JP3713786B2 - インク組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定の化合物を含有するインク組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インク組成物においては、その使用される記録方式に適合すること、高い記録画像濃度を有し色調が良好であること、耐光性や耐熱性及び耐水性といった色画像堅牢性に優れること、被記録媒体に対して定着が速く記録後ににじまないこと、インクとしての保存性に優れていること、毒性や引火性といった安全性に問題がないこと、安価であること等が要求される。
【0003】
このような観点から、種々のインク組成物が提案、検討されているが、要求の多くを同時に満足するようなインク組成物はきわめて限られている。特にカラー記録画像の場合、単色記録画像の場合に比べて、カラー画像のハードコピーとして使用される場合が多く、観賞用として画像が光にさらされる機会が多く、特に良好な光堅牢性が要求される。そこで、耐光性を向上させるためにインク組成物中に種々の化合物を添加することが広く検討されてきた。
【0004】
例えば、特開平2−238067号にはハイドロキノン類をインクに添加することが開示されている。更に特開平4−227773号には、ヒンダードフェノール類をインクに添加する事が開示されている。
【0005】
しかしながら、フェノール類やハイドロキノン類は酸化防止効果を発現後自身が酸化されてキノンとなって着色し、色調を変化させるという欠点があった。
【0006】
また、特開平5−239389号には錯体化合物をインク組成物に添加することが開示されているが、金属錯体化合物の多くは着色しており色調を悪化させるという問題を有していた。また、これらの技術を持ってしても、満足できる耐光性を得ることができなかった。この問題点を解決すべく色調と耐光性の優れたインク組成物の開発が盛んに行われているが、いまだに満足できるインク組成物が達成されていないのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、色調を悪化させることなく、色画像の耐光性に優れたインク組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
【0009】
1.着色剤と下記一般式(1)で表され、スルホ基、カルボキシル基及び水酸基から選ばれる水溶性の基を置換基として有する水溶性の化合物を含有することを特徴とするインク組成物。
【0010】
一般式(1)
(R1(R2)N−OH)n(M)m
式中、R1及びR2は、各々独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基又はアシル基を表し、水素原子以外の基は前記水溶性の基を置換基として有する。nは1〜3の整数で、mは0〜2の整数であり、Mは対塩を表す。
【0011】
2.前記一般式(1)で表される化合物の添加量が全インク量の0.01重量%〜15重量%の範囲であることを特徴とする前記1に記載のインク組成物。
【0012】
3.着色剤が水溶性染料であることを特徴とする前記1又は2に記載のインク組成物。
【0013】
4.インク組成物が水と水溶性有機溶媒を含むことを特徴とする前記1、2又は3に記載のインク組成物。
【0014】
5.着色剤がキサンテン染料もしくはアゾメチン染料であることを特徴とする前記1、2、3又は4に記載のインク組成物。
【0015】
6.着色剤がアゾ染料であることを特徴とする前記1、2、3又は4に記載のインク組成物。
【0016】
7.記録方法がインクジェット方式であることを特徴とする前記1〜6の何れか1項に記載のインク組成物。
【0017】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0018】
まず、一般式(1)の化合物について詳細に説明する。
【0019】
一般式(1)においてR1及びR2は、各々独立に水素原子、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、2−ブチルヘキシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基等の直鎖、分岐、環状のアルキル基等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等)、アルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル基)、カルバモイル基(例えばメチルカルバモイル基)又はアシル基(例えばアセチル基、ベンゾイル基、プロパノイル基)を表す。
【0020】
これらの基は更に適当な置換基で置換されていてもよく、適当な置換基としては、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、2−ブチルヘキシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基等の直鎖、分岐、環状のアルキル基等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等)、アルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル基)、カルバモイル基(例えばメチルカルバモイル基)又はアシル基(例えばアセチル基、ベンゾイル基、プロパノイル基)に加えて、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基、2−ブテニル基等)、アルキニル基(例えば、プロパルギル基等)、アラルキル基(例えば、ベンジル基等)、芳香族基(例えば、フェニル基、ナフチル基等)、複素環基(例えば、少なくとも1つの窒素原子、酸素原子、硫黄原子から選ばれた原子を有する5又は6員のヘテロ環基等)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基又はアミノ基(例えば、無置換アミノ基、炭素数1〜20のアルキルアミノ基、炭素数2〜40のジアルキルアミノ基、アニリノ基、炭素数7〜30のN−アルキルアニリノ基)、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子等)、ヒドロキシル基、アンモニオ基、スルファモイル基(例えば、無置換スルファモイル基、炭素数2〜40のジアルキルスルファモイル基、炭素数1〜20のアルキルスルファモイル基、フェニルスルファモイル基、炭素数7〜26のN−アルキル,N−フェニルスルファモイル基等)、ウレイド基(例えば、無置換ウレイド基、炭素数1〜20のアルキルウレイド基、炭素数2〜40のジアルキルウレイド基、フェニルウレイド基等)、アミジノ基、ホスホノ基及びホスフィン基等があげられる。
【0021】
R1とR2は、互いに結合して環を形成することはない。nは1〜3の整数で、mは0〜2の整数であり、Mは対塩(例えば塩酸塩、硫酸塩等)を表す。
【0022】
R1及びR2としては各々独立に水素原子、置換又は無置換のアルキル基が好ましい。
【0023】
また、好ましくは水溶性を有し、更に好ましくは、スルホ基、カルボキシル基、水酸基等の水溶性の置換基を有する化合物である。
【0024】
以下に一般式(1)の具体的化合物例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
【0025】
具体的化合物例
【0026】
【化1】
【0027】
【化2】
【0028】
【化3】
【0029】
上記一般式(1)で表される化合物は、市販もしくは、合成されたヒドロキシルアミン類をアルキル化反応(求核置換反応、付加反応、マンニッヒ反応)することにより合成することができる。西ドイツ特許1159634号公報や、「インオルガニカ・ケミカ・アクタ」(Inorganica Chimica Acta),93(1984) 101〜107、などに記載の合成法に準じて容易に合成できる。
【0030】
本発明のインク組成物に用いられる着色剤としては水溶性染料、油溶性染料或いは顔料の何れも用いることができ、一般の直接染料、酸性染料、塩基性染料、建洗染料、反応染料が用いられる。
【0031】
たとえば、アゾ染料(モノアゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、スチルベンアゾ染料、チアゾールアゾ染料)、アントラキノン染料、インジゴイド染料、フタロシアニン染料、ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料、アクリジン染料、アジン染料、オキサジン染料、チアジン染料、シアニン染料、アゾメチン染料、キノリン染料、ニトロ染料、ニトロソ染料、ベンゾキノン染料、ナフトキノン染料、ナフタルイミド染料、及び、ペリノン染料などがある。
【0032】
上記染料の具体例として以下の化合物がある。
【0033】
【化4】
【0034】
【化5】
【0035】
【化6】
【0036】
【化7】
【0037】
【化8】
【0038】
【化9】
【0039】
好ましくは、アゾ染料、フタロシアニン染料、キサンテン染料及びアゾメチン染料である。
【0040】
好ましい染料の例として以下の化合物を示すが、本発明はこれらに限定されない。
【0041】
【化10】
【0042】
【化11】
【0043】
【化12】
【0044】
【化13】
【0045】
【化14】
【0046】
【化15】
【0047】
【化16】
【0048】
【化17】
【0049】
【化18】
【0050】
【化19】
【0051】
顔料としては無機顔料、有機顔料共に用いることができるが、特に有機顔料が好ましい。有機顔料としては、前述の染料が可溶性基を持たないもの、染料から沈殿剤により不溶性塩として得られるものがあげられるが、何れの顔料においても用いることができる。
【0052】
本発明のインク組成物はその使用する記録方式に関して特に制約はなく、いかなる記録方法においても用いることができるが、インク滴を記録信号に応じてオリフィスから吐出させて記録を行うインクジェット記録方式のインク組成物として用いることが好ましい。
【0053】
インクジェット記録方式としてはコンティニュアス方式及びオンデマンド方式があげられるが、どちらの方式においても使用することができる。オンデマンド型方式としては、電気−機械変換方式(例えば、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型、シェアードウォール型等)、電気−熱変換方式(例えば、サーマルインクジェット型、バブルジェット型等)、静電吸引方式(例えば、電界制御型、スリットジェット型等)及び放電方式(例えば、スパークジェット型等)などを具体的な例として挙げることができる。
【0054】
本発明のインク組成物において、前記一般式(1)で表される化合物は、全インク量の0.01〜15重量%の範囲で使用されることが好ましく、0.2〜15重量%の範囲であることがより好ましい。
【0055】
本発明のインク組成物を含有するインク組成液は水系インク組成液、油系インク組成液、固体(相変化)インク組成液等を用いることができるが、水系インク組成液(例えばインク組成液総重量あたり10重量%以上の水を含有する水性インク組成液等)を溶媒系として特に好ましく用いることができる。
【0056】
水系インク組成液は、着色剤と一般式(1)で表される化合物の他に溶剤として水と水溶性有機溶媒を併用することが好ましい。
【0057】
水溶性有機溶媒の例としては、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール等)、多価アルコールエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル等)、アミン類(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン等)、アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、複素環類(例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド等)、スルホン類(例えば、スルホラン等)、尿素、アセトニトリル、アセトン等が挙げられる。
【0058】
上記のような水系インク組成液において、着色剤はその溶媒系に可溶であればそのまま溶解して用いることができる。一方、そのままでは不溶の固体である場合、着色剤を種々の分散機(例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテーターミル、ヘンシェルミキサー、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、ジェットミル、オングミル等)を用いて微粒子化するか、或いは可溶である有機溶媒に着色剤を溶解した後に、高分子分散剤や界面活性剤とともにその溶媒系に分散させることができる。更に、そのままでは不溶の液体又は半溶融状物である場合、そのままか或いは可溶である有機溶媒に溶解して、高分子分散剤や界面活性剤とともにその溶媒系に分散させることができる。
【0059】
このような水系インク組成液の具体的調製法については、例えば特開平5−148436号、同5−295312号、同7−97541号、同7−82515号、同7−118584号等に記載の方法を参照することができる。
【0060】
油系インク組成液は、本発明の着色剤の他に溶媒として有機溶媒を使用することができる。
【0061】
油系インク組成液の溶媒の例としては、上記水系インク組成液において水溶性有機溶媒として例示したものに加えて、アルコール類(例えば、ペンタノール、ヘプタノール、オクタノール、フェニルエチルアルコール、フェニルプロピルアルコール、フルフリルアルコール、アニルアルコール等)、エステル類(エチレングリコールジアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、酢酸エチル、酢酸アミル、酢酸ベンジル、酢酸フェニルエチル、酢酸フェノキシエチル、フェニル酢酸エチル、プロピオン酸ベンジル、安息香酸エチル、安息香酸ブチル、ラウリン酸ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、リン酸トリエチル、リン酸トリブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジプロピル、ジエチルマロン酸ジエチル、コハク酸ジエチル、コハク酸ジブチル、グルタル酸ジエチル、アジピン酸ジエチル、アジピン酸ジプロピル、アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ(2−メトキシエチル)、セバシン酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジオクチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジオクチル、ケイ皮酸−3−ヘキセニル等)、エーテル類(例えば、ブチルフェニルエーテル、ベンジルエチルエーテル、ヘキシルエーテル等)、ケトン類(例えば、ベンジルメチルケトン、ベンジルアセトン、ジアセトンアルコール、シクロヘキサノン等)、炭化水素類(例えば、石油エーテル、石油ベンジル、テトラリン、デカリン、ターシャリーアミルベンゼン、ジメチルナフタリン等)、アミド類(例えば、N,N−ジエチルドデカンアミド等)が挙げられる。
【0062】
上記のような油系インク組成液において、着色剤はそのまま溶解させて用いることができ、また樹脂状分散剤や結合剤を併用して分散又は溶解させて用いることもできる。
【0063】
このような油系インク組成液の具体的調製法については、特開平3−231975号、特表平5−508883号等に記載の方法を参照することができる。
【0064】
固体(相変化)インク組成液は、室温で固体であり、かつインク組成液の加熱噴射時には溶融した液体状である相変化溶媒を使用する。
【0065】
このような相変化溶媒としては、天然ワックス(例えば、密ロウ、カルナウバワックス、ライスワックス、木ロウ、ホホバ油、鯨ロウ、カンデリラワックス、ラノリン、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタム等)、ポリエチレンワックス誘導体、塩素化炭化水素、有機酸(例えば、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、チグリン酸、2−アセトナフトンベヘン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ジヒドロキシステアリン酸等)、有機酸エステル(例えば、上記した有機酸のグリセリン、ジエチレングリコール、エチレングリコール等のアルコールとのエステル等)、アルコール(例えば、ドデカノール、テトラデカノール、ヘキサデカノール、エイコサノール、ドコサノール、テトラコサノール、ヘキサコサノール、オクタコサノール、ドデセノール、ミリシルアルコール、テトラセノール、ヘキサデセノール、エイコセノール、ドコセノール、ピネングリコール、ヒノキオール、ブチンジオール、ノナンジオール、イソフタリルアルコール、メシセリン、テレアフタリルアルコール、ヘキサンジオール、デカンジオール、ドデカンジオール、テトラデカンジオール、ヘキサデカンジオール、ドコサンジオール、テトラコサンジオール、テレビネオール、フェニルグリセリン、エイコサンジオール、オクタンジオール、フェニルプロピレングリコール、ビスフェノールA、パラアルファクミルフェノール等)、ケトン(例えば、ベンゾイルアセトン、ジアセトベンゼン、ベンゾフェノン、トリコサノン、ヘプタコサノン、ヘプタトリアコンタノン、ヘントリアコンタノン、ヘプタトリアコンタノン、ステアロン、ラウロン、ジアニソール等)、アミド(例えば、オレイン酸アミド、ラウリル酸アミド、ステアリン酸アミド、リシノール酸アミド、パルミチン酸アミド、テトラヒドロフラン酸アミド、エルカ酸アミド、ミリスチン酸アミド、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、N−ステアリルエルカ酸アミド、N−オレイルステアリン酸アミド、N,N′−エチレンビスラウリン酸アミド、N,N′−エチレンビスステアリン酸アミド、N,N′−エチレンビスオレイン酸アミド、N,N′−メチレンビスステアリン酸アミド、N,N′−エチレンビスベヘン酸アミド、N,N′−キシリレンビスステアリン酸アミド、N,N′−ブチレンビスステアリン酸アミド、N,N′−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N′−ジステアリルアジピン酸アミド、N,N′−ジオレイルセバシン酸アミド、N,N′−システアリルセバシン酸アミド、N,N′−ジステアリルテレフタル酸アミド、N,N′−ジステアリルイソフタル酸アミド、フェナセチン、トルアミド、アセトアミド、オレイン酸2量体/エチレンジアミン/ステアリン酸(1:2:2のモル比)のような2量体酸とジアミンと脂肪酸の反応生成物テトラアミド等)、スルホンアミド(例えば、パラトルエンスルホンアミド、エチルベンゼンスルホンアミド、ブチルベンゼンスルホンアミド等)、シリコーン類(例えば、シリコーンSH6018(東レシリコーン)、シリコーンKR215,216,220(信越シリコーン)等)、クマロン類(例えば、エスクロンG−90(新日鐵化学)等)、コレステロール脂肪酸エステル(例えば、ステアリン酸コレステロール、パルミチン酸コレステロール、ミリスチン酸コレステロール、ベヘン酸コレステロール、ラウリン酸コレステロール、メリシン酸コレステロール等)、糖類脂肪酸エステル(ステアリン酸サッカロース、パルミチン酸サッカロース、ベヘン酸サッカロース、ラウリン酸サッカロース、メリシン酸サッカロース、ステアリン酸ラクトース、パルミチン酸ラクトース、ミリスチン酸ラクトース、ベヘン酸ラクトース、ラウリン酸ラクトース、メリシン酸ラクトース等)が挙げられる。
【0066】
固体インク組成液の固体−液体相変化における相変化温度は、60℃以上であることが好ましく、80〜150℃であることがより好ましい。
【0067】
上記のような固体インク組成液において、加熱した溶融状態の溶媒に本発明の一般式(1)で表される化合物をそのまま溶解させて用いることができ、また樹脂状分散剤や結合剤を併用して分散又は溶解させて用いることもできる。
【0068】
このような固体インク組成液の具体的調製法については、特開平5−186723号、同7−70490号等に記載の方法を参照することができる。
【0069】
上記したような水系、油系、固体の各インク組成液は、その飛翔時の粘度として40cps以下が好ましく、30cps以下であることがより好ましい。
【0070】
本発明のインク組成物を含有するインク組成液は、その飛翔時の表面張力として20dyn/cm以上が好ましく、25〜80dyn/cmであることが、より好ましい。
【0071】
本発明のインク組成物を含有するインク組成液においては、吐出安定性、プリントヘッドやインクカートリッジ適合性、保存安定性、画像保存性、その他の諸性能向上の目的に応じて、粘度調整剤、表面張力調整剤、比抵抗調整剤、皮膜形成剤、分散剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、退色防止剤、防ばい剤、防錆剤等を添加することもできる。
【0072】
【実施例】
実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこの実施例における形態に限定されるものではない。文中の%とあるのは特に断りのない限り重量%である。
【0073】
実施例1
(インク組成物を含有するインク組成液の作成)
以下に示す構成でインク組成液No.1〜No.46を作成した。
【0074】
上記の組成を有する各インク組成液を用いて、インクジェットプリンタMJ−5000C(セイコーエプソン株式会社製、電気−機械変換方式)によって、インクジェット用専用コート紙上に記録したマゼンタ画像サンプルを得た。
【0075】
このサンプルを用いて、下記のように定義した耐光性、色調の評価を行った結果を表1に示す。
【0076】
耐光性:PDA−65(コニカ(株)製)の緑色光による反射濃度の測定から算出したキセノンフェードメーターにて24時間光照射した後のサンプルの未照射サンプルに対する画像の残存率。
【0077】
耐光性(%)=(光照射試料の緑色光反射濃度/未照射試料の緑色光反射濃度)×100
色調:耐光性試験の前後に、添加剤を入れなかった試料と比較して目視で彩度の変化を観察した。変化が大きいものを×、少し変化がみられたものを△、変化がみられなかったものを○とした。
【0078】
【表1】
【0079】
表1の結果から明らかなように、本発明のインク組成物を含有するインク組成液は比較のインク組成物を含有するインク組成液を使用した場合に比較して耐光性に優れていることがわかる。また、本発明の一般式(1)で示される添加剤を加えたことによる彩度の低下がなく、光照射後添加剤の着色による彩度低下もみられない。また、普通紙においても同様の効果を得た。
【0080】
更に、本プリンタにおける連続吐出試験においても問題なく使用でき、本発明のインク組成物を含有するインク組成液の電気−機械変換方式に対する高い信頼性を確認した。
【0081】
実施例2
イエロー着色剤を用い、実施例1に準じてインク組成物No.47〜63を作成した。
【0082】
耐光性の評価をキセノンフェードメーターにて100時間光照射した試料を用いて青色光で濃度測定を行った他は、実施例1と同様の手段で評価を行った。
【0083】
【表2】
【0084】
表2の結果から明らかなように、本発明のインク組成物を含有するインク組成液は比較のインク組成物を含有するインク組成液を使用した場合に比較して耐光性に優れていることがわかる。また、本発明の一般式(1)で示される添加剤を加えたことによる彩度の低下がなく、光照射後添加剤の着色による彩度低下もみられない。また、普通紙においても同様の効果を得た。
【0085】
更に、本プリンタにおける連続吐出試験においても問題なく使用でき、本発明のインク組成物を含有するインク組成液の電気−機械変換方式に対する高い信頼性を確認した。
【0086】
実施例3
シアン着色剤を用い、実施例1に準じてインク組成物を含有するインク組成液No.64〜95を作成し、赤色光を用いて濃度測定を行った他は、実施例2と同様の手段で評価を行った。
【0087】
【表3】
【0088】
表3の結果から明らかなように、本発明のインク組成物を含有するインク組成液は比較のインク組成物を含有するインク組成液を使用した場合に比較して耐光性に優れていることがわかる。また、本発明の一般式(1)で示される添加剤を加えたことによる彩度の低下がなく、光照射後添加剤の着色による彩度低下もみられない。また、普通紙においても同様の効果を得た。
【0089】
更に、本プリンタにおける連続吐出試験においても問題なく使用でき、本発明のインク組成物を含有するインク組成液の電気−機械変換方式に対する高い信頼性を確認した。
【0090】
実施例4
ブラック着色剤を用い、実施例1に準じてインク組成物を含有するインク組成液No.96〜110を作成し、アンバー光で濃度測定を行った他は、実施例2と同様の手段で評価を行った。
【0091】
【表4】
【0092】
表4の結果から明らかなように、本発明のインク組成物を含有するインク組成液は比較のインク組成物を含有するインク組成液を使用した場合に比較して耐光性に優れていることがわかる。また、本発明の一般式(1)で示される添加剤を加えたことによる彩度の低下がなく、光照射後添加剤の着色による彩度低下もみられない。また、普通紙においても同様の効果を得た。
【0093】
更に、本プリンタにおける連続吐出試験においても問題なく使用でき、本発明のインク組成物を含有するインク組成液の電気−機械変換方式に対する高い信頼性を確認した。
【0094】
実施例5
(インク組成物を含有するインク組成液の作成)
以下に示す構成でインク組成物を含有するインク組成液No.111〜No.117を作成した。
【0095】
上記の各インク組成液を用いて、インクジェットプリンターBJC−600J(キヤノン社製、電気−熱変換方式)によって、インクジェット用専用コート紙上に記録した画像サンプルを得た。このサンプルを用いて、実施例1と同様に耐光性、色調の評価を行った結果を表5に示す。
【0096】
【表5】
【0097】
表5の結果から明らかなように、本発明のインク組成物を含有するインク組成液は比較のインク組成物を含有するインク組成液を使用した場合に比較して耐光性に優れていることがわかる。また、本発明の一般式(1)で示される添加剤を加えたことによる彩度の低下がなく、光照射後添加剤の着色による彩度低下もみられない。また、普通紙においても同様の効果を得た。
【0098】
更に、本プリンタにおける連続吐出試験においても問題なく使用でき、本発明のインク組成物を含有するインク組成液の電気−熱変換方式に対する高い信頼性を確認した。
【0099】
実施例6
(インク組成物を含有するインク組成液の作成)
以下に示す構成でインク液No.118〜No.124を作成した。
【0100】
実施例1と同様にして耐光性と色調の評価を行った。
【0101】
【表6】
【0102】
表6の結果から明らかなように、本発明のインク組成物を含有するインク組成液は比較のインク組成物を含有するインク組成液を使用した場合に比較して耐光性に優れていることがわかる。また、本発明の一般式(1)で示される添加剤を加えたことによる彩度の低下がなく、光照射後添加剤の着色による彩度低下もみられない。
【0103】
以下に、上記各実施例で使用した着色剤、比較化合物及び界面活性剤1の構造式を示す。
【0104】
【化20】
【0105】
【化21】
【0106】
【化22】
【0107】
【化23】
【0108】
【発明の効果】
本発明によるインク組成物は色調を悪化させることなく、色画像の耐光性に優れた効果を有する。
Claims (7)
- 着色剤と下記一般式(1)で表され、スルホ基、カルボキシル基及び水酸基から選ばれる水溶性の基を置換基として有する水溶性の化合物を含有するインク組成物。
一般式(1)
(R1(R2)N−OH)n(M)m
(式中、R1及びR2は、各々独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基又はアシル基を表し、水素原子以外の基は前記水溶性の基を置換基として有する。nは1〜3の整数で、mは0〜2の整数であり、Mは対塩を表す。) - 前記一般式(1)で表される化合物の添加量が全インク量の0.01重量%〜15重量%の範囲であることを特徴とする請求項1に記載のインク組成物。
- 着色剤が水溶性染料であることを特徴とする請求項1又は2に記載のインク組成物。
- インク組成物が水と水溶性有機溶媒を含むことを特徴とする請求項1、2又は3に記載のインク組成物。
- 着色剤がキサンテン染料もしくはアゾメチン染料であることを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載のインク組成物。
- 着色剤がアゾ染料であることを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載のインク組成物。
- 記録方法がインクジェット方式であることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のインク組成物。
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