JP2002204000A - 圧電体装置の製造方法、及びそれを用いた超音波モータ - Google Patents

圧電体装置の製造方法、及びそれを用いた超音波モータ

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JP2002204000A JP2001000494A JP2001000494A JP2002204000A JP 2002204000 A JP2002204000 A JP 2002204000A JP 2001000494 A JP2001000494 A JP 2001000494A JP 2001000494 A JP2001000494 A JP 2001000494A JP 2002204000 A JP2002204000 A JP 2002204000A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧電体装置の製造方法において、接着剤によ
る振動部分の特性の劣化、バラツキを抑え、特性を向上
させること、ならびに、低温接合することを課題とす
る。 【解決手段】 接合面に金属膜を設けた基板と、接合面
に金属膜を設けた圧電体を接合するときに、圧電体に電
圧をかけて圧電体自身を振動させるとともに接合をおこ
なうこととした圧電体装置の製造方法とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超音波モータ、圧
電アクチュエータ、および圧電センサー等に用いられる
圧電体装置およびその製造方法及びそれを用いた超音波
モータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】電圧を印加することによって機械的振動
を得たり、逆に、機械振動を与えることによって電圧を
発生させるという圧電体の特徴を活かした圧電体装置
は、近年、圧電アクチュエータや圧電センサ、周波数フ
ィルター、音響機器、超音波機器として広く利用されて
いる。中でも、圧電アクチュエータは、モータの微細
化、高密度化が可能であるという点で、電磁型モータに
代わる新しいモータとして、携帯情報機器分野、ならび
に化学、医療分野で注目されている。圧電アクチュエー
タはその駆動に際して電磁ノイズを発生させず、またノ
イズの影響も受けない。アクチュエータの条件として、
小型、軽量、高出力、良好な制御性、適度な速度と駆動
力が求められるが、超音波モータはこれらの要求を満足
するアクチュエータの優れた例である。圧電体装置は、
上記のアクチュエータやセンサ、フィルタ等の振動部分
に用いられており、上記機器の微小化の要求に伴い、圧
電体装置自身の微小化も要求されている。先ず、従来の
圧電体装置の構成を説明する。
【0003】図10に従来の圧電体装置の構造を示す。
アルミ、真鍮、ステンレススチールなどの金属やシリコ
ンなどの基板3と圧電体2より構成されており、この基
板3と圧電体2は従来の接合方法による接合層16を介
して接合されている。従来の接合方法による接合層16
とは、有機高分子材料からなる接着剤やろう材を言う。
有機高分子材料からなる接着剤には主にエポキシ系樹脂
が使用されている。はじめに、基板の接合面に接着剤を
塗布し、塗布した面と圧電体を加圧密着させて所望の温
度にて接着剤を硬化させて接合をおこなう。
【0004】一方、接着剤による接合の他に、金属基板
と圧電体をはんだで接合する方法が、特開昭52-10904号
公報、特開昭58-99100号公報に提示されている。そのほ
か、銀ろう付けなどの硬ろう接合法、金、クロム、イン
ジウムなどの多層メタライズ、または、低膨張合金を用
いた金属薄膜をろう材としたろう接合法がある。 いず
れの手法においても、圧電体2には電極が設けられてお
り、電極を通じて交流電圧が印加されるような構成にな
っている。
【0005】上記の説明のように、圧電体装置の基本的
構成は圧電体と基板を接着剤で貼り合わせた構造となっ
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ような構造、製造方法では、以下のような問題点があっ
た。
【0007】すなわち、従来のようにエポキシ系樹脂な
どの接着剤を使用した場合、圧電体より発生した力が伝
播する際に接着層で乱反射したり吸収されてしまい、そ
の結果として、振動部の電気的および機械的な性能や信
頼性を低下させてしまうだけでなく、圧電体との接着界
面における剥離現象も生じさせてしまうという不具合が
あった。また、より微小な圧電体装置を実現しようとす
れば、相対的に接着層の影響は大きくなる。
【0008】また、接着性を高めるために、金属を用い
た焼結接合やろう付け等の接合方法も行われているが、
いずれの場合も高温下での接合が必須となり、圧電体と
基板の熱膨張の差より接着後に圧電体装置の基板に反り
が発生してしまうという問題がある。
【0009】そこで、本発明は、これらの問題点を解決
して特性の向上、安定した圧電体装置の製造方法および
装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は圧電体との接合面に金属膜を形成した基板
と、基板との接合面に金属膜を形成した圧電体を接合す
るときに、圧電体に電圧を印加して圧電体自身を振動さ
せて超音波振動エネルギーから接合の駆動力を得ること
とした。
【0011】また、基板および圧電体の接合面に形成す
る金属膜として、AuまたはAuを主成分とする膜を形成し
た。そしてAuまたはAuを主成分とする膜を形成した圧電
体に対して、電圧を印加し圧電体自身を振動させるとと
もに、基板と圧電体に荷重をかけて接合することとし
た。
【0012】また、基板の接合面に形成する金属膜とし
て、AuまたはAuを主成分とする膜を形成し、圧電体の接
合面に形成する金属膜として、はんだを主成分とする膜
を形成した。そして圧電体に対して電圧を印加し圧電体
自身を振動させるとともに、基板と圧電体に荷重をかけ
て接合することとした。
【0013】
【発明の実施の形態】上記課題を解決するために、本発
明は、基板上に圧電体が設けられた圧電体装置の製造方
法において、接合面に金属膜を形成した基板と、接合面
に金属膜を形成した圧電体を接合するときに、圧電体に
電圧をかけて圧電体を振動させるとともに接合をおこな
うこととした。
【0014】これは、圧電体層と基板の夫々の接合面に
金属膜を形成することにより、異種材料間の接合を可能
としただけでなく、圧電体自身を振動させることにより
振動エネルギーを利用して従来の金属膜の圧接接合に比
べて低温で接合できる。振動エネルギーの効果により、
基板および圧電体の熱膨張が抑制されるため接合後の反
りの問題を解消することができる。また、両層の接合界
面に拡散結合するような金属や、お互い金属間化合物を
形成するような金属を介在させることにより、基板と圧
電体層との密着性を高めることができる。金属原子同士
の化学的結合を有するため、有機高分子材料を主成分と
する接着剤に比べて十分な強度を持った接合が可能であ
る。したがって接合層で生じていた圧電振動の吸収、乱
反射が起こりにくくなる。
【0015】また、基板の接合面にメタライズされたAu
またはAuを主成分とする膜が形成されており、圧電体の
接合面にメタライズされたAuまたはAuを主成分とする膜
が形成されており、基板と圧電体を圧接接合によって接
合することとした。
【0016】また、基板の接合面にメタライズされたAu
またはAuを主成分とする膜が形成されており、圧電体の
接合面にメタライズされたはんだを主成分とする膜が形
成されており、基板と圧電体を圧接接合によって接合す
ることとした。
【0017】本発明によれば、接合工程において、基板
と圧電体を加圧しつつ、加熱すると、AuおよびPb−
SnはんだのSnが共晶反応を生じて溶解(溶融)す
る。この場合、少なくともAuめっきおよびPb−Sn
はんだめっきは、H2ガスおよび水分を多量に含んでお
り、加熱によりこれらのガスが泡となってAu‐Sn融
液から加熱雰囲気内に放出される。このガス放出の際、
泡がAu‐Sn融液を攪拌し、Au‐Sn融液に残留し
ている汚染物質を分解破壊するので、Au‐Sn融液は
完全に一体化する。ここで接合時に圧電体に外部電圧を
印加して振動させることにより、振動のエネルギーが接
合時に補足されH2ガスおよび水分の放出が促進され
る。よって、H2ガスの影響により接合面が剥離した
り、圧電体が破壊したりする問題が解消されるので装置
の信頼性向上に繋がる。
【0018】また、本発明によれば、基板と圧電体との
間に金属膜を介して金属接合により両者を接合する。こ
のとき金属膜としてAu層を用い、Auの拡散現象を利
用して接合することができる。接合工程では加圧しつ
つ、加熱するとAu同士が接合界面で互いに拡散する。
しながら接合表面に形成された金属膜同士の反応を促す
ために必要なエネルギーを、温度や圧力だけでなく、圧
電体自身の振動エネルギーから補充することにより、よ
り低加圧、低温の条件で接合することができる。その
上、発生する超音波により熱膨張を吸収することができ
るため材質の異なる基板(金属など)と圧電体(セラミ
ック)の熱膨張差を少なくする効果がある。 (実施例1)本発明の実施例1を図面に基づいて説明す
る。
【0019】図1は、実施例1の製造方法により作製し
た圧電体装置の縦断面図である。予め接合面にAu層1を
メタライジングした基板3上に同じく接合面にAu層1を
メタライジングした圧電体2が設けられている。基板3
と圧電体2は圧電体2に電圧をかけて振動させると同時
に接合される。
【0020】図10に示した従来の圧電体装置と比較し
て、圧電体自身を振動させることにより、その振動エネ
ルギーを接合に利用しているため、金属薄膜をろう材と
したろう接合に比べて低温加熱で圧接接合することが可
能である。また、基板と圧電体層の間に接着剤を用い
ず、AuとAuの金属拡散を利用した金属膜の層を介し
ているため、接合層において圧電体の振動が妨げられる
可能性は少ない。しかも、金属材料の基板との親和力が
高いため従来の接着剤に比べて密着性が良い。本発明の
実施例1における圧電体装置の製造方法を図8、を用い
て説明する。圧電体装置の製造方法の工程を表す模式図
を図8に示す。
【0021】はじめに、チタン酸ジルコン酸鉛(以下P
ZTと称する)よりなる圧電体2の接合面にAuのメタ
ライズをおこなう。圧電体の両面には、予め蒸着、ある
いはスパッタ法により電極が形成されている。電極はお
よそ1000Åの厚みのAuからなり、基板との密着性
を良くするため中間層に、厚みがおよそ500Å(オン
グストローム)のNi層4と、Cr層5が形成されてい
る。このPZTの接合面に新しくAuのめっき層を形成
する。Au層1のメタライズは電解めっき法によりおよ
そ10〜18mA/cm2の定電流電解を10〜30分
間おこない、厚み1〜5μmのAu層1を得た。次に基板3
の接合表面にAuのメタライズをおこなう。ここでは、
厚みが0.3〜1mmのアルミを基板に用いた。基板3
を洗浄した後、ジンケート処理をおこない、密着改善層
として中間層に厚み約500ÅのNi層4を無電解めっ
き法により形成した。Ni層4を形成した基板3を20
0〜400℃で30分〜1時間の条件下でArガスなど
の不活性ガス雰囲気中で熱処理した。次に1〜3μmの
Au層1を電解めっき法により形成した。
【0022】次にメタライズした基板3と圧電体2を接
合する。接合する際に圧電体2には外部電圧を印加して
30〜50kHzの超音波振動を発生させ、この振動を
利用して基板3と接合する。接合の条件は荷重5〜15
kgf、加熱温度150〜300℃、圧着時間5〜30
秒間とした。圧電体2に振動を発生させるために、熱圧
着機の圧着ヘッドと、圧電体2の電極部分から導通を取
り、加圧密着されると同時に基板3と圧電体2に振動が
伝播できるようにした。振動のエネルギーを利用するこ
とにより、AuとAuの金属拡散結合を促進させる効果
が得られるため、通常の拡散結合より低温で接合するこ
とができた。 (実施例2)本発明の実施例2を図面に基づいて説明す
る。
【0023】図2は、実施例2の製造方法により作製し
た圧電体装置の縦断面図である。予め接合面にAu層1を
メタライジングした基板3上に同じく接合面にはんだ膜
をメタライジングした圧電体2が設けられている。基板
3と圧電体2は圧電体に電圧をかけて振動させると同時
に接合される。
【0024】図10に示した従来の圧電体装置と比較し
て、圧電体自身を振動させることにより、その振動エネ
ルギーを接合に利用しているため、金属薄膜をろう材と
したろう接合に比べて低温過熱で圧接接合することが可
能である。しかも振動エネルギーによりH2ガスや水分
の放出が促進されるため、接合面の剥離、圧電体の破損
などの問題が低減され装置の信頼性も上がる。また、基
板3と圧電体2の間に接着剤を用いず、AuとPb-S
nはんだのAuとSnの共晶反応を利用した金属膜の層
を介しているため、接合層において圧電体の振動が妨げ
られる可能性は少ない。しかも、金属材料の基板との親
和力が高いため従来の接着剤に比べて密着性が良い。
【0025】本発明の実施例2における圧電体装置の製
造方法を図9を用いて説明する。圧電体装置の製造方法
の工程を表す模式図を図9に示す。
【0026】はじめに、PZTよりなる圧電体2の表面
にPb−Snはんだのメタライズをおこなう。圧電体2
には、予め蒸着、あるいはスパッタ法により電極が形成
されている。電極はおよそ1000Åの厚みのAuから
なり、基板との密着性を良くするため中間層に、厚みが
およそ500ÅのNi層4と、Cr層5が形成されてい
る。このPZTの接合面に新しくPb−Snはんだのめ
っき層を形成する。Pb−Snはんだのメタライズは電
解めっき法によりおよそ20mA/cm2の定電流電解
を10〜30分間おこない、厚み1〜5μmのPb−Sn
はんだ層7を得た。次に基板3の接合表面にAuのメタ
ライズをおこなう。ここでは、基板に厚みが0.3〜1
mmのアルミを用いた。基板3を洗浄した後、ジンケー
ト処理をおこない、密着改善層として中間層に厚み約5
00ÅのNi層4を無電解めっき法により形成した。N
i層4を形成した基板を200〜400℃で30分〜1
時間の条件下で不活性ガス雰囲気中で熱処理した。次に
1〜3μmのAu層1を電解めっき法により形成した。
【0027】次にメタライズした基板と圧電体を接合す
る。接合する際に圧電体には外部電圧を印加して30〜
50kHzの超音波振動を発生させ、この振動を利用し
て基板3と接合する。接合の条件は荷重5〜15kg
f、加熱温度130〜200℃、圧着時間5〜30秒間
とした。圧電体2に振動を発生させるために、熱圧着機
の圧着ヘッドと、圧電体2の電極部分から導通を取り、
加圧密着されると同時に基板3と圧電体2に振動が伝播
できるようにした。振動のエネルギーを利用することに
より、AuとPb−SnはんだのAuとSnの共晶反応
を促進させる効果が得られるため、通常より低温で接合
することができた。
【0028】実施例1、および実施例2ではアルミ基板
を用いたが、アルミニウム以外の基板(銅、真鍮、鉄、
ステンレススチール)の接合表面にAuのメタライズを
おこなう場合も同様に、密着改善層として中間層に厚み
約500ÅのNi層4を形成し、次に厚み1〜3μmの
Au層1を形成する。Ni層4およびAu層1の形成
は、めっき法に限らずスパッタ法、あるいは蒸着法によ
って形成しても良い。
【0029】次に、実施例1、および実施例2の製造方
法を用いて作製した圧電体装置を超音波モータの振動部
分に用いた。その特性について説明する。
【0030】この発明による圧電体装置を振動部分に用
いた超音波モータの基本構造を図11に示す。また、実
施例1により作製した振動部分の構造を図12に、実施
例2により作製した振動部分の構造を図13に示す。本
発明の製造方法により接合された金属膜の層17を介し
て圧電体2が設けられた振動体8は金属などからなる弾
性部材で作製されており、中心軸13に打ち込みなどに
より支持されている。さらに、移動体9は、この中心軸
13が案内として組み込まれ、上方にある加圧ばね12
により振動体8に加圧接触するように配置されている。
ここで2本のリード線14に時間的位相がほぼ90°異
なる信号を印加することによって、圧電体2と振動体8
は屈曲運動による機械的進行波を発生し、振動体8に加
圧接触させた移動体9が回転運動する構成である。実際
に本発明の圧電体装置の構成を持つ超音波モータを製作
した。モータの径は4.5mmφとし、振動体8の材質に
はアルミを用いた。振動体8の形状は、NC旋盤により
丸棒原料を加工することで振動体8の形状は形成され、
煽動面も切削加工で仕上げられている。摩擦材10の材
質はカーボンファイバを含有した複合プラスチックを用
いた。
【0031】実施例1、および実施例2の製造方法を用
いて作製された超音波モータの特性を以下に示す。図3
に従来の接合方法によって構成された振動体を備えた超
音波モータのアドミッタンス特性を示し、図4に本実施
例の製造方法により作製した超音波モータのアドミッタ
ンス特性を示す。ただし、これら図に示したアドミッタ
ンス特性は移動体を取り外した状態、すなわち、振動体
が上下方向に対してフリーな状態で測定したものであ
る。対象としたモータ仕様の概略を以下の表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】図3では、主共振点以外でのスプリアス振
動が見られるのに対して、図4では機械的Q値が高く、
主共振点以外でのスプリアス振動が見られない。
【0034】これらのアドミッタンス特性において、ス
プリアス振動は境界面での力の乱反射に起因する現象で
あり、Q値は力が伝播する際の減衰の度合いを示すもの
であるから、本発明によるアクチュエータは従来型のア
クチュエータと比較して、大きく性能向上していること
が判明する。
【0035】図5は本発明にかかる製造方法により作製
された進行性超音波モータの周波数−回転数特性を示す
図表である。駆動電圧は正弦波形で約6Vp-p 、振動体
8への移動体9の加圧力は約10gfでの特性である。
【0036】本発明の製造方法によれば、回転周波数領
域も比較的広く、最大回転数も6000rpm以上と高
速なことから、中速〜高速領域における超音波モータの
適用も可能であり、本発明の有効性を示すものである。
【0037】つぎに、この超音波モータを駆動させた場
合のトルク性能、および耐久性を調査した。図6に超音
波モータのトルク性能を示す効率の測定結果を示し、図
7に耐久性についての測定結果を示す。図中の(a)は
本発明にかかる製造方法により作製した振動部分を有す
る超音波モータの測定結果を表し、(b)は従来例によ
る振動部分を有する超音波モータの測定結果を表してい
る。これらの結果から明らかなように、効率および耐久
性ともに、本発明による振動部分の構造を有する超音波
モータは従来法に比べ明らかに優れている。すなわち、
本発明にかかる製造方法により作製した振動部分の構成
によれば、径小薄型な超音波モータにおいても高効率化
が実現できるようになると言える。
【0038】なお、実施例ではPZT系圧電体の組成を
純粋な二成分系としたが、圧電特性を向上させるため
に、例えば、マグネシウムニオブ酸鉛−ジルコン酸鉛−
チタン酸鉛のような三成分系にしたり、また、耐電圧向
上のために鉄、経時変化を小さくする目的でクロム、強
度向上のためにアンチモンのような添加物を加えても良
い。
【0039】なお、圧電振動子を利用した超音波モータ
については定在波方式と進行波方式が考えられるが、本
発明にかかる振動部分の構造はいずれの方式においても
利用することができる。
【0040】
【発明の効果】この発明によれば、接合面に金属膜を設
けた基板と同じく接合面に金属膜を設けた圧電体を加熱
しながら圧接接合するときに、圧電体に電圧をかけて圧
電体自身の振動エネルギーを利用して接合する。そのた
め、従来の有機高分子材料からなる接着剤を用いず接合
できるだけでなく、金属薄膜をろう材としてろう接合す
るよりも低温で接合することができる。
【0041】本発明にかかる製造方法により、接着剤に
よる圧電特性の劣化を減少できる圧電体装置を作成する
ことができた。しかも、従来のAu−Auによる拡散接
合やAu−Pb−Snはんだ接合に比べてより低温で強
固な接合ができた。本発明にかかる製造方法により作製
した圧電体装置を超音波モータの振動部分に用いること
により、モータの効率、および耐久性を向上させること
ができる。特に、マイクロマシンのような微小構造の駆
動源として電気的および機械的性能を向上させ、信頼性
を高めることができる。また、金属間結合を利用するこ
とにより、金属材料からなる基板との密着性をあげるだ
けでなく、強度を向上させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1により作製した圧電体装置の
縦断面図。
【図2】本発明の実施例2により作製した圧電体装置の
縦断面図。
【図3】従来の超音波モータの特性を表す図表。
【図4】本発明に係る超音波モータの特性を表す図表。
【図5】本発明に係る超音波モータの周波数−回転特性
を表す図表。
【図6】本発明に係る超音波モータの効率を表す図表。
【図7】本発明に係る超音波モータの耐久性を表す図
表。
【図8】本発明の実施例1の製造工程を表す模式図。
【図9】本発明の実施例2の製造工程を表す模式図。
【図10】従来の製造方法による圧電体装置の構造を示
す概略図。
【図11】本発明の製造方法により作製した超音波モー
タの縦断面図。
【図12】実施例1により作製した超音波モータの振動
部分の概略図。
【図13】実施例2により作製した超音波モータの振動
部分の概略図。
【符号の説明】
1 Au層 2 圧電体 3 基板 4 Ni層 5 Cr層 6 上部電極 7 Pb−Snはんだ層 8 振動体 9 移動体(ロータ) 10 摩擦材 11 固定台 12 加圧ばね 13 中心軸 14 リード線 15 ステータ 16 従来の接着層 17 本発明の接合方法により接合された金属の膜

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に圧電体が設けられた圧電体装置
    の製造方法において、前記圧電体との接合面に金属膜を
    形成した前記基板と、前記基板との接合面に金属膜を形
    成した前記圧電体を接合するときに、前記圧電体に電圧
    をかけて前記圧電体を振動させるとともに接合をおこな
    うことを特徴とする圧電体装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記基板には前記圧電体とのの接合面に
    メタライズされたAuまたはAuを主成分とする膜が形成さ
    れており、前記圧電体には前記基板との接合面にメタラ
    イズされたAuまたはAuを主成分とする膜が形成されてお
    り、前記基板と前記圧電体を圧接接合によって接合する
    ことを特徴とする請求項第1項に記載の圧電体装置の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 前記基板の前記圧電体との接合面にメタ
    ライズされたAuまたはAuを主成分とする膜が形成されて
    おり、前記圧電体の前記基板との接合面にメタライズさ
    れたはんだを主成分とする膜が形成されており、前記基
    板と前記圧電体を圧接接合によって接合することを特徴
    とする請求項第1項に記載の圧電体装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 圧電体に振動体を接合した圧電体装置
    に、前記圧電体に信号を印加することによって、屈曲運
    動による機械的進行波を発生し、前記振動体に加圧接触
    した移動体を回転運動させる超音波モータにおいて、前
    記圧電体と振動体との接合が金属間接合であり、前記金
    属間接合が、前記圧電体との接合面に金属膜を形成した
    前記移動体と、前記移動体との接合面に金属膜を形成し
    た前記圧電体を接合する時に、前記圧電体に電圧をかけ
    て前記圧電体を振動させるとともに接合を行われている
    事を特徴とする超音波モータ。
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