JP2006204996A - 多孔質膜の洗浄方法および水処理装置、ならびに多孔質膜モジュールの洗浄方法 - Google Patents

多孔質膜の洗浄方法および水処理装置、ならびに多孔質膜モジュールの洗浄方法 Download PDF

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Abstract

【課題】多孔質膜がファウリング物質によって性能低下する現象を逆流洗浄水に添加した酸化剤によって効果的に抑制する膜の洗浄方法および膜分離装置を提供すること、および ファウリング物質によって性能低下した膜モジュールを、酸化剤を用いた薬品洗浄によって効果的に回復させる膜モジュールの洗浄方法および膜分離装置を提供する。
【解決手段】原水を多孔質膜で膜ろ過を行いつつ、好ましくは間欠的にpH3〜8に調整した次亜塩素酸洗浄水で逆流洗浄を行うこと、および、好ましくは多孔質膜モジュールをpH3〜8に調整した次亜塩素酸を含有する液体で薬品洗浄する。
【選択図】図1

Description

本発明は、浄水処理に使用された多孔質膜および多孔質膜モジュールにファウリング物質が沈着堆積することによって、膜モジュール差圧の上昇や、透水量低下、除去率の変化など膜性能の変化した膜モジュールの膜を劣化させることなくモジュール性能を回復させる洗浄方法に関する。
近年、多孔質膜は河川水や地下水、下水処理水、工業用水など種々の流体をろ過するために広く用いられている。膜ろ過はろ過精度が高く、かつ流動体処理ラインに組み込み易いため今後も適用範囲が広がっていくことは必至である。浄水処理場においても膜ろ過による処理方法が導入されるようになってきた。また、海外では下水処理水を多孔質膜で処理することで工業用水や農業用水、飲料水を作り出している。しかし、流体を多孔質膜でろ過するうちに、多孔質膜は流体内の不純物および/または流体成分によってバイオファウリングや膜閉塞が生じてしまう。このため一定量の処理液を得ようとすると、多孔質膜にかかる圧力が大きくなり、膜間差圧の上昇が起こり、規定した膜間差圧を越えると使用不可能になってしまう。目詰まりまたは閉塞した膜モジュールは通常、薬品洗浄によって目詰まりを取り除く操作が行われる。
従来の膜モジュールの洗浄方法としては、シュウ酸水溶液によって循環洗浄し、次いで次亜塩素酸ナトリウム水溶液で循環する方法(特許文献1)、酸やアルカリ,界面活性剤などに浸漬して目詰まりを溶解してしまう方法などが考案された。一方、多孔質膜にバイオファウリングや膜閉塞をろ過運転中に生じさせにくくする方法としては、一定時間多孔質膜でろ過する毎に逆流して洗浄する方法とエアースクラビングを行う方法(特許文献2)や、原水側に気体を導入すると同時に逆流して洗浄する洗浄水中に次亜塩素酸ナトリウムを注入する方法(特許文献3)が考えられた。
特開平2−63529号公報(実施例) 特開昭60−19002号公報(請求項1) 特開2001−79366号公報(請求項1)
しかしながら、シュウ酸や次亜塩素酸ナトリウムで薬品洗浄する場合は高濃度でなければ目詰まり物質を除去できず、環境に対する負荷量も大きく、薬液洗浄後に薬液を多孔質膜モジュールからすべて除去するためには多量のリンス水が必要となり、中和処理などの処理コストが増大する。また、次亜塩素酸ナトリウムを用いた物理洗浄では、エアースクラビングなどを併用しても膜性能を維持するためには高濃度の次亜塩素酸ナトリウムを注入する必要がある。そのため、本発明の目的は、多孔質膜がファウリング物質によって性能低下する現象を逆流洗浄水に添加した次亜塩素酸によって効果的に抑制する膜の洗浄方法および膜分離装置を提供すること、および ファウリング物質によって性能低下した膜モジュールを、次亜塩素酸を用いた薬品洗浄によって効果的に回復させる膜モジュールの洗浄方法および膜分離装置を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明は、次の(1)〜(9)の構成を特徴とするものである。
(1)多孔質膜のろ過側から原水側に液体を逆流させて洗浄する多孔質膜の洗浄方法において、液体が次亜塩素酸を含む次亜塩素酸水溶液であり、かつ、前記次亜塩素酸が前記液体中に含まれる塩素化合物の有効塩素濃度の20重量%以上であることを特徴とする多孔質膜の洗浄方法。
(2)前記次亜塩素酸水溶液中の次亜塩素酸の濃度が0.1ppmから100ppmの範囲であることを特徴とする(1)記載の多孔質膜の洗浄方法。
(3)前記次亜塩素酸水溶液のpHが3〜8であることを特徴とする(1)または(2)に記載の多孔質膜の洗浄方法。
(4)多孔質膜のろ過側から原水側に次亜塩素酸水溶液を導入するに際して、pHを調整する手段と導入量を制御する手段を有する装置を具備したことを特徴とする水処理装置。
(5)多孔質膜モジュール内で薬品を循環させて洗浄する多孔質膜モジュールの薬品洗浄方法において、前記薬品が次亜塩素酸を含む次亜塩素酸水溶液であり、かつ、前記次亜塩素酸が前記薬品中に含まれる塩素化合物の有効塩素濃度の20重量%以上であることを特徴とする多孔質膜モジュールの洗浄方法。
(6)多孔質膜モジュール内で薬品を静置させて洗浄する多孔質膜モジュールの薬品洗浄方法において、前記薬品が次亜塩素酸を含む次亜塩素酸水溶液であり、かつ、前記次亜塩素酸が前記薬品中に含まれる塩素化合物の有効塩素濃度の20重量%以上であることを特徴とする多孔質膜モジュールの洗浄方法。
(7) 前記次亜塩素酸水溶液のpHが3〜8であることを特徴とする(5)または(6)に記載の多孔質膜モジュールの洗浄方法。
(8) 前記循環させて洗浄する手段が、多孔質膜の原水側のろ過膜面上に薬品を循環させるものであることを特徴とする(5)〜(7)のいずれかに記載の多孔質膜モジュールの洗浄方法。
(9)前記次亜塩素酸水溶液中の次亜塩素酸の濃度が10〜1000ppmであることを特徴とする(5)〜(8)のいずれかに記載の多孔質膜モジュールの洗浄方法。
本発明によれば、膜ろ過性能が低下した多孔質膜および多孔質膜モジュールを、効率的にファウリング由来物質を効果的に除去でき、膜を劣化させることなく膜モジュールの性能回復が可能となる。さらに、薬品使用量やリンス水を最小限に抑えることができるために環境負荷量および薬品コストが低減できる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1〜3は、本発明の一実施形態を示す膜分離装置における物理洗浄および薬品洗浄の概略フロー図である。図1において、1は次亜塩素酸水溶液タンク、2は流量制御装置、3は逆流洗浄水タンク、4は逆流洗浄ポンプ、5はエアーコンプレッサー、6は多孔質膜モジュール、11はpH調整装置である。図2および3において、7は薬液タンク、8は薬液循環タンクである。9はモジュールの薬液注入側、10は薬液排出側である。図4は本発明の水処理装置の概略図である。図4において、12は原水ポンプ、13は原水タンクである。
本発明における多孔質膜モジュール6の膜素材および膜構造は多孔質膜や、多孔質膜に機能層を複合化した複合膜などが挙げられるが、特に限定されるものではない。これら膜の素材としては、セラミック、金属などの無機物や、ポリアクリロニトリル多孔質膜、ポリイミド多孔質膜、ポリエーテルスルホン多孔質膜、ポリフェニレンスルフィドスルホン多孔質膜、ポリテトラフルオロエチレン多孔質膜、ポリフッ化ビニリデン多孔質膜、ポリプロピレン多孔質膜、ポリエチレン多孔質膜等の有機多孔質膜が挙げられるが、ポリフッ化ビニリデン多孔質膜やポリテトラフルオロエチレン多孔質膜が耐薬品性が高いため、特に好ましい。さらに、これら多孔質膜に機能層として架橋型シリコーン、ポリブタジエン、ポリアクリロニトリルブタジエン、エチレンプロピレンラバー、ネオプレンゴム等のゴム状高分子を複合化した複合膜を挙げることもできる。膜構造としては中空糸型、管状型、モノリス型などの円筒状膜や、スパイラル型、プリーツ型、円盤形などの平膜などがあるが特に限定されるものではない。モジュール構造としては内圧式、外圧式、浸漬吸引式などがあるが特に限定されるものではない。
本発明で、多孔質膜のろ過側から原水側に逆流させて洗浄する際に用いられる液体、ならびに、多孔質膜モジュール内で循環ないし静置させて洗浄する際に用いられる薬品としては、次亜塩素酸を含む次亜塩素酸水溶液であることが必要であり、かかる次亜塩素酸水溶液は、前記液体ないし薬品中に含まれる塩素化合物の有効塩素濃度の20重量%以上の次亜塩素酸を含むことが必要である。ここで、本発明で言う塩素化合物とは、液体ないし薬品中で殺菌能力を有する塩素原子を含む化合物をいい、次亜塩素酸、次亜塩素酸イオン等の遊離残留塩素化合物と、遊離残留塩素がアンモニア化合物と反応して形成されるモノクロラミン、ジクロラミンなどの結合残留塩素化合物を意味し、また有効塩素濃度とは、次亜塩素酸、次亜塩素酸イオン等の遊離残留塩素化合物濃度を意味する。そして、本発明では、前記有効塩素濃度を20重量%以上とすることが必要であり、好ましくは50%重量以上である。次亜塩素酸を前記塩素化合物の有効塩素濃度の20重量%以上とするのは、次亜塩素酸は次亜塩素酸イオンに比べて10倍以上の殺菌力を示すため、低濃度の次亜塩素酸で十分な洗浄効果が発揮できるからである。
有効塩素濃度を測定する方法として(1)ジエチル−p−フェニレンジアミン法(DPD法)比色法、 (2)DPDによる吸光光度法、(3)電流滴定法、(4)ポーラログラフ法がある。DPD法は、ヨウ化カリウムを加えることで遊離残留塩素と結合残留塩素の分離測定ができ、比色法は標準比色液または濃度に応じた発色に模したアクリル板を用い、目視で発色の度合いを比較し測定するものである。吸光光度法は光源と受光素子および電子回路より構成され、光源から出た光が、発色によって吸収された後の透過光量を、受光素子で電機信号に変換し、濃度を測定するものである。電流測定法は、残留塩素でヨウ化カリウムを酸化させて遊離したヨウ素をフェニルアルセノオキサイドで電流滴定する方法である。ポーラログラフ法は、電極表面で残留塩素が還元される際に電極間に流れる電流値より測定する方法である。いずれの方法を用いても容易に測定することができる。
ここで、次亜塩素酸は、塩化ナトリウム水溶液や希塩酸の電気分解や次亜塩素酸ナトリウムと酸の反応など公知の方法で容易に得ることができる。酸としては希塩酸、希硫酸、リン酸、硝酸などの無機酸やシュウ酸、クエン酸などの有機酸を用いることができるが、洗浄排水の環境影響の問題から希塩酸や希硫酸が好ましく、次亜塩素酸ナトリウムはあらかじめ1〜2%程度に希釈した上で十分撹拌しながら酸を加えて調整すると局所的にpHが下がる事もなく、有毒な塩素ガスが発生しないために安全上好ましい。また、次亜塩素酸ナトリウムに酸を加える場合には、初めにリン酸やクエン酸などの緩衝液を加えておき、撹拌しながら希塩酸、希硫酸、硝酸などを加えても良い。逆流させて洗浄(以下、「流逆洗浄」と言う。)する多孔質膜の洗浄方法に用いられる次亜塩素酸の濃度は特に限定されないが、膜の素材、膜の汚染状態、水温によって変化できる。本発明の逆流洗浄の場合、前記次亜塩素酸水溶液中の次亜塩素酸の濃度は高いほど洗浄効果は大きくなるが、高すぎても効果は変わらず逆に膜が劣化することが懸念されるため、100ppm以下が好ましい。一方、前記次亜塩素酸の濃度が低いと膜モジュール性能を回復するのに十分な洗浄効果が得られないため0.1ppm以上が好ましい。より好ましくは0.1ppmから50ppmの範囲である。この範囲に次亜塩素酸濃度を調整するために、次亜塩素酸水溶液タンク1内の次亜塩素酸濃度と逆流洗浄水タンク3から逆流洗浄ポンプ4によって送液される水量の関係から算出される次亜塩素酸水溶液の導入量を流量制御装置2によって制御することができる。薬品洗浄の場合、次亜塩素酸の濃度は高いほど洗浄効果は大きくなるが、高すぎても効果は変わらず逆に膜が劣化することが懸念され、また薬液洗浄後に薬液を多孔質膜モジュールからすべて水洗除去するためには多量のリンス水が必要となり、中和処理などの処理コストが増大してしまう。そのため、薬液洗浄の場合、次亜塩素酸濃度は1000ppm以下が好ましい。一方、前記次亜塩素酸の濃度が低いと膜モジュール性能を回復するのに十分な薬品洗浄効果が得られないため10ppm以上が好ましい。より好ましくは50ppmから1000ppmの範囲である。また上記次亜塩素酸は溶液のpHによって化学変化を起こし強酸性領域では有毒な塩素ガスが発生し、アルカリ性領域では酸化力の小さい次亜塩素酸イオンとなるため、pHは3〜8の範囲が好ましい。
次亜塩素酸と次亜塩素酸イオンの存在比率はpHによる解離平衡によって決まっており、pH5では次亜塩素酸濃度がほぼ100%であるのに対して、pH8より大きい場合は20〜40%と減少してしまう。pH3では90%程度次亜塩素酸が存在しているものの、これよりも小さいpHとなると次亜塩素酸と塩素の解離平衡によって有毒な塩素ガスが発生してしまうために好ましくない。pHとは水素イオン濃度の逆数を対数で表示した値であり、ガラス電極法を採用したpH計にて測定することができる。pHを所定の値に調整するために、次亜塩素酸水溶液タンク1内のpHを監視しつつ、目的のpHに制御するためにpH調整装置11によって酸またはアルカリを添加することができる。
本発明における洗浄条件は、例えば以下の例に従い、物理洗浄、薬品洗浄により適宜決定される。
物理洗浄では、図1のように多孔質膜モジュール6のろ過の2次側(ろ過側)である薬液注入側9から1次側(原水側)である薬液排出側10に逆流洗浄タンク3から逆流洗浄ポンプ4によって洗浄水を圧力で透過させ、膜の表面に付着したファウリング物質を排除する方法であり、洗浄水に次亜塩素酸タンク1から流量制御装置2によって所定濃度になるように次亜塩素酸を導入することで洗浄効果が著しく増大する。この逆流洗浄にエアーコンプレッサー5によりエアースクラビングや、フラッシング洗浄を単独または組み合わせによって洗浄を行うとさらに効果が高くなるので好ましい。物理洗浄頻度は原水水質や運転条件などのよって異なるが、ろ過時間10分〜120分に1回定期的に行う方法や、膜間差圧の上昇速度を検知して洗浄頻度を決定する方法などが一般的である。逆流洗浄の時間は、特に制限するものではないが、1〜120秒の範囲内とするのが好ましい。1回の逆流洗浄時間が1秒未満では、十分な洗浄効果が得られず、120秒を超えると膜モジュールの稼働効率が低くなる。逆流洗浄流束は、特に制限するものではないがろ過流束の0.5〜3倍の範囲内であることが好ましい。逆流洗浄流束がろ過流束の0.5倍未満では、膜面に付着、堆積した有機系汚濁物質を十分に除去することが難しくなり、ろ過流束の3倍を超えると、膜モジュールの機械的劣化を引き起こし易くなる。
薬品洗浄では図2のように多孔質膜モジュール6のろ過の1次側である薬液注入側9から2次側である薬液排出側10に薬液タンク7に予め濃度を調整した次亜塩素酸洗浄水を循環ポンプ8で循環させる方法や、図3のように多孔質膜モジュール6のろ過の1次側の一方である薬液注入側9から薬液タンク7に予め濃度を調整した次亜塩素酸洗浄水を循環ポンプ8で導入してろ過の1次側の他方である薬液排出側10に循環するクロスフロー方式による方法、さらにはろ過の1次側またはろ過の2次側から次亜塩素酸洗浄水を導入して膜モジュール内を洗浄水で満たして一定時間浸漬(静置)させる方法などを用いることができる。循環または浸漬させる時間は目詰まりの程度によって異なるために特に制限するものではないが、10分以上24時間以内が好ましい。循環または浸漬時間が10分未満では十分な洗浄効果が得られず、24時間以上ではこれ以上時間をかけても洗浄効果はほとんど変わらないため、薬品洗浄回数を増やす方が効果的である。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが本発明はこれらに限定されるものではない。また、多孔質膜モジュールの性能回復率を次式で算出した。
性能回復率=(洗浄後の純水透過係数)/(運転初期の純水透過係数)×100。
次亜塩素酸ナトリウムおよび次亜塩素酸の有効塩素濃度はジエチル−p−フェニレンジアミン法(DPD法)吸光光度法(ハック社製、型番58700−00)によって測定した。pHはガラス電極法式によるpH計(ホリバ社製、型番D−24)を用いて測定した。懸濁物質濃度は、常法(JIS K−0101(1998))に従い試料水を孔径1μmのガラス繊維ろ紙(アドバンテック社製、型番GS−25)でろ過し、ろ紙に捕捉された物質を水洗後、乾燥して測定し、試料1リットル中の補足した物質の重量(mg)で表した。
<実施例1>
図1に示す膜分離装置を用いて、ろ過工程、逆流洗浄工程を繰り返して運転した。
原水としては、懸濁物質濃度1〜2(mg/L)、水温が15〜18℃の下水処理水を用いた。また、膜モジュールとしては、逆流洗浄可能なポリフッ化ビニリデン(PVDF)製精密ろ過中空糸膜(東レ株式会社製、型番HFM−2008)モジュールを用いた。
ろ過工程は、ろ過流束1.5m/dで20分とし、逆流洗浄工程は、逆流洗浄水中(水温22〜24℃)に6%次亜塩素酸ナトリウム溶液溶液(pH13)を導入して逆流洗浄水中の次亜塩素酸ナトリウム水溶液の有効塩素濃度を30ppm(次亜塩素酸は1%未満)とし、逆流洗浄流束3.0m/dで30秒実施し、その後にエアースクラビングを30L/minで30秒実施してモジュール内の洗浄水を排水した。この操作を繰り返し、膜間差圧が徐々に上昇して170kPaとなった時点で6%次亜塩素酸ナトリウム溶液(pH13)に希塩酸を加えて混合液のpHを6.5に調整した次亜塩素酸水溶液(有効塩素濃度の90%以上が次亜塩素酸)を逆流洗浄水中(水温22〜24℃)に導入して逆流洗浄水中の次亜塩素酸の有効塩素濃度を30ppmとなるように注入量を調整し、逆流洗浄流束3.0m/dで30秒実施し、その後にエアースクラビングを30L/minで30秒実施してモジュール内の洗浄水を排水する操作を繰り返した。
その結果を図5に示す。
逆流洗浄洗浄水中に次亜塩素酸を導入しない場合には差圧上昇速度は4kPa/日であったが次亜塩素酸を導入すると差圧上昇速度は0.9kPa/日以下となった。
<実施例2>
多孔質膜モジュールの性能回復率が10%まで膜閉塞が起こった精密ろ過中空糸膜(東レ株式会社製、型番HFM−2008)モジュールのろ過の1次側から12%次亜塩素酸ナトリウム溶液(pH13.5)に純水を加えて10倍希釈し、撹拌しながら希塩酸を加えて混合液のpHを6.0に調整し、さらに純水を加えて次亜塩素酸(有効塩素濃度の95%以上が次亜塩素酸)の有効塩素濃度1000ppmの洗浄水(水温16℃)を調整し、モジュール内をこの洗浄水で満たし3時間浸漬させ薬液洗浄を実施した。その後、洗浄水を抜き出して純水で水洗後、性能回復率を測定すると64%まで回復した。
<比較例1>
次亜塩素酸の有効塩素濃度が1000ppmの洗浄水を次亜塩素酸ナトリウムの有効塩素濃度1000ppm(次亜塩素酸は1%未満)とした以外は実施例2と同一条件で薬液洗浄を実施した。その結果、薬液洗浄後の性能回復率を測定すると18%であった。
本発明は、河川水や地下水、下水処理水、工業用水などを浄化するために用いられる多孔質膜および膜モジュールの物理洗浄や薬品洗浄に好適に利用される。
本発明の一実施形態を示す逆流洗浄工程を示す概略フロー図である。 本発明の原水側からろ過側に薬液を循環させる薬洗工程を示す概略フロー図である。 本発明の原水側のろ過膜上を循環させる薬洗工程を示す概略フロー図である。 本発明の実施例1において使用される水処理装置の概略図である。 実施例1の結果を示す図である。
符号の説明
1:次亜塩素酸水溶液タンク
2:流量制御装置
3:逆流洗浄水タンク
4:逆流洗浄ポンプ
5:エアーコンプレッサー
6:多孔質膜モジュール
7:薬洗タンク
8:薬液循環ポンプ
9:薬液注入側
10:薬液排出側
11:pH調整装置
12:原水ポンプ
13:原水タンク

Claims (9)

  1. 多孔質膜のろ過側から原水側に液体を逆流させて洗浄する多孔質膜の洗浄方法において、前記液体が次亜塩素酸を含む次亜塩素酸水溶液であり、かつ、前記次亜塩素酸が前記液体中に含まれる塩素化合物の有効塩素濃度の20重量%以上であることを特徴とする多孔質膜の洗浄方法。
  2. 前記次亜塩素酸水溶液中の次亜塩素酸の濃度が0.1ppmから100ppmの範囲であることを特徴とする請求項1記載の多孔質膜の洗浄方法。
  3. 前記次亜塩素酸水溶液のpHが3〜8であることを特徴とする請求項1または2に記載の多孔質膜の洗浄方法。
  4. 多孔質膜のろ過側から原水側に次亜塩素酸水溶液を導入するに際して、pHを調整する手段と導入量を制御する手段を有する装置を具備したことを特徴とする水処理装置。
  5. 多孔質膜モジュール内で薬品を循環させて洗浄する多孔質膜モジュールの薬品洗浄方法において、前記薬品が次亜塩素酸を含む次亜塩素酸水溶液であり、かつ、前記次亜塩素酸が前記薬品中に含まれる塩素化合物の有効塩素濃度の20重量%以上であることを特徴とする多孔質膜モジュールの洗浄方法。
  6. 多孔質膜モジュール内で薬品を静置させて洗浄する多孔質膜モジュールの薬品洗浄方法において、前記薬品が次亜塩素酸を含む次亜塩素酸水溶液であり、かつ、前記次亜塩素酸が前記薬品中に含まれる塩素化合物の有効塩素濃度の20重量%以上であることを特徴とする多孔質膜モジュールの洗浄方法。
  7. 前記次亜塩素酸水溶液のpHが3〜8であることを特徴とする請求項5または6に記載の多孔質膜モジュールの洗浄方法。
  8. 前記循環させて洗浄する手段が、多孔質膜の原水側のろ過膜面上に薬品を循環させるものであることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の多孔質膜モジュールの洗浄方法。
  9. 前記次亜塩素酸水溶液中の次亜塩素酸の濃度が10〜1000ppmであることを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載の多孔質膜モジュールの洗浄方法。
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