JP2002201530A - ストレッチ性織編物用ポリエステル複合繊維及びその製造方法 - Google Patents
ストレッチ性織編物用ポリエステル複合繊維及びその製造方法Info
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Abstract
に、膨らみ感のあるソフトな風合いを有するストレッチ
性織編物を得ることができるポリエステル複合繊維を提
供する。 【解決手段】 PETを主体とし、下記式を満たす熱収
縮特性の異なる2種類のポリエステルが互いにサイドバ
イサイド型に複合された繊維であって、高収縮性のポリ
エステル(A)は、ジカルボン酸成分として5−ナトリ
ウムスルホイソフタル酸0.8〜1.8モル%及びイソフタル
酸8〜15.0モル%が共重合されたものであり、ポリエス
テル(B)は、ジカルボン酸成分として5−ナトリウム
スルホイソフタル酸0.8〜1.8モル%が共重合されたもの
であり、かつ、繊維全体の全酸成分に対して、5−ナト
リウムスルホイソフタル酸の共重合量が1.0モル%以上
である。 0.05≦〔η〕A−〔η〕B≦0.2 なお、〔η〕A、〔η〕Bは、ポリエステル(A)、ポ
リエステル(B)の固有粘度。
Description
フトな風合いを有し、カチオン染料可染性に優れるスト
レッチ性織編物用ポリエステル複合繊維及びその製造方
法に関するものである。
るポリエステルは、優れた機械的特性および化学的特性
を有しており、広範な分野において使用されている。こ
の用途の1種として、ストレッチ機能を有した織編物を
得るために、熱収縮特性の異なる2種類のポリエステル
をサイドバイサイド型に接合し、製編織後の加工時に受
ける熱により捲縮性能を発現する潜在捲縮性の複合繊維
を使用することがよく知られている。
ミックス調織編物や鮮明な染色性を有するストレッチ機
能を有した織編物の要求が高まっている。そのため、鮮
明な発色性を有するカチオン染料可染性のストレッチ機
能を有したポリエステル繊維が必要となっている。特開
平11−200155号公報には、一方の成分にカチオ
ン可染性・高染色性・熱収縮性を向上させる有機化合物
を共重合したポリエステルを用いる方法が提案されてい
る。
性共重合ポリエステルを配することで、共重合成分を含
まない通常のポリエステル成分との熱収縮率の差が大き
くなり、捲縮性能をより促進することができ、カチオン
染料による染色性と捲縮性能の両者をともに改良する手
法として有効である。しかしながら、共重合成分の影響
により、糸条の強度低下となるうえ、両成分での染色性
の差が大きいため、鮮明に染色しようとした場合、カチ
オン染料を吸着しない一方の成分の影響により、単一成
分で構成されたカチオン染料可染ポリエステル繊維と比
較して、発色性が大きく見劣りしてしまうという問題が
ある。
分共に共重合ポリエステルを使用する方法が考えられ
る。両成分共に共重合ポリエステルを使用した複合繊維
については特開昭58−46120号公報等に開示され
ているが、これらの多くは収縮率差を大きくする目的で
第3成分を含有しているものであり、さらには、短繊維
に関するものである。また、両成分共に共重合成分を配
することで糸条強度が低下するうえ、両成分の熱収縮特
性の差が小さくなる方向となり、捲縮性能が低下すると
いう問題がある。このように、未だにカチオン染料可染
性のストレッチ性織編物用長繊維として十分な性能を有
するものは得られていない。
点を解決し、カチオン染料による発色性が良好であると
同時に、捲縮性能が良好で、膨らみ感のあるソフトな風
合いを有するストレッチ性織編物を得ることができるポ
リエステル複合繊維及びその製造方法を提供することを
技術的な課題とするものである。
題を解決するために検討した結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、次の(1)、(2)を要旨とする
ものである。 (1)ポリエチレンテレフタレートを主体とし、下記式
を満たす熱収縮特性の異なる2種類のポリエステルが互
いにサイドバイサイド型に複合された繊維であって、高
収縮性のポリエステル(A)は、ジカルボン酸成分とし
て5−ナトリウムスルホイソフタル酸0.8〜1.8モル%及
びイソフタル酸8〜15.0モル%が共重合されたものであ
り、ポリエステル(B)は、ジカルボン酸成分として5
−ナトリウムスルホイソフタル酸0.8〜1.8モル%が共重
合されたものであり、かつ、繊維全体の全酸成分に対し
て、5−ナトリウムスルホイソフタル酸の共重合量が1.
0モル%以上であることを特徴とするストレッチ性織編
物用ポリエステル複合繊維。 0.05≦〔η〕A−〔η〕B≦0.2 なお、〔η〕A、〔η〕Bは、ポリエステル(A)、ポ
リエステル(B)の固有粘度である。 (2)ジカルボン酸成分として5−ナトリウムスルホイ
ソフタル酸0.8〜1.8モル%及びイソフタル酸8〜15.0モ
ル%が共重合されたポリエステル(A)とジカルボン酸
成分として5−ナトリウムスルホイソフタル酸0.8〜1.8
モル%が共重合されたポリエステル(B)とを、紡糸口
金上流でサイドバイサイドに張り合わせ紡糸口金から吐
出させて紡糸した後、複合繊維の延伸後の残留伸度が15
〜30%となる倍率で延伸し、次いで、1〜6%の弛緩状
態で熱処理する、(1)記載のストレッチ性織編物用ポ
リエステル複合繊維の製造方法。
する。本発明の複合繊維は、ポリエチレンテレフタレー
ト(エチレンテレフタレートの繰り返し単位が80%以上
のものとする)を主体とし、熱収縮特性の異なる2種類
のポリエステル(A)とポリエステル(B)が互いにサ
イドバイサイド型に複合された繊維である。
性のものであり、両者の固有粘度の関係は、ポリエステ
ルAの方が高く、その差が0.05以上0.2以下とす
る必要がある。ここで固有粘度は、ポリエステルをフェ
ノールとテトラクロロエタンの1:1混合溶媒で溶解
し、ウベローデ粘度計を使用して、20℃で測定した値
である。
満の場合には、捲縮性能の発現が不十分となり、十分な
ストレッチ性能を有する布帛を得ることができなくな
る。一方、両ポリエステルの固有粘度差が0.2を超え
ると、各ポリエステルの複合流が紡糸口金から吐出され
る際、ニーリング大きくなり、紡糸調子が悪化する。
ルボン酸成分として5−ナトリウムスルホイソフタル酸
(以下、SIPという)を共重合する必要がある。両ポ
リエステル成分にSIPを共重合することで、SIPが
繊維中に均一に含有され、カチオン染料での染色時に鮮
明な染色性を有する複合繊維が得られる。
縮率差を大きくするためには、高収縮ポリエステル
(A)の共重合量をポリエステル(B)より多くするこ
とで有利となるため、同等かそれ以上とすることが好ま
しい。なお、両ポリエステル成分中にSIPを含有する
ことによって、一方のポリエステル成分のみにSIPを
含有する複合繊維と比べ、繊維の強伸度積を高くするこ
とが可能となる。複合繊維の強伸度積を高くするために
は、各成分のSIP共重合量は同等程度とすることが好
ましいので、ポリエステル(A)、(B)間でSIP量
の差が大きくなりすぎないようにすることが好ましい。
量は、0.8〜1.8モル%の範囲にあることが必要である。
片側成分でも共重合量が0.8モル%未満となると、鮮明
な染色性を有する複合繊維とすることができなくなる。
片側成分のみSIP共重合量を多くして染色性を向上し
ようと試みても、各成分にそれぞれ0.8モル%以上含有
したもの以上の鮮明さを表現するのは困難である。それ
は、片側成分の染色性が低いことによる視覚的な寄与が
大きいためと考える。一方、各成分の共重合量が1.8モ
ル%より多いと、複合繊維の強度が極端に低下したり、
製糸時の操業性が悪化する。
Pの共重合量は1.0モル%以上である必要がある。繊維
全体のSIPの共重合量を1.0モル%以上とすること
で、単一成分で構成されたカチオン染料可染ポリエステ
ル繊維と同等の優れた染色性を得ることができる。SI
Pが1.0モル%より少ないと、カチオン染料により十分
な染色性が得られず、鮮明性の劣った織編物となる。一
方、SIPが多すぎると繊維の強度が極端に低下した
り、製糸時の操業性が悪くなるため、繊維全体の共重合
量を1.0〜2.5モル%とすることが好ましい。
に、収縮性を高めるため、第3成分としてイソフタル酸
を8〜15モル%共重合する必要がある。イソフタル酸が8
モル%未満であると熱収縮率差が小さくなり、織編物素
材に使用した際、十分なストレッチ性が発現されない。
一方、イソフタル酸の共重合量が15モル%を超えると、
糸条強度低下・ストレッチ性能低下となるうえ、製糸時
の操業性が悪くなる。
次の(1)〜(3)を満足することが好ましい。 (1)複合繊維の強度(cN/dtex)と〔100+伸度
(%)〕との積、つまり強伸度積が290以上である。こ
の値が290未満では、製編織時の工程通過性が悪くな
り、糸切れや毛羽立ちが発生しやすくなる。そのうえ、
製編織後の布帛の膨らみ感が劣り、仕立て映えに劣るも
のとなりやすい。
リエステル成分には共重合成分を含有しているため、そ
の後の熱履歴により複合繊維の熱収縮性が高くなる傾向
があるため、特に取り扱い性の面で熱収縮率がこの範囲
であることが好ましい。
で染色した際のL値(色差計での測定値)を14以下とす
る。この値は複合繊維の染色を行った後の色調を判断す
る指標となるものである。様々な色調の染料が混在した
黒色染料での評価とすることで、他の色調の染色評価の
指標となる。この値を14以下とすることで、鮮明な染色
性を有するカチオン可染性の複合繊維とすることがで
き、この複合繊維とカチオン染料以外で染色する繊維と
の複合織編物の使用において、染め分け用途での使用も
可能となる。
縮応力が0.013cN/dtex以上であることが好ましい。この
値は熱処理後に発現する捲縮特性を表す。つまり、加工
工程後の布帛の状態で複合繊維が発現する捲縮性能(潜
在捲縮性能)を判断する指標となるものである。捲縮応
力が0.013cN/dtex未満であると、複合繊維の潜在捲縮性
能が低く、ストレッチ感の乏しい布帛となる。
損なわない限り、艶消し剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、顔料、難燃剤、抗菌剤、導電性付与剤、防汚剤等、
他の機能性成分を少量含有していてもよい。
縮性能を得るためには、30/70〜70/30とする
ことが好ましく、さらには40/60〜60/40とす
ることが好ましい。
に限定されるものではなく、単糸繊度が1〜10デシテッ
クス、単糸数が5〜100本の範囲で用途に応じて適宜選
定すればよい。
造方法について説明する。本発明のポリエステル複合繊
維は、通常の複合紡糸型の溶融紡糸装置を用いて製造す
ることができ、紡糸口金の上流で両ポリエステル成分を
サイドバイサイド型になるように合流させ、同一紡糸孔
から吐出し紡糸する。その際、紡糸温度は280〜310℃の
範囲とすることが好ましい。紡出糸条は冷却固化した
後、紡糸油剤を付与して引取り、一旦捲き取ってから延
伸機にて延伸を行うか、あるいは引き取った糸条を紡糸
に連続して延伸を行い、その後、弛緩熱処理する方法に
より得ることができる。
複合繊維の延伸後の残留伸度が15〜30%となるように延
伸する。延伸後の残留伸度を15〜30%となるように延伸
する理由は、複合繊維の残留伸度がこの範囲より高いと
十分な捲縮性能が発現されにくく、一方、残留伸度がこ
の範囲より低いと延伸時に単糸の切断が発生する等、操
業的に好ましくないためである。
に共重合成分を含有しているが、このような複合繊維
は、その後の熱履歴により複合繊維の熱収縮性が高くな
り、取扱性が困難となりやすい。特に、各ポリエステル
成分の共重合量を増やした複合繊維においては、その後
の熱収縮率が下がらないという問題が残る。通常の延伸
と熱処理を同時に行う方法では、熱処理温度を極力高く
する必要があるが、それでも製糸以降の工程での取扱性
が良好な熱収縮率まで下がらないばかりか、複合繊維へ
の熱セット時のダメージが大きくなるため、毛羽立ちな
どの欠点を誘発するという問題が残る。
収縮率を下げるため、延伸後に弛緩状態で熱処理を行う
ことにより、共重合量が多い複合繊維においても熱収縮
率を下げることが可能となり、その後の織編工程におい
て取扱性が良好な複合繊維を得ることができる。弛緩率
は1〜6%とすることが必要で、熱処理温度は150〜180
℃とすることが好ましい。弛緩率が6%を超えると、糸
条が緩みすぎるため前工程の延伸が困難となる。また、
弛緩率が1%未満であると通常の未弛緩での熱処理と同
等であり、糸条の熱収縮率をほとんど下げることができ
ない。また、熱処理温度が180℃を超えると、収縮率は
下がるものの複合繊維のダメージが大きくなり、強伸度
積が低下しやすい。一方、熱処理温度が150℃未満であ
ると、沸水収縮率を低下させることが困難となりやす
い。
種のポリエステル成分に分子配向差からくる熱収縮率差
を持たせるため、2500m/分以上の高紡糸速度で行うこと
が好ましい。ただし、4000m/分を超えると、各成分の分
子配向差が大きくなりすぎるため、操業調子が悪化し、
好ましくない。
する。なお、実施例中の各種の物性値の測定、評価は次
の通り行った。 (a)強度及び伸度 オリエンテック社製万能引張試験機テンシロンRTC1210
型を用いて、試料長500mm、引張速度500mm/分で応力−
伸長曲線を測定し、繊維の最大点強力から強度と伸度を
求めた。 (b)固有粘度 試料をフェノール/テトラクロロエタン(重量比50:
50)の混合溶媒に溶解し、ウベローデ粘度計を使用し
て20℃で測定して求めた。 (c)沸水収縮率 繊維を外周1.125mの検尺機で5回かせ取りして2重に
し、1/10g/デシテックスの荷重を掛け試料長aを測定
する。その後、1/6000g/デシテックスの荷重をかけて3
0分間放置した後、30分間沸水処理し、乾燥後、1/10g/
デシテックスの荷重を掛け試料長bを測定し、下記式か
ら算出した。 沸水収縮率(%)=〔(a−b)/a〕×100 (d)捲縮回復応力 (c)沸水収縮率で使用した乾燥後の試料を用い、オリエ
ンテック社製万能引張試験機テンシロンRTC1210の引張
速度を100mm/分とし、(繊度×2)gの応力まで試料を
伸長させ、同じ速度で回復させ、このときの最大応力点
から垂線を降ろし、応力0gの線との交点から45度の角
度で応力曲線側に引いた線と応力回復曲線との交点での
応力測定値を読みとった。(0.013cN/dtex以上のものを
捲縮回復応力有りと判断した。) (e)染色性 得られた複合繊維を栄光産業社製 1口筒編機CR-Aを使
用し、28ゲージにて筒編み状とし、精練後、染料として
三菱化成社製 Diacryl Black RTL-PF(10%owf)、均染
剤として酢酸0.3cc/lを使用し、温度130℃、浴比1:50
で、30分間の条件で加圧染色を行った。染色後の筒編み
地が透けないよう8枚重ねとし、色差計(ミノルタ社製
CR-300)によりL値を5回測定し、平均値を求めた。 (f)ストレッチ性およびソフト感の評価 染色性評価に使用した試料について、10人のパネラー
による官能評価を行った。各々の試料でストレッチ性が
高い、およびソフト感が優れるものを10点満点として
1〜10点の10段階で評価し、10人の平均値で示し
た(7点以上を合格とした)。
SIPとイソフタル酸(表中、IPAと示す)の共重合
量を表1に示すように種々変更したものを用い、ポリエ
ステルBとして、ポリエチレンテレフタレートにSIP
の共重合量を表1に示すように種々変更したものを用い
た。ポリエステルA、Bの固有粘度〔η〕A、〔η〕
B、〔η〕A−〔η〕Bの値も表1に示す。これらのポ
リエステルA、Bを複合紡糸型溶融押出機に等重量供給
し、紡糸温度290℃で溶融させ、紡出孔を24個有する紡
糸口金上流で両成分を合流させ、サイドバイサイド型に
接合して紡出した。紡出した糸条を冷却固化した後、紡
糸油剤を付与しながら糸条を集束し、表面速度が3400m/
分の引取ローラを介して、捲取機で捲取った。次いで、
得られた繊維を延伸機に供給し、表面温度85℃のローラ
で熱処理した後、延伸倍率1.6倍で延伸と同時に185
℃(ヒートプレート温度)で熱処理(弛緩率0%)し、
110デシテックス/24フィラメントの複合繊維を得た。
複合繊維の評価結果を併せて表1に示す。
繊維は、いずれも、十分な強伸度・熱収縮率を有し、得
られた編物は、ストレッチ性とソフト感、染色性ともに
良好であった。一方、比較例1の繊維は、繊維中のSI
P共重合量が低いため、染色L値が高く、染色時の発色
性が劣っていた。比較例2の繊維は、高収縮成分ポリエ
ステルAのIPA量が少ないため、捲縮応力が低く、得
られた編物はストレッチ性、ソフト感に劣るものであっ
た。比較例3の繊維はポリエステルAのIPA共重合量
が多いため、紡糸溶融時の粘度低下が大きく、各成分の
熱収縮差がなくなり、強伸度が低く、捲縮の発現がない
ものとなり、得られた編物は、ストレッチ性、ソフト感
ともに劣っていた。比較例4においては、各成分の固有
粘度差が大きすぎたため、紡糸工程で糸切れが多発し、
繊維を得ることができなかった。比較例5の繊維は、各
成分の固有粘度差が小さすぎたため、捲縮性能の発現が
不十分となり、得られた編物はストレッチ性、ソフト感
ともに劣っていた。比較例6の繊維は低収縮成分のポリ
エステルBのSIP共重合量が少なすぎたため、染色性
が不十分となった。比較例7においては、ポリエステル
AのSIP共重合量が多く、繊維中のSIP共重合量も
多いため、紡糸時に糸切れが多発し、繊維を得ることが
できなかった。比較例8の繊維は、ポリエステルBにS
IPを共重合していないため、染色性が不十分となっ
た。
SIPとイソフタル酸の共重合量を表2に示すように種
々変更したものを用い、ポリエステルBとして、ポリエ
チレンテレフタレートにSIPの共重合量を表2に示す
ように種々変更したものを用いた以外は実施例1と同様
に紡糸から捲き取りまでを行った。ポリエステルA、B
の固有粘度〔η〕A、〔η〕Bの値も表2に示すように
種々変更し、〔η〕A−〔η〕Bの値も表2に示す。次
に、得られた未延伸糸を延伸機に供給し、表面温度85℃
のローラで熱処理した後、表2に示す延伸倍率で延伸
し、次いで表2に示す弛緩率と温度(ヒートプレート温
度)で熱処理し、110デシテックス/24フィラメントの
複合繊維を得た。
れた複合繊維の評価結果を併せて表2に示す。
で得られた繊維は、いずれも、十分な強伸度・熱収縮率
を有し、得られた編物は、ストレッチ性とソフト感、染
色性ともに良好であった。一方、比較例9は、弛緩率が
高すぎたために糸条が緩み、延伸が困難となり糸の採取
ができなかった。比較例10は、延伸倍率が高すぎた
(残留伸度が11%であった)ため、弛緩熱処理を行った
にもかかわらず、収縮率が下がらず、得られた編物はソ
フト感に乏しいものであった。また、単糸切れの生じた
繊維となり、強伸度積も低いものとなった。比較例11
は、延伸倍率が低すぎた(残留伸度が33%であった)た
め、捲縮応力が小さく、得られた編物はストレッチ性に
劣るものであった。比較例12は、弛緩率が0%でかつ
熱処理温度が高かったため、収縮率は下がるものの強伸
度積が低く、得られた織物はストレッチ性、ソフト感と
もに劣るものであった。
る発色性が良好であると同時に、捲縮性能が良好であ
り、膨らみ感のあるソフトな風合いを有するストレッチ
性織編物を得ることが可能となる。そして、本発明の複
合繊維の製造方法によれば、本発明の複合繊維を操業性
よく得ることが可能となる。
Claims (3)
- 【請求項1】 ポリエチレンテレフタレートを主体と
し、下記式を満たす熱収縮特性の異なる2種類のポリエ
ステルが互いにサイドバイサイド型に複合された繊維で
あって、高収縮性のポリエステル(A)は、ジカルボン
酸成分として5−ナトリウムスルホイソフタル酸0.8〜
1.8モル%及びイソフタル酸8〜15.0モル%が共重合され
たものであり、ポリエステル(B)は、ジカルボン酸成
分として5−ナトリウムスルホイソフタル酸0.8〜1.8モ
ル%が共重合されたものであり、かつ、繊維全体の全酸
成分に対して、5−ナトリウムスルホイソフタル酸の共
重合量が1.0モル%以上であることを特徴とするストレ
ッチ性織編物用ポリエステル複合繊維。 0.05≦〔η〕A−〔η〕B≦0.2 なお、〔η〕A、〔η〕Bは、ポリエステル(A)、ポ
リエステル(B)の固有粘度である。 - 【請求項2】 以下の要件(1)〜(3)を同時に満足
する、請求項1記載のストレッチ性織編物用ポリエステ
ル複合繊維。 (1)強伸度積290以上 なお、強伸度積は、繊維強度(cN/dtex)×〔100+
繊維伸度(%)〕であ る。 (2)沸水収縮率12%以下 (3)筒編み状態での黒色カチオン染料染めL値14以下 - 【請求項3】 ジカルボン酸成分として5−ナトリウム
スルホイソフタル酸0.8〜1.8モル%及びイソフタル酸8
〜15.0モル%が共重合されたポリエステル(A)とジカ
ルボン酸成分として5−ナトリウムスルホイソフタル酸
0.8〜1.8モル%が共重合されたポリエステル(B)と
を、紡糸口金上流でサイドバイサイドに張り合わせ紡糸
口金から吐出させて紡糸した後、複合繊維の延伸後の残
留伸度が15〜30%となる倍率で延伸し、次いで、1〜6
%の弛緩状態で熱処理する、請求項1又は請求項2記載
のストレッチ性織編物用ポリエステル複合繊維の製造方
法。
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---|---|---|---|
JP2000401393A JP4562907B2 (ja) | 2000-11-06 | 2000-12-28 | ストレッチ性織編物用ポリエステル複合繊維及びその製造方法 |
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