JP2010227869A - ろ過膜の洗浄方法 - Google Patents

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【課題】閉塞したろ過膜の比透水能を回復させる方法として、ろ過膜からファウリング原因物質を選択的かつ効率的に除去することができる、洗浄効率の高い洗浄方法を提供する。
【解決手段】塩化第二鉄が添加された高硬度原水を被処理水とした膜ろ過処理に用いられるろ過膜の洗浄方法であって、ろ過膜を有機酸溶液に浸漬する有機酸溶液浸漬工程と、ろ過膜を無機酸溶液に浸漬する無機酸溶液浸漬工程と、ろ過膜を酸化剤溶液に浸漬する酸化剤溶液浸漬工程とを含むろ過膜の洗浄方法である。
【選択図】図2

Description

本発明は、ろ過膜の洗浄方法に関するものであり、特には、塩化第二鉄を凝集剤として添加した高硬度原水(被処理水)をろ過することにより閉塞したろ過膜の洗浄方法に関するものである。
従来、高硬度原水(例えば、海水、かん水、工業排水、表流水、地下水、下水処理水等)に対して塩化第二鉄等の凝集剤を添加した後に精密ろ過膜または限外ろ過膜等でろ過を行う処理が、逆浸透膜分離装置を用いた膜ろ過プロセスの前処理などに用いられている。
しかし、塩化第二鉄を凝集剤として添加した高硬度原水を被処理水として膜ろ過する場合、被処理水中に含まれる溶存態のカルシウム、マグネシウム、シリカ、フッ素、砒素、アルミニウムおよび有機物等と、凝集剤由来の鉄とがファウリング原因物質となってろ過膜が閉塞(ファウリング)する。従って、上述した膜ろ過プロセスの前処理においては、閉塞したろ過膜の比透水能を回復させるために、酸などの薬品を使って定期的に洗浄する必要がある。また、膜の比透水能の低下が著しい場合、例えば比透水能が10%以下まで低下した場合には、ろ過膜を装置から取り外し、薬品中に浸漬して洗浄する必要がある。なお、膜の比透水能とは、被処理水の透過水量(A)と、未使用状態の膜で純水をろ過した場合の透過水量(B)との体積比(A/B)である。
これに対して、鉄とマンガンとを含む原水のろ過に用いた膜モジュールの洗浄方法として、塩酸と有機酸(シュウ酸、クエン酸)とを含有する液体を多孔質膜モジュール内で循環させる膜モジュールの洗浄方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、一般に、比透水能が著しく低下したろ過膜を洗浄して膜の比透水能を回復させる方法として、閉塞した膜をクエン酸水溶液と次亜塩素酸ナトリウム水溶液とに交互に浸漬する方法が知られている。
特開平10−118471号公報
しかしながら、塩酸と有機酸とを含有する液体を循環させて膜モジュールを洗浄する方法には、洗浄効果(比透水能の回復率)が十分でないという点で改善の余地があった。即ち、この洗浄方法においては、有機酸は主にファウリング原因物質中の鉄を溶出させる目的で使用され、塩酸はアルミニウム、カルシウム、ケイ素等の金属・無機物を溶出させる目的で使用されているところ、有機酸と塩酸とを混合して混酸としているため、目的物質を選択的かつ効率的に溶解できないという問題があった。
また、閉塞した膜をクエン酸水溶液と次亜塩素酸ナトリウム水溶液とに交互に浸漬する方法には、洗浄効率が悪く、洗浄に時間および費用がかかるという点で問題があった。即ち、この洗浄方法では、pH2.5〜3のクエン酸水溶液への膜の浸漬によりファウリング原因物質中の鉄およびカルシウム、マグネシウムが溶出し、その後の次亜塩素酸ナトリウム水溶液(pH9〜11)への膜の浸漬によりファウリング原因物質中の有機物が洗浄されるところ、クエン酸水溶液への浸漬により膜表面まで溶出してきたカルシウムイオンおよびマグネシウムイオンが、次亜塩素酸ナトリウム水溶液への浸漬時にアルカリ条件下におかれることで炭酸塩等として再析出してしまい、膜を再び閉塞するという問題があった。
そのため、閉塞したろ過膜の比透水能を回復させる方法として、ろ過膜からファウリング原因物質を選択的かつ効率的に除去することができる、洗浄効率の高い洗浄方法が求められていた。
本発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明のろ過膜の洗浄方法は、塩化第二鉄が添加された高硬度原水を被処理水とした膜ろ過処理に用いられるろ過膜の洗浄方法であって、ろ過膜を有機酸溶液に浸漬する有機酸溶液浸漬工程と、ろ過膜を無機酸溶液に浸漬する無機酸溶液浸漬工程と、ろ過膜を酸化剤溶液に浸漬する酸化剤溶液浸漬工程とを含むことを特徴とする。通常、硬度成分(カルシウムおよびマグネシウム)を含む高硬度原水に対して凝集剤として塩化第二鉄を添加した水を被処理水として膜ろ過を行った場合、原水中に含まれている硬度成分、凝集剤由来の鉄、有機物等がファウリング原因物質となってろ過膜が閉塞し、膜の比透水能が低下する。これに対し、本発明の洗浄方法によれば、各ファウリング原因物質を選択的かつ効率的に洗浄して、膜の比透水能を回復させることができる。即ち、本発明の洗浄方法によれば、有機酸溶液浸漬工程において有機酸の有するキレート作用により鉄をろ過膜から選択的に溶出させることができると共に、酸性条件下で硬度成分の一部をろ過膜から溶出させることができる。また、無機酸溶液浸漬工程において強酸性条件下で硬度成分をろ過膜から選択的に溶出させることができる。更に、酸化剤溶液浸漬工程において有機性のファウリング原因物質(有機物)を選択的に洗浄することができる。ここで、本発明において、高硬度原水とは全硬度濃度が300mg/L(CaCO換算濃度)以上の水を指す。なお、全硬度濃度は、JIS K0101に準拠してICP発光分光分析法を用いて水中のカルシウムおよびマグネシウム濃度の総和を算出することにより求めることができる。
ここで、本発明のろ過膜の洗浄方法は、前記無機酸溶液浸漬工程および前記有機酸溶液浸漬工程を、前記酸化剤溶液浸漬工程より前に行うことが好ましい。このようにすれば、無機酸溶液浸漬工程および有機酸溶液浸漬工程において硬度成分および鉄がろ過膜から溶出しているので、酸化剤溶液浸漬工程で有機性のファウリング原因物質を効率的に除去することができるからである。
また、本発明のろ過膜の洗浄方法は、前記有機酸溶液浸漬工程を、前記無機酸溶液浸漬工程より前に行うことが好ましい。このようにすれば、閉塞物中で硬度成分や有機物とマトリックスを形成して安定した状態で存在している鉄を最初に溶出させることができ、後段の無機酸溶液浸漬工程において硬度成分を確実に除去することができるからである。また、無機酸溶液浸漬工程において硬度成分が確実に除去されるので、後に続く酸化剤溶液浸漬工程において硬度成分が膜表面に再析出することを防止できるからである。
更に、本発明のろ過膜の洗浄方法は、前記無機酸溶液浸漬工程を、前記有機酸溶液浸漬工程より前に行うことが好ましい。このようにすれば、無機酸溶液浸漬工程において硬度成分を溶出させた後に有機酸溶液浸漬工程において鉄を溶出させることができるので、有機酸のキレート作用を十分に発揮させて効率的に鉄を除去することができるからである。
本発明のろ過膜の洗浄方法は、前記ろ過膜がセラミック製のろ過膜であることが好ましい。セラミック製のろ過膜は耐酸性に優れており、例えばpH1以下の無機酸を用いて洗浄を行っても劣化し難いからである。
本発明のろ過膜の洗浄方法は、前記有機酸溶液浸漬工程が、温度40〜100℃の有機酸溶液にろ過膜を浸漬する工程であり、前記無機酸溶液浸漬工程が、温度40〜100℃の無機酸溶液にろ過膜を浸漬する工程であり、前記酸化剤溶液浸漬工程が、温度40〜100℃の酸化剤溶液にろ過膜を浸漬する工程であることが好ましい。セラミック製のろ過膜は有機膜と異なり温度を上昇させても加水分解等により劣化することがないところ、セラミック製のろ過膜を洗浄する際に温度40〜100℃の有機酸溶液を用いれば、鉄と有機酸とのキレート結合を促進し、鉄の溶出速度を向上させて効率的に鉄を除去することができるからである。また、温度40〜100℃の無機酸溶液を用いれば、カルシウムの溶出速度を向上させて効率的にカルシウムを除去することができるからである。更に、温度40〜100℃の酸化剤溶液を用いれば、有機物を効率的に除去することができるからである。
そして、本発明のろ過膜の洗浄方法は、前記有機酸溶液がクエン酸水溶液であり、前記無機酸溶液が塩酸溶液であり、前記酸化剤溶液が次亜塩素酸ナトリウム水溶液であることが好ましい。クエン酸水溶液はpHが比較的低く(pH2.5〜3.0)、鉄のみならず硬度成分も溶出させ易い水溶液だからである。また、塩酸溶液は強酸性で硬度成分を非常に良好に溶出させるからである。更に、次亜塩素酸ナトリウム水溶液は有機物の洗浄に適した安価な水溶液だからである。
本発明によれば、ろ過膜からファウリング原因物質を選択的かつ効率的に除去することができる、洗浄効率の高い洗浄方法を提供することができる。
逆浸透膜を使用した海水淡水化プロセスの前処理装置を示す説明図である。 本発明の実施例におけるろ過膜の比透水能の回復過程を示すグラフである。 本発明の比較例におけるろ過膜の比透水能の回復過程を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。本発明のろ過膜の洗浄方法は、塩化第二鉄が添加された高硬度原水を被処理水とした膜ろ過処理に用いられているろ過膜の洗浄に用いることができる。
具体的には、本発明のろ過膜の洗浄方法は、特に限定されることなく、例えば逆浸透(RO)膜を用いて海水を淡水化するプロセスの前処理装置に用いられているろ過膜の洗浄に用いることができる。ここで、このような前処理装置としては、図1に示すような、原水貯槽1と、原水貯槽1の後段に設けられた凝析槽2と、凝析槽2の後段に設けられた凝集槽3と、凝集槽3の後段に設けられたセラミック膜4とを備える前処理装置10を例示することができる。この前処理装置10では、まず海水(原水)が原水貯槽1に貯留される。次に、原水貯槽1から流出した原水に対し凝析槽2においてアルカリ剤注入手段5を介して水酸化ナトリウム等の既知のアルカリ剤を添加し、撹拌機7で撹拌して原水のpHを9以上に調整することにより、原水中に含まれているカルシウムイオンやマグネシウムイオンを炭酸塩等の形で析出させる。その後、凝析槽2から流出した析出物を含む原水に対し、凝集槽3において凝集剤注入手段6を介して塩化第二鉄を添加し、撹拌機8で撹拌して析出物を凝集させる。そして、凝集槽3からの流出水は孔径0.1μmのセラミック膜4でろ過されてRO膜へと供給される。従って、この前処理装置10では、塩化第二鉄が添加された海水を被処理水とした膜ろ過によりセラミック膜4が閉塞し、本発明の洗浄方法により洗浄されることとなる。
上述した通り、本発明の洗浄方法を用いて洗浄するろ過膜は、塩化第二鉄が添加された高硬度原水を被処理水とした膜ろ過処理により閉塞したろ過膜である。ここで、高硬度原水とは全硬度濃度が300mg/L(CaCO換算濃度)以上の水を指し、高硬度原水としては例えば、かん水、工業排水、表流水、地下水、下水処理水等が挙げられる。なお、全硬度濃度は、JIS K0101に準拠してICP発光分光分析法を用いて水中のカルシウムおよびマグネシウム濃度の総和を算出することにより求めることができる。そして、塩化第二鉄が添加された高硬度原水とは、アルカリ剤の添加等の任意の処理を施した後に塩化第二鉄を添加した高硬度原水をも含む概念である。
なお、本発明の洗浄方法により洗浄されるろ過膜としては、平膜、スパイラル膜、プリーツ膜、中空糸膜など既知の形態の膜を挙げることができ、ろ過膜は、耐酸性を有する精密ろ過膜や限外ろ過膜であることが特に好ましい。具体的には、本発明の洗浄方法により洗浄されるろ過膜としては、pH2以下、好ましくはpH1以下の酸に浸漬しても劣化しないポリフッ化ビニリデン(PVDF)製、ポリエチレン(PE)製、ポリスルフォン(PS)製、ポリアクリロニトリル(PAN)製またはセラミック製の膜が好ましく、これらの中でも温度の高い(40〜100℃)有機酸溶液へ浸漬しても加水分解等により劣化することがないセラミック製の膜が特に好ましい。
そして、上述したろ過膜は、塩化第二鉄が添加された高硬度原水を被処理水とした膜ろ過処理に用いられた際に、被処理水中に含まれている溶存態のカルシウム、マグネシウム、シリカ、フッ素、砒素、アルミニウムおよび有機物等と、凝集剤由来の鉄とがファウリング原因物質となって閉塞(ファウリング)し、本発明の洗浄方法で洗浄されることとなる。ここで、ファウリングにより比透水能が低下したろ過膜は、通常、水または薬品を用いた逆洗等により洗浄されるが、比透水能が10%以下まで低下したろ過膜、即ち逆洗のみでは比透水能を回復させることが困難なろ過膜については、膜ろ過処理装置から取り外して洗浄を行う。本発明の洗浄方法は、このように膜ろ過処理装置からろ過膜を取り外して洗浄を行う場合の洗浄方法として特に適しているが、特にこれに限定されるものではない。
本発明の洗浄方法においては、閉塞したろ過膜は、ろ過膜を有機酸溶液に浸漬する有機酸溶液浸漬工程と、ろ過膜を無機酸溶液に浸漬する無機酸溶液浸漬工程と、ろ過膜を酸化剤溶液に浸漬する酸化剤溶液浸漬工程とを経て洗浄されることとなる。なお、有機酸溶液、無機酸溶液および酸化剤溶液への浸漬は、別途準備した浸漬用水槽にろ過膜を浸漬することにより行っても良いし、モジュール内に設置されている中空糸膜等のろ過膜を洗浄する場合には該モジュール内に有機酸溶液、無機酸溶液または酸化剤溶液を満たすことにより行っても良い。
ここで、有機酸溶液浸漬工程において用いる有機酸溶液としては、塩化第二鉄由来のファウリング原因物質である鉄に対してキレート作用を発揮する有機酸の水溶液、例えばクエン酸水溶液またはEDTA水溶液などを用いることができ、その濃度は例えば0.1〜10.0重量%とすることができる。また、浸漬時間は30〜1440分とすることができる。なお、有機酸溶液としては、pHが低くて硬度成分の溶出にも寄与し得るという観点から、クエン酸水溶液を使用することが好ましい。また、鉄の溶出を促進させる観点から、有機酸溶液浸漬工程では温度40〜100℃、好ましくは80℃超100℃以下の有機酸溶液にろ過膜を浸漬することが好ましい。そして、この有機酸溶液浸漬工程においては、クエン酸などの有機酸がファウリングの一因となっている鉄とキレート鉄を形成し、閉塞したろ過膜から鉄を溶出させる。また、この有機酸溶液浸漬工程では、カルシウムやマグネシウム等も閉塞したろ過膜から溶出する。
無機酸溶液浸漬工程において用いる無機酸溶液としては、塩酸溶液、硝酸溶液などを用いることができ、その濃度は例えば0.1〜10.0重量%とすることができる。また、浸漬時間は30〜1440分とすることができる。ここで、無機酸溶液としては、カルシウムおよびマグネシウムを効率的かつ迅速に溶出させ得るという観点から、pH1以下の塩酸溶液を使用することが好ましい。また、カルシウムの溶出を促進させる観点から、無機酸溶液浸漬工程では温度40〜100℃、好ましくは80℃超100℃以下の無機酸溶液にろ過膜を浸漬することが好ましい。そして、この無機酸溶液浸漬工程においては、塩酸溶液などの低pHの無機酸溶液中にろ過膜が浸漬されることにより、炭酸塩等の形で存在してファウリングの一因となっている硬度成分が閉塞したろ過膜から溶出する。なお、無機酸溶液へのろ過膜の浸漬は複数回行っても良い。具体的には、硬度成分の溶出により無機酸溶液のpHが例えば3以上まで上昇した場合には、一度ろ過膜を引き上げ、別途用意したpH1以下の新しい無機酸溶液中へ再度浸漬するようにしても良い。このようにすれば、確実に硬度成分を溶出させることができる。
酸化剤溶液浸漬工程において用いる酸化剤溶液としては、有機物を洗浄することができる酸化剤溶液、例えば次亜塩素酸ナトリウム水溶液(有効塩素濃度0.1〜1.0重量%)、過酸化水素水(0.1〜10.0重量%)、オゾン含有水溶液(0.01〜20.0体積%)などを用いることができる。また、浸漬時間は30〜1440分とすることができる。ここで、酸化剤溶液浸漬工程においては、有機物の洗浄を促進させる観点から、温度40〜100℃、好ましくは80℃超100℃以下の酸化剤溶液にろ過膜を浸漬することが好ましい。なお、酸化剤溶液としては、安価で扱い易いという観点から、次亜塩素酸ナトリウム水溶液を使用することが好ましい。そして、この酸化剤溶液浸漬工程においては、次亜塩素酸ナトリウム水溶液などの酸化剤溶液中にろ過膜を浸漬することにより、ファウリングの一因となっている有機物が洗浄される。
従って、上述した洗浄方法によれば、閉塞したろ過膜からファウリング原因物質を選択的かつ効率的に除去することができる。なお、本発明の洗浄方法において、有機酸溶液浸漬工程、無機酸溶液浸漬工程および酸化剤溶液浸漬工程の実施順は任意の順番とすることができるが、鉄や硬度成分を予め溶出させて酸化剤溶液浸漬工程で有機物を洗浄し易くするという観点からは、(1)有機酸溶液浸漬工程、無機酸溶液浸漬工程、酸化剤溶液浸漬工程の順、或いは、(2)無機酸溶液浸漬工程、有機酸溶液浸漬工程、酸化剤溶液浸漬工程の順で実施することが好ましい。また、ろ過膜の閉塞が激しい場合には、有機酸溶液浸漬工程と無機酸溶液浸漬工程とを交互に複数回繰り返した後に酸化剤溶液浸漬工程を行っても良い。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1〜3)
塩化第二鉄を添加した海水をろ過して閉塞した孔径0.1μmのセラミック膜(A〜C)を、クエン酸水溶液(濃度:1重量%、pH2.5)に960分浸漬した後、塩酸溶液(濃度:4.0重量%、pH:1.0)に浸漬液のpHが常に2以下となるように適宜浸漬液を交換しながら120分以上浸漬した。その後、次亜塩素酸ナトリウム水溶液(有効塩素濃度:0.4重量%)に960分浸漬した。そして、浸漬後の各溶液中の鉄、カルシウム、マグネシウム濃度をJIS K0101に準拠してICP発光分光分析法により測定した。また、浸漬後の次亜塩素酸ナトリウム水溶液中の有機物濃度を上水試験方法 VI-1 22.2に準拠して燃焼酸化法により測定した。結果を表1に示す。更に、閉塞直後、クエン酸水溶液浸漬後(クエン酸洗浄後)、塩酸溶液浸漬後(HCl洗浄後)および次亜塩素酸ナトリウム水溶液浸漬後(次亜洗浄後)の各状態の膜に対して純水を透過させて比透水能を評価した。結果を図2に示す。なお、膜A〜Cは同一ろ過条件で閉塞した複数の膜から3つをランダムに抽出したものであり、実施例1では膜Aを、実施例2では膜Bを、実施例3では膜Cを用いた。
(比較例1〜5)
塩化第二鉄を添加した海水をろ過して閉塞した孔径0.1μmのセラミック膜(D〜H)に対し、クエン酸水溶液(濃度:1.0重量%、pH2.5)への浸漬(960分)と、次亜塩素酸ナトリウム水溶液(有効塩素濃度:0.4重量%)への浸漬(960分)とを交互に繰り返し行った。そして、閉塞直後、クエン酸水溶液浸漬後(クエン酸洗浄)および次亜塩素酸ナトリウム水溶液浸漬後(次亜洗浄)の各状態の膜に対して純水を透過させて比透水能を評価した。結果を図3に示す。なお、膜D〜Hは実施例1〜3と同一のろ過条件で閉塞した複数の膜から5つをランダムに抽出したものであり、比較例1〜5はそれぞれ膜D〜Hに対応する。
Figure 2010227869
1 原水貯槽
2 凝析槽
3 凝集槽
4 セラミック膜
5 アルカリ剤注入手段
6 凝集剤注入手段
7 撹拌機
8 撹拌機
10 前処理装置

Claims (7)

  1. 塩化第二鉄が添加された高硬度原水を被処理水とした膜ろ過処理に用いられるろ過膜の洗浄方法であって、
    ろ過膜を有機酸溶液に浸漬する有機酸溶液浸漬工程と、
    ろ過膜を無機酸溶液に浸漬する無機酸溶液浸漬工程と、
    ろ過膜を酸化剤溶液に浸漬する酸化剤溶液浸漬工程と、
    を含む、ろ過膜の洗浄方法。
  2. 前記無機酸溶液浸漬工程および前記有機酸溶液浸漬工程を、前記酸化剤溶液浸漬工程より前に行う、請求項1に記載のろ過膜の洗浄方法。
  3. 前記有機酸溶液浸漬工程を、前記無機酸溶液浸漬工程より前に行う、請求項2に記載のろ過膜の洗浄方法。
  4. 前記無機酸溶液浸漬工程を、前記有機酸溶液浸漬工程より前に行う、請求項2に記載のろ過膜の洗浄方法。
  5. 前記ろ過膜がセラミック製のろ過膜である、請求項1〜4の何れかに記載のろ過膜の洗浄方法。
  6. 前記有機酸溶液浸漬工程が、温度40〜100℃の有機酸溶液にろ過膜を浸漬する工程であり、
    前記無機酸溶液浸漬工程が、温度40〜100℃の無機酸溶液にろ過膜を浸漬する工程であり、
    前記酸化剤溶液浸漬工程が、温度40〜100℃の酸化剤溶液にろ過膜を浸漬する工程である、請求項5に記載のろ過膜の洗浄方法。
  7. 前記有機酸溶液がクエン酸水溶液であり、前記無機酸溶液が塩酸溶液であり、前記酸化剤溶液が次亜塩素酸ナトリウム水溶液である、請求項1〜6の何れかに記載のろ過膜の洗浄方法。
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