JP2002225198A - 二軸配向積層熱可塑性樹脂フィルム - Google Patents

二軸配向積層熱可塑性樹脂フィルム

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JP2002225198A JP2001023384A JP2001023384A JP2002225198A JP 2002225198 A JP2002225198 A JP 2002225198A JP 2001023384 A JP2001023384 A JP 2001023384A JP 2001023384 A JP2001023384 A JP 2001023384A JP 2002225198 A JP2002225198 A JP 2002225198A
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哲也 恒川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高密度磁気記録テープ、特にコンピューター
用磁気テープの薄膜化に伴う機械強度、走行性、熱寸法
安定性に優れたフィルムを提供する。 【解決手段】 少なくとも1つの層(A層)は、熱可塑
性樹脂(A)と板状不活性粒子(PA) を主たる成分か
らなり、A層の少なくとも片面に熱可塑性樹脂(B)を
主たる成分とするB層が積層された、2層以上の積層構
造からなるフィルムであって、前記板状不活性粒子(P
A) のアスペクト比(板面方向における平均粒径D/板
面と垂直の方向における粒子の平均厚みdt)が3〜1
00、含有量が1〜80重量%であることを特徴とする
二軸配向積層熱可塑性樹脂フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、二軸配向積層熱可
塑性樹脂フィルム、例えば、磁気記録媒体用、コンデン
サー用などの各種の工業材料用フィルムとして非常に適
した二軸配向積層熱可塑性樹脂フィルムに関するもので
あり、特に、機械特性、耐摩耗性、寸法安定性を要求す
るコンピューター用磁気記録媒体基材として有用な二軸
配向積層熱可塑性樹脂フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁気記録媒体用ベースフィルムとして
は、出力性能や走行性を向上させるために、積層厚みと
含有粒子の平均粒径との関係を規定した二軸配向フィル
ムが知られている(例えば特開平2−77431号公
報)。また、遮光性を付与するために偏平粒子を用いた
二軸配向フィルムも知られている(例えば特開平6−3
22147号公報)。
【0003】しかし、上記のような従来の二軸配向フィ
ルムでは、磁気記録媒体用ベースフィルムとして用いた
場合、近年の工程速度の増速化や磁気記録テープの薄膜
化に伴い、ベースフィルムの厚みが薄くなると、フィル
ムの機械強度や耐久性および走行性が不十分となること
がある。また、近年の磁気記録テープの高密度化に伴っ
て、記録された小さな磁区が周りの磁性体の影響を受け
て不安定となり、基材フィルムが熱的な揺らぎを受け、
寸法安定性が悪化し磁気記録テープのデータの信頼性が
悪化するなどの問題が生じている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、かか
る問題点を解決し、特に、コンピューター用高密度磁気
記録テープの薄膜化に伴い要求が高まっている機械強
度、走行性、熱寸法安定性に優れたフィルムを提供する
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の二軸配向積層熱可塑性樹脂フィルムは、少
なくとも1つの層(A層)は、熱可塑性樹脂(A)と板
状不活性粒子(PA)を主たる成分からなり、A層の少な
くとも片面に熱可塑性樹脂(B)を主たる成分とするB
層が積層された、2層以上の積層構造からなるフィルム
であって、前記板状不活性粒子(PA) のアスペクト比
(板面方向における平均粒径D/板面と垂直の方向にお
ける粒子の平均厚みdt)が3〜100、含有量が1〜
80重量%であることを特徴とするものからなる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明について、望ましい
実施の形態とともに詳細に説明する。本発明の二軸配向
積層熱可塑性樹脂フィルムは、2層以上の積層構造を有
する。単層であると、例えば、磁気記録媒体用として用
いる場合、走行性を向上させる目的で不活性粒子を含有
させると、表面の突起の突起径や突起高さが不均一とな
り、表面性が著しく低下し、出力特性や耐摩耗性を良好
にすることが出来ない。積層構成は2層以上であれば3
層でも4層でも構わないが、本発明で目的とする機械強
度、寸法安定性、走行性を良好に満足させるためには、
とくに3層積層構成が好ましい。3層積層構成として
は、熱可塑性樹脂B/熱可塑性樹脂A/熱可塑性樹脂B
の構成や、熱可塑性樹脂B/熱可塑性樹脂A/熱可塑性
樹脂Cの構成を採ることができる。
【0007】本発明の二軸配向積層熱可塑性樹脂フィル
ムを構成する熱可塑性樹脂A、B、Cは、特に限定され
ないが、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、
ポリイミド、ポリフェニレンスルフィドが好ましく例示
される。各層を構成する熱可塑性樹脂A、B、Cは同種
でも異なる種類のものであっても構わない。また、本発
明の目的を阻害しない範囲内で他種ポリマをブレンドし
ても構わないし、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、帯電防止剤、難燃剤、顔料、染料、脂肪酸エステ
ル、ワックスなどの有機滑剤や不活性粒子などが添加さ
れてもよい。
【0008】本発明の二軸配向積層熱可塑性樹脂フィル
ムのA層に含有される粒子の粒形は板状形である。粒形
が板状であると、ポリマの分子鎖に沿って粒子が配向し
易くなるためかフィルムの機械強度と寸法安定性が向上
する。含有粒子が球形や楕円形の粒子ではフィルムの機
械強度が十分高められないので好ましくない。
【0009】本発明の二軸配向積層熱可塑性樹脂フィル
ムのA層に含有される板状不活性粒子(PA) のアスペ
クト比(板面方向における平均粒径D/板面と垂直の方
向における粒子の平均厚みdt)は、機械強度、寸法安
定性の点から3〜100である。好ましくは5〜80の
範囲であり、さらに好ましくは10〜50の範囲であ
る。アスペクト比が本発明で規定した範囲外である、例
えば球形粒子では、フィルムの機械強度、寸法安定性を
向上させることが出来ない。また、アスペクト比が本発
明における範囲よりも大きいと、粒子が凝集し、ポリマ
に沿って配向しにくくなり、機械強度や寸法安定性を向
上させることができないので好ましくない。
【0010】板状不活性粒子としては特に限定されない
が、タルク、マイカ、ガラスフレーク、板状アルミナ、
シリカ、炭酸カルシウム、二酸化チタン、硫酸バリウ
ム、石英粉、鱗片状黒鉛、フッ素雲母、リン酸カルシウ
ム、酸化鉄等が例示される。中でも特に機械強度、寸法
安定性の点から、モース硬度が6〜10の範囲にある粒
子が好ましい。モース硬度が6〜10の粒子としては、
シリカ、アルミナ、ジルコニア、二酸化チタン粒子等が
例示されるが、本発明の効果を得るためには特に板状ア
ルミナ粒子が好ましい。
【0011】板状不活性粒子の平均粒径(板面方向にお
ける平均粒径:つまり板の平均径)としては、0.1〜
10μmが好ましく、更に好ましくは、0.3〜5μm
である。この平均粒径(板の径)が0.1μmよりも小
さいと、フィルム中で凝集し、均一な機械強度を得るこ
とができない。また、上記平均粒径が上記範囲よりも大
きいとフィルム自体の剛性が強くなりすぎ取り扱い性が
悪化したり、粒子と基材との界面にできる空隙(ボイ
ド)が大きくなりすぎて高い機械強度を得ることができ
ない。
【0012】本発明においては、板状不活性粒子のA層
中での含有量は、機械強度と寸法安定性の点から1〜8
0重量%とされる。好ましくは5〜50重量%であり、
さらに好ましくは10〜40重量%である。板状不活性
粒子の含有量が1重量%よりも少ないと機械強度と寸法
安定性を共に満足させることができない。また、含有量
が80重量%よりも多くなるとフィルム自体が脆くなり
好ましくない。
【0013】本発明の板状不活性粒子には、必要に応じ
て基材樹脂との親和性を高めるためやA層中での凝集状
態をコントロールする目的で表面処理を施すことができ
る。
【0014】本発明の二軸配向積層熱可塑性樹脂フィル
ム全体に対するA層の厚み割合は、1〜95%の範囲に
あることが好ましく、より好ましくは5〜80%の範囲
である。A層厚みの割合が上記範囲外であると、機械強
度、寸法安定性および走行性の全てを向上させることが
できない。
【0015】本発明における熱可塑性樹脂Bからなる、
B層の積層厚み(tB)は、表面性の点から板状不活性
粒子Aの厚み(dt)の0.5〜100倍の範囲にある
ことが好ましい。より好ましくは1〜80倍であり、さ
らに好ましくは2〜50倍である。B層厚みが上記範囲
よりも小さいとA層中に含有している粒子による表面突
起がB層表面にトレースされ、表面粗さが大きくなり出
力特性が悪化するため好ましくない。B層厚みが上記範
囲より大きいと、A層中に含有している粒子による表面
突起がB層表面に全くトレースされず、磁気ヘッドに対
する走行性が悪化する場合があるので好ましくない。B
層厚みが上記範囲内であると、A層表面の粗さが適度に
B層表面にトレースされるので好ましい。
【0016】本発明におけるB層は粒子を含有している
必要はないが、平均粒径が0.8μm以下の粒子であれ
ば含有していても構わない。この場合、含有量は1重量
%以下にすることが本発明の目的の点から望ましい。
【0017】本発明においてC層は、熱可塑性樹脂Cと
不活性粒子(PB) を主成分とし、C層の積層厚みは耐
摩耗性、走行性の点から0.1〜3μmとされる。好ま
しくは、C層の積層厚みは0.5〜2μmである。
【0018】不活性粒子(PB) としては特に限定され
ないが、酸化チタン、炭酸カルシウム、カオリン、タル
ク、コロイダルシリカ、ケイ酸アルミニウム粒子、リン
酸カルシウム、硫酸バリウム、カーボンブラック、アル
ミナおよびジルコニア等の凝集粒子、架橋ポリスチレ
ン、シリコーン、ポリイミドなどの架橋有機粒子、ポリ
エステル重合反応時に添加する触媒等によって析出す
る、いわゆる内部粒子や、界面活性剤などが好ましく例
示される。また、含有粒子は1種類でもよいが2種類以
上併用しても構わない。
【0019】含有する不活性粒子(PB) の平均粒径dB
は、0.05〜0.8μmが好ましく、より好ましくは
0.1〜0.6μmである。含有量は0.01〜1重量
%が好ましく、より好ましくは0.1〜0.6重量%で
ある。
【0020】不活性粒子(PB) としては、特に限定さ
れないが粒径比(長径/短径)が1.0〜1.3の実質
的に球形の粒子を用いることが好ましい。しかしなが
ら、炭酸カルシウム粒子やアルミナのように粒形が不定
形の粒子や凝集体であっても、含有量や粒径の調節、さ
らに、球形粒子との併用によって使いこなすことができ
る。また、粒径の相対標準偏差が0.6以下の粒度分布
のシャープな粒子が好ましい。
【0021】本発明の二軸配向積層熱可塑性樹脂フィル
ムのヤング率は、長手方向、幅方向共に5GPa以上2
0GPa以下であることが好ましい。より好ましくは、
7〜15GPa、更に好ましくは8〜12GPaである。
フィルムのヤング率を上記範囲内とすることによって、
過酷な環境下での使用や磁気記録媒体の薄膜化に対応で
きる基材フィルムを、より容易に得ることができる。
【0022】本発明の二軸配向積層熱可塑性樹脂フィル
ムの長手方向の熱収縮率は、熱寸法安定性の点から0〜
1.5%であることが好ましく、より好ましくは0〜
1.2%である。熱収縮率をこの範囲内とすることによ
って、特に、データバックアップ用記録媒体としたとき
に、過酷な環境下の使用でも高い信頼性が得られ好まし
い。
【0023】本発明の二軸配向積層熱可塑性樹脂フィル
ムの用途は、特に限定されないが、磁気記録媒体用、コ
ンデンサー用などに用いられる。特に、データバックア
ップ用磁気記録媒体用基材として有効に用いることがで
きる。
【0024】本発明に係るフィルムの製造方法の具体例
について説明するが、本発明はこれに限定されるもので
はない。本発明で用いる熱可塑性樹脂は公知の方法によ
り得られるものを用いることができる。また、所定の熱
可塑性樹脂に添加される板状不活性粒子(PA) 、不活
性粒子(PB) は、樹脂製造工程における重合前、重合
中、重合後のいずれの段階で添加してもよいが、例え
ば、熱可塑性樹脂としてポリエステルを用いる場合は、
粒子をジオール成分にスラリーの形で混合、分散せしめ
て重合する方法、あるいはこのスラリーを熱可塑性樹脂
に二軸ベント式押出機を用いて練り込む方法が例示され
る。また粒子スラリーを180〜230℃、特に190
℃〜210℃の温度で30分〜12時間、好ましくは、
2〜8時間熱処理する方法は本発明の効果をより一層高
めるのに有効である。また、有機添加剤として、例え
ば、アルキルスルホン酸アルキル金属塩を用いる場合に
は、重合触媒を添加した後に添加し、所定の重合度が得
られた時点で添加を終了する。高級エステルを添加する
場合は、重合が完了する直前に、その重合最終段階にお
ける温度で、ポリマーを攪拌しながら添加するのが好ま
しい。
【0025】粒子および有機化合物の含有量を調節する
方法としては、上記方法で高濃度マスターを作ってお
き、この高濃度の粒子および有機化合物マスターペレッ
トを製膜時に粒子などを実質的に含有しないポリマーで
希釈する方法を用いるのが好ましい。
【0026】次に、これらの粒子を含有する熱可塑性樹
脂のペレットを必要に応じて十分乾燥した後、固有粘度
が低下しないように窒素気流下あるいは真空下で280
〜320℃に加熱された押出機に供給し、従来から行わ
れている方法により製膜する。また、異物や変質ポリマ
ーを除去するために各種のフィルター、例えば、焼結金
属、多孔性セラミック、サンド、金網などの素材からな
るフィルターを用いることが好ましい。フィルターの濾
過精度は、使用する不活性粒子の粒径によって適宜選択
することが好ましい。各層を構成する熱可塑性樹脂A,
B,C(A,B,Cは同種、異種いずれでもよい)をそ
れぞれ十分乾燥した後、2台以上の溶融押出機にそれぞ
れ別に供給し、2または目的とする多層のマニホールド
または合流ブロックを用いて、熱可塑性樹脂(A)の少
なくとも片面に熱可塑性樹脂(B)からなるポリマ層を
ポリマ管あるいは口金の段階で積層し、スリット状の口
金から2層以上のシートを押し出し、静電印加キャスト
法を用いて表面温度20〜50℃のキャスティングドラ
ム上で冷却固化せしめて未延伸フィルムを作る。この場
合、合流断面が矩形の合流ブロックを用いて積層する方
法が、各種不活性粒子含有の熱可塑性樹脂層を薄く均一
に積層するのに有効である。また、各層を構成するポリ
マ流路にスタティックミキサー、ギヤポンプを設置する
方法、表面層の熱可塑性樹脂BおよびCの溶融粘度をそ
れと接触する他層の熱可塑性樹脂Aの溶融粘度よりも高
くしておく方法は本発明の機械強度、熱寸法安定性を得
るのに有効である。
【0027】次にこの未延伸フィルムを二軸延伸し、二
軸配向せしめる。延伸方法としては、逐次二軸延伸法ま
たは同時二軸延伸法を用いることができる。例えば、最
初に長手方向、次に幅方向の延伸を行う逐次二軸延伸法
を用いる場合、長手方向の延伸倍率は、特に限定されな
いが、延伸速度5000〜50000%/分の速度で、
総延伸倍率は3〜10倍とするのが好ましく、さらに好
ましくは3.5〜9倍の範囲である。延伸温度は、熱可
塑性樹脂のガラス転移温度Tg以上、(ガラス転移温度
Tg+50℃)以下の範囲が好ましい。
【0028】幅方向の延伸は、公知のテンターを用い
て、延伸温度90〜160℃、より好ましくは95〜1
50℃の延伸温度で3〜10倍、より好ましくは3.5
〜9倍、幅方向の延伸速度は1000〜30000%/
分の範囲で行うのが好ましい。さらに必要に応じて、こ
の二軸延伸フィルムを再度長手方向、幅方向の少なくと
も一方向に延伸を行ってもよい。
【0029】次にこの延伸フィルムを熱処理する。この
場合の熱処理温度は170〜250℃、より好ましくは
180〜230℃で、処理時間は1〜30秒が好まし
い。
【0030】また、延伸法として同時二軸延伸法を用い
る場合は、リニアモーターを利用した駆動方式によるテ
ンターを用いて同時二軸延伸方法を用いることが好まし
い。同時二軸延伸温度としては、熱可塑性樹脂のガラス
転移温度Tg以上、(ガラス転移温度Tg+50℃)以
下であることが好ましい。延伸温度がこの範囲を大きく
外れると、均一延伸ができなくなり厚み斑やフィルム破
れが悪化し好ましくない。延伸倍率は、縦方向、横方向
それぞれ3〜10倍に延伸する。延伸速度としては特に
限定されないが、2000%/分〜50000%/分が
好ましい。
【0031】次にこの延伸フィルムを熱処理する。この
場合の熱処理温度は170〜250℃、特に180〜2
30℃である。熱処理の時間は1〜30秒の範囲が好適
である。
【0032】この様にそれぞれの方法で二軸配向し熱処
理を施したフィルムを室温まで徐冷しワインダーにて巻
き取る。冷却方法は、2段階以上に分けて室温まで徐冷
するのが好ましい。この時、長手方向、幅方向に0.5
〜10%程度のリラックス処理を行うことは、熱寸法安
定性を本願の範囲内にするのに有効である。冷却温度と
しては、第1段目が[熱処理温度−20℃]〜120℃
であり、第2段目が[1段目の冷却温度−30℃]〜4
0℃の範囲内が好ましいが、これに限定されるものでは
ない。
【0033】[物性の測定方法ならびに効果の評価方
法] (1)板状不活性粒子の板の平均粒径Dおよびアスペク
ト比(D/dt) フィルムから熱可塑性樹脂をプラズマ低温灰化処理法で
除去し粒子を露出させる。処理条件はポリマは灰化され
るが粒子はダメージを受けない条件を選択する。板状粒
子が含有されている層の上に他の層が積層されている場
合は、片刃で積層部を削り取ってから、上記の方法で観
察する。これをSEM(走査型電子顕微鏡)を用いて観
察し、粒子の画像(粒子によってできる光の濃淡)をイ
メージアナライザーに結びつけて処理する。観察場所を
変え粒子数1000個以上について、個々の粒子の板面
方向における直径を測定し、その平均値を板状不活性粒
子の板の平均粒径Dとする。SEMの倍率としてはおお
よそ2000倍〜10万倍くらいで妥当であると考えら
れるが、更に粒子が微細である場合は、倍率を適宜高倍
率に変更し観察する。
【0034】粒子の平均厚みdtは、上記と同様に、S
EM写真から求めることもできるが、フィルムを平面に
対して垂直に、厚さ100nmの超薄膜片として、透過
型電子顕微鏡(TEM)を用いて、板状不活性粒子の長
径(上記の板の平均径Dに相当)と短径(粒子の厚み)
を観察し、粒子1000個以上について、粒子厚みに相
当する値を求め、その平均値を不活性粒子の平均厚みd
tとする。透過型電子顕微鏡の観察倍率は、適宜選択で
きるが、通常、2000〜10万倍程度である。以上の
通り、板状不活性粒子の粒径(D)と厚み(dt)をそ
れぞれ求め、下記式よりアスペクト比を算出した。 アスペクト比=Σ(D/dt)/N N:粒子総個数
【0035】(2)球形および不定形の不活性粒子の平
均粒径dB フィルム断面を透過型電子顕微鏡(TEM)を用い、フ
ィルム中に含有されている粒子形状が板状以外の球形あ
るいは不定形の粒子を1万倍以上の倍率で観察し、粒子
等価球直径を観察する。TEMの切片厚さは約100nm
とし、場所を変えて100視野以上測定する。下記の式
から体積平均径dBを求める。 dB=Σdi*NVi diは粒径、NViはその体積分率である。
【0036】(3)粒子の含有量 積層部の粒子含有量は、フィルムを幅1/2インチにテー
プ状にスリットしたものを用い、フィルム表面に片刃を
垂直に押しあて、さらに0.5mm押し込んだ状態で2
0cm走行させる(走行張力:500g、走行速度:
6.7cm/秒)。このとき片刃の先に付着したフィル
ム表面の削れ物を、ポリマは溶解し粒子は溶解しない溶
媒を選択して溶解させ、粒子をポリマから遠心分離し、
粒子の全体重量に対する比率(重量%)をもって粒子含
有量とする。場合によっては赤外分光法の併用も有効で
ある。
【0037】(4)フィルム積層厚み 2次イオン質量分析装置(SIMS)を用いて、表層か
ら深さ5000nmの範囲のフィルム中の粒子の内もっと
も高濃度の粒子に起因する元素とポリエステルの炭素元
素の濃度比(M+/C+)を粒子濃度とし、表面から深さ
5000nmまで厚さ方向の分析を行う。表層では表面
という界面のために粒子濃度は低く表面から遠ざかるに
つれて粒子濃度は高くなる。本発明フィルムの場合は一
旦極大値となった粒子濃度がまた減少し始める。この濃
度分布曲線をもとに表層粒子濃度が極大値の1/2とな
る深さ(この深さは極大値となる深さよりも深い)を求
め、これを積層厚さとした。条件は次の通りである。 (1) 測定装置 2次イオン質量分析装置(SIMS) 西独、ATOMIKA社製 A-DIDA3000 (2) 測定条件 1次イオン種 :O2 + 1次イオン加速電圧:12KV 1次イオン電流 :200nA ラスター領域 :400μm□ 分析領域 :ゲート30% 測定真空度 :5.0×10-9Torr E−GUN :0.5KV−3.0A
【0038】なお、表層から深さ5000nmの範囲に最
も多く含有する粒子が有機高分子粒子の場合はSIMS
では測定が難しいので、表面からエッチングしながらX
PS(X線光電子分光法)、IR(赤外分光法)などで
上記同様のデプスプロファイルを測定し積層厚みを求め
てもよいし、透過型電子顕微鏡(日立製H−600型)
を用いて、加速電圧100kVで、フィルム断面を、超
薄切片法(RuO4染色)で観察し、その界面をとら
え、その積層厚さを求めることもできる。倍率は、判定
したい積層厚さによって選ぶことが通常であり、特に限
定されないが、1万〜100万倍が適当である。
【0039】(5)フィルムのヤング率 東洋ボールドウィン(株)の引っ張り試験機を用いて、
温度25℃、湿度60%に調節された室温において、試
長間100mm、幅10mmの試料フィルムを引っ張り
速度10mm/分で引っ張った。得られた張力−歪み曲
線の立ち上がりの直線部分の勾配からヤング率を求め
た。
【0040】(6)熱収縮率 幅10mmにサンプリングして、200mmの間隔に標
線をマークし、標線間を測定した後(L0)そのフィル
ムを150℃に制御したオーブンに無荷重で入れ、30
分処理した後取り出し、温度25℃、湿度65%雰囲気
下に1時間、放置した後、標線間を測定し(L)、次式
にて熱収縮率を求めた。 熱収縮率(%)={(L0−L)/L0}×100
【0041】(7)耐久性 磁気テープの製造方法として、下記の磁性塗料をダイコ
ーターにより乾燥カレンダ後の厚みが2μmとなるよう
に塗布し、磁場配向させ、乾燥させる。引き続き、上記
支持体の反対側の面上に下記バックコート塗料を乾燥カ
レンダ後の厚さが0.7μmとなるように塗布し、90
℃にて乾燥させバックコート層を形成した。
【0042】このようにして得られた磁気シートをカレ
ンダー処理(温度70℃、線圧150kg/cm)した
後、コアに巻いた状態で60℃40%RH下48時間エ
ージングしたのち1/2インチ幅にスリットし、これを
100m/分で走行させながら磁性層表面をセラミック
ホイール(回転速度+150%、巻き付け角30°)で
研磨して、テープ長さ125mの磁気テープを作成し
た。この磁気テープをカートリッジに組み込んでコンピ
ューター用テープを製造した。
【0043】〈磁性塗料〉 Co含有強磁性Fe粒子 :100重量部 塩化ビニール系共重合体 : 10重量部 (日本ゼオン製:MR110) ポリウレタン樹脂 : 10重量部 (東洋紡製:UR8200) α−アルミナ(1次径0.3μm) : 10重量部 カーボンブラック(1次径20nm): 2重量部 メチルエチルケトン : 75重量部 トルエン : 75重量部 シクロヘキサノン : 75重量部 ポリイソシアネート : 5重量部 ミリスチン酸 : 2重量部 ブチルステアレート : 4重量部
【0044】〈バックコート塗料〉 カーボンブラック(1次径25nm): 40重量部 カーボンブラック(1次径75nm): 2重量部 ポリウレタン樹脂 : 20重量部 ポリイソシアネート : 4重量部 ニトロセルロース : 20重量部 メチルエチルケトン :140重量部 トルエン :140重量部 シクロヘキサノン :140重量部 ステアリン酸 : 1重量部
【0045】この磁気テープをDLT4000ドライブ
を用いて、40℃65%RH環境下で48時間、連続走
行させ、ランダムデータ信号を記録し、ブロックエラー
レート測定装置により、各コンピューター用テープのブ
ロックエラーレートを1回走行後に対する48時間後の
エラーレートの上昇率を調べ、これで耐久性を評価し
た。
【0046】(8)出力特性 本発明のフィルムに連続真空蒸着装置を用いて、微量の
酸素の存在下にコバルト・ニッケル合金(Ni20重量
%)の厚み200nmの蒸着層を設けた。さらに、蒸着層
表面にカーボン保護膜を公知の手段で形成させた後、8
mm幅にスリットし、パンケーキを作成した。次いで、
このパンケーキから長さ200m分をカセットに組み込
み、カセットテープとした。
【0047】このテープについて、市販のHi8用VT
R(SONY社製 EV-BS3000)を用いて、7MHz±
1MHzのC/Nの測定を行った このC/Nを比較例
1の磁気テープと比較して +3dB以上 :優 +1〜+3dB :良 +1dB未満 :不良 と判定した。出力特性が比較例1の磁気テープと比較し
て、+1dB以上あれば、デジタル記録方式の磁気テー
プとして充分使用できるレベルである。
【0048】(9)走行性 フィルムを幅1/2インチのテープ状にスリットしたも
のを、25℃、60%RH雰囲気で走行させ、初期の摩
擦係数μkを下記の式より求めた。 μk=2/πln(T2/T1) ここで、T1は入側張力、T2は出側張力である。ガイド
径は6mmΦであり、ガイド材質はSUS27(表面粗度
0.2S)、巻き付け角は60゜、走行速度は3.3c
m/秒である。この測定によって得られたμkが0.3
以下の場合は滑り性:良好、0.3を越える場合は滑り
性:不良と判定した。
【0049】
【実施例】次の実施例に基づき、本発明の実施形態を説
明する。 実施例1 積層構成A/Bの2層積層フィルムにおいて、A層を構
成する熱可塑性樹脂として公知の方法により得られたポ
リエチレンテレフタレート(以下、PETという)に滑
剤として平均粒径0.3μmの板状アルミナ粒子(YK
K(株)製、板状アルミナ粒子“セラフ”)を30重量
%配合したポリマ(ポリマA)を作成した。B層を構成
する熱可塑性樹脂として、公知の方法で作成した実質的
に無粒子のPETを作成した(ポリマB)。押出機2台
を用い、280℃に加熱された押出機Bには、ポリマB
を180℃で3時間真空乾燥した後に供給し、同じく2
70℃に加熱された押出機AにはポリマAを180℃で
3時間真空乾燥した後に供給し、2層積層するべくTダ
イ中で合流させ(積層構成:A/B)、表面温度25℃
のキャストドラムに静電荷を印加させながら密着冷却固
化し、積層未延伸フィルムを作成した。
【0050】この未延伸フィルムをロール式延伸機にて
長手方向に3段に分けて、温度90℃で1.5倍、92
℃で2.2倍、さらに93℃で1.3倍延伸し、続い
て、テンターを用いて、幅方向に温度98℃で3.8倍
延伸した。続いてこのフィルムを長手方向、幅方向に
1.05倍ずつ微延伸しながら雰囲気温度210℃で5
秒間熱処理し、冷却ゾーンにてリラックス率8%にて1
50℃で2秒、100℃で3秒徐冷し、60℃で1秒間
熱処理を行い、A層積層厚さ4μm、全厚さ6μmの積
層ポリエステルフィルムを得た。この積層ポリエステル
フィルムの特性は、表1に示したとおり、機械強度、熱
寸法安定性、耐久性、出力特性、走行性に優れた特性を
有していた。なお、表1においては、長手方向をMD、
幅方向をTDと略称してある。
【0051】実施例2 積層構成をB/A/Cの3層積層とするフィルムにおい
て、A層を構成するポリマとして平均粒径0.6μmの
板状アルミナ粒子を11重量%含有するPETと、下記
の原料から重縮合したメソゲン基を有する共重合ポリエ
ステル(メソゲン基含有量60モル%)(表1では、L
CPと略称してある。)を下記割合でブレンドしたポリ
マを用いた。 上記PETを90重量%、共重合ポリエステルを10重
量%をペレット状態でブレンドし、スクリュー径40m
mの異方向回転型二軸混練押出機を用いて溶融温度27
0℃にて均一に溶融混合した後、直径3mmのダイより
押し出し急冷し、均一ペレット化した(ポリマA)。B
層を構成するポリマとして上記実施例1の無粒子PET
を用いた(ポリマB)。C層を構成するポリマとして、
平均粒径0.6μmのシリコン粒子と1次径が15nm
のアルミナ粒子を2重量%含有する粒子PETポリマを
個々に作成し、これらの粒子ポリマと無粒子PETポリ
マを粒子含有量がそれぞれ0.3重量%となるよう適当
量配合したものとした(ポリマC)。
【0052】これらの原料を3台の押出機を用いて28
0℃、275℃、280℃で溶融押し出し、延伸条件を
適宜変更してB/A/Cの3層積層フィルムを作成し
た。なお、B層積層厚みは2.5μm、A層積層厚み1
μm、C層積層厚み2.5μmであった。この積層ポリ
エステルフィルムの特性は、表1に示したとおり、機械
強度、熱寸法安定性、耐久性、出力特性、走行性に優れ
た特性を有していた。
【0053】実施例3 実施例2で用いたポリマAの板状粒子種、添加量、積層
厚み比を表1の通り変更した以外は全て実施例2と同様
にしてB/A/Cの3層積層フィルムを作成した。
【0054】実施例4 積層構成をB/A/Bの3層積層のフィルムにおいて、
A層を構成するポリマーを平均粒径0.6μmの板状ア
ルミナ粒子(YKK(株)製、板状アルミナ粒子“セラ
フ”)を20重量%配合したPETポリマ(ポリマA)
を作成した。B層を構成する熱可塑性樹脂として、ポリ
エーテルイミド(ジーイープラスチックス社製“ウルテ
ム1010”、以下PEIという)と公知の方法で得た
平均粒径0.3μmのコロイダルシリカ粒子を含有する
PETを35:65の割合でブレンドしたポリマ(ポリ
マD)を用いた。押出機2台を用い、280℃に加熱さ
れた押出機Bには、ポリマBを180℃で3時間真空乾
燥した後に供給し、同じく270℃に加熱された押出機
AにはポリマAを180℃で3時間真空乾燥した後に供
給し、3層積層するべくTダイ中で合流させ(積層構
成:B/A/B)、表面温度25℃のキャストドラムに
静電荷を印加させながら密着冷却固化し、積層未延伸フ
ィルムを作成した。
【0055】この未延伸フィルムをロール式延伸機にて
長手方向に3段に分けて、温度90℃で1.8倍、92
℃で2.0倍、さらに93℃で1.3倍延伸し、続い
て、テンターを用いて、幅方向に温度98℃で4.0倍
延伸した。定長下で温度210℃で10秒間熱処理を行
い、冷却ゾーンにてリラックス率8%にて150℃で3
秒、100℃で3秒徐冷を行い、B層積層厚さ1.5μ
m、全厚さ6μmの積層ポリエステルフィルムを得た。
この積層ポリエステルフィルムの特性は、表1に示した
とおり、機械強度、熱寸法安定性、耐久性、出力特性、
走行性に優れた特性を有していた。
【0056】実施例5 B/A/D/A/Cの5層積層のフィルムにおいて、A
層ポリマを平均粒径0.6μmの板状アルミナ粒子を1
0重量%含有するPETポリマとした(ポリマA)。B
層ポリマとして上記実施例4で用いたポリエーテルイミ
ドとPETの割合を35:65の無粒子のPET/PE
Iポリマを用いた(ポリマB)。C層ポリマとして、上
記実施例2で用いたポリマCを用いた。D層のポリマと
してPETリサイクルポリマを用いた。これらの4種類
のポリマをそれぞれ乾燥し、4台の押出機に供給し、5
層積層すべくTダイ中で合流させ(積層構成:B/A/
D/A/C)、表面温度25℃のキャストドラムに静電
荷を印加させながら密着冷却固化し、積層未延伸フィル
ムを作成した。
【0057】この未延伸フィルムをロール式延伸機にて
長手方向に3段に分けて、温度91℃で1.3倍、92
℃で2.3倍、さらに93℃で1.3倍延伸し、続い
て、テンターを用いて、幅方向に温度100℃で4.2
倍延伸した。定長下で温度210℃で10秒間熱処理を
行い、冷却ゾーンにてリラックス率10%にて150℃
で3秒、100℃で3秒徐冷を行い、A層積層厚さ各
0.5μm、B層積層厚み0.5μm、C層積層厚さ1
μm、全厚さ6μmの積層ポリエステルフィルムを得
た。この積層ポリエステルフィルムの特性は、表1に示
したとおり、機械強度、熱寸法安定性、耐久性、走行性
に優れた特性を有していた。
【0058】実施例6 実施例1のポリマAを平均粒径10μmの板状アルミナ
粒子に変更し、含有量3重量%なるよう配合量を変更し
た。その他は実施例1と同様にしてA/Bの2層構成
の、A層厚み1μm、総厚み6μmの積層フィルムを得
た。この積層ポリエステルフィルムの特性は、表1に示
したとおり、機械強度、熱寸法安定性、耐久性、出力特
性、走行性に優れた特性を有していた。
【0059】実施例7 B/A/Cの3層積層において、A層の熱可塑性樹脂A
を公知の方法で得たポリエチレン2,6−ナフタレート
(以下、PENという)とし、平均粒径0.5μmの板
状アルミナ粒子を含有するPENペレットと適当量混合
し、板状アルミナ粒子含有量を5重量%とした。B,C
層ポリマは実施例2で用いたポリマBおよびポリマCを
用いた。実施例1と同様に押出し、延伸条件を適宜変更
してB、C層積層厚み2μm、A層積層厚み1μmの3
層積層フィルムを作成した。この積層ポリエステルフィ
ルムの特性は、表1に示したとおり、機械強度、熱寸法
安定性、耐久性、出力特性、走行性に優れた特性を有し
ていた。
【0060】比較例1 上記実施例2で用いたポリマAの粒子濃度を30重量%
に変更し、粒子含有量が20重量%となるよう無粒子の
PETペレットを用いて希釈し、実施例1と同様の延伸
条件で総厚み6μmの単層のフィルムを作成した。
【0061】比較例2 A/Bの2層積層フィルムにおいて、A層ポリマを平均
粒径0.6μmのシリカ粒子に変更した以外は実施例1
と同様にしてA層積層厚み1μmの2層積層フィルムを
作成した。
【0062】比較例3 B/A/Bの3層積層において、A層ポリマを無粒子の
PETとし、B層ポリマを実施例2で用いたポリマCと
して実施例3と同様に3層積層フィルムを作成した。
【0063】比較例4 実施例1のポリマAに含有する粒子を平均粒径0.3μ
mのα型アルミナ粒子に変更した以外は全て実施例1と
同様にしてA層積層厚み4μm、総厚み6μmの2層積
層フィルムを得た。
【0064】比較例5 B/A/Bの3層積層において、A層ポリマを平均粒径
2.5μmの合成マイカ粒子を10重量%含有するポリ
マとした。B層ポリマは比較例3で用いたポリマCとし
て上記比較例3と同様にA層積層厚み2μm、総厚み
6.0μmの3層積層フィルムを得た。
【0065】
【表1】
【0066】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の二軸配向
積層熱可塑性樹脂フィルムによれば、特に、高密度磁気
記録テープの薄膜化に伴う機械強度、走行性、熱寸法安
定性に優れたフィルムを提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 9:00 B29L 9:00 (72)発明者 前川 茂俊 滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レ株 式会社滋賀事業場内 Fターム(参考) 4F100 AA19A AK01A AK01B AK01C BA02 BA03 BA07 BA10B BA10C BA15 CA23A CA23C DE01A DE01C GB41 JA03 JA20A JA20C JB16A JB16B JB16C JK07 JK12A YY00A YY00C 4F210 AA24 AB11 AB16 AG01 AG03 AH38 QA02 QA03 QC06 QD04 QD16 QG01 QG15 QG18

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1つの層(A層)は、熱可塑
    性樹脂(A)と板状不活性粒子(PA) を主たる成分か
    らなり、A層の少なくとも片面に熱可塑性樹脂(B)を
    主たる成分とするB層が積層された、2層以上の積層構
    造からなるフィルムであって、前記板状不活性粒子(P
    A) のアスペクト比(板面方向における平均粒径D/板
    面と垂直の方向における粒子の平均厚みdt)が3〜1
    00、含有量が1〜80重量%であることを特徴とする
    二軸配向積層熱可塑性樹脂フィルム。
  2. 【請求項2】 前記A層の厚み(tA)が全体のフィル
    ム厚みの1〜95%である請求項1に記載の二軸配向積
    層熱可塑性樹脂フィルム。
  3. 【請求項3】 前記B層の積層厚み(tB)が板状不活
    性粒子(PA) の板面と垂直の方向における平均厚み
    (dt)の0.5〜100倍である請求項1に記載の二
    軸配向積層熱可塑性樹脂フィルム。
  4. 【請求項4】 前記A層の片面に熱可塑性樹脂(C)と
    不活性粒子(PB)を主たる成分とするC層が積層され、
    該C層の積層厚みが0.1〜3μmである請求項1に記
    載の二軸配向積層熱可塑性樹脂フィルム。
  5. 【請求項5】 前記板状不活性粒子(PA) の平均粒径
    D(板面方向における平均粒径)が0.1〜10μmで
    ある請求項1〜4のいずれかに記載の二軸配向積層熱可
    塑性樹脂フィルム。
  6. 【請求項6】 前記板状不活性粒子のモース硬度が6〜
    10である請求項1〜5のいずれかに記載の二軸配向積
    層熱可塑性樹脂フィルム。
  7. 【請求項7】 前記板状不活性粒子(PA) がアルミナ
    粒子である請求項1〜6のいずれかに記載の二軸配向積
    層熱可塑性樹脂フィルム。
  8. 【請求項8】 ヤング率が長手方向、幅方向共に5GP
    a以上20GPa以下である請求項1〜7のいずれかに
    記載の二軸配向積層熱可塑性樹脂フィルム。
  9. 【請求項9】 150℃、30分の条件での長手方向の
    熱収縮率が0〜1.5%である請求項1〜8のいずれか
    に記載の二軸配向積層熱可塑性樹脂フィルム。
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