JPH07249217A - 積層二軸配向ポリエステルフイルム - Google Patents

積層二軸配向ポリエステルフイルム

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JPH07249217A
JPH07249217A JP3811394A JP3811394A JPH07249217A JP H07249217 A JPH07249217 A JP H07249217A JP 3811394 A JP3811394 A JP 3811394A JP 3811394 A JP3811394 A JP 3811394A JP H07249217 A JPH07249217 A JP H07249217A
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JP
Japan
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particles
average particle
polyester
layer
spherical
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Pending
Application number
JP3811394A
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English (en)
Inventor
Yasuo Nishigaki
泰男 西垣
Shuji Shimizu
修司 清水
Hidekazu Kato
秀和 加藤
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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  • Laminated Bodies (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Magnetic Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 平坦性、易滑性、耐削れ性、スリット性、巻
取特性などに優れ、主として磁気記録媒体ベースフイル
ムとして好適な積層二軸配向ポリエステルフイルムを提
供する。 【構成】 少なくとも2層からなる積層二軸配向ポリエ
ステルフイルムにおいて、該フイルムの一方の最外層
(A層)が、体積平均粒径が0.1〜1.0μmであ
り、粒径比(長径/短径)が1.0〜1.2であり、体
積平均粒径が数平均粒径の2倍より大きく、かつ相対標
準偏差が0.5を越える、球状不活性粒子(a)を0.
01〜5重量%含有するポリエステルポリマー層であ
り、他方の最外層(B層)が、体積平均粒径が0.1〜
1.0μmであり、粒径比(長径/短径)が1.0〜
1.2であり、かつ相対標準偏差が0.5以下である、
球状不活性粒子(b)を0.01〜10重量%含有する
ポリエステルポリマー層である積層二軸配向ポリエステ
ルフイルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は積層二軸配向ポリエステ
ルフイルムに関し、更に詳しくは表裏に粒径分布が異な
る粒子を含有し、平坦性、易滑性、耐削れ性、スリット
性、巻取特性などに優れ、特に磁気記録媒体ベースフイ
ルムとして有用な積層二軸配向ポリエステルフイルムに
関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】今
日、ポリエチレンテレフタレートを主体とするポリエス
テルのフィルムが磁気記録媒体のベースフィルムとして
広く用いられており、高密度化、高品質化を目指してな
お改良が続けられている。
【0003】磁気記録媒体特に高密度磁気記録テープあ
るいは高感度フロッピーディスクにおいては、電磁変換
特性の向上の点から、ベースフィルムの表面はできるだ
け平坦であることが求められている。しかし、フイルム
表面が平坦になると、フイルムの滑り性が悪くなり、種
々のトラブルを引き起こすようになる。また、近年、磁
気記録システムのコンパクト化が進み、テープの走行系
はますます厳しくなっており、磁気テープには固定ピン
などとの耐削れ性が求められている。更には、磁気テー
プ製造工程の最終工程となるスリット時に、フィルムの
切り口断面より切り粉が発生し磁気記録時のドロップア
ウト増大を引き起こすこともある。また、スリット時の
巻取特性にも大きく影響し、収率を著しく低下させる。
そこで、磁気記録媒体用フイルムには、これら相反する
特性を同時に満足すべき要求がなされている。
【0004】かかる要求を同時に満足させる目的で、片
面が平坦、他の片面が粗面で易滑というような表面粗さ
が表裏で異なる表裏異面フイルムを用いる方法が提案さ
れている。(特開平3−246033号公報) しかしながら、片面を平坦にすることによって電磁変換
特性の向上を図ることはできるが、平坦面の耐削れ性は
著しく悪化してしまう。すなわち、このような公知の方
法をもってしても、上記問題点の全てを満足させること
は難しいと言うのが実情である。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的に沿う本発明の
積層二軸配向ポリエステルフイルムは、少なくとも2層
からなる積層二軸配向ポリエステルフイルムにおいて、
該フイルムの一方の最外層(A層)が、体積平均粒径が
0.1〜1.0μmであり、粒径比(長径/短径)が
1.0〜1.2であり、体積平均粒径が数平均粒径の2
倍より大きく、かつ相対標準偏差が0.5を越える、球
状不活性粒子(a)を0.01〜5重量%含有するポリ
エステルポリマー層であり、他方の最外層(B層)が、
体積平均粒径が0.1〜1.0μmであり、粒径比(長
径/短径)が1.0〜1.2であり、かつ相対標準偏差
が0.5以下である、球状不活性粒子(b)を0.01
〜10重量%含有するポリエステルポリマー層である積
層二軸配向ポリエステルフイルムからなる。
【0006】本発明におけるポリエステルとしては特に
限定されないが、エチレンテレフタレート、エチレン
α,β−ビス(2−クロルフェノキシ)エタン−4,4
´−ジカルボキシレート、エチレン2,6−ナフタレー
ト単位から選ばれた少なくとも一種の構造単位を主要構
成成分とする場合に特に好ましい。中でもエチレンテレ
フタレートを主要構成成分とするポリエステルの場合が
特に好ましい。なお、本発明を阻害しない範囲内で、2
種以上のポリエステルを混合しても良いし、共重合ポリ
マを用いても良い。
【0007】本発明においてA層に含有される球状不活
性粒子(a)の体積平均粒径は、0.1〜1.0μm、
好ましくは0.1〜0.8μm、更に好ましくは0.1
〜0.6μmであるものである。該粒子の体積平均粒径
が小さくなりすぎると摩擦が大きくなり、ビデオテープ
とした場合の走行特性が悪くなる。また大きくなるとビ
デオテープに代表される磁気記録媒体の電磁変換特性が
不良となる。また、該粒子の粒径比(長径/短径)は
1.0〜1.2、好ましくは1.0〜1.1、更に好ま
しくは1.0〜1.05であるものである。粒径比が大
きくなりすぎると粒子の周りにボイドが形成されやすく
なり、ビデオテープとした場合の走行時に耐削れ性が悪
くなるので好ましくない。
【0008】また、該粒子の粒径分布の広がりの尺度と
なる相対標準偏差は、0.5を越えることが必要であ
り、好ましくは0.6を越えること、更に好ましくは
0.7を越えるものである。また、上限は特に定めない
が、3以内であることがフィルム表面のうねりを良好に
保つ上で好ましい。
【0009】ここにいう相対標準偏差は、粒子の面積円
相当径から個数単位で求めた標準偏差と数平均径の比で
次式(1)で表わされる。
【0010】
【数1】 相対標準偏差が0.5を越える球状不活性粒子を用いる
と、スリット性、特には連続スリット性が向上し、ビデ
オテープなどの磁気テープ製造工程の最終工程となるス
リット時において長時間スリット刃を替えなくともフィ
ルムの切り口断面より発生する切り粉が極めて少なく、
またフィルムの切り口の端部断面の盛り上がりも少なく
なる。本効果の発現は、該工程におけるスリット刃の摩
耗が極めて少くなることによってもたらされるものであ
る。
【0011】また、該粒子の体積平均粒径が数平均粒径
の2倍より大きいことが必要であり、好ましくは2.5
倍より大きいことが望ましい。上記相対標準偏差が0.
5を越えることを満足し、体積平均粒径が数平均粒径の
2倍より小さいと体積平均粒径より大きな粒子が実質的
に存在し、ビデオテープとした場合に平坦性が悪くな
り、磁気記録媒体の電磁変換特性が不良となる。体積平
均粒径が数平均粒径の2倍より大きいと、フィルムの地
肌と走行系にあるガイドピンとの接触面積を小さくする
ことができ、易滑性の点で有利であり、更にはガイドピ
ン、特に固定ピンとの耐削れ性が極めて良好になる。
【0012】また、該粒子の含有量は、前記ポリエステ
ルに対して0.01〜5重量%とすることが必要であ
り、好ましくは0.05〜2重量%、更に0.1〜1重
量%であることが好ましい。該粒子の含有量が0.01
重量%より小さいと摩擦が大きくなり、ビデオテープと
した場合に走行特性が悪くなる。逆に、5重量%よりも
大きいとビデオテープに代表される磁気記録媒体の電磁
変換特性が不良となる。本発明においてB層に含有され
る球状不活性粒子(b)の体積平均粒径は、0.1〜
1.0μm、好ましくは0.1〜0.8μm、更に好ま
しくは0.1〜0.6μmであるものである。該粒子の
体積平均粒径が小さくなりすぎると摩擦が大きくなり、
ビデオテープとした場合の走行特性が悪くなる。また大
きくなるとビデオテープ製造時のカレンダー工程におい
て粒子の脱落が発生し、これが磁性面に転写して凹凸を
生じさせ、磁気記録媒体の電磁変換特性が不良となる。
また、該粒子の粒径比(長径/短径)は1.0〜1.
2、好ましくは1.0〜1.1、更に好ましくは1.0
〜1.05であるものである。粒径比が大きくなりすぎ
ると粒子の周りにボイドが形成されやすくなり、ビデオ
テープとした場合の走行時に耐削れ性が悪くなるので好
ましくない。
【0013】また、該粒子の粒径分布の広がりの尺度と
なる上記式(1)の相対標準偏差は、0.5を越えない
ことが必要であり、好ましくは0.4以下、更に好まし
くは0.2以下のものである。
【0014】相対標準偏差が0.5を越えない球状不活
性粒子を用いると、該粒子がフィルム走行面に形成する
突起が高さ、勾配、大きさにおいて均一なものとなり、
ビデオテープとした場合の走行特性が良好となる。相対
標準偏差が0.5を越えると、体積平均粒径より大きな
粒子が実質的に存在し、ビデオテープ製造時のカレンダ
ー工程において粒子の脱落が発生し、これが磁性面に転
写して凹凸を生じさせ、磁気記録媒体の電磁変換特性が
不良となる。
【0015】また、該粒子の含有量は、前記ポリエステ
ルに対して0.01〜10重量%とすることが必要であ
り、好ましくは0.05〜8重量%、更に0.1〜5重
量%であることが好ましい。該粒子の含有量が0.01
重量%より小さいと摩擦が大きくなり、ビデオテープと
した場合に走行特性が悪くなる。逆に、10重量%より
も大きいと該粒子同志が凝集を起こし粗大突起を形成し
て、ビデオテープ製造時のキュアリング工程において磁
性面に転写して凹を生じさせ、磁気記録媒体のドロップ
アウトを引き起こす。
【0016】本発明における球状不活性粒子(a)およ
び(b)とは、前述の要件を満足している粒子であれば
特に限定されないが、無機酸化物球状粒子(例えば球状
シリカ粒子、球状チタニア粒子、球状ジルコニア粒子、
球状アルミナ粒子等)、樹脂球状粒子(例えば球状シリ
コン樹脂粒子、球状架橋ポリスチレン粒子等)などを好
ましく例示できる。これらは一種または二種以上を用い
ることができる。かかる球状不活性粒子はその製法、そ
のほかによって何ら限定されるものではない。また、球
状不活性粒子(a)および(b)は同一種であっても異
なっても良く、それぞれの面に要求される特性により選
択すれば良い。例えば、球状不活性粒子(a)には、前
述の要件を満足する粒径分布を得るために製造が容易で
ある球状シリカ粒子を用い、球状不活性粒子(b)に
は、相対標準偏差が0.5を越えないようにすることが
容易である球状架橋ポリスチレン粒子を用いることが製
造コストの点でも有利である。
【0017】例えば、代表的な無機酸化物球状粒子であ
る球状シリカ粒子は、水ガラス(ケイ酸ナトリウム水溶
液)を出発原料とするイオン交換法やアルコキシシリケ
ートを出発原料とする加水分解法などによって合成する
ことができる。特に本発明の課題の一つであるスリット
性の改良のためには、水ガラスを出発原料とする合成シ
リカの方が好ましく、さらには、該球状シリカ粒子の2
0重量%エチレングリコールスラリーの25℃における
屈折率が1.430、好ましくは1.435以上である
とポリエステル中での粒子周りのボイドの発生が少なく
なるだけでなく、スリット性の改良効果も顕著となるの
でより望ましい。
【0018】また、前述の要件の粒径分布を満足する不
活性粒子を得るための方法は、粒子合成の時間や条件な
どを変化させる方法であっても良く、広い粒径分布のも
のをフィルターを通して粗粒部分を取り除く方法であっ
ても良い。また、遠心分級分離法も非常に有効である。
【0019】また、代表的な樹脂球状粒子である球状架
橋ポリスチレン粒子は、エチルビニルベンゼンとジビニ
ルベンゼンとを乳化重合によって共重合させ合成するこ
とができる。
【0020】更に、粒径および粒径分布をコントロール
するために、重合の任意の段階で成分濃度、温度、反応
時間、撹拌状態などを変更してもよい。なお、本発明の
フィルム中には、本発明の目的を阻害しない範囲内で、
異種ポリマーをブレンドしてもよいし、また酸化防止
剤、熱安定剤、滑剤、紫外線吸収剤、遮光剤、帯電防止
剤などの有機添加剤が通常添加される程度添加されてい
てもよい。
【0021】また、本発明のフイルムは少なくとも2層
以上の構造である必要がある。2層以上であれば3層で
も4層でも構わないが、2層構造の場合に本発明の効果
がより一層良好となり好ましい。しかし、単層のフイル
ムは巻取特性に劣り、生産収率は低下する。2層構造の
場合には平滑面となるA層の層厚が易滑面となるB層の
層厚の2倍より大きいことが必要であり、好ましくは5
倍以上、更に10倍以上であることが好ましい。逆に、
A層の層厚がB層の層厚の2倍より小さいと平滑面とな
るA層に易滑面となるB層の粒子が突き上げを起し平滑
面の平坦性が低下してしまう。
【0022】また、易滑面となるB層の層厚は、含有す
る球状不活性粒子(b)の体積平均粒径の0.2倍より
も大きく、2倍よりも小さいことが必要であり、好まし
くは0.3倍〜1.5倍、更に好ましくは0.5〜1.
0倍である。層厚が0.2倍よりも小さくなると、粒子
の周りにボイドが生じやすく、粒子がポリエステル層か
ら脱落しやすくなり好ましくない。また、2倍よりも大
きくなると、ポリエステル層内で粒子の積み重ねが起こ
り粗大突起を形成するので好ましくない。
【0023】次に本発明のフィルムの製造方法について
説明する。まず、球状不活性粒子(a)および(b)を
ポリエステルに含有せしめる方法としては特に限定され
ないが、一般には、ポリエステル製造時に該粒子のスラ
リーを添加するのが好ましい。添加方法、添加時期は、
従来公知の方法、時期が用いられるが、添加方法におい
ては、特に該ポリエステルの合成原料であるグリコール
のスラリーとして添加する方法が好ましい。この際のス
ラリーのグリコール中の含有水分量は、1重量%以下、
さらには0.5重量%以下とする方がポリエステル中で
の粒子分散性が向上するので好ましい。添加時期は任意
でよく、モノマー仕込み時、エステル交換反応時あるい
はその前後に添加してもよい。また、該粒子のスラリー
をポリマー製造後一軸または二軸のベント式押出し機な
どを用いて添加、分散させても良い。粒子の含有量を調
節する方法としては、上記方法でマスターポリマを製造
し、実質的に粒子を含まないポリエステルで希釈する方
法が有効である。
【0024】次に上記方法にて得られたポリエステルの
ペレットを所定の割合で混合し、乾燥した後、公知の溶
融押出機に供給し、スリット状のダイからシート状に押
出し、キャスティングロール上で冷却固化せしめて未延
伸フィルムを作る。この未延伸フィルムは、2層構造で
あっても、3層以上の構造であってもかまわない。3層
以上の構造の場合は、2つの最外層以外の層に回収ペレ
ットを用いると工業的に有効である。すなわち、2台以
上の押出機、2層以上のマニホールドまたは合流ブロッ
クを用いて、2層以上のシートを押出し、キャスティン
グロール上で冷却固化せしめて未延伸フィルムを作る。
この場合、ポリマー流路にスタティックミキサー、ギヤ
ポンプを設置する方法は有効である。
【0025】次に、この未延伸フィルムを二軸延伸し、
二軸配向せしめる。延伸方法としては、逐次二軸延伸法
または同時二軸延伸法を用いることができる。ただし、
最初に長手方向、次に幅方向の延伸を行う逐次二軸延伸
法を用い、長手方向の延伸を3段階以上に分けて、総縦
延伸倍率を3.5〜6.5倍で行う方法は特に好まし
い。長手方向延伸温度はポリエステルの種類によって異
なり一概には言えないが、通常、その1段目を50〜1
30℃とし、2段目以降はそれより高くすることが有効
である。長手方向延伸速度は5000〜50000%/
分の範囲が好適である。幅方向の延伸方法としてはステ
ンタを用いる方法が一般的である。延伸倍率は3.0〜
5.0倍の範囲が適当である。幅方向延伸速度は100
0〜20000%/分、温度は80〜160℃の範囲が
好適である。更に長手方向および幅方向に再度延伸する
ことは有効である。次にこの延伸フィルムを熱処理す
る。この場合の熱処理温度は170〜220℃、特に1
80〜200℃、時間は0.2〜20秒の範囲が好適で
ある。
【0026】上記のような方法によって得られたポリエ
ステルフィルムは磁気記録媒体のベースフィルムとし
て、特に有用であり、近年進んでいるデジタル磁気記録
に対応する高密度磁気記録媒体のベースフィルムとして
充分なものである。例えば、民生用として、S−VH
S、W−VHS、ハイエイト8ミリ、DCC(デジタル
コンパクトカセット)、DAT(デジタルオーディオテ
ープ)などが挙げられ、業務用としてデジタルフォーマ
ット用(D1、D2、D3、デジタルベータカムな
ど)、ハイビジョン用、DCT(デジタルコンポーネン
トテクノロジー)テープ用、データストレージ用などが
ある。
【0027】また、他にも包装用、プリンタリボン用、
グラフィック用、印刷用フィルムとしても有用である。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施
例に限定されるものではない。なお、積層フィルムの評
価方法は、以下に示す通りである。
【0029】(1)粒子の粒径比 フィルムからポリエステルをプラズマ低温灰化処理法で
除去し粒子を露出させる。処理条件はポリエステルは灰
化されるが粒子はダメージを受けない条件を選択する。
これを走査型電子顕微鏡(エリオニクス社製ESM32
00)で観察し、粒子の画像をイメージアナライザー
(カールツァイス社製IBAS2000)で処理する。
【0030】この測定において下式に示した個々の粒子
の長・短径比を求め、これらの値から粒径比「長径/短
径の平均値」を算出する。 個々の粒子の長・短径比=D1/D2 ここでD1は、長径(最大直径)、D2は、短径(最小
直径)を示す。
【0031】粒径比=Σ(D1i/D2i)/N D1i、D2iは個々の粒子それぞれの長径(最大直
径)、短径(最小直径)、Nはカウントされた粒子数で
ある。
【0032】(2)粒子の数平均径、相対標準偏差 上記(1)の測定においてカウントされた粒子について
それぞれの面積円相当径を求め、観察箇所を変えて粒子
数 5,000個以上で次の数値処理を行うことによって数平
均径Dを下式にて求める。
【0033】D=ΣDi/N ここで、Diは粒子の面積円相当径、Nはカウントした
粒子数である。
【0034】次いで、Di、数平均径D、粒子数Nから
計算される標準偏差σ(={Σ(Di−D)2 /N}
0.5 )を数平均径Dで割った値(σ/D)を相対標準偏
差とした。
【0035】(3)粒子の体積平均径 上記(2)の測定においてカウントされた粒子について
下式より体積平均径Vを求める。 V=(ΣDi3
/N)1/3 ここで、Diは粒子の面積円相当径、Nはカウントした
粒子数である。
【0036】(4)粒子の含有量 ポリエステルを溶解し、粒子は溶解しない溶媒を選択
し、粒子を溶媒から遠心分離し、粒子の量を全体に対す
る比率(重量%)で算出する。
【0037】(5)三次元表面粗さ(SRa) 小坂研究所の三次元微細形状測定器(型式ET−30H
K)および三次元表面粗さ解析システム(型式MARM
EC−3D)を用いて三次元表面粗さ(中心面平均粗
さ)を測定した。条件は下記の通りであり、20回の測
定の平均値をもって値とした。
【0038】 ・触針の先端半径 :0.5μm ・触針の荷重 :4mg ・縦倍率 :5万倍 ・横倍率 :200倍 ・カットオフ :0.25mm ・送りピッチ :5μm ・測定長 :500μm ・測定面積 :0.197mm2 ・測定速度 :100μm/秒 (6)画質 フィルムに下記組成の磁性塗料をグラビヤロールにより
塗布し、磁気配向させ、乾燥させる。さらに、小型カレ
ンダー装置(スチロール・ナイロンロール、5段)で温
度70℃線圧200kg/cmでカレンダー処理後、7
0℃で48時間キュアリングする。この原反を1/2イ
ンチにスリットし、パンケーキを作成した。このパンケ
ーキをVTRカセットに組み込み、VTRカセットテー
プとした。
【0039】 (磁性塗料の組成) ・Co含有酸化鉄(BET値50m2 /g) :100重量部 ・エスレックA(積水化学製塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体) :10重量部 ・ノッポラン2304(日本ウレタン製ポリウレタンエラストマ):10重量部 ・コトネートL(日本ウレタン製ポリイソシアネート) :5重量部 ・レシチン :1重量部 ・メチルエチルケトン :75重量部 ・メチルイソブチルケトン :75重量部 ・トルエン :75重量部 ・カーボンブラック :2重量部 ・ラウリン酸 :1.5重量部 このテープを家庭用VTRを用いてシバソク製のテレビ
試験波形発生器(TG7/U706)により100%ク
ロマ信号を記録し、その再生信号からシバソク製カラー
ノイズ測定機(925D/1)でクロマS/Nを測定し
画質を判定した。判定基準は下記の通りであり、ランク
4以上であれば、実用上問題のないレベルである。
【0040】 (7)スリット性の評価 厚さ10μmのポリエステルフイルムの片面に下記組成
の磁性塗布液を、乾燥後膜厚が3μmとなるようにコー
ティングする。
【0041】 コーティング後、直流磁場中で配向処理し、乾燥した
後、カレンダー加工を施す。このシートをシェアーカッ
ターで1/2インチ幅にスリットしてビデオテープとす
る。このシェアーカッターによるスリット箇所を目視観
察して、ヒゲや粉の発生具合の程度を次の5等級に分け
て評価する。
【0042】 スリット性A:ヒゲや粉の発生が非常に少ない。
【0043】 〃 B: 〃 少ない。
【0044】 〃 C: 〃 普通レベル。
【0045】 〃 D: 〃 やや多い。
【0046】 〃 E: 〃 多い。
【0047】(注)なお、現在市販されているビデオテ
ープ用二軸配向ポリエステルフイルムのスリット性のレ
ベルは、大部分、CまたはDである。
【0048】(8)耐削れ性の評価 図1に示すように22℃、65%RH雰囲気下でフイル
ム(1/2インチ幅)を200mにわたって平坦面が金
属ピンに接触するように走行させ、金属ピンに付着した
粉量を実体顕微鏡で10倍に拡大して評価し、下に示す
ランク付けを行なった。
【0049】 ランク A:付着がほとんどない。
【0050】 B: 〃 少ない。
【0051】 C: 〃 やや多い。
【0052】 D: 〃 多い。
【0053】 E: 〃 非常に多い。
【0054】なお、フィルムの走行速度は250m/m
in.とし、ピントの巻付け角は90°、入側の張力
(T1 )は200g、にコントロールし、出側の張力
(T2 )を測定し、走行終了時の動摩擦係数(μk)を
次式で測定した。 μk=(1/π)ln(T2 /T1 )=0.318ln
(T2 /200) (9)巻取特性の評価 二軸配向ポリエステルフイルムをジャンボロール(5m
幅)で巻取り、その後スリットマシンで幅1m、巻長1
0000mにスリットし、得られたフイルムロールの巻
姿について外観評価した。評価は次の欠点について観察
した。
【0055】縦しわ 横しわ 巻ずれ エアだ
まり 実施例1 ジメチルテレフタレートとエチレングリコールとを、エ
ステル交換触媒として酢酸カルシウム、重合触媒として
三酸化アンチモンを、安定剤としてリン酸を用いて常法
により重合し、固有粘度0.620のポリエチレンテレ
フタレートを得た。(ポリエステルA) 一方、滑剤として体積平均粒径0.22μm、数平均粒
径0.09μm、粒径比1.05、相対標準偏差0.6
3の水ガラス法で合成した球状シリカ粒子0.3重量%
添加して重合する以外はポリエステルAと同様な方法
で、固有粘度0.615のポリエチレンテレフタレート
を得た。(ポリエステルB) 実質的に粒子を含まないポリエステルAをベントタイプ
二軸押出機を使用して溶融状態とし、5重量%の水スラ
リーとして分散させた体積平均粒径0.3μm、数平均
粒径0.26μm、粒径比1.03、相対標準偏差0.
25のスチレン−エチルビニルベンゼン−ジビニルベン
ゼン(重量比10/35/50)共重合体粒子(熱分解
温度410℃)が、ポリマーに対して3.0重量%にな
るように添加し、固有粘度0.641のポリエチレンテ
レフタレートを得た。(ポリエステルC) 上記ポリエステルBおよびポリエステルCを乾燥させ、
ポリエステルBを押出機1に供給し、ポリエステルCを
押出機2に供給し、280℃で溶融しマニホールド内で
合流積層し、冷却ロールで急冷固化させて厚さ160μ
mの二層構造の無定形フィルムを得た。この時、それぞ
れの押出機の吐出量を調節し、総厚さおよび積層厚さを
調節した。
【0056】次いで、これを115℃で縦方向に3.3
倍、横方向に3倍に延伸し、再度縦方向に1.6倍に延
伸し、その後220℃で10秒間熱処理し、A層(ポリ
エステルB)9.8μm、B層(ポリエステルC)0.
2μm、総厚さ10μmの二軸配向フィルムを得た。
【0057】得られた二軸配向フィルムの特性の測定・
評価結果を他の実施例及び比較例のそれと共にまとめて
表1、表2に示した。
【0058】実施例2 実施例1のポリエステルB中の滑剤として、体積平均粒
径0.55μm、数平均粒径0.12μm、粒径比1.
05、相対標準偏差0.78の水ガラス法で合成した球
状シリカ粒子0.2重量%添加し、ポリエステルC中の
滑剤として、体積平均粒径0.83μm、数平均粒径
0.82μm、粒径比1.05、相対標準偏差0.32
の架橋ポリスチレン粒子を0.3重量%添加した以外
は、実施例1と同様にして、A層(ポリエステルB)
9.3μm、B層(ポリエステルC)0.7μm、総厚
さ10μmの二軸配向フィルムを得た。
【0059】実施例3 実施例1のポリエステルB中の滑剤として、体積平均粒
径0.22μm、数平均粒径0.09μm、粒径比1.
05、相対標準偏差0.63の水ガラス法で合成した球
状シリカ粒子0.3重量%添加し、ポリエステルC中の
滑剤として、体積平均粒径0.30μm、数平均粒径
0.26μm、粒径比1.05、相対標準偏差0.30
の水ガラス法で合成した球状シリカ粒子を6.0重量%
添加した以外は、実施例1と同様にして、A層(ポリエ
ステルB)9.8μm、B層(ポリエステルC)0.2
μm、総厚さ10μmの二軸配向フィルムを得た。
【0060】比較例1 実施例1のポリエステルBを用いて、総厚さ10μmの
二軸配向単層フィルムを得た。
【0061】比較例2 実施例1のポリエステルB中の滑剤として、体積平均粒
径0.22μm、数平均粒径0.09μm、粒径比1.
05、相対標準偏差0.63の水ガラス法で合成した球
状シリカ粒子5.5重量%添加した以外は、実施例1と
同様にして、総厚さ10μmの二軸配向フィルムを得
た。
【0062】比較例3 実施例1のポリエステルB中の滑剤として、体積平均粒
径0.22μm、数平均粒径0.20μm、粒径比1.
05、相対標準偏差0.26の水ガラス法で合成した球
状シリカ粒子0.3重量%添加した以外は、実施例1と
同様にして、総厚さ10μmの二軸配向フィルムを得
た。
【0063】比較例4 実施例1のポリエステルB中の滑剤として、体積平均粒
径0.55μm、数平均粒径0.53μm、粒径比1.
05、相対標準偏差0.04の水ガラス法で合成した球
状シリカ粒子0.2重量%添加し、ポリエステルC中の
滑剤として、体積平均粒径0.30μm、数平均粒径
0.26μm、粒径比1.05、相対標準偏差0.30
の水ガラス法で合成した球状シリカ粒子を6.0重量%
添加した以外は、実施例1と同様にして、総厚さ10μ
mの二軸配向フィルムを得た。
【0064】比較例5 実施例1のポリエステルB中の滑剤として、体積平均粒
径1.26μm、数平均粒径0.40μm、粒径比1.
50、相対標準偏差0.88の凝集シリカ粒子(サイロ
イド)0.1重量%添加した以外は、実施例1と同様に
して、A層(ポリエステルB)9.0μm、B層(ポリ
エステルC)1.0μm、総厚さ10μmの二軸配向フ
ィルムを得た。
【0065】比較例6 実施例1のポリエステルB中の滑剤として、体積平均粒
径0.30μm、数平均粒径0.25μm、粒径比1.
05、相対標準偏差0.58の水ガラス法で合成した球
状シリカ粒子0.3重量%添加した以外は、実施例1と
同様にして、総厚さ10μmの二軸配向フィルムを得
た。
【0066】比較例7 実施例1のポリエステルB中の滑剤として、体積平均粒
径0.55μm、数平均粒径0.12μm、粒径比1.
05、相対標準偏差0.78の水ガラス法で合成した球
状シリカ粒子0.2重量%添加し、ポリエステルC中の
滑剤として、体積平均粒径0.83μm、数平均粒径
0.78μm、粒径比1.05、相対標準偏差0.55
の架橋ポリスチレン粒子を2.0重量%添加した以外
は、実施例1と同様にして、A層(ポリエステルB)
9.3μm、B層(ポリエステルC)0.7μm、総厚
さ10μmの二軸配向フィルムを得た。
【0067】本発明の要件を満たす実施例1、2及び3
のフイルムは、いずれも平坦性、易滑性、耐削れ性、ス
リット性、巻取特性に優れ、磁気テープ特性において高
度に満足するレベルである。
【0068】これに対し比較例1〜7のフイルムは、本
発明の要件を満たさない粒子を配合してなるフイルムあ
るいは構成が異なる積層フイルムの例であるが、耐削れ
性、スリット性、磁気テープ特性、巻取特性に劣る。
【0069】
【表1】
【表2】
【0070】
【発明の効果】以上説明した本発明のフイルムは、平坦
性、易滑性、耐削れ性、スリット性、巻取特性に優れ、
磁気テープ特性において高度なレベルに達するものであ
り、高密度磁気記録媒体用のベースフイルムとして有用
であり、その工業的価値は高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 フィルムの耐削れ性を評価するための装置の
模式図を示す。
【符号の説明】
1:巻出しリール 2、13:ガイドロール 3、4、6、8、10、11:フリーロール 5:テンション検出ロール(入側) 7:金属ピン 9:テンション検出ロール(出側) 12:ニップロール 14:巻取リール
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 105:16 B29L 9:00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも2層からなる積層二軸配向ポ
    リエステルフイルムにおいて、該フイルムの一方の最外
    層(A層)が、体積平均粒径が0.1〜1.0μmであ
    り、粒径比(長径/短径)が1.0〜1.2であり、体
    積平均粒径が数平均粒径の2倍より大きく、かつ相対標
    準偏差が0.5を越える、球状不活性粒子(a)を0.
    01〜5重量%含有するポリエステルポリマー層であ
    り、他方の最外層(B層)が、体積平均粒径が0.1〜
    1.0μmであり、粒径比(長径/短径)が1.0〜
    1.2であり、かつ相対標準偏差が0.5以下である、
    球状不活性粒子(b)を0.01〜10重量%含有する
    ポリエステルポリマー層である積層二軸配向ポリエステ
    ルフイルム。
  2. 【請求項2】 前記B層の層厚が、球状不活性粒子
    (b)の体積平均粒径の0.2倍よりも大きく、2倍よ
    りも小さい請求項1記載の積層二軸配向ポリエステルフ
    イルム。
  3. 【請求項3】 前記球状不活性粒子(a)が球状シリカ
    粒子である請求項1または2記載の積層二軸配向ポリエ
    ステルフイルム。
  4. 【請求項4】 前記球状不活性粒子(b)が球状シリカ
    粒子および/または球状架橋ポリスチレン粒子である請
    求項1、2または3記載の積層二軸配向ポリエステルフ
    イルム。
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