JP2002226272A - ガラスセラミックスおよびその製造方法並びにこれを用いた配線基板 - Google Patents
ガラスセラミックスおよびその製造方法並びにこれを用いた配線基板Info
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Abstract
を主成分とする導体との同時焼成ができ、高い熱伝導率
で、かつ高強度および耐水性に優れ、誘電率および誘電
損失の低いガラスセラミックスを提供する。 【解決手段】ガラスおよび/またはそれが結晶化したマ
トリックス中に、AlN平均粒径2μm以上のAlN粒
子を分散し、金属Alの含有量が全量中800ppm以
下であるガラスセラミックスからなる絶縁基板2の表面
および/または内部に導体配線層3を形成した配線基板
(半導体素子収納用パッケージ)1を作製する。
Description
粒子を含有するガラスセラミックスおよびその製造方
法、並びに前記ガラスセラミックスを絶縁基板として用
い、その表面または内部にCuまたはAgを主旨得分と
する導体配線層を形成した配線基板に関するものであ
る。
化が進むに従って、回路からの発熱量も増大しており、
放熱を如何にして効率良く行なうかが重要な技術的課題
となっている。多層配線基板材料においても高熱伝導、
高強度な材料が要求されている。
は、アルミナ質焼結体からなる絶縁層の表面または内部
にタングステン(W)やモリブデン(Mo)などの高融
点金属からなる配線層が形成されたアルミナ配線基板が
最も普及しているが、その導体であるタングステン
(W)やモリブデン(Mo)などの高融点金属は導体抵
抗が大きく、信号遅延が大きいことが問題となってい
た。そこで、W、Moなどの金属に代えて、銅(C
u)、銀(Ag)、金(Au)などの低抵抗金属を導体
として使用することが要求されている。
する導体との同時焼結性の点で1050℃以下の低温で
焼成できる、例えば、ガラス粉末と、充填材であるセラ
ミックフィラー粉末との混合物の焼結体である、いわゆ
るガラスセラミックスを絶縁層として用いた配線基板が
開発されつつあるが、かかるガラスセラミックスの熱伝
導率は2W/m・K以下とアルミナに比べて低く、熱伝
導率の向上が必要であった。
2号では、硼珪酸ガラス粉末と石英ガラス粉末とAlN
粉末とを混合、成形して、950℃で焼成したガラスセ
ラミックスが記載され、セラミックスの熱伝導率が向上
したことが記載されている。また、特開平2−1960
66号では、ガラス粉末に対して、粒径が小さいAlN
粉末と粒径が2μm以上と大きいAlN粉末とを組み合
わせて添加し、成形後、950℃で焼成したガラスセラ
ミックスが記載され、これによって、成形性がよく、熱
伝導率の高いガラスセラミックスを作製できることが記
載されている。
来のガラス粉末とAlN粉末とを混合、成形して焼成す
る方法では、焼成時にガラス粉末とAlN粉末との間の
一部でガラス粉末を還元してガス発生を伴う反応が生じ
てしまうために、ガラスセラミックスの機械的強度や吸
水性等が劣化するという問題があった。また、AlN原
料粉末の平均粒径が2μmより小さい場合には、ガラス
セラミックスを1050℃以下で緻密化させることが困
難となり、ガラスセラミックス強度が低下したり、吸水
が生じてガラスセラミックスの絶縁性が劣化してしまう
恐れがあった。
l粉末を窒素加圧雰囲気中にて2000℃程度の高温で
加熱して窒化する直接窒化法と、Al2O3(アルミナ)
粉末に炭素を添加して窒素雰囲気中にて窒化する還元窒
化法が知られているが、還元窒化法では原料コスト、製
造コストが高いとともに、高純度で粒径の大きな粉末を
得ることができないものであった。他方、直接窒化法に
おいても、高温、高圧下での処理が必要であるために、
金属Alを完全に窒化させることができず、金属Alが
不純物として残存するものであった。
N粉末を用いてガラスセラミックスを作製した場合、ガ
ラスセラミックスの誘電率が高く、かつ誘電損失が増大
するために、これを絶縁基板として導体配線層を形成す
ると、特に高周波信号の伝送損失が高くなってしまい伝
送特性が劣化するという問題があった。
成が可能で、CuやAgを主成分とする導体との同時焼
成が可能であり、高い熱伝導率で、かつガラスセラミッ
クスの機械的強度を向上させ、吸水を防止できるととも
に、誘電率および誘電損失を低減することができるガラ
スセラミックスを提供することを目的とする。
に対し、ガラス粉末と混合するAlN粉末の性状につい
て検討した結果、直接窒化法によって作製した平均粒径
2μm以上のAlN原料粉末を、一旦薬品処理してAl
N粉末中に残存する金属Alを溶解、除去し、金属Al
の含有量を1000ppm以下に低減したAlN粉末を
用いることによって、ガラス粉末とAlN粉末との間で
ガス発生を伴う反応が起こることを抑制して、ガラス粉
末とAlN粉末との間を緻密に結合させることができる
結果、緻密で、高強度、低吸水率、かつ高い熱伝導率を
維持しつつ、低誘電率化、低誘電損失化が可能なガラス
セラミックスを作製できることを知見した。
は、ガラスおよび/またはガラスから析出した結晶から
なるマトリックス中に平均粒径2μm以上のAlN粒子
を分散してなるものであって、該ガラスセラミックス中
の金属Alの含有量が全量中800ppm以下であるこ
とを特徴とするものである。
有量が酸化物(Li2O、K2O、Na2O、PbO、B
i2O3)換算による総量で15重量%以下であることが
望ましく、また、前記AlN粒子の含有比率が35〜8
0重量%であることが望ましい。
方法は、ガラス粉末と、平均粒径が2μm以上で金属A
lの含有量が1000ppm以下のAlN粉末とを混合
時、成形後、1050℃以下で焼成することを特徴とす
るものである。
mより小さいことが望ましい。
セラミックスからなる絶縁基板の表面および/または内
部にCuまたはAgを主成分とする導体配線層を形成し
てなることを特徴とするものである。
ガラスおよび/またはガラスから析出した結晶からなる
マトリックス(以下、ガラスマトリックスと略す。)中
に、平均粒径2μm以上、特に3μm以上、さらに5μ
m以上のAlN粒子を分散したものであって、該ガラス
セラミックス中の金属Alの含有量が全量中800pp
m以下であることを特徴とするものである。
率および誘電損失を低減することができ、これを絶縁基
板として表面に高周波信号を伝送する導体配線層を形成
する場合にも、高周波信号の伝送損失を低めることがで
きる。また、本発明によれば、原料中およびガラスセラ
ミックス中の金属Alの含有量を低減することによっ
て、ガラスセラミックス中の前記ガラスマトリックスと
AlN粒子との間に発生する隙間を低減することができ
るために、ガラスセラミックスとして高熱伝導率を維持
できるとともに、機械的強度が高く、かつ吸水率を小さ
くすることができる。
lの含有量が全量中800ppmを越えると、ガラスマ
トリックスとAlN粒子との間に隙間が生じやすく、機
械的強度が低下し、ガラスセラミックスが吸水して絶縁
性が低下し、誘電率が高く、かつ誘電損失が高くなって
しまう。
粒径が2μm以上であることが重要であり、AlN粒子
の平均粒径が2μmより小さいとガラスセラミックスの
緻密化が損なわれて強度が低く、吸水するようになり、
また、誘電損失が増大してしまう。なお、セラミックス
表面の平滑性および強度向上の点を考慮すると、AlN
粒子の平均粒径は30μm以下、特に15μm以下、さ
らには10μm以下がよい。また、AlN粒子の酸素量
な誘電損失の低減および熱伝導率の向上の点で、1.5
重量%以下であることが望ましい。
とのなじみをよくし、ガラスセラミックスの誘電率を低
め、誘電損失を低減する上で、ガラスセラミックス中の
Li、K、Na、Pb、Biの含有量が酸化物(Li2
O、K2O、Na2O、PbO、Bi2O3)換算による総
量で15重量%以下、特に5重量%以下、さらには1重
量%以下であることが望ましい。また、同様の理由によ
り、ガラスセラミックス中のB(硼素)の含有量はB2
O3換算で10重量%以下、特に5重量%以下、さらに
3重量%以下であることが望ましい。
電率および誘電損失の点で、ガラスセラミックス中のA
lN粒子の含有比率が35〜80重量%、特に40〜6
0重量%であることが望ましい。なお、本発明における
AlN粒子の含有比率とは、ガラスセラミックスのX線
回折パターンからリートベルト法によって求められる値
を指す。
N粒子以外に、Al2O3、SiO2(クォーツ、クリス
トバライト、トリジマイト)、3Al2O3・2Si
O2、MgSiO3、Mg2SiO4、CaMgSi2O6、
Mg2Al4Si5O18、ZnAl 2O4、MgAl2O4、
CaAl2Si2O8、SrAl2Si2O8、BaAl2S
i 2O8、Ca2MgSiO7、Sr2MgSiO7、Ba2
MgSiO7、ZnO、CaSiO3、SrSiO3、B
aSiO3、Si3N4、SiC等の他のフィラー成分が
0.1〜30重量%、AlN粒子との合計で80重量%
以下の割合で含有されていてもよい。
ホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸ガラス、Pb系ガラ
ス、Bi系ガラス、アルカリ系ガラス、アルカリ土類系
ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス等が使用でき、特
に、CuやAg等の低抵抗金属との同時焼成性の点で、
アルミノケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、ア
ルカリ系ガラス、アルカリ土類系ガラス等のガラスが望
ましい。
しては、SiO2、MgAl2O4(スピネル)、ZnA
l2O4(ガーナイト)、Ca(Mg,Al)(Si,A
l) 2O6(ディオプサイド)、CaMgSi2O7(アケ
ルマナイト)、Sr2MgSi2O7(Sr−アケルマナ
イト)、CaMgSiO4(モンティセライト)、Ca3
MgSi2O8(メリライト)、Mg2SiO4(エンスタ
タイト)、MgSiO3(エンスタタイト)、3Al2O
3・2SiO2(ムライト)、Mg2Al4Si 5O18(コ
ージェライト)、(Sr,Ca)Al2Si2O8(スラ
ウソナイト)、CaAl2Si2O8(アノーサイト)、
BaAl2Si2O8(セルジアン)、(Ca,Sr)S
iO3、SrSiO3等が好適に使用できる。
強度が200MPa以上、特に220MPa以上と高
く、かつ熱伝導率が4W/m・K以上、特に6W/m・
K以上と高く、吸水率が0%、低誘電率、低誘電損失と
優れた特性を有するものである。
セラミックスを製造する方法について説明する。まず、
出発原料として、上述したガラス粉末を特に20〜65
重量%と平均粒径が2μm以上のAlN粉末を特に35
〜80重量%との割合で秤量する。ここで、ガラス粉末
としては、低温でガラスセラミックスを緻密化させる点
で、特に平均粒径が2μmより小さく、特に1.8μm
以下とすることが望ましい。
均粒径が2μm以上であることが重要である。すなわ
ち、AlN粉末の平均粒径が2μmよりも小さいと10
50℃以下の焼成でガラスセラミックスの開気孔率を2
%以下、特に1%以下に高めることができなくなる。
るスラリー中でのAlN粉末の分散性を高めて成形性を
高めるためには、AlN粉末の平均粒径は2〜30μ
m、特に3〜15μm、さらに4〜10μmであること
が望ましい。なお、本発明におけるAlN粉末の平均粒
径とはマイクロトラック法によって求められるd50値の
意である。
を均一に、かつ低コストで作製するには、AlN粉末が
直接窒化法によって作製されたものであることが望まし
い。また、AlN粉末の不純物酸素量が2重量%以下で
あることが望ましい。さらに、AlN粉末中の金属Al
以外のFe、Si、C、Cu、Mn、Mg、Zn、N
i、Cr、Ti等の他の不純物は総量で0.1重量%以
下であることが望ましい。
て、金属Alの含有量が1000ppm以下、特に80
0ppm以下、さらに500ppm以下のAlN粉末を
用いることが重要である。すなわち、AlN粉末中の金
属Alの含有量が1000ppmを越えると、AlN粉
末中の反応活性な金属Alとガラス粉末とが焼成中にガ
ス発生を伴った反応を起こして、焼成後のAlN粒子と
ガラスマトリックスとの間に隙間が生じてしまい、機械
的強度が低下し、吸水率が大きくなって絶縁基板の絶縁
抵抗が劣化するとともに、ガラスセラミックスの熱伝導
率が低下する。
る方法としては、例えば薬品処理にて行うことができ、
その中でも、AlN粉末を水酸化ナトリウム水溶液中に
懸濁し、加熱することによって、以下の反応を促進させ
てAlN粉末中の金属Alを溶解した後、この懸濁液を
濾過、洗浄することによって、AlN粉末中の金属Al
を除去する方法が適応可能である。 2Al+2NaOH+10H2O→2[Al(H2O)2(OH)4]Na+3H2 次に、上記混合粉末に溶媒を添加、混合してスラリーを
調整する。溶媒としては、水、イソプロピルアルコール
(IPA)等のアルコール類、アセトン等が使用可能で
あり、特に安全性、対環境面では水が望ましい。また、
溶媒とともにポリビニルアルコール(PVA)等の有機
バインダや可塑剤、分散剤を加えてもよく、PVAは分
散剤としての機能をも有す。
て、プレス成形法、鋳込み成形法、射出成形法、押出成
形法やドクターブレード法、カレンダーロール法等のテ
ープ成形法により所定形状に成形する。その後、該成形
体を、特に800〜1050℃、特に800〜970℃
の酸化性雰囲気または非酸化性雰囲気中で、特に30分
以上焼成することにより、本発明のガラスセラミックス
を作製することができる。
の好適例として、これを絶縁基板として用いた配線基板
の一例について、その概略断面図である図1を基に説明
する。図1によれば、配線基板1は、複数枚の絶縁層2
a、2bの積層体からなる絶縁基板2の表面および内部
に導体配線層3が形成された構成からなる。
縁層2a、2bが上述したガラスセラミックスからなる
ことが大きな特徴であり、機械的強度が200MPa以
上、特に220MPa以上と高いために、例えば、配線
基板の絶縁基板として用いる場合、半導体素子等の電子
部品の実装時、または入出力端子部に施すリード接続時
にガラスセラミックスにかかる応力による破損やはがれ
等を防止することができるとともに機械的信頼性が高い
ものである。さらに、ガラスセラミックスの熱伝導率が
4W/m・K以上、特に6W/m・K以上と高く、従来
のガラスセラミックと比較して、配線基板またはこれに
実装される半導体素子等の電子部品から発生した熱を効
率よく放熱して電子部品の温度上昇による誤作動を防止
することができる。
よび誘電損失が低いことから、絶縁層表面に形成された
導体配線層に高周波信号を伝送した時でも信号の伝送損
失を小さくして良好に伝送できる。
熱性を高めるためには、絶縁基板2全体の厚みが2mm
以下、特に0.2〜1mm、さらに、0.3〜0.8m
mであることが望ましく、また、各々の絶縁層2a、2
bの厚みは、250μm以下、特に200μm以下、さ
らに150μm以下であることが望ましい。
とは、導体配線層3等の他の部材を含まない実質的に絶
縁基板2のみの厚みを指し、具体的には、配線基板1の
断面写真にて測定される配線基板1の断面積S1(幅w
×厚みt1)から導体配線層3等の他の部材の面積の総
和S2を差し引いた面積(S1−S2)を幅wで割った値
t=(S1−S2)/wによって求められる。また、配線
基板1内に凹部を形成するような場合には、該凹部底面
から絶縁基板2底面までの厚みを指す。
主成分として、所望によりAu、Al、Pdを含有する
ものからなり、これらの金属粉末を含有する導体ペース
トを塗布して焼き付けたものであってもよいが、特に純
度が99%以上の高純度金属、さらには金属箔からなっ
ていてもよい。さらに、図1によれば、絶縁層2aおよ
び絶縁層2bの上下面に形成される導体配線層3、3間
がビアホール導体4によって電気的に接続されている。
は、Si、Si−Ge、Ge−As等の半導体素子など
の素子5が搭載されており、本発明によれば、素子5の
動作によって発生した熱を絶縁基板2を介して絶縁基板
2の外部に放熱することができる。
ためには絶縁基板2の表面および/または内部にサーマ
ルビア6等の放熱用導体層を形成することが望ましい。
また、図1によれば、サーマルビア6は絶縁基板2の厚
み方向で素子5等細部の直下に形成されている。
信号、特に100MHz以上、特に1GHz以上、さら
に20GHz以上の高周波信号を伝送する場合には、高
周波信号の伝送損失を低減するために、導体配線層3が
ストリップ線路、マイクロストリップ線路、コプレーナ
線路および誘電体導波管の内の1種から構成されること
が望ましい。
体配線層を具備する配線基板を作製するには、前記混合
粉末に適当な有機バインダ、溶媒を混合してスラリーを
調製し、これをプレス成形、押出成形、ドクターブレー
ド法等のテープ成形法によってシート状に成形してグリ
ーンシートを作製する。
スルーホールを形成した後、スルーホール内にCuまた
はAgを主成分とする金属ペーストを充填し、グリーン
シートの表面には高周波信号が伝送可能な高周波線路パ
ターン等に前記金属ペーストを用いてスクリーン印刷
法、グラビア印刷法等によって導体配線層の厚みが、特
に5〜30μmとなるように印刷、塗布する。
を、所望により、複数枚積層して、例えば、40〜12
0℃、5〜40MPaにて加熱圧着する。そして、上記
導体配線層を形成したグリーンシートを酸化性雰囲気ま
たは弱酸化性雰囲気中、1050℃以下、特に800〜
1000℃、さらに800〜970℃にて0.2〜10
時間、特に0.5〜2時間焼成することによって配線基
板を作製することができる。
半導体素子等の素子が搭載され導体配線層と信号の伝達
が可能なように接続される。接続の方法としては、導体
配線層状に直接搭載させて接続させたり、あるいは、樹
脂、Ag−エポキシ、Ag−ガラス、Au−Si等の樹
脂、金属、セラミックスの少なくとも1種からなる厚み
50μm程度の接着剤により素子を絶縁基板表面に固着
し、ワイヤボンディング、TABテープ等により導体配
線層と素子とを接続させる方法が適応可能である。
の表面に、絶縁基板と同種の絶縁材料や、その他の絶縁
材料、あるいは放熱性が良好な金属等からなり、電磁波
遮蔽性を有する蓋体をガラス、樹脂、ロウ材等の接着剤
により接合してもよく、これにより素子を気密に封止す
ることができる。
する方法として、上述したように金属ペーストを用いて
印刷法にてグリーンシート表面に塗布する方法に代え
て、微細で高精度の導体配線層を形成可能な高純度金属
導体、特に金属箔にて導体配線層を形成する方法も好適
に採用できる。
的な方法は、例えば、スパッタ法や蒸着法等の薄膜形成
法によって所定パターンの導体配線層を形成することも
できるが、樹脂フィルム上に金属箔を貼り付け、メッキ
法等によって金属箔を所定パターンに加工した後、この
金属箔付の樹脂フィルムをグリーンシート表面に位置合
わせして転写することによってグリーンシート表面に導
体配線層を形成することによって容易に作製可能であ
る。
際に、前記導体配線層を形成した絶縁基板用のグリーン
シートの少なくとも一方の表面、望ましくは両面に前記
絶縁基板の焼成温度では焼結しない無機組成物からなる
グリーンシートを積層して焼成することにより、絶縁基
板の焼成時における面方向の収縮を抑制できるととも
に、厚み方向への収縮率を高めてガラスセラミックスの
密度を高め、ガラスマトリックスとAlN粒子との接触
性をさらに高めることができる。なお、無機組成物は、
焼成後、研磨や超音波洗浄等によって容易に除去するこ
とができる。
0.9重量%、平均粒径20μmのAlN粉末を粉砕し
た粉末を20重量%の水酸化ナトリウム水溶液中に懸濁
し、加熱することによって、以下の反応によりAlN粉
末中の金属Alを除去した。
に示す金属Al量の異なる複数種のAlN粉末を作製し
た。
ラック法によりd50値を求め、これをAlN粉末の平均
粒径とした。また、AlN粉末を20重量%の水酸化ナ
トリウム水溶液中に懸濁して80℃で1時間加熱し、懸
濁液中から発生した水素ガス量をガスクロマトグラフィ
によって測定して金属Alの残存量(表中、AlN粉末
の金属Al量と表記)を算出した。結果は表1に示し
た。
1に示す割合で混合し、この混合物にアクリル系の有機
バインダ、可塑剤、トルエンを添加し、スラリーを調製
した後、このスラリーを用いてドクターブレード法によ
り厚さ300μmのグリーンシートを作製した。そし
て、このグリーンシートを10〜15枚積層し、50℃
の温度で10MPaの圧力を加えて熱圧着し、該積層体
を水蒸気含有/窒素雰囲気中、700℃で脱バインダ処
理を行った後、乾燥窒素中で950℃で1時間焼成し
た。なお、焼成に際しては昇温速度、降温速度を300
℃/hとした。
ルキメデス法により開気孔率を、また、乾燥重量
(w1)と吸水重量(w2)とを測定し、((w2−w1)
/w1)×100(%)により吸水率を算出した。
断面写真から、ルーゼックス解析法によってAlN粒子
の平均粒径を求め、さらに、ガラスセラミックスを粉砕
した粉末に対して、上述したAlN粉末(原料)の金属
Al量を測定した方法と同様の方法により、ガラスセラ
ミックス中の金属Al量を算出した。また、X線回折測
定を行い、構成相を同定するとともに、そのパターンか
らリートベルト法によってガラスセラミックス中のAl
N粒子の含有比率を算出した。
m、厚み1mmの形状に切り出し、2GHzにてネット
ワークアナライザー、シンセサイズドスイーパーを用い
て空洞共振器法によりTE011モードの共振特性を測定
し、誘電率、誘電損失を算出した。また、室温から40
0℃における熱膨張曲線をとり、熱膨張係数を算出し
た。さらに、JIS−R1601に基づき、ガラスセラ
ミックスの3点曲げ強度を測定した。また、ガラスセラ
ミックスをφ10mm、厚さ1mmに加工しレーザーフ
ラッシュ法にて熱伝導率を測定した。結果は表1に示し
た。
ラミックス中の金属Al量が全量中1000ppmより
多い試料No.1〜4では、ガラスセラミックスの開気
孔率を1%以下とすることができず、強度が低く、吸水
して絶縁性が劣化し、かつ誘電損失が増大した。また、
AlN粉末の平均粒径が2μmより小さく、ガラスセラ
ミックス中のAlN粒子の平均粒径が2μmより小さい
試料No.15では、ガラスセラミックスの開気孔率を
1%以下とすることができず、強度が低く、吸水して絶
縁性が劣化し、かつ誘電損失が増大した。
2μm以上、金属Al量が1000ppm以下のAlN
粉末を用い、平均粒径2μm以上のAlN粒子を含有す
るとともに、金属Al量が800ppm以下の試料N
o.5〜14、16、17のガラスセラミックスでは、
いずれも熱伝導率が4W/m・K以上、強度が200M
pa以上、吸水率0.2%以下、測定周波数2GHzで
の誘電率10以下、誘電損失が70×10-4以下の優れ
た特性を有するものであった。 (実施例2)実施例1の試料No.14のグリーンシー
トを用いて、該グリーンシートの所定位置にビアホール
を形成し、該ビアホール内にスクリーン印刷法によりC
u粉末を主成分とする導体ペーストを充填し、また、グ
リーンシート表面に導体ペーストを用いて所定パターン
の導体配線層を塗布した後、これらグリーンシート複数
層を導体配線層およびビアホール導体の位置合わせを行
いながら実施例1と同様に積層、圧着して、実施例1と
同様に焼成し,Cuを主成分とする導体配線層を表面お
よび内部に形成した配線基板を作製した。得られた配線
基板について、ビアホール導体を介して導体間の導通を
確認したところ、良好な導通を示した。
ミックスによれば、直接窒化法によって作製した平均粒
径2μm以上のAlN粉末を、一旦薬品処理してAlN
粉末中に残存する金属Alを溶解、除去し、金属Alの
含有量を1000ppm以下に低減したAlN粉末を用
いることによって、ガラス粉末とAlN粉末との間のガ
ス発生を伴う反応を抑制して、ガラスマトリックスとA
lN粒子との間の接触状態を良好にしてガラスセラミッ
クスを緻密化することができ、緻密で、高強度、低吸水
率、かつ高熱伝導率を維持しつつ、低誘電率、低誘電損
失なガラスセラミックスを作製でき、CuやAgを主成
分とする導体配線層を具備する、特に高周波用の配線基
板の絶縁基板として好適に使用することができる。
納用パッケージの一例を示す概略断面図である。
Claims (6)
- 【請求項1】ガラスおよび/またはガラスから析出した
結晶からなるマトリックス中に平均粒径2μm以上のA
lN粒子を分散してなるガラスセラミックスであって、
該ガラスセラミックス中の金属Alの含有量が全量中8
00ppm以下であることを特徴とするガラスセラミッ
クス。 - 【請求項2】Li、K、Na、Pb、Biの含有量が酸
化物(Li2O、K2O、Na2O、PbO、Bi2O3)
換算による総量で15重量%以下であることを特徴とす
る請求項1記載のガラスセラミックス。 - 【請求項3】前記AlN粒子の含有比率が35〜80重
量%であることを特徴とする請求項1または2記載のガ
ラスセラミックス。 - 【請求項4】ガラス粉末と、平均粒径が2μm以上で金
属Alの含有量が1000ppm以下のAlN粉末とを
混合時、成形後、1050℃以下で焼成することを特徴
とするガラスセラミックスの製造方法。 - 【請求項5】前記ガラス粉末の平均粒径が2μmより小
さいことを特徴とする請求項4記載のガラスセラミック
スの製造方法。 - 【請求項6】請求項1乃至3のいずれか記載のガラスセ
ラミックスからなる絶縁基板の表面および/または内部
にCuまたはAgを主成分とする導体配線層を形成して
なることを特徴とする配線基板。
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