JP2002210335A5 - - Google Patents

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【0002】
【従来の技術】
逆浸透膜を用いた脱塩装置は、海水淡水化やかん水の淡水化に限らず、下排水の脱塩再利用や食塩工業などにおける有価物の濃縮等、さまざまな分野で使用されおり、さらには、半導体デバイス製造工程で使用される洗浄用超純水の製造装置から排出される脱塩排水の脱塩処理に用いられている。
実施例2
下記装置仕様及び運転条件において、pH調整手段8bとスケール防止剤添加手段9bを省略した以外は、図2と同様の構成の逆浸透膜モジュール集合体を使用した。結果を図5及び図6に示す。図5は運転日数に対する透過流束保持率(%)の変化を示し、図6は運転日数に対するナトリウム阻止率(%)の変化を示す。
本例では、被処理水は、カルシウムとフッ化物イオンについて、フッ化カルシウムとしてのイオン濃度積が、その溶解度積である3.5×10-11 を超えて、15.9×10-11 となっており、過飽和の状態である。本例のROでは回収率が75%であり、濃縮水は元の濃度の約4倍となるため、上記イオン濃度積は64倍の10.2×10-9となる。このような状態では、フッ化カルシウムがROの膜面に析出し、透過水流量や阻止率が低下してしまう。すなわち、30日間の脱塩工程で、初期の透過水流量の70%まで、ナトリウムの阻止率は初期値95%に対して、88%に低下してしまう(比較例2)。実施例2においては、15日経過後、逆浸透膜モジュール配置変換脱塩工程を行ったため、後段側のROの膜が洗浄され透過水量が徐々に回復し、全体の透過水量が増加した。一方、前段側のROの膜が新たに汚染され、徐々に水が透過し難くなり、全体の透過水量は減少に転じた。30日以降の再度の脱塩工程により、再び透過水流量は初期の90%まで減少したので、逆浸透膜モジュール配置変換脱塩工程に切替え、回復させた。以上の操作を繰り返し、薬品洗浄を実施することなく、透過水流束保持率90%以上を維持して90日間、運転することができた。また、ナトリウム阻止率も透過水流束保持率と同様の低下傾向を示し、ナトリウム阻止率90%以上を維持して90日間、運転することができた(図6)。一方、比較例2は90日後、透過水流束保持率60%程度まで減少した。また、ナトリウム阻止率は87%に低下した。
本例では、被処理水は、カルシウムとフッ化物イオンについて、フッ化カルシウムとしてのイオン濃度積が0.27×10-11 であり、原水のままであれば、その溶解度積である3.5×10-11 を超えてはいない。しかし、本例のROでは回収率が75%であり、濃縮水は元の濃度の約4倍となるため、上記イオン濃度積は64倍の17×10-11 となる。このような状態では、フッ化カルシウムがROの膜面に析出し、透過水流量や阻止率が低下してしまう。また、この水はシリカ濃度が109mg as SiO2 /l であり、ほぼ飽和濃度に達している。濃縮水は元の濃度の約4倍となるため、シリカは440mg as SiO2 /l もの濃度に達し、膜面にスケールとして析出し、透過水流量や阻止率が低下してしまう。本例の装置では、30日間の脱塩工程で、初期の透過水流量の75%に、シリカの阻止率は初期値98%に対して、90%にそれぞれ低下してしまう(比較例3)。このように、比較例3ではpHを6以下に調整しても、また、スケール防止剤を添加してもフッ化カルシウムの析出による膜面の汚染を同時に防止することはできない。実施例3においては、15日間の脱塩工程の実施により、透過水量は徐々に減少し、初期の90%まで達する。ここで、逆浸透膜モジュール配置変換脱塩工程を行ったため、後段側のROの膜が洗浄され透過水量が徐々に回復し、全体の透過水量が増加する。一方、前段側のROの膜が新たに汚染され、徐々に水が透過し難くなり、全体の透過水量は減少に転じた。30日以降の再度の脱塩工程により、再び透過水流量は初期の90%まで減少したので、逆浸透膜モジュール配置変換脱塩工程に切替え、回復させた。以上の操作を繰り返し、薬品洗浄を実施することなく、透過水流束保持率90%以上を維持して90日間、運転することができた。また、シリカ阻止率も透過水流束保持率と同様の低下傾向を示し、シリカ阻止率95%以上を維持して90日間、運転することができた(図8)。一方、比較例3は90日後、透過水流束保持率60%程度まで減少した。また、シリカの阻止率は88%に低下した。
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