JP2002249695A - インク、ポリマー粒子の水分散体及びインクジェット記録用水系インク - Google Patents

インク、ポリマー粒子の水分散体及びインクジェット記録用水系インク

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JP2002249695A JP2001284835A JP2001284835A JP2002249695A JP 2002249695 A JP2002249695 A JP 2002249695A JP 2001284835 A JP2001284835 A JP 2001284835A JP 2001284835 A JP2001284835 A JP 2001284835A JP 2002249695 A JP2002249695 A JP 2002249695A
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大 池水
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 色画像の耐光性に優れ、良好な色再現性を示
し、色調に優れたインク、ポリマー粒子の水分散体及び
インクジェット記録用水系インクの提供。 【解決手段】 一般式1、2又は3の金属錯体色素を含
有するインク。 (X11、X12は金属イオンと2座の配位結合を形成
可能な基。Y11は芳香族炭化水素環基または5員、6
員の複素環基または−L=Y14、Y12、Y13
14は各々芳香族炭化水素環基または5員、6員の複
素環基。L、Lはメチン基又は窒素原子、L、L
、L、Lはメチン基。Mは金属イオン、m1、m
2は0、1、2又は3の整数、n1、n2、n3は1、
2または3の整数。X11、Y11、Y12、X12
13が、シラノール基と水素結合可能な基を2個以上
有し、2個以上有する基がすべて同じであっても異なっ
ていても良く、金属錯体色素は実質的に水不溶性で且つ
有機溶剤可溶性である。)上記、シラノール基と水素結
合可能な基としては、スルホンアミド基、リン酸アミド
基又はスルファミド基が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定(金属錯体)
の色素を含有するインク、特定(金属錯体)の色素を含
有するポリマー粒子の水分散体、ポリマー粒子の水分散
体を含有するインクジェット記録用水系インクに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録において、特に、色
調と色方式は、ピエゾ素子の電気−機械変換により液滴
を圧力吐出させる方式、電気−熱変換により気泡を発生
させて液滴を圧力吐出させる方式、静電力により液滴を
吸引吐出させる方式等に大別される。
【0003】インクジェット用のインクは、たとえば上
記から選択される記録方式に適合すること、高い記録画
像濃度を有し色調が良好であること、耐光性、耐熱性お
よび耐水性といった色画像堅牢性に優れること、被記録
媒体に対して定着が速く記録後ににじまないこと、イン
クとしての保存性に優れていること、毒性や引火性とい
った安全性に問題がないこと、安価であること等が要求
される。
【0004】このような観点から、種々のインクが提
案、検討されているが、前記要求の多くを同時に満足す
るようなインクはいまだ開発されていない。
【0005】イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックを
用いたカラー画像記録においては、たとえばC.I.イ
ンデックスに記載されている従来から公知のC.I.ナ
ンバーを有する染料、顔料が広く検討されてきた。
【0006】C.I.アシッドレッド52のようなキサ
ンテン系、C.I.ダイレクトレッド20のようなアゾ
系の水溶性染料を使用したものが知られているが、前者
は耐光性のような堅牢性に問題を有し、後者は色調の鮮
明性に欠けるといった色再現性に問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、色画
像の耐光性に優れ、色調に優れたインク、ポリマー粒子
の水分散体及びインクジェット記録用水系インクを提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は以下
の構成により達成される。
【0009】1.前記一般式(1)、一般式(2)又は
一般式(3)で表される金属錯体色素を含有することを
特徴とするインク。
【0010】2.前記シラノール基と水素結合可能な基
がスルホンアミド基、リン酸アミド基又はスルファミド
基であることを特徴とする前記1に記載のインク。
【0011】3.前記X11が前記一般式(4)、
(5)、(6)又は(7)で表されることを特徴とする
前記1又は2に記載のインク。
【0012】4.前記X12が前記一般式(8)、
(9)、(10)又は、(11)で表されることを特徴
とする前記1又は2に記載のインク。
【0013】5.前記一般式(1)、(2)又は(3)
で表される金属錯体色素を含有することを特徴とするポ
リマー粒子の水分散体 6.前記5に記載のポリマー粒子の水分散体を含有する
ことを特徴とするインクジェット記録用水系インク 7.前記ポリマー粒子の平均粒径が20〜200nmで
あることを特徴とする前記6に記載のインクジェット記
録用水系インク。
【0014】以下、本発明を更に詳細に述べる。一般式
(1)及び一般式(2)において、X11は、金属イオン
と少なくとも2座の配位結合を形成可能な構造で、一般
式(1)及び一般式(2)として色素を形成できるもの
なら何でもよく、例えば、5−ピラゾロオン、イミダゾ
ール、ピラゾロピロール、ピラゾロイミダゾール、ピラ
ゾロトリアゾール、ピラゾロテトラゾール、バルビツー
ル酸、チオバルビツール酸、ローダニン、ヒダントイ
ン、チオヒダントイン、オキサゾロン、イソオキサゾロ
ン、インダンジオン、ピラゾリジンジオン、オキサゾリ
ジンジオン、ヒドロキシピリドンまたはピラゾロピリド
ンが好ましい。
【0015】X11としては下記一般式(12)〜(1
9)で表されるものが特に好ましい。X12としては下記
一般式(20)〜(27)で表されるものが特に好まし
い。
【0016】
【化4】
【0017】
【化5】
【0018】式中、R21、R22、R23は各々水素原子、
ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原
子)又は一価の置換基(例えばアルキル基、アリール
基、ヘテロ環基、アシル基、アミノ基、ニトロ基、シア
ノ基、アシルアミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、
アルコキシカルボニル基、)を表し、R7は水素原子又
は一価の置換基(例えばアルキル基、アリール基、ヘテ
ロ環基、アシル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、ア
シルアミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、アルコキ
シカルボニル基、)を表す。Lは炭素原子又は窒素原子
を表し、QはLとともに含窒素複素環を形成する原子を
表す。
【0019】QがLとともに形成することのできる含窒
素複素環としては、ピロール環、ピロリジン環、ピラゾ
ール環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール
環、トリアゾール環、チアジアゾール環、ピリジン環、
ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン
環、インドール環、ベンゾチアゾール環、ベンズイミダ
ゾール環等を挙げることができる。
【0020】前記一般式(1)、一般式(2)、一般式
(3)において、Y11、Y12、Y13の好ましい具体例と
しては、ベンゼン環、フラン環、ピロール環、チオフェ
ン環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール
環、チアジアゾール環、オキサゾール環、チアゾール
環、ピラン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン
環、ピラジン環、トリアジン環、ナフタレン環、ベンゾ
フラン環、インドール環、ベンゾチオフェン環、ベンズ
イミダゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンズオキサゾ
ール環、プリン環、キノリン環、イソキノリン環、クマ
リン環、クロモン環、3H−ピロール環、3H−ピロリ
ジン環、オキサゾリジン環、イミダゾリジン環、チアゾ
リジン環、3H−インドール環、インダンジオン環等を
挙げることができる。
【0021】これらの環は更に他の炭素環(例えばベン
ゼン環)や複素環(例えばピリジン環)と縮合環を形成
してもよい。環上の置換基としてはアルキル基、アリー
ル基、ヘテロ環基、アシル基、アミノ基、ニトロ基、シ
アノ基、アシルアミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシル
基、ヒドロキシル基の塩、アルコキシカルボニル基、ハ
ロゲン原子等であり、それらの基は更に置換されていて
も良い。
【0022】一般式(1)、(2)、(3)において、
11、Y11、Y12、X12、Y13は、被記録媒体中のシラ
ノール基と水素結合可能な基を2個以上有し、2個以上
有する基がすべて同じであっても異なっていても良い。
【0023】上記、被記録媒体中のシラノール基と水素
結合可能な基としては、スルホンアミド基、リン酸アミ
ド基又はスルファミド基が本発明の効果をより奏する点
で好ましい。
【0024】前記ヒドロキシル基の塩は、下記一般式
(28)で表される。 一般式(28) −O-+ 式中、M+は、1価の有機又は無機のカチオンを表し、
無機のカチオンとして好ましくはナトリウム、カリウム
のカチオンが挙げられる。
【0025】有機のカチオンとしては有機塩基のプロト
ン付加体もしくは4級アンモニウムカチオンが好まし
く、有機塩基として好ましくはアルキルアミン(例え
ば、メチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン
など)、アリールアミン(例えば、アニリン、ジフェニ
ルアミン、N,N−ジメチルアニリンなど)、アミジン
類(ベンズアミジン、アセトアミジン、1,5−ジアゾ
ビシクロ(4,3,0)−5−ノネン、1,8−ジアザ
ビシクロ(5,4,0)−7−ウンデセンなど)、グア
ニジン類(例えばテトラメチルグアニジン、ジフェニル
グアニジンジメチルジフェニルグアニジン、ジピペリド
グアニジン、ビスグアニジンなど)、含窒素複素環化合
物(例えば、ピリジン、キノリン、イミダゾール、ピロ
リジン、モルホリン、4−N,N−ジメチルアミノピリ
ジンなど)が挙げられる。4級アンモニウムカチオンと
しては例えばテトラメチルアンモニウム、テトラエチル
アンモニウム、トリメチルベンジルアンモニウム、テト
ラブチルアンモニウムなどのカチオンが挙げられる。
【0026】以下に前記一般式(1)、一般式(2)及
び一般式(3)で表わされる色素の具体例を示すが、本
発明はこれらに限定されるものではない。
【0027】
【化6】
【0028】
【化7】
【0029】
【化8】
【0030】
【化9】
【0031】
【化10】
【0032】本発明の一般式(1)、一般式(2)及び
一般式(3)で表わされる金属錯体色素が実質的に水不
溶性とは、水に対する溶解度が0.1質量%以下を表
し、0.01質量%以下であることがより好ましい。実
質的に有機溶剤可溶性とは、有機溶剤に対する溶解度が
1.0質量%以上であることを表す。有機溶剤としては
具体的に、トルエン、酢酸エチル、メチルエチルケト
ン、アセトン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、テト
ラヒドロフランなどが挙げられ、好ましくは酢酸エチル
が挙げられる。
【0033】次ぎに、本発明の一般式(1)、(2)及
び(3)の色素の合成例を示す。 合成例1(例示色素D−11の合成)
【0034】
【化11】
【0035】200mlナスフラスコ中に化合物(a)
5.0g、化合物(b)9.0g及びトルエン120m
lを入れ、ピペリジン1.76gを加えて3時間加熱還
流する。その後室温まで冷却すると、赤色の結晶が析出
した。析出物をろ別し、エタノールで洗浄し、赤色の結
晶9.5g(化合物(c))を82%の収率で得た。N
MRスペクトル及びmassスペクトルにより目的物で
あることを確認した。
【0036】化合物(c)2.0gをメタノール20m
lに懸濁撹拌し、これに塩化ニッケル6水和物0.50
gをメタノール10mlに溶解した溶液を加えた。2時
間加熱還流し、その後冷却すると金属光沢を有する緑色
結晶が析出した。これをろ別し、メタノール20mlで
氷冷下撹拌洗浄を2度繰返し、乾燥して、目的の金属錯
体色素(例示色素D−11)を1.65g得た。
【0037】合成例2(例示色素D−18の合成)
【0038】
【化12】
【0039】100mlナスフラスコ中に化合物(d)
6.3g、化合物(e)1.9g、DMF50mlを加
え、室温で撹拌しながらここにトリエチルアミン1.7
gを滴下する。一度完溶しそのまま室温で2時間撹拌す
る。析出した結晶をろ別し、アセトン洗浄し乾燥して
4.7gの赤色結晶(化合物(f))を得た。NMRス
ペクトル、massスペクトルにより目的物であること
を確認した。
【0040】化合物(f)2.0gをメタノール20m
lに懸濁撹拌し、これに酢酸ニッケル4水和物0.32
gをメタノール10mlに溶解した溶液を加えた。30
分加熱還流し、その後冷却すると金属光沢を有する緑色
結晶が析出した。これをろ別し、メタノール20mlで
氷冷下撹拌洗浄を2度繰返し、乾燥して、目的の金属錯
体色素(例示色素D−18)を1.35g得た。
【0041】本発明の一般式(1)、(2)及び(3)
の色素を含有するインクは水系インク、油系インク、固
体(相変化)インク等、種々に用いることができるが、
水系インクを特に好ましく用いることができる。
【0042】水系インクは、本発明の色素の他に溶剤と
して水と水溶性有機溶媒を一般に使用する。
【0043】水溶性有機溶媒の例としては、アルコール
類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、
イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカ
ンダリーブタノール、ターシャリーブタノール、ペンタ
ノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジル
アルコール等)、多価アルコール類(例えば、エチレン
グリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリ
コール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタン
ジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグ
リコール等)、多価アルコールエーテル類(例えば、エ
チレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコ
ールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチ
ルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコ
ールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブ
チルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル
アセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチ
レングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリ
コールモノフェニルエーテル等)、アミン類(例えば、
エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノー
ルアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチル
ジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリ
ン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチ
レンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチ
レンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テト
ラメチルプロピレンジアミン等)、アミド類(例えば、
ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N
−ジメチルアセトアミド等)、複素環類(例えば、2−
ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキ
シルピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチ
ル−2−イミダゾリジノン等)、スルホキシド類(例え
ば、ジメチルスルホキシド等)、スルホン類(例えば、
スルホラン等)、尿素、アセトニトリル、アセトン等が
挙げられる。
【0044】上記のような水系インクには、色素を種々
の分散機(例えば、ボールミル、サンドミル、アトライ
ター、ロールミル、アジテーターミル、ヘンシェルミキ
サー、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミ
ル、ジェットミル、オングミル等)を用いて微粒子化す
るか、カプセル化するか、あるいは可溶である有機溶媒
に色素を溶解した後に、高分子分散剤や界面活性剤とと
もにその溶媒系に分散させることができる。このような
水系インクの具体的調製法については、例えば特開平5
−148436号、同5−295312号、同7−97
541号、同7−82515号、同7−118584号
等の公報に記載の方法を参照することができる。
【0045】油系インクは、本発明の色素の他に溶媒と
して有機溶媒を使用する。油系インクの溶媒の例として
は、上記水系インクにおいて水溶性有機溶媒として例示
したものに加えて、アルコール類(例えば、ペンタノー
ル、ヘプタノール、オクタノール、フェニルエチルアル
コール、フェニルプロピルアルコール、フルフリルアル
コール、アニルアルコール等)、エステル類(エチレン
グリコールジアセテート、エチレングリコールモノメチ
ルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチ
ルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテ
ート、酢酸エチル、酢酸アミル、酢酸ベンジル、酢酸フ
ェニルエチル、酢酸フェノキシエチル、フェニル酢酸エ
チル、プロピオン酸ベンジル、安息香酸エチル、安息香
酸ブチル、ラウリン酸ブチル、ミリスチン酸イソプロピ
ル、リン酸トリエチル、リン酸トリブチル、フタル酸ジ
エチル、フタル酸ジブチル、マロン酸ジエチル、マロン
酸ジプロピル、ジエチルマロン酸ジエチル、コハク酸ジ
エチル、コハク酸ジブチル、グルタル酸ジエチル、アジ
ピン酸ジエチル、アジピン酸ジプロピル、アジピン酸ジ
ブチル、アジピン酸ジ(2−メトキシエチル)、セバシ
ン酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチ
ル、マレイン酸ジオクチル、フマル酸ジエチル、フマル
酸ジオクチル、ケイ皮酸−3−ヘキセニル等)、エーテ
ル類(例えば、ブチルフェニルエーテル、ベンジルエチ
ルエーテル、ヘキシルエーテル等)、ケトン類(例え
ば、ベンジルメチルケトン、ベンジルアセトン、ジアセ
トンアルコール、シクロヘキサノン等)、炭化水素類
(例えば、石油エーテル、石油ベンジル、テトラリン、
デカリン、ターシャリーアミルベンゼン、ジメチルナフ
タリン等)、アミド類(例えば、N,N−ジエチルドデ
カンアミド等)が挙げられる。
【0046】上記のような油系インクにおいて、色素は
そのまま溶解させて用いることができ、また樹脂状分散
剤や結合剤を併用して分散または溶解させて用いること
もできる。
【0047】このような油系インクの具体的調製法につ
いては、特開平3−231975号、特表平5−508
883号等の公報に記載の方法を参照することができ
る。固体(相変化)インクは、本発明のインクの他に溶
媒として室温で固体であり、かつインクの加熱噴射時に
は溶融した液体状である相変化溶媒を使用することがで
きる。
【0048】このような相変化溶媒としては、天然ワッ
クス(例えば、密ロウ、カルナウバワックス、ライスワ
ックス、木ロウ、ホホバ油、鯨ロウ、カンデリラワック
ス、ラノリン、モンタンワックス、オゾケライト、セレ
シン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワッ
クス、ペトロラクタム等)、ポリエチレンワックス誘導
体、塩素化炭化水素、有機酸(例えば、パルミチン酸、
ステアリン酸、ベヘン酸、チグリン酸、2−アセトナフ
トンベヘン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ジヒド
ロキシステアリン酸等)、有機酸エステル(例えば、上
記した有機酸のグリセリン、ジエチレングリコール、エ
チレングリコール等のアルコールとのエステル等)、ア
ルコール(例えば、ドデカノール、テトラデカノール、
ヘキサデカノール、エイコサノール、ドコサノール、テ
トラコサノール、ヘキサコサノール、オクタコサノー
ル、ドデセノール、ミリシルアルコール、テトラセノー
ル、ヘキサデセノール、エイコセノール、ドコセノー
ル、ピネングリコール、ヒノキオール、ブチンジオー
ル、ノナンジオール、イソフタリルアルコール、メシセ
リン、テレアフタリルアルコール、ヘキサンジオール、
デカンジオール、ドデカンジオール、テトラデカンジオ
ール、ヘキサデカンジオール、ドコサンジオール、テト
ラコサンジオール、テレビネオール、フェニルグリセリ
ン、エイコサンジオール、オクタンジオール、フェニル
プロピレングリコール、ビスフェノールA、パラアルフ
ァクミルフェノール等)、ケトン(例えば、ベンゾイル
アセトン、ジアセトベンゼン、ベンゾフェノン、トリコ
サノン、ヘプタコサノン、ヘプタトリアコンタノン、ヘ
ントリアコンタノン、ヘプタトリアコンタノン、ステア
ロン、ラウロン、ジアニソール等)、アミド(例えば、
オレイン酸アミド、ラウリル酸アミド、ステアリン酸ア
ミド、リシノール酸アミド、パルミチン酸アミド、テト
ラヒドロフラン酸アミド、エルカ酸アミド、ミリスチン
酸アミド、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、N−
ステアリルエルカ酸アミド、N−オレイルステアリン酸
アミド、N,N’−エチレンビスラウリン酸アミド、
N,N’−エチレンビスステアリン酸アミド、N,N’
−エチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−メチレン
ビスステアリン酸アミド、N,N’−エチレンビスベヘ
ン酸アミド、N,N’−キシリレンビスステアリン酸ア
ミド、N,N’−ブチレンビスステアリン酸アミド、
N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’−ジ
ステアリルアジピン酸アミド、N,N’−ジオレイルセ
バシン酸アミド、N,N’−システアリルセバシン酸ア
ミド、N,N’−ジステアリルテレフタル酸アミド、
N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミド、フェナセ
チン、トルアミド、アセトアミド、オレイン酸2量体/
エチレンジアミン/ステアリン酸(1:2:2のモル
比)のような2量体酸とジアミンと脂肪酸の反応生成物
テトラアミド等)、スルホンアミド(例えば、パラトル
エンスルホンアミド、エチルベンゼンスルホンアミド、
ブチルベンゼンスルホンアミド等)、シリコーン類(例
えば、シリコーンSH6018(東レシリコーン)、シ
リコーンKR215、216、220(信越シリコー
ン)等)、クマロン類(例えば、エスクロンG−90
(新日鐵化学)等)、コレステロール脂肪酸エステル
(例えば、ステアリン酸コレステロール、パルミチン酸
コレステロール、ミリスチン酸コレステロール、ベヘン
酸コレステロール、ラウリン酸コレステロール、メリシ
ン酸コレステロール等)、糖類脂肪酸エステル(ステア
リン酸サッカロース、パルミチン酸サッカロース、ベヘ
ン酸サッカロース、ラウリン酸サッカロース、メリシン
酸サッカロース、ステアリン酸ラクトース、パルミチン
酸ラクトース、ミリスチン酸ラクトース、ベヘン酸ラク
トース、ラウリン酸ラクトース、メリシン酸ラクトース
等)が挙げられる。
【0049】固体インクの固体−液体相変化における相
変化温度は60℃以上であることが好ましく、80〜1
50℃であることがより好ましい。
【0050】上記のような固体インクにおいて、加熱し
た溶融状態の溶媒に本発明の色素をそのまま溶解させて
用いることができ、また樹脂状分散剤や結合剤を併用し
て分散または溶解させて用いることもできる。
【0051】このような固体インクの具体的調製法につ
いては、特開平5−186723号、同7−70490
号等の公報に記載の方法を参照することができる。
【0052】上記したような水系、油系、固体の各イン
クは、その飛翔時の粘度として40cps以下が好まし
く、30cps以下であることがより好ましい。
【0053】上記インクは、その飛翔時の表面張力とし
て2×10-4N/cm以上が好ましく、3.0×10-4
〜8.0×10-4N/cmであることがより好ましい。
【0054】本発明の色素は、全インク質量の0.1〜
25質量%の範囲で使用されることが好ましく、0.5
〜10質量%の範囲であることがより好ましい。
【0055】上記インクは、吐出安定性、プリントヘッ
ドやインクカートリッジ適合性、保存安定性、画像保存
性、その他の諸性能向上の目的に応じて、粘度調整剤、
表面張力調整剤、比抵抗調整剤、皮膜形成剤、分散剤、
界面活性剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、退色防止剤、
防ばい剤、防錆剤等を添加することもできる。
【0056】上記インクは、その使用する記録方式に関
して特に制約はないが、特にオンデマンド方式のインク
ジェットプリンタ用のインクとして好ましく使用するこ
とができる。
【0057】オンデマンド型方式としては、電気−機械
変換方式(例えば、シングルキャビティー型、ダブルキ
ャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモー
ド型、シェアードウォール型等)、電気−熱変換方式
(例えば、サーマルインクジェット型、バブルジェット
(登録商標)型等)、静電吸引方式(例えば、電界制御
型、スリットジェット型等)、放電方式(例えば、スパ
ークジェット型等)などを具体的な例として挙げること
ができる。
【0058】請求項5の発明のポリマー粒子の水分散体
は前記一般式(1)、(2)及び(3)で表される金属
錯体色素を含有することを特徴としている。
【0059】本発明のポリマー粒子の水分散体は、前記
本発明の金属錯体色素を含有するポリマーのサスペンジ
ョンからなり、該サスペンジョンは各乳化法で製造する
ことができる。
【0060】乳化法としては、各種の方法を用いること
ができる。それらの例は、例えば「機能性乳化剤・乳化
技術の進歩と応用展開 シーエムシー」の86ページの
記載記載されている。本発明においては、特に、超音
波、高速回転せん断、高圧による乳化分散装置を使用す
ることが好ましい。
【0061】超音波による乳化分散では、いわゆるバッ
チ式と連続式の2通りが使用可能である。バッチ式は比
較的少量の作製に適し、連続式は大量の作製に適する。
連続式では、たとえば、UH−600SR(株式会社エ
スエムテー製)のような装置を用いることが可能であ
る。このような連続式の場合、超音波の照射時間は、分
散室容積/流速×循環回数で求められることができる。
超音波照射装置が複数ある場合は、それぞれの照射時間
の合計として求められる。超音波の照射時間は3秒以上
であり、3秒未満で乳化が完了するのであれば、超音波
乳化分散装置を用いることはない。
【0062】また、照射時間が10,000秒以上であ
ると、工程の負荷が大きく、乳化剤の再選択などにより
乳化分散時間を短くすることが必要がある。従って、好
ましくは、10〜2,000秒である。
【0063】高速回転せん断による乳化分散装置として
は、「機能性乳化剤・乳化技術の進歩と応用展開シーエ
ムシー」の255〜256ページに記載されているよう
なディスパーミキサー、同251ページに記載されてい
るようなホモミキサー、同256ページに記載されてい
るようなウルトラミキサーなどが使用できる。これらの
分散装置は、乳化分散時の液粘度によって使いわけるこ
とができる。
【0064】これらの高速回転せん断による乳化分散機
では、撹拌翼の回転数が重要である。ステーターとのク
リアランスは通常0.5mm程度で、極端に狭くはでき
ないので、せん断力は主として撹拌翼の周速に依存す
る。
【0065】周速が5m/s〜150m/sであれば本
発明の乳化・分散に使用できる。周速が遅い場合、乳化
時間を延ばしても小粒径化が達成できない場合が多く、
150m/sにするにはモーターの性能を極端に上げる
必要がある。更に好ましくは20〜100m/sであ
る。
【0066】高圧による乳化分散では、LAB2000
(エスエムテー社製)などが使用できるが、その乳化・
分散能力は、試料にかけられる圧力に依存する。圧力は
9.8×106〜4.9×108Paが好ましい。また必
要に応じて数回乳化・分散を行い、目的の粒径を得るこ
とができる。圧力が低すぎる場合、何度乳化分散を行っ
ても目的の粒径は達成できない場合が多く、一方圧力を
4.9×108Paにするためには、装置に大きな負荷
がかかり実用的ではない。従って、更に好ましくは4.
9×107〜2.0×108Paである。
【0067】これらの乳化・分散装置は単独で用いても
よいが、必要に応じて組合せて使用することも可能であ
る。コロイドミルや、フォロージェットミキサなども単
独では本発明の目的を達成できないが、本発明の装置と
の組合せにより、短時間で乳化・分散を可能にするなど
本発明の効果を高めることが可能である。
【0068】また、本発明のポリマー粒子の水分散体
は、上記の装置を用いるほか、いわゆる転相乳化によっ
て製造することが可能である。
【0069】ここで、転相乳化は、上記ポリマーを、上
記色素と共にエステル、ケトンなどの有機溶剤に溶解さ
せ、必要に応じて中和剤を加えて該ポリマー中のカルボ
キシル基をイオン化し、次いで水相を加えた後、上記有
機溶剤を留去して水系に転相することからなる。転相が
完了した後、系を減圧下に加熱することにより、上記エ
ステル、ケトン系溶剤を除去すると共に、所定量の水を
除去して、所望の濃度を有する本発明のポリマー粒子の
水分散体が得られる。
【0070】上記ポリマーとしては、その数平均分子量
が500〜100000であることが、印刷後のインク
の耐久性及びサスペンジョンの形成性の点から好まし
い。該ポリマーのガラス転移点(Tg)は、各種用いる
ことが可能であるが、用いるポリマーのうち、少なくと
も1種はTgが10℃以上であることが好ましい。
【0071】上記ポリマーについては、その種類、物性
などが例えば、POLYMER HANDBOOK第4
版(JOHN WILEY&SONS,INC.)に記
載されている。
【0072】具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、
ポリアクリル酸(メタクリル酸)エステル、ポリアクリ
ロニトリル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコ
ール、ポリエチレンテレフタレート、アルキド樹脂、マ
レイン酸樹脂、ウレタンゴム、ポリカーボネート、ナイ
ロン、ポリウレタン、ポリエチレンオキシド、ポリプロ
ピレンオキシド、ポリホルムアルデヒド、エポキシ樹脂
などが挙げられる。
【0073】これらのポリマーは置換基を有していても
よく、その置換基は直鎖状、分岐、或いは環状構造をと
っていてもよい。
【0074】上記特定の官能基を有するポリマーは、各
種のものが市販されているが、常法によって合成するこ
ともできる。又、これらの共重合体は、例えば1つのポ
リマー分子中にエポキシ基を導入しておき、後に他のポ
リマーと縮重合させたり、光や放射線を用いてグラフト
重合を行っても得られる。
【0075】請求項6、7の発明は、インクジェット記
録用水系インクが前記ポリマー粒子の水分散体を含有し
ていることを特徴としている。
【0076】本発明においては、前記ポリマー粒子の平
均粒径が20〜200nmであることが本発明の効果を
より奏する点で好ましい。
【0077】インクジェット記録用水系インクは、イン
クジェット記録用のインクとして以外に、例えば、一般
の万年筆、ボールペン、サインペン等の筆記具用のイン
クとしても使用可能である。
【0078】サスペンジョンを乾燥し、微粒の粉体を得
ることもできる。得られた粉体は、電子写真のトナーな
どにも使用可能である。
【0079】インクジェット記録用水系インクは、吐出
安定性、プリントヘッドやインクカートリッジ適合性、
保存安定性、画像保存性、その他の諸性能向上の目的に
応じて、前述した従来公知の各種添加剤、例えば、多価
アルコール類の様な湿潤剤、シリコーン系等の消泡剤、
粘度調整剤、表面張力調整剤、比抵抗調整剤、皮膜形成
剤、分散剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、
退色防止剤、クロロメチルフェノール系等の防黴剤及び
/又はEDTA等のキレート剤、又、亜硫酸塩等の酸素
吸収剤等、防錆剤等を添加することもできる。
【0080】湿潤剤としては、例えば、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、
トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、
ポリエチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリ
コールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−
n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエ
ーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチ
レングリコールモノブチルエーテル、メチルカルビトー
ル、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、エチル
カルビトールアセテート、ジエチルカルビトール、トリ
エチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレン
グリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール
モノメチルエーテル等の多価アルコール及びそのエーテ
ル、アセテート類、N−メチル−2−ピロリドン、1,
3−ジメチルイミダゾリジノン、トリエタノールアミ
ン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド等の含窒素化
合物類、ジメチルサルフォキサイドの一種又は二種以上
を使用することができる。これらの湿潤剤の添加量に特
に制限はないが、上記インク中に好ましくは0.1〜5
0質量%配合することができ、更に好ましくは0.1〜
30質量%配合することができる。
【0081】分散剤としては、特に制限されるものでは
ないが、そのHLB値が8〜18であることが、分散剤
としての効果が発現し、サスペンジョンの粒子径の増大
抑制効果がある点から好ましい。分散剤として市販品も
使用することができ、例えば、花王(株)製の分散剤デ
モールSNB,MS,N,SSL,ST,P(商品名)
が挙げられる。
【0082】分散剤の添加量に特に制限はないが、本発
明のインクジェット記録用水系インク中に、0.01〜
10質量%配合されることが好ましい。該化合物の添加
量が0.01質量%に満たないとサスペンジョンの小粒
径化が困難であり、10質量%を超えるとサスペンジョ
ンの粒径が増大したりサスペンジョン安定性が低下し、
ゲル化するおそれがあるので、上記範囲内とすることが
好ましい。
【0083】消泡剤としては、特に制限なく、市販品を
使用することができ、例えば、信越シリコーン社製のK
F96、66、69、KS68、604、607A、6
02、603、KM73、73A、73E、72、72
A、72C、72F、82F、70、71、75、8
0、83A、85、89、90、68−1F、68−2
F(商品名)等が挙げられる。
【0084】これら化合物の添加量は特に制限はない
が、本発明のインクジェット記録用水系インク中に、
0.001〜2質量%添加されることが好ましい。該化
合物の添加量が0.001質量%未満であるとインク調
製時に泡が発生し易く、又、インク内での小泡の除去が
難しく、2質量%を超えると泡の発生は抑えられるもの
の、印字の際、インク内でハジキが発生し印字品質の低
下が起こる場合があるので、上記範囲内とすることが好
ましい。
【0085】請求項6、7の発明のインクジェット記録
用水系インクは、前述した、特にオンデマンド方式のイ
ンクジェットプリンタ用のインクとして好ましく使用す
ることができる。
【0086】オンデマンド型方式としては、前述した如
く、電気−機械変換方式(例えば、シングルキャビティ
ー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン
型、シェアーモード型、シェアードウォール型等)、電
気−熱変換方式(例えば、サーマルインクジェット型、
バブルジェット型等)、静電吸引方式(例えば、電界制
御型、スリットジェット型等)、放電方式(例えば、ス
パークジェット型等)などを具体的な例として挙げるこ
とができる。
【0087】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明の実施態様はこれらに限定されるもので
はない。
【0088】実施例1 表1に記載の組成を有する各インク組成物を用いて、イ
ンクジェットプリンタMJ−5000C(セイコーエプ
ソン株式会社製、電気−機械変換方式)によって、イン
クジェット用専用紙スーパーファイン専用紙MJSP1
(セイコーエプソン社製)上に記録した試料を得た。
【0089】これらの試料を用いて、耐光性、色調の評
価を行った結果を表1に示す。尚、表1の各化合物量の
単位はインクにおける質量%である。
【0090】表1のNo.3については、BL−S(積
水化学(株)製)2.0gの酢酸エチル溶液に本発明の
色素D−11を1.33g加えて溶解し、これに2%の
活性剤水溶液を加えて乳化分散し減圧にて酢酸エチルを
除去して得られた分散液を用いて下記の評価を行った。
【0091】比較3に関しても同様の操作にて分散液を
作製し、下記評価を行った。色調は目視で評価した。
【0092】(耐光性)キセノンフェードメーターにて
24時間爆射した後の試料の未曝射試料からの可視領域
極大吸収波長における反射スペクトル濃度の低下率で表
す。
【0093】耐光性(%)=(爆射試料極大吸収波長濃
度/未爆射試料極大吸収波長濃度)×100
【0094】
【表1】
【0095】溶媒1:ジエチレングリコール 溶媒2:トリエチレングリコールモノブチルエーテル 比較1:C.I.Acid Red 52 比較2:C.I.Direct Red 20 比較3:下記構造の色素 界面活性剤1:Surfynol 465(Air P
roducts and Chemicals In
c.製)
【0096】
【化13】
【0097】本発明の試料が優れていることが分かる。
尚、被記録媒体として、スーパーファイン専用紙MJS
P1のかわりに専用光沢フィルムMJSP4(セイコー
エプソン社製)を使用した場合にも同様の良好な結果を
得た。
【0098】さらに、本プリンタにおける連続吐出試験
においても問題なく使用でき、本発明のインクの電気−
機械変換方式に対しても問題なく使用できることを確認
した。比較3においては、吐出時に目詰まりし、更に得
られた画像もくすんだシアンであった。
【0099】実施例2 ポリマーとして、ポリビニルブチラール(積水化学製B
L−S、平均重合度:350)15g、本発明の金属錯
体色素(化合物例D−1)10g、及び酢酸エチル15
0gをセパラブルフラスコに入れ、フラスコ内を窒素置
換後、撹拌して上記ポリマー及び金属錯体色素を完全溶
解させた。
【0100】引き続き、更に、分散剤として、ラウリル
硫酸ナトリウム6g、水溶性ポリマーMP−203(ク
ラレ製)2gを含む水溶液150gを滴下して撹拌した
後、超音波分散機(UH−150型、株式会社エスエム
テー製)を用いて300秒間乳化した。その後、減圧下
で酢酸エチルを除去し、金属錯体色素を含有するポリマ
ー粒子の水分散体の試料No.10を得た。
【0101】以下、ポリマー、本発明の金属錯体色素、
分散機を表2に記載の通りにした以外は、試料No.1
0と同様の操作により、ポリマー粒子の水分散体の試料
No.11〜No.24を得た。
【0102】比較1:試料No.10において、本発明
の金属錯体色素のかわりに、SolventRed8を
10g用いた以外は試料No.10と同様の操作により
ポリマー粒子の水分散体を得た。
【0103】得られたポリマー粒子の水分散体を150
μmの厚さを有する合成紙(製品名:ユポ FPG−1
50、王子油化(株)製)の上に60μmのアプリケー
ターで塗布して乾燥し、試料No.10〜24及び比較
例1を作製した。
【0104】(耐光性)実施例1と同様にして評価を行
った。
【0105】(色調)10人のモニターによる目視評価
により 鮮やかな色:○ くすんだ色:△ 汚い色:× の3段階で評価を行った。
【0106】結果を以下に示す。
【0107】
【表2】
【0108】表2中、 S−3000(ユーピロンS−3000):三菱エンジ
ニアリングプラスチィクス製 PMMA:デルベット560F、旭化成製 AG−03:TKロボミックスAG−03型、特殊機化
工業製 LAB2000:エスエムテー製 実施例3 実施例2で得られたポリマー粒子の水分散体を用い ポリマー粒子の水分散体試料No.10 80g ジエチレングリコール 10g グリセリン 9.8g エマール20C(花王(株)製) 0.2g からなる成分を混合し、得られた分散液を5ミクロンの
フィルターによって濾過し、ごみ及び粗大粒子を除去し
てインクジェット用インクを得た。この水系インクを用
い、市販のエプソン製インクジェットプリンター(型番
PM−800)でコニカフォトジェットペーパーPho
tolike QP光沢紙(コニカ株式会社製)に印字
試料No.30を得た。
【0109】印字試料No.30において、実施例2で
得られたポリマー粒子の水分散体試料No.10のかわ
りに試料No.11〜No.24及び比較例1を10g
用いた以外は印字試料No.30と同様の操作により、
印字試料31〜44及び比較例2を得た。
【0110】得られた印字試料の耐光性と色調の評価結
果を表3に示す。 (耐光性、色調の評価)実施例2と同様に行った。
【0111】(平均粒径)コールターカウンターN4
(コールター社製)を用いて、平均粒径を測定した。
【0112】(印字濃度)前記エプソン製インクジェッ
トプリンター(型番PM−800)を用い、前記と同じ
コニカフォトジェットペーパーにベタ印字を行い、25
℃で24時間自然乾燥させた後、その光学濃度をマクベ
ス濃度計(マクベス社製、品番RD918)で測定し
た。
【0113】
【表3】
【0114】
【発明の効果】実施例で実証した如く、本発明によるイ
ンク、ポリマー粒子の水分散体及びインクジェット記録
用水系インクは色画像の耐光性に優れ、良好な色再現性
示し、且つ、色調に優れた効果を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三浦 紀生 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会 社内 Fターム(参考) 2C056 FC01 2H086 BA55 BA59 BA60 4J039 BA38 BC06 BC33 BC34 BC44 BC50 BC51 BC52 BC53 BC54 BC55 BC56 BC59 BC65 BC66 BC74 CA06 EA35 GA24

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)、一般式(2)又は一
    般式(3)で表される金属錯体色素を含有することを特
    徴とするインク。 【化1】 (式中X11、X12は、各々金属イオンと少なくとも2座
    の配位結合を形成することが可能な基を表す。Y11は芳
    香族炭化水素環基または5員、6員の複素環基または−
    6=Y14を表し、Y12、Y13、Y14は各々芳香族炭化
    水素環基または5員、6員の複素環基を表す。L1、L6
    は各々置換、無置換のメチン基又は窒素原子を表し、L
    2、L3、L4、L5は各々置換、無置換のメチン基を表
    す。Mは金属イオンを表し、m1、m2は各々0、1、
    2又は3の整数を表し、n1、n2、n3は各々1、2
    または3の整数を表す。一般式(1)においてX11、Y
    11が、一般式(2)においてX11、Y12が、一般式
    (3)においてX12、Y13が、シラノール基と水素結合
    可能な基を2個以上有し、2個以上有する基がすべて同
    じであっても異なっていても良く、前記一般式(1)、
    一般式(2)または一般式(3)で表される金属錯体色
    素は実質的に水不溶性で且つ有機溶剤可溶性である。)
  2. 【請求項2】 前記シラノール基と水素結合可能な基が
    スルホンアミド基、リン酸アミド基又はスルファミド基
    であることを特徴とする請求項1に記載のインク。
  3. 【請求項3】 前記X11が下記一般式(4)、(5)、
    (6)又は(7)で表されることを特徴とする請求項1
    又は2に記載のインク。 【化2】 (式中、R10、R11、R12、R13、R14及びR15は各々
    水素原子又は一価の置換基を表す。R10、R11の少なく
    とも1つは一般式(4)の窒素原子と共に、少なくとも
    2座の配位結合を形成可能な原子の集まりを表す。R12
    は一般式(5)の窒素原子と共に少なくとも2座の配位
    結合を形成可能な原子の集まりを表す。R 13、R14の少
    なくとも1つは一般式(6)の窒素原子と共に、少なく
    とも2座の配位結合を形成可能な原子の集まりを表す。
    7は窒素原子あるいは−CR16=を表し、L8は窒素原
    子あるいは−CR17=を表し及びL9は窒素原子あるい
    は−CR18=を表し、R16、R17及びR18は水素原子あ
    るいは一価の置換基を表し、R15、R16、R17及びR18
    の少なくとも一つは一般式(7)の窒素原子とともに、
    少なくとも2座の配位結合を形成可能な原子の集まりを
    表す。)
  4. 【請求項4】 前記X12が下記一般式(8)、(9)、
    (10)又は、(11)で表されることを特徴とする請
    求項1又は2に記載のインク。 【化3】 (式中、R10、R11、R12、R13、R14及びR15は水素
    原子又は一価の置換基を表す。R10、R11の少なくとも
    1つは一般式(8)の窒素原子と共に、少なくとも2座
    の配位結合を形成可能な原子の集まりを表す。R12は一
    般式(9)の窒素原子と共に、少なくとも2座の配位結
    合を形成可能な原子の集まりを表す。R13、R14の少な
    くとも1つは一般式(10)の窒素原子と共に、少なく
    とも2座の配位結合を形成可能な原子の集まりを表す。
    7は窒素原子又は−CR16(CR1 9)−を表し、L8
    窒素原子あるいは−CR17=を表し、L9は窒素原子、
    または、−CR18=を表し、R16、R17、R18及びR19
    は水素原子あるいは一価の置換基を表し、R15、R16
    17、R18及びR19の少なくとも一つは一般式(11)
    の窒素原子とともに、少なくとも2座の配位結合を形成
    可能な原子の集まりを表す。)
  5. 【請求項5】 前記一般式(1)、(2)又は(3)で
    表される金属錯体色素を含有することを特徴とするポリ
    マー粒子の水分散体
  6. 【請求項6】 請求項5に記載のポリマー粒子の水分散
    体を含有することを特徴とするインクジェット記録用水
    系インク
  7. 【請求項7】 前記ポリマー粒子の平均粒径が20〜2
    00nmであることを特徴とする請求項6に記載のイン
    クジェット記録用水系インク。
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