JPH11320793A - 二軸配向ポリエステルフィルム - Google Patents

二軸配向ポリエステルフィルム

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JPH11320793A
JPH11320793A JP13898498A JP13898498A JPH11320793A JP H11320793 A JPH11320793 A JP H11320793A JP 13898498 A JP13898498 A JP 13898498A JP 13898498 A JP13898498 A JP 13898498A JP H11320793 A JPH11320793 A JP H11320793A
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JP
Japan
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biaxially oriented
polyester film
layer
oriented polyester
particles
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JP13898498A
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English (en)
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Hiroshi Kubota
啓 窪田
Hiroyuki Tanaka
裕之 田中
Iwao Okazaki
巌 岡崎
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた電磁変換特性を発現する磁気記録媒体
用として有用な二軸配向ポリエステルフィルムを得る。 【解決手段】 ポリプロピレンテレフタレートを主成分
とするポリマからなるフィルム層(A層)を少なくとも
一方の表面に有する積層ポリエステルフィルムであっ
て、長手方向と幅方向のヤング率がともに5GPa以上
であり、かつ長手方向と幅方向のヤング率の比(長手方
向のヤング率/幅方向のヤング率)が0.7〜1.2で
ある二軸配向ポリエステルフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は二軸配向ポリエステ
ルフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】二軸配向ポリエステルフィルムとしては
二軸配向積層ポリエステルフィルムが知られている(例
えば特開平2−77431号公報)。また、二軸配向ポ
リプロピレンテレフタレートフィルムも知られている
(例えば特開平9−175055号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年、
デジタルビデオテープ用やコンピュータ用のデータスト
レージ用テープなどの高性能磁気記録媒体として、小型
で高記憶容量高性能メタル塗布型テープが必要とされて
いる。小型化、記憶容量増加のためには、体積記録密度
を向上させるため、テープの薄膜化が有効である。さら
に、このような薄膜化したテープを磁気記録媒体として
用いるためには、そのベースフィルムには高い強度が必
要となる。しかし、このような強力化薄膜フィルムを用
いた場合、テープスティフネスが減少し、ヘッド当たり
が悪くなり、電磁変換特性が低下してしまうという問題
があった。本発明はかかる課題を解決し、高い強度を有
しながら、尚かつ、ヘッド当たりが良く、磁気テープと
して用いた場合に、電磁変換特性に優れる二軸配向ポリ
エステルフィルムを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の前記課題は、ポ
リプロピレンテレフタレートを主成分とするポリマから
なるフィルム層(A層)を少なくとも一方の表面に有す
る積層ポリエステルフィルムであって、長手方向と幅方
向のヤング率がともに5GPa以上であり、かつ長手方
向と幅方向のヤング率の比(長手方向のヤング率/幅方
向のヤング率)が0.7〜1.2である二軸配向ポリエ
ステルフィルムにより達成される。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の二軸配向ポリエステルフ
ィルムはポリプロピレンテレフタレート(PPT)を主
成分とするポリマからなるフィルム層(A層とする)を
少なくとも一方の表面に有する積層フィルムである。
【0006】本発明の二軸配向ポリエステルフィルムを
構成するポリエステルとして、粒子を含有する層はヘッ
ド当たりの点から、少なくとも一方の最外層にポリプロ
ピレンテレフタレートからなる層を有する必要がある。
なお、本発明の目的を阻害しない範囲内で、2種以上の
ポリマを混合してもよいし、共重合ポリマを用いてもよ
い。また、本発明の目的を阻害しない範囲内で酸化防止
剤、熱安定剤、紫外線吸収剤などの添加剤が通常添加さ
れる程度添加されていてもよい。
【0007】また、本発明の二軸配向ポリエステルフィ
ルムを構成するポリエステルとして、他の層は特に限定
されないが、エチレンテレフタレート、エチレンα、β
−ビス(2−クロルフェノキシ)エタン−4、4′−ジ
カルボキシレート、エチレン2、6−ナフタレンジカル
ボキシレート単位から選ばれた少なくとも一種の構造単
位を主要成分とするポリマが好ましく例示される。中で
も、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ(エ
チレンー2,6−ナフタレンジカルボキシレート)(P
EN)が特に好ましい。なお、本発明の目的を阻害しな
い範囲内で、2種以上のポリマを混合してもよいし、共
重合ポリマを用いてもよい。また、本発明の目的を阻害
しない範囲内で酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤な
どの添加剤が通常添加される程度添加されていてもよ
い。
【0008】本発明の二軸配向ポリエステルフィルムの
A層厚み(A層が2層以上ある場合にはそれぞれの層の
厚み)は特に限定されないが、耐摩耗性の点から0.0
1〜3μmが好ましく、より好ましくは0.02〜2μ
m、さらに好ましくは0.03〜1μmである。
【0009】本発明の二軸配向ポリエステルフィルム
は、長手方向と幅方向のヤング率が5GPa以上であ
り、好ましくは6GPa以上、さらに好ましくは7GP
a以上である。長手方向と幅方向のヤング率が5GPa
より小さいと、フィルムのスティフネスが低下し、磁気
テープに加工した際の電磁変換特性が悪化する。
【0010】本発明の二軸配向ポリエステルフィルム
は、長手方向と幅方向のヤング率の比が、0.7〜1.
2であり、好ましくは0.75〜1.15、さらに好ま
しくは0.8〜1.1である。この範囲を外れると、特
にヘリカルスキャン方式の記録ヘッドを用いた磁気テー
プでは、ヘッド当たりが不均一となり、電磁変換特性が
低下する。
【0011】本発明の二軸配向ポリエステルフィルム
は、ポリプロピレンテレフタレート層に粒子を含有する
必要はないが、加工時のハンドリング性(摩擦特性)の
点からポリプロピレンテレフタレート層に粒子を含有し
てもよい。その場合、用いる粒子の平均粒径は、0.0
1〜2μmが好ましい。さらに好ましくは0.02〜
1.5μm、最も好ましくは0.02〜1μmである。
また、該粒子含有量は0.01〜3重量%が好ましい。
さらに好ましくは0.02〜2重量%、最も好ましくは
0.05〜1重量%である。粒子の粒径が2μmより大
きかったり、添加量が3重量%より多い場合には電磁変
換特性が低下する場合がある。また、粒子の粒径が0.
01μmより小さかったり、添加量が0.01重量%よ
り少ないと、加工工程における金属ガイド等に対する摩
擦係数が大きくなり、ハンドリング性が低下する場合が
ある。該粒子粒径の相対標準偏差は好ましくは0.5以
下、さらに好ましくは0.3以下、最も好ましくは0.
2以下である時に、特に磁気テープに加工した際の、電
磁変換特性やハンドリング性に優れたフィルムを得るこ
とが出来る。かかる粒子としては、特に限定されない
が、ケイ酸アルミニウム、炭酸カルシウム、アルミナ、
シリカ、リン酸カルシウム、酸化チタン、有機粒子等か
ら選ばれる粒子が好ましく例示される。これらの粒子を
複数併用して用いてもよい。
【0012】A層に粒子を含有する場合、本発明の二軸
配向ポリエステルフィルムのA層厚みtとA層含有粒子
の平均粒径dの関係は特に限定されないが、耐摩耗性の
点から、0.2d≦t≦10dが好ましく、より好まし
くは0.3d≦t≦5d、さらに好ましくは0.5d≦
t≦3dの場合に、特に耐摩耗性が良好となる。A層が
2層以上ある場合にはそれぞれの層について上記の関係
を満たすことが好ましい。
【0013】本発明の二軸配向ポリエステルフィルムの
A層以外のポリエステルフィルム層(B層)は粒子を含
有していてもかまわない。平均粒径は0.05〜2μ
m、含有量は0.05〜3重量%であるのが好ましい。
かかる粒子としてはケイ酸アルミニウム、炭酸カルシウ
ム、アルミナ、シリカ、リン酸カルシウム、酸化チタ
ン、有機粒子等から選ばれる粒子が好ましく例示され
る。
【0014】本発明の二軸配向ポリエステルフィルム
は、磁気記録媒体用、包装用、プリペイドカード等のカ
ード用等、用途は特に限定されない。特に高出力が要求
されるデジタルビデオテープ用二軸配向ポリエステルフ
ィルムとしても好ましく用いることができる。また、本
発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、コンピュータ
用等のデータストレージ用にも好ましく用いることがで
きる。
【0015】次に本発明の二軸配向ポリエステルフィル
ムの好ましい製造方法を示し説明するが、これに限定さ
れるものではない。
【0016】まず、テレフタル酸ジメチルと1,3−プ
ロパンジオールからエステル交換反応、重縮合反応を行
いPPTを重合し、PPTペレットを製造する。
【0017】A層には粒子を含有しない方が好ましい
が、粒子を含有させる場合、フィルムを構成するポリプ
ロピレンテレフタレートに粒子を含有せしめる方法とし
ては、特に限定されないが、粒子の水スラリーをベント
式2軸混練押出機を用いて、所定のPPTペレットと混
合し練り込む方法が例示される。
【0018】粒子の含有量を調節する方法としては、上
記方法で高濃度マスターを作っておき、それを製膜時に
粒子を実質的に含有しないポリマで希釈して調節する方
法が有効である。
【0019】次に、PPTペレットを乾燥したのち、溶
融押出機に供給し、スリット状のダイからシ−ト状に押
出し、キャスティングロ−ル上で冷却固化させて未延伸
フィルムを作る。この時、複数の押出し機、複数のマニ
ホ−ルドまたは合流ブロックを用いて溶融状態のポリエ
ステルを積層する。
【0020】次にこの未延伸フィルムを二軸延伸し、二
軸配向させる。延伸方法としては、逐次二軸延伸法また
は同時二軸延伸法を用いることができるが、特に、熱収
縮率の小さなフィルムを得るためには、未延伸フィルム
を一旦ガラス転移温度以上の温度に上げ、次いでガラス
転移温度以下に下げ、長手方向、幅方向の延伸を行なう
のが特に有効である。長手方向の延伸は3段階以上に分
けて、縦延伸温度80〜180℃、総縦延伸倍率3〜6
倍、縦延伸速度5,000〜50,000%/分の範囲
で行なうのが好ましく例示される。幅方向の延伸方法と
してはテンタ−を用いる方法が好ましく、延伸温度80
〜180℃、幅方向延伸倍率は場合により縦倍率より大
きく3.5〜6.5倍、幅方向の延伸速度1,000〜
20,000%/分の範囲で行なうのが好ましい。さら
に必要に応じて、再縦延伸、再横延伸を行なう。その場
合の延伸条件としては長手方向の延伸は90〜180
℃、延伸倍率1.1〜2倍、幅方向の延伸方法としては
テンタ−を用いる方法が好ましく、延伸温度90〜18
0℃、幅方向延伸倍率は1.1〜2で行なうのが好まし
い。
【0021】次にこの二軸配向フィルムを熱処理する。
この場合の熱処理温度は170〜220℃、特に170
〜210℃で時間は0.5〜60秒の範囲が好適であ
る。
【0022】[物性の測定方法ならびに効果の評価方
法]本発明の特性値の測定方法並びに効果の評価方法は
次のとおりである。
【0023】(1)粒子の平均粒径 フィルム断面を透過型電子顕微鏡(TEM)を用い、1
万倍以上の倍率で観察する。TEMの切片厚さは約10
0nmとし、場所を変えて100視野以上測定する。粒
子の平均粒径dは重量平均径(等価円相当径)から求め
る。
【0024】(2)粒子の含有量 ポリマは溶解し粒子は溶解させない溶媒を選択し、粒子
をポリマから遠心分離し、粒子の全体重量に対する比率
(重量%)をもって粒子含有量とする。
【0025】(3)ヤング率 JIS−Z−1702に規定された方法に従って、イン
ストロングタイプの引っ張り試験機を用いて、25℃、
65RHにて測定した。
【0026】ここで長手方向とは、測定するサンプルが
テープなどのロール状である場合、テープ走行方向であ
る。サンプルが磁気ディスクなどのシート状である場
合、長手方向はシートの屈折率が最大の方向と規定し
た。
【0027】(4)フィルム積層厚み 2次イオン質量分析装置、X線光電子分光法、赤外分光
法、あるいはコンフォーカル顕微鏡などで粒子濃度の深
さ分布を測定する。表面を基準とし、深さ方向で極大値
を得た後、その極大値の1/2となる深さを積層厚みと
定義した。また、粒子濃度の深さ分布からでなく、フィ
ルムの断面観察あるいは薄膜段差測定器等によっても決
定することができる。なお、下記の実施例においては、
2次イオン質量分析装置を用いて測定した。
【0028】(5)電磁変換特性(S/N) フィルムに下記組成の磁性塗料をグラビヤロールにてA
層側に塗布し、磁気配向させ乾燥させる。さらに、小型
テストカレンダー装置(スチールロール/ナイロンロー
ル、5段)で温度70℃、線圧200kg/cmでカレンダ
ー処理した後、70℃、48時間キュアリングする。上
記テープ原反をインチにスリットし、長さ250mの長
さをVTRカセットに組み込みVTRカセットテープと
した。
【0029】(磁性塗料の組成) ・Co含有酸化鉄(BET値50m2/g):100重
量部 ・エスレックA(積水化学製塩化ビニル/酢酸ビニル共
重合体:10重量部 ・ニッポラン2304(日本ポリウレタン製ポリウレタ
ンエラストマー):10重量部 ・コロネートL(日本ポリウレタン製ポリイソシアネー
ト):5重量部 ・レシチン:1重量部 ・メチルエチルケトン:75重量部 ・メチルイソブチルケトン:75重量部 ・トルエン:75重量部 ・カーボンブラック:2重量部 ・ラウリン酸:1.5重量部 このテープに家庭用VTRを用いてシバソク製のテレビ
試験波形発生器(TG7/U706)により100%ク
ロマ信号を記録し、その再生信号からシバソク製カラー
ビデオノイズ測定器(925D/I)でクロマS/Nを
測定した。
【0030】比較例1のS/N値を基準値(±0)とし
て、実施例、比較例の電磁変換特性を基準値からの差で
評価した。
【0031】 +1.0以上 ◎ …高密度磁気記録媒体
用途として、優れた電磁変換特性を示す。
【0032】+0.5以上、1.0未満 ○ …高密度
磁気記録媒体用途として、必要な電磁変換特性を満た
す。
【0033】−0.5以上、0.5未満 △ …高密度
磁気記録媒体用途として、電磁変換特性が不十分であ
る。
【0034】 −0.5未満 × …磁気記録媒体用途と
しての電磁変換特性としても不十分である。
【0035】(6)摩擦係数μK フィルムを幅1/2インチのテープ状にスリットしたも
のをテープ走行性試験機TBT−300型((株)横浜
システム研究所製)を使用し、60℃、80RH雰囲気
で走行させ、初期の摩擦係数を下記の式より求めた(フ
ィルム幅は1/2インチとした)。
【0036】μK=1/πln(T2/T1) ここでT1は入側張力、T2は出側張力である。ガイド
径は6mmφであり、ガイド材質はSUS27(表面粗
度0.2S)、巻き付け角は180°、走行速度は3.
3cm/秒である。この測定によって得られたμKが
0.35以下の場合は摩擦係数:良好(○)、0.35
を越える場合は摩擦係数:不良(×)と判定した。この
μKはフィルムを磁気記録媒体、コンデンサ、包装用な
どの加工する時のハンドリング性を左右する臨界点であ
る。
【0037】
【実施例】次に実施例に基づき、本発明の実施態様を説
明する。
【0038】実施例1 テレフタル酸ジメチルと1,3−プロパンジオールから
エステル交換反応、重縮合反応を行いPPTを重合し
た。
【0039】この実質的に粒子を含有しないPPTペレ
ットを120℃で8時間減圧乾燥(3Torr)した後、P
PTポリマ(ポリマA)、平均粒径0.8μmの炭酸カ
ルシウム粒子を0.1重量%含有するPETポリマ(ポ
リマB)をそれぞれ押出機1、押出機2に供給し245
℃、280℃で溶融した。これらのポリマを高精度瀘過
した後、矩形合流部にて2層積層とした(A/B)。
【0040】これを静電印加キャスト法を用いて表面温
度20℃のキャスティング・ドラムに巻きつけて冷却固
化し、未延伸フィルムを作った。この時、口金スリット
間隙/未延伸フィルム厚さの比を10とした。また、そ
れぞれの押出機の吐出量を調節し総厚さ、およびA層の
厚さを調節した。
【0041】この未延伸フィルムを温度125℃にて長
手方向に3倍延伸した。この延伸は2組ずつのロ−ルの
周速差で、3段階で行なった。この一軸延伸フィルムを
テンターを用いて100℃で幅方向に3.9倍延伸し
た。この2軸延伸フィルムを温度150℃にて長手方向
に1.5倍延伸した。このフィルムをテンターを用いて
210℃で幅方向に1.3倍延伸した。このフィルムを
定長下で200℃にて3秒間熱処理し、総厚さ11μ
m、A層厚さ0.3μmの二軸配向フィルムを得た。こ
の二軸配向ポリエステルフィルムの特性は表1に示した
とおりであり、電磁変換特性が良好であった。
【0042】実施例2 テレフタル酸ジメチルと1,3−プロパンジオールから
エステル交換反応、重縮合反応を行いPPTを重合し
た。
【0043】次いで、水系で湿式法によりケイ酸ナトリ
ウムとアルミン酸ナトリウムの反応により合成された、
アルミニウム比率が酸化アルミニウム換算で20重量%
のケイ酸アルミニウム粒子の水スラリーを準備した。こ
の水スラリーをベント式2軸混練押出機を用いて、PP
Tペレットに混合し練り込んだ。
【0044】この粒子含有PPTペレットと実質的に粒
子を含有しないPPTポリマペレットを適当量混合し、
120℃で8時間減圧乾燥(3Torr)した後、平均粒径
0.17μmのケイ酸アルミニウム粒子を0.2重量%
含有するPPTポリマ(ポリマA)、0.8μm平均粒
径炭酸カルシウム粒子を0.1重量%含有するPETポ
リマ(ポリマB)をそれぞれ押出機1、押出機2に供給
し245℃、280℃で溶融した。これらのポリマを高
精度瀘過した後、矩形合流部にて2層積層とした(A/
B)。
【0045】実施例1と同様にして、総厚さ10μm、
A層厚さ0.3μmの二軸配向フィルムを得た。なお、
長手方向、幅方向の延伸倍率は表1に示すように変更し
た。この二軸配向ポリエステルフィルムの特性は表1に
示したとおりであり、電磁変換特性、ハンドリング性が
ともに良好であった。
【0046】実施例3〜5 実施例1または粒子を含有する場合は実施例2と同様に
して、長手方向、幅方向のヤング率、積層厚さ、粒子の
種類、粒径、含有量等を変更した二軸配向ポリエステル
フィルムを得た。なお、長手方向、幅方向の延伸倍率は
表1に示すように変更した。実施例3、5では押出機
1、押出機2、押出機3を用いて矩形合流部にて3層積
層とした。表1に示すように本発明の範囲内の二軸配向
ポリエステルフィルムは電磁変換特性、ハンドリング性
がともに良好であった。
【0047】比較例1、2 実施例2と同様にして、A層のポリマをポリエチレンテ
レフタレート、ポリエチレンナフタレートに変更し、積
層厚さ、粒子の種類、粒径、含有量等を変更した二軸配
向ポリエステルフィルムを得た。なお、長手方向、幅方
向の延伸倍率は表1に示すように変更した。この二軸配
向ポリエステルフィルムの特性は表2に示したとおりで
あり、高密度磁気媒体用途としては十分な電磁変換特性
は得られなかった。
【0048】比較例3〜5 実施例1と同様にして、A層のポリマにPPTを用い、
積層厚さ等を変更した二軸配向フィルムを得た。なお、
長手方向、幅方向の延伸倍率は表2に示すように変更
し、再縦延伸、再横延伸は行わなかった。比較例5は積
層を行わなかった。
【0049】表2に示すように電磁変換特性、ハンドリ
ング性は不良であった。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】
【発明の効果】本発明の二軸配向ポリエステルフィルム
は特定のポリエステルを用い、また、フィルムの長手方
向と幅方向のヤング率を規定したので優れた電磁変換特
性を得ることができた。磁気記録媒体用としても十分良
好な特性を得ることができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリプロピレンテレフタレートを主成分
    とするポリマからなるフィルム層(A層)を少なくとも
    一方の表面に有する積層ポリエステルフィルムであっ
    て、長手方向と幅方向のヤング率がともに5GPa以上
    であり、かつ長手方向と幅方向のヤング率の比(長手方
    向のヤング率/幅方向のヤング率)が0.7〜1.2で
    ある二軸配向ポリエステルフィルム。
  2. 【請求項2】 フィルム層(A層)の積層厚さが0.0
    1〜3μmである請求項1記載の二軸配向ポリエステル
    フィルム。
  3. 【請求項3】 フィルム層(A層)が実質的に粒子を含
    有しない請求項1または2に記載の二軸配向ポリエステ
    ルフィルム。
  4. 【請求項4】 フィルム層(A層)に平均粒径0.01
    〜2μmの粒子を0.01〜3重量%含有する請求項1
    または2に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  5. 【請求項5】 粒子の平均粒径d(nm)とA層の積層
    厚さt(nm)との関係が0.2d≦t≦10dである
    請求項4記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれかに記載の二軸配
    向ポリエステルフィルムからなる磁気記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002225198A (ja) * 2001-01-31 2002-08-14 Toray Ind Inc 二軸配向積層熱可塑性樹脂フィルム

Cited By (2)

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JP2002225198A (ja) * 2001-01-31 2002-08-14 Toray Ind Inc 二軸配向積層熱可塑性樹脂フィルム
JP4576721B2 (ja) * 2001-01-31 2010-11-10 東レ株式会社 二軸配向積層熱可塑性樹脂フィルム

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