JPH10218665A - 窒化アルミニウム質粉末及びその脱脂体の製造方法 - Google Patents

窒化アルミニウム質粉末及びその脱脂体の製造方法

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JPH10218665A
JPH10218665A JP9024699A JP2469997A JPH10218665A JP H10218665 A JPH10218665 A JP H10218665A JP 9024699 A JP9024699 A JP 9024699A JP 2469997 A JP2469997 A JP 2469997A JP H10218665 A JPH10218665 A JP H10218665A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】比較的強度に優れたAlN脱脂体を提供するこ
とを主な目的とする。 【解決手段】 1.窒素と結合していないアルミニウム
系成分を5000ppmを超え、かつ、30000pp
m未満の範囲で含有することを特徴とする窒化アルミニ
ウム質粉末。 2.上記1項記載の窒化アルミニウム質粉末に有機バイ
ンダー及び焼結助剤を配合し、成形した後、アルミニウ
ム系成分の融点以上の温度で加熱することを特徴とする
窒化アルミニウム質脱脂体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、窒化アルミニウム
質粉末及びその脱脂体の製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】窒化アルミニウム(以下、特にことわりの
ない限り「AlN」という)は、高熱伝導性、高絶縁性
等の特性を有することから、その焼結体は半導体関連の
放熱部品(特に、IC基板、半導体パッケージ等)とし
て用いられている。
【0003】AlN焼結体は、一般に、AlN粉末にバ
インダー等を加えて成形し、脱脂した後、焼結すること
によって製造されている。具体的には、脱脂炉で300
〜800℃で脱バインダーを主目的として脱脂が行わ
れ、引き続いて焼結炉において1600〜2000℃で
焼結が行われる。この場合、脱脂は、得られる焼結体の
特性に大きな影響を与えるものであるため、焼結体を製
造する上において重要な工程である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来か
らの脱脂方法では、脱脂中又は脱脂直後の成形体の強度
が非常に低くなり、通常は手で持つと容易に崩壊する程
度になってしまう。このため、窒化ホウ素等からなるセ
ッター(保持板)の上に置いて脱脂を行い、セッターご
と焼結炉に移送しなければならない。また、少しの振動
でも与えると脱脂体が崩壊してしまうこともあることか
ら、強度の低下は収率を低下させる大きな要因の一つに
もなっている。
【0005】従って、本発明は、比較的強度に優れたA
lN脱脂体を提供することを主な目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記従来技
術の問題点に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、特定の組成
をもつ窒化アルミニウム質粉末を用いて一定条件下で脱
脂を行う場合には、AlN脱脂体の強度低下を防止乃至
抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、以下の窒化アルミニ
ウム質粉末及びその脱脂体の製造方法に係るものであ
る。
【0008】1.窒素と結合していないアルミニウム系
成分を5000ppmを超え、かつ、30000ppm
未満の範囲で含有することを特徴とする窒化アルミニウ
ム質粉末。
【0009】2.上記1項記載の窒化アルミニウム質粉
末に有機バインダー及び焼結助剤を配合し、成形した
後、アルミニウム系成分の融点以上の温度で加熱するこ
とを特徴とする窒化アルミニウム質脱脂体の製造方法。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明をその実施の形態と
ともに説明する。
【0011】本発明の窒化アルミニウム質粉末は、窒素
と結合していないアルミニウム系成分(以下「フリーA
l」という)を5000ppmを超え、かつ、3000
0ppm未満の範囲で含有することを特徴とする。本発
明において、フリーAlは、例えばAlNのように窒素
と結合しているアルミニウム以外のものをいい、アルミ
ニウムはもとより、アルミニウム合金も含む。
【0012】フリーAlの含有量は、用いるフリーAl
の種類等によって適宜変更できるが、通常は5000p
pmを超え、かつ、30000ppm未満の範囲、好ま
しくは6000〜29000ppm程度、より好ましく
は6000〜15000ppmである。5000ppm
以下の場合には、脱脂体の強度改善効果がほとんど認め
られない。一方、30000ppm以上の場合には、フ
リーAlどうしの溶着が多くなりすぎ、脱脂効率が低下
するおそれがある。すなわち、融着した金属Alによっ
てバインダー成分の燃焼・揮散が妨げられるおそれがあ
る。脱脂が不十分であると、残留した炭素或いは炭化物
が焼結体の反りを生じさせたり、色ムラ等の外観不良を
発生させる。
【0013】本発明の窒化アルミニウム質粉末(以下
「AlN質粉末」という)では、その粉末中にフリーA
lが含まれる態様として、例えば窒化アルミニウムか
らなる粒子(AlN粒子)とフリーAlからなる粒子
(フリーAl粒子)で構成される場合、窒化アルミニ
ウムとフリーAlからなる粒子(AlN/フリーAl粒
子)から構成される場合、フリーAl粒子とAlN/
フリーAl粒子から構成される場合、AlN粒子とA
lN/フリーAl粒子から構成される場合、AlN粒
子、フリーAl粒子及びAlN/フリーAl粒子から構
成される場合等がある。この中でも、上記の含有態様
が好ましい。
【0014】上記AlN粒子は、公知のもので良く、市
販品もそのまま使用することができる。また、その製造
方法も特に限定されず、どのような製法によって得られ
たものであっても良い。例えば、金属アルミニウム粉末
を窒素ガス雰囲気中で加熱する直接窒化法、アルミナと
カーボンの混合物を窒化性雰囲気中で加熱する還元窒化
法等によって得られたものをいずれも使用することがで
きる。なお、AlN粒子中には、本発明の効果を損なわ
ない範囲において、他の成分が含まれていても良い。
【0015】上記AlN粒子(粉末)における平均粒径
は、最終製品の用途等に応じて適宜定めることができ、
通常10μm以下、好ましくは5μm以下とすれば良
い。
【0016】上記フリーAl粒子(粉末)における平均
粒径は、通常100μm以下、好ましくは75μm以下
とする。平均粒径が100μmを超えると、フリーAl
のAlN中への分散が悪くなるとともに、焼結後におい
てフリーAlの残存によるシミが発生する場合がある。
なお、平均粒径の下限は、特に限定されないが、極端に
細かすぎると比表面積が大きくなり、その場合には含有
酸素量の増加、過度の凝集等が起こるので、10μm未
満のフリーAlはできるだけ少なくする方が好ましい。
【0017】上記フリーAl粒子におけるアルミニウム
純度は、フリーAlの含有量が上記範囲内である限り最
終製品の用途等により適宜変更できる。但し、純アルミ
ニウムを使用する場合はフリーAl粉末中99%以上、
特に99.5%以上とすることが好ましい。なお、フリ
ーAl粒子が純アルミニウムであっても、本発明の効果
を損なわない範囲で不純物(Fe、Si等)を含有して
いても良い。本発明における上記アルミニウム純度は、
金属成分元素におけるアルミニウムの割合を示し、酸素
等のガス成分元素については計算に入れない。
【0018】本発明では、上記フリーAlとしてアルミ
ニウム合金を用いることもできる。その合金の種類とし
ては、特に制限されず、例えばAl−Si系合金、Al
−Zn系合金、Al−Cu系合金、Al−Mg系合金、
Al−Ni系合金等をいずれも使用できる。但し、合金
成分が多くなると、それがAlN焼結体中に対して不純
物となる場合があるので、多くても共晶組成あたりで使
用するのが望ましい。
【0019】上記AlN/フリーAl粒子は、公知のA
lN製法を利用することによって得ることができる。例
えば、前記の直接窒化法でのAlNの製法において、反
応雰囲気温度を下げたり、或いは反応雰囲気中の窒素ガ
ス分圧を下げる等の方法によりAl成分を残留させるこ
とによって、AlNとフリーAlとが混在する上記粒子
を得ることができる。一方、還元窒化法では、アルミナ
とカーボンの混合物(原料粉末)の中にさらに金属アル
ミニウム粉末を加え、上記と同様に反応雰囲気温度を下
げたり、反応雰囲気中の窒素ガス分圧を下げることによ
り上記粒子を調製することができる。
【0020】上記AlN/フリーAl粒子(粉末)にお
ける平均粒径は、最終製品の用途等により適宜変更でき
るが、通常10μm以下、好ましくは5μm以下とす
る。
【0021】本発明AlN質粉末における平均粒径は、
最終製品の用途等に応じて適宜定めることができるが、
通常は0.6〜10μm程度、好ましくは1〜5μmと
すれば良い。平均粒径が10μmを超える場合には、焼
結性が低くなり、焼結体の密度、熱伝導率等が低下す
る。0.6μm未満では、比表面積の増大に伴い酸素量
が増加し、焼結体の熱伝導性が低下するおそれがある。
【0022】AlN質粉末中の含有酸素量は、最終製品
の用途等により適宜設定すれば良いが、通常は0.2〜
2重量%程度、好ましくは0.4〜1.5重量%とすれ
ば良い。
【0023】本発明AlN質粉末における一軸成形密度
は、通常1.7〜2.3g/cm3程度、好ましくは
1.8〜2.2g/cm3である。1.7g/cm3未満
の場合には、脱脂体の密度も低くなる傾向にある。脱脂
体の密度が低くなると、AlN質粉末における粒子間隔
が大きくなりすぎ、粒子間を固着・保持する本発明の効
果が得られなくなる。一方、2.3g/cm3を超える
場合には、脱脂体の密度が大きくなりすぎ、十分な間隙
がなくなるので、脱脂効率が悪くなり、炭素成分が焼結
体に残存し、反り、変色等が生じて外観を損なうおそれ
がある。
【0024】本発明における一軸成形密度は、次のよう
にして測定する(実施例も同じ)。すなわち、20mm
φの金型にAlN質粉末(焼結助剤、バインダー等は未
添加)2gを充填し、49MPaの圧力でプレスし、成
形体を取り出した後、寸法及び重量を測定することによ
り密度を求める。なお、金型内面には必要に応じて測定
精度に影響を与えない範囲内でステアリン酸等の潤滑剤
を塗布しても良い。
【0025】本発明方法は、上記の窒化アルミニウム質
粉末に有機バインダー及び焼結助剤を配合し、成形した
後、アルミニウム系成分の融点以上の温度で加熱するこ
とを特徴とする。
【0026】有機バインダーとしては、アクリル樹脂、
ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、エチレン−酢
酸ビニル共重合体等が使用できる。この中でもアクリル
樹脂が好ましい。有機バインダーの含有量は、AlN質
粉末の粒度分布等にもよるが、通常AlN質粉末100
重量部に対して固形分換算で1〜25重量部程度、好ま
しくは2〜15重量部とすれば良い。
【0027】焼結助剤としては、例えばY23、Ca
O、YF3、CaF2のほか、ランタノイド元素の酸化物
等を使用することができる。この中でも特にY23が好
ましい。焼結助剤の含有量は、AlN質粉末の組成等に
よるが、AlN質粉末100重量部に対して固形分換算
で0.5〜7重量部程度、好ましくは1〜5重量部程度
とすれば良い。
【0028】また、本発明では、上記の有機バインダー
及び焼結助剤のほか、本発明の効果を損なわない範囲内
で、必要に応じて有機溶剤(トルエン、イソプロピルア
ルコール、メチルエチルケトン、エタノール、酢酸エチ
ル、キシレン、トリクロロエチレン等)、その他解膠剤
として界面活性剤等の各種の添加剤を配合することがで
きる。
【0029】次に、本発明AlN質粉末を用いて、成形
した後、脱脂及び焼結を行う。成形方法は、公知の方法
に従えば良く、例えばドクターブレード法でシート状に
成形したり、或いはプレス成形法により所定の形状に成
形しても良い。
【0030】成形体の脱脂は、AlN質粉末中のアルミ
ニウム系成分の融点以上の温度で加熱することにより行
う。融点より低い温度ではAlの溶解が起こらず、Al
N粒子間を固着する効果が得られない。脱脂温度の上限
は、脱脂体の反り、急激な酸化等が起こらない限り特に
制限されないが、通常は1200℃以下、好ましくは1
000℃以下とすれば良い。
【0031】脱脂(炉)の雰囲気は、AlN質粉末の組
成、最終製品の用途等に応じて適宜変更することができ
る。例えば、脱脂体が酸化されても良い場合には大気
中、ドライエアー中等で行えば良い。一方、酸化が問題
となる場合には、例えば不活性雰囲気中(アルゴン、ヘ
リウム等)で行えば良い。
【0032】得られた脱脂体は、引き続いて焼結を行う
ことができる。焼結は、その雰囲気を窒素ガス含有雰囲
気とする以外は、公知の焼結方法によれば良く、例えば
窒素ガス含有雰囲気中1600〜2000℃程度の範囲
で焼結すれば良い。1600℃未満の場合は緻密化が起
こらず、密度、強度、熱伝導率等のすべてが低くなり、
所望の性能を得ることができない。一方、2000℃を
超えると反り、変色等の外観不良、一部のAlNの昇華
等が起こる。
【0033】窒素ガス雰囲気の圧力は、通常は1気圧程
度で行えば良いが、焼結炉の種類、構造等によって適宜
減圧又は加圧しても良い。窒素ガスは、通常は工業用の
純窒素ガス(純度4N)を用いることができる。また、
本発明では、窒素ガスのほかに、Ar等の不活性ガス成
分を含んでいてもよい。この雰囲気下における焼結によ
り、脱脂体中に存在するフリーAlが窒化反応によりA
lNとなる。但し、本発明の効果を損なわない限りにお
いてはフリーAlが焼結体中に残存していても良い。
【0034】
【発明の効果】本発明の窒化アルミニウム質粉末は、そ
の成形体の脱脂時において、一定量で含有するフリーA
lがその融点以上の温度でAlN粉末の表面を濡らし、
AlN粒子どうしを粘結する作用を有し、成形体の形状
を保持するのに十分な作用効果を発揮する。
【0035】脱脂体中のフリーAlは、窒素ガスを含む
雰囲気中で焼結することによって、窒化反応が起こり、
最終的にはAlNに変化する。このため、AlNの特徴
である高密度、高熱伝導性等を十分発揮できるAlN焼
結体を得ることができる。また、脱脂体の強度向上によ
る効果により、脱脂中又は脱脂後における破壊・変形が
抑制乃至防止できる結果、焼結体の収率も向上できる。
さらに、複雑な形状のAlN系焼結体を製造することが
できる。
【0036】このような本発明AlN質粉末は、IC基
板、半導体パッケージ等の半導体用材料として有用であ
る。また、脱脂体の強度、収率等の向上により、生産効
率の向上にも寄与することができる。
【0037】
【実施例】次に、実施例及び比較例を示し、本発明の特
徴とするところをより詳細に説明する。但し、本発明
は、これらの実施例に限定されるものではない。なお、
以下の実施例及び比較例における各物性の測定は次の方
法により行った。
【0038】1)AlN質粉末中のフリーAlの定量 試料1〜2gをNaOH(20%)水溶液が入った容器
に入れて分解を行い、発生するH2ガス量からフリーA
l量を算出した。定量下限は100ppmである。以
下、本測定で定量下限値以下であった試料のフリーAl
量は0重量%とした。
【0039】2)AlN質粉末中の含有酸素量 不活性ガス中溶解赤外線吸収法(「EMGA−280
0」堀場製作所(株)製)により測定した。
【0040】3)AlN質粉末の粒度 レーザー回折法(「LA−500」堀場製作所(株)
製)により測定した。
【0041】4)成形体の密度測定寸法及び重量測定に
より成形体密度を測定した。
【0042】5)焼結体の密度 アルキメデス法により測定した。
【0043】6)焼結体の熱伝導率 レーザ・フラッシュ法(熱定数測定装置「LF/TCM
−FA8510B」理学電気(株)製)により測定し
た。
【0044】7)収率 各実施例及び比較例と同条件で作製したグリーンシート
から、50mm×50mmの寸法で切り抜いた成形体を
100枚切り取り、各実施例等に示す条件にて脱脂・焼
結を行い、焼結体に割れ、亀裂等、或いは使用に耐えな
い反り、焼きムラ等が生じたものを不良品とし、それ以
外の良好なものの割合を百分率(%)により示した。
【0045】実施例1〜3 フリーAlがAlN質粉末中に表1に示す所定量存在す
るようにAlN製造時に窒素分圧を調整したほかは、公
知の直接窒化法に従って粉末を調製した。このときのA
lN質粉末の平均粒径は2μm、含有酸素量は0.9〜
1.1重量%であった。
【0046】AlN質粉末100重量部に対し、焼結助
剤としてY235重量部及び有機系バインダーとしてア
クリル樹脂(「G−27」互応化学工業(株)製)26
重量部(固形分換算で13重量部)を添加し、さらに有
機溶剤としてトルエン32重量部を添加混合した。得ら
れた混合物を脱泡機により脱泡し、粘度調整を行った
後、ドクターブレード法によりシート成形を行った。
【0047】上記シートから50mm×50mmの寸法
で切り抜いた後、BNセッター(保持板)に載せ、大気
中700℃で30分間脱脂を行った。脱脂体をBNセッ
ターに載せたまま、焼結炉に移送し、窒素ガス雰囲気中
1850℃で3時間の常圧焼結を行った。粉体特性なら
びに焼結体の物性及び収率を表1に示す。
【0048】実施例4 AlN粉末(平均粒径2μm、含有酸素量1重量%)
に、金属Al粉末(平均粒径40μm)を15000p
pm添加混合してAlN質粉末を得た。この粉末を用い
て、実施例1と同様にして脱脂、焼結した。得られた焼
結体について実施例1と同様にして評価を行った。その
結果を表1に示す。
【0049】実施例5 AlN粉末(平均粒径2μm、含有酸素量1重量%)
に、金属Al粉末(平均粒径90μm)を15000p
pm添加混合してAlN質粉末を得た。この粉末を用い
て、実施例1と同様にして脱脂、焼結した。得られた焼
結体について実施例1と同様にして評価を行った。その
結果を表1に示す。
【0050】実施例6 AlN質粉末中にフリーAlが14000ppm残存す
るように、AlN製造時に窒素分圧を調整したほかは、
公知の直接窒化法に従って粉末を調製した。次いで、A
lN質粉末の平均粒径が4.5μmになるように粉砕し
た。この粉末を用いて、実施例1と同様にして脱脂、焼
結した。得られた焼結体について実施例1と同様にして
評価を行った。その結果を表1に示す。
【0051】実施例7 AlN質粉末中にフリーAlが14000ppm残存す
るように、AlN製造時に窒素分圧を調整したほかは、
公知の直接窒化法に従って粉末を調製した。次いで、A
lN質粉末の平均粒径が1.7μmになるように粉砕し
た。この粉末の一軸成形密度は1.82g/cm3であ
った。この粉末を用いて、実施例1と同様にして脱脂、
焼結した。得られた焼結体について実施例1と同様にし
て評価を行った。その結果を表1に示す。
【0052】実施例8 AlN質粉末中にフリーAlが13000ppm残存す
るように、AlN製造時に窒素分圧を調整したほかは、
公知の直接窒化法に従って粉末を調製した。次いで、A
lN質粉末の平均粒径が2.8μmになるように粉砕し
た。この粉末の一軸成形密度は2.15g/cm3であ
った。この粉末を用いて、実施例1と同様にして脱脂、
焼結した。得られた焼結体について実施例1と同様にし
て評価を行った。その結果を表1に示す。
【0053】実施例9 AlN粉末(平均粒径2μm、含有酸素量1重量%)
に、Al−12重量%Si合金粉末(平均粒径50μ
m)を17000ppm添加混合してAlN質粉末を得
た。この粉末を用いて、脱脂温度を600℃とした以外
は、実施例1と同様にして脱脂、焼結を行った。得られ
た焼結体につき実施例1と同様にして評価を行った。そ
の結果を表1に示す。
【0054】実施例10 AlN粉末(平均粒径2μm、含有酸素量1重量%)
に、Al−6重量%Ni合金粉末(平均粒径50μm)
を16000ppm添加混合してAlN質粉末を得た。
この粉末を用い、脱脂温度を650℃とした以外は実施
例1と同様にして脱脂、焼結を行った。得られた焼結体
につき実施例1と同様にして評価を行った。その結果を
表1に示す。
【0055】比較例1 AlN製造時にフリーAlが残存しないような条件とし
た以外は、実施例1と同様にしてAlN粉末を製造し
た。次に、AlN粉末の平均粒径が2.0μmになるよ
うに粉砕した。この粉末を用いて、実施例1と同様にし
て脱脂、焼結した。得られた焼結体について実施例1と
同様にして評価を行った。その結果を表1に示す。
【0056】比較例2 AlN質粉末中にフリーAlが35000ppm残存す
るようにした以外は、実施例1と同様にしてAlN粉末
を製造した。次いで、AlN粉末の平均粒径が2.0μ
mになるように粉砕した。この粉末を用いて、実施例1
と同様にして脱脂、焼結した。得られた焼結体について
実施例1と同様にして評価を行った。その結果を表1に
示す。
【0057】
【表1】
【0058】以上の結果より、本発明の窒化アルミニウ
ム質粉末は、その脱脂体において優れた強度等を発揮で
きることがわかる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】窒素と結合していないアルミニウム系成分
    を5000ppmを超え、かつ、30000ppm未満
    の範囲で含有することを特徴とする窒化アルミニウム質
    粉末。
  2. 【請求項2】窒素と結合していないアルミニウム系成
    分からなる粒子であって平均粒径が100μm以下のも
    の、及び窒素と結合していないアルミニウム系成分と
    窒化アルミニウムとからなる粒子であって平均粒径が1
    0μm以下のものの少なくとも1種を含む請求項1記載
    の窒化アルミニウム質粉末。
  3. 【請求項3】一軸成形密度が1.7〜2.3g/cm3
    である請求項1記載の窒化アルミニウム質粉末。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3のいずれかに記載の窒化ア
    ルミニウム質粉末に有機バインダー及び焼結助剤を配合
    し、成形した後、アルミニウム系成分の融点以上の温度
    で加熱することを特徴とする窒化アルミニウム質脱脂体
    の製造方法。
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