JP4867042B2 - 金属と金属またはセラミックスとの接合方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属と金属またはセラミックスとの接合方法、その方法を用いて作製した半導体部品などのチップ部品搭載用回路基板、その回路基板にヒートシンク構造を付加した電子部材、およびこれらの回路基板または電子部材を用いて作製したパワーモジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】
セラミックスと金属を接合する方法として、有機接着剤や無機接着剤による方法、メタライズろう付け法、活性金属ろう付け法、ガス−金属共晶反応法、超音波接合法、摩擦圧接法、ボルト締めなどが知られており、応用製品により適した方法が採用されている(「金属とセラミックスの接合」、内田老鶴圃(1990)を参照)。
【0003】
従来、半導体部品などのチップ部品搭載用の金属−セラミックス接合部材は、主としてメタライズろう付け法、活性金属ろう付け法、ガス−金属共晶反応法などにより、また近年では、金属の溶湯接合法などにより、商業ベースで生産されている。これらの接合方法によりセラミックス基板にCu板やAl板を接合し、エッチングなどにより回路を形成し、NiやNi合金などを電気めっきまたは無電解めっきすることにより、回路基板が製造されている。さらに、放熱用としてCuまたはCu合金製あるいはAlまたはAl合金製などのヒートシンク(放熱フィンや放熱板)を半田付けにより取り付けることにより、電子部品搭載用としてパワーモジュールなどに使用されている。
【0004】
また、超音波法や摩擦圧接法は、上記の電子材料では採用されず、別の分野、すなわち比較的小さい面積の金属−金属間接合または金属−セラミックス間の接合に利用されている。代表的な超音波法は、Alのワイヤボンディングであり、この方法は、Alのワイヤに超音波振動を与えてNi、Al、Cuなどの金属を接合することにより配線を行うことを目的としている。この方法では、接合面積は太いもので直径数100μm程度であり、振動数は通常(超音波の定義より)16000Hz以上である。一方、摩擦圧接は、通常円柱状の部材間の面に圧力を加えて回転させ、接合面を摩擦により過熱して局所的に溶解し、部材表面を洗浄化しながら接合する方法であり、丸棒の継ぎ手の形成などに利用されている。また、振動圧接は、摩擦圧接の一種であるが、金属とセラミックスの接触面または金属と金属との接触面に対して平行な往復運動を基本とするエネルギーを与えることにより、接触面を局所的に加熱して接合させる方法である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、振動圧接は、回転させて接合する摩擦圧接に比べて、接合の欠陥、例えば未接合などが発生しやすいため、電子部品搭載用部材などの高い信頼性を必要とする部材の接合には採用されていない。また、振動圧接は、接合面積が比較的大きい場合には欠陥が生じやすいため、電子部品搭載用部材などの信頼性(例えば放熱性など)を必要とする部材にはそのまま使用することができないという問題がある。
【0006】
一方、電子部品搭載用部材の接合にろう接やメタライズ法などを使用すると、ろう材やメラライズ剤の形成、炉内の雰囲気の調整、昇温・降温などに時間がかかるという問題がある。
【0007】
したがって、本発明は、このような従来の問題点に鑑み、接合面積が比較的大きく且つ欠陥の発生率の低い金属と金属またはセラミックスとの振動圧接による接合方法、およびこの振動圧接による接合を利用した半導体部品などの電子部品搭載用部材を提供するとともに、パワーモジュール用のセラミックスまたは金属と金属との接合およびヒートシンクとの接合を短時間で行うことにより生産効率を向上させることができる接合方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、金属板と金属板またはセラミックス基板とを接触させ、接触面に圧力を加えながら接触面に平行な方向に振動させることにより、金属板と金属板またはセラミックス基板とを接合する方法において、振動の周波数・振幅や振動面に加える圧力を所定の範囲の設定することにより、接合面積が比較的大きく且つ欠陥の発生率の低い金属と金属またはセラミックスとの振動圧接による接合方法を提供することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明による金属と金属またはセラミックスとの接合方法は、金属板と金属板またはセラミックス基板とを接触させ、接触面に圧力を加えながら接触面に平行な方向に振動させることにより、金属板と金属板またはセラミックス基板とを接合する方法において、振動の振幅が0.1mm乃至1mm、周波数が20Hz乃至1000Hz、好ましくは50Hz乃至300Hzであり、圧力が0.1MPa乃至30MPa、好ましくは0.5乃至10MPaであることを特徴とする。
【0010】
この接合方法において、振動を停止した後に、30MPa以下で且つ振動中に加える圧力よりも高い圧力を加えるのが好ましい。また、この接合方法において、金属板およびセラミックス基板を、予め20℃乃至630℃に加熱した後に接合するのが好ましい。
【0011】
上記の接合方法において、金属板は、アルミニウム、アルミニウム合金、銅および銅合金のうちから選ばれる少なくとも1種類以上の金属の板であるのが好ましく、セラミックス基板の主成分は、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化硅素、炭化珪素およびジルコニアから選ばれるのが好ましい。
【0012】
また、上記の接合方法において、金属板と金属板またはセラミックス基板との接合は、真空中、不活性ガス雰囲気中または還元雰囲気中で行うのが好ましく、金属板と金属板またはセラミックス基板とを接合する前に、前処理として、フラックスの塗布、イオン衝撃またはスパッタによる表面酸化膜除去工程を含むのが好ましい。また、金属板およびセラミックス基板の表面粗さは、Ra2μm以下またはRz10μm以下であるのが好ましい。さらに、金属板およびセラミックス基板に与える振動は、接触面に平行な往復運動または円運動を基本とする振動であるのが好ましい。
【0013】
本発明による金属−セラミックス接合基板は、上記の接合方法により製造されることを特徴とする。また、本発明による電子部品は、上記の接合方法により半導体部品搭載用の金属−セラミックス接合基板にヒートシンク用の板またはフィンを接合することにより製造されること、あるいは上記の接合方法により製造した金属−セラミックス接合基板とヒートシンク用の板またはフィンとを組み合わせることにより製造されることを特徴とする。さらに、本発明によるパワーモジュールは、上記の金属−セラミックス接合基板または電子部品を用いて作製されることを特徴とする。
【0014】
また、本発明によるアルミニウムまたはアルミニウム合金とセラミックスとの接合基板は、超音波探傷評価における接合面積率が85%以上であり且つピール接合強度が100N/cm以上であることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明による金属と金属またはセラミックスとの接合方法の実施の形態では、表面が安定で且つ強固な酸化皮膜を有する金属板、例えば、アルミニウムまたはアルミニウム合金などからなる厚さ0.5〜7mmの金属板と、同様の金属板または薄板状のセラミックス基板、例えば、アルミナ、窒化アルミニウム、炭化硅素、窒化珪素、ジルコニアなどの1辺の長さが15mm以上で厚さ0.2〜2mmの薄板とを接触させ、接触面に圧力を加えながら接触面に平行な往復運動または円運動を基本とする振動を与えることにより、金属板と金属板またはセラミックス基板とを接合する。
【0016】
例えば、セラミックス基板としてAlN基板、金属部材としてAl板を用意し、それぞれ治具にセットする。これらの治具を近づけてAlN基板とAl板を接触させ、1MPa程度の圧力を加えながら、接触面に平行な往復運動を基本とする0.2mmの振幅の振動を250Hzの振動数で10〜30秒間程度与え、 AlN基板とAl板を接合して接合体を作製する。さらに、接合回路基板を作製する場合は、この接合体にパターンレジストマスクを塗布し、エッチングにより回路を作製することができる。
【0017】
本発明の実施の形態では、振動圧接の条件を特定することにより良好な接合を得ることができ、特に、振動の周波数および振幅、および振動面に加える圧力を所定の範囲の設定することが重要である。振動の周波数は20〜1000Hzの範囲に設定することができるが、接触面を合理的に加熱でき且つ接合のためにその部分のみ金属を溶かすためには、50〜300Hz程度の範囲に設定するのが好ましい。また、圧力は0.1〜30MPaの範囲に設定することができるが、同様の理由から0.5〜10MPaの範囲に設定するのが好ましい。
【0018】
また、信頼性を向上させる(接合欠陥を少なくし、放熱性などを向上させる)ため、接合時の雰囲気および温度を最適化するのが好ましい。本発明の実施の形態では、接合を阻害する金属の酸化を抑制するために、金属板と金属板またはセラミックス基板との接合を真空中または不活性ガス中で行うのが好ましい。
【0019】
また、接合条件をより安定させて信頼性の高い接合を得るとともに接合を促進させるために、接合部材の表面にフラックスを塗布したり、物理的な方法により表面を活性化させ、表面粗さも調整するのが好ましい。本発明の実施の形態では、金属表面の酸化被膜除去を促すために、フラックスの塗布や、物理的なイオン衝撃あるいはスパッタなどにより表面を清浄化する方法を採るのが好ましい。また、接触面積を大きくするため、部材の表面粗さは、Raが2μm以下、Rzが100μm以下(Ra、Rzは、JIS−B−0601に基づいて測定される表面粗さ)が好ましい。
【0020】
また、回路パターンの反対側に放熱板を設ける必要がある場合は、片面に金属板が接合されて回路が形成されたセラミックス基板の反対の面に、例えば、Al−Si合金の放熱板や放熱フィンを同様の方法で接合することができる。この場合、片面の金属板のセラミック基板への接合は、振動圧接により行わなくてもよい。
【0021】
さらに、用途によっては、銅回路板やメタライズ回路を片面に形成したセラミックス基板の裏面に、上記の接合方法により放熱板やフィンを半田付けなどの工程を経ずに直接接合することができ、回路側の面にチップを半田付けし、端子を半田付けまたはAlのボンディングワイヤを用いて超音波接合し、樹脂パッケージ、封着して、パワーモジュールを製造することができる。
【0022】
また、振動圧接を利用した半導体部品などの電子部品搭載用部材の接合、パワーモジュール用としてセラミックスと金属の接合、ヒートシンクとの接合は、短時間で行うのが望ましい。
【0023】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明による金属とセラミックスの接合方法について詳細に説明する。
【0024】
[実施例1]
図1に示すように、セラミックス基板として、長さ17mm、幅31.6mm、厚さ0.635mmのAlN基板10を用意するとともに、金属部材として、長さ50mm、幅40.0mm、厚さ5.0mmのAl板12を用意し、それぞれ治具にセットした。500℃の予熱を加えた後、これらの治具を近づけてAlN基板10とAl板12を接触させ、大気雰囲気中で1MPaの圧力を加えながら、接触面に平行な往復運動を基本とする振動数100Hz、振幅0.2mmの振動を10秒間与え、その後、アップセット圧6MPaを10秒間加えることにより、 AlN基板10とAl板12を接合して接合体を作製した。この接合体のAlN基板10とAl板12の接合部の接合状態を超音波探傷試験機によって観察したところ、接合率は90%以上であった。また、この接合部が剥離する応力を引っ張り試験機で測定した結果、この接合体の接合強度は100N/cm以上であった。
【0025】
[実施例2]
振幅を0.8mmとした以外は実施例1と同様の方法により、接合体を作製した。この接合体の接合率および接合強度を実施例1と同様に測定した結果、接合率は90%以上、接合強度は100N/cm以上であった。
【0026】
[比較例1]
振幅を1.6mmとした以外は実施例1と同様の方法により、接合体を作製した。この接合体の接合率および接合強度を実施例1と同様に測定した結果、接合率は50%、接合強度は20N/cmであった。
【0027】
[比較例2]
振動数を10Hzとした以外は実施例1と同様の方法により、接合体を作製した。この接合体の接合率および接合強度を実施例1と同様に測定した結果、接合率は0%、接合強度は0N/cmであった。
【0028】
[比較例3]
振動数を10Hz、振幅を0.8mmとした以外は実施例1と同様の方法により、接合体を作製した。この接合体の接合率および接合強度を実施例1と同様に測定した結果、接合率は0%、接合強度は0N/cmであった。
【0029】
[比較例4]
振動数を10Hz、振幅を1.6mmとした以外は実施例1と同様の方法により、接合体を作製した。この接合体の接合率および接合強度を実施例1と同様に測定した結果、接合率は0%、接合強度は0N/cmであった。
【0030】
[実施例3]
振動数を200Hzとした以外は実施例1と同様の方法により、接合体を作製した。この接合体の接合率および接合強度を実施例1と同様に測定した結果、接合率は90%以上、接合強度は100N/cm以上であった。
【0031】
[実施例4]
振動数を200Hz、圧力を0.5MPaとした以外は実施例1と同様の方法により、接合体を作製した。この接合体の接合率および接合強度を実施例1と同様に測定した結果、接合率は90%以上、接合強度は100N/cm以上であった。
【0032】
[実施例5]
振動数を200Hz、圧力を10MPaとした以外は実施例1と同様の方法により、接合体を作製した。この接合体の接合率および接合強度を実施例1と同様に測定した結果、接合率は90%以上、接合強度は100N/cm以上であった。
【0033】
[実施例6]
振動数を50Hzとした以外は実施例1と同様の方法により、接合体を作製した。この接合体の接合率および接合強度を実施例1と同様に測定した結果、接合率は90%以上、接合強度は100N/cm以上であった。
【0034】
[実施例7]
振動数を250Hzとした以外は実施例1と同様の方法により、接合体を作製した。この接合体の接合率および接合強度を実施例1と同様に測定した結果、接合率は90%以上、接合強度は100N/cm以上であった。
【0035】
[実施例8]
振動数を200Hz、振幅を0.8mmとした以外は実施例1と同様の方法により、接合体を作製した。この接合体の接合率および接合強度を実施例1と同様に測定した結果、接合率は90%以上、接合強度は100N/cm以上であった。
【0036】
[比較例5]
振動数を200Hz、振幅を1.6mmとした以外は実施例1と同様の方法により、接合体を作製した。この接合体の接合率および接合強度を実施例1と同様に測定した結果、接合率は50%、接合強度は20N/cmであった。
【0037】
[実施例9]
振動数を200Hzとし、予熱を加えることなく室温下で圧力を加えた以外は実施例1と同様の方法により、接合体を作製した。この接合体の接合率および接合強度を実施例1と同様に測定した結果、接合率は85%、接合強度は100N/cm以上であった。
【0038】
[実施例10]
振動数を200Hz、予熱温度を300℃とした以外は実施例1と同様の方法により、接合体を作製した。この接合体の接合率および接合強度を実施例1と同様に測定した結果、接合率は90%以上、接合強度は100N/cm以上であった。
【0039】
[比較例6]
振動数を200Hz、圧力を0.05MPaとした以外は実施例1と同様の方法により、接合体を作製した。この接合体の接合率および接合強度を実施例1と同様に測定した結果、接合率は10%、接合強度は10N/cmであった。
【0040】
[実施例11]
振動数を200Hz、窒素雰囲気中で圧力を加えた以外は実施例1と同様の方法により、接合体を作製した。この接合体の接合率および接合強度を実施例1と同様に測定した結果、接合率は90%以上、接合強度は100N/cm以上であった。
【0041】
[実施例12]
振動数を200Hz、真空中で圧力を加えた以外は実施例1と同様の方法により、接合体を作製した。この接合体の接合率および接合強度を実施例1と同様に測定した結果、接合率は90%以上、接合強度は100N/cm以上であった。
【0042】
[比較例7]
振動数を40kHz、振幅を0.01mm、予熱温度を300℃とした以外は実施例1と同様の方法により、接合体を作製した。この接合体の接合率および接合強度を実施例1と同様に測定した結果、接合率は5%、接合強度は5N/cmであった。
【0043】
[実施例13]
セラミックス基板として、長さ17mm、幅31.6mm、厚さ0.635mmのAl2O3基板を使用し、振動数を200Hz、振幅を0.5mmとした以外は実施例1と同様の方法により、接合体を作製した。この接合体の接合率および接合強度を実施例1と同様に測定した結果、接合率は90%以上、接合強度は100N/cm以上であった。
【0044】
[実施例14]
窒素雰囲気中で圧力を加えた以外は実施例13と同様の方法により、接合体を作製した。この接合体の接合率および接合強度を実施例1と同様に測定した結果、接合率は90%以上、接合強度は100N/cm以上であった。
【0045】
[比較例8]
振動数を40kHz、振幅を0.01mm、予熱温度を300℃とした以外は実施例13と同様の方法により、接合体を作製した。この接合体の接合率および接合強度を実施例1と同様に測定した結果、接合率は5%、接合強度は5N/cmであった。
【0046】
[実施例15]
図2に示すように、実施例1と同様のAlN基板10を用意するとともに、金属部材として、長さ10mm、幅25mm、厚さ0.4mmのAl板14を用意し、振動数を200Hz、振幅を0.5mmとした以外は実施例1と同様の方法により、接合体を作製した。この接合体の接合率および接合強度を実施例1と同様に測定した結果、接合率は90%以上、接合強度は100N/cm以上であった。
【0047】
[実施例16]
図3に示すように、実施例15において作製した接合体と、実施例1と同様のAl板12とを用意し、実施例15と同様の方法により、 AlN基板10とAl板12とを接合した。この接合体の接合率および接合強度を実施例1と同様に測定した結果、接合率は90%以上、接合強度は100N/cm以上であった。
【0048】
[実施例17]
図4に示すように、実施例15において作製した接合体と、実施例15と同様のAl板14とを用意し、実施例15と同様の方法により、 AlN基板10とAl板14とを接合した。この接合体の接合率および接合強度を実施例1と同様に測定した結果、接合率は90%以上、接合強度は100N/cm以上であった。
【0049】
[実施例18]
図5に示すように、実施例17において作製した接合体と、実施例1と同様のAl板12とを用意し、実施例15と同様の方法により、 Al板14とAl板12とを接合した。この接合体の接合率および接合強度を実施例1と同様に測定した結果、接合率は90%以上、接合強度は100N/cm以上であった。
【0050】
なお、実施例1〜18および比較例1〜8についての評価結果をまとめて表1〜表3に示す。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】
【表3】
【0054】
【発明の効果】
上述したように、本発明によれば、接合面積が比較的大きく且つ欠陥の発生率の低い金属と金属またはセラミックスとの振動圧接による接合方法、およびこの振動圧接による接合を利用した半導体部品などの電子部品搭載用部材を提供するとともに、パワーモジュール用のセラミックスまたは金属と金属との接合およびヒートシンクとの接合を短時間で行うことにより生産効率を向上させることができる接合方法を提供することができ、安価なパワーモジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1〜10および比較例1〜8において作製した接合体を概略的に示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面図。
【図2】実施例11において作製した接合体を概略的に示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面図。
【図3】実施例12において作製した接合体を概略的に示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面図。
【図4】実施例13において作製した接合体を概略的に示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面図。
【図5】実施例14において作製した接合体を概略的に示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面図。
【符号の説明】
10 AlN基板
12、14 Al板
Claims (13)
- 金属板と金属板またはセラミックス基板とを接触させ、接触面に圧力を加えながら接触面に平行な方向に振動させることにより、金属板と金属板またはセラミックス基板とを接合する方法において、金属板がアルミニウム板、セラミックス基板がAlN基板またはAl 2 O 3 基板であり、振動の振幅が0.1mm乃至1mm、周波数が20Hz乃至1000Hzであり、圧力が0.1MPa乃至30MPaであることを特徴とする、金属と金属またはセラミックスとの接合方法。
- 前記振動の周波数が50Hz乃至300Hzであることを特徴とする、請求項1に記載の金属と金属またはセラミックスとの接合方法。
- 前記圧力が0.5乃至10MPaであることを特徴とする、請求項1または2に記載の金属と金属またはセラミックスとの接合方法。
- 前記振動を停止した後に、30MPa以下で且つ前記振動中に加える圧力よりも高い圧力を加えることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の金属と金属またはセラミックスとの接合方法。
- 前記金属板および前記セラミックス基板を、予め20℃乃至630℃に加熱した後に接合することを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の金属と金属またはセラミックスとの接合方法。
- 前記金属板と金属板またはセラミックス基板との接合を、真空中、不活性ガス雰囲気中または還元雰囲気中で行うことを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載の金属と金属またはセラミックスとの接合方法。
- 前記金属板と前記金属板または前記セラミックス基板とを接合する前に、前処理として、フラックスの塗布、イオン衝撃またはスパッタによる表面酸化膜除去工程を含むことを特徴とする、請求項1乃至6のいずれかに記載の金属と金属またはセラミックスとの接合方法。
- 前記金属板および前記セラミックス基板の表面粗さが、Ra2μm以下またはRz10μm以下であることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれかに記載の金属と金属またはセラミックスとの接合方法。
- 前記振動が、接触面に平行な往復運動または円運動を基本とする振動であることを特徴とする、請求項1乃至8のいずれかに記載の金属と金属またはセラミックスとの接合方法。
- 請求項1乃至9のいずれかに記載の金属と金属またはセラミックスとの接合方法により製造されることを特徴とする、金属−セラミックス接合基板。
- 請求項1乃至9のいずれかに記載の金属と金属またはセラミックスとの接合方法により、半導体部品搭載用の金属−セラミックス接合基板にヒートシンク用の板またはフィンを接合することにより製造されることを特徴とする、電子部品。
- 請求項10に記載の金属−セラミックス接合基板と、ヒートシンク用の板またはフィンとを組み合わせることにより製造されることを特徴とする、電子部品。
- 請求項10乃至12のいずれかに記載の金属−セラミックス接合基板または電子部品を用いて作製されたことを特徴とする、パワーモジュール。
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