JP2002241499A - エピサルファイド樹脂の製造方法及び硬化性樹脂組成物 - Google Patents

エピサルファイド樹脂の製造方法及び硬化性樹脂組成物

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JP2002241499A
JP2002241499A JP2001041458A JP2001041458A JP2002241499A JP 2002241499 A JP2002241499 A JP 2002241499A JP 2001041458 A JP2001041458 A JP 2001041458A JP 2001041458 A JP2001041458 A JP 2001041458A JP 2002241499 A JP2002241499 A JP 2002241499A
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episulfide
epoxy resin
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episulfide resin
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Yoshinobu Onuma
吉信 大沼
Tatsuto Yoshioka
達人 吉岡
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Japan Epoxy Resins Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体封止材料、積層材料、レジストイン
キ、接着剤、注型材料、塗料及び電機絶縁材料等の分野
で利用できるエピサルファイド樹脂を提供する。 【解決手段】 一般式(1) 【化1】 (式中、R1及びR2は、互いに同一又は異なっても良
く、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又はフェニル
基を示し、R3、R4、R5及びR6は、互いに同一又は異
なっても良く、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜
4のアルキル基を示す。)で示されるジグリシジルエー
テルの含有率が90重量%以上である原料エポキシ樹脂
と硫化剤を、水又は有機溶剤中で反応させることを特徴
とするエピサルファイド樹脂の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エピサルファイド
樹脂の製造方法及び、該製造方法より得られるエピサル
ファイド樹脂、及び該エピサルファイド樹脂が配合され
た硬化性樹脂組成物に関するものである。本発明により
得られる硬化性樹脂組成物は、半導体封止材料、積層材
料、レジストインキ、接着剤、注型材料、塗料及び電機
絶縁材料等の分野で利用できる。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂は、耐熱性、接着性、耐水
性、機械的強度及び電気特性等に優れていることから、
塗料、接着剤及び電気・電子用途等の様々の分野で使用
されている。一方、エピサルファイド樹脂の合成方法と
しては、例えば、英国特許 968,424号公報、及びJ.M.
CharlesworthによるJ.Polym.Sci.Polymn Phys.,1
7,329(1979)に示されている、オキシラン化合物とチオ
シアン酸塩とを反応させる方法、R.D.Schuetzらによ
る J.Org.Chem.,26,3467(1961)に示されている、
オキシラン化合物とチオ尿素とを反応させる方法等を挙
げることができる。また、S.Sealesらによる、環状カ
ーボネトからの合成も、J.Org.Chem.,27,2832(196
2)に示されている。これらの方法は特開平10−338
810号公報、特開平11−116772号公報にも記
載されている。
【0003】上記方法により、エピサルファイド樹脂
は、エポキシ樹脂と硫化剤を反応させることにより容易
に得られ、硬化性に優れ、耐熱性、耐水性等に優れた硬
化物になることが知られているが、未だ実用化されてい
ない。この理由として、保存安定性に優れ、取り扱いの
容易な結晶性の固体又は低粘度の液状エピサルファイド
樹脂が得られていないことが挙げられる。
【0004】ジグリシジルエーテルの含有率が80重量
%程度の代表的なビスフェノールAのエポキシ樹脂から
得られるエピサルファイド樹脂は、製造後は液状だが保
存中にゆっくり固化し、ワックス状の半固体となる。こ
の現象は、エピサルファイド樹脂中に含有する20%程
度のオリゴマーが、エピサルファイド樹脂の結晶化を阻
害しているためである。そのため、この樹脂を工業的に
固体で得ようとすると、常温で1週間程度待機する必要
があり非現実的である。
【0005】ところが、近年、塗料、土木分野及び電気
・電子分野などで、低温硬化性、耐湿性及び耐熱性が強
く要求されるようになってきたため、これらの特性に優
れる、エピサルファイド樹脂が再び注目され始めてい
る。そこで、J.P.Bell等の文献、"Synthesis and Prope
rties of Epoxy-Episulfide Resin" Makromolekulare C
hemie 240 (1996) 67-81 (4229) に記載されているよう
に、ジグリシジルエーテルの含有率が50%以下の高分
子量エポキシ樹脂と硫化剤を反応させ、固体のエピサル
ファイド樹脂を得る試みがなされているが、得られるエ
ピサルファイド樹脂が溶融した時、非常に高粘性となる
ため、やはり取り扱い性が悪いという根本的な問題は解
決されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らが鋭意検討
した結果、結晶性又は低粘度のエピサルファイド樹脂を
得るためには、原料として用いるエポキシ樹脂中のジグ
リシジルエーテルの含有率を90重量%以上にすること
が必要であることを見出した。本発明は上記問題点を解
決した、取り扱い性に優れる結晶性固体又は低粘度液状
のエピサルファイド樹脂の製造方法、該製造方法によっ
て得られるエピサルファイド樹脂及び該エピサルファイ
ド樹脂と塩基性硬化触媒を含む硬化性樹脂組成物を提供
することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下の各発明
を包含する。 (1)一般式(1)
【化2】 (式中、R1及びR2は、互いに同一又は異なっても良
く、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又はフェニル
基を示し、R3、R4、R5及びR6互いに同一又は異なっ
ても良く、は水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜4
のアルキル基を示す。)で示されるジグリシジルエーテ
ルの含有率が90重量%以上である原料エポキシ樹脂と
硫化剤を、水又は有機溶剤中で反応させることを特徴と
する、エピサルファイド樹脂の製造方法。
【0008】(2)前記原料エポキシ樹脂が、一般式
(1)で示されるジグリシジルエーテルの含有率が95
重量%以上に精製したエポキシ樹脂であることを特徴と
する、(1)項記載のエピサルファイド樹脂の製造方
法。
【0009】(3)前記原料エポキシ樹脂が、ビスフェ
ノールA又はビスフェノールFから得られる全塩素含有
量が0.3重量%以下である、前記一般式(1)で表さ
れるエポキシ樹脂であることを特徴とする、(1)項又は
(2)項に記載のエピサルファイド樹脂の製造方法。
【0010】(4)前記硫化剤が、チオシアン酸塩類及
び/又はチオ尿素であることを特徴とする、(1)項〜
(3)項のいずれか1項に記載のエピサルファイド樹脂
の製造方法。
【0011】(5)前記(1)項〜(4)項のいずれか
1項に記載の方法により得られるエピサルファイド樹
脂。
【0012】(6)前記(1)項〜(4)項のいずれか
1項に記載の方法により得られるエピサルファイド樹脂
と塩基性硬化触媒が配合されていることを特徴とする、
硬化性樹脂組成物。
【0013】(7)前記塩基性硬化触媒が、3級アミン
類、イミダゾール類、ジアザビシクロ化合物類、ホスフ
ィン類及びホスホニウム塩類から選ばれる少なくとも1
種の化合物であることを特徴とする、(6)項記載の硬
化性樹脂組成物。
【0014】(8)前記エピサルファイド樹脂と塩基性
硬化触媒の配合割合が、エピサルファイド樹脂100重
量部に対し、塩基性硬化触媒が0.01〜10重量部で
あることを特徴とする、(6)項又は(7)項に記載の
硬化性樹脂組成物。
【0015】(9)前記エピサルファイド樹脂及び塩基
性硬化触媒に、更に、エポキシ樹脂が配合されているこ
とを特徴とする(6)項〜(8)項のいずれか1項に記
載の硬化性樹脂組成物。
【0016】(10)前記エピサルファイド樹脂に対し
て、エポキシ樹脂が5〜95重量%の割合で配合されて
いる、(9)項記載の硬化性樹脂組成物。
【0017】
【発明実施の形態】(エピサルファイド樹脂の製造方
法)本発明のエピサルファイド樹脂の製造法は、一般式
(1)
【化3】 (式中、R1及びR2は、互いに同一又は異なっても良
く、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又はフェニル
基を示し、R3、R4、R5及びR6は互いに同一又は異な
っても良く、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜4
のアルキル基を示す。)で示されるジグリシジルエーテ
ルの含有率が90重量%以上であるエポキシ樹脂と硫化
剤を、水又は有機溶媒中で反応させることによって行わ
れる。
【0018】本発明において、ジグリシジルエーテルの
含有率が90重量%以上である原料エポキシ樹脂を使用
すると、得られるエピサルファイド樹脂の共融混合現象
が少なくなり速やかに結晶化が進行するため、工業的に
エピサルファイド樹脂を製造することが容易になる。更
に、エピサルファイド樹脂の粘度が非常に小さくなるた
め取り扱い性が向上する。
【0019】本発明において、原料エポキシ樹脂として
使用する前記一般式(1)で示されるジグリシジルエー
テル類の具体例としては、2,2-ビス[4-(2,3-エポキシ
プロポキシ)フェニル]プロパン、2,2-ビス[3,5-ジメチ
ル-4-(2,3-エポキシプロポキシ)フェニル]プロパン、
2,2-ビス[3,3',5,5'-テトラメチル-4-(2,3-エポキシプ
ロポキシ)フェニル]プロパン、ビス[o,o-(2,3-エポ
キシプロポキシ)フェニル]メタン、ビス[o,p-(2,3-
エポキシプロポキシ)フェニル]メタン、ビス[p,p-
(2,3-エポキシプロポキシ)フェニル]メタン、ビス[3,
3',5,5'-テトラブロム-4-(2,3-エポキシプロポキシ)
フェニル]メタン、1-フェニル-ビス[p,p-(2,3-エポ
キシプロポキシ)フェニル]メタン、1-フェニル-1-メチ
ル-ビス[p,p-(2,3-エポキシプロポキシ)フェニル]
メタン、1-メチル-ビス[p,p-(2,3-エポキシプロポキ
シ)フェニル]メタン等が挙げられる。これらの中で、
ビスフェノールA又はビスフェノールFから得られるエ
ポキシ樹脂が、原料入手の容易さ及び取り扱い性に優れ
るエピサルファイド樹脂が得られるという点で好まし
い。
【0020】更に、前記一般式(1)で示されるジグリ
シジルエーテルの含有率が95重量%以上である蒸留精
製したエポキシ樹脂を使用すると、得られるエピサルフ
ァイド樹脂の結晶化がより速やかに進行するため、連続
で粉砕が可能となり、工業的生産性が向上する。又は、
得られるエピサルファイド樹脂がより低粘性となるため
溶融粘度が更に低下し、取り扱い性が向上する点でより
好ましい。エポキシ樹脂の蒸留方法は薄膜蒸留が好まし
く、その条件としては温度が100〜300℃、減圧度
が0.01〜100Paの範囲内で連続してジグリシジル
エーテル成分を取り出す。
【0021】また、原料として使用するエポキシ樹脂
は、全塩素含有量が0.3重量%以下であると、得られ
るエピサルファイド樹脂の純度が向上するため、電気電
子分野において、より好ましく使用できる。
【0022】エポキシ樹脂と硫化剤との反応方法は、前
記原料エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対して、硫化
剤を1〜5モルの範囲内で仕込み、水又は有機溶剤の存
在下、反応温度−15〜100℃、好ましくは0〜50
℃、反応時間0.5〜30時間の範囲内で反応を行う。
硫化剤は、エポキシ樹脂1当量に対して、1〜5モルの
範囲の量になるように使用する。硫化剤の使用割合が1
モル未満であると、未反応のエポキシ樹脂が残存してし
まう。また、5モルを越えると、不必要な硫化剤を多量
に使用することになり不経済である。
【0023】用いられる硫化剤は、チオシアン酸ナトリ
ウム、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸アンモニウ
ム等のチオシアン酸塩類、チオ尿素、N-メチルチオ尿
素、1,3-ジエチルチオ尿素等のチオ尿素類、ホスフィ
ンサルファイド、ジメチルチオホルムアミド、N-メチ
ルベンゾチアゾール-2-チオン等が挙げられる。これら
の中でチオシアン酸塩類、チオ尿素類が原料入手の容易
さという点で好ましい。
【0024】用いられる溶媒としては、水、又は有機溶
剤、例えば、メタノール、エタノール及びプロパノール
等のアルコール類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフ
ラン及びジオキサン等のエーテル類、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン及びエチルベンゼン等の芳香族炭化水素
類、アセトン、メチルエチルケトン及びメチルイソブチ
ルケトン等のケトン類、塩化メチレン、クロロホルム、
ジクロルエタン及びクロルベンゼン等のハロゲン化炭化
水素類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ及びブチ
ルセロソルブ等のセロソルブ類、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルアセトアミド及びジメチルスルホキシド等
の非プロトン性極性溶媒等が挙げられる。これらは単独
あるいは2種以上を混合して用いることができる。
【0025】反応終了後、反応生成物を抽出、水洗、濃
縮等の方法により、分離精製することにより、目的とす
るエピサルファイド樹脂を得ることができる。また、溶
媒として水を用い、硫酸の存在下でエポキシ樹脂を滴下
してチオロニム塩の合成反応を行う方法は、炭酸ナトリ
ウムの存在下、脱離開環反応を行いエピサルファイド樹
脂を得ることができる。
【0026】(塩基性硬化触媒)本発明の実施により得
られるエピサルファイド樹脂に塩基性硬化触媒を配合し
て、硬化性樹脂組成物として用いることができる。ま
た、本発明の製造法から得られるエピサルファイド樹脂
を塩基性触媒で硬化させた硬化物は、ジグリシジルエー
テルの含有率が80重量%程度のエポキシ樹脂から製造
される通常のエピサルファイド樹脂と比べ、架橋密度が
向上するためガラス転移温度が向上する。
【0027】更に、通常エピサルファイド樹脂の硬化に
は第1級アミンを用いるが、第1級アミンを電気電子分
野の硬化剤として使用すると腐食の問題を発生するため
好ましくない。そこで、塩基性硬化触媒を用いエピサル
ファイド樹脂の単独重合硬化を促進させる本発明の方法
が好ましい。使用する塩基性硬化触媒は、以下の化合物
が挙げられる。
【0028】(1)3級アミン類及び/又はその塩類 トリエチルアミン、トリブチルアミン、ベンジルジメチ
ルアミン、2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェ
ノール、N−メチルピペラジン等 (2)イミダゾール類及び/又はその塩類 2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、
2−ウンデシルイミダゾール、2−エチル−4−メチル
イミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾ
ール、2,4−ジシアノ−6−[2−メチルイミダゾリル−
(1)]−エチル−S−トリアジン等 (3)ジアザビシクロ化合物類 1,5−ジアザビシクロ(5.4.0)−7−ウンデカン、1,5
−ジアザビシクロ(4.3.0)−5−ノネン、1,4−ジアザ
ビシクロ(2.2.2)オクタン等
【0029】(4)ホスフィン類 トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリ
ス(ジメトキシフェニル)ホスフィン、トリス(ヒドロ
キシプロピル)ホスフィン、トリス(シアノエチル)ホ
スフィン等 (5)ホスホニウム塩類 テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、
メチルトリブチルホスホニウムテトラフェニルボレー
ト、メチルトリシアノエチルホスホニウムテトラフェニ
ルボレート等
【0030】本発明のエピサルファイド樹脂と塩基性硬
化触媒の配合割合は、エピサルファイド樹脂100重量
部に対し、塩基性硬化触媒が0.01〜10重量部であ
る。塩基性硬化触媒が0.01重量部未満であると硬化
が遅くなり、10重量部を越えると硬化物の耐水性が低
下するため好ましくない。
【0031】(エポキシ樹脂)本発明の硬化性樹脂組成
物中に、更にエポキシ樹脂を配合して使用すると、より
強靭な硬化物となり、可撓性を向上できるため好まし
い。使用できるエポキシ樹脂は、例えば、ビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹
脂、3,3',5,5'-テトラメチルビスフェノールAから得ら
れるエポキシ樹脂、3,3',5,5'-テトラメチルビスフェノ
ールFから得られるエポキシ樹脂、ビスフェノールS型
エポキシ樹脂、ジヒドロキシフェニルエーテルから得ら
れるエポキシ樹脂、ビフェノールから得られるエポキシ
樹脂、3,3',5,5'-テトラメチルビフェノールから得られ
るエポキシ樹脂、ナフタレンジオールから得られるエポ
キシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレ
ゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールノボラッ
ク型エポキシ樹脂、ビスフェノールAのノボラックエポ
キシ樹脂、トリフェノールメタンから得られるエポキシ
樹脂、テトラフェノールエタンから得られるエポキシ樹
脂、フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ダイマー酸等か
ら得られるグリシジルエステル類、アミノフェノール、
ジアミノジフェニルメタン等から得られるグリシジルア
ミン類、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール等
から得られる脂肪族エポキシ類、シクロヘキサンジメタ
ノール、水添ビスフェノールA等から得られる脂環式エ
ポキシ類、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3',4'-
エポキシシクロヘキサンカルボキシレート等のシクロオ
レフィンと過酢酸から得られる環式脂肪族エポキシ類等
が挙げられる。これらエポキシ樹脂の配合割合は、該エ
ピサルファイド樹脂に対し、5〜95重量%が好まし
く、より好ましくは、10〜90重量%の範囲である。
【0032】また、本発明の硬化性樹脂組成物中に、エ
ポキシ樹脂用の硬化剤を必要に応じて配合することがで
きる。例えば、酸無水物類、フェノール樹脂類、ジシア
ンジアミド類、ヒドラジッド類等のエポキシ樹脂用硬化
剤を使用できる。
【0033】(任意成分)本発明の硬化性樹脂組成物に
は、必要に応じて次の成分を添加配合することができ
る。 (1)粉末状の補強剤や充填剤、例えば酸化アルミニウ
ム、酸化マグネシウムなどの金属酸化物、炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウムなどの金属炭酸塩、ケイソウ土
粉、塩基性ケイ酸マグネシウム、焼成クレイ、微粉末シ
リカ、溶融シリカ、結晶シリカなどのケイ素化合物、水
酸化アルミニウムなどの金属水酸化物、その他、カオリ
ン、マイカ、石英粉末、グラファイト、二硫化モリブデ
ン等、さらに繊維質の補強剤や充填剤、例えばガラス繊
維、セラミック繊維、カ−ボンファイバ−、アルミナ繊
維、炭化ケイ素繊維、ボロン繊維、ポリエステル繊維及
びポリアミド繊維等である。これらは本発明の硬化性樹
脂組成物の100重量部に対して、10〜900重量部
配合される。
【0034】(2)二酸化チタン、鉄黒、モリブデン
赤、紺青、群青、カドミウム黄及びカドミウム赤等の着
色剤、三酸化アンチモン、赤燐、ブロム合物及びトリフ
ェニルホスフェイト等の難燃剤である。これらは熱硬化
性樹脂組成物の100重量部に対して、0.1〜30重
量部配合される。
【0035】(3)さらに、最終的な塗膜、接着層、成
形品などにおける樹脂の性質を改善する目的で種々の硬
化性モノマ−、オリゴマ−及び合成樹脂を配合すること
ができる。例えば、モノエポキシ化合物等のエポキシ樹
脂用希釈剤、フェノ−ル樹脂、アルキド樹脂、メラミン
樹脂、フッ素樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、シ
リコ−ン樹脂、ポリエステル樹脂等の1種又は2種以上
の組み合わせを挙げることができる。これら樹脂類の配
合割合は、本発明の樹脂組成物の本来の性質を損なわな
い範囲の量、すなわち硬化性樹脂組成物の100重量部
に対して、50重量部以下が好ましい。本発明のエピサ
ルファイド樹脂、塩基性硬化触媒及び任意成分の配合手
段としては、加熱溶融混合、ロ−ル、ニーダーによる溶
融混練、適当な有機溶剤を用いての湿式混合及び乾式混
合等が挙げられる。
【0036】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を
さらに詳しく説明する。 実施例1 撹拌機、冷却器及び温度計を備えた3リットルのガラス
フラスコ内に水960g及び98%硫酸100g(1.
000mol)を仕込み、室温にて攪拌しながらチオ尿
素161.4g(2.120mol)を溶解させた。溶
解後、攪拌しながらビスフェノールA型エポキシ樹脂の
エピコート828EL(商品名:ジャパンエポキシレジ
ン社)を分子蒸留により精製したエポキシ樹脂(GPC分
析より求めたジグリシジルエーテルの含有量98.2重
量%、全塩素含有量0.095重量%、エポキシ当量;
172g/eq.)290g(1.686当量)を約1時
間かけて滴下させた後、温度40℃で5時間反応を行っ
た。
【0037】反応終了後、水を960g加えた後、常温
にて攪拌しながら炭酸ナトリウム216.5g(2.0
43mol)を溶解させた。溶解後、更に、温度60℃
で6時間反応を行った後、水層を廃棄し、トルエン85
0gを添加し、純水700gで5回水洗した。水洗後、
トルエンをロータリーエバポレーターにて減圧下、温度
100℃で留去させエピサルファイド樹脂を得た。得ら
れたエピサルファイド樹脂は室温に冷却後直ぐに固形化
し、白色の固体となった。このエピサルファイド樹脂の
融点は、87〜90℃であった。得られた樹脂が目的物
であるかどうかは、赤外吸収スペクトル及び核磁気共鳴
スペクトルにより確認した。
【0038】実施例2 撹拌機、冷却器及び温度計を備えた1リットルのガラス
フラスコ内に水400g及び95%硫酸を41.7g
(0.404mol)仕込み、室温にて攪拌しながらチ
オ尿素67.3g(0.886mol)を溶解させた。
溶解後、攪拌しながらビスフェノールF型エポキシ樹脂
のエピコート807を分子蒸留により精製したエポキシ
樹脂(GPC分析より求めたジグリシジルエーテルの含有
量98.4重量%、全塩素含有量0.103重量%、エ
ポキシ当量;158g/eq.)120g(0.759当
量)を約1時間かけて滴下させた後、温度40℃で5時
間反応を行った。
【0039】反応終了後、水400gを加えた後、常温
にて攪拌しながら炭酸ナトリウム90.2g(0.85
1mol)を溶解させた。溶解後、更に、温度60℃で
6時間反応を行った後、水層を廃棄し、トルエン300
gを添加し、純水250gで5回水洗した。水洗後、ト
ルエンをロータリーエバポレーターにて減圧下、温度9
0℃で留去させエピサルファイド樹脂を得た。このエピ
サルファイド樹脂の粘度は、3.5Pa.s(25℃)で
あった。得られた樹脂が目的物であるかどうかは、赤外
吸収スペクトル及び核磁気共鳴スペクトルにより確認し
た。
【0040】実施例3 ビスフェノールA型エポキシ樹脂であるエピコート82
5(商品名:ジャパンエポキシレジン社;GPC分析より
求めたジグリシジルエーテルの含有量93.1重量%、
全塩素含有量0.188重量%、エポキシ当量;175
g/eq.)を295g(1.686当量)を仕込む以外
は実施例1と同様の操作を行った。得られたエピサルフ
ァイド樹脂は室温に冷却後直ぐに固形化し、白色の固体
となった。このエピサルファイド樹脂の融点は85〜9
0℃であった。
【0041】比較例1 ビスフェノールA型エポキシ樹脂であるエピコート82
8EL(商品名:ジャパンエポキシレジン社;GPC分析
より求めたジグリシジルエーテルの含有量81.9重量
%、全塩素含有量0.204重量%、エポキシ当量;1
86g/eq.)313.6g(1.688当量)を仕込
む以外は実施例1と同様の操作を行った。得られたエピ
サルファイド樹脂は当初、液体であったが徐々に固化し
始め、7日後に全体が白色ワックス状の固体に変化し
た。ワックス状に変化した後のエピサルファイド樹脂の
融点は70〜85℃であった。
【0042】比較例2 ビスフェノールF型エポキシ樹脂であるエピコート80
7(商品名:ジャパンエポキシレジン社;GPC分析より
求めたジグリシジルエーテルの含有量79.4重量%、
全塩素含有量0.252重量%、エポキシ当量;170
g/eq.)129g(0.759当量)を仕込む以外は
実施例2と同様の操作を行った。得られたエピサルファ
イド樹脂の粘度は80Pa.s(25℃)と非常に高粘度で
あった。
【0043】実施例4 実施例1により得られたエピサルファイド樹脂50重量
部、エポキシ樹脂としてエピコート828EL(商品
名:ジャパンエポキシレジン社)50重量部、エポキシ
樹脂用硬化剤としてフェノールノボラック樹脂(群栄化
学社製;水酸基当量103、軟化温度85℃)28重量
部を100℃の温度で5分間溶融混合した。上記により
得られた樹脂組成物中に塩基性硬化触媒としてトリフェ
ニホスフィン1重量部を添加した。次いで、すばやく攪
拌混合し、脱泡した後、金属の型に流し込み、温度10
0℃で4時間、更に150℃で6時間硬化させ、硬化物
を得た。この硬化物の物性値を表1に示す。
【0044】実施例5〜6、比較例3 エピサルファイド樹脂及びエポキシ樹脂を表1のように
変える以外は、実施例1と同様の操作を行い組成物を
得、硬化物を得た。この硬化物の物性値を表1に示す。
【0045】比較例4 エピサルファイド樹脂を比較例2で得られたエピサルフ
ァイド樹脂100重量部に、また、塩基性硬化触媒を2
−エチルー4−メチルイミダゾールのアクリロニトリル
付加物(ジャパンエポキシレジン社製)0.5重量部に
代える以外は、実施例4と同様の操作で溶融混合した
が、粘度が高過ぎて脱泡できなかった。そこで、さらに
温度を120℃に上げ、粘性を下げて脱泡を試みたが、
混合中にゲル化したため、その後の操作は行わなかっ
た。
【0046】
【表1】 *1;ゲルタイムテスター(安田精機社製)、120℃で測
定 *2;TMA法、10℃/分で昇温 *3;130℃、100時間後の初期重量に対する増加率 *4;JIS-K-6911準拠、周波数1MHz *5;トリフェニルホスフィン *6;2-エチル-4-メチルイミダゾールのアクリロニトリ
ル付加物(ジャパンエポキシレジン社製) *7;ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポ
キシレジン社製) *8;ビスフェノールF型エポキシ樹脂(ジャパンエポ
キシレジン社製)
【0047】
【発明の効果】本発明のエピサルファイド樹脂は、工業
的生産性及び取り扱い性に優れ、かつ得られる硬化物は
耐熱性及び電気特性優れているため、特に電気電子分野
における材料として有利に使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C048 AA01 BB10 BC01 UU05 XX02 4J002 CD00X CD01X CD02X CD05X CD06X CD08X CD13X CN01W GJ01 GP03 GQ01 4J030 BA02 BA48 BB03 BC11 BC12 BC21 BF04 BF14 BG02 BG03 BG09 BG10

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中、R1及びR2は、互いに同一又は異なっても良
    く、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又はフェニル
    基を示し、R3、R4、R5及びR6は、互いに同一又は異
    なっても良く、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜
    4のアルキル基を示す。)で示されるジグリシジルエー
    テルの含有率が90重量%以上である原料エポキシ樹脂
    と硫化剤を、水又は有機溶剤中で反応させることを特徴
    とするエピサルファイド樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記原料エポキシ樹脂が、一般式(1)
    で示されるジグリシジルエーテルの含有率が95重量%
    以上に精製したエポキシ樹脂であることを特徴とする、
    請求項1記載のエピサルファイド樹脂の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記原料エポキシ樹脂が、ビスフェノー
    ルA又はビスフェノールFから得られる全塩素含有量が
    0.3重量%以下である、前記一般式(1)で表される
    エポキシ樹脂であることを特徴とする、請求項1又は2
    に記載のエピサルファイド樹脂の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記硫化剤が、チオシアン酸塩類及び/
    又はチオ尿素であることを特徴とする、請求項1〜3の
    いずれか1項に記載のエピサルファイド樹脂の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の方
    法により得られるエピサルファイド樹脂と塩基性硬化触
    媒が配合されていることを特徴とする、硬化性樹脂組成
    物。
  6. 【請求項6】 前記塩基性硬化触媒が、3級アミン類、
    イミダゾール類、ジアザビシクロ化合物類、ホスフィン
    類及びホスホニウム塩類から選ばれる少なくとも1種の
    化合物であることを特徴とする、請求項5記載の硬化性
    樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 前記エピサルファイド樹脂と塩基性硬化
    触媒の配合割合が、エピサルファイド樹脂100重量部
    に対し、塩基性硬化触媒が0.01〜10重量部である
    ことを特徴とする、請求項5又は6に記載の硬化性樹脂
    組成物。
  8. 【請求項8】 前記エピサルファイド樹脂及び塩基性硬
    化触媒に、更に、エポキシ樹脂が配合されていることを
    特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の硬化性
    樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 前記エピサルファイド樹脂に対して、エ
    ポキシ樹脂が5〜95重量%の割合で配合されている、
    請求項8記載の硬化性樹脂組成物。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7271084B2 (en) 2003-01-10 2007-09-18 Samsung Electronics Co., Ltd. Reinforced solder bump structure and method for forming a reinforced solder bump
US8969503B2 (en) 2009-09-22 2015-03-03 Dow Global Technologies Llc Process for preparing episulfide resins
JP2016155901A (ja) * 2015-02-23 2016-09-01 旭化成株式会社 組成物、硬化性組成物、硬化物、プリプレグ、及び繊維強化プラスチック
JP2019035060A (ja) * 2017-08-21 2019-03-07 味の素株式会社 樹脂組成物

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