JP2018172804A - マスク - Google Patents

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Abstract

【課題】メイクアップ化粧料の種類にかかわらずマスクへの化粧料の付着を防止でき、快適性に優れるマスクの提供。【解決手段】使用者の顔面の少なくとも一部を覆うためのマスク本体と、前記マスク本体の両側に設けられた耳掛け部とを備えたマスクであって、前記マスク本体がその内側面の左右両側縁部と上下側縁部に接顔布を有することを特徴とするマスク。【選択図】図1

Description

本発明は、主に女性が化粧落ちや化粧直しを気にすることなく、長時間快適に装着できるマスクに関する。
近年、花粉症対策・風邪予防等に効果的なマスクの需要が高まっている。マスクは、使用時にマスク本体が立体的な形状に変形し、顔面の形状にフィットするように、不織布等からなるマスク本体に横方向にプリーツ加工を施したプリーツ加工型マスクや、マスク本体の中心部で2枚のシート部材を合掌形様に接合した立体成形型マスクが一般的である(例えば、特許文献1、2)。
しかしながら、従来のマスクでは、特に女性の使用時には、ファンデーションや口紅等のメイクアップ化粧料がマスクの内側面に付着することがある。化粧料が付着したマスクを長時間そのまま使い続けると、不快で衛生的に好ましくない。また、人前でマスクを外すときには化粧落ちや化粧直しを気にしてしまい、心理的・精神的にも好ましくない。
そこで、マスクへの化粧料の付着を防止すべく、例えば、マスクの内側面にはっ水はつ油加工剤によりはっ水はつ油処理を施した女性用マスクが提案されている(特許文献3)。
特開2007−61536号公報 特開2007−54381号公報 特開2009−118960号公報
前記特許文献3のマスクによれば、マスクの内側面のはっ水はつ油処理により化粧料の水分や油分をはじき、マスクに化粧料が付着するのを防止することができる。ところが、メイクアップ化粧料には、粉体を主体とした粉末固形タイプや粉末タイプも多く、従来のはっ水はつ油処理では斯かる粉末系の化粧料に対する防汚効果が十分ではなかった。
また、マスクの内側面の広範囲の部分に行うはっ水はつ油処理によってマスク内湿度が上がりやすく、却って化粧崩れを引き起こす場合や、快適性を損なう場合があった。
従って、本発明は、メイクアップ化粧料の種類にかかわらずマスクへの化粧料の付着を防止でき、快適性に優れるマスクを提供することを課題とする。
本発明者は、上記の課題を解決すべく種々研究を重ねた結果、化粧料は、マスク本体の左右両側縁部と上下側縁部から中へ10mm前後離れた部分に集中して付着することを見出した。これは、マスクの内側面の不織布がこの部分に物理的に接触する回数が多く、顔に付着した化粧料が剥ぎ取られるためであった。
そこで、さらに鋭意研究したところ、マスク本体の内側面の左右両側縁部と上下側縁部に接顔布を設ければ、極めて良い結果が得られることを見い出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、使用者の顔面の少なくとも一部を覆うためのマスク本体と、前記マスク本体の両側に設けられた耳掛け部とを備えたマスクであって、前記マスク本体がその内側面の左右両側縁部と上下側縁部に接顔布を有することを特徴とするマスクにより上記課題を解決したものである。
本発明のマスクによれば、マスク本体の内側面の四方に設けられた接顔布によりマスク本体と顔との接触面積が少なくなるため、メイクアップ化粧料の種類にかかわらずマスクへの化粧料の付着を防止することができる。
本発明マスクの内側(顔面に触れる側)の正面説明図である。 図2のA−A線端面説明図である。
以下本発明の実施の形態を図面と共に説明する。
図1において、10はマスクで、使用者の顔面の一部(例えば、口や鼻孔の周辺)を覆うための多層構造を有するマスク本体11と、当該マスク本体11の両側に取り付けられた、細紐製の耳掛け部12によって構成されている。
マスク10は所謂「プリーツ加工型」と呼ばれる形態のもので、マスク本体11は、複数(図1では4本)の横方向の折り目14から形成されるプリーツ(襞)16を有している。当該プリーツ16は、使用前では2つの略Ω字状に折り畳まれており、これを使用時に展開するとマスク10の外側に向かって膨らむ立体形状となるように構成されている。このように、マスク本体11がプリーツ加工されることで、使用者の唇や口元がマスク本体11の内側面と物理的に接触することが少なくなるので、メイクアップ化粧料の付着防止に好適であり、また、装着時の呼吸や会話の妨げになり難くなる。
マスク本体11を構成する材料としては、一般にマスクの材料として周知のものを用いることができる。例えば、ポリエステル系繊維、ポリプロピレン系繊維、ナイロン系繊維、ウレタン系繊維、アセテート系繊維、ポリエチレン系繊維、レーヨン、コットン、羊毛等からなる不織布、ガーゼ、紙、透湿性樹脂シート等が挙げられる。
なかでも、生産性、保形性の観点から、不織布が好ましく、ポリエステル系繊維、ポリプロピレン系繊維からなる不織布がより好ましく、特にポリプロピレンからなる不織布が好ましい。
マスク本体11は、例えば、縫製、超音波溶着、熱融着等により適宜形成することができる。
マスク本体11は、単層構造又は多層構造のいずれでもよいが、ホコリ、花粉、ウイルス、又はPM2.5等の異物の除去、プリーツの立体形状の保持、及び耐久性の観点から、2〜7層の多層構造であることが好ましく、2〜6層の多層構造であることが更に好ましく、3〜5層の多層構造であることが特に好ましい。具体的には、図2の(a)、(b)に示すように、マスクの外側(顔面に触れる側とは反対側)から内側(顔面に触れる側)に向かって、最外層21、中間層22a、中間層22b、最内層23の4層からなることが好ましい。この場合、最外層21、中間層22a、22b、最内層23としては、前記不織布を用いることが好ましく、中間層22a、中間層22bはポリプロピレン系繊維、ポリプロピレン系繊維からなる不織布を、最内層23はポリプロピレン系繊維からなる不織布を用いることが好ましい。最内層23の不織布の剛軟度及び摩擦係数(MIU)は、後述する接顔布17の剛軟度及び摩擦係数(MIU)と同じであることが好ましい。
最外層21、中間層22a、中間層22b、最内層23には、着色、抗菌性、保湿性等を付与してもよい。
中間層22a、中間層22bと最内層23の間には、香料を有する不織布層を設けてもよい。香料としては、アロマ系等の香り、例えば、ローズ、カモミール、ジャスミン、ラベンダー、ベルガモット、グレープフルーツ、ペパーミント、スペアミント、ハッカ、セージ、タイム、ユーカリ、アニス、アンジェリカ、安息香、イモーテル、ガーリック、カルダモン、ガルバナム、キャラウェイ、キャロットシード、グアヤックウッド、サイブレス、シダーウッド、スターアニス、セージ、ゼラニウム、セロリ、タラゴン、テレピン、乳香、バイオレット、パイン、パセリ、フェンネル、ブラックペッパ、ボダイジュ花、レモン、レモングラス、ローズマリー、ローレル、シモツケギク、シモツケソウ、ヤグルマギク、アーモンド、アルニカ、ウイキョウ、エニシダ、クレソン、ゲンチアナ、ショウノウ、スモモ、セイヨウナシ、タイソウ、タンポポ、チモ、チョレイ、トウガシ、ノイバラ、トネリコ、ブクリョウ、メリッサ、モモ、ヤドリギ、ヨクイニン、レンギョウ、オレンジ・スイート、クラリセージ、サンダルウッド、フランキンセンス、スイートマージョラム、ネロリ、ティートリーマートル、杉胚油、ヒノキチオール、イランイラン、バニラ、ヘキセノール、ムスク等が好ましく、ローズ、カモミール、ジャスミン、ラベンダー、ベルガモット、グレープフルーツ、ペパーミントが更に好ましい。
香料を有する不織布層は、マスク本体11の全体に設けてもよいが、香りの強さと持続性の観点から、マスク本体11の鼻孔の周辺を覆う部分、例えばマスク本体の中央部に設けることが好ましい。鼻孔の周辺に香料を有する不織布層を設けることで、香料から発生する香りが着用者の鼻孔粘膜に達し易くなり、息苦しさを感じ難くなる。
香料を有する不織布層の寸法は、香りと持続時間を考慮して適宜決定すればよい。例えば、縦方向の長さとしては、70〜120mmであることが好ましく、60〜100mmであることが更に好ましく、50〜90mmであることが特に好ましい。横方向の長さとしては、130〜210mmであることが好ましく、に100〜190mmであることが更に好ましく、70〜180mmであることが特に好ましい。
香料は、そのまま使用してもよいが、手でたたく、手でもむ等の外力を加えることによって容易に破壊することができ再びフレッシュな香りを楽しむため、マイクロカプセル化した香料を使用することができる。
耳掛け部12を構成する材料としては、ウレタン系繊維、ナイロン系繊維、ポリエステル系繊維、ポリプロピレン系繊維等からなる織布、不織布、又は編紐が挙げられる。
マスク本体11は、その内側面の左右両側縁部LとRと、上下側縁部SとBに接顔布17を有する。左側縁部L、及び右側縁部Rの接顔布17は、マスク装着時に前記プリーツ16の展開によりマスク本体11から起立した状態となる。当該接顔布17を起立状態とすることで、マスク本体11が顔に当接する面積が少なくなり、マスク10へのメイクアップ化粧料の付着を防止することができる。接顔布17を起立させる観点から、左右両側縁部LとRの接顔布17の伸縮率は、マスク本体の縦方向への伸縮率より低いものが好ましい。尚、プリーツ加工型マスクの場合の伸縮率は、使用前のマスクと使用時のプリーツを開いて立体形状とした立体型マスクの長さを比較して求めることができる。
図1において、接顔布17は、マスク本体11に固定されている。特に、上側縁部Sの接顔布17は、マスク本体11の外側(顔面に触れる側とは反対側)から内側(顔面に触れる側)に向かって折り返されて固定されている。この際、通気性、使用感、及びメイクアップ化粧料の付着を一層防止の観点から、上下側縁部SとBの接顔布17は、左右両側縁部LとRの接顔布17の下に位置するように固定されることが好ましい。
接顔布17は、マスク本体11に、例えば縫製、超音波溶着、熱融着等により固定することができる。
接顔布17を構成する材料としては、前記織布又は不織布が挙げられる。なかでも、使用感又は経済性の観点から、ナイロン系繊維、ポリエチレン系繊維、ポリプロピレン系繊維からなる不織布が好ましく、特にナイロン系繊維からなる不織布が好ましい。
接顔布17は、JIS L1096に規定する剛軟度(45°カンチレバー法)が20〜70mmであることが好ましく、30〜60mmであることが更に好ましく、40〜50mmであることが特に好ましい。剛軟度が70mm以下であると、柔軟性があり、装着時にゴワゴワとした感触が弱く、肌触りが好くなる。一方、剛軟度が20mm以上であると保形性が高くなり、装着中の呼吸の際にペコペコと変形しずらく不快感を生じにくい。
本明細書における剛軟度は、JIS L1096 8.21.1A法(45° カンチレバー法)でタテ(MD)方向(不織布シートの搬送方向)を測定することができる。測定方法は、試料をタテ(MD方向)20cm×ヨコ(CD方向)20cmに切り取り、KES表面試験装置に試料を所定の荷重をかけて取り付け、摩擦子には試料を摩擦方向がタテになるようにセットし、標準測定条件(試料張力:400g,表面測定試料移動速度:1mm/sec,初期荷重:50g)でMIU(摩擦係数)を測定する。タテ(MD)方向を3回測定し、その平均で示す。なお、数値が小さい方が、摩擦抵抗が少ないことを意味する。
また、接顔布17は、顔肌に接する面の摩擦係数(MIU)が0.05〜0.4であることが好ましく、0.08〜0.3であることが更に好ましく、0.1〜0.2であることが特に好ましい。摩擦係数(MIU)が0.05以上であると、製造時の滑りによる不良発生を生じにくく、歩留まりが高くなる。一方、0.4以下であると平滑性が良くなり、毛羽立ちが生じにくくなる。また、なめらかな肌触りが得られ、良好な装着感が得られる。
本明細書における摩擦係数(MIU)は、表面摩擦試験装置を用いて測定し、平均摩擦係数を求める。測定方法は、JIS L1096 8.21.1A法(45° カンチレバー法)にてタテ(MD)方向の剛軟度を測定することができる。
接顔布17は、単層又は2層以上の多層構造とすることができるが、好ましくは単層である。単層とすることでマスク内湿度が上がりにくく、化粧崩れが生じにくくなる。また、接顔布にコシがでにくいため、装着時における使用感が好くなる。
接顔布17の厚みは、マスク内湿度が上がり、化粧崩れが生じるのを防止する観点から、好ましくは0.01〜0.6mmであり、更に好ましくは0.03〜0.5mm、特に好ましくは0.05〜0.2mmである。接顔布の厚みを0.6mm以下と薄くすることでマスク内湿度が上がりにくく、化粧崩れが生じにくくなる。また、接顔布にコシがでにくいため、装着時における使用感が好くなる。
接顔布17の寸法17a、17b、17cは、マスク本体11の寸法にあわせて適宜決定すればよい。例えば、左側縁部Lと右側縁部Rの寸法17a場合、縦方向の長さとしては、50〜140mmであることが好ましく、50〜120mmであることが更に好ましく、70〜100mmであることが特に好ましい。また、横方向の長さとしては、5〜50mmであることが好ましく、8〜40mmであることが更に好ましく、10〜30mmであることが特に好ましい。
また、上側縁部Sの寸法17b場合、縦方向に好ましくは5〜30mm、更に好ましくは7〜25mm、特に好ましくは10〜20mm、横方向に好ましくは70〜210mm、更に好ましくは100〜190mm、特に好ましくは130〜170mmとすることができる。下側縁部Bの寸法17c場合は、縦方向に好ましくは10〜60mm、更に好ましくは15〜50mm、特に好ましくは20〜40mm、横方向に好ましくは70〜210mm、更に好ましくは100〜190mm、特に好ましくは130〜170mmとすることができる。
下側縁部の接顔布が左右両側縁部の接顔布の上、又は下のいずれに位置するように固定されてもよいが、特に下に位置するように固定される形態が好ましい。左右両側縁部の接顔布をマスク装着時に前記プリーツ16の展開によりマスク本体11から起立した状態にすることで、マスク10へのメイクアップ化粧料の付着を防止することができるからである。
上下側縁部及び左右両側縁部の四方に設けられた接顔布17の全面積は、マスク本体11の面積を1とした場合、0.2〜0.8であることが好ましく、0.3〜0.75であることが更に好ましく、0.4〜0.7であることが特に好ましい。接顔布の全面積を、マスク本体の面積1に対して0.8以下とすることで、通気性及び透湿度を良好に保ち、女性が長時間にわたって同じマスクを装着してもマスク内湿度が上がりにくく、化粧崩れを防げ、且つ、呼吸はしやすく快適性にも優れる。また、接顔布の面積を、マスク本体の面積1に対して0.2以上とすることで、使用初期の保湿力を発揮しつつ、マスクの最内層の不織布が顔に接触することにより塗布した化粧料が剥ぎ取られることを十分に抑制できる。
接顔布17は、はっ水はつ油加工剤及び/又はシリカ剤による処理が施されている。この処理により、水分や油分の多いファンデーションや口紅等のメイクアップ化粧料だけでなく、粉体を主体とした粉末固形タイプ又は粉末タイプのメイクアップ化粧料がマスクへ付着するのを一層防止することができる。
また、はっ水はつ油加工剤及び/又はシリカ剤による処理はマスク本体11の内側面の全面には施されておらず、上下側縁部及び左右両側縁部の四方に設けられた四方の接顔布17にだけ施されている形態が好ましい。本処理により、女性が長時間にわたって同じマスクを装着してもマスク内湿度が上がりにくく、化粧崩れを防げ、且つ、快適性にも優れる。はっ水はつ油加工剤及び/又はシリカ剤による処理は、接顔布17の表裏に施されていることが好ましい。接顔布17が、マスク装着時に前記プリーツ16の展開によりマスク本体11から起立した状態となることで、接顔布17の表裏のいずれに顔に当接しても、マスク10へのメイクアップ化粧料の付着を防止することができるからである。
尚、耳掛け部12にも、必要に応じてはっ水はつ油加工剤及び/又はシリカ剤による処理を施してもよい。
はっ水はつ油加工剤としては、人体に対して安全性の高い材料であれば周知のものを使用することができるが、皮膚に対し刺激が少ないものを使用することがより好ましい。例えば、フッ素系樹脂を含むフッ素系加工剤、シリコン系樹脂を含むシリコン系加工剤、パラフィン系加工剤、ワックス系加工剤等が挙げられる。なかでも、フッ素系加工剤を使用することが好ましい。
フッ素系加工剤としては、フッ素樹脂エマルション、フッ素樹脂水溶液等が挙げられる。
はっ水はつ油加工剤は、液状、粉末状等の種々の形態のものを使用できる。
シリカ剤としては、天然シリカや合成シリカを用いることができる。
合成シリカは、燃焼法やアーク法等で製造された乾式法シリカ、沈降法やゲル法等で製造された湿式法シリカを用いることができる。
シリカ剤は、軽質シリカ、又は重質シリカであってもよいし、無水シリカ、又は含水シリカであってもよい。
シリカ剤の一次粒子の平均径が、1〜500mμのものが好ましく、5〜100mμのものが更に好ましい。
はっ水はつ油加工剤及び/又はシリカ剤による処理方法としては、特に限定されず、スプレー、ロール、刷毛等の手段による塗布や含浸等の方法で添着・塗布することができる。
処理条件としては、例えば、はっ水はつ油加工剤としてフッ素系加工剤を使用した場合、処理温度は通常20℃〜70℃、好ましくは20℃〜40℃である。処理時間は、用いる材料の大きさや処理方法にもよるが、通常数秒から数分程度である。
はっ水はつ油加工剤とシリカ剤の添着・塗布後、適宜乾燥させることが好ましい。乾燥工程としては、通常100℃〜170℃で10秒から5分乾燥するが、好ましくは100℃〜120℃で10秒から5分乾燥し、更に150℃〜170℃で10秒から5分乾燥する二段階乾燥がよい。
はっ水はつ油加工剤とシリカ剤の使用量は適宜設定することができるが、マスクへの化粧料の付着を防止の観点から、はっ水はつ油加工剤の使用濃度は、好ましくは3〜40%owsで、更に好ましくは5〜30%owsで、特に好ましくは10〜20%owsである。シリカ剤の使濃度は好ましくは2〜30%owsで、更に好ましくは3〜25%owsで、特に好ましくは4〜20%owsである。
はっ水はつ油加工剤とシリカ剤の使用量の質量比は、はっ水はつ油加工剤としてフッ素系加工剤を使用した場合、好ましくは1:0.01〜5で、更に好ましくは1:0.1〜3で、特に好ましくは1:0.2〜1.5である。
本発明のマスク10には、目的に応じてノーズフィッター13を設けることができる。ノーズフィッター13は、マスク10を使用者の鼻に密接させるためにマスク本体11の上辺部分に設けられる。また、マウスバーを設けてもよい。マウスバーは、マスク10の立体形状を維持するためにマスク本体11の中央部に設けられる。
ノーズフィッターやマウスバーとしては、金属製、ポリエチレン製またはポリプロピレン製等から形成されるテープを使用することができる。
更に、本発明のマスク10には、細菌・ウィルス飛沫や花粉等の侵入を防止するためのメルトブロー不織布や、細菌の増殖を抑えるための抗菌性シート等を積層することもできる。
マスク本体11の寸法は、顔のサイズを考慮して適宜決定すればよい。例えば、縦方向の長さとしては、50〜140mmであることが好ましく、50〜120mmであることが更に好ましく、70〜100mmであることが特に好ましい。横方向に100〜200mmであることが更に好ましく、130〜180mmであることが特に好ましい。プリーツ加工が施されたマスク等の立体型マスクの場合、縦方向の長さとしては、100〜250mmであることが好ましく、130〜220mmであることが更に好ましく、150〜200mmであることが特に好ましい。
マスク本体11の圧力損失は、1〜6mmHO/cmであることが好ましく、1.5〜5HO/cmであることがさらに好ましく、2〜4mmHO/cmであることが特に好ましくい。圧力損失が高いと保湿力は向上するが息苦しくなり、圧力損失が低いと、呼吸はしやすいが、使用初期の保湿力に乏しい。尚、通気度は、MIL-M-36954C法により測定することができる。
上記した実施形態においては、プリーツ加工が施されたマスク10を一例として示したが、平面型マスク又は立体型マスクのいずれでもよく、使用感の観点から立体型マスクが好ましい。立体型マスクには、使用時にマスク本体が立体的な形状に変形し、顔面の形状にフィットするように、不織布等からなるマスク本体に横方向にプリーツ加工を施したプリーツ加工型マスクや、マスク本体の中心部で2枚のシート部材を合掌形様に接合した所謂立体成形型マスクと呼ばれる形態のマスクにも本発明を適用することができる。
以下、本発明について実施例をあげて具体的に説明するが、本発明はこれらによって何等限定されるものではない。
試験例1
10cm×10cmのスパンボンド式ナイロン不織布(目付20g/m)に対して、表1に示すはっ水はつ油加工剤(商品名:AsahiGuard E−SERIES AG−E061:AGC化学品カンパニー製)及びシリカ剤(商品名パナガード:大和化学工業製)による処理を施し試験片とした。
〔はつ油試験〕
AATCC 118−2002法に基づくはつ油試験により、各試験片のはつ油性を評価した。具体的には、試験片に対して0.6cmの高さから油滴を滴下し、滴下後30秒後に角度45°より目視で判定を行った。油滴と生地との接触角度、鏡面反射の度合いから評価した。界面での浸透や濡れ、また液滴が周辺に灯心状にひろがる形崩れ現象を起こさなかった試験液の等級をはつ油性等級とした。尚、1等級にも該当しないものは―とした。
[試験液の等級]
6:n−デカン
5:n−ドデカン
4:n−テトラデカン
3:n−ヘキサデカン
2:ヌジュール65:n−ヘキサデカン35(容量比)
1:ヌジュール
結果を表1に示す。
Figure 2018172804
〔防汚能の評価〕
JIS L 1919 A−2法に基づく防汚試験により、各試験片の防汚能を評価した。具体的には、ビニール袋(12号)に0.5gの粉体汚染物質2又は0.1gの粉末状の市販ファンデーション1〜3と試験片1枚を入れ、2.5Lの空気を封入し、これを1分間振盪後、汚染用グレースケール(JIS L 0805)に判定した。
尚、ファンデーション1は資生堂 マキアージュを、ファンデーション2はコーセーエスプリークを、ファンデーション3はカネボウRMKを意味する。
結果を表2に示す。
Figure 2018172804
表1及び表2より、はっ水はつ油加工剤にシリカ剤を配合してもはつ油性は低下しないことが確認され、更にはっ水はつ油加工剤及びシリカ剤による処理を施した試験片は、はつ油性と防汚能に優れていることが確認された。
製造例1(比較例)
プリーツ型マスク10(プリーツ展開前90mm×145mm:プリーツ展開後170mm×145mm)を調製した。
プリーツ型マスク10のマスク本体11には、マスクの内側から外側に向かって、ポリプロピレン不織布−ポリプロピレン不織布−ポリプロピレン不織布−ポリプロピレン不織布を使用した。また、マスク本体の上側縁部にはノーズフィッターを設けた。
製造例2(実施例)
ナイロン不織布を、フッ素樹脂エマルション(14%ows)及びシリカ剤(5%ows)に25℃にて数秒間含浸させた後、110℃で90秒乾燥し、更に160℃にて30秒乾燥させ、接顔布とした。これを製造例1のマスク本体の左右両側縁部と、上下側縁部に固定し、通常の方法でプリーツ加工型マスクとした。接顔布の寸法は、左右両側縁部25mm、下側縁部30mm、上側縁部15mmとし、上側縁部にはノーズフィッターを設けた。尚、上側縁部の接顔布は、外側(15mm)から内側(15mm)への折り返しを行った。
〔化粧移り評価〕
ファンデーションと口紅を用いて化粧をした被験者に、製造例1で得たマスクのプリーツを開いて立体形状で丸一日装着させた。また、別の日に、同様の化粧をした被験者に、製造例2で得たマスクのプリーツを開いて立体形状で丸一日装着させた。使用後、製造例1及び2について、マスクの内側面の化粧の付着具合、化粧直しの必要性、及びマスクと顔の密着性を評価した。
評価は以下の基準で行った。この評価結果を表3に示す。
(化粧の付着具合の評価)
・0点:化粧がほとんどついていない。
・1点:化粧がわずかについていた。
・2点:化粧がついていた。
・3点:化粧がかなりついていた。
(化粧直しの必要性の評価)
・必要:化粧直しが必要であった。
・不要:化粧直しは不必要であった。
(マスクと顔の密着性の評価)
・0点:隙間がほとんど認められない。
・1点:隙間がわずかに認められた。
・2点:隙間が認められた。
・3点:隙間がかなり認められた。
(快適性の評価)
・0点:肌触りが良い。
・1点:肌触りがやや良い。
・2点:肌触りがやや悪い。
・3点:肌触りが悪い。
Figure 2018172804
その結果、実施例(製造例2)のマスクは、比較例(製造例1)のマスクに比べて、化粧移りが少なく、化粧直しが不要で、また、隙間がほとんど認められなく、快適性に優れたものであることが確認された。
製造例3
ローズの香りを付与したプリーツ型マスクを調製した。
具体的には、実施例1のプリーツ型マスク10のマスク本体11の中間層22bと最内層23の間にローズの香りを含有したポリエステル不織布(80mm×145mm)をマスク本体11の鼻孔の周辺を覆う部分であるマスク中央部に設けた。
本マスクは、化粧移りが少なく、化粧直しが不要で、また、快適性に優れたものであるだけでなく、ローズの香りを長時間楽しめたため、息苦しさを感じ難くなり、更に快適性が向上した。
10 マスク
11 マスク本体
12 耳掛け部
13 ノーズフィッター
14 折り目
16 プリーツ
17 接顔布
17a、17b、17c 接顔布寸法
21 最外層
22a、22b 中間層
23 最内層
L 左側縁部
R 右側縁部
S 上側縁部
B 下側縁部

Claims (6)

  1. 使用者の顔面の少なくとも一部を覆うためのマスク本体と、前記マスク本体の両側に設けられた耳掛け部とを備えたマスクであって、
    前記マスク本体がその内側面の左右両側縁部と上下側縁部に接顔布を有することを特徴とするマスク。
  2. 前記マスク本体の形状が立体型である請求項1記載の立体型マスク。
  3. 前記上下側縁部の接顔布が左右両側縁部の接顔布の下に位置するように固定されている請求項1又は2記載のマスク。
  4. 前記左右両側縁部と上下側縁部に接顔布の厚みが0.01〜0.6mmである請求項1〜3のいずれか1項記載のマスク。
  5. 前記マスク本体の内側面の接顔布が、はっ水はつ油加工剤及び/又はシリカ剤により処理されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のマスク。
  6. 前記はっ水はつ油加工剤がフッ素系加工剤である請求項5記載のマスク。
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