JP2011072479A - マスク - Google Patents

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Abstract

【課題】化粧の付着を防止しつつ、着用感を向上することができるマスクを提供する。
【解決手段】マスク1は、マスク本体部2と耳掛け部3とを備えており、マスク本体部2は着用者の顔面に接触する層である内側層5を含む3層構造となっている。そして、内側層5を、内側面5aが撥水・撥油加工剤により撥水・撥油処理された不織布であって、JIS Z 0208試験法に基づく透湿度を3500g/m/24hr以上とした透湿性不織布によって構成する。
【選択図】図3

Description

本発明は、鼻及び口を含む着用者の顔面の対象部位を覆うマスクに関する。
近年、花粉、風邪やインフルエンザ等のウイルス、埃、粉塵、黄砂等に対する予防として、使い捨てのマスクの需要が高まっている。このようなマスクは、疾病時に限らず、日常生活において使用される。このため、着用感が良く、着用時においても会話の妨げにならず、化粧が付着せず、眼鏡が曇らない等、着用者の日常生活に支障をきたさないことが要望されている。
この中でも特に、着用者が女性である場合には、ファンデーションや口紅等の化粧がマスクの内側面(顔面に接触する内側の面)に付着しにくいことが強く要望されている。そこで、化粧の付着防止対策がなされたマスクが提唱されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
特許文献1に記載のマスクは、内側面が撥水・撥油加工剤により撥水・撥油加工処理されている。これにより、水分や油分を多く含む化粧がマスクの内側面に付着することを防止している。
特許文献2に記載のマスクは、内側面が表面エネルギー低下剤で処理されている。そして、表面エネルギー低下剤として、撥水性・撥油性を有するフルオロケミカル類を用いることが例示されている。
特開2009−118960号公報 特表2001−501842号公報(第7−9頁)
上述した従来技術のマスクでは、内側面の撥水性・撥油性を高めることにより化粧の付着防止を図ることが可能である。しかしながら、撥水性が高まったことにより、口や鼻から吐き出される呼気に含まれる水蒸気によって内側面が濡れてべとつき、着用感が低下するおそれがあった。さらに、最近では新型インフルエンザの流行もあり、冬場から春先の使用に加えて夏場にもマスクを使用する機会が増えている。このような場合、呼気に含まれる水蒸気に加えて、着用者の汗によっても内側面がべとつき、さらなる着用感の低下を招くおそれがあった。
本発明の目的は、化粧の付着を防止しつつ、着用感を向上することができるマスクを提供することにある。
上記目的を達成するために、第1発明のマスクは、着用者の顔面の対象部位を覆うマスク本体部と、このマスク本体部を前記着用者の耳に係止するための左右一対の耳掛け部と、を備えるマスクであって、前記マスク本体部は、前記着用者の顔面に接触する層である内側層を含む複数層構造を有しており、前記内側層は、前記着用者の顔面に接触する側の表面が撥水・撥油加工剤により撥水・撥油処理された、JIS Z 0208試験法に基づく透湿度が3500g/m/24hr以上である透湿性素材で構成されていることを特徴とする。
本願第1発明のマスクは、マスク本体部と耳掛け部とを備えており、マスク本体部は着用者の顔面に接触する層である内側層を含む複数層構造となっている。そして、当該内側層を、着用者の顔面に接触する側の表面(以下「内側面」と称する)が撥水・撥油加工剤により撥水・撥油処理されると共に、JIS Z 0208試験法に基づく透湿度を3500g/m/24hr以上とした透湿性素材によって構成する。
これにより、内側面の撥水性・撥油性を高めることができるので、水分及び油分を有する化粧の内側面への付着を防止することができる。また、内側層の通気性を高めることができるので、呼気に含まれる水蒸気や汗を透過させ、内側面の濡れやべとつきを防止することができる。したがって、化粧の付着を防止しつつ、着用感を向上することができる。
第2発明のマスクは、上記第1発明において、前記マスク本体部は、前記内側層の前記着用者側とは反対となる側に、吸湿性素材を20重量%以上含有する吸湿層を有していることを特徴とする。
本願第2発明においては、マスク本体部が、内側層の着用者とは反対となる側に、吸湿性素材を20重量%以上含有する吸湿層を有している。これにより、呼気に含まれる水蒸気や汗が内側層を透過するのを促進し、内側層を透過した水蒸気や汗を吸湿層で速やかに吸収することができる。したがって、内側面の濡れやべとつきを確実に防止し、着用感をさらに向上することができる。
また、吸湿層が、吸湿性素材を20重量%以上含有する構成とすることにより、吸湿効果を確実に得ることができる。
第3発明のマスクは、上記第1又は第2発明において、前記マスク本体部は、前記着用者側とは反対となる最も外側に位置する層である外側層を有しており、前記外側層は、JIS Z 0208試験法に基づく透湿度が3500g/m/24hr以上である透湿性素材で構成されていることを特徴とする。
本願第3発明においては、マスク本体部が、着用者側とは反対となる最も外側に位置する層である外側層を有しており、当該外側層を、JIS Z 0208試験法に基づく透湿度を3500g/m/24hr以上とした透湿性素材によって構成する。これにより、外側層の通気性を高めることができるので、内側層を透過した水蒸気や汗を、さらに外側層を透過させてマスク本体部の外部に排出することができる。また、内側層と外側層との間に吸湿層を設けた場合には、吸湿層で吸収した水蒸気や汗を、外側層を透過させてマスク本体部の外部に排出することができる。このようにして、水蒸気や汗をマスク本体部の内部に留めることなく外部に排出できるので、着用感をより一層向上することができる。
第4発明のマスクは、上記第2又は第3発明において、前記マスク本体部は、前記吸湿層の前記着用者側とは反対となる側に、フィルタ機能を有するフィルタ層を有していることを特徴とする。
本願第4発明においては、マスク本体部が、吸湿層の着用者側とは反対となる側に、フィルタ機能を有するフィルタ層を有している。このフィルタ層のフィルタ機能により、花粉、風邪やインフルエンザ等のウイルス、埃、粉塵、黄砂等の予防効果を高めることができる。また、目の細かいフィルタ層を吸湿層の着用者側とは反対となる側に設けることにより、吸湿層による内側層を透過した水蒸気や汗の吸収を妨げることなく、上記フィルタ機能を得ることができる。
本発明によれば、化粧の付着を防止しつつ、着用感を向上することができる。
実施形態に係るマスクの正面図である。 図1のII−II断面図である。 図2に示すマスク本体部の側断面の一部を拡大した部分断面図である。 マスクのプリーツを展開した状態を表す斜視図である。 マスクの着用状態を一部透視して表す側面図である。 立体成形型のマスクの斜視図である。 立体成形型のマスクの着用状態を一部透視して表す側面図である。 フィルタ層を設けた変形例のマスク本体部の側断面の一部を拡大した部分断面図である。
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1はマスク1の正面図であり、図2は図1のII−II断面図である。また図3は、図2に示すマスク本体部2の側断面の一部を拡大した部分断面図である。また図4はマスク1のプリーツ4を展開した状態を表す斜視図であり、図5はマスク1の着用状態を一部透視して表す側面図である。なお、以下の説明において、上下及び左右という場合は着用時におけるマスク1の上下方向及び左右方向を指すものであり、それぞれ図1中における上下方向及び左右方向に相当するものである。
図1に示すように、マスク1は、着用者の顔面の対象部位を覆うマスク本体部2と、このマスク本体部2を着用者の耳に係止するための左右一対の耳掛け部3とを有している。マスク1はいわゆるプリーツ型のマスクであり、図1及び図2に示すように、マスク本体部2には、上下方向に広がることが可能なプリーツ4a〜4dが、上下方向4箇所に並列して形成されている。図4及び図5に示すように、着用時にはこれらプリーツ4a〜4dが上下方向に広がることにより、マスク本体部2が鼻、口及び顎を含む着用者の顔面の対象部位を覆うようになっている。このとき、マスク本体部2は山型の立体的形状となり、図5に示すように、着用者の口元との間に空間S1が形成され、着用者が女性である場合に、口紅やファンデーション等の化粧がマスク本体部2に付着しにくいようになっている。
図3に示すように、マスク本体部2は、着用者の顔面に接触する層である内側層5、着用者側とは反対となる最も外側に位置する層である外側層6、及びこれら内側層5と外側層6との間に位置する吸湿層7からなる3層構造を有している。
内側層5は、着用者の顔面に接触する側の表面(以下「内側面」と称する)5aが撥水・撥油加工剤により撥水・撥油処理された不織布であって、例えば素材を薄くする、あるいはメッシュ状とする等により、JIS Z 0208試験法に基づく透湿度を3500g/m/24hr以上とした透湿性の不織布で構成されている。
撥水・撥油加工剤としては、人体に対して安全性の高い材料であれば周知のものを使用することができるが、皮膚に対し刺激が少ないものを使用することがより好ましい。具体的には、例えばフッ素系樹脂を含むフッ素系加工剤、シリコン系樹脂を含むシリコン系加工剤、パラフィン系加工剤、ワックス系加工剤等が挙げられる。この中でも、特にフッ素系加工剤を使用することが好ましい。フッ素系加工剤としては、例えばフッ素樹脂エマルション、フッ素樹脂水溶液等を使用することができる。なお、撥水・撥油加工剤としては、液状、粉末状等、種々の形態のものを使用することができる。
透湿性不織布の素材としては、例えばポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド等が挙げられる。ポリオレフィンとしては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等を使用することができる。ポリエステルとしては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等を使用することができる。
また透湿性不織布の種類としては、例えばエアスルー、スパンボンド、サーマルボンド、スパンレース、ポイントボンド、メルトブロー、ステッチボンド、ケミカルボンド、ニードルパンチ等の公知の製法による不織布を用いることができる。また、SMSやSMMS等の積層型の不織布を用いてもよい。特に、通気性が良好なエアスルー不織布、強度が比較的大きいスパンボンド不織布、肌触りが良いスパンレース不織布等を使用するのが好ましい。
なお、内側層5のJIS Z 0208試験法に基づく透湿度は、上述したように少なくとも3500g/m/24hr以上であることが必要であるが、好ましくは4000g/m/24hr以上、より好ましくは5000〜7000g/m/24hrである。
吸湿層7は、内側層5と外側層6との間、すなわち内側層5の着用者側とは反対となる側に設けられている。この吸湿層7は、吸湿性不織布等の吸湿性素材を20重量%以上含有するように構成されている。
吸湿性素材としては、例えば再生セルロース繊維、あるいは、カルボキシル化セルロース、アクリル酸誘導体ポリマー、ポリアクリロニトリル誘導体ポリマー、N−ビニルアセトアミドを主モノマーとするアルコール性ポリマー等の高吸水性ポリマーからなる繊維の他、ウール、カシミア等の毛、絹、キュプラ、レーヨン、綿、麻、アセテート等から構成される、織物、編物、不織布等が挙げられる。
上記再生セルロース繊維とは、植物のセルロースを化学的に取り出し繊維に再生したものであり、例えばキュプラ、ビスコースレーヨン、ポリノジックレーヨン、及びライオセル等のうちの一種又は二種以上を混合した繊維である。吸湿層7は、これらの繊維をウェブ化し、スパンレース、スパンボンド法等の公知の製法によって製造される。
なお、吸湿性素材の重量比が20重量%未満の場合には吸湿効果が得られにくいため、上述したように吸湿層7は吸湿性素材を少なくとも20重量%以上含有することが必要であるが、好ましくは40重量%以上、より好ましくは60重量%以上である。
また、吸湿層7に、香料や、抗菌・抗ウィルス効果を有する薬剤等を含浸させてもよい。抗菌・抗ウィルス効果を有する薬剤としては、例えばローズバッツが挙げられる。また香料としては、例えばメントール、カルボン、シネオール、リモネン、ピネン、カンファー、リナロール、ターピネオール、ペパーミント、スペアミント、ローズマリー、ラベンダー、ティートゥリー、カモミル、ユーカリ、オレンジ、レモン、ネロリ、ベルガモット、プチグレン等が挙げられる。これらの香料や薬剤を含浸させる範囲は特に限定されないが、上部に含浸させた場合には着用時に薬剤が目にしみる等の不都合が生じるおそれがあるため、マスク本体部2の上下方向中央部より下の範囲において含浸させるのが好ましい。
外側層6は、上述の内側層5と同様に、例えば素材を薄くする、あるいはメッシュ状とする等により、JIS Z 0208試験法に基づく透湿度が3500g/m/24hr以上である透湿性の不織布で構成されている。この透湿性不織布として用いられる素材や不織布の種類は、上述した内側層5と同様である。
図1に戻り、マスク本体部2の上下方向両側には、上記内側層5、外側層6、及び吸湿層7が熱融着等により接合された接合部8,9がそれぞれ二重となるように直線状に形成されている。上端側に形成された接合部8は、上側の接合部8aと下側の接合部8bとからなり、これらの接合部8a,8b間には鼻元バー10が内包されている。この鼻元バー10は、金属又はポリエチレン等の可撓性材料で構成されており、着用時に着用者の鼻元の形状に沿うように変形させることで、マスク本体部2の上側部分と鼻との間に形成される隙間を抑制することができる。これにより、着用感を向上し、着用者が眼鏡をかけている場合には眼鏡の曇りを抑制することができる。
またマスク本体部2の左右方向両側には、上記と同様に内側層5、外側層6、及び吸湿層7が熱融着等により接合された接合部20がそれぞれ二重となるように直線状に形成されている。この接合部20は、マスク本体部2の左右方向両側においてプリーツ4a〜4dの広がりを押さえるために設けられる。
また図1、図4及び図5に示すように、耳掛け部3は、その端部3aがマスク本体部2の表側(着用者側とは反対となる側)に対し熱融着等により接合されることにより、マスク本体部2に取り付けられている。なお、耳掛け部3の端部3aを、マスク本体部2の裏側(着用者側)に接合したり、上述した各層5,6,7間で挟持することにより取り付けてもよいが、本実施形態のように表側に取り付けることで、着用時に耳掛け部3の端部3aによってマスク本体部2の縁部を着用者の頬に効果的に押し付けることができ、マスク本体部2の左右両側部分の隙間を抑制することができる。
次に、以上のように構成されたマスク1により得られる効果を説明する。
上述したように、マスク1は、マスク本体部2と耳掛け部3とを備えており、マスク本体部2は着用者の顔面に接触する層である内側層5を含む3層構造となっている。そして、内側層5を、内側面5aが撥水・撥油加工剤により撥水・撥油処理された不織布であって、JIS Z 0208試験法に基づく透湿度を3500g/m/24hr以上とした透湿性不織布によって構成する。これにより、内側面5aの撥水性・撥油性を高めることができるので、一般に水分及び油分を多く有するファンデーションや口紅等の化粧が内側面5aへ付着することを防止できる。また、内側層5の通気性を高めることができるので、着用者の呼気に含まれる水蒸気や汗を透過させ、内側面5aの濡れやべとつきを防止することができる。したがって、化粧の付着を防止しつつ、着用感を向上することができる。
また、本実施形態では特に、マスク本体部2が、内側層5の着用者とは反対となる側に、吸湿性素材を20重量%以上含有する吸湿層7を有する構成とする。これにより、着用者の呼気に含まれる水蒸気や汗が内側層5を透過するのを促進し、内側層5を透過した水蒸気や汗を吸湿層7で速やかに吸収することができる。したがって、内側面5aの濡れやべとつきを確実に防止し、着用感をさらに向上することができる。また、吸湿層7が吸湿性素材を20重量%以上含有する構成とすることにより、吸湿効果を確実に得ることができる。
また、本実施形態では特に、マスク本体部2が、着用者側とは反対となる最も外側に位置する層である外側層6を有しており、当該外側層6を、JIS Z 0208試験法に基づく透湿度を3500g/m/24hr以上とした透湿性不織布によって構成する。これにより、外側層6の通気性を高めることができるので、内側層5を透過し吸湿層7で吸収した水蒸気や汗を、さらに外側層6を透過させてマスク本体部2の外部に排出することができる。このようにして、水蒸気や汗をマスク本体部2の内部に留めることなくマスク本体部2の外部に排出できるので、着用感をより一層向上することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限るものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。
(1)立体成形型マスクに適用した場合
上述した実施形態では、本発明をプリーツ型のマスクに適用した場合を一例として説明したが、いわゆる立体成形型のマスクに適用してもよい。
図6はこの立体成形型のマスク30の斜視図であり、図7はマスク30の着用状態を一部透視して表す側面図である。
マスク30は、着用者の顔面の対象部位を覆うマスク本体部31と、このマスク本体部31を着用者の耳に係止するための左右一対の耳掛け部32とを有している。マスク本体部31は、左右一対の略扇形のシート材34A,34Bを接合部33で接合することにより形成されている。接合部33は、マスク前面側に膨らんだ円弧状に形成されており、シート材34A,34Bを左右に開くことによって、マスク本体部31が立体的形状となるように構成されている。これにより、図7に示すように、着用者の口元との間に空間S2が形成され、着用者が女性である場合に、口紅やファンデーション等の化粧がマスク本体部31に付着しにくいようになっている。
このようなマスク30においても、上述した実施形態と同様に、マスク本体部31を内側層5、外側層6、及び吸湿層7からなる3層構造とし、内側層5を、内側面5aが撥水・撥油加工剤により撥水・撥油処理された不織布であって、JIS Z 0208試験法に基づく透湿度を3500g/m/24hr以上とした透湿性の不織布で構成すると共に、吸湿層7を吸湿性素材を20重量%以上含有するように構成し、外側層6を、JIS Z 0208試験法に基づく透湿度が3500g/m/24hr以上である透湿性の不織布で構成することにより、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、本発明は平面状のマスクにも適用することが可能であるが、上述したようにプリーツ型マスクや立体成形型マスクでは着用者の口元との間に空間を確保することができるので、化粧の付着の防止を図る上では、プリーツ型マスクや立体成形型マスクに適用するのが効果的である。
(2)フィルタ層を設ける場合
内側層5と外側層6との間に、フィルタ層を設ける構成としてもよい。図8は、本変形例のマスク本体部2′の側断面の一部を拡大した部分断面図である。
図8に示すように、マスク本体部2′は、吸湿層7の着用者とは反対となる側に、フィルタ機能を有するフィルタ層21を有している。すなわち、マスク本体部2′は、着用者側より外側に向かって、内側層5、吸湿層7、フィルタ層21、及び外側層6からなる4層構造となっている。フィルタ層21としては、例えばメルトブロー不織布、SMS不織布、SMMS不織布等を用いることができるが、特にSMS不織布、SMMS不織布を用いるのが好ましい。メルトブロー不織布は強度が弱いためにラインスピードを速くできず、製造効率が低下するが、SMS不織布、SMMS不織布は強度が大きいためにラインスピードを速くでき、製造効率が良いからである。
本変形例によれば、フィルタ層21のフィルタ機能により、花粉、風邪やインフルエンザ等のウイルス、埃、粉塵、黄砂等の予防効果を高めることができる。また、目の細かいフィルタ層21を吸湿層7の着用者側とは反対となる側に設けることにより、吸湿層7による内側層5を透過した水蒸気や汗の吸収を妨げることなく、上記フィルタ機能を得ることができる。
(3)その他
上記実施形態では、マスク本体部31を3層構造としたが、3層以外の複数層構造としてもよい。また、少なくとも着用者の顔面に接触する層である内側層5について、撥水・撥油処理されると共に透湿度を3500g/m/24hr以上とした透湿性の不織布で構成すれば、その他の層については、必ずしも上述の実施形態のように吸湿性や透湿性を有する層構成としなくともよい。
また、上記実施形態ではプリーツの数が4本であるプリーツ型マスクを例示したが、プリーツの数はこれ以外でもよい。また、プリーツの形態は図2に示すようなマスク本体部2の上下方向中央側が頂点となるものに限らず、マスク本体部2の上側又は下側が頂点となるような形態でもよい。
また、上記実施形態では鼻元バー10を設けるようにしたが、さらに口元バーを設けてもよい。この口元バーは、鼻元バー10と同様に金属又はポリエチレン等の可撓性材料で構成されており、着用者の口元との間に空間を確保し、マスク本体部2との接触を抑制するために設けられる。これにより、化粧の付着防止効果をさらに高めることができる。口元バーは、例えばマスク本体部2の上下方向中央側のプリーツ4b,4c間に設けられる。
また、上記実施形態では、接合部8,9,20を熱融着により形成するようにしたが、これに限らず、例えば縫合によって接合部を形成してもよい。この場合、マスク本体部2を構成する各層5,6,7を、熱可塑性のある材料以外で構成することができる。
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
1 マスク
2 マスク本体部
2′ マスク本体部
3 耳掛け部
5 内側層
5a 内側面(表面)
6 外側層
7 吸湿層
21 フィルタ層
30 マスク
31 マスク本体部
32 耳掛け部

Claims (4)

  1. 着用者の顔面の対象部位を覆うマスク本体部と、このマスク本体部を前記着用者の耳に係止するための左右一対の耳掛け部と、を備えるマスクであって、
    前記マスク本体部は、
    前記着用者の顔面に接触する層である内側層を含む複数層構造を有しており、
    前記内側層は、
    前記着用者の顔面に接触する側の表面が撥水・撥油加工剤により撥水・撥油処理された、JIS Z 0208試験法に基づく透湿度が3500g/m/24hr以上である透湿性素材で構成されている
    ことを特徴とするマスク。
  2. 前記マスク本体部は、
    前記内側層の前記着用者側とは反対となる側に、吸湿性素材を20重量%以上含有する吸湿層を有している
    ことを特徴とする請求項1記載のマスク。
  3. 前記マスク本体部は、
    前記着用者側とは反対となる最も外側に位置する層である外側層を有しており、
    前記外側層は、
    JIS Z 0208試験法に基づく透湿度が3500g/m/24hr以上である透湿性素材で構成されている
    ことを特徴とする請求項1または2記載のマスク。
  4. 前記マスク本体部は、
    前記吸湿層の前記着用者側とは反対となる側に、フィルタ機能を有するフィルタ層を有している
    ことを特徴とする請求項2または3記載のマスク。
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