JP2003338514A - 超音波接合構造及び方法、並びにそれを用いた電子部品及びその製造方法 - Google Patents

超音波接合構造及び方法、並びにそれを用いた電子部品及びその製造方法

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JP2003338514A
JP2003338514A JP2002144030A JP2002144030A JP2003338514A JP 2003338514 A JP2003338514 A JP 2003338514A JP 2002144030 A JP2002144030 A JP 2002144030A JP 2002144030 A JP2002144030 A JP 2002144030A JP 2003338514 A JP2003338514 A JP 2003338514A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 超音波接合によって形成される境界領域の構
成に着目して、機械的な接合力を向上させた超音波接合
構造を得る。 【解決手段】 圧電基板1上にアルミニウム又はアルミ
ニウム合金により形成されるパッド電極5を含む導体層
と、前記パッド電極5に超音波接合される金又は金合金
により形成されるバンプ電極12とを有する電子部品に
おいて、前記パッド電極5と前記バンプ電極12が接合
して形成される接合界面領域15の少なくとも一部に高
融点金属化合物からなる分散領域を散在させ、しかも、
前記接合界面領域15の周囲では前記高融点金属化合物
からなる保護層が圧電基板1の上面及び前記導体層の上
面を覆っている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超音波接合構造及
び方法、並びにそれを用いた電子部品及びその製造方法
に係り、さらに詳しくはバンプ電極を超音波接合する構
造及び接合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】超音波接合技術は異種金属間の接合がで
きること、金属を高温で溶融させることなく低温で接合
ができること、微小な領域で精密な接合が可能なこと等
から、いろいろな産業分野で利用されている。特に、電
子部品では、小型化と高性能化、高機能化と高信頼化が
急速に進み、電子部品がチップ化すると共にパッケージ
も一段と小型化しているので、電極の接続やパッケージ
の封止等に超音波接合技術が広く使われている。
【0003】しかしながら、超音波接合は、一般に押圧
を加えて接触させた物体の界面に超音波を加え、振動エ
ネルギーによって物体間を接合する為に、アーク溶接や
ハンダ付け等の他の接合方法に比べて接合力が弱いこと
等に起因して、接続条件の設定が難しく、確実な接合が
できず、接続不良が発生しやすい、という本質的な欠点
を持っている。
【0004】このような従来技術の例として、半導体素
子等へのバンプ形成、バンプの基板への接合、電子部品
を内蔵した容器の封止等が挙げられる。具体的には、チ
ップ部品に超音波でバンプを接合するボール形成に関し
ては特開2000−299348号公報に、弾性表面波
素子のバンプ電極を電極パッドに超音波接続することに
関しては特開2001−15540号公報に、チップ素
子を樹脂基板に超音波ボンディングすることに関しては
特開2000−306957号公報に、また、半導体チ
ップを配線基板上に封止することに関しては特開200
1−7154号公報にと、超音波ボンディングの従来技
術に関する各種の工夫の多くの例を見ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術におい
て、特開2000−299348号公報ではボール側の
形状に着目し、数回の試行によりワイヤボンディングの
ボール部の変形曲線を求めて、最適なボンディング荷重
と超音波振動出力を設定することを開示している。ま
た、特開2001−15540号公報では、バンプ電極
を取り付ける電極パッドに着目し、パッド電極を厚くす
るために下地層に工夫を加えることを開示している。さ
らに、特開2000−306957号公報では樹脂基板
側に着目し、樹脂基板の弾性率を加熱温度により制御す
ることを開示している。また、特開2001−7154
号公報では、フィルム状の樹脂封止基材に目を付け、超
音波の振動と加圧によってパッド下の基材を押しのけて
樹脂フィルムで封止することを開示している。
【0006】しかしながら、超音波接合を技術的に仔細
に検討すると、接合時の応力による基材の損傷や電極パ
ッドの断線、あるいは、超音波接合条件の設定等に係わ
る技術的課題の中心は、バンプ電極と電極パッドという
異種金属間の接合を行なうことに伴う接合境界部分にお
ける拡散や、Auバンプ電極とAl電極パッドとの合金
化によるパープルプレーグの発生や、接合境界領域にお
ける熱膨張率が異なる金属間の合金化、金属間化合物の
生成に伴うストレスの集中等が大きく影響していること
等であり、これらの接合境界領域に起因した事象が超音
波接合の強度を弱め、信頼性を低め、作業性を低下させ
ていることが分かる。
【0007】しかるに、従来、境界領域に着目して課題
を解決しようとする例は、拡散バリア層を介在させる程
度に留まり、少ないようである。
【0008】さらに、電子部品が、絶縁性の高い圧電体
の基板(つまり圧電基板)上に多数の電極指を有するく
し型電極を形成した弾性表面波素子のような場合、圧電
基板の持つ焦電性のため、バンプ電極の形成工程におけ
る加熱、温度変化により焦電荷が発生し、この電荷の電
極指間での放電により前記くし型電極の電極パターンが
破壊される。
【0009】本発明は、超音波接合によって形成される
境界領域の構成に着目して、前述した課題を解決し、機
械的な接合力を向上させた超音波接合構造及び方法、並
びにそれを用いた電子部品及びその製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0010】本発明のその他の目的や新規な特徴は後述
の実施の形態において明らかにする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本願請求項1の発明に係る超音波接合構造は、基材
上に層状に被着して接合面を上面に形成する第一の導電
体からなる導体層と、前記接合面に超音波接合されるこ
とで前記第一の導電体との境界に接合界面領域を形成す
る第二の導電体であって前記接合面に立設して固着され
る導体部と、前記接合界面領域又はその近傍に散在して
残る高融点金属又はその化合物からなる分散領域を有
し、前記高融点金属又はその化合物の固相維持温度は前
記第一の導電体と第二の導電体のそれぞれの固相維持温
度よりも高温であることを特徴としている。
【0012】本願請求項2の発明に係る超音波接合構造
は、基材上に層状に被着して接合面を上面に形成する第
一の導電体からなる導体層と、前記接合面に超音波接合
されることで前記第一の導電体との境界に接合界面領域
を形成する第二の導電体であって前記接合面に立設して
固着される導体部と、前記接合界面領域又はその近傍に
散在して残る高融点金属又はその化合物からなる分散領
域を有し、前記接合界面領域の外側では前記高融点金属
又はその化合物からなる保護層が前記導体層又は基材表
面を覆っており、前記高融点金属又はその化合物の固相
維持温度は前記第一の導電体と第二の導電体のそれぞれ
の固相維持温度よりも高温であることを特徴としてい
る。
【0013】本願請求項3の発明に係る超音波接合構造
は、請求項1又は2において、前記第一の導電体はアル
ミニウム又はアルミニウム合金であり、前記第二の導電
体は金又は金合金であり、前記高融点金属はクロムであ
ることを特徴としている。
【0014】本願請求項4の発明に係る超音波接合方法
は、基材上に層状の第一の導電体からなる導体層を被着
形成する導体層形成ステップと、前記基材及び導体層の
露出面を覆う高融点金属又はその化合物からなる保護層
を形成する保護層形成ステップと、前記保護層を間に挟
んで前記導体層上に第二の導電体からなる導体部を超音
波接合することで第一の導電体と第二の導電体の境界に
接合界面領域を形成する超音波接合ステップとを有する
超音波接合方法であって、前記接合界面領域又はその近
傍に高融点金属又はその化合物からなる分散領域が散在
して残るように前記保護層の厚みと超音波接合エネルギ
ーを設定することを特徴としている。
【0015】本願請求項5の発明に係る超音波接合方法
は、請求項4において、前記接合界面領域の外側では前
記高融点金属又はその化合物からなる保護層が前記導体
層又は基材表面を覆っており、前記高融点金属又はその
化合物の固相維持温度は前記第一の導電体と第二の導電
体のそれぞれの固相維持温度よりも高温であることを特
徴としている。
【0016】本願請求項6の発明に係る電子部品は、圧
電基板上にアルミニウム又はアルミニウム合金により形
成されるパッド電極を含む導体層と、前記パッド電極に
超音波接合される金又は金合金により形成されるバンプ
電極とを有する構成において、前記パッド電極と前記バ
ンプ電極が接合して形成される接合界面領域の少なくと
も一部にクロム化合物からなる分散領域を散在させ、し
かも、前記接合界面領域の周囲ではクロム化合物からな
る保護層が前記圧電基板の上面又は前記導体層の上面を
覆っていることを特徴としている。
【0017】本願請求項7の発明に係る電子部品は、請
求項6において、前記保護層が、前記接合界面領域を形
成する為に加えられる超音波接合エネルギーによって分
断され、前記接合界面領域内に散在して残る厚みに設定
されていることを特徴としている。
【0018】本願請求項8の発明に係る電子部品は、請
求項6又は7において、前記圧電基板上に前記導体層に
よる弾性表面波用電極が形成されて弾性表面波素子を構
成していることを特徴としている。
【0019】本願請求項9の発明に係る電子部品の製造
方法は、基材に第一の導電体による導体層を形成する導
体層形成ステップと、前記第一の導電体を覆って高融点
無機材料又はその化合物からなる保護層を形成する保護
層形成ステップと、第二の導電体によって形成される導
体部を前記保護層を間に挟んで前記導体層に圧接しなが
ら超音波を加え、前記高融点無機材料又はその化合物か
らなる微小な分散領域を内部に取り込みながら前記導体
部と導体層の境界に接合界面領域を形成する接合ステッ
プとを有することを特徴としている。
【0020】本願請求項10の発明に係る電子部品の製
造方法は、圧電基板にアルミニウム又はアルミニウム合
金からなる導体層を形成する導体層形成ステップと、前
記導体層の一部にアルミニウム又はアルミニウム合金か
らなる嵩上げ電極を重ねてパッド電極を形成するパッド
電極形成ステップと、前記圧電基板の露出面と前記導体
層及びパッド電極の露出表面を覆ってクロム又はその化
合物からなる導電性保護層を形成する保護層形成ステッ
プと、前記導電性保護層を酸化又は窒化して絶縁性保護
層に変質させる絶縁処理ステップと、前記導電性又は絶
縁性保護層で覆われたパッド電極上に金又は金合金バン
プを圧接しながら超音波を加えて前記導電性又は絶縁性
保護層を寸断しながら接合界面領域にクロム又はクロム
化合物からなる高融点な微小な分散領域を内部に残して
金又は金合金のスタッドバンプ電極を形成するバンプ接
合ステップとを有することを特徴とする電子部品の製造
方法。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る超音波接合構
造及びそれを用いた電子部品及びその製造方法の実施の
形態を図面に従って説明する。ここで、各実施の形態と
しては、圧電基板上にくし型電極(交差指状電極)を形
成してなる弾性表面波(SAW)素子について説明す
る。
【0022】(実施の形態1)図1(a)に示すよう
に、導体層形成ステップにて、基材としての圧電基板1
上に、アルミニウム又はアルミニウム合金(例えば、A
l−0.5質量%Cu合金)よりなる弾性表面波用電極
としての交差指状電極2(くし型電極の一例)及び配線
電極3を含む配線パターン4を形成し、さらに、この配
線パターン4の一部に嵩上げ電極を形成しパッド電極5
(第一の導電体又はパッド電極を含む導体層)とした。
【0023】前記圧電基板1としては、36°回転Yカ
ットのタンタル酸リチウムを使用し、パッド電極5とし
ては、前記アルミニウム又はアルミニウム合金の配線電
極3上に、密着性向上層としてCr膜5aを0.1μm
形成した上に、嵩上げ電極としてアルミニウム又はアル
ミニウム合金膜5bを0.5μmの厚さで重ねて形成し
た構成とし、弾性表面波素子10を得た。
【0024】次に、保護層形成ステップにて、前記弾性
表面波素子10上の全面に保護層となる極薄い高融点金
属層11を形成した。すなわち、高融点金属層11は基
板1及び配線パターン4及びパッド電極5からなる導体
層の露出面を覆う。この高融点金属層11を構成する高
融点金属(及び当該金属の酸化物)の固相維持温度は、
前記第一の導電体としてのパッド電極5と後工程で形成
する第二の導電体としてのバンプ電極12のそれぞれの
固相維持温度よりも高温であることが必要であり、一例
としてクロム(Cr)を使用したが、酸化処理により高
絶縁化することが可能な他の金属でも同様の効果が得ら
れる。
【0025】前記高融点金属層11の厚さとしては5〜
25オングストロームとした。5オングストローム未満
の厚さでは後のバンプ電極形成時の放電破壊防止効果が
得られず、また25オングストロームを超える厚さで
は、最後の酸化処理によっても絶縁膜化できず、弾性表
面波素子としての機能が劣化することが分かった。具体
的に、弾性表面波フィルタを構成した場合、0.5dB
以上の挿入損失劣化となって現れる限界を実験により求
めたのが25オングストロームである。
【0026】尚、図1(a),(B)には一つの素子の
みを示しているが、実際にはこの工程は圧電基板ウェー
ハ上に多数の素子を一括形成する方法で行われるのが普
通である。ウェーハの大きさとしては、3インチ型のも
のが多用される。
【0027】次に、上記のようにして形成されたパッド
電極5上に、超音波ボールボンドマシンによりバンプ電
極12を形成する(ここではパッド電極から立設したス
タッドバンプ電極となっている)。この超音波接合ステ
ップの様子を示したのが図1(b)であり、保護層とな
る高融点金属層11を間に挟んでパッド電極5上にバン
プ電極12を超音波接合することでパッド電極5とバン
プ電極12の境界に接合界面領域15を形成するが、そ
の際に、前記接合界面領域15を形成する為に加えられ
る超音波接合エネルギーによって前記高融点金属層11
が分断され、前記接合界面領域又はその近傍に高融点金
属としてのCr又はその化合物からなる微小な分散領域
が散在して残るように高融点金属層11の厚みと超音波
接合エネルギーを設定する。なお、バンプ電極12とし
てはAu若しくは強度向上のため不純物を添加したAu
合金が利用される。
【0028】最後に、絶縁処理ステップにおいて、前記
Au又はAu合金バンプ電極12が形成された素子全体
を酸素雰囲気中で熱処理を行う。熱処理の条件としては
250℃、2時間を用いたが、温度、時間は高融点金属
層11を形成している高融点金属の酸化処理が適正とな
るよう、高融点金属の膜厚に応じて設定すればよい。
【0029】(実施の形態2)先ず、実施の形態1と同
様の方法で図1(a)に示す構造を形成する。次にこの
構造で酸素雰囲気中熱処理を行い、高融点金属層11を
構成している高融点金属の酸化処理を行う。次に、この
熱処理により酸化被膜の形成された上から、図1(b)
に示すように、超音波ボールボンドマシンによりバンプ
電極12を形成する。最後に、このバンプ電極12が形
成された素子全体を酸素雰囲気中で再度熱処理を行う。
この方法によれば、バンプ形成を行う前に、高融点金属
層11について一度熱処理を行うので、高融点金属の酸
化が進み、該高融点金属被膜が透明化するので(高融点
金属がCrの場合)、バンプ電極12の形成位置決めが
容易になるという利点を有する。また、酸化処理を二度
に分けて行うので、比較的厚い高融点金属被膜でも絶縁
性の高い酸化膜とすることができる。
【0030】以上の実施の形態1,2のようにして形成
されたバンプ電極12の基板側パッド電極に対する接合
強度を、高融点金属層11(又は酸化物)を形成しない
場合との比較で調べた。バンプ電極の接合径としては、
ボールボンドマシンで押し潰した状態でほぼ直径80μ
mとなるように加圧力を調整した。バンプ電極の接合強
度は、シェアーテスターを用いたバンプシェアー強度を
測定して評価した。その結果、本発明の実施の形態1,
2のように接合界面に高融点金属層を介在させた場合の
シェアー強度は平均100gfが得られ、一方、高融点
金属層がない場合のシェアー強度としては、平均80g
fとなり、本発明の効果を確認できた。
【0031】シェアー強度評価後、バンプ電極が剥離し
た界面の様子を金属顕微鏡により観察した。その観察結
果の概要を図2(a)及び(b)に示す。
【0032】図2(a)は、高融点金属もしくはその酸
化物を界面に介在させた実施の形態1,2の場合の接合
の剥離界面であり、バンプ電極であるAuが接合部全面
に渡りほぼ均一に拡散し(図中、黒い部分が拡散してい
る部分)、その結果接合が強固になっているものと思わ
れる。
【0033】一方、図2(b)は高融点金属を介在させ
ない従来の方法による接合の剥離界面であり、バンプ電
極であるAuの拡散している領域が三日月型に偏在して
おり、かつ実効面積も小さい。この三日月型の領域、形
状は試料によりばらつきはあるが、図2(a)に示すよ
うなほぼ均一な拡散の様子を示すような形態は、この従
来構造では得られなかった。この三日月型の拡散領域
は、バンプ電極を形成するのに用いるボールボンドマシ
ンのキャピラリー形状に対応しており、高融点金属が形
成されていないパッド電極上では、このキャピラリーか
らの押圧により、パッド電極のAl自然酸化膜の一部が
破れ、Auの拡散がこの破れた箇所に集中してしまい、
よって、接合界面の均一な拡散が得られず、接合強度低
下の要因となっているものと思われる。
【0034】上記した実施の形態1,2によれば、バン
プ電極12とパッド電極5の接合界面に高融点金属もし
くはその化合物を介在させることにより、超音波接合に
よって形成される接合界面領域15及びその周辺領域に
は、パッド電極5及びバンプ電極12よりも高融点な金
属もしくはその酸化物が分散した分散領域が残される。
この高融点金属若しくはその酸化物は、超音波エネルギ
ーによって分解されず、接合界面領域内に微小に散在し
て残る。このように散在した高融点金属若しくはその酸
化物は、バンプ電極材のパッド電極内への局所的な過大
拡散を防止し、それにより、広い面積での均一な拡散を
行わせ、実効的接合面積を増大させ、バンプ電極12の
機械的な接合強度を向上させることができる。
【0035】また、パッド電極5上にバンプ電極12を
超音波接合する際、基板1及び電極面が高融点金属若し
くはその酸化物で覆われているため、特に基板1が焦電
性を有する基板であっても、バンプ電極の超音波接合時
の加熱による焦電荷が高融点金属層11の被覆膜を通し
て逃げやすくなっているため、電荷蓄積に起因する電極
2の放電破壊を防止することが出来る。例えば、バンプ
電極を接合すべき素子が弾性表面波素子の場合、高融点
金属層11の被覆とその酸化処理により、弾性表面波素
子で従来問題となっている圧電基板の焦電荷による交差
指状電極の放電破壊を防止することができ、かつ、製造
工程中では低抵抗であり、最終酸化処理により素子完成
時には電極間絶縁性の高い変換器を持つ弾性表面波素子
とすることが出来る。
【0036】さらに、高融点金属としてCrを用いた場
合、その被覆膜を酸化して酸化膜とすると、酸化膜が可
視光に対して透明となり、バンプ電極12の接合位置決
めが容易となるので好ましい。
【0037】尚、各実施の形態1,2においては、保護
層として高融点金属のCr層を用いたが、高融点無機材
料を保護層として用いることも可能である。また、保護
層を高絶縁化する処理としては酸化処理を用いた場合に
ついて説明したが、高絶縁化できる処理法であればこの
方法に限らず、窒化処理等でも有効であることは明らか
である(但し、窒化物の固相維持温度が相互に超音波接
合すべき第一の導電体と第二の導電体のそれぞれの固相
維持温度よりも高温であることが必要である。)。前記
保護層を構成するための高融点金属として、Cr以外
に、Ni,Ti,Fe等も使用可能である。
【0038】以上本発明の実施の形態について説明して
きたが、本発明はこれに限定されることなく請求項の記
載の範囲内において各種の変形、変更が可能なことは当
業者には自明であろう。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
基材上に層状に被着して接合面を上面に形成する第一の
導電体からなる導体層と、前記接合面に超音波接合され
ることで前記第一の導電体との境界に接合界面領域を形
成する第二の導電体であって前記接合面に立設して固着
される導体部との接合界面に高融点無機材料(又は高融
点金属)もしくはその化合物を介在させることにより、
前記第二の導電体の前記第一の導電体への拡散を均一に
して、実効的接合面積を増大させ、第二の導電体の接合
強度を向上させることができる。特に、対象素子が弾性
表面波素子の場合、高融点金属の被覆とその酸化処理に
より、弾性表面波素子で従来問題となっている焦電荷に
よる弾性表面波用電極の放電破壊を防止することがで
き、かつ、前記高融点金属の被覆は製造工程中では低抵
抗であるが、最終酸化処理により素子完成時には電極間
絶縁性の高い変換器を持つ弾性表面波素子とすることが
出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1,2を示し、(a)はパ
ッド電極形成までの構成を示す正断面図、(b)はバン
プ電極形成後の構成を示す正断面図である。
【図2】超音波接合の剥離界面であって、(a)は本発
明の実施の形態1,2の場合の観察図、(b)は高融点
金属層を介在させない従来の場合の観察図である。
【符号の説明】
1 圧電基板 2 交差指状電極 3 配線電極 4 配線パターン 5 パッド電極 10 弾性表面波素子 11 高融点金属層 12 バンプ電極 15 接合界面領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 41/08 C (72)発明者 蘇武 正樹 東京都中央区日本橋一丁目13番1号ティー ディーケイ株式会社内 (72)発明者 桑島 一 東京都中央区日本橋一丁目13番1号ティー ディーケイ株式会社内 Fターム(参考) 5F044 LL01 LL04 QQ03 QQ04 QQ05

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材上に層状に被着して接合面を上面に
    形成する第一の導電体からなる導体層と、 前記接合面に超音波接合されることで前記第一の導電体
    との境界に接合界面領域を形成する第二の導電体であっ
    て前記接合面に立設して固着される導体部と、前記接合
    界面領域又はその近傍に散在して残る高融点金属又はそ
    の化合物からなる分散領域を有し、 前記高融点金属又はその化合物の固相維持温度は前記第
    一の導電体と第二の導電体のそれぞれの固相維持温度よ
    りも高温であることを特徴とする超音波接合構造。
  2. 【請求項2】 基材上に層状に被着して接合面を上面に
    形成する第一の導電体からなる導体層と、 前記接合面に超音波接合されることで前記第一の導電体
    との境界に接合界面領域を形成する第二の導電体であっ
    て前記接合面に立設して固着される導体部と、 前記接合界面領域又はその近傍に散在して残る高融点金
    属又はその化合物からなる分散領域を有し、 前記接合界面領域の外側では前記高融点金属又はその化
    合物からなる保護層が前記導体層又は基材表面を覆って
    おり、 前記高融点金属又はその化合物の固相維持温度は前記第
    一の導電体と第二の導電体のそれぞれの固相維持温度よ
    りも高温であることを特徴とする超音波接合構造。
  3. 【請求項3】 前記第一の導電体はアルミニウム又はア
    ルミニウム合金であり、前記第二の導電体は金又は金合
    金であり、前記高融点金属はクロムである請求項1又は
    2記載の超音波接合構造。
  4. 【請求項4】 基材上に層状の第一の導電体からなる導
    体層を被着形成する導体層形成ステップと、 前記基材及び導体層の露出面を覆う高融点金属又はその
    化合物からなる保護層を形成する保護層形成ステップ
    と、 前記保護層を間に挟んで前記導体層上に第二の導電体か
    らなる導体部を超音波接合することで第一の導電体と第
    二の導電体の境界に接合界面領域を形成する超音波接合
    ステップとを有する超音波接合方法であって、 前記接合界面領域又はその近傍に高融点金属又はその化
    合物からなる分散領域が散在して残るように前記保護層
    の厚みと超音波接合エネルギーを設定することを特徴と
    する超音波接合方法。
  5. 【請求項5】 前記接合界面領域の外側では前記高融点
    金属又はその化合物からなる保護層が前記導体層又は基
    材表面を覆っており、前記高融点金属又はその化合物の
    固相維持温度は前記第一の導電体と第二の導電体のそれ
    ぞれの固相維持温度よりも高温である請求項4記載の超
    音波接合方法。
  6. 【請求項6】 圧電基板上にアルミニウム又はアルミニ
    ウム合金により形成されるパッド電極を含む導体層と、
    前記パッド電極に超音波接合される金又は金合金により
    形成されるバンプ電極とを有する電子部品において、 前記パッド電極と前記バンプ電極が接合して形成される
    接合界面領域の少なくとも一部にクロム化合物からなる
    分散領域を散在させ、 しかも、前記接合界面領域の周囲ではクロム化合物から
    なる保護層が前記圧電基板の上面又は前記導体層の上面
    を覆っていることを特徴とする電子部品。
  7. 【請求項7】 前記保護層は、前記接合界面領域を形成
    する為に加えられる超音波接合エネルギーによって分断
    され、前記接合界面領域内に散在して残る厚みに設定さ
    れている請求項6記載の電子部品。
  8. 【請求項8】 前記圧電基板上に前記導体層による弾性
    表面波用電極が形成されて弾性表面波素子を構成してい
    る請求項6又は7記載の電子部品。
  9. 【請求項9】 基材に第一の導電体による導体層を形成
    する導体層形成ステップと、 前記第一の導電体を覆って高融点無機材料又はその化合
    物からなる保護層を形成する保護層形成ステップと、 第二の導電体によって形成される導体部を前記保護層を
    間に挟んで前記導体層に圧接しながら超音波を加え、前
    記高融点無機材料又はその化合物からなる微小な分散領
    域を内部に取り込みながら前記導体部と導体層の境界に
    接合界面領域を形成する接合ステップとを有することを
    特徴とする電子部品の製造方法。
  10. 【請求項10】 圧電基板にアルミニウム又はアルミニ
    ウム合金からなる導体層を形成する導体層形成ステップ
    と、 前記導体層の一部にアルミニウム又はアルミニウム合金
    からなる嵩上げ電極を重ねてパッド電極を形成するパッ
    ド電極形成ステップと、 前記圧電基板の露出面と前記導体層及びパッド電極の露
    出表面を覆ってクロム又はその化合物からなる導電性保
    護層を形成する保護層形成ステップと、 前記導電性保護層を酸化又は窒化して絶縁性保護層に変
    質させる絶縁処理ステップと、 前記導電性又は絶縁性保護層で覆われたパッド電極上に
    金又は金合金バンプを圧接しながら超音波を加えて前記
    導電性又は絶縁性保護層を寸断しながら接合界面領域に
    クロム又はクロム化合物からなる高融点な微小な分散領
    域を内部に残して金又は金合金のスタッドバンプ電極を
    形成するバンプ接合ステップとを有することを特徴とす
    る電子部品の製造方法。
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