(Tencel(登録商標))、レーヨン(Rayon)などが挙げられる。
図6は、上記の如き3重織構造の外皮生地11を有する編物に対する性能試験の結果を示すものであり、粉塵の捕集効率が60.4~80.3%の範囲にわたって分布することが分かり、ここに内皮生地12を追加する(これにより、全体的には4重織構造となる)ことにより、前記粉塵の捕集効率がさらに高められるはずであるため、結果的に、KF80の規格(すなわち、捕集効率80%以上)は十分に達成することを期待することができる。
一方、本発明の実施形態に係る機能性マスクを構成する内皮生地(図5における12)としては、底面に吸汗速乾及び抗菌・脱臭機能のある組成物をコーティング及び乾燥処理を施した生地を裁断したものを用いる。
前記組成物は、抗菌・脱臭の機能を実現するために繊維用撥水剤を、抗菌・脱臭の機能を実現するためにワサビオイルを成分として含む。特に、ワサビオイルの場合、抗菌・脱臭の効果・効能の持続性を保持するために、これを徐放型マイクロカプセルに処理し、前記繊維用撥水剤の場合にも、一部を徐放型マイクロカプセルに処理して、撥水性能の持続性を保持するようにする。
一方、繊維を対象として処理されるシリコン系、フッ素系、界面活性剤などの撥水剤は、水への接触角を大きくして水の吸収を制御する材料である。
フッ素系撥水剤の場合、最も普遍的に用いられている撥水剤である。特に、このようなフッ素系撥水剤は、撥水性・撥油性を両立させることができるという特性がある。シリコン系撥水剤の場合、フッ素系撥水剤に比べて機能的な側面には劣っているとはいえ、ソフトな肌触りなどを有することから、綿ポリ生地、混紡などに広く用いられる。しかし、このような撥水剤の場合、pHに非常に敏感であるという特性がある。一般に、pH9以上、かつ、pH4以下では、撥水機能が急激に低下するという特性がある。
前述したような撥水剤のうち、例えば、フッ素系撥水剤として、フルオロアルキルアクリレート化された亜リン酸エステル共重合体を用いた撥水作業は、従来より広く用いられてきた。本発明は、このようなシリコン系またはフッ素系の撥水剤を1次的にマイクロカプセル化加工処理を施し、次いで、マイクロカプセル化加工処理の施された撥水剤と既存の撥水剤を並行して混合して用いることにより、機能的な効果を最大限に発揮させようとする。
すなわち、このような徐放型マイクロカプセルを含む撥水加工コーティング液を通常の繊維生地に一定のパターンでコーティング加工することにより、知能型吸汗速乾繊維を加工するのである。このようにして加工された撥水剤マイクロカプセルとワサビ抗菌マイクロカプセルとを繊維加工用の水性バインダと混合して商用の繊維生地にコーティング及び印刷処理して加工することができる。
このとき、撥水剤マイクロカプセルは、全体の配合の50%以内で用いることが好ましい。より好ましくは、約10~40%である。10%以下では、マイクロカプセルの機能が正常に発揮されることを期待し難く、40%以上では、マイクロカプセルの含量が高過ぎて繊維付着性の低下とカプセルの外部の衝撃に対する衰弱化による性能の低下の現象が引き起こされる虞がある。
ワサビマイクロカプセルの場合、全体の配合の10%以内が好適である。含量が低過ぎる場合、抗菌特性の低下が懸念され、逆に、含量が高過ぎる場合にはむしろワサビオイル特有の香臭により不快感を引き起こす虞がある。
マイクロカプセル加工処理の施されていないシリコン系またはフッ素系の撥水剤は、約5~20%の含量であることが好ましい。
以上の如き化合物の配合と並行して、水性の繊維生地加工用のアクリル系またはウレタンバインダを併用して繊維の付着性を増進する。マイクロカプセルの場合、粒子状の加工形状を有している。このような粒子状のマイクロカプセルは、物理的にバインダを用いて繊維生地に付着処理しなければ、耐久性を期待することができない。このとき、併用可能なバインダとしては、水性のアクリル系またはウレタンなど多種多様なバインダが挙げられる。繊維生地に加工処理を施した後、繊維との十分な付着力を保持することができ、かつ、耐洗濯性に優れたバインダを選定して用いることができる。
配合に際して、必要に応じて、配合物の繊維への浸透性、繊維への付着性及び耐久性を増加させるために水性浸透剤を添加して用いてもよい。例えば、エアプロダクト社製のダイノール(DYNOL)960を用いることができる。このような浸透剤は、必須的な添加成分ではなく、繊維の表面と加工工程に応じて使用有無及び使用薬剤を調節することができる。一般に、全体の配合の0.1%~1%で用いる。
以上のような成分を含有する吸汗速乾及び抗菌・脱臭の機能を有する組成物の製造方法は、次の通りである。
1.マイクロカプセル化工程
(1)フッ素系撥水剤の乳化工程
スクリップセット520(Scripset 520:ソレニス(Solenis)社の製品)50gを水950gに分散させる。苛性ソーダ8gを投入し、徐々に加熱して90℃まで昇温させる。次いで、約30分間温度を保ちながら完全に溶解させる。次いで、冷却させて常温で保管する。
このようにして製造されたスクリップセット520の溶解液500gを2リットルのビーカー容器に投入する。このとき、高速ホモミキサを用いて、回転速度を約800rpmに保つ。ここに、フッ素系撥水剤としてのフルオロアルキルアクリレート化された亜リン酸エステル共重合体250gを約10分間徐々に投入する。完全に投入し切った後、ホモミキサの攪拌速度を1200~1700rpmに上げて乳化を行う。
(2)ワサビオイルの乳化工程
スクリップセット520(Scripset 520:ソレニス(Solenis)社の製品)50gを水950gに分散させる。苛性ソーダ8gを投入し、徐々に加熱して90℃まで昇温させる。次いで、約30分間温度を保ちながら完全に溶解させる。次いで、冷却させて常温で保管する。
このようにして製造されたスクリップセット520の溶解液500gを2リットルのビーカー容器に投入する。このとき、高速ホモミキサを用いて、回転速度を約800rpmに保つ。ここに、ワサビオイル25gと大豆油225g(オイルの量:250g)を約10分間徐々に投入する。完全に投入し切った後、ホモミキサの攪拌速度を1200~1700rpmに上げて乳化を行う。
(3)メラミン初期縮合ポリマの醸成及び用意
水125gを500mlのビーカーに投入する。ここにホルマリン35% 50g、メラミン粉末70gとウレア7gを投入する。配合物を十分に攪拌しながら温度を徐々に昇温させる。約10~15分間加熱して温度が約60℃に達するまで攪拌しながら加熱する。
(4)撥水剤マイクロカプセル化を行う
以上のようにして用意されたフッ素系撥水剤の乳化反応器に用意されたメラミン初期縮合ポリマを投入する。次いで、1200rpm以上を保ちながら温度を70℃まで昇温させる。
このとき、反応が進むことに伴い、粘度が上がることに注意を払いながら、十分な攪拌状態になるように保持する。約1時間が経った後、ホモミキサを取り外し、通常の攪拌器を用いて、温度を保ちながら、かつ、500~1000rpmを保ちながら、5時間以上攪拌し続ける。
次いで、加熱を中止し、5%クエン酸溶液30gを徐々に投入する。常温まで冷却されるまで攪拌を行い続ける。
このようにして得られる撥水剤マイクロカプセル(図1参照)を保管して用いる。
(5)ワサビオイルマイクロカプセル化を行う
以上のようにして用意されたワサビオイルの乳化反応器に用意されたメラミン初期縮合ポリマを投入する。次いで、1200rpm以上を保ちながら温度を70℃まで昇温させる。
このとき、反応が進むことに伴い、粘度が上がることに注意を払いながら、十分な攪拌状態になるように保持する。約1時間が経った後、ホモミキサを取り外し、通常の攪拌器を用いて、温度を保ちながら、かつ、500~1000rpmを保ちながら、5時間以上攪拌し続ける。
次いで、加熱を中止し、5%クエン酸溶液30gを徐々に投入する。常温まで冷却されるまで攪拌を行い続ける。
このようにして得られるワサビマイクロカプセル(図7参照)を保管して用いる。
2.配合工程
このようにして製造された撥水剤マイクロカプセル30%、ワサビマイクロカプセル5%、フッ素系撥水剤10%、水性アクリルバインダ50%、浸透剤0.2%と水を加え、十分に混合する。ここで、撥水剤マイクロカプセルは、10~40%の範囲において適宜に調整して用いることもできる。
前述したような工程に従い得られる組成物は、繊維生地にコーティング及び乾燥処理を施すことにより、吸汗速乾及び抗菌・脱臭の機能を有する内皮生地(図5における12)が得られる。このとき、コーティング方法としては、スクリーン印刷、グラビアコーティングなどが挙げられる。繊維に一定のパターンを形成できる印刷方法であれば、特定のコーティング方法に制限されない。このとき、できる限り隣り合うパターン(すなわち、コーティングセル(cell))とパターンとを約0.5~1mmの一定の間隔(すなわち、未コーティングチャンネル(channel))に仕切ってコーティング処理を施すことが好ましい(図9参照)。コーティング処理を施した後、テンターもしくは乾燥装置を用いて十分に乾燥処理を施して仕上げる。
このように、繊維処理工程を経て得られる内皮生地12をなす繊維を拡大してみると、図8の下行に示す通りであり、前述したように、マイクロカプセル化加工処理の施された撥水剤マイクロカプセルないしワサビマイクロカプセル12bが繊維12aにコーティングされた様子を確認することができ、これは、上行の加工前の繊維12aとは相違点があることを確認することができる。
図9は、内皮生地12の拡大写真であり、前述した組成物がコーティングされた内皮生地12の底面に水(着用時における汗に対応する)を散布した場合、図示のごとく、コーティング面、すなわち、コーティングセルC間のコーティングされていない空間、すなわち、未コーティングチャンネルHを介して排水、すなわち、撥水が行われて上面(反対面)への水分の移動が円滑に行われる。
図10及び図11は、内皮生地(図9における12)の抗菌力試験成績書の主な内容を示すものであり、図10に示すように、吸汗速乾抗菌組成物がコーティングされた底面から上面への撥水性能がGrade 5であり、優れていることを確認することができるのに対し、図11でのように、上面から底面への向きの撥水性能はGrade 2であり、劣っていることを確認することができる。すなわち、内皮生地12は、一方向性の吸汗速乾性能を有することを確認することができる。
このような原理により、マスクの着用者がくしゃみをするときに生じる分泌物や唾液、繰り返し的な呼吸に伴う湿気が積もって形成される水気などを速やかに前方に払い出すことにより、爽やかな着用環境を保持することができる。
図12は、内皮生地(図9における12)の抗菌力試験成績書の主な内容を示すものであり、図示のごとく、生地の10回ないし30回にわたっての洗濯後にも抗菌性能が99.9%以上保たれ続けることを確認することができる。カプセルの中のワサビオイルは、内皮生地12を手で軽くこすって人為的に流出させることにより、抗菌・脱臭機能を戻したり向上させたりすることができる。
一方、以上においては、抗菌・脱臭機能を与えるためにワサビオイルのマイクロカプセル化についてのみ言及したが、本発明は、これに何ら限定されるものではなく、抗菌・脱臭機能のある他の物質に置き換えたり付加したりして用いることもできる。例えば、抗菌機能及び免疫力、心肺機能の強化に役立つフィトンチッド(Phytoncide)成分が入っているオイルを前述した方法と同様にしてマイクロカプセル化させることにより得られるフィトンチッドマイクロカプセルを追加して用いることができる。この場合、前記2.配合工程の欄において、ワサビマイクロカプセルは5%から2~3%へと含量を低め、フィトンチッドマイクロカプセル2~3%を追加する方法によることもできる。
さらに、機能性マイクロカプセルとして肌美容に効果・効能のあるビタミンCやキトサン(Chitosan)が溶解されたオイルをマイクロカプセル化させることにより、ビタミンCマイクロカプセル、キトサンマイクロカプセルなどの肌美容マイクロカプセルを作って前記抗菌・脱臭用マイクロカプセルを置き換えたりこれに追加したりして用いることができる。例えば、前記2.配合工程の欄において、ワサビマイクロカプセルを2~3%に調整し、肌美容マイクロカプセル2~3%を追加する方法を適用することができる。
一方、上述した機能性マスクないしマスクは、本発明の理解への一助のための実施形態に過ぎないため、後述する特許請求の範囲ないしその均等な範囲により定義される本発明の権利範囲ないし技術的範囲は、前述したところに何ら限定されない。
10 機能性マスク
10a 顔面部
10b 耳挿入孔
10c 耳掛け紐
10d 上端部
10e 下端部
11 外皮生地
12 内皮生地
12a 繊維
12b ワサビマイクロカプセル
13 表面織物
14 裏面織物
15 中間織物
15a 第1の中間織物
15b 第2の中間織物
C コーティングセル(cell)
H 未コーティングチャンネル(channel)

Claims (7)

  1. 機能性マスクであって、
    表面織物と、裏面織物と、前記表面織物と裏面織物との間に交差して編織される中間織物と、からなる3重織構造の外皮生地と、
    繊維用撥水剤と、抗菌・脱臭に効果・効能があるか、あるいは、肌美容に効果・効能がある機能性オイルをマイクロカプセル化処理して得られる機能性マイクロカプセル及び繊維生地加工用の水性バインダを含有する組成物を一方の表面にコーティング及び乾燥処理することにより得られ、他方の表面が前記裏面織物の表面に付着することにより前記外皮生地と貼り合わせられる内皮生地と、を含む
    ことを特徴とする機能性マスク。
  2. 前記中間織物は、
    互いに千鳥状に交差して前記表面織物と裏面織物との間に編織される第1の中間織物と第2の中間織物とから構成される
    請求項1に記載の機能性マスク。
  3. 前記外皮生地の表面織物、裏面織物及び中間織物は、いずれも極細糸合成繊維からなり、
    前記内皮生地は、極細糸の天然素材繊維からなる
    請求項1に記載の機能性マスク。
  4. 前記天然素材繊維は、テンセル(Tencel(登録商標))またはレーヨン(Rayon)である
    請求項3に記載の機能性マスク。
  5. 前記機能性マイクロカプセルは、
    フィトンチッドオイルをマイクロカプセル化処理して得られるフィトンチッドマイクロカプセル、ワサビオイルをマイクロカプセル化処理して得られるワサビマイクロカプセル、肌美容に効果・効能のある成分が溶解されたオイルをマイクロカプセル化処理して得られる肌美容マイクロカプセルのうちの少なくとも一種を含む
    請求項1に記載の機能性マスク。
  6. 前記機能性マイクロカプセルは、
    前記フィトンチッドマイクロカプセルと前記ワサビマイクロカプセルのうちの少なくとも一方を必須的に含む
    請求項5に記載の機能性マスク。
  7. 前記内皮生地の一方の表面には、前記組成物のコーティング及び乾燥処理により平面的に分布するコーティングセル(cell)と隣り合うコーティングセル間の境界をなす所定の幅の未コーティングチャンネル(channel)が形成されることにより、前記コーティングセルは撥水部をなし、前記未コーティングチャンネルは吸収部をなす
    請求項1に記載の機能性マスク。

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